JP5685000B2 - 高熱伝導性熱可塑性樹脂 - Google Patents

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Description

本発明は、樹脂単体で熱伝導性に優れ、かつ熱処理による固有粘度、熱伝導率の変化が少ない熱可塑性樹脂に関する。
熱可塑性樹脂組成物をパソコンやディスプレーの筐体、電子デバイス材料、自動車の内外装、など種々の用途に使用する際、プラスチックは金属材料など無機物と比較して熱伝導性が低いため、発生する熱を逃がしづらいことが問題になることがある。このような課題を解決するため、高熱伝導性無機充填剤を大量に熱可塑性樹脂中に配合することで、高熱伝導性樹脂組成物を得ようとする試みが広くなされている。高熱伝導性無機充填剤としては、グラファイト、炭素繊維、アルミナ、窒化ホウ素、等の高熱伝導性無機充填剤を、通常は30体積%以上、さらには50体積%以上もの高含有量で樹脂中に配合する必要がある。しかしながら、無機充填剤を大量に配合しても樹脂単体の熱伝導性が低いために、樹脂組成物の熱伝導率には限界があった。そこで樹脂単体の熱伝導性の向上が求められている。
液晶性熱可塑性樹脂については非特許文献1に液晶相を示すメソゲン基と屈曲鎖との交互重縮合体が記載されている。しかし、これらポリマーの製造法は芳香族ジオールをあらかじめアシル化物とし、その後ジカルボン酸とエステル交換する2段階の方法をとり、生産効率が低く、また、樹脂単体の熱伝導率については一切述べられていない。また、重縮合触媒として酢酸ナトリウムを用いており、得られる熱可塑性樹脂は押出配合や射出成形などの熱処理による固有粘度の増加が大きく、熱伝導性が大きく低下することが問題であった。また、特許文献1には有機塩基化合物を用いた液晶性ポリエステルの製造方法が記載されているが、有機塩基化合物を用いて得られる熱可塑性樹脂は、酢酸ナトリウムの場合と同様に熱処理による固有粘度の増加が大きく、熱伝導性が大きく低下する結果になる。また、無触媒条件下で重合反応を行う場合、重合速度が非常に遅いため、製造時間が長くなり、生産効率が低かった。
特開2002−146003号公報 特許第3413978号
J.Polym.Sci.Polym.Phys.Ed,vol21,P1119(1983)
本発明は、樹脂単体で熱伝導性に優れる熱可塑性樹脂について、無触媒条件で重合するよりも製造時間をより一層短縮し、単位時間当たりの生産性を向上させるとともに、熱処理による固有粘度の増加および熱伝導率の低下が少ない熱可塑性樹脂を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、特定構造を有する熱可塑性樹脂が、樹脂単体で優れた熱伝導性を有することを見出すとともに、アシル化反応及び/またはエステル交換反応を、特定の重縮合触媒の存在下に行なうことにより、熱可塑性樹脂を効率よく生産でき、かつ熱処理による固有粘度の増加および熱伝導率の低下が少ない熱可塑性樹脂を見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、下記1)〜9)である。
1)主として主鎖が下記一般式(1)で示される単位の繰り返し単位からなる、鎖状の熱可塑性樹脂であって、
芳香族ジオール、複素環ジオール、芳香族ヒドロキシカルボン酸、および複素環ヒドロキシカルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物の水酸基を、脂肪族酸無水物でアシル化して得られたアシル化物と、非芳香族ジカルボン酸をエステル交換することにより得られるものであって、
長周期型周期表の4〜15族元素に属する金属群から選ばれた少なくとも一種の金属を有する縮重合触媒存在下、アシル化および/またはエステル交換を行って製造されることを特徴とする熱可塑性樹脂。
−A1−x−A2−OCO−R−COO− ...(1)
(式中、A1およびA2は、各々独立して芳香族基、縮合芳香族基、複素環基から選ばれる置換基を示す。xは、各々独立して直接結合、−CH2−、−C(CH32−、−O−、−S−、−CH2−CH2−、−C=C−、−C≡C−、−CO−、−CO−O−、−CO−NH−、−CH=N−、−CH=N−N=CH−、−N=N−または−N(O)=N−の群から選ばれる2価の置換基を示す。Rは炭素原子数2〜20の分岐を含んでもよい2価の非芳香族置換基を示す。)
2)前記縮重合触媒がSb、Ge、Ti、Al、Mn、Fe、Co、Zn、Nb、Mo、Cd、In、Sn、Ta、Pbからなる群から選ばれた少なくとも一種の金属を有するものであることを特徴とする1)に記載の製造方法によって得られる熱可塑性樹脂。
3)前記縮重合触媒が前記金属の酢酸塩、炭酸塩、ホウ酸塩、酸化物、水酸化物、水素化物、アルコラート、又はフェノラートからなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする1)または2)に記載の製造方法によって得られる熱可塑性樹脂。
4)前記重縮合触媒が、Sb、Ge、Ti系化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種の金属を有するものであることを特徴とする1)〜3)のいずれかに記載の製造方法によって得られる熱可塑性樹脂。
5)前記熱可塑性樹脂の−A1−x−A2−に相当する部分が下記一般式(2)で表されるメソゲン基であることを特徴とする、1)〜4)いずれかに記載の製造方法によって得られる熱可塑性樹脂。
Figure 0005685000
(式中、Xはそれぞれ独立して脂肪族炭化水素基、F、Cl、Br、I、CN、またはNO2、nは0〜4の整数、mは2〜4の整数を示す。)
6)前記熱可塑性樹脂のRに相当する部分が直鎖の脂肪族炭化水素鎖である、1)〜5)いずれかに記載の製造方法によって得られる熱可塑性樹脂。
7)前記熱可塑性樹脂のRに相当する部分の主鎖炭素原子数が偶数である1)〜6)に記載の製造方法によって得られる熱可塑性樹脂。
8)前記熱可塑性樹脂のRが−(CH28−、−(CH210−、−(CH212−から選ばれる少なくとも1種である7)に記載の製造方法によって得られる熱可塑性樹脂。
9)前記熱可塑性樹脂の数平均分子量が3000〜40000である、1)〜8)いずれかに記載の製造方法によって得られる熱可塑性樹脂。
10)前記熱可塑性樹脂の樹脂単体の熱伝導率が0.45W/(m・K)以上である、1)〜9)いずれかに記載の製造方法によって得られる熱可塑性樹脂。
樹脂単体で熱伝導性に優れる熱可塑性樹脂について、無触媒条件で重合するよりも製造時間をより一層短縮し、単位時間当たりの生産性を向上させるとともに、熱処理による固有粘度の増加および熱伝導率の低下が少ない熱可塑性樹脂を提供することができる。
本発明の製造方法により得られる樹脂について、樹脂単体で熱伝導性に優れる樹脂としては主として主鎖が下記一般式(1)で示される単位の繰り返し単位からなる、鎖状の熱可塑性樹脂が好ましい。
−A1−x−A2−OCO−R−COO− ...(1)
(式中、A1およびA2は、各々独立して芳香族基、縮合芳香族基、複素環基から選ばれる置換基を示す。xは、各々独立して直接結合、−CH2−、−C(CH32−、−O−、−S−、−CH2−CH2−、−C=C−、−C≡C−、−CO−、−CO−O−、−CO−NH−、−CH=N−、−CH=N−N=CH−、−N=N−または−N(O)=N−の群から選ばれる2価の置換基を示す。Rは炭素原子数2〜20の分岐を含んでもよい2価の非芳香族置換基を示す。)
本発明で言う熱可塑性とは、加熱により可塑化する性質のことである。
本発明で言う主としてとは、分子鎖の主鎖中に含まれる一般式(1)の量について、全構成単位に対して50mol%以上であり、好ましくは70mol%以上であり、より好ましくは90mol%以上であり、最も好ましくは本質的に100mol%である。50mol%未満の場合は、樹脂の結晶化度が低くなり、熱伝導率が低くなる場合がある。
本発明の熱可塑性樹脂の熱伝導率は、通常、0.45W/(m・K)以上であり、好ましくは0.6W/(m・K)以上、さらに好ましくは0.8W/(m・K)以上、特に好ましくは1.0W/(m・K)以上である。熱伝導率の上限は特に制限されず、高ければ高いほど好ましいが、成形時に磁場、電圧印加、ラビング、延伸等の物理的処理を施さなければ、一般的には30W/(m・K)以下、さらには10W/(m・K)以下となる。
本発明の熱可塑性樹脂に含まれるメソゲン基とは、剛直で配向性の高い置換基を意味する。好ましいメソゲン基としては、下記一般式(3)
−A1−x−A2 ...(3)
(A1およびA2は、各々独立して芳香族基、縮合芳香族基、複素環基から選ばれる置換基を示す。xは、直接結合、−CH2−、−C(CH32−、−O−、−S−、−CH2−CH2−、−C=C−、−C≡C−、−CO−、−CO−O−、−CO−NH−、−CH=N−、−CH=N−N=CH−、−N=N−または−N(O)=N−の群から選ばれる2価の置換基を示す。)で表される基が挙げられる。ここでA1、A2は各々独立して、炭素数6〜12のベンゼン環を有する炭化水素基、炭素数10〜20のナフタレン環を有する炭化水素基、炭素数12〜24のビフェニル構造を有する炭化水素基、炭素数12〜36のベンゼン環を3個以上有する炭化水素基、炭素数12〜36の縮合芳香族基を有する炭化水素基、炭素数4〜36の脂環式複素環基から選択されるものであることが好ましい。
1、A2の具体例としては、フェニレン、ビフェニレン、ナフチレン、アントラセニレンピリジル、ピリミジル、チオフェニレン等が挙げられる。また、これらは無置換であっても良く、脂肪族炭化水素基、ハロゲン基、シアノ基、ニトロ基などの置換基を有する誘導体であっても良い。xは結合子であり、直接結合、−CH2−、−C(CH32−、−O−、−S−、−CH2−CH2−、−C=C−、−C≡C−、−CO−、−CO−O−、−CO−NH−、−CH=N−、−CH=N−N=CH−、−N=N−または−N(O)=N−の群から選ばれる2価の置換基を示す。これらのうち、結合子に相当するxの主鎖の炭素原子数が偶数であるものが好ましい。すなわち直接結合、−CH2−CH2−、−C=C−、−C≡C−、−CO−O−、−CO−NH−、−CH=N−、−CH=N−N=CH−、−N=N−または−N(O)=N−の群から選ばれる2価の置換基が好ましい。xの主鎖の炭素原子数が奇数の場合、メソゲン基の分子幅の増加と、結合の回転の自由度の増加による屈曲性のため、結晶化率の低下を促し、樹脂単体の熱伝導率を低下させる場合がある。
このような好ましいメソゲン基の具体例として、ビフェニル、ターフェニル、クォーターフェニル、スチルベン、ジフェニルエーテル、1,2−ジフェニルエチレン、ジフェニルアセチレン、ベンゾフェノン、フェニルベンゾエート、フェニルベンズアミド、アゾベンゼン、2−ナフトエート、フェニル−2−ナフトエート、およびこれらの誘導体等から水素を2個除去した構造を持つ2価の基が挙げられるがこれらに限るものではない。
さらに好ましくは下記一般式(2)で表されるメソゲン基である。このメソゲン基はその構造ゆえに剛直で配向性が高く、さらには入手または合成が容易である。
Figure 0005685000
(式中、Xはそれぞれ独立して脂肪族炭化水素基、F、Cl、Br、I、CN、またはNO2、nは0〜4の整数、mは2〜4の整数を示す。)
成形性に優れた熱可塑性樹脂を得るためには、メソゲン基は、架橋性の置換基を含まないものであることが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂はメソゲン基と屈曲鎖との交互重縮合体であるが、好ましい屈曲鎖としては、下記一般式(4)
−OCO−R−COO− ...(4)
(Rは炭素原子数2〜20の分岐を含んでもよい2価の非芳香族置換基を示す。)
で表される基が挙げられる。ここでRは、通常、炭素原子数2〜20の鎖状飽和炭化水素基、炭素原子数2〜20の1〜3個の環状構造を含む飽和炭化水素基、炭素原子数2〜20の1〜5個の不飽和基を有する炭化水素基、炭素原子数2〜20の1〜3個の芳香環を有する炭化水素基、炭素原子数2〜20の1〜5個の酸素原子を有するポリエーテル基から選択されるものである。
Rは例えば脂肪族炭化水素鎖、ポリエーテル鎖等が挙げられるが、分岐を含まない直鎖の脂肪族炭化水素鎖であることが望ましい。分岐を含む場合、結晶性の低下を促し、樹脂単体の熱伝導率を低下させる場合がある。また、Rは飽和でも不飽和でもよいが、飽和脂肪族炭化水素鎖であることが望ましい。不飽和結合を含む場合、充分な屈曲性が発現されず、熱伝導率を低下させる場合がある。Rは炭素数2〜20の直鎖の飽和脂肪族炭化水素鎖であることが好ましく、炭素数4〜18の直鎖の飽和脂肪族炭化水素鎖であることがより好ましく、さらには炭素数6〜14の直鎖の飽和脂肪族炭化水素鎖であることが好ましい。またRの炭素数は偶数であることが好ましい。奇数の場合、メソゲン基が傾くため、結晶化度が低下し、熱伝導率が低下する場合がある。特に熱伝導率が優れた樹脂が得られるという観点から、Rは−(CH28−、−(CH210−、および−(CH212−から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の熱可塑性樹脂の数平均分子量とはポリスチレンを標準とし、本発明の熱可塑性樹脂をp−クロロフェノールとo−ジクロロベンゼンの1:2(Vol比)混合溶媒に0.25重量%濃度となるように溶解して調製した溶液を用いて、GPCにて80℃で測定した値である。本発明の熱可塑性樹脂の数平均分子量は3000〜40000であることが好ましく、上限を考慮すると、3000〜30000であることがさらに好ましく、3000〜20000であることが特に好ましい。一方、下限を考慮すると、3000〜40000であることが好ましく、5000〜40000であることがさらに好ましく、7000〜40000であることが特に好ましい。さらに、上限および下限を考慮すると、5000〜30000ことがさらに好ましく、7000〜20000であることが最も好ましい。数平均分子量が3000未満または40000より大きい場合、同一の一次構造を有する樹脂であっても熱伝導率が低くなりすぎる場合がある。
また本発明における熱可塑性樹脂は、ラメラ晶を含むものであることが好ましい。本発明の熱可塑性樹脂では、結晶化度の指標としてラメラ晶の量を用いることができる。ラメラ晶が多いほど結晶化度が高い。
本発明でいうラメラ晶は、長い鎖状の分子が折り畳まれて平行に並び作られる板状結晶を含むものである。このような結晶が樹脂中に存在するか否かは、透過型電子顕微鏡(TEM)観察またはX線回折によって容易に判別することができる。
該連続相を成すラメラ晶の割合は、RuO4で染色した試料を透過型電子顕微鏡(TEM)により直接観察することで算出することができる。具体的な方法として、TEM観察用の試料は、成形した厚み6mm×20mmφのサンプルの一部を切り出し、RuO4にて染色した後、ミクロトームにて作成した0.1μm厚の超薄切片を使用するものとする。作成した切片を加速電圧100kVでTEMにて観察し、得られた4万倍スケールの写真(20cm×25cm)から、ラメラ晶の領域を決定することができる。領域の境界は、ラメラ晶領域を周期的なコントラストの存在する領域とし、決定できる。ラメラ晶は深さ方向にも同様に分布していることから、ラメラ晶の割合は写真の全体の面積に対するラメラ晶領域の割合として算出するものとする。また、樹脂自体が高熱伝導性を有するためにはラメラ晶の割合が10Vol%以上であることが好ましい。ラメラ晶の割合は、20Vol%以上であることがより好ましく、30Vol%以上であることがさらに好ましく、さらには40Vol%以上であることが特に好ましい。
また本発明における熱可塑性樹脂は、結晶を含むものであることが好ましい。本発明では、熱可塑性樹脂中のラメラ晶の割合から、以下の計算式により結晶化度を求めることができる。
結晶化度(%)= ラメラ晶の割合(Vol%)× 0.7
樹脂自体が高熱伝導性を有するためには、熱可塑性樹脂の結晶化度が7%以上であることが好ましい。結晶化度は、14%以上であることがより好ましく、21%以上であることがさらに好ましく、28%以上であることが特に好ましい。
また本発明の熱可塑性樹脂が高熱伝導性を発揮するためには、樹脂自体の密度が1.1g/cm3以上であることが好ましく、1.13g/cm3以上であることがより好ましく、1.16g/cm3以上であることが特に好ましい。樹脂密度が大きいということは、ラメラ晶の含有率が高いこと、すなわち結晶化度が高いことを意味している。
また本発明で使用する熱可塑性樹脂は、熱伝導率が等方的に高いことが好ましい。熱伝導率が等方的であるか否かを測定する方法としては、例えば、熱可塑性樹脂を厚み1mm×25.4mmφの円盤状としたサンプルに対して、Xeフラッシュ法にて厚さ方向、面方向の熱伝導率を別々に測定する方法が挙げられる。本発明に係る熱可塑性樹脂の熱伝導率は等方的に高い。通常、上記の測定方法にて測定された、厚さ方向、面方向の熱伝導率は0.3W/(m・K)以上である。
本発明の熱可塑性樹脂の固有粘度とは、本発明の熱可塑性樹脂をフェノールとテトラクロロエタンの4:6(wt%)混合溶媒に0.5g/dL濃度となるように溶解して調製した試料を用いて、自動粘度測定装置(ウベローデ粘度計)にて25℃で測定した値である。本発明の熱可塑性樹脂の固有粘度は、0.13〜1.2dL/gであることが好ましく、0.15〜0.7dL/gであることがさらに好ましく、0.25〜0.45dL/gであることが特に好ましい。固有粘度が0.13dL/g未満または1.2dL/gより大きい場合、同一の一次構造を有する樹脂であっても熱伝導率が0.45W/(m・K)未満になる場合がある。また熱処理前後の固有粘度の差としては0.4dL/g以下であることが好ましく、0.3dL/g以下であることがさらに好ましく、0.2dL/g以下であることが特に好ましい。熱処理前後の固有粘度の差が0.4dL/gより大きくなる場合、熱処理前後で樹脂の物性、特に熱伝導率が大きく変化する場合がある。
本発明の熱可塑性樹脂は、メソゲン基の両末端に水酸基を有する化合物と、置換基Rの両末端にカルボキシル基を有する化合物とを反応させて製造する方法が好ましい。
メソゲン基の両末端に水酸基を有する化合物と置換基Rの両末端にカルボキシル基を有する化合物からなる熱可塑性樹脂の製造方法の一例としては、両末端に水酸基を有するメソゲン基を無水酢酸等の脂肪族無水物を用いてそれぞれ個別に、または一括して酢酸エステルとした後、別の反応槽または同一の反応槽で、置換基Rの両末端にカルボキシル基を有する化合物と脱酢酸重縮合反応させる方法が挙げられる。重縮合反応は、実質的に溶媒の存在しない状態で、通常230〜350℃好ましくは250〜340℃の温度で、窒素等の不活性ガスの存在下、常圧または減圧下に、0.5〜5時間行われる。反応温度が230℃より低いと反応の進行は遅く、350℃より高い場合は分解等の副反応が起こり、着色が起こる場合がある。また減圧下の反応時間が0時間の場合、重合度が不十分となる場合があり、5時間より長い場合、分解等の副反応が起こり、着色が起こる場合がある。多段階の反応温度を採用してもかまわないし、場合により昇温中あるいは最高温度に達したらすぐに反応生成物を溶融状態で抜き出し、回収することもできる。得られた熱可塑性樹脂はそのままでも使用してもよいし、未反応原料を除去するまたは、物性をあげる意味から固相重合を行なうこともできる。固相重合を行なう場合には、得られた熱可塑性樹脂を3mm以下好ましくは1mm以下の粒径の粒子に機械的に粉砕し、固相状態のまま100〜350℃で窒素等の不活性ガス雰囲気下、または減圧下に1〜20時間処理することが好ましい。ポリマー粒子の粒径が3mm以上になると、処理が十分でなく、物性上の問題を生じることがあるため好ましくない。固相重合時の処理温度や昇温速度は、熱可塑性樹脂粒子が融着を起こさないように選ぶことが好ましい。
本発明における熱可塑性樹脂の製造に用いられる脂肪族無水物としては,炭素数2〜5個の脂肪族無水物,たとえば無水酢酸,無水プロピオン酸、無水モノクロル酢酸,無水ジクロル酢酸,無水トリクロル酢酸,無水モノブロム酢酸,無水ジブロム酢酸,無水トリブロム酢酸,無水モノフルオロ酢酸,無水ジフルオロ酢酸,無水トリフルオロ酢酸,無水酪酸,無水イソ酪酸,無水吉草酸,無水ピバル酸等が挙げられるが,無水酢酸,無水プロピオン酸,無水トリクロル酢酸が特に好適に用いられる。脂肪族無水物の使用量は,用いるメソゲン基が有する水酸基の合計に対し1.01〜1.50倍当量,好ましくは1.02〜1.2倍当量である。
本発明においては、熱可塑性樹脂の反応時間を短縮し、単位時間当たりの生産性を向上させるため、アシル化および/またはエステル交換を、重縮合触媒の存在下に行う必要がある。具体的には、Sb、Ge、Ti、Al、Mn、Fe、Co、Zn、Nb、Mo、Cd、In、Sn、Ta、Pbの酢酸塩、炭酸塩、ホウ酸塩、酸化物、水酸化物、水素化物、アルコラート、又はフェノラート等が挙げられ、これらの中の少なくとも一種の縮重合触媒を用いる。さらに、具体的には、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、三臭化アンチモン、三塩化アンチモン、三ふっ化アンチモン、五臭化アンチモン、五塩化アンチモン、五ふっ化アンチモン、トリメトキシアンチモン、トリエトキシアンチモン、トリプロポキシアンチモン、トリブトキシアンチモン、アンチモニートリアセテート、トリメチルアンチモン、トリエチルアンチモン、トリフェニルアンチモン、ペンタエトキシアンチモン、ペンタブチルアンチモン、モノクロロジメチルアンチモン、ジクロロメチルアンチモン、モノメチルテトラメトキシアンチモン、モノフェニルテトラメトキシアンチモン、ジメチルトリメトキシアンチモン、ジフェニルトリメトキシアンチモン、トリメチルジメトキシアンチモン、トリフェニルジメトキシアンチモン、テトラフェニルメトキシアンチモン、モノフェニルテトラフルオロアンチモン、ジフェニルトリフルオロアンチモン、トリフェニルジフルオロアンチモン、テトラフェニルフルオロアンチモン、無定形二酸化ゲルマニウム、結晶性二酸化ゲルマニウム、四酸化ゲルマニウム、水酸化ゲルマニウム、蓚酸ゲルマニウム、塩化ゲルマニウム、ゲルマニウムテトラエトキシド、ゲルマニウムテトラーn−ブトキシド、亜リン酸ゲルマニウム、酸化チタン(II)、酸化チタン(IV) 、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトラフェノキシチタン、塩化チタン(II)、塩化チタン(IV) 、フッ化チタン(IV)、臭化チタン(II) 、臭化チタン(IV)、チタニウムオキシアセチルアセトナート、フッ化カリウムチタン、しゅう酸カリウムチタン、硫酸チタン、硝酸チタン、二塩化チタノセン、ジメチルチタノセン、ギ酸アルミニウム、酢酸アルミニウム、塩基性酢酸アルミニウム、プロピオン酸アルミニウム、蓚酸アルミニウム、塩化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウム、炭酸アルミニウム、リン酸アルミニウム、ホスホン酸アルミニウム、アルミニウムメトキサイド、アルミニウムエトキサイド、アルミニウムn-プロポキサイド、アルミニウムiso-プロポキサイド、アルミニウムn-ブトキサイド、アルミニウムt−ブトキサイド、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムアセチルアセテート、アルミニウムエチルアセトアセテート、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、酸化アルミニウム、酢酸マンガン(II) 酢酸マンガン(III)、ギ酸マンガン(II) 、硝酸マンガン(II) 、しゅう酸マンガン(II) 、マンガン(II) アセチルアセトナート、硫酸マンガン(II) 、安息香酸マンガン(II) 、サリチル酸マンガン(II) 、酒石酸マンガン(II) 、テトラフルオロホウ酸マンガン(II) 、シクロヘキサン酪酸マンガン(II) 、炭酸マンガン(II) 、シクロヘキサン硫酸マンガン(II) 、塩化マンガン(II) 、臭化マンガン(II) 、マンガンデカカルボニル、酸化マンガン(IV)、フタロシアニンマンガン、酢酸コバルト(II) 、硫酸コバルト(II) 、炭酸コバルト(II) 、シクロヘキサン酪酸コバルト(II) 、硫酸二アンモニウムコバルト(II)、ギ酸コバルト(II) 、ナフテン酸コバルト、硝酸コバルト(II) 、オレイン酸コバルト、しゅう酸コバルト(II) 、亜硝酸コバルト(III)、ステアリン酸コバルト(II) 、チオシアン酸コバルト(II) 、塩化コバルト(II) 、臭化コバルト(II) 、塩化ヘキサアンミンコバルト、コバルトオクタカルボニル、フタロシアニンコバルト、酸化亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛、炭酸亜鉛、硫化亜鉛、酢酸亜鉛、亜鉛メトキシド、亜鉛エトキシド、亜鉛イソプロポキシド、亜鉛ブトキシド、亜鉛フェノキシド、酢酸カドミウム、ギ酸カドミウム、水酸化カドミウム、クエン酸カドミウム、セレン化カドミウム、ステアリン酸カドミウム、4−シクロヘキシル酪酸カドミウム、炭酸カドミウム、塩化カドミウム、フッ化カドミウム、ヨウ化カドミウム、臭化カドミウム、硝酸カドミウム、酸化カドミウム、硫酸カドミウム、硫化カドミウム、リン酸カドミウム、塩化スズ(II) 、臭化スズ(II) 、ヨウ化スズ(II) 、ジブチルスズ(II) 、ジフェニルスズ(II) 、クロロブチルスズ(II) 、クロロフェニルスズ(II) 、ジメトキシスズ(II) 、ジエトキシスズ(II) 、酸化スズ(II) 、モノクロロ−酢酸スズ(II) 、モノクロロ−オクチル酸スズ(II) 、モノブチル−酢酸スズ(II) 、モノフェニル−酢酸スズ(II) 、酢酸スズ(II) 、四塩化スズ(IV)、四臭化スズ(IV)四ヨウ化スズ(IV)、テトラメチルスズ(IV)、テトラエチルスズ(IV)、トリメチルエチルスズ(IV)、テトラフェニルスズ(IV)、トリフェニルメチルスズ(IV)、フェニルトリメチルスズ(IV)、トリクロロメチルスズ(IV)、トリブロモメチルスズ(IV)、トリクロロエチルスズ(IV)、トリブロモエチルスズ(IV)、トリクロロブチルスズ(IV)、ジクロロジメチルスズ(IV)、ジクロロジエチルスズ(IV)、ジクロロジブチルスズ(IV)、モノクロロトリメチルスズ(IV)、モノクロロトリエチルスズ(IV)、モノクロロトリブチルスズ(IV)、モノクロロトリフェニルスズ(IV)、テトラエトキシスズ(IV)、テトラブトキシスズ(IV)、モノブチルトリメトキシスズ(IV)、モノフェニルトリブトキシスズ(IV)、ジブチルジメトキシスズ(IV)、ジフェニルジブトキシスズ(IV)、トリブチルモノメトキシスズ(IV)、トリフェニルモノブトキシスズ(IV)、酸化ジクロロスズ(IV)、酸化ジブロモスズ(IV)、酸化ジメチルスズ(IV)、酸化ジエチルスズ(IV)、酸化ジブチルスズ(IV)、酸化ジフェニルスズ(IV)、酸化ジオクチルスズ(IV)、酸化ジ−p−メトキシフェニルスズ(IV)、酸化ジ−o−メトキシフェニルスズ(IV)、酸化ジ−2−フェニルエチルスズ(IV)、モノブチルヒドロキシスズオキシド(IV)、酸化スズ(IV)、水酸化トリメチルスズ(IV)、水酸化トリフェニルスズ(IV)、二酢酸ジクロロスズ(IV)、二酢酸ジブロモスズ(IV)、二酢酸ジブチルスズ(IV)、二オクチル酸クロロブチルスズ(IV)、二酢酸スズオキシド(IV)、二オクチル酸スズオキシド(IV)、四酢酸スズ(IV)、酸化鉛、エトキシ鉛、イソプロポキシ鉛、ブトキシ鉛、硝酸鉛、酢酸鉛、フッ化鉛、塩化鉛、臭化鉛、ヨウ化鉛、炭酸鉛、硫酸鉛、チオシアン酸鉛、過塩素酸鉛、ほう酸鉛、ほうフッ化鉛、クロム酸鉛、クエン酸鉛、水酸化鉛、リン酸鉛、フタル酸鉛、けいフッ化鉛、ステアリン酸鉛、4−シクロヘキシル酪酸鉛、2−エチルヘキシル酸鉛、ナフテン酸鉛、チタン酸鉛、カプリル酸鉛、マレイン酸鉛、オクタン酸鉛、オレイン酸鉛、酒石酸鉛、酢酸鉛(IV)、酸化鉛(IV)等が挙げられる。これらの中でも、アンチモン、ゲルマニウム、チタン系化合物が好ましく、特に三酸化アンチモンが好ましい。これら重縮合触媒の使用量は、ポリエステル樹脂中の残存量として10〜10000ppm、好ましくは20〜1000ppm、更に好ましくは20〜200ppmである。使用量が10ppm未満では、反応時間が長くなり、10000ppmを超える場合、反応速度の上昇により熱処理による固有粘度が大きく変化する場合がある。
本発明の製造法により得られる熱可塑性樹脂の末端の構造はとくに限定されないが、射出成形に適した樹脂が得られると言う観点からは、水酸基、カルボキシル基、エステル基、アシル基、アルコキシ基などで末端が封止されていることが好ましい。末端にエポキシ基、マレイミド基などの反応性が高い官能基を有する場合は、樹脂が熱硬化性となり、射出成形性が損なわれることがある。
本発明の製造法により得られる熱可塑性樹脂は、電子材料、磁性材料、触媒材料、構造体材料、光学材料、医療材料、自動車材料、建築材料、等の各種の用途に幅広く用いることが可能である。特に優れた熱伝導性、色調を併せ持つことから、照明器具部材や携帯用電子機器部材など、放熱性と外観の美しさを共に要求されるような部材として、非常に有用である。
本発明の製造法により得られる熱可塑性樹脂は、家電、OA機器部品、AV機器部品、自動車内外装部品、等の射出成形品等に好適に使用することができる。特に多くの熱を発する家電製品やOA機器において、外装材料として好適に用いることができる。さらには発熱源を内部に有するがファン等による強制冷却が困難な電子機器において、内部で発生する熱を外部へ放熱するために、これらの機器の外装材として好適に用いられる。これらの中でも好ましい装置として、LED照明、有機EL照明や、ノートパソコンなどの携帯型コンピューター、PDA、携帯電話、携帯ゲーム機、携帯型音楽プレーヤー、携帯型TV/ビデオ機器、携帯型ビデオカメラ、等の小型あるいは携帯型電子機器類の筐体、ハウジング、外装材用樹脂として非常に有用である。また自動車や電車等におけるバッテリー周辺用樹脂、家電機器の携帯バッテリー用樹脂、ブレーカー等の配電部品用樹脂、モーター等の封止用材料、としても非常に有用に用いることができる。
次に、本発明の熱可塑性樹脂について、実施例および比較例を挙げさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに制限されるものではない。なお、以下にあげる各試薬は特に特記しない限り和光純薬工業(株)製の試薬を用いた。
[評価方法]
試験片成形:得られた各サンプルを乾燥した後、射出成形機にて厚み6mm×20mmφの円板状サンプルを成形した。成形した円盤状サンプルを熱伝導率測定に使用した。
熱伝導率:厚み6mm×20mmφの円板状サンプルにて、京都電子工業製ホットディスク法熱伝導率測定装置で4φのセンサーを用い、熱伝導率を測定した。
固有粘度測定:本発明の熱可塑性樹脂をフェノールとテトラクロロエタンの6:4(wt%)混合溶媒に0.5g/dL濃度となるように溶解して試料を調製した。離合社製自動粘度測定装置を用い、25℃の条件下で測定した。
[実施例1]
4,4’−ジヒドロキシビフェニル100g、ドデカン二酸123.7g、無水酢酸103.ml、三酸化アンチモン23.5mgを重合反応装置に仕込み、常圧下、窒素ガス雰囲気で150℃にて1.5hアシル化反応を行い、1℃/minの昇温速度で260℃まで加熱し重縮合を行った。酢酸の留出量が理論酢酸生成量の90%に到達した時点で引き続きその温度を保ったまま、約20分かけて10torrに減圧し、高分子量まで溶融重合を行った。減圧開始から1.5h後、不活性ガスで常圧に戻し、生成した熱可塑性樹脂を取り出した。総重合時間、樹脂単体の熱伝導率および固有粘度を表1に示す。得られた熱可塑性樹脂を粉状に粉砕し、窒素雰囲気下、220℃の条件下で、8h熱処理を行った。熱処理後の樹脂単体の熱伝導率、固有粘度を表1に示す。
[実施例2〜3]
実施例1の三酸化アンチモンを二酸化ゲルマニウム、テトラブトキシチタンにそれぞれした以外は同様に重合し、得られた樹脂をアニール処理した。但し、実施例1で使用した三酸化アンチモンの使用量の1/10倍当量使用した。総重合時間、熱処理前後の樹脂単体の熱伝導率および固有粘度を表1に示す。
[比較例1]
実施例1の三酸化アンチモンを酢酸ナトリウムにした以外は同様にして重合し、得られた樹脂を熱処理した。但し、実施例1と同等の分子量とするために減圧開始からの重合時間が1hとなった。総重合時間、熱処理前後の樹脂単体の熱伝導率および固有粘度を表2に示す。
Figure 0005685000
Figure 0005685000
本発明の製造方法によって得られた熱可塑性樹脂は、無触媒条件で重合するよりも製造時間をより一層短縮し、単位時間当たりの生産性を向上させるとともに、熱処理による固有粘度の上昇が少なく、かつ熱伝導率の低下が少ない樹脂である。

Claims (7)

  1. 主鎖が、下記一般式で示される単位の繰り返し単位を、主鎖の全構成単位に対して90mol%以上含む、鎖状の熱可塑性樹脂であって、
    芳香族ジオールの水酸基を、脂肪族酸無水物でアシル化して得られたアシル化物と、非芳香族ジカルボン酸をエステル交換することにより得られるものであって、
    Sb、GeおよびTiからなる群から選ばれた少なくとも一種の金属を有する縮重合触媒存在下、
    (1)上記アシル化物と、非芳香族ジカルボン酸とをエステル交換する、または(2)上記芳香族ジオールの水酸基を、脂肪族酸無水物でアシル化してアシル化物を得た後、上記アシル化物と、非芳香族ジカルボン酸とをエステル交換する、ことによって製造されることを特徴とする熱可塑性樹脂。
    Figure 0005685000
    (式中、Rは炭素原子数2〜20の直鎖の脂肪族炭化水素鎖を示し、Xはそれぞれ独立して脂肪族炭化水素基、F、Cl、Br、I、CN、またはNO2、nは0〜4の整数、mは2〜4の整数を示す。)
  2. 前記縮重合触媒が前記金属の酢酸塩、炭酸塩、ホウ酸塩、酸化物、水酸化物、水素化物、アルコラート、およびフェノラートからなる群から選ばれた少なくとも一種であることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性樹脂。
  3. 前記熱可塑性樹脂のRに相当する部分の主鎖炭素原子数が偶数である請求項1または2に記載の熱可塑性樹脂。
  4. 前記熱可塑性樹脂のRが−(CH28−、−(CH210−、−(CH212−から選ばれる少なくとも1種である請求項3に記載の熱可塑性樹脂。
  5. 前記熱可塑性樹脂の樹脂単体の熱伝導率が0.45W/(m・K)以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂。
  6. 固有粘度が0.13〜1.2dL/gであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂。
  7. 窒素雰囲気下、220℃の条件下で、8時間熱処理する前後の固有粘度の差が、0.4dL/g以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂。
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