JP5686337B2 - 防火・防水外装構造の施工方法 - Google Patents
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Description
また、防水シートとしては、塩ビ系、オレフィン系等の様々な材質のプラスチックシートが用いられているが、シートの材質、接着剤、敷設対象面の材料との組み合わせによって各部材に悪影響を及ぼす場合があった。例えば塩ビ系の防水シートを用いる場合には、塩ビシート中に含まれる可塑剤が経年中に積層された接着剤層や有機系断熱材に移行し、接着力が低下したり、断熱材が所謂「やせる」現象、即ち当初の断熱材の厚みに対して経年で厚みが減じてしまう状態等の現象が発生する恐れがあった。
既設の防水屋根は、アスファルト防水、シート防水、塗膜防水等があるが、溶剤により旧防水層を溶かしてしまい、十分な接着力を確保できない場合もあるし、防水層に含まれる可塑剤が移行し、接着力を低下させたり、防水層の弾性の差による剥離等欠陥が発生する場合もある。即ち既設の防水の種類により新規防水が制限されることがあった。
また、防水層(防水シート)と下地との間に金属層(金属板)が介在することで、金属板が可塑剤の移行を遮断(阻止)するので、防水シートの材質、接着剤、下地の材料等に制限を受けることがなく、様々な素材等の組み合わせにも利用でき、汎用性に優れたものである。例えば断熱性能を高めるために下地の表面に断熱材を敷設した構成であってもよいし、また既設防水層を下地としてもよく、既設防水層の種類に関係ない新規な防水層を施工することができる。
さらに、第一の工程にて金属板の延出部と非接着部とを重合させて固定することにより形成される防火層兼防水層を兼ねる金属層が強度面を担い、この金属層(金属板)の下地への固定、重合状に配設した接続部分の固定については、ビス止め等の固定具による機械式固定を採用することができ、その取付が容易であり、下地への取付強度も接続強度も高いものとなる,一方、第二の工程にて防水シート材の浮き部で前記固定部分を覆って接着することにより形成される防水層は、前記金属層が機械的固定を採用してもそこを被覆して防水面の弱点とならず、さらに防水シート同士を熱融着するので、容易に密着状の防水面を形成することができる。
そして、本発明における金属層の施工方法は、防火性能に寄与する他に防水性にも寄与するので、防水層による1次防水、金属層による2次防水を構築でき、2重の防水構造を形成するものとなる。そのため、経年劣化によって防水層(防水シート)に不具合が生じても、裏面側の金属層による防水性によって浸水を防ぐことができる。
したがって、本発明の防火・防水外装構造の施工方法は、各種の既設又は新設の建築物の防火・防水屋根の施工に好適に利用できるものである。例えばマンションやビル等の陸屋根或いは緩勾配の屋根に施工される防水(床)屋上としても、或いは防水性能に優れた緑化構造の下地としても、或いはその他の各種建築物等の通常屋根の施工にも利用できる。
さらに、本発明の防火・防水外装構造は、下地(躯体)に防火性能を有さない建築物にも施工可能なため、木造の小規模建築物(住宅等)にも採用でき、屋根を緩勾配にでき、窓等の開口部を大きくとることが可能となる。そのため、建築物のデザイン変更にも寄与するものとなる。
また、この金属板は、長尺状のものであっても、定尺状のものであってもよく、長尺状の金属板は、流れ方向に沿う方向に配しても、桁行き方向に配してもよく、下地の表面全域が覆われるように配するものであればよい。
前記の「略平坦状」とは、基本的には矩形の平板状の金属板を想定しているが、側縁を重合させて固定する仕様の場合、段差を設けるようにしてもよい。
この金属板の隣接する金属板との接続状態は、隣接する金属板と対向状に突き合わせて固定してもよいし、重合状に積層させて固定してもよい。また、この金属板の下地への固定状態は、ビス等による機械式固定でもよいし、接着によるものでもよいが、前記ビス等による機械固定が望ましい。さらに、防火を考えた場合、金属板は重合して固定するものが望ましい。
この金属層において、金属板同士を重合状に敷設した重合部、又は対向状に敷設した対向部は、流れ方向或いは桁行き方向を指す。
この防水シートは、溶着、融着等を含む各種の接着手段、或いは周知の機械固定等により、隣接する防水シートと一体的に重合接続できるものであれば特に限定するものではない。
具体的には、隣り合う金属板同士の側縁を重ね合わせて重合状に敷設してもよいし、側縁を突き合わせて対向状に敷設してもよい。
尚、この第二の工程に先立って、金属板同士の側縁の重合部又は対向部に防水材を配するようにしてもよい。この防水材は、帯状の防水シート、防水テープ、あるいはシール材(不定形)等であって、接合部分からの雨水の侵入を防ぐものであれば特に限定するものではない。この防水材としての帯状の防水シート、防水テープとしては、前記の防水シートと同材であっても異材質のものであってもよく、材質による不具合を防ぐために表面(防水シートとの接触面)が金属箔からなるものでもよい。
例えば防水シートの一部が金属板の端縁より長く延出するように形成してもよいし、防水シートの一部が金属板とは接着しない部分、即ち浮いている部分が生ずるように形成してもよく、そのため、金属板と防水シートとは、長さや幅が同じであってもよいし、異なるものであってもよく、特に限定するものではなく、接着部分も全積層面積の5〜95%程度に適宜に選択される。
また、複合防水シート材における一体化の状態は、溶着や融着等を含む各種の接着手段が全面的に展開されている状態、即ち全面的に接着している状態でもよいし、例えばドット状、縞状などのように部分的に接着していてもよい。尤も、一体化の状態を維持するためには、特に接着面積の少ない部分的な接着では、剥がれずに強力に接着している必要があるが、特に接着手段について限定するものではない。また、熱接着、熱融着等により接着されていてもよいが、自然界にて発生するような熱量以上で接着又は融着されていることが望ましい。
また、第二の工程では、前記第一の工程にて打ち込んだ固定具の固定部分を、前記第2の複合防水シート材の浮き部で覆うと共に該浮き部を前記第1の複合防水シート材の防水シートに重合させて接着するが、その重合接着手段は、確実且つ強固に固定できるものであれば、特に限定するものではなく、例えば溶着、融着等を含む各種の接着手段、或いは周知の機械式固定を採用してもよい。
尚、図示参考例では、棟側の金属板2の軒側に予め金属板2の厚みに相当する段差22を設け、軒側の金属板2の棟縁に重合させて固定するようにした。
この複合防水シート材6は、図6(a)に示すように、剥がれない一体化された接着部分61に対し、非接着の状態にある(非接着部分62)部分が図中右側の縁部に形成されており、この非接着部分62における防水シート3を浮き部3X、金属板2を非接着部2Xとして以後説明する。尚、この図示実施例では、その他方側(図中左側)の縁部では金属板2の縁部が他方側へ長く延出する形状(延出部2Y)として以後説明する。
次に図5(b)及び図6(b),(c)に示すように、延出部2Yに、隣接する複合防水シート材6の非接着部2Xを重合させて固定具4を打ち込んで下地1(10)に固定する。
その後、第二工程にて図6(d)に示すように防水シート3の浮き部3Xを、固定具4の固定部分を覆うと共に隣接する複合防水シート材6の防水シート3上に重合させて止水材兼接着剤7にて接着した。
これらの操作(処理)を繰り返して防火・防水外装構造を施工する。
2 金属板
21 重合部
22 段部
3 防水シート
4 固着具
5 防水材
6 複合防水シート材
Claims (1)
- 下地の表面全域に、予め金属板及び防水シートを部分的に接着し、一方側の縁部に、非接着の状態を形成し、該非接着状態における防水シートを浮き部、金属板を非接着部とし、該非接着部より前記浮き部を長く延在させ、他方側の縁部に、金属板が他方側へ防水シートより長く延在する延出部を設けた複合防水シート材を接続して防火・防水外装構造を施工する方法であって、
下地に敷設、固定した第1の複合防水シート材の延出部に、隣接する第2の複合防水シート材の非接着部を重合させて固定具を打ち込んで下地に固定する第一の工程と、
前記第一の工程にて打ち込んだ固定具の固定部分を、前記第2の複合防水シート材の浮き部で覆うと共に該浮き部を前記第1の複合防水シート材の防水シートに重合させて接着する第二の工程と、
よりなることを特徴とする防火・防水外装構造の施工方法。
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