JP5686418B2 - グラフェンの製造方法、グラフェン及び金属製基材 - Google Patents

グラフェンの製造方法、グラフェン及び金属製基材 Download PDF

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Description

本発明は、透明導電膜などに利用するためのグラフェンの製造方法及びグラフェンに関する。
SP2結合した炭素原子による導電性の平面状結晶は「グラフェン」と呼ばれている。グラフェンについては非特許文献1に詳述されている。グラフェンは様々な形態の結晶性炭素膜の基本単位である。グラフェンによる結晶性炭素膜の例としては、一層のグラフェンによる単層グラフェン、ナノメートルサイズのグラフェンの数層から十層程度の積層体であるナノグラフェン、さらに数層から数十層程度のグラフェン積層体が基材面に対して垂直に近い角度で配向するカーボンナノウォール(非特許文献2参照)などがある。
グラフェンによる結晶性炭素膜は、その高い光透過率と電気伝導性のため、透明導電膜や透明電極としての利用が期待されている。さらにグラフェン中の電子およびホールのキャリア移動度は室温でシリコンの100倍も高い最大20万cm/Vsになる可能性がある。このグラフェンの特性を生かしてテラヘルツ(THz)動作を目指した超高速トランジスタの開発も進められている。
グラフェンの製造方法については、これまで、天然黒鉛からの剥離法、炭化ケイ素の高温熱処理によるケイ素の脱離法、さらにさまざまな金属表面への形成法などが開発されているが、グラフェンによる結晶性炭素膜を用いた透明導電性炭素膜は多岐にわたる工業的な利用が検討されており、そのため、高いスループットで大面積の成膜法が望まれている。
最近、銅箔表面への化学気相合成法(CVD)によるグラフェンの形成法が開発された(非特許文献3、4)。この銅箔を基材とするグラフェン成膜手法は、熱CVD法によるものであって、原料ガスであるメタンガスを約1000℃程度で熱的に分解し、銅箔表面に1層から数層のグラフェンを形成するものである。
また上記CVDによるグラフェン製法は、基本的にメタンガスなど気体状の原料を用いる。グラフェンの原料としてはさまざまな樹脂などの固体状の原料も可能性があるが、CVDで利用することは困難である。さらにガスを原料とするCVDでは、基材のある特定の部分にグラフェンを作製しパターンを形成することは困難であり、そのため、基材上にグラフェンを作製した後にパターンを形成するための加工を行う必要があった。これらの課題を解決するため、最近、銅箔にポリメタクリル酸メチル(polymethylmethacrylate、PMMA)膜を塗布により形成し、それを水素とアルゴンの混合ガス雰囲気中で800℃〜1000℃で加熱する樹脂炭化法により、グラフェンを形成する手法が開発された。(非特許文献6)
山田久美、化学と工業、61(2008)pp.1123-1127 Y.Wu,P.Qiao,T.Chong,Z.Shen,Adv.Mater.14(2002)pp.64-67 Xuesong Li, Weiwei Cai, Jinho An,Seyoung Kim, Junghyo Nah, Dongxing Yang, Richard Piner, Aruna Velamakanni, InhwaJung, Emanuel Tutuc, Sanjay K. Banerjee, Luigi Colombo, Rodney S. Ruoff, Science,Vol.324, 2009, pp.1312-1314. Xuesong Li, Yanwu Zhu, WeiweiCai, Mark Borysiak, Boyang Han, David Chen, Richard D. Piner, Luigi Colombo, Rodney S. Ruoff, Nano Letters, Vol.9,2009, pp.4359-4363. L.G.Cancado,M.A.Pimenta, B.R.A.Neves, M.S.S.Dantas, A.Jorio,Phys.Rev.Lett.93(2004)pp.247401_1-247401_4) ZhengzongSun, Zheng Yan, Jun Yao, Elvira Beitler, Yu Zhu, James M. Tour, NATURE,doi:10.1038/nature09579
前記の銅箔を基材とするグラフェンの熱CVD法および樹脂炭化法による形成手法は、グラフェンの工業的な製造方法として有望と考えられる。
しかしながら、この手法は銅の融点1080℃に近い高温での熱CVDによるプロセスであるため、グラフェン成膜中の銅の蒸発や再結晶化による銅箔表面の形状変化が生じるという問題があることが判明した。
また、前述の高いスループットで大面積の成膜法の1つとして、ロール状の基材を成膜領域に連続的に送り込みながら成膜し、巻き取り用のロールで巻き取りながら成膜するという手法が望まれるが、熱CVD法および樹脂炭化法による手法では基材が高温になるために、該手法の適用は困難である。
工業的な高スループットのためには、現状の熱CVD法および樹脂炭化法と比較して低温でかつ反応時間の短い成膜手法の開発が望まれている。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであって、従来の熱CVD法および樹脂炭化法によるグラフェン成膜の課題である、高温プロセスであり、かつプロセス時間が長いという問題を解決し、より低温で短時間にグラフェンを形成する手法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、鋭意検討を重ねた結果、低温で短時間にグラフェンを形成するための新たな手法を見出し、これにより、グラフェンが従来法と比較して低温でかつ短時間に形成でき、従来技術における上記課題を解決しうることが判明した。
本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものであり、以下のとおりのものである。
[1]表面波マイクロ波プラズマ処理装置内で有機物質を塗布した金属製基材の温度を500℃以下に設定して50Pa以下の減圧下で水素を含有するガスを用いたプラズマ処理1秒〜50分を行い、該有機物質表面上にグラフェンを成長させ、前記有機物質は、アクリル樹脂、ベンゾトリアゾール類、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン及びフェノール樹脂から選択され、前記金属製基材には、ニッケル、銅、イリジウム及び白金から選択される金属を用いることを特徴とするグラフェンの製造方法。
[2]表面波マイクロ波プラズマ処理装置内で有機物質を塗布した金属製基材の温度を500℃以下に設定して50Pa以下の減圧下で水素を含有するガスを用いたプラズマ処理を1秒〜50分行い、該有機物質表面上にグラフェンを成長させてなる金属基材とグラフェンを積層して積層体を形成し、金属基材からグラフェンを剥離し、前記有機物質は、アクリル樹脂、ベンゾトリアゾール類、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン及びフェノール樹脂から選択され、前記金属製基材には、ニッケル、銅、イリジウム及び白金から選択される金属を用いることを特徴とするグラフェンの製造方法。
[3]前記有機物質は、ポリメタクリル酸メチル又はベンゾトリアゾールであることを特徴とする[1]又は[2]に記載のグラフェンの製造方法
[4]前記金属製基材は銅薄膜であることを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のグラフェンの製造方法
[5][1]〜[4]のいずれかに記載のグラフェンの製造方法で得られたグラフェン。
[6][1]〜[4]のいずれかに記載のグラフェンの製造方法に用いられる有機物質を塗布した金属製基材。
本発明の方法によれば、従来の熱CVDおよび樹脂炭化法によるグラフェン成膜の課題である、高温プロセスであり、かつプロセス時間が長いという問題を解決し、より低温で短時間にグラフェンを形成することが可能となる。
本発明の方法により、低温で大面積に合成できるため,タッチパネル用途等の透明導電膜、トランジスタや集積回路等の半導体デバイスまたは電子デバイス、広面積を必要とする透明電極や電気化学電極、バイオデバイスなどへの応用が可能となる.
本発明の有機物質を塗布した銅箔基材を模式的に示す図 実施例1、2で用いた表面波マイクロ波プラズマ処理装置を模式的に示す断面図 本発明で得られる銅箔の上に形成されたグラフェンの模式図 実施例1で形成したグラフェンのラマン散乱分光スペクトル 実施例1で形成したグラフェンのラマン散乱分光スペクトルのGバンド近傍を拡大した図 実施例1で形成したグラフェンのラマン散乱分光スペクトルの2Dバンド近傍を拡大した図 実施例1で形成したグラフェンの電子線顕微鏡による透過像の観察写真 実施例2で形成したグラフェンのラマン散乱分光スペクトル 実施例2で形成したグラフェンのラマン散乱分光スペクトルのGバンド近傍を拡大した図 実施例2で形成したグラフェンのラマン散乱分光スペクトルの2Dバンド近傍を拡大した図 実施例3,4で用いた大面積表面波マイクロ波プラズマ処理装置を模式的に示す断面図 実施例3における、プラズマ処理開始からの時間と基板温度の関係を示す図 実施例3で、有機物質としてポリメタクリル酸メチルを塗布した銅箔に形成したグラフェンのラマン散乱分光スペクトル 実施例3で、有機物質としてベンゾトリアゾールを塗布した銅箔に形成したグラフェンのラマン散乱分光スペクトル 実施例4で、有機物質としてポリメタクリル酸メチルを塗布した銅箔に形成したグラフェンのラマン散乱分光スペクトル 実施例4で、有機物質としてベンゾトリアゾールを塗布した銅箔に形成したグラフェンのラマン散乱分光スペクトル 比較例で、有機物質としてポリメタクリル酸メチルを塗布した銅箔を熱処理し試料のラマンスペクトル 比較例で、有機物質としてベンゾトリアゾールを塗布した銅箔を熱処理した試料のラマンスペクトル
101:有機物質薄膜
102:銅箔
201:プラズマ発生室
202:スロット付き矩型マイクロ波導波管
203:マイクロ波を導入するためのアルミナ窓
204:アルミナ窓を支持する金属製支持部材
205:基材
206:基材を設置するための試料台
207:冷却水の給排水管
208:排気管
209:処理用ガス導入管
210:処理容器
211:冷却水管
301:グラフェン
302:銅箔
1100:放電容器
1101:矩形導波管
1102:スロットアンテナ
1103:石英窓
1104:基材
1105:試料台
1106:反応室
1107:排気管
1108:処理用ガス導入管
本発明のグラフェンの製造方法では、プラズマにより生成された荷電粒子や電子のエネルギーと、ニッケル、銅、イリジウム、白金等の金属の触媒機能の作用により、有機物質を改質することで、グラフェンが形成される。そのため、従来の樹脂炭化法と比較して、より低温で短時間にグラフェンの形成が可能である。
本発明のグラフェンは、主として特定の製造条件を採用することにより得ることができる。そのグラフェンを作製するには、有機物質を塗布した金属箔にプラズマ処理を施すことで、より低温で短時間にグラフェンを形成することが可能となる。基材に有機物質を塗布した銅箔を用いること、表面波マイクロ波プラズマ法を用いることで、大面積の膜を形成できる。
本発明のグラフェン製造方法の基材には、ニッケルや銅、イリジウム、白金等の触媒機能を有する金属を用いることができる。金属箔基板の表面形状を変化することなく、金属箔の蒸発を生じることなくグラフェンを形成するためには、金属の融点より十分低い温度でプラズマ処理を施す必要がある。
例えば、銅箔基板の場合、銅の融点(1080℃)より十分低温において処理することが必要である。
通常のマイクロ波プラズマ処理は、圧力2×10〜1×10Paで行われる。この圧力ではプラズマが拡散しにくく、プラズマが狭い領域に集中するため、プラズマ内の中性ガスの温度が1000℃以上になる。そのため、銅箔基板の温度が800℃以上に加熱され、銅箔表面からの銅の蒸発が大きくなる。したがってグラフェンの作製に適用できない。またプラズマ領域を均一に広げるには限界があり、大面積に均一性の高いグラフェンの形成が困難である。
したがって、成膜中の銅箔基板の温度を低く保ち、かつ大面積に均一性の高いグラフェンを形成するには、より低圧でのプラズマ処理が必要である。
本発明では、10Pa以下でも安定にプラズマを発生・維持することが可能な、表面 波マイクロ波プラズマを発生させ、プラズマ処理に利用した。
表面波マイクロ波プラズマについては、例えば文献「菅井秀郎,プラズマエレクトロニクス,オーム社 2000年,p.124-125」に詳述されている。
これにより、銅箔基板の融点より十分に低い温度にする事ができ、かつ380mm×340mm以上の大面積に均一なプラズマを発生させることができた。
プラズマをラングミュアプローブ法(シングルプローブ法)により診断した結果、電子密度が1011〜1012/cmであり、周波数2.45GHzのマイクロ波に対するカットオフ電子密度7.4×1010/cmを超えており、表面波により発生・維持する表面波プラズマであることを確認した。
このラングミュアプローブ法については、例えば文献「菅井秀郎,プラズマエレクトロニクス,オーム社 2000年,p.58」に詳述されている。
本発明で用いるCVD処理の条件としては、基板温度は、500℃以下であり、好ましくは50〜500℃、さらに好ましくは50〜400℃である。
また、圧力は、50Pa以下であり、好ましくは2〜50Pa、さらに好ましくは2〜20Paが用いられる。
処理時間は、特に限定されないが、1秒〜50分程度、好ましくは1秒〜20分程度である。この程度の処理時間によれば、グラフェンが得られる。
本発明において、マイクロ波プラズマ処理に用いるガスは、水素、または水素と不活性ガスの混合ガスである。不活性ガスとしてはヘリウム、ネオン、アルゴン等が包含される。
本発明において、マイクロ波プラズマ処理に用いる原料の有機物質として、炭素原子を構造の基本骨格に持ち、ポリアクリル酸やポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸と、ポリメタクリル酸エステル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹脂や、ポリエチレングリコール−ビス(1,2,3−ベンゾトリアゾリルエーテル)、ポリエチレングリコール−1,2,3−ベンゾトリアゾリルエーテル等のベンゾトリアゾール類、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、フェノール樹脂等の高分子等を用いることができる。好ましくは、被膜形成可能なアクリル樹脂や防錆膜機能を有するベンゾトリアゾール類を用いることが出来る。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
本実施例においては、銅箔に塗布した有機物質に、表面波マイクロ波プラズマ処理装置を用いて水素プラズマ処理を施した。以下に詳細を述べる。
(有機物質/銅箔構造形成方法)
本発明に用いる有機物質を塗布した銅箔基材は、薄く接着された有機物質薄膜(101)と、母材の銅箔(102)により構成されている。図1は、本実施例に用いた有機物質を塗布した銅箔を模式的に示す図である。
本発明においては、銅箔(102)上に溶媒に溶かした有機物質を塗布することにより有機物質薄膜(101)を形成する。
本実施例で用いた有機物質であるポリメタクリル酸メチルおよびベンゾトリアゾールの処理手順は、それぞれ以下のとおりである。
有機物質としてポリメタクリル酸メチルを塗布した銅箔の形成方法を説明する。
メタクリル酸メチルポリマー粉末(東京化成工業株式会社製、[CH2C(CH3)COOCH3]n)2gとメトキシベンゼン(和光純薬工業株式会社製、Methoxybenzene、CH3OC6H5)48gを混合し、撹拌しながら完全に溶解させた。この有機物質溶液を、平滑な台の上に設置した大きさ150mm×220mm、厚さ33μmの銅箔(102)の上に5mlほど滴下し、プラスチック製のヘラで薄く均一に塗り広げた。余分な有機物質溶液はウエス等で拭き取った。これを50℃の乾燥機中で1時間処理し、完全に乾燥させ、有機物質(101)を塗布した銅箔基材を作製した。
有機物質としてベンゾトリアゾールを塗布した銅箔の形成方法を説明する。
塗布には、従来公知のスプレー法により、ベンゾトリアゾールを塗布した。時間は、数秒であり、塗布時の基板温度は、50℃程度である。塗布後、ドライヤーで乾燥させた。
以下、本発明の手法で作製したグラフェン膜の、ラマン散乱分光スペクトル、光透過性、及び電気伝導性の、それぞれの測定方法について説明する。
(ラマン散乱分光スペクトルの測定方法)
試料として、本発明の手法で銅箔基板上に設けられたグラフェンを用いた。測定装置は(株)堀場製作所製XploRA型機であり、励起用レーザーの波長は638nm、レーザービームのスポットサイズは直径1ミクロン、分光器のグレーティングは600本、レーザー源の出力は9.3mWで、減光器は使用しなかった。アパーチャーは100μm、スリットは100μm、対物レンズは100倍とした。露光時間は5秒間で10回の測定を積算してスペクトルを得た。
2Dバンド、Gバンド、Dバンド、およびD´バンドのピーク位置は、グラフェン膜の層数やラマン散乱分光スペクトルの測定時のレーザーの励起波長に依存することが非特許文献(L.M.Malard, M.A.Pimenta, G. Dresselhaus and M.S.Dresselhaus, Physics Reports 473 (2009) 51-87)等で示されている。例えば、励起波長514.5nmのレーザーによる単層グラフェン膜の場合、2Dバンド、Gバンド、Dバンド、およびD´バンドのピーク位置は、2700cm−1、1582cm−1、1350cm−1、1620cm−1付近である。Gバンドは正常六員環によるもので、2DバンドはDバンドの倍音によるものである。またDバンドは正常六員環の欠陥に起因するピークである。また、D´バンドも欠陥から誘起されるピークであり、数層から数十層程度のグラフェンの端の部分に起因するものと考えられる(非特許文献5参照)。ラマン散乱分光スペクトルにGバンドと2Dバンドの両方のピークが観測される場合、膜はグラフェンであると同定される(非特許文献3参照)。一般的に、グラフェンの層数が増えると2Dバンドは高波数側にシフトすること、半値幅が広がることが知られている。さらに、レーザーの励起波長が短くなると、2Dバンドは高波数側にシフトする。
(光透過率の測定方法)
試料として、本発明の手法で銅箔基材に成膜した透明導電性炭素膜を銅箔から剥離し、ガラス基板上に貼付したものを使用した。ガラス基板は、直径10mm、厚さ1mmの石英ガラス、または幅26mm、長さ75mm、厚さ1mmのソーダガラスを用いた。
使用した透過率測定装置は、日本電食工業社製NDH5000SPであり、波長領域550nmでの透過率の測定を行った。測定ではまず、グラフェン膜を貼付しない石英ガラス基板だけの透過率スペクトルを測定した。次にグラフェン膜を貼付した石英ガラス基板の透過率スペクトルを測定した。このようにして得たグラフェン膜を貼付した石英ガラス基板の透過率スペクトルからグラフェン膜を貼付しない石英ガラス基板の透過率スペクトルを差し引くことにより、該グラフェン膜自体の透過率スペクトルを求めた。
(電気伝導性の測定方法)
試料排気マニホールド、本発明の手法で銅箔基材に成膜したグラフェン膜を銅箔基材から剥離し、絶縁体基板上に貼付したものを使用した。使用した絶縁体基板は、PDMS(ポリジメチルシロキサン:東レ・ダウコーニング株式会社製 SILPOT 184 W/C)や石英ガラス、ソーダガラスを用いた。
電気伝導性の評価には三菱化学株式会社製 低抵抗率計 ロレスターGP MCP-T600であり、電極間隔1.5mmのスクエアプローブ(MCP−TPQPP)を使用した。電極間に印加する電圧の上限値は10Vもしくは90Vに設定した。試料を幅2cmの格子状に区画分けし、スクエアプローブを該グラフェン膜に押しつけることによりシート抵抗(表面抵抗率)を測定した。
(実施例1)
本実施例においては、有機物質としてポリメタクリル酸メチルを塗布した銅箔の水素プラズマ処理を行った。図2は、本実施例に用いた表面波マイクロ波プラズマ処理装置を模式的に示す図である。
本発明に用いる表面波マイクロ波プラズマ処理装置は、上端が開口した金属製の反応容器(210)と、反応容器(210)の上端部に、金属製支持部材(204)を介して気密に取り付けられたマイクロ波を導入するためのアルミナ窓(203)と、その上部に取り付けられたスロット付き矩形マイクロ波導波管(202)とから構成されている。
本実施例においては、反応容器(210)の内部に、試料を設置し、水素プラズマ処理を行う。処理手順は以下のとおりである。
表面波マイクロ波プラズマ処理容器(210)内のプラズマ発生室(201)に設けられた試料台(206)に、前記有機物質を塗布した銅箔基材(205)を設置した。次に、排気管(208)を通して反応室内を1×10−3Pa以下に排気した。反応室には冷却水管(211)が巻きつけてあり、そこに冷却水を供給して反応室を冷却した。また、試料台は銅でできており、冷却水の給排水管(207)を通して冷却水を供給し、試料の冷却を行った。
アルミナ窓(203)とポリメタクリル酸メチルを塗布した銅箔基材との距離が75mmになるよう試料台の高さを調整した。
次に、処理室に処理用ガス導入管(209)を通して、水素ガスを導入した。水素ガス流量は、30.0SCCMであった。反応室内の圧力を排気管(208)に接続した圧力調整バルブを用いて、10Paに保持した。
マイクロ波パワー1.5kWにてプラズマを発生させ、有機物質を塗布した銅箔基材(205)の水素プラズマ処理を行った。水素プラズマ処理中の基板の温度は、アルメル−クロメル熱電対を基板裏面に接触させることにより測定した。水素プラズマ処理を通じて基材の温度は最高でおよそ380℃であった。水素プラズマ処理中の基材が高温になると、銅箔が溶融したり、さらには蒸発により消失したりすることがある。したがって、十分注意深く基材の温度管理をすることが肝心である。以上の水素プラズマ処理の結果、銅箔基材上にグラフェンが形成される。プラズマ処理時間としては、20分である。
図3に、銅箔(302)の上に形成されたグラフェン(301)の模式図を示す。
測定したグラフェンのラマン散乱分光スペクトルの例を図4に示す。また、Gバンド近傍および2Dバンド近傍を拡大したスペクトルとフィッティング特性を図5および6に示す。グラフェンのラマン散乱分光による評価で重要なバンドは、2Dバンド(2646.9cm−1)、Gバンド(1571.6cm−1)、Dバンド(1323.8cm−1)、およびD´バンド(1606.0cm−1)である。ラマン散乱分光スペクトルにGバンドと2Dバンドの両方のピークが観測される場合、膜はグラフェンであると同定される(非特許文献3参照)
図4では、Gバンドと2Dバンドの両方のピークが観測されており、したがって、本発明で形成された膜はグラフェンであることが明らかである。また、バルクの結晶性炭素物質であるグラファイトの場合、2Dバンドは低端数側に肩をもつ形状を示すが、グラフェンの場合は左右対照的な形状を示す。図6の2Dバンドのピークの左半分と右半分のピーク幅を測定したところ、左半分のピーク幅(半値幅の左半分)は39.2cm−1、右半分のピーク幅は37cm−1であり、ほぼ左右対称的なピーク形状であることがわかった。このことからも本発明で得られる膜はグラフェンであることが明らかである。またD´バンドは欠陥から誘起されるピークであり、数層から数十層程度のグラフェンの端の部分に起因するものと考えられる。
2DバンドとGバンドのピークの相対強度を用いてグラフェンの層数を同定することができる(非特許文献3)。それぞれのピークを、ローレンツ関数を用いてフィッティングしバックグラウンドを差し引くことによって、それぞれのピークの強度を求めた。ピーク強度はそれぞれ、I(2D)=9043.3、I(G)=17550.0、I(D’)=5108.5、I(D)=16617.6、であった。Gバンドと2Dバンドの強度の比がI(2D)/I(G)≧2となる場合は単層、またI(2D)/I(G)=1〜2となる場合は2〜3層程度のグラフェン膜であるとされる(非特許文献3)。
このように図4、図5、図6に示したグラフェンは、2DバンドとGバンドのピークの強度比、およびD´バンドが観測されていることから、1層から数十層程度のグラフェンとが混在する構成を有することが分かった。
本実施例の手法で作成したグラフェン膜を電子線顕微鏡で断面を観察した。観察用試料は、透明導電性炭素膜上に非晶質炭素膜を塗布し、フォーカスイオンビーム(FIB)法により薄片化した。装置は、エスアイアイ・ナノテクノロジー社製Xvision200TBを用いた。電子線顕微鏡による透過像観察には、日立製作所社製H-9000UHRを用い、加速電圧300kVの条件でおこなった。
電子顕微鏡による観察結果を図7に示す。図は、支持材料である非晶質炭素膜/グラフェン/銅箔構造である。図7より、グラフェンシートの長さとその枚数を数えた。グラフェンシートの平均長さは、0.72nmであった。なお、グラフェン膜の平均層数は、9.4層であった。
次いで、本実施例の手法で作成したグラフェン膜の光透過率及び電気伝導性の測定を行ったところ、透過率は、90%であり、シート抵抗は、4.2Ω/□であった。
(実施例2)
本実施例においては、実施例1と同じく、図2に示す表面波マイクロ波プラズマ処理装置を用いて、有機物質としてベンゾトリアゾールを塗布した銅箔の水素プラズマ処理を行った。
表面波マイクロ波プラズマ処理容器(210)内のプラズマ発生室(201)に設けられた試料台(206)に、前記有機物質を塗布した銅箔基材(205)を設置した。次に、排気管(208)を通して反応室内を1×10−3Pa以下に排気した。反応室には冷却水管(211)が巻きつけてあり、そこに冷却水を供給して反応室を冷却した。また、試料台は銅でできており、冷却水の給排水管(207)を通して冷却水を供給し、試料の冷却を行った。
アルミナ窓(203)とベンゾトリアゾールを塗布した銅箔基材との距離が75mmになるよう試料台の高さを調整した。
次に、処理室に処理用ガス導入管(209)を通して、水素ガスを導入した。水素ガス流量は、30.0SCCMであった。反応室内の圧力を排気管(208)に接続した圧力調整バルブを用いて、5Paに保持した。
マイクロ波パワー1.5kWにてプラズマを発生させ、有機物質を塗布した銅箔基材(205)の水素プラズマ処理を行った。プラズマ処理中の基板の温度は、アルメル−クロメル熱電対を基板表面に接触させることにより測定した。水素プラズマ処理を通じて基材の温度は最高でおよそ320℃であった。水素プラズマ処理中の基材が高温になると、銅箔が溶融したり、さらには蒸発により消失したりすることがある。したがって、十分注意深く基材の温度管理をすることが肝心である。以上の水素プラズマ処理の結果、銅箔基材上にグラフェンが形成される。プラズマ処理時間としては、20分である。
図3に、銅箔の上に形成されたグラフェンの模式図を示す。
測定したグラフェンのラマン散乱分光スペクトルの例を図8に示す。Gバンド近傍および2Dバンド近傍を拡大したスペクトルとフィッティング特性を図9および10に示す。グラフェンのラマン散乱分光による評価で重要なバンドは、2Dバンド(2665.9cm−1)、Gバンド(1588.8cm−1)、Dバンド(1334.0cm−1)、およびD´バンド(1617.5cm−1)である。ラマン散乱分光スペクトルにGバンドと2Dバンドの両方のピークが観測される場合、膜はグラフェンであると同定される(非特許文献3参照)
図8では、Gバンドと2Dバンドの両方のピークが観測されており、したがって、本発明で形成された膜はグラフェンであることが明らかである。また、バルクの結晶性炭素物質であるグラファイトの場合、2Dバンドは低端数側に肩をもつ形状を示すが、グラフェンの場合は左右対照的な形状を示す。図10の2Dバンドのピークの左半分と右半分のピーク幅を測定したところ、左半分のピーク幅は40.0cm−1、右半分のピーク幅は37.2cm−1であり、ほぼ左右対称的なピーク形状であることがわかった。このことからも本発明で得られる膜はグラフェンであることが明らかである。またD´バンドは欠陥から誘起されるピークであり、数層から数十層程度のグラフェンの端の部分に起因するものと考えられる。
2DバンドとGバンドのピークの相対強度を用いてグラフェンの層数を同定することができる(非特許文献3)。図9、10のようにそれぞれのピークを、ローレンツ関数を用いてフィッティングしバックグラウンドを差し引くことによって、それぞれのピークの強度を求めた。ピーク強度はそれぞれ、I(2D)=86.8、I(G)=821、I(D’)=761.3、I(D)=1335、であった。Gバンドと2Dバンドの強度の比がI(2D)/I(G)≧2となる場合は単層、またI(2D)/I(G)=1〜2となる場合は2〜3層程度のグラフェン膜であるとされる(非特許文献3)。
このように図8、図9、図10に示したグラフェン膜の例は、2DバンドとGバンドのピークの強度比、およびD´バンドが観測されていることから、1層から数十層程度のグラフェンが混在する構成を有することが分かった。
(実施例3)
本実施例においては、有機物質としてポリメタクリル酸メチルを塗布した銅箔、及び有機物質としてベンゾトリアゾールを塗布した銅箔を用いて、それぞれにアルゴン/水素プラズマ処理を行った。
以下に本実施例で用いたアルゴン/水素プラズマ処理の詳細を述べる。有機物質の塗布方法は、実施例1および実施例2と同様の方法である。
本実施例においては、図11に示すような四つのプラズマ生成用マイクロ波ランチャーを配列し、表面波マイクロ波プラズマを大規模化(プラズマ処理領域:断面積600mm×400mm、高さ200mm)した大面積プラズマ装置を用いて、グラフェン膜の合成を行った。
図11にその装置の断面図を示す。該図において、1100は放電容器、1101は矩形導波管、1102はスロットアンテナ、1103は石英窓、1104は基材、1105は試料台、1106は反応室、1107は処理用ガス導入管、1108は排気管、をそれぞれ示している。
本実施例では、反応室(1106)に、厚さ33μmの銅箔を設置し、アルゴン/水素プラズマ処理を行った。実験条件は以下の通りである。
マイクロ波パワーは4.5kW/マイクロ波ランチャー1台、放電容器内の圧力は5 Paとした。プラズマ処理用ガスはアルゴンガス30SCCM、水素ガス50SCCMとした。反応室内の圧力を排気管(1108)に接続した圧力調整バルブを用いて、5Paに保持した。本実施例では、石英窓(1103)と銅箔基材との距離を40mmから190mmまで変えることが出来る。本実施例では、石英窓(1103)と銅箔基材との距離を190mmとしてプラズマCVD処理を行った。
プラズマ処理開始からの時間と基板温度の関係を図12に示す。時間が長くなるにつれて基板温度の上昇が確認できた。
有機物質としてポリメタクリル酸メチルを塗布した銅箔、及び有機物質としてベンゾトリアゾールを塗布した銅箔にアルゴン/水素プラズマ処理を、20分間行った試料のラマンスペクトルを、それぞれ図13及び図14に示す。プラズマ処理終了時の基板温度は152℃であった。
有機物質としてポリメタクリル酸メチルを塗布した銅箔にアルゴン/水素プラズマ処理を20分間行った試料のラマンスペクトル(図13)は、グラフェンのラマン散乱分光による評価で重要なバンドである2Dバンド(2660.1cm−1)、Gバンド(158 9.4cm−1)、Dバンド(1327.7cm−1)、およびD´バンド(1614.3cm−1)が観測された。バックグラウンドを差し引くことによって求めたそれぞれのピークの強度は、I(2D)=33.1、I(G)=152.5、I(D’)=122、I(D)=481.2であった。Gバンドと2Dバンドの強度の比がI(2D)/I(G)≧2となる場合は単層、またI(2D)/I(G)=1〜2となる場合は2〜3層程度のグラフェン膜であるとされる(非特許文献3)。2DバンドとGバンドのピークの強度比、およびD´バンドが観測されていることから、1層から数十層程度のグラフェンが混在する構成を有することが分かった。
図13では、Gバンドと2Dバンドの両方のピークが観測されており、したがって、本発明で形成された膜はグラフェンであることが明らかである。また、バルクの結晶性炭素物質であるグラファイトの場合、2Dバンドは低端数側に肩をもつ形状を示すが、グラフェンの場合は左右対照的な形状を示す。図13の2Dバンドのピークの左半分と右半分のピーク幅を測定したところ、左半分のピーク幅は31.0cm−1、右半分のピーク幅は30.2cm−1であり、ほぼ左右対称的なピーク形状であることがわかった。このことからも本発明で得られる膜はグラフェンであることが明らかである。またD´バンドは欠陥から誘起されるピークであり、数層から数十層程度のグラフェンの端の部分に起因するものと考えられる。
有機物質としてベンゾトリアゾールを塗布した銅箔にアルゴン/水素プラズマ処理を20分間行った試料のラマンスペクトル(図14)は、グラフェンのラマン散乱分光による評価で重要なバンドである2Dバンド(2667.3cm−1)、Gバンド(1594.8cm−1)、Dバンド(1332.7cm−1)、およびD´バンド(1613.0cm−1)が観測された。バックグラウンドを差し引くことによって求めたそれぞれのピークの強度は、I(2D)=26.5、I(G)=105.2、I(D’)=75.2、I(D)=371.0であった。Gバンドと2Dバンドの強度の比がI(2D)/I(G)≧2となる場合は単層、またI(2D)/I(G)=1〜2となる場合は2〜3層程度のグラフェン膜であるとされる(非特許文献3)。2DバンドとGバンドのピークの強度比、およびD´バンドが観測されていることから、1層から数十層程度のグラフェンが混在する構成を有することが分かった。
図14では、Gバンドと2Dバンドの両方のピークが観測されており、したがって、本発明で形成された膜はグラフェンであることが明らかである。また、バルクの結晶性炭素物質であるグラファイトの場合、2Dバンドは低端数側に肩をもつ形状を示すが、グラフェンの場合は左右対照的な形状を示す。図14の2Dバンドのピークの左半分と右半分のピーク幅を測定したところ、左半分のピーク幅は37.2cm−1、右半分のピーク幅は35cm−1であり、ほぼ左右対称的なピーク形状であることがわかった。このことからも本発明で得られる膜はグラフェンであることが明らかである。またD´バンドは欠陥から誘起されるピークであり、数層から数十層程度のグラフェンの端の部分に起因するものと考えられる。
(実施例4)
本実施例においては、実施例3と同一の方法で、50分間のアルゴン/水素プラズマ処理を、有機物質としてポリメタクリル酸メチルを塗布した銅箔、及び有機物質としてベンゾトリアゾールを塗布した銅箔のそれぞれに行った。プラズマ処理終了時の基板温度は196℃であった。
有機物質としてポリメタクリル酸メチルを塗布した銅箔にアルゴン/水素プラズマ処理を50分間行った試料のラマンスペクトル(図15)は、グラフェンのラマン散乱分光による評価で重要なバンドである2Dバンド(2678.5cm−1)、Gバンド(1591.7cm−1)、Dバンド(1335.8cm−1)、およびD´バンド(1614.3cm−1)が観測された。バックグラウンドを差し引くことによって求めたそれぞれのピークの強度は、I(2D)=17.6、I(G)=84.9、I(D’)=54.1、I(D)=1212.7であった。Gバンドと2Dバンドの強度の比がI(2D)/I(G)≧2となる場合は単層、またI(2D)/I(G)=1〜2となる場合は2〜3層程度のグラフェン膜であるとされる(非特許文献3)。2DバンドとGバンドのピークの強度比、およびD´バンドが観測されていることから、1層から数十層程度のグラフェンが混在する構成を有することが分かった。
図15では、Gバンドと2Dバンドの両方のピークが観測されており、したがって、本発明で形成された膜はグラフェンであることが明らかである。また、バルクの結晶性炭素物質であるグラファイトの場合、2Dバンドは低端数側に肩をもつ形状を示すが、グラフェンの場合は左右対照的な形状を示す。図15の2Dバンドのピークの左半分と右半分のピーク幅を測定したところ、左半分のピーク幅は39.0cm−1、右半分のピーク幅は31.0cm−1であり、ほぼ左右対称的なピーク形状であることがわかった。このことからも本発明で得られる膜はグラフェンであることが明らかである。またD´バンドは欠陥から誘起されるピークであり、数層から数十層程度のグラフェンの端の部分に起因するものと考えられる。
有機物質としてベンゾトリアゾールを塗布した銅箔にアルゴン/水素プラズマ処理を50分間行った試料のラマンスペクトル(図16)は、グラフェンのラマン散乱分光による評価で重要なバンドである2Dバンド(2678.5cm−1)、Gバンド(1599.2cm−1)、Dバンド(1328.4cm−1)、およびD´バンド(1620.3cm−1)が観測された。バックグラウンドを差し引くことによって求めたそれぞれのピークの強度は、I(2D)=8.9、I(G)=44.3、I(D’)=30.9、I(D)=156.6であった。Gバンドと2Dバンドの強度の比がI(2D)/I(G)≧2となる場合は単層、またI(2D)/I(G)=1〜2となる場合は2〜3層程度のグラフェン膜であるとされる(非特許文献3)。2DバンドとGバンドのピークの強度比、およびD´バンドが観測されていることから、1層から数十層程度のグラフェンが混在する構成を有することが分かった。
図16では、Gバンドと2Dバンドの両方のピークが観測されており、したがって、本発明で形成された膜はグラフェンであることが明らかである。また、バルクの結晶性炭素物質であるグラファイトの場合、2Dバンドは低端数側に肩をもつ形状を示すが、グラフェンの場合は左右対照的な形状を示す。図16の2Dバンドのピークの左半分と右半分のピーク幅を測定したところ、左半分のピーク幅は42.2cm−1、右半分のピーク幅は43.0cm−1であり、ほぼ左右対称的なピーク形状であることがわかった。このことからも本発明で得られる膜はグラフェンであることが明らかである。またD´バンドは欠陥から誘起されるピークであり、数層から数十層程度のグラフェンの端の部分に起因するものと考えられる。
(比較例)
前記の各実施例に示すとおり、本発明では、表面波マイクロ波プラズマ処理により400℃以下でグラフェンが形成できるが、本比較例では、加熱処理による効果について検討した。
基板は、実施例1および2と同様の作製方法で得られる有機物質としてポリメタクリル酸メチルを塗布した銅箔、及び有機物質としてベンゾトリアゾールを塗布した銅箔、のそれぞれに熱処理を行った。本比較例で用いた有機物質としてポリメタクリル酸メチルを塗布した銅箔、及び有機物質としてベンゾトリアゾールを塗布した銅箔は、いずれも実施例1および2と同様である。
加熱処理は、アルバック理工社製卓上型ランプ加熱装置(MILA−5000型)を用いた。石英製試料ホルダ上に、それぞれ有機物質としてポリメタクリル酸メチルを塗布した銅箔、及び有機物質としてベンゾトリアゾールを塗布した銅箔を置き、10−4Pa以下まで真空排気した。水素ガスおよびアルゴンガス流量を100sccmおよび200sccmとし、100Paに保持した。その後、室温から400℃まで5分間で昇温し、400℃で20分間の熱処理を行った。本比較例の加熱条件は、実施例1とほぼ同等の温度と時間である。
図17および18に、有機物質としてポリメタクリル酸メチルを塗布した銅箔、及び有機物質としてベンゾトリアゾールを塗布した銅箔を、それぞれ熱処理した試料のラマンスペクトルを示す。図17では、Gバンド(1588.9cm−1)およびDバンド(1355.5cm−1)が観測されるが、2Dバンドは観測されなかった。図18では、Gバンド(1600cm−1)およびDバンド(1355.5cm−1)が観測されるが、2Dバンドは観測されなかった。
図17および18より、400℃で20分間の熱処理ではグラフェンが形成できないことが確認され、このことから、400℃以下の低温でのグラフェン形成には、プラズマ処理が必要であることが明らかとなった。

本発明のグラフェンの製造方法およびグラフェンは、低温で大面積に形成することができるため、タッチパネル用途等の透明導電膜、トランジスタや集積回路等の半導体デバイスまたは電子デバイス、広面積を必要とする透明電極や電気化学電極、バイオデバイスなどのグラフェンを用いるあらゆるデバイスや機器、応用製品への利用が可能であり、非常に重要な技術である。

Claims (6)

  1. 表面波マイクロ波プラズマ処理装置内で有機物質を塗布した金属製基材の温度を500℃以下に設定して50Pa以下の減圧下で水素を含有するガスを用いたプラズマ処理を1秒〜50分行い、該有機物質表面上にグラフェンを成長させ
    前記有機物質は、アクリル樹脂、ベンゾトリアゾール類、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン及びフェノール樹脂から選択され、
    前記金属製基材には、ニッケル、銅、イリジウム及び白金から選択される金属を用いることを特徴とするグラフェンの製造方法。
  2. 表面波マイクロ波プラズマ処理装置内で有機物質を塗布した金属製基材の温度を500℃以下に設定して50Pa以下の減圧下で水素を含有するガスを用いたプラズマ処理1秒〜50分を行い、該有機物質表面上にグラフェンを成長させてなる金属基材とグラフェンを積層した積層体を形成し、金属基材からグラフェンを剥離し、
    前記有機物質は、アクリル樹脂、ベンゾトリアゾール類、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン及びフェノール樹脂から選択され、
    前記金属製基材には、ニッケル、銅、イリジウム及び白金から選択される金属を用いることを特徴とするグラフェンの製造方法。
  3. 前記有機物質は、ポリメタクリル酸メチル又はベンゾトリアゾールであることを特徴とする請求項1又は2に記載のグラフェンの製造方法
  4. 前記金属製基材は銅薄膜であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のグラフェンの製造方法
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のグラフェンの製造方法で得られたグラフェン。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のグラフェンの製造方法に用いられる有機物質を塗布した金属製基材。
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