JP6411112B2 - グラフェン膜の製造装置 - Google Patents

グラフェン膜の製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6411112B2
JP6411112B2 JP2014151102A JP2014151102A JP6411112B2 JP 6411112 B2 JP6411112 B2 JP 6411112B2 JP 2014151102 A JP2014151102 A JP 2014151102A JP 2014151102 A JP2014151102 A JP 2014151102A JP 6411112 B2 JP6411112 B2 JP 6411112B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
graphene
base material
plasma
graphene film
copper foil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014151102A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016023128A (ja
Inventor
雅考 長谷川
雅考 長谷川
加藤 隆一
隆一 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2014151102A priority Critical patent/JP6411112B2/ja
Publication of JP2016023128A publication Critical patent/JP2016023128A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6411112B2 publication Critical patent/JP6411112B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Description

本発明は、透明導電膜などに利用するためのグラフェン膜の製造装置に関する。
SP2結合した炭素原子による導電性の平面状結晶は「グラフェン」と呼ばれている。グラフェンについては非特許文献1に詳述されている。グラフェンは様々な形態の結晶性炭素膜の基本単位である。グラフェンによる結晶性炭素膜の例としては、一層のグラフェンによる単層グラフェン、ナノメートルサイズのグラフェンの数層から十層程度の積層体であるナノグラフェン、さらに数層から数十層程度のグラフェン積層体が基材面に対して垂直に近い角度で配向するカーボンナノウォール(非特許文献2参照)などがある。
グラフェンによる結晶性炭素膜は、その高い光透過率と電気伝導性のため、透明導電膜や透明電極としての利用が期待されている。さらにグラフェン中の電子およびホールのキャリア移動度は室温でシリコンの100倍も高い最大20万cm2/Vsになる可能性がある。このグラフェンの特性を生かしてテラヘルツ(THz)動作を目指した超高速トランジスタの開発も進められている。
グラフェン透明導電膜の製造方法については、これまで、天然黒鉛からの剥離法、炭化ケイ素の高温熱処理によるケイ素の脱離法、さらにさまざまな金属表面への形成法などが開発されているが、グラフェンによる結晶性炭素膜を用いた透明導電性炭素膜は多岐にわたる工業的な利用が検討されており、そのため、高いスループットで大面積の成膜法が望まれている。
グラフェン透明導電膜の形成法の1例として、銅箔表面への化学気相合成法(CVD)による方法が開発された(非特許文献3、4参照)。この銅箔を基材とするグラフェン成膜手法は、熱CVD法によるものであって、原料ガスであるメタンガスを約1000℃程度で熱的に分解し、銅箔表面に1層のグラフェンを形成するものである。
しかしながら、上記熱CVDによるグラフェン製法は、基本的にメタンガスなど気体状の原料を用いる。ガスを原料とするCVDでは、基材のある特定の部分にグラフェンを作製しパターンを形成することは困難であり、そのため、基材上にグラフェンを作製した後にパターンを形成するための加工を行う必要があった。
これらの課題を解決するため、最近、銅箔にポリメタクリル酸メチル(polymethylmethacrylate、PMMA)膜を塗布により形成し、それを水素とアルゴンの混合ガス雰囲気中で800℃〜1000℃で加熱する樹脂炭化法により、グラフェンを形成する手法が開発された(非特許文献5参照)。
また最近、量産に適したグラフェン透明導電膜の製造方法とその製造装置が開発された(特許文献1参照)。この技術のグラフェン透明導電膜の製造方法では、導電性を有するフレキシブルな成膜対象物の表面に炭素源物質を接触させる。グラフェンは、成膜対象物に電流を印加して成膜対象物をグラフェンの生成温度以上に加熱することによって成膜対象物の表面において前記炭素源物質から生成される。つまり、銅箔を通電加熱により900〜1000℃に加熱し、メタンガスを炭素源として含むアルゴンと水素の混合ガス中に晒すことにより、銅箔表面にグラフェンを合成する熱CVDの手法である。しかしながら、この手法でも温室効果ガスのメタンガスを使用し、銅箔基材を融点近くまで加熱する必要が有るほか、電気伝導性に優れた多層グラフェンを層数制御のもとに合成することが難しい。
また、従来の熱CVD法および樹脂炭化法によるグラフェン成膜の課題である、高温プロセスであり、かつプロセス時間が長いという問題を解決し、より低温で短時間にグラフェンを形成する新たなグラフェン合成法が開発された。これは、PMMAやベンゾトリアゾールなどの有機物質を銅箔などの金属製基材に薄く塗布し、500℃以下の条件で水素を含むガス中でマイクロ波表面波プラズマを照射するものである。これにより、金属基材上にグラフェンを合成することが可能である(特許文献2参照)。
また、メタンガスなどの炭素含有ガスを使用することなく、炭素が溶けにくい金属である銅などの金属製基材、あるいは処理容器内に付着した微量の炭素成分を用い、基材を直接通電加熱して基材表面に炭素を析出し、これにプラズマ処理を施すことにより、より低温で短時間にグラフェンを形成し、かつ層数を制御する新たな手法が報告された(非特許文献6参照)。
特開2013−14484号公報 国際公開2012/108526号
山田久美、化学と工業、61(2008)pp.1123-1127. Y.Wu,P.Qiao, T.Chong, Z.Shen, Adv. Mater. 14(2002)pp.64-67. Alfonso Reina, Xiaoting Jia, John Ho, Daniel Nezich, Hyungbin Son, Vladimir Bulovic, Mildred S. Dresselhaus, Jing Kong, Nanoletters, 9(2009)pp.30-35. Xuesong Li, Yanwu Zhu, Weiwei Cai, Mark Borysiak, Boyang Han, David Chen, Richard D. Piner, Luigi Colombo, Rodney S. Ruoff, Nano Letters, 9(2009)pp.4359-4363. Zhengzong Sun, Zheng Yan, Jun Yao, Elvira Beitler, Yu Zhu, James M. Tour, NATURE, doi:10.1038/nature09579. Ryuichi Kato, Kazuo Tsugawa, Yuki Okigawa, Masatou Ishihara, Takatoshi Yamada, Masataka Hasegawa, http://dx.doi.org/10.1016/j.carbon.2014.05.087
前記の銅箔を基材とし、プラズマを用いてグラフェンを形成する手法は、グラフェン透明導電膜の工業的な製造方法として有望と考えられる。これらの手法は、銅の融点1085℃に近い温度が必要な熱CVDと比較して、低温でグラフェンを形成することができ、グラフェン成膜中の銅の蒸発や再結晶化による銅箔表面の形状変化が生じるという問題を抑制できることが判明した。
しかしながら、プラズマにはグラフェンを形成する働きと、これに付随してプラズマ中に含まれるイオンが、基材の周りに発生する電場によって加速されグラフェンに衝突し、グラフェンに照射損傷を発生するという問題がある。特にグラフェンは原子層の薄さの炭素膜であり、イオン衝撃による照射損傷の発生は重大な問題である。
さらに、銅箔などの金属基材を加熱する手法では、基材が高温になることで金属の蒸発が生じ、これがプラズマ発生装置に付着することにより、プラズマの安定性が損なわれたり、プラズマ処理の効果が損なわれたりするという課題があった。たとえば銅箔を基材として加熱した場合、低圧雰囲気で銅箔の温度が850℃を超えると銅の蒸発が生じ、これがプラズマ装置に付着することによりプラズマの安定性が損なわれたり、プラズマ処理の効果が損なわれたりするという問題が発生していた。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであって、従来のプラズマを用いたグラフェン成膜の課題である、イオン衝撃による照射損傷の発生と、さらに金属製基材を高温に加熱する際に金属の蒸発によりプラズマ装置に金属が付着するという問題を解決し、照射損傷の発生を抑制し、それと同時にプラズマの安定性を高めて、より結晶性の高いグラフェンを低温で短時間に形成しうる、グラフェン膜の製造装置を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、上記目的を達成すべく、鋭意検討を重ねた結果、プラズマを用いたグラフェン膜の成膜装置において、グラフェン成膜用の金属製基材をジュール加熱するための加熱装置を備えるとともに、該金属製基材の周りに、覆いを設置することにより解決しうることが判明した。すなわち、金属製基材の周りに、ステンレス、銅、イリジウム、白金、ニッケル、アルミニウム、チタンなどの金属及びそれらの金属の炭素アロイを材質とする覆い(炭素賦活部材)を設置することにより、グラフェン合成用の金属製基材の蒸気をトラップして、加熱した金属製基材の蒸発により、プラズマ源及びCVDチャンバー内壁などに金属が付着するという問題を解決するとともに、基材からプラズマ発生源が直接見込めないようにして、プラズマからのイオン衝撃を抑制し、より結晶性の高いグラフェンを低温で短時間に形成しうることを見出したものである。
本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものであり、以下のとおりのものである。
[1]処理容器内にプラズマを発生させるプラズマ生成装置と、該処理容器内に設置されたグラフェン成膜用の金属製基材をジュール加熱するためのジュール加熱装置と、ジュール加熱で加熱されて前記金属製基材から蒸発する蒸気の処理容器内への飛散を防止するために該金属製基材を覆って設けられた蒸気飛散防止装置とを備えることを特徴とするグラフェン膜の製造装置。
[2]前記グラフェン膜形成用の金属製基材が、銅基材であることを特徴とする[1]に記載のグラフェン膜の製造装置。
[3]前記蒸気飛散防止装置には、反応ガス導入用の開口が設けていることを特徴とする[1]又は[2]に記載のグラフェン膜の製造装置。
本発明の装置によれば、従来の熱CVD法や樹脂炭化法によるグラフェン成膜の課題である、温室効果ガスのメタンガスを使用し、高温プロセスであり、かつプロセス時間が長く、かつグラフェン層数の制御が難しいという問題を解決できるとともに、プラズマを用いてグラフェンを形成する際の課題であった、グラフェンへのイオン衝撃による照射損傷の発生、高温に加熱された金属製基材の蒸発によるプラズマ発生装置への金属の付着によるプラズマの安定性が損なわれることによるプラズマ処理の効果が損なわれることを抑制することが可能となる。そして、本発明の装置により、結晶性の高いグラフェンによる高品質のグラフェン透明導電膜が合成できるため、得られたグラフェン透明導電膜は、タッチパネル用途等の透明導電膜、トランジスタや集積回路等の半導体デバイスまたは電子デバイス、広面積を必要とする透明電極や電気化学電極、バイオデバイスなどへの応用が可能となる。
本発明の装置の1つの実施形態を、模式的に示す図 金属製基材を、(a)無加工ステンレス板、(b)矩形窓加工ステンレス板、(c)円形加工窓ステンレス板、のそれぞれで覆った状態を示す模式図 市販の銅箔の断面構造を示す模式図 実施例で用いたグラフェン成膜用の基材の加工形状を示す模式図 銅箔基材を覆う「ステンレス板有り」でジュール加熱のみで成膜(850℃、20分)した場合のラマンスペクトル図 銅箔基材を覆う「ステンレス板有り」で成膜(950℃、10分)したグラフェンのラマン分光スペクトルを示す図 銅箔基材の中心部(16mm×16mm)上に成膜したグラフェンのラマン分光測定箇所を示す図 銅箔基材を覆う「ステンレス板無し」で成膜(950℃、10分)したグラフェンのラマン分光スペクトルを示す図 銅箔基材を覆う「ステンレス板有り」でジュール加熱とプラズマCVD併用により成膜(800℃、20分)したグラフェンのラマン分光スペクトルを示す図 銅箔基材を覆う「ステンレス板有り」でジュール加熱とプラズマCVD併用により成膜(800℃、20分)したグラフェンのシート抵抗分布を示す図
本グラフェン膜の製造装置は、処理容器内にプラズマを発生させるプラズマ生成装置と、該処理容器内に設置されたグラフェン膜形成用の金属製基材をジュール加熱するためのジュール加熱装置と、ジュール加熱で加熱されて前記金属製基材から蒸発する蒸気の処理容器内への飛散を防止するために該金属製基材を覆って設けられた蒸気飛散防止装置とを備えることを特徴とする。
以下、本発明について、図面を用いて説明する。なお、本発明は、これにより限定されるものではない。
図1は、本発明の装置の、1つの実施態様を模式的に示す図であり、図中、101はプラズマ発生室、102はアンテナ、103は誘電体アンテナカバー、104は誘電体アンテナカバーを支持する金属製支持部材、105は金属製基材、106は基材通電加熱用電極、107は通電加熱用電源、108は排気管、109はプラズマ処理用原料ガス導入管、110は処理容器(チャンバー)、111は電流導入端子、112は蒸気飛散防止装置、113は電圧計、114はプラズマ、115はRF電源、116はチャンバー内壁、117は固定支持台、をそれぞれ示している。
図1に示すグラフェン膜の製造装置は、上端が開口した金属製の処理容器(110)を有し、該処理容器(110)の上端部に、金属製支持部材(104)を介して気密に取り付けられた高周波(RF)を導入するための誘電体アンテナカバー(103)とその内部に取り付けられたアンテナ(102)とからなるプラズマ生成装置が設けられている。該アンテナ(102)には13.56MHzのRF電源(115)が接続され、前記処理容器に、必要なガスをプラズマ処理用ガス導入管(109)より導入し、アンテナにRF電源からの電力を投入することによりプラズマ処理用のプラズマ(114)を励起させる。
また、該処理容器内部には、金属製基材(105)が配置されるとともに、通電加熱用電源(107)に接続された通電加熱用電極(106)に、該金属製基材(105)を固定して、該金属製基材をジュール加熱できるように構成されている。
さらに、蒸気飛散防止装置(112)が前記金属製基材を覆って設けられている。
本発明における蒸気飛散防止装置(112)は、金属製基材(105)の覆い(炭素賦活部材)であって、グラフェン合成用の金属製基材の蒸気をトラップすることにより、加熱した金属製基材の蒸発によりプラズマ源及びCVDチャンバー内壁(116)などに金属が付着するという問題を解決するとともに、基材からプラズマ発生源が直接見込めないようにして、プラズマからのイオン衝撃を抑制し、より結晶性の高いグラフェンを低温で短時間に形成することを可能とするものである。
前述のとおり、本発明における該蒸気飛散防止装置(112)は、金属製基材の蒸気をトラップするとともに、基材からプラズマ発生源が直接見込めないようにするものであればよく、その材質は特に限定されないが、ステンレス、銅、イリジウム、白金、ニッケル、アルミニウム、チタンなどの金属及びそれらの金属の炭素アロイを材質とするものが用いられる。
また、本発明においては、金属製基材は通電加熱されるので、蒸気飛散防止装置(炭素賦活部材)と接触して短絡しないように設置する必要がある。図1に示す実施形態では、蒸気飛散防止装置が処理容器(チャンバー)と同じ電位となるようにアース(図示せず)を施してある。
本発明における該蒸気飛散防止装置(112)の形状は、金属製基材の蒸気をトラップするとともに、基材からプラズマ発生源が直接見込めないように、金属製基材を覆うものであれば、特に限定されず、金属製基材の形状に合わせて、金属製基材の上方に、グラフェン成膜用の原料ガスから生成された炭素活性種を含む反応ガス(以下、単に「反応ガス」ということもある)が導入される空間を介して、設置されるものであり、平板状のものであっても、或いは、立体形状のものであってもよい。
例えば、金属製基材が四角形であれば、下向きコの字型の(=下向きに凹となる)形状体を、金属製基材の形状にあわせて上方に設置し、また、金属製基材が円形であれば、それに伴って円形の形状体を、その円形周縁部に下に凹となるような加工を施して、金属製基材の形状にあわせて上方に設置する。
また、金属製基材の面積が大きくなれば、それに伴って蒸気飛散防止装置の面積も大きくし、金属製基材からの蒸発を効率よくトラップできるように、蒸気飛散防止装置を最適な位置に設置する。
図2は、金属製基材として四角形の基材を用いた場合における蒸気飛散防止装置(炭素賦活部材)の例を模式的に示す図であり、(a)は、金属製基材(105)の廻りに、加工を施していないステンレス板を配置した例を示している。また、(b)及び(c)は、該ステンレス板に、反応ガス導入用穴(118)としての矩形窓や小孔窓を加工したものを示している。
(a)〜(c)に示す例では、金属製基材上に反応ガスが導入されるように、ステンレス板の左右両側が開口となっているが、一方のみ開口としても良い。
本発明においては、蒸気飛散防止装置(ステンレス板)に開けられた矩形窓や小孔窓の位置とサイズの調整により、さらにグラフェン成膜用の炭素活性種の、金属製基材上への流れ及び金属製基材上での輸送制御と、金属製基材からの銅蒸気のトラップを制御することが可能である。
本発明において、蒸気飛散防止装置(炭素賦活部材)(112)と金属製基材(105)との距離は、金属製基材の面積や反応ガスの流れなどに依存すると推察され、特に限定されるものではない。
例えば、後述する実施例では、基材として、図4に示す、長さ50mm×幅20mmのタフピッチ銅箔を使用し、蒸気飛散防止装置(炭素賦活部材)として、図2(a)に示すステンレス板(112)を用いた場合、両者の距離は、5mm〜50mm、好ましくは5mm〜20mmである。
本発明のグラフェン膜の製造装置は、プラズマ生成装置により生成された荷電粒子や電子のエネルギーにより炭素源を活性化し、金属製基材上にグラフェン膜を生成するものであって、炭素源として、外部からプラズマ処理用原料ガス導入管(109)を介して処理容器(110)中に供給されるメタンなどの原料ガス、あるいは、基材に含まれている炭素成分、あるいは、処理容器内に付着した微量の炭素成分、などが用いられる。
本発明のグラフェン膜の製造装置によれば、従来の熱CVD法や樹脂炭化法、さらにプラズマ処理を利用するグラフェンの合成法と比較して、短時間で結晶品質の高いグラフェン形成が可能である。
また、本発明の装置によりグラフェンを成長させて、金属製基材にグラフェンが積層した積層体を形成した後、該金属製基材からグラフェン積層体を剥離することで、グラフェン透明導電膜を得ることもできる。さらにこれをポリエチレンテレフタレート(PET)などの透明フィルムに転写することにより、透明導電フィルムを得ることもできる。
本発明の製造装置を用いてグラフェン膜を製造する際の金属製基材としては、銅、イリジウム、金又は白金、あるいはこれらの金属のいずれかとの炭素アロイ等が好ましく用いられ、特に、タフピッチ銅箔又は電解銅箔等が好ましく用いられる。
また、本発明の製造装置を用いてグラフェン膜を製造する際の金属製基材は、平滑であることが望ましく、平均表面粗さRaが、200〜0.095nmであることが望ましい。
本発明で用いる基材加熱の条件としては、基材温度を850℃以下とすることが好ましい。銅箔を基材に用いる場合、基材の軟化による表面形状の変化を抑えるために、加熱はゆっくりと行うのが望ましい。例えば、30℃/分くらいで昇温すると基材の損傷は抑えられる。しかしながら、グラフェンが合成される昇温速度はこの限りでない。
また、金属製基材の酸化を防ぐために、減圧下で加熱するか、水素もしくは水素と不活性ガスの混合ガスを含む減圧下で加熱することが重要である。圧力は、10Pa以下であることが望ましい。不活性ガスとしてはヘリウム、ネオン、アルゴン等が包含される。
加熱方法は、特に限定されないが、加熱温度の制御が容易であることから通電加熱が好ましい。
本発明のグラフェン透明導電膜の製造装置を用いたプラズマ処理は、減圧下において水素ガスを用いたプラズマ処理であればよく、高周波誘導結合プラズマ処理、容量結合高周波プラズマ処理、マイクロ波表面波プラズマ処理、マイクロ波プラズマ処理、又は直流プラズマ処理などを用いることができる。
これらのプラズマ電源は、高周波、マイクロ波、直流電源などを用いたもので、一定の圧力の原料ガスを放電し、プラズマ状態にすると化学的に活性なイオンやラジカル(励起原子・分子)が生成される。プラズマCVD技術は、プラズマ中で生成された活性な粒子が基材表面での化学反応を促進し薄膜を低温で形成できる技術である。一方、熱CVD技術は、触媒活性を有する基材にガスが高温で接触し、はじめて分解するものであり、触媒活性がない基材の場合は、さらに高温でのガスの熱分解温度が必要となる。このため、一般的に熱CVD技術は、プラズマCVD技術にくらべ、高温プロセスとなる。
金属製基材の表面形状を変化することなく、かつ、金属の蒸発を生じることなくグラフェン透明導電膜を形成するためには、金属の融点より十分低い温度になるように基材に加熱を施すと共に、プラズマ処理を行う必要がある。例えば、銅箔基材の場合、銅の融点(1085℃)より十分低温において処理することが必要である。
通常のマイクロ波プラズマ処理は、圧力2×103〜1×104Paで行われる。この圧力ではプラズマが拡散しにくく、プラズマが狭い領域に集中するため、プラズマ内の中性ガスの温度が1000℃以上になる。そのため、銅箔基材の温度が局所的に高温となり、銅箔表面からの銅の蒸発が大きくなり、グラフェンの作製に適用できない。また、プラズマ領域を均一に広げるには限界があり、大面積に均一性の高いグラフェンの形成が困難である。
したがって、成膜中の銅箔基材の温度を低く保ち、かつ大面積に均一性の高いグラフェン透明導電膜を形成するには、より低圧でのプラズマ処理により、プラズマ中の活性種の平均自由行程が長くなり基材への活性な炭素ラジカル、水素ラジカルなどを容易に輸送することが可能となる。プラズマ処理の条件として、圧力は50Pa以下であり、好ましくは2〜50Pa、さらに好ましくは3〜10Paが用いられる。
本発明では、好ましくは、102Pa以下でも安定にプラズマを発生・維持することが可能な高周波プラズマ処理またはマイクロ波プラズマ処理が用いられる。
以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
(ラマン分光測定方法)
以下に記載する検証例及び実施例においては、ラマン散乱分光スペクトルの測定を行った。測定装置は(株)堀場製作所製XploRA型機であり、励起用レーザーの波長は638nm、レーザービームのスポットサイズは直径1μm、分光器のグレーティングは600本、レーザー源の出力は9.8mWで、減光器は使用しなかった。アパーチャーは300μm、スリットは100μm、対物レンズは100倍とした。露光時間は5秒間で5回の測定を積算してスペクトルを得た。
2Dバンド、Gバンド、Dバンド、およびD’バンドのピーク位置は、グラフェン膜の層数やラマン散乱分光スペクトルの測定時のレーザーの励起波長に依存することが非特許文献(L.M.Malard,M.A.Pimenta,G.Dresselhaus and M.S.Dresselhaus, Physics Reports 473 (2009) 51-87)等で示されている。例えば、励起波長514.5nmのレーザーによる単層グラフェン膜の場合、2Dバンド、Gバンド、Dバンド、およびD’バンドのピーク位置は、2700cm-1、1582cm-1、1350cm-1、1620cm-1付近である。Gバンドは正常六員環によるもので、2DバンドはDバンドの倍音によるものである。またDバンドは正常六員環の欠陥に起因するピークである。また、D’バンドも欠陥から誘起されるピークであり、数層から数十層程度のグラフェンの端の部分に起因するものと考えられる(G.Cancado, M.A.Pimenta, B.R.A.Neves,M.S.S.Dantas, A.Jorio,Phys.Rev.Lett. 93(2004)pp.247401_1-4.参照)。ラマン散乱分光スペクトルにGバンドと2Dバンドの両方のピークが観測される場合、膜はグラフェンであると同定される(非特許文献3参照)。一般的に、グラフェンの層数が増えると2Dバンドは高波数側にシフトすること、半値幅が広がることが知られている。さらに、レーザーの励起波長が短くなると、2Dバンドは高波数側にシフトする。
(銅箔前処理方法)
図3は、市販の防錆剤が塗布された銅箔を模式的に示す図である。図に示すように、市販の銅箔は、薄く塗布された防錆膜(201)と、母材の銅箔(202)により構成されている。本発明においては、母材の銅箔(202)に塗布された防錆膜(201)を希酸により除去した銅箔を基材として用いた。防錆膜としてベンゾトリアゾール(BTA)などの有機膜や亜鉛皮膜などの無機膜などがあり、希酸としては硫酸などがある。
処理手順は以下のとおりである。
市販の銅箔から防錆膜を除去する方法を説明する。銅箔は厚さ6.3ミクロンのタフピッチ銅箔(JX日鉱日石金属製)であり、BTAに代表される有機物で防錆処理されている。
まず銅箔を通電加熱に適した形状に加工した(図4参照)。加工後の大きさは、長さ50mm×幅20mmである。BTAの除去方法は、特開2002−97587号公報などにも記載されているが、希酸に浸漬することにより、容易に除去できることが知られている。また、その除去の確認はX線光電子分光法を用い、BTAに含まれる窒素の検出有無により確認することができる。本実施例では、濃硫酸(和光純薬工業製、H2SO4)5ccを純水で100ccに希釈し、5%希硫酸を作製し、これを防錆処理剤除去液とした。この中に、加工した銅箔基材を60秒浸漬し、表面の防錆材を除去した。純水で十分に洗浄した後、完全に乾燥させ、成膜用の銅箔基材(202)を作製した。
以下の実施例においては、図1に示すグラフェン膜の製造装置を用い、処理容器(110)の内部に設けられた、基材通電加熱用電極(106)に、金属製基材(105)としてタフピッチ銅箔を固定し、通電加熱とプラズマ処理を行った。金属通電加熱用電極(106)には電圧計(113)を接続し、通電加熱の際の金属基材両端の電圧と通電加熱用電源(107)で供給する電流から金属基材の電気抵抗を算出し、電気抵抗の温度依存性から温度を算出した。さらに通電加熱用電源(107)から供給する電流を制御することにより、金属基材の温度を所望の値に設定した。
また、蒸気飛散防止装置(112)として、図2(a)に示す形状のステンレス板(基材の長手方向の長さ50mm×幅40mm×高さ25mm)を用いて、基材であるタフピッチ銅箔を覆った。基材は通電加熱されるので、ステンレス板と接触して短絡しないように注意した。ステンレス板はチャンバーと同じ電位となるようにアースを施した。ステンレス板とタフピッチ銅箔との距離は15mmである。
(比較実験:通電加熱のみ、プラズマ点火なし)
1)タフピッチ銅箔を5wt% H2SO4に1分間浸し、イオン交換水で洗浄後、窒素で乾燥した。
2)銅箔基材をステンレス板で覆った「ステンレス板有り」で設置し、通電加熱のみで銅基材を650℃、H2 100sccm、1Pa以下で10分間のアニール(加熱)処理を行うことにより、タフピッチ銅箔に、平均表面粗さ(Ra)10nm以下の平坦性を付与するとともに、銅のグレインサイズの増大を図った。
3)引き続き、通電加熱(10〜12W)のみで、銅箔基材をステンレス板で覆った基材を850℃に保ち、水素流量100sccm、メタン流量0.2sccm、圧力5Paで、グラフェンの成膜を行った。成膜時間は、20分間とし、通電加熱を止めて、室温に戻しラマン分光で測定した。図5に成膜後のラマンスペクトルを示した。1000cm-1〜3000cm-1の範囲に全く信号が観測されずグラフェンが形成されなかった。この結果、850℃での通電加熱のみでメタンを銅基材上で分解し、かつ炭素活性種を短時間に拡散させグラフェンを成長させることが出来ないことが判明した。
(実施例1)
以下の実施例では、プラズマ処理(13.56MHz)と金属製基材の通電加熱処理との併用によるグラフェン合成において、金属製基材を覆うステンレス板の有無による違いを調べるために、以下の成膜実験を「ステンレス板有り」および「ステンレス板無し」で行った。
1)タフピッチ銅箔を5wt% H2SO4に1分間浸し、イオン交換水で洗浄後、窒素で乾燥した。
2)通電加熱のみで基材を650℃、H2 100sccm、1Pa以下で10分間のアニール(加熱)処理を行うことにより、タフピッチ銅箔に、平均表面粗さ(Ra)10nm以下の平坦性を付与するとともに、銅のグレインサイズの増大を図った。
3)引き続き、通電加熱(10〜12W)をしながら基材を950℃に保ち、水素流量100sccm、メタン流量0.2sccm、圧力5Paでプラズマ処理(1100W)により、グラフェンの成膜時間は、10分間とし、プラズマと通電加熱を止めて、室温に戻した。ステンレス板の有無によるグラフェン膜の結晶品質の違いをラマン分光で測定した。また成膜後に誘電体窓(石英窓あるいはアルミナ窓)(103)に銅箔の蒸発による銅の付着があるかどうかを目視により確認した。
[ステンレス板(炭素賦活部材)有り]
銅箔基材(105)をステンレス板(112)で覆った、前記の「ステンレス板有り」で、グラフェンを成膜した後、誘電体アンテナカバー(103)(幅110mm×高さ60mm)を目視により確認したところ、銅箔の蒸発による銅の付着はまったく見られなかった。一方、ステンレス板の内側には、側面を含めてすべての面に銅の付着が観測された。さらに、ステンレス板の外側の、プラズマに対面した側には、銅の付着はまったく観測されなかった。
銅箔基材をステンレス板で覆った、「ステンレス板有り」で成膜したグラフェンのラマン散乱分光測定を行った。図4に示した銅箔基材の中心部(16mm×16mm)に成膜されたグラフェンのラマン散乱分光スペクトルの例を図6に示す。測定は合成されたグラフェンが銅箔基材に積層された状態で、図7に示すように16mm×16mmの試料の5か所について行った。図6及び図7の基材の位置のそれぞれのラマンスペクトルより2Dバンドの半値全幅(FWHM)、2DバンドとGバンドの強度比(I(2D)/I(G))、DバンドとGバンドの強度比(I(D)/I(G))を表1にまとめた。これらの結果から基材上のグラフェンは、ほとんど2層グラフェンであることが、非特許文献6より分かる。
Figure 0006411112
グラフェンのラマン散乱分光による評価で重要なバンドは、2Dバンド(2665cm-1)、Gバンド(1598cm-1)、Dバンド(1342cm-1)、およびD’バンド(1625cm-1)である。ラマン散乱分光スペクトルにGバンドと2Dバンドの両方のピークが観測される場合、膜はグラフェンであると同定される(非特許文献3参照)。またDバンドは正常六員環の欠陥に起因するピークである。したがって、Dバンドの強度で大きいほどグラフェンの結晶品質が悪いと考えられる。
図6では、測定した5か所すべてでGバンドと2Dバンドの両方のピークが観測されており、したがって、本発明で形成された膜はグラフェンであり、表1と非特許文献6から2層グラフェンであることが明らかである。また、測定した5か所すべてでDバンドはほとんど観測されていないので、結晶性がたいへん良好な2層グラフェンが合成されたことがわかる。
[ステンレス板無し]
銅箔基材をステンレス板で覆わず、「ステンレス板無し」でグラフェンを成膜した後、誘電体窓(103)及びチャンバー壁を目視により確認したところ、銅箔の蒸発による誘電体窓(103)及びチャンバー内壁に銅の付着による変色が確認された。このことから、銅箔基材をステンレス板で覆った「ステンレス板有り」での成膜において、銅からの蒸発をステンレス板内側に極めて効率的にトラップし、プラズマ発生部の誘電体窓の銅の付着、並びにチャンバー内壁への銅の付着を殆どゼロにした。以上のことからステンレス板の銅蒸気トラップの有効性を明らかにした。
銅箔基材をステンレス板で覆わない、「ステンレス板無し」で成膜したグラフェンのラマン散乱分光測定を行った。測定したグラフェンのラマン散乱分光スペクトルの例を図8に示す。ラマンスペクトルにより2Dバンドの半値全幅、2D/G比、D/G比を表2に示した。非特許文献6より、基材上全面に2層グラフェンが形成されていることが判明した。測定は合成されたグラフェンが銅箔基材に積層された状態で、前記の図7に示したと同じ5か所について行った。
Figure 0006411112
図8では、測定した5か所すべてでGバンドと2Dバンドの両方のピークが観測されており、したがって、本発明で形成された膜はグラフェンであることが明らかである。また、測定した5か所すべてでDバンドが観測された。したがって、「ステンレス板無し」で合成したグラフェンは「ステンレス板有り」で合成したグラフェンと比較して、結晶品質が明らかに劣ることが分かった。
(実施例2)
本実施例では、温度を800℃、成膜時間を20分とする以外は、実施例1と同様に、以下の実験をおこなった。
1)タフピッチ銅箔を5wt% H2SO4に1分間浸し、イオン交換水で洗浄後、窒素で乾燥した。
2)通電加熱のみで基材を650℃、H2 100sccm、1Pa以下で10分間のアニール(加熱)処理を行うことにより、タフピッチ銅箔に、平均表面粗さ(Ra)10nm以下の平坦性を付与するとともに、銅のグレインサイズの増大を図った。
3)引き続き、通電加熱(10〜12W)をしながら基材を800℃に保ち、水素流量100sccm、メタン流量0.2sccm、圧力5Paでプラズマ処理(1100W)により、グラフェンの成膜時間は、20分間とし、プラズマと通電加熱を止めて、室温に戻した。ステンレス板で覆った時に欠陥を全く含まないグラフェン膜が得られた。そのラマンスペクトルを図9に示した。
また成膜後に誘電体窓(石英窓あるいはアルミナ窓)(103)あるいはチャンバーの内壁(115)に銅箔の蒸発による銅の付着があるかどうかを目視により銅の付着がないことを確認した。
ラマン散乱分光スペクトルにGバンドと2Dバンドの両方のピークが観測される場合、膜はグラフェンであると同定される(非特許文献3参照)。
図9では、測定した5か所すべてでGバンドと2Dバンドの両方のピークが観測されており、したがって、本発明で形成された膜はグラフェンであり、さらに表3に示した2Dバンドの半値全幅(FWHM)は、24.6cm-1〜32.4cm-1の範囲にあり、2DバンドとGバンドの比が、2.2〜3.8となり、非特許文献(L. M. Malard,M. A. Pimenta,G.Dresselhaus and M. S. Dresselhaus, Physics Reports 473 (2009) 51-87及びA. C. Ferrari, J. C. Meyer, V. Scardaci, C. Casiraghi, M. Lazzeri et al., Phys. Rev. Lett. 97 (2006) 187401)からこれらは、単層グラフェンであることが明らかである。また、測定した5か所すべてでDバンドは観測されていないので、結晶性がたいへん良好な単層グラフェンが合成されたことがわかる。このことから、[0044]に記載した850℃での通電加熱のみでは、銅箔上に活性な炭素を輸送してグラフェンを形成することは出来なかったが、本実施例2において、通電加熱とプラズマCVDとの併用により、800℃の低温条件においても銅箔上に活性な炭素を輸送・拡散し、高品質の単層グラフェンを基材全面に成膜できることを明らかにした。
Figure 0006411112
[シート抵抗測定及び透過率測定]
(実施例2で成膜したグラフェンのシート抵抗)
図10は、基材の各点についてのシート抵抗を測定したものである。基材サイズは、11mm×11mmの試料で5か所についてのシート抵抗の測定を行った。シート抵抗の平均値は、696Ω/□で、550nmにおける膜の透過率は、97.7%であった。この透過率の値は、単層グラフェンに対してR.R.Nair et al.,Science320(2008)1308で報告されている値に一致した。このことから、800℃でジュール加熱とプラズマCVDとの併用および銅箔基材の廻りにステンレス板の覆いを設けることにより、銅蒸気の飛散を防止し、欠陥を有せず、高品質単層グラフェンの合成に成功した。
本発明のグラフェン膜の製造装置は、低温で短時間に結晶品質の高いグラフェンを形成することができるため、タッチパネル用途等の透明導電膜、トランジスタや集積回路等の半導体デバイスまたは電子デバイス、広面積を必要とする透明電極や電気化学電極、バイオデバイスなどのグラフェンを用いるあらゆるデバイスや機器、応用製品への利用が可能であり、非常に重要な技術である。
101:プラズマ発生室
102:アンテナ
103:誘電体アンテナカバー
104:誘電体アンテナカバーを支持する金属製支持部材
105:金属製基材
106:基材通電加熱用電極
107:通電加熱用電源
108:排気管
109:プラズマ処理用ガス導入管
110:処理容器
111:電流導入端子
112:蒸気飛散防止装置(ステンレス板)
113:電圧計
114:プラズマ
115:RF電源+
116:チャンバー内壁
117:固定支持台
118:反応ガス導入用窓
201:防錆剤
202:銅箔

Claims (6)

  1. 処理容器内にプラズマを発生させるプラズマ生成装置と、該処理容器内に設置されたグラフェン膜形成用の金属製基材をジュール加熱するためのジュール加熱装置と、
    ジュール加熱で加熱されて前記金属製基材から発生する蒸気の処理容器内への飛散を防止するための蒸気飛散防止装置とを備え、前記蒸気飛散防止装置は、前記金属製基材を覆い、かつ前記加熱した該金属製基材から発生する蒸気をトラップする形状を備えることを特徴とするグラフェン膜の製造装置。
  2. 前記蒸気飛散防止装置は、前記金属製基材からプラズマ発生源が直接見込めない形状を備えることを特徴とする請求項1に記載のグラフェン膜の製造装置。
  3. 前記蒸気飛散防止装置は、反応ガス導入用の開口を備えることを特徴とする請求項1に記載のグラフェン膜の製造装置。
  4. 前記金属製基材は、前記蒸気飛散防止装置と接触して短絡しないように設けられることを特徴とする請求項1に記載のグラフェン膜の製造装置。
  5. 前記蒸気飛散防止装置は、前記金属製基材を覆って設けられた、下向きに凹となる形状を備えることを特徴とする請求項1に記載のグラフェン膜の製造装置。
  6. 前記グラフェン膜形成用の金属製基材が、銅基材であることを特徴とする請求項1に記載のグラフェン膜の製造装置。
JP2014151102A 2014-07-24 2014-07-24 グラフェン膜の製造装置 Active JP6411112B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014151102A JP6411112B2 (ja) 2014-07-24 2014-07-24 グラフェン膜の製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014151102A JP6411112B2 (ja) 2014-07-24 2014-07-24 グラフェン膜の製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016023128A JP2016023128A (ja) 2016-02-08
JP6411112B2 true JP6411112B2 (ja) 2018-10-24

Family

ID=55270227

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014151102A Active JP6411112B2 (ja) 2014-07-24 2014-07-24 グラフェン膜の製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6411112B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019112237A (ja) * 2016-04-28 2019-07-11 味の素株式会社 グラフェンの製造方法
KR102563925B1 (ko) 2018-08-31 2023-08-04 삼성전자 주식회사 반도체 제조 장치
JP2020087617A (ja) 2018-11-21 2020-06-04 矢崎総業株式会社 電気接続部品の製造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5862080B2 (ja) * 2011-07-06 2016-02-16 ソニー株式会社 グラフェンの製造方法及びグラフェン製造装置
JP5851804B2 (ja) * 2011-11-09 2016-02-03 東京エレクトロン株式会社 前処理方法、グラフェンの形成方法及びグラフェン製造装置
JP5959990B2 (ja) * 2012-08-20 2016-08-02 株式会社アルバック グラフェン膜の製造装置及びグラフェン膜の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016023128A (ja) 2016-02-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5686418B2 (ja) グラフェンの製造方法、グラフェン及び金属製基材
JP6800401B2 (ja) グラフェン透明導電膜の製造用電解銅箔
Yanilmaz et al. Nitrogen doping for facile and effective modification of graphene surfaces
WO2011115197A1 (ja) 透明導電性炭素膜の製造方法及び透明導電性炭素膜
Kim et al. Effects of plasma treatment on surface properties of ultrathin layered MoS2
JP2013249530A (ja) グラフェンの製造方法及びグラフェン
US9005460B2 (en) Layer-by-layer removal of graphene
Kato et al. Bilayer graphene synthesis by plasma treatment of copper foils without using a carbon-containing gas
JP6562331B2 (ja) 窒素ドープグラフェン膜とその製造方法
JP6411112B2 (ja) グラフェン膜の製造装置
Barberio et al. Laser-plasma driven Synthesis of Carbon-based Nanomaterials
Svavil’nyi et al. Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition synthesis of graphene-like structures from plasma state of CO2 gas
Bodik et al. Fast low-temperature plasma reduction of monolayer graphene oxide at atmospheric pressure
RU2722528C2 (ru) Графен и производство графена
Okigawa et al. Electrical properties and domain sizes of graphene films synthesized by microwave plasma treatment under a low carbon concentration
Zhao et al. High hydrogen coverage on graphene via low temperature plasma with applied magnetic field
Lin et al. A low-damage plasma surface modification method of stacked graphene bilayers for configurable wettability and electrical properties
Bigras et al. Treatment of graphene films in the early and late afterglows of N2 plasmas: comparison of the defect generation and N-incorporation dynamics
JP7012393B2 (ja) グラファイト薄膜、グラファイト薄膜積層体、およびそれらの製造方法
Hsieh et al. Effect of catalyst morphology on the quality of CVD grown graphene
Berhe et al. Identification of the physical origin behind disorder, heterogeneity, and reconstruction and their correlation with the photoluminescence lifetime in hybrid perovskite thin films
JP6713114B2 (ja) グラフェンを含む透明導電膜
Streletskiy et al. Low-Threshold Field Emission Cathode Based on Heat-Treated Dehydrofluorinated Polyvinylidene Fluoride
TW201441390A (zh) 石墨烯鍍層之製造方法
Rajackaitė et al. The evolution of properties with deposition time of vertical graphene nanosheets produced by microwave plasma-enhanced chemical vapor deposition

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170316

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171121

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180111

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180605

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180615

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180925

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180926

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6411112

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R3D02

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250