JP5684660B2 - 空気処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、空気処理装置、特に厨房用空気処理装置に関する。
従来、厨房用換気扇では加熱調理器上部に設置し屋外へ排気する台所用換気扇が一般的であった。しかしながら、室内空気を排出するため空調のロスが多く発生したり、排気の送風による室内の負圧を低減するために給気口を設ける必要があった。このため、加熱調理器で加熱された被調理物から発生する汚染空気を、屋外へ排出せずに汚染空気を浄化して室内に循環するものとして、汚染空気をフードで捕集した後に送風機によって多孔構造のフィルター等を通過、浄化し、屋内へ送風させ、光触媒脱臭装置やヒーター加熱による触媒の活性化で脱臭性能を維持させる技術が開示されている(たとえば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開2006−322648号公報 特開2010−207658号公報
調理時に発生する汚染空気(油煙、臭気)を、屋外へ排気する風路と、室内へ循環する風路へ風向きを切替えるダンパー内蔵した空気処理装置で、冷房時に循環運転を実施すると調理器の熱が室内に留まるため空調負荷が高くなる、また暖房時に排気運転を実施すると室内の熱が排出されてしまうといった課題があった。
そこで効率良く排気と循環の切替えを実施する必要があるが、季節や空調設備の使用有無または、室温等の条件で効率が変わってしまうため、エンドユーザーでは最適な切替えのタイミングが分からないといった課題がある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、調理時に発生する汚染空気を、屋外へ排気する風路と、室内へ循環する風路へ風向きを切替えるダンパー内蔵した空気処理装置において、自動的に排気、循環運転の切替えを行う機能を備えた空気処理装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、下方に位置する加熱調理器により加熱された被調理物から発生する汚染空気を捕集する吸込み口と、前記吸込み口の上方に配置された風路と、前記風路と並列して配置され、前記汚染空気を前記風路より上方に吹出す送風機と、前記送風機の吹出し口の上方に接続され、上方向の室外に接続された排気風路と、側面方向の室内に室内開口を向けて接続された循環風路と、前記排気風路へ或いは前記循環風路へと風向きを切替えるダンパーとを内蔵したチャンバーと、所定の季節であるか否かの判定に基づいて、前記吹出し口からの風が前記排気風路へまたは前記循環風路へと流れるように前記ダンパーを切替え制御する制御手段と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、実施の形態にかかる空気処理装置は、加熱調理器で加熱された被調理物から発生する汚染空気を捕集する吸込み口を備え、吸込み口上方に配置された風路と、風路の後方に配置され上方に吹出す送風機により汚染空気を室内から送風機上方のチャンバーへ送風する。チャンバーは、送風機の吹出し口の直上方に位置し上方向に室外へと連通する排気風路と、室内に面した循環風路と、これらの排気風路と循環風路とへの風向きを切替えるダンパーを備える。ダンパーの切替えを環境検知手段によって実施することにより、夏は換気、冬は循環といった具合に、季節に関わらず1年中省エネルギー効果を確保できる機能を兼ね備えるという効果を奏する。
図1は、従来の形態にかかる空気処理装置の構成を示す側面断面図である。 図2は、従来の形態にかかる空気処理装置の構成を示す側面断面図である。 図3は、本発明の実施の形態1にかかる空気処理装置を示す正面図である。 図4は、本発明の実施の形態1にかかる空気処理装置を示す側面断面図である。 図5−1は、本発明の実施の形態1にかかる換気時のダンパー位置を示す図である。 図5−2は、本発明の実施の形態1にかかる循環時のダンパー位置を示す図である。 図6は、本発明の実施の形態1にかかる制御回路の構成の概略を示す図である。 図7は、本発明の実施の形態1にかかる空気処理装置の風量特性を示す図である。 図8は、本発明の実施の形態1にかかる脱臭剤(酸化マンガン)およびPd(パラジウム)の活性度の温度特性を示す図である。 図9は、本発明の実施の形態1にかかるヒーターを構成するフィンの断面図である。 図10は、本発明の実施の形態1にかかる脱臭装置の臭気除去性能を示す図である。 図11は、本発明の実施の形態1にかかるグリスフィルターを示す図である。 図12は、本発明の実施の形態2にかかる空気処理装置の動作のフローチャートを示す図である。 図13は、本発明の実施の形態3にかかる空気処理装置の動作のフローチャートを示す図である。 図14は、本発明の実施の形態4にかかる空気処理装置の動作のフローチャートを示す図である。 図15は、本発明の実施の形態2にかかるダンパーの運転制御の判定基準を示す図である。 図16は、本発明の実施の形態3にかかるダンパーの運転制御のための夏季判定基準を示す図である。 図17は、本発明の実施の形態3にかかるダンパーの運転制御のための夏季判定基準を示す図である。
以下に、本発明にかかる空気処理装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1および図2は、従来の形態にかかる空気処理装置を示す側面断面図である。図3は、本実施の形態にかかる空気処理装置を示す正面図であり、図4は、本実施の形態にかかる空気処理装置を示す側面断面図である。
従来の形態にかかる空気処理装置においては、例えば、図1に示すように、加熱調理器で加熱された被調理物から発生する汚染空気を、送風機を経由して脱臭剤、光脱臭触媒を通過させ、室内へ浄化された空気が循環排出されるようになっている。光触媒装置は放電により光触媒が活性化し、また放電時に発生するオゾンの酸化作用で脱臭性能を維持するが、放電装置は高価で構造が複雑であり、また人体に有害なオゾンを除去するフィルターを設ける必要がある。
また、図2に示す空気処理装置の様に、ヒーターと脱臭剤を設け、脱臭剤を加熱して活性化させる空気処理装置においては、加熱時発生する熱や臭気が室内に拡散するのを防止するために、断熱材で加熱素子周りを覆ったり、排気口シャッター等を設ける必要が生ずる。このため、機器の構成が複雑で高コストになるといった問題があった。さらに、これらの空気処理装置においては室内O2濃度を確保する機能や排湿の機能を有していないため、加熱調理器としては、CO2が発生するガス調理器は使用することができず、ハロゲンヒーターや電磁気式調理器に限定される。また、調理時に発生する湿度を排出できないため窓をあけて換気する必要がある。さらに、夏場の冷房時には調理の熱が室内に留まるため、換気よりも余計に空調が必要となるといった課題があった。
図3、図4に示すように、本実施の形態にかかる空気処理装置では、加熱調理器で加熱された被調理物から発生する汚染空気を捕集する吸込み口1を備え、吸込み口1の上方に配置された風路2と、風路2の後方に配置され上方に吹出す送風機3により汚染空気を室内から送風機3の上方のチャンバー4へ送風する。
図4に示すように、チャンバー4は送風機3の吹出し口の直上方に位置し、上方向の室外(屋外)へと連通する排気風路5と、室内に面した循環風路6と、これら排気風路5と循環風路6とへの風向きを切替えるダンパー7が備えられている。ダンパー7の向きにより、図5−1および図5−2に示すように、排気風路5を介した室外(図5−1)または循環風路6を介した室内(図5−2)へと送風が切り替えられる。図5−1は、換気時のダンパー位置7aと風の流れを示している。図5−2は、循環時のダンパー位置7bと風の流れを示している。
室外または室内への送風は、夏場は換気、冬場は循環といった具合に、室内の空調状況によって省エネルギー効果が得られる送風風路に切替える。室内に送風される場合には、ダンパー7と循環風路6の室内開口の間に位置し、油煙・臭気を吸着・分解する脱臭剤を有する脱臭装置8により、清浄化された空気が送り出される。
本実施の形態においては、繰り返し使用した後に油煙・臭気が脱臭装置8に備えられた脱臭剤に堆積する前に、ヒーター20への通電によって脱臭剤を加熱することによって脱臭剤の活性度を高め、油煙・臭気を分解する。ヒーター20への通電手段は、機器操作部(図示せず)に設置されたヒーター通電スイッチを押すことによって使用者が定期的に行ってもよいし、調理終了後の残遅運転が終了した後に毎回実施してもよい。
図3に示すように、本実施の形態にかかる空気処理装置は制御回路12を備える。制御回路12の構成の概略図を図6に示す。図6に示すように、制御回路12は、加熱調理器25、送風機3、ヒーター20、ダンパー開閉装置30、および検知手段15(図3および図4に示した検知手段15Aおよび15B)に接続され、これらを制御する。或いは、制御回路12は、加熱調理器25、送風機3、ヒーター20、ダンパー開閉装置30、および検知手段15(15A、15B)から情報を受け取る。制御回路12は、加熱調理器25による調理の終了の後、残遅運転として送風機3を第1の所定時間の間運転させる。その後、ヒーター20を第2の所定時間の間加熱するように制御する。
ヒーター20での加熱時に発生する熱や臭気は室温よりも高温であるため、送風せずともチャンバー4の排気風路5を通じてドラフト効果で自然に屋外へ排出するので、熱や臭気の室内拡散を簡易な構造であり低コストで防止することができる。また、屋外へと連通する排気風路5は、送風機3の吹出し口の直上方に位置するので、屋外への圧力損失が小さく屋外への排気風量を確保することができる。
本実施の形態でのチャンバー4と排気風路5の開口の圧力損失は、400m3/hの風量時に20Pa程度である。図7に本実施の形態にかかる空気処理装置と排気タイプの厨房用換気扇の風量特性を示す。図7に示すように排気を行うタイプの厨房用換気扇の送風機3を用いて本実施の形態にかかる空気処理装置とほぼ同等の風量を確保することができる。
また、本実施の形態にかかる空気処理装置は十分な風量を確保できるため、例えばガス発生量に応じて、換気量を調整するような制御を設ければO2濃度が確保できる。このため、加熱調理器はハロゲンヒーターや電磁気式調理器に限定されず、CO2が発生するガス調理器に対しても適用が可能である。また室内外の空気条件と調理内容の条件によって結露が発生するような場合には、換気により室内の除湿を行えば、結露を抑えることが可能である。この結露を抑えるためには400m3/h程度の風量が必要と考えられるが、排気風路5を送風機3の吹出し口の直上方に位置させて、圧力損失を小さくした効果により、排気タイプの厨房用換気扇の送風機3を用いて400m3/h以上の風量を確保でき、結露を抑えることができる。
また、従来の技術では夏場の冷房時にも調理器の熱が室内に留まるため換気よりも余計に空調が必要となっていた。しかし、本実施の形態にかかる空気処理装置の構成によればダンパー7の向きを変えることにより換気と循環を切替えることが可能となるので、夏場は換気、冬場は循環といった具合に切替えることで季節に関わらず1年中省エネルギー効果を確保できるようにすることができる。
脱臭装置8に用いる脱臭剤としては、酸化マンガンを用いることにより貴金属を用いた場合に比較して安価であることに加え、低温度で活性化させることが可能である。このため、付着した油煙・臭気を油の発火温度360℃以下での加熱で分解することが可能となり、安全に再生することができる。例として、Pd(パラジウム)触媒を比較対象として、それぞれの活性度の温度特性を図8に示す。
図8に示すように、Pd(パラジウム)触媒においては300℃程度の高温が必要であるが、二酸化マンガン(MnO2)触媒であれば100℃程度で大きな活性を示すため、180℃の温度で油煙を再生分解し長時間使用しても触媒の性能を維持できる。
また、脱臭装置に用いるヒーター20は、正の温度係数の抵抗変化特性であるPTCヒーターを用いれば自己温度制御性を持つため、異常に高温になることがなく安全で、省エネルギー性を得ることができる。すなわち180℃以上で急激に電気抵抗が大きくなる特性を持ったヒーター20を使用することによりヒーター20の制御回路12が故障した場合でもヒーター20は180℃以上に上昇することがなく安全である。
脱臭装置8に用いる脱臭剤は、ヒーター20に接触した金属のフィン21に担持させるとヒーター20と脱臭剤が空気を介して間接的に加熱する方式よりも熱のロスを小さくすることができ省エネルギー性を確保することができる。具体的には、図9の左上に示したように、アルミ製板金のフィン21にゼオライトと共に酸化マンガン触媒を担持させる。さらに脱臭装置8のサイズは小さくするほど製品に組み込み易く全体のサイズも小サイズ化が可能となる。しかし、それに伴い風路面積が小さくなるため圧力損失が大きく風量が少なくなる。また、臭気が脱臭剤に吸着、接触する面積も小さくなるため脱臭性能が小さくなる。
この課題を解決するために、本実施の形態では金属のフィン21で構成された風路を図9に示すように曲げることによって、脱臭装置8の外形サイズが小さく、低圧力損失で十分な脱臭性能を確保することができる。本実施の形態に用いた送風機3のサイズは送風性能等を考慮し、幅360mm×高さ350mm×奥行225mmである。このとき、上述したように本実施の形態では、脱臭装置8を送風機3の上部に構成し、送風機3の直上部は排気風路5と循環風路6につながるチャンバー4のスペースとする。
また空気処理装置全体の製品の高さを600mm以内に収め、さらに送風機3の上部には凹凸がなくデザイン性の良い外観とするために、脱臭装置8は幅400mm×高さ125mm×奥行45mm程度とすることが必要である。製品の高さを600mm以内に収める理由は、床からの天井の高さが2200mmの居室において、高さ800mmの加熱調理器と組み合わせたときに、加熱調理器の天面から空気処理装置の離隔距離が防災上十分な800mmを確保できるようにするためである。
本実施の形態におけるフィン21の形状は、図9に示すようにフィン21の風路の入口・出口部においてそれぞれ2回ずつ曲げることにより、上記したサイズを確保し、圧力損失と脱臭性能を確保することができた。圧力損失は、200m3/hの風量時に26Pa程度である。脱臭性能は、1m3ボックス内100ppmのアセトアルデヒドの除去率の試験により確認した結果、図10に示すように曲がり無しのフィンと比較して臭気が短時間で除去されることが確認できた。
吸込み口1の手前に油煙・湯気を除去するグリスフィルター9を設置し、吸込み口1より風下の構成部品の汚れを防止することにより、さらにメンテンナンス軽減や省エネルギー性を得ることができる。グリスフィルター9は低い位置にあるので使用者による清掃がしやすく、また大きな粒子径の油煙等を除去することにより、高い位置にあってメンテナンスがやりにくい送風機3や脱臭剤の汚れを低減することができる。また、ヒーター脱臭剤へ油煙等の付着量を抑えるので加熱時の消費電力を抑えることができる。
グリスフィルター9として、10メッシュのものを2層以上設置すると、風下の送風機3等に付着する油煙は極微量であるので、清掃せずとも気にならない程度に抑えられることがわかった。メッシュの大きさは目が細かいと油煙の捕集率は良いが調理時に発生する湯気による目詰まりが起ってしまう。目詰まりが起こらないためには10メッシュ以上の開き目の大きさにすると良い。ただし、開き目が大きいと1層では十分な捕集性が得られないために2層とする。また10メッシュは2層に重ねても清掃性は問題ないため、図11に示すように2層をまとめて金属枠等の保護枠で固定したものを、1枚以上設置することで、捕集性があり、かさばらず取扱いのよいフィルターとすることができる。
図3に示すように、チャンバー4の脱臭装置8の側方に仕切り板を有し、この仕切り板から側方を汚染空気から切離した風路外のスペース10a、10bとする。この風路外のスペース10a、10bにダンパー開閉装置30、ヒーター配線部を配置することにより、これらの電気部品は汚染空気の接触が無く防水・防塵の処理をせずとも長期間の信頼性を確保することができる。
また、風路2と送風機3との間に仕切り板を有し、汚染空気から切離した風路外のスペース11を設け、ここに送風機3、ヒーター20等の運転制御をする制御回路12を配置することにより、これらの電気部品は汚染空気の接触が無く防水・防塵の処理をせずとも長期間の信頼性を確保することができる。送風機3のケーシングは円に近い形状であるため風路を矩形形状とした場合にスペースが発生し、制御回路12を配置することができる。
また、屋外へと連通する排気風路5に、熱感知式の防火ダンパー13を備えることにより、万が一、てんぷら等の調理時に鍋等から発火したり、脱臭装置8内のヒーター20から発火したときに熱を感知し、風路を遮断することができる。これにより、配管を伝っての延焼を防ぐことが可能となり安全性を確保することができる。防火ダンパー13の熱感知の方法は、サーミスタ等のセンサーによる方式でもよいが、金属が溶融する温度ヒューズによってバネ動作する方式を採用することによって、より簡易な構造とすることができる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2にかかる空気処理装置の動作について、図12に示したフローチャートに基づいて説明する。本実施の形態にかかるダンパー7を備えた空気処理装置の構成は実施の形態1において説明したものと同様であり、図4、図5−1、および図5−2に示したものである。図12のフローチャートに従った空気処理装置の動作は、図3、図4、および図6で示した制御回路12により実行される。なお、本実施の形態においては、図3および図4に示した検知手段15Aおよび15Bは、以下に説明するように温度検知手段(温度センサー)として機能する。
まず、ステップS101において、図3および図4の吸込み口1の下方に位置する加熱調理器25(図3および図4には示されていない)で調理が開始される。すると、図6に示した構成において、加熱調理器25より発信されるON信号を制御回路12が受信する(ステップS102)。すると制御回路12は、温度センサーとして機能する検知手段15Aおよび15Bによる温度検知の結果に基づいて、ステップS103にて所定の季節であるか否かの判定、即ち、「夏季」(所定の季節)か「それ以外」かの判定を実施し、ダンパー開閉装置30を制御してダンパー7の切替えを実施する。
ダンパー7の切替えは、検知手段15Aおよび15Bによる温度検知の結果に基づいて、例えば、図15の上に示すような「温度センサーによる夏季判定基準」に基づいて実行する。図4に示すように、例えば吸込み口1の近傍周辺に設置された検知手段15Aにより室内温度を測定することで、室内温度が例えば25℃以上の場合は「夏季」と判定する。あるいは、図4に示すように、例えば排気風路5に設置された検知手段15Bにより室外温度を測定することで、室外温度が例えば30℃以上の場合は「夏季」と判定する。室外温度を測定するために、検知手段15Bは屋外の他の場所に設置されていてもかまわない。
さらには、検知手段15A、15Bの両方を設置することで、室外温度と室内温度を測定し、室外温度が室内温度より高い場合、且つ室内と室外の温度差が5℃以上あった場合は「夏季」と判定する。また、検知手段15A、15Bの両方を設置しないで検知手段15Aのみを設置した状態で、送風機3の停止状態で検知手段15Aにより室内温度を測定し、送風機3を逆転運転(逆回転)させて外気を吸込んだ状態で検知手段15Aによって室外温度を測定するようにすることも可能である。これにより、検知手段15Aのみで室内温度と、室外温度の両方を測定して季節判定させることができる。室外温度の測定は、例えば送風機3の停止時、或いは例えば1時間などの所定の時間間隔ごとに室外の空気を室内に取り込むよう数十秒間〜数分間にわたり送風機3を逆回転させることで外気を取り入れることで可能となる。上記において「夏季」と判定された場合以外は、「夏季」ではなく「それ以外」と判定される。
ステップS103にて「夏季」と判定された場合(ステップS103:「夏季」)は、ダンパー7を図5−1のように切替えて排気風路5に風が流れるようにして排気運転(換気運転)の準備をする(ステップS104)。ステップS103にて「それ以外」(夏季以外)と判定された場合(ステップS103:「それ以外」)は、ダンパー7を図5−2のように切替えて循環風路6に風が流れるようにして循環運転の準備をする(ステップS105)。
ステップS104およびステップS105の後、ただちに送風機3は制御回路12により自動的に運転を開始する(ステップS106)。その後、ステップS107にて加熱調理器25の調理が終了した際は、加熱調理器25より発信されるOFF信号を制御回路12で受信し、送風機3の運転を停止させる。ステップS107の後はステップS101に戻る。
これにより、従来、冷房時に循環運転を実施すると加熱調理器25の熱が室内に留まるため空調負荷が高くなる、また暖房時に排気運転を実施すると室内の熱が排出されてしまうといった問題が解決される。
また、図15の上の「温度センサーによる夏季判定基準」に基づいて夏季と判定した場合であっても、加熱調理器25の発生する熱が少ない(火力が弱い)場合、室内に熱が留まっても空調負荷が高くならない場合がある。その場合、検知手段15Aにより、調理前の室内温度と、調理中の吸い込み温度を測定することにより、図15の下に示す「夏季判定時の運転モード」に基づいた運転モードの選択をしてもよい。即ち、熱の発生が少ない場合、例えば吸込み温度から室内温度を引いた値が5℃未満であれば、空調負荷は変わらないため、ダンパー7を図5−2のように切替えて循環運転を行い、熱の発生が多い場合、例えば吸込み温度から室内温度を引いた値が5℃以上であれば、空調負荷を下げるため、ダンパー7を図5−1のように切替えて排気運転(換気運転)を行うといった制御を行うことも可能である。
なお、上記実施の形態においては、検知手段15A、15Bは温度センサーであるとして説明したが、温度センサーのかわりに、あるいは併用して湿度を検知する湿度センサーを備えてもよい。この場合、温度をすべて湿度に置き換えて、図15に示した「温度センサーによる夏季判定基準」の代わりに「湿度センサーによる夏季判定基準」などを用意して上記したように「夏季」が判定できる基準を設定すれば上記同様にダンパー7の制御が可能である。また、温度センサーと湿度センサーを併用する場合は、温度と湿度を併用した基準を設けて「夏季」が判定できるようにすればよい。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3にかかる空気処理装置の動作について、図13に示したフローチャートに基づいて説明する。本実施の形態にかかるダンパー7を備えた空気処理装置の構成は実施の形態1において説明したものと同様であり、図4、図5−1、および図5−2に示したものである。図13のフローチャートに従った空気処理装置の動作は、図3、図4、および図6で示した制御回路12により実行される。
図13のフローチャートのステップS201、S202、S204〜S207は、実施の形態2(図12)のステップS101、S102、S104〜S107とそれぞれ同様である。ステップS201で加熱調理器25による調理が開始されて、加熱調理器25より発信されるON信号を制御回路12が受信する(ステップS202)と、ステップS203で検知手段15Aによる空調設備(エアコン)の運転状態(使用状況)に基づいて季節の判定、即ち、「夏季」か「それ以外」かの判定を実施する。
なお、本実施の形態において検知手段15Aは、空調設備(エアコン)の運転状態を検知すればよいので、図3および図4に示した位置に必ずしも配置される必要はない。制御回路12と接続して空調設備(エアコン)の使用状況を検知できる位置であれば検知手段15Aはどこに配置せれていても構わない。
ステップS203にて制御回路12は、図16に示す「空調設備(エアコン)による夏季判定基準」に基づいて、空調設備(エアコン)が冷房運転時であれば、「夏季」と判定し(ステップS203:「夏季」)、ダンパー7を図5−1のように切替えて排気風路5に風が流れるようにして排気運転(換気運転)の準備をする(ステップS204)。空調設備(エアコン)が、未使用あるいは暖房運転時は、「それ以外」(夏季以外)と判定し(ステップS203:「それ以外」)、ダンパー7を図5−2のように切替えて循環風路6に風が流れるようにして循環運転の準備をする(ステップS205)。その後の排気運転(換気運転)または循環運転の動作などは実施の形態2と同様である。
実施の形態4.
本発明の実施の形態4にかかる空気処理装置の動作について、図14に示したフローチャートに基づいて説明する。本実施の形態にかかるダンパー7を備えた空気処理装置の構成は実施の形態1において説明したものと同様であり、図4、図5−1、および図5−2に示したものである。図14のフローチャートに従った空気処理装置の動作は、図3、図4、および図6で示した制御回路12により実行される。
図14のフローチャートのステップS301、S302、S304〜S307は、実施の形態2(図12)のステップS101、S102、S104〜S107とそれぞれ同様である。ステップS301で加熱調理器25による調理が開始されて、加熱調理器25より発信されるON信号を制御回路12が受信する(ステップS302)と、ステップS303において制御回路12あるいは制御回路12に接続された検知手段15により現在の日が属する月が判定される。
制御回路12あるいは制御回路12に接続された検知手段15は、例えば、出荷時あるいは施工時などの初期段階に日時を設定し、時間積算によるタイマーにて現在の日時を検知して季節(月)を判定するようにすればよい。制御回路12は、例えば図17に示す「月による夏季判定基準」に基づいて、冷房運転が見込まれる6月〜9月であれば、「夏季」と判定し(ステップS303:「夏季」)、ダンパー7を図5−1のように切替えて排気風路5に風が流れるようにして排気運転(換気運転)の準備をする(ステップS304)。夏季以外(10月〜5月)であれば、「それ以外」(夏季以外)と判定し(ステップS303:「それ以外」)、ダンパー7を図5−2のように切替えて循環風路6に風が流れるようにして循環運転の準備をする(ステップS305)。その後の排気運転(換気運転)または循環運転の動作などは実施の形態2と同様である。
なお、上記実施の形態においてはいずれも、ダンパー7の切り替え位置としては、図5−1のように排気風路5に風が流れるようにした場合と、図5−2のように循環風路6に風が流れるようにした場合の二通りに限定して説明した。しかし、上記した室内及び室外の温度および湿度、さらには、空調設備(エアコン)の運転状態、現在の日時に依存して、中間状態を設定することにより、当該中間状態の場合は排気風路5および循環風路6に半々に風が流れる中間位置にダンパー7を制御しても構わない。例えば、夏季には図5−1のように排気風路5に風が流れるようにし、冬季には図5−2のように循環風路6に風が流れるようにするが、春季および秋季には中間位置にダンパー7を制御するようにしてもよい。
以上説明したように、本実施の形態に係る空気処理装置により、上述したような、エンドユーザーが循環運転と排気運転を切替えるといった手間や、切替えのタイミングが分からないといった問題を解決することが可能となる。
更に、本願発明は上記した実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記した実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出されうる。
例えば、上記実施の形態1乃至4それぞれに示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出されうる。更に、上記実施の形態1乃至4にわたる構成要件を適宜組み合わせてもよい。
以上のように、本発明にかかる空気処理装置は、省エネルギーに有用であり、特に、メンテナンスが不要な脱臭装置を備え、かつ、加熱調理器は限定されることがないので、広い範囲の厨房において快適な空間を確保することが可能な厨房用空気処理装置に適している。
1 吸込み口
2 風路
3 送風機
4 チャンバー
5 排気風路
6 循環風路
7 ダンパー
7a 換気時のダンパー位置
7b 循環時のダンパー位置
8 脱臭装置
9 グリスフィルター
10a、10b、11 風路外のスペース
12 制御回路
13 防火ダンパー
15 検知手段
20 ヒーター
21 フィン
25 加熱調理器
30 ダンパー開閉装置
S101〜S107、S201〜S207、S301〜S307 ステップ

Claims (16)

  1. 下方に位置する加熱調理器により加熱された被調理物から発生する汚染空気を捕集する吸込み口と、
    前記吸込み口の上方に配置された風路と、
    前記風路と並列して配置され、前記汚染空気を前記風路より上方に吹出す送風機と、
    前記送風機の吹出し口の上方に接続されたチャンバーと、
    前記チャンバーの上部且つ前記吹出し口の直上方に設置され、前記直上方の室外と接続する排気風路と、
    前記チャンバーの側面方向の室内に室内開口を向けて接続された循環風路と、
    前記チャンバー内に設置され、前記排気風路へ或いは前記循環風路へと風向きを切替えるダンパーと、
    所定の季節であると判定した場合は前記吹出し口からの風が前記排気風路へ流れるように、前記所定の季節ではないと判定した場合は前記吹出し口からの風が前記循環風路へと流れるように前記ダンパーを切替え制御する制御手段と、
    前記ダンパーと前記室内開口との間に、脱臭剤とヒーターを備えた脱臭装置と、
    室内温度を検知する検知手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、前記所定の季節であると判定した場合であっても、前記加熱調理器が調理中の前記室内温度から前記加熱調理器が調理前の前記室内温度を引いた値が予め定めた温度未満の場合は、前記吹出し口からの風が前記循環風路へと流れるように前記ダンパーを制御し、前記ヒーターの加熱時に前記送風機を停止させる
    ことを特徴とする空気処理装置。
  2. 前記制御手段は、前記室内温度が予め定めた基準温度以上であるときは前記所定の季節であると判定する
    ことを特徴とする請求項1に記載の空気処理装置。
  3. 前記検知手段は前記吸込み口の近傍に設置されている
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の空気処理装置。
  4. 外温度を検知する第二検知手段を備える
    ことを特徴とする請求項1、2または3に記載の空気処理装置。
  5. 前記第二検知手段は前記排気風路あるいは前記室外に設置されている
    ことを特徴とする請求項に記載の空気処理装置。
  6. 前記検知手段は前記送風機を逆回転させて外気を取り入れることにより室外温度を検知する
    ことを特徴とする請求項1、2または3に記載の空気処理装置。
  7. 前記室外温度と前記室内温度の差が所定値以上の場合に前記所定の季節であると判定する
    ことを特徴とする請求項4または6に記載の空気処理装置。
  8. 空調設備の運転状態を検知する検知手段を備え、
    前記制御手段は、前記空調設備の運転状態を検知する検知手段の検知結果に基づいて前記所定の季節であるか否かの判定を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の空気処理装置。
  9. 前記制御手段は、前記所定の季節であるか否かの判定を現在の日時に基づいて行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の空気処理装置。
  10. 前記制御手段は、前記所定の季節でないときに前記吹出し口からの風が一部は前記排気風路へ、残りは前記循環風路へと流れるように前記ダンパーの位置を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の空気処理装置。
  11. 前記脱臭剤は酸化マンガンである
    ことを特徴とした請求項1から1のいずれか1項に記載の空気処理装置。
  12. 前記脱臭装置は、前記ヒーターに接触しそれぞれ少なくとも1つ以上の屈曲部を有しつつ並列した複数のフィンを備え、前記脱臭剤は当該フィンが担持している
    ことを特徴とする請求項1から1のいずれか1項に記載の空気処理装置。
  13. 前記吸込み口の下方に前記汚染空気を通過させるグリスフィルターをさらに備えた
    ことを特徴とする請求項1から1のいずれか1項に記載の空気処理装置。
  14. 前記チャンバーは、前記排気風路および前記循環風路から仕切り板によって隔離したスペースを側方に備え、当該スペースに前記ダンパーの開閉装置、前記ヒーターの配線部を配置している
    ことを特徴とする請求項1から1のいずれか1項に記載の空気処理装置。
  15. 前記風路から仕切り板によって隔離したスペースを前記風路の側方に備え、当該スペースに、前記送風機および前記ヒーターの制御回路を配置している
    ことを特徴とする請求項1から1のいずれか1項に記載の空気処理装置。
  16. 前記排気風路は、熱感知式の防火ダンパーを備える
    ことを特徴とする請求項1から1のいずれか1項に記載の空気処理装置。
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