JP5683421B2 - 照明装置 - Google Patents

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本開示は、照明装置及び照明装置の駆動方法に関する。
照明装置の一種として、液晶レンズを用い、当該液晶レンズの電極膜に印加する電圧によって、発光源から出射する光の経路を電気的に制御し得る機能を有する発光装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−317879号公報
特許文献1に記載の従来技術では、液晶レンズがある一方向の偏光にしかレンズとして作用しないためレンズ効率(性能)が悪い。また、液晶レンズの上に更にレンズを重ねることで、レンズ効率の改善を図っているが、レンズの数が増えることによって構成が複雑になるとともに、コスト高になってしまう。
従って、本開示の目的は、簡単な構成にて照明性能の向上を図ることができる照明装置及び照明装置の駆動方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための、本開示の照明装置は、
一方向に偏光した光を発する光源部、及び、
偏光依存性を持ち、光源部から発せられた光を拡散または散乱させる光学素子、
を備える照明装置である。ここで、光学素子が持つ「偏光依存性」とは、光学素子の光学特性が入射光の偏光方向に依存することを言う。
あるいは又、上記の目的を達成するための、本開示の照明装置の駆動方法は、
偏光依存性を持ち、入射光を拡散または散乱させる光学素子を用いた照明装置の駆動に当たって、
光学素子に対して一方向に偏光した光を入射する照明装置の駆動方法である。
上記の構成の照明装置、あるいは又、照明装置の駆動方法において、偏光依存性を持つ光学素子に対して、光源部から一方向に偏光した光を入射することで、光学素子は、様々な偏光が混在する状態の光(即ち、一方向に偏光しない光)を入射する場合に比べて高い光利用効率にて入射光を散乱させる。従って、レンズを重ねるという複雑な構成を採らなくても、光学素子において、強い光強度の散乱光を照明光として得ることができる。
本開示の照明装置、あるいは又、本開示の照明装置の駆動方法によれば、レンズを重ねるという複雑な構成を採らなくても、強い光強度の照明光を得ることができるために、簡単な構成にて照明性能の向上を図ることができる。
図1は、実施例1に係る照明装置の構成を示す断面図である。 図2は、液晶レンズの焦点を光源付近に設定したときの、液晶レンズOFF時の光の振る舞い(A)、上から見た際の液晶配向の状態(B)、及び、液晶層における光学位相差分布(C)をそれぞれ示す図である。 図3は、液晶レンズの焦点を光源付近に設定したときの、液晶レンズON時の光の振る舞い(A)、上から見た際の液晶配向の状態(B)、及び、液晶層における光学位相差分布(C)をそれぞれ示す図である。 図4は、液晶レンズの焦点を光源付近から外して設定したときの、液晶レンズOFF時の光の振る舞い(A)、上から見た際の液晶配向の状態(B)、及び、液晶層における光学位相差分布(C)をそれぞれ示す図である。 図5は、液晶レンズの焦点を光源付近から外して設定したときの、液晶レンズONの光の振る舞い(A)、上から見た際の液晶配向の状態(B)、及び、液晶層における光学位相差分布(C)をそれぞれ示す図である。 図6は、実施例2に係る照明装置の構成を示す断面図である。 図7は、液晶レンズの焦点を光源付近に設定したときの、液晶レンズOFF時の光の振る舞い(A)、上から見た際の液晶配向の状態(B)、及び、液晶層における光学位相差分布(C)をそれぞれ示す図である。 図8は、液晶レンズの焦点を光源付近に設定したときの、液晶レンズON時の光の振る舞い(A)、上から見た際の液晶配向の状態(B)、及び、液晶層における光学位相差分布(C)をそれぞれ示す図である。 図9は、液晶レンズの焦点を光源付近から外して設定したときの、液晶レンズOFF時の光の振る舞い(A)、上から見た際の液晶配向の状態(B)、及び、液晶層における光学位相差分布(C)をそれぞれ示す図である。 図10は、液晶レンズの焦点を光源付近から外して設定したときの、液晶レンズONの光の振る舞い(A)、上から見た際の液晶配向の状態(B)、及び、液晶層における光学位相差分布(C)をそれぞれ示す図である。 図11は、実施例3に係る照明装置の構成を示す断面図である。 図12は、液晶レンズがOFF時の光の振る舞い(A)及び液晶配向の状態(B)をそれぞれ示す図である。 図13は、液晶レンズがON時の光の振る舞い(A)及び液晶配向の状態(B)をそれぞれ示す図である。 図14は、実施例4に係る照明装置の構成を示す断面図である。 図15は、液晶レンズがOFF時の光の振る舞い(A)及び液晶配向の状態(B)をそれぞれ示す図である。 図16は、液晶レンズがON時の光の振る舞い(A)及び液晶配向の状態(B)をそれぞれ示す図である。 図17は、実施例5に係る照明装置の構成を示す断面図である。 図18の(A),(B)は、ブリュースター角θBについての説明に供する図である。 図19は、液晶レンズがOFF時の光の振る舞い(A)及び液晶配向の状態(B)をそれぞれ示す図である。 図20は、液晶レンズがON時の光の振る舞い(A)及び液晶配向の状態(B)をそれぞれ示す図である。 図21は、実施例6に係る照明装置の構成を示す断面図である。 図22は、液晶レンズの焦点を光源付近に設定したときの、液晶レンズがOFF時の光の振る舞い(A)及び上から見た際の液晶配向の状態(B)をそれぞれ示す図である。 図23は、液晶レンズの焦点を光源付近に設定したときの、液晶レンズがON時の光の振る舞い(A)及び上から見た際の液晶配向の状態(B)をそれぞれ示す図である。 図24は、液晶レンズの焦点を光源付近から外して設定したときの、液晶レンズがOFF時の光の振る舞い(A)及び上から見た際の液晶配向の状態(B)をそれぞれ示す図である。 図25は、液晶レンズの焦点を光源付近から外して設定したときの、液晶レンズがON時の光の振る舞い(A)及び上から見た際の液晶配向の状態(B)をそれぞれ示す図である。 図26は、実施例7に係る照明装置の構成を示す断面図である。 図27は、液晶レンズの焦点を光源付近に設定したときの、液晶レンズがOFF時の光の振る舞い(A)及び上から見た際の液晶配向の状態(B)をそれぞれ示す図である。 図28は、液晶レンズの焦点を光源付近に設定したときの、液晶レンズがON時の光の振る舞い(A)及び上から見た際の液晶配向の状態(B)をそれぞれ示す図である。 図29は、液晶レンズの焦点を光源付近から外して設定したときの、液晶レンズがOFF時の光の振る舞い(A)及び上から見た際の液晶配向の状態(B)をそれぞれ示す図である。 図30は、液晶レンズの焦点を光源付近から外して設定したときの、液晶レンズがON時の光の振る舞い(A)及び上から見た際の液晶配向の状態(B)をそれぞれ示す図である。
以下、図面を参照して、実施形態に基づき本開示について説明する。本開示は実施形態に限定されるものではなく、実施形態における種々の数値や材料は例示である。以下の説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。尚、説明は、以下の順序で行う。
1.本開示の照明装置及び照明装置の駆動方法、全般に関する説明
2.実施例1
3.実施例2
4.実施例3
5.実施例4
6.実施例5
7.実施例6
8.実施例7
[本開示の照明装置及び照明装置の駆動方法、全般に関する説明]
本開示の照明装置は、一方向に偏光した光を発する光源部、及び、偏光依存性を持ち、光源部から発せられた光を拡散または散乱させる光学素子、を備えており、光源部から発せられる、一方向に偏光した光が光学素子を透過して照明光となる透過型の照明装置である。
一方向に偏光した光を発する光源部としては、発光素子と、発光素子と光学素子との間に配された偏光素子とを有する構成のものを用いることができる。発光素子は特に限定するものではない。発光素子としては、LED(発光ダイオード)、EL(エレクトロルミネセンス)、電球などの周知の光源を用いることができる。
ここで、偏光の成分は、p偏光(p波)とs偏光(s波)とに分類される。p偏光は、電場の振動方向が入射面に対して平行な偏光成分である。s偏光は、電場の振動方向が入射面に対して垂直な偏光成分である。
一方向に偏光した光を発する光源部として、発光素子と偏光素子とを有する構成のものに代えて、半導体レーザなどの偏光発光素子を用いることができる。光源部が偏光発光素子から成ることで、発光素子と光学素子との間に配する偏光素子が不要になるため、その分だけ構成の簡略化を図ることができる利点がある。偏光発光素子としては、点光源のものを用いることもできるし、面光源のものを用いることもできる。
偏光素子には、多段階の反射を用いて直線偏光を作り出す反射型偏光素子と、ある方位の電場を吸収し、それに垂直な方位の電場を透過することにより直線偏光を作り出す吸収型偏光素子とがある。拡散または散乱させる光学素子として、後述する液晶レンズを用いた場合のレンズ効率を向上させる観点からすると、偏光素子として反射型偏光素子を用いるのが好ましい。
反射型偏光素子は特に限定するものではない。反射型偏光素子としては、例えば、輝度向上フィルム(Brightness Enhancement Film:BEF)を用いるのが望ましい。輝度向上フィルムは、直線偏光を作り出す機能に加えて、光がシート内を通過する際に二重反射と光の屈折率を利用して光線を集約させることによって輝度を向上させる機能を持っている。
光源部において、発光素子の周辺、好ましくは、発光素子の周囲には、発光素子から発せられた光を光学素子側に反射するための反射体を配するのが望ましい。反射体の反射面(表面)は、偏光解消を起こすように表面処理されているのが好ましい。具体的には、偏光解消を起こすような素材や粗さで形成されるのが望ましい。ここで、「偏光解消」とは、特定の偏光しか持たない状態を、様々な偏光が混在する状態に変換することによって偏光を解消することを言う。
反射体の反射面は、発光素子から発せられる光の光軸方向に対して傾斜した傾斜面であってもよいし、当該光軸方向に対して垂直な平面であってもよい。いずれの場合にも、反射体の反射面は、偏光素子の素子面に対して平行な平面であるのが好ましい。ここで、「平行な平面」とは、厳密に平行な平面である場合の他、実質的に平行な平面である場合も含む。すなわち、設計上あるいは製造上生ずる種々のばらつきの存在は許容される。
光源部から発せられる光の光軸方向に対する光学素子の配置状態は特に限定するものではない。光学素子を光源部から発せられる光の光軸方向に対して垂直に配置する構成を採ることもできるし、当該光軸方向に対して傾斜して配置する構成を採ることもできる。前者の配置構成を採る場合に限らず、後者の配置構成を採る場合でも、反射体の反射面は、反射型偏光素子の素子面に対して平行な平面であるのが好ましい。
反射体の反射面と偏光素子との間には、λ/4(λは波長)位相差板、即ち、λ/4板を配置するのが好ましい。偏光素子がp偏光(p波)を透過するのに対し、λ/4板は、偏光素子で反射されたs偏光(s波)を2回の通過によってp偏光に変更して偏光素子に戻す作用を為す。従って、反射体の反射面と偏光素子との間にλ/4板を配することで、光利用効率を高めることができる。
また、光源部において、発光素子から発せられ、光学素子に入射する光の入射角をブリュースター角に設定するようにしてもよい。拡散または散乱させる光学素子に対する入射角をブリュースター角に設定することで、偏光素子を用いなくても光学素子に対して一方向に変更した光を入射させることができる。従って、光学素子に対する入射角をブリュースター角に設定することで、偏光素子を省略できる利点がある。
偏光依存性を持ち、入射光を拡散または散乱させる光学素子は特に限定するものではない。偏光依存性を持ち、入射光を拡散または散乱させる光学素子としては、液晶レンズや散乱型液晶素子などを例示することができる。液晶レンズは、液晶に電圧を印加すると、その印加電圧に応じて見かけ上の液晶の透過率が変化するのを利用したレンズの一種である。散乱型液晶素子は、光の散乱状態、非散乱状態(透過状態)でスイッチングを行う素子である。
散乱型液晶素子には、高分子分散型液晶素子(Polymer Dispersed Liquid Crystal:PDLC)や、動的散乱型(Dynamic Scattering Mode:DSM)液晶素子などがある。高分子分散型液晶素子は、光の透過を散乱強度によって制御する素子である。動的散乱型液晶素子は、液晶分子の乱流などによる光散乱を用いて表示の明/暗の状態を制御する素子である。
上記の構成の照明装置、あるいは又、照明装置の駆動方法によれば、偏光依存性を持つ光学素子に対して、光源部から一方向に偏光した光を入射することで、光学素子は、様々な偏光が混在する状態の光(即ち、一方向に偏光しない光)を入射する場合に比べて高い光利用効率にて入射光を散乱させる。従って、レンズを重ねるという複雑な構成を採らなくても、光学素子において、強い光強度の散乱光を照明光として得ることができるため、簡単な構成にて照明性能の向上を図ることができる。
本開示の照明装置は、一般的な照明装置としての他、監視カメラ用の照明装置(光源装置)や、フラッシュ等のカメラ用の照明装置などとして用いることができる。但し、これらの用途に限られるものではない。例えば、自動車用の照明装置などとして用いることもできる。
以下に、偏光依存性を持ち、光源部から発せられた光を拡散または散乱させる光学素子として、例えば、液晶レンズを用いる実施形態に係る照明装置の具体的な実施例について説明する。
[実施例1]
図1は、実施例1に係る照明装置の構成を示す断面図である。図1において、(A)は照明装置の断面図を、(B)は液晶レンズの断面図をそれぞれ示している。
図1の(A)において、実施例1に係る照明装置10Aは、所定の形状の基体11を有している。基体11は、上面側が開口した逆錐台の形状、即ち、開口面から底面に近づくに従って断面積が徐々に小さくなる形状の凹部12Aを有している。凹部12Aの逆錐台の形状は特に限定するものではない。凹部12Aの逆錐台の形状については、逆角錐台の形状であってもよいし、逆円錐台の形状であってもよい。
基体11の凹部12Aの底面には、発光素子13が配置されている。発光素子13としては、LED、EL、電球などの周知の光源を用いることができる。発光素子13が発する光の有効利用を図るために、凹部12Aの内面は反射面となっている。すなわち、凹部12Aを有する基体11は、凹部12Aの内面を反射面として、発光素子13の周囲に配された反射体を構成している。また、凹部12Aの内面、即ち、反射体の反射面は、偏光解消を起こすような素材や粗さで形成されている、即ち、偏光解消を起こすように表面処理されている。
基体11の開口面上には、偏光素子が配されている。偏光素子は特に限定するものではない。本実施例1では、偏光素子として輝度向上フィルム(BEF)14を用いるものとする。以降の実施例においても同様とする。輝度向上フィルム14は、発光素子13が発した光のうち、ある一方向の光のみを透過し、当該一方向以外の光を反射する。
発光素子13と輝度向上フィルム14とは、一方向に偏光した光を発する光源部を構成している。また、発光素子13が発する光の有効利用を図るために発光素子13の周囲に配され、凹部12Aの内面が反射面となって反射体を構成する基体11も、光源部の構成要素の1つとなっている。
基体11の凹部12A内は単なる空間であってもよいし、当該凹部12A内に例えば樹脂を充填してもよい。凹部12A内に樹脂を充填することで、界面、即ち、輝度向上フィルム14との境界面の反射を抑えることができる利点がある。
輝度向上フィルム14の上には、液晶レンズ15が偏光依存性を持つ光学素子として配されている。液晶レンズ15は、2つの透明基板と、2つの透明基板間に封入された液晶材料から成る液晶層とを有し、液晶層間に印加する電圧に応じてレンズ性能が可変な構成となっている。
具体的には、図1の(B)に示すように、液晶レンズ15は、透明基板である例えば2つのガラス基板151,152と、これらガラス基板151,152間に液晶材料が封止されて成る液晶層153とを有している。2つのガラス基板151,152は、無反射コーティングされている。液晶層153は、例えば、ホモジニアス分子配列のネマティック液晶から成る。
2つのガラス基板151,152の内面には、例えば、スズを添加した酸化インジウムのITO膜といった金属酸化膜の透明電極が形成されている。具体的には、2つのガラス基板151,152の一方の内面には、電気的な接地面を形成するための透明電極154がガラス基板全面に亘って形成されている。また、2つのガラス基板151,152の他方の内面には、液晶層153に対して必要な電界分布を与えるための帯状の透明電極155が例えば環状に形成されている。
上記の構成の液晶レンズ15において、液晶層153を挟む上下の透明電極154,155間に電圧を印加すると、複屈折率(即ち、液晶分子の長軸と短軸の屈折率差)を持つネマティック液晶が電場に沿って傾く。つまり、液晶分子(長軸の向き)と平行な方向の直線偏光をもった光にとって、液晶層153は電圧の分布に応じて局所的に異なった屈折率の分布をもった媒質と等価となる。従って、液晶層153を通過した光の波面には、液晶の印加電圧の面内分布に応じた空間的な波面変調、あるいは、位相変調が加わることになる。
液晶レンズ15において、光学位相差(リタデーション)は、液晶材料の配合比などによって決まる。また、液晶層153に対する電圧の印加の仕方を変えると光学位相差分布が変わる。従って、液晶レンズ15は、液晶層153に対して印加する電圧によって液晶レンズ15の焦点距離や光の角度(方向)を電気的に制御できる光学素子である。
上述した実施例1に係る照明装置10Aにおいて、発光素子13及び輝度向上フィルム14から成る光源部から一方向に偏光した光を発し、偏光依存性を持つ光学素子である液晶レンズ15に対して入射することで、高い光利用効率にて入射光を散乱させることができる。これにより、強い光強度の散乱光を照明光として得ることができるために、従来技術のように、レンズを重ねるという複雑な構成を採らなくても、簡単な構成にて照明性能の向上を図ることができる。
また、輝度向上フィルム14は、ある一方向の偏光成分については透過し、他の偏光成分については反射する構成の反射型偏光素子であることから、他の偏光成分を吸収する構成の吸収型偏光素子を用いる場合に比べて、液晶レンズ15のレンズ効率を向上させることができる。
すなわち、輝度向上フィルム14で反射された偏光成分は、反射体である基体11の凹部12Aの内面、即ち、反射面にて輝度向上フィルム14の方向に反射される。このとき、基体11の凹部12Aの反射面が偏光解消を起こすように表面処理されていることで、反射光の偏光が解消されるため、ある一方向の偏光成分が輝度向上フィルム14を再度透過する。これにより、光利用効率を更に高めることができるため、液晶レンズ15のレンズ効率を向上させることができる。その結果、より強い光強度の照明光を得ることができるため、照明性能をより向上できる。
ところで、実施例1に係る照明装置10Aの設計に当たっては、液晶レンズ15の焦点を光源(発光素子13)付近に設定する設計手法と、液晶レンズ15の焦点を光源付近から外して設定する設計手法とを採ることができる。以下に、これらの設計手法を採ったときの光の振る舞いについて説明する。
(液晶レンズ15の焦点を光源付近に設定したとき)
図2は、液晶レンズ15の焦点を光源付近に設定したときの、液晶レンズ15がOFF時の光の振る舞い(A)、上から見た際の液晶配向の状態(B)、及び、液晶層153における光学位相差分布(C)をそれぞれ示す図である。ここで、「液晶レンズ15がOFF」とは、液晶層153に対して電圧を印加しない状態を言う。以下の実施例においても同様とする。
図2の(A)に一点鎖線で示す光の振る舞いから明らかなように、液晶レンズ15の焦点を光源付近に設定した場合で、液晶レンズ15がOFF状態のときは、照明装置10Aの照明光は拡散光となる。
図3は、液晶レンズ15の焦点を光源付近に設定したときの、液晶レンズ15がON時の光の振る舞い(A)、上から見た際の液晶配向の状態(B)、及び、液晶層153における光学位相差分布(C)をそれぞれ示す図である。ここで、「液晶レンズ15がON」とは、液晶層153に対して電圧を印加する状態を言う。以下の実施例においても同様とする。
図3の(A)に一点鎖線で示す光の振る舞いから明らかなように、液晶レンズ15の焦点を光源付近に設定した場合で、液晶レンズ15がON状態のときは、液晶レンズ15の作用によって照明装置10Aの照明光は平行光となる。ここで、「平行光」とは、照明装置10Aから出射される光が厳密に平行である場合の他、実質的に平行である場合も含む。設計上あるいは製造上生ずる種々のばらつきの存在は許容される。
また、基体11の凹部12の内面、即ち、反射面が発光素子13から発せられる光の光軸方向に対して傾斜していることに起因して平行度が多少落ちても、「平行光」の概念に含まれるものとする。すなわち、反射体の反射面に傾斜がついていると、当該反射面で反射される光の角度分布が大きくなり、その結果、液晶レンズ15のON時の平行光線状態の平行度が落ちるが、このときの液晶レンズ15からの出射光も平行光とする。
(液晶レンズ15の焦点を光源付近から外して設定したとき)
図4は、液晶レンズ15の焦点を光源付近から外して設定したときの、液晶レンズ15がOFF時の光の振る舞い(A)、上から見た際の液晶配向の状態(B)、及び、液晶層153における光学位相差分布(C)をそれぞれ示す図である。
図4の(A)に一点鎖線で示す光の振る舞いから明らかなように、液晶レンズ15の焦点を光源付近から外して設定した場合で、液晶レンズ15がOFF状態のときは、照明装置10Aの照明光は、液晶レンズ15の焦点を光源付近に設定した場合と同様の拡散光となる。
図5は、液晶レンズ15の焦点を光源付近から外して設定したときの、液晶レンズ15がON時の光の振る舞い(A)、上から見た際の液晶配向の状態(B)、及び、液晶層153における光学位相差分布(C)をそれぞれ示す図である。
図5の(A)に一点鎖線で示す光の振る舞いから明らかなように、液晶レンズ15の焦点を光源付近から外して設定した場合で、液晶レンズ15がON状態のときは、液晶レンズ15による散乱の作用によって照明装置10Aの照明光は、OFF状態のときよりも拡散した拡散光となる。
[実施例2]
図6は、実施例2に係る照明装置の構成を示す断面図である。図6において、(A)は照明装置の断面図を、(B)は液晶レンズの断面図をそれぞれ示している。実施例2に係る照明装置10Bは、反射体として機能する基体11の凹部12Bの形状の点で、実施例1に係る照明装置10Aと相違している。図6の(B)に示す液晶レンズの構成については、図1の(B)に示す液晶レンズの構成と同じであるため、ここではその説明は省略する。
具体的には、実施例1に係る照明装置10Aでは、凹部12Aが逆錐台の形状となっていた。そのため、凹部12Aの内面、即ち、反射面が、発光素子13から発せられる光の光軸方向、更には、輝度向上フィルム14のフィルム面に対して傾斜していた。
これに対して、実施例2に係る照明装置10Bでは、凹部12Bの形状を断面矩形の形状とし、凹部12Bの底面を反射面とする構成を採っている。これにより、反射面となる底面は、発光素子13から発せられる光の光軸方向に対して垂直、更には、輝度向上フィルム14のフィルム面に対して平行な平面となっている。また、凹部12Bの底面(反射面)は、偏光解消を起こすような素材や粗さで形成されている、即ち、偏光解消を起こすように表面処理されている。
上記の構成の実施例2に係る照明装置10Bによれば、実施例1に係る照明装置10Aの場合と同様の効果、即ち、従来技術のように、レンズを重ねるという複雑な構成を採らなくても、簡単な構成にて照明性能の向上を図ることができる、という効果を得ることができる。これに加えて、次のような作用、効果を得ることができる。
すなわち、反射体である基体11の凹部12Bの底面、即ち、反射面が、輝度向上フィルム14のフィルム面に対して平行な平面であることで、当該反射面で反射される光の指向性の変化を傾斜面の場合に比べて正確にできる。具体的には、凹部12Bの底面が平面であることで、輝度向上フィルム14で反射された偏光成分の殆どが、当該底面(反射面)で正反射され、その際に偏光が解消されて輝度向上フィルム14に入射する。従って、光の指向性の変化を反射面が傾斜面の場合に比べて正確にできるため、照明性能をより向上できる。
続いて、液晶レンズ15の焦点を光源(発光素子13)付近に設定する設計手法と、液晶レンズ15の焦点を光源付近から外して設定する設計手法とを採ったときの光の振る舞いについて説明する。
(液晶レンズ15の焦点を光源付近に設定したとき)
図7は、液晶レンズ15の焦点を光源付近に設定したときの、液晶レンズ15がOFF時の光の振る舞い(A)、上から見た際の液晶配向の状態(B)、及び、液晶層153における光学位相差分布(C)をそれぞれ示す図である。
図7の(A)に一点鎖線で示す光の振る舞いから明らかなように、液晶レンズ15の焦点を光源付近に設定した場合で、液晶レンズ15がOFF状態のときは、照明装置10Bの照明光は拡散光となる。このときの拡散光は、反射体である基体11の凹部12Bの底面、即ち、反射面が、輝度向上フィルム14のフィルム面に対して平行な平面であることから、照明装置10Bの出射面の中心を基準として拡散する拡散光となる。
図8は、液晶レンズ15の焦点を光源付近に設定したときの、液晶レンズ15がON時の光の振る舞い(A)、上から見た際の液晶配向の状態(B)、及び、液晶層153における光学位相差分布(C)をそれぞれ示す図である。
図8の(A)に一点鎖線で示す光の振る舞いから明らかなように、液晶レンズ15の焦点を光源付近に設定した場合で、液晶レンズ15がON状態のときは、液晶レンズ15による散乱の作用によって照明装置10Bの照明光は平行光となる。特に、反射体である基体11の凹部12Bの底面(反射面)が、輝度向上フィルム14のフィルム面に対して平行な平面であることから、反射面が傾斜面の場合に比べて平行光の平行度が高まる。
(液晶レンズ15の焦点を光源付近から外して設定したとき)
図9は、液晶レンズ15の焦点を光源付近から外して設定したときの、液晶レンズ15がOFF時の光の振る舞い(A)、上から見た際の液晶配向の状態(B)、及び、液晶層153における光学位相差分布(C)をそれぞれ示す図である。
図9の(A)に一点鎖線で示す光の振る舞いから明らかなように、液晶レンズ15の焦点を光源付近から外して設定した場合で、液晶レンズ15がOFF状態のときは、照明装置10Bの照明光は、液晶レンズ15の焦点を光源付近に設定した場合と同様の拡散光となる。
図10は、液晶レンズ15の焦点を光源付近から外して設定したときの、液晶レンズ15がON時の光の振る舞い(A)、上から見た際の液晶配向の状態(B)、及び、液晶層153における光学位相差分布(C)をそれぞれ示す図である。
図10の(A)に一点鎖線で示す光の振る舞いから明らかなように、液晶レンズ15の焦点を光源付近から外して設定した場合で、液晶レンズ15がON状態のときは、液晶レンズ15による散乱の作用によって照明装置10Bの照明光は、OFF状態のときよりも散乱した散乱光となる。
[実施例3]
図11は、実施例3に係る照明装置の構成を示す断面図である。実施例3に係る照明装置10Cは、実施例1,2の基体11の代わりに筐体16を用い、当該筐体16内の底面に発光素子13を配置し、発光素子13が発する光の光軸方向に対して液晶レンズ15及び輝度向上フィルム14を傾斜させて筐体16内に取り付けた構成となっている。
また、液晶レンズ15の下方には、輝度向上フィルム14のフィルム面に対して反射面が平行になるように反射体(反射板)17が配置されている。反射体17の反射面は、偏光解消を起こすような素材や粗さで形成されている、即ち、偏光解消を起こすように表面処理されている。
上記の構成の実施例3に係る照明装置10Cにおいて、発光素子13から発せられる光が輝度向上フィルム14に入射すると、輝度向上フィルム14は、ある一方向の偏光成分については透過し、他の偏光成分については反射する。輝度向上フィルム14を透過した偏光成分は液晶レンズ15で散乱されて照明光として出射される。
輝度向上フィルム14で反射された偏光成分は、反射体17の反射面にて輝度向上フィルム14の方向に反射される。このとき、反射体17の反射面が偏光解消を起こすように表面処理されていることで、反射光の偏光が解消されるため、ある一方向の偏光成分が輝度向上フィルム14を再度透過する。これにより、光利用効率を更に高めることができるため、液晶レンズ15のレンズ効率を向上させることができる。
また、液晶レンズ15及び輝度向上フィルム14が出射光に対して傾斜して配置され、かつ、反射体17の反射面が輝度向上フィルム14に対して平行な平面であることで、液晶レンズ15の入射光をその入射する前に平行光にすることができる。これにより、発光素子13が発する光を有効に利用することができるため、より強い光強度の照明光を得ることができる。
ここで、液晶レンズ15がOFF状態のとき、ON状態のときの光の振る舞いについて説明する。
図12は、液晶レンズ15がOFF時の光の振る舞い(A)及び液晶配向の状態(B)をそれぞれ示す図である。図12の(A)に一点鎖線で示す光の振る舞いから明らかなように、液晶レンズ15がOFF状態のときは、液晶レンズ15に入射した平行光がそのまま液晶レンズ15を通過するため、照明装置10Cの照明光は平行光となる。
図13は、液晶レンズ15がON時の光の振る舞い(A)及び液晶配向の状態(B)をそれぞれ示す図である。図13の(A)に一点鎖線で示す光の振る舞いから明らかなように、液晶レンズ15がON状態のときは、液晶レンズ15に入射した平行光が、液晶レンズ15による散乱の作用によって散乱されるために、照明装置10Cの照明光は拡散光となる。
[実施例4]
図14は、実施例4に係る照明装置の構成を示す断面図である。実施例4に係る照明装置10Dは、反射体(反射板)17の反射面と輝度向上フィルム14との間に配されたλ/4板18を有する点で、構成上、実施例3に係る照明装置10Cと相違している。λ/4板18は、直交する偏光成分の間にπ/2(=90度)の位相差を生じさせる複屈折素子(位相板)である。
尚、液晶レンズ15は、実施例3の場合と同様に、発光素子13から発せられる光の光軸に対して傾斜して配置されている。また、反射体17の反射面については、実施例3の場合のような表面処理、即ち、偏光解消を起こすように表面処理を施さないものとする。これにより、反射体17は、反射面に入射する光に対して、当該入射光の偏光状態を保持する作用を為す。
上記の構成の実施例4に係る照明装置10Dによれば、実施例3に係る照明装置10Cと同様の作用、効果を得ることができる。これに加えて、実施例4に係る照明装置10Dによれば、次のような作用、効果を得ることができる。
すなわち、実施例4に係る照明装置10Dにおいて、発光素子13から発せられる光が輝度向上フィルム14に入射すると、輝度向上フィルム14は、ある一方向の偏光成分については透過し、他の偏光成分については反射する。具体的には、電場の振動方向が入射面に平行な偏光成分、即ち、p偏光(p波)を透過し、電場の振動方向が入射面に垂直な偏光成分、即ち、s偏光(s波)を反射する。輝度向上フィルム14を透過したp偏光は液晶レンズ15で散乱されて照明光として出射される。
輝度向上フィルム14で反射されたs偏光は、λ/4板18を通過し、次いで、反射体17の反射面で偏光状態が保持されたまま反射され、再度λ/4板18を通過する。すなわち、輝度向上フィルム14で反射されたs偏光は、λ/4板18を往復で2回通過することになる。これにより、s偏光がp偏光に変更されて輝度向上フィルム14に入射し、当該輝度向上フィルム14を透過した後液晶レンズ15で散乱されて照明光として出射される。
このように、反射体(反射板)17の反射面と輝度向上フィルム14との間にλ/4板18を配することにより、輝度向上フィルム14で反射されたs偏光をp偏光に変更して輝度向上フィルム14に再度入射させることができるため、光利用効率を高めることができる。従って、より強い光強度の照明光を得ることができるため、照明性能をより高めることができる。
ここで、液晶レンズ15がOFF状態のとき、ON状態のときの光の振る舞いについて説明する。
図15は、液晶レンズ15がOFF時の光の振る舞い(A)及び液晶配向の状態(B)をそれぞれ示す図である。図15の(A)に一点鎖線で示す光の振る舞いから明らかなように、液晶レンズ15がOFF状態のときは、液晶レンズ15に入射した平行光がそのまま液晶レンズ15を通過するため、照明装置10Dの照明光は平行光となる。
図16は、液晶レンズ15がON時の光の振る舞い(A)及び液晶配向の状態(B)をそれぞれ示す図である。図16の(A)に一点鎖線で示す光の振る舞いから明らかなように、液晶レンズ15がON状態のときは、液晶レンズ15に入射した平行光が、液晶レンズ15による散乱の作用によって散乱されるために、照明装置10Dの照明光は拡散光となる。
[実施例5]
図17は、実施例5に係る照明装置の構成を示す断面図である。実施例5に係る照明装置10Eは、実施例4に係る照明装置10Dにおける輝度向上フィルム14及びλ/4板18を省略し、その代わりに、発光素子13から発せられ、液晶レンズ15に入射する光の入射角をブリュースター角に設定した構成となっている。尚、反射体17の反射面については、実施例3の場合のような表面処理、即ち、偏光解消を起こすように表面処理を行うものとする。
ブリュースター角(または、偏光角)は、屈折率の異なる2つの物質の界面においてp偏光の反射角が0となる入射角である。図18の(A)に示すように、非偏光がブリュースター角θBで入射したとき、反射光は完全に偏光になる。屈折率の異なる2つの物質の界面にある角度をもって光が入射するとき、p偏光とs偏光とでは反射率が異なる。図18の(B)に示すように、入射角を0度から徐々に増加していくと、実線で示すp偏光の反射率は最初減少し、ブリュースター角θBで0となり、その後増加する。破線で示すs偏光の反射率は単調に増加する。
上記の構成の実施例5に係る照明装置10Eにおいては、発光素子13から液晶レンズ15に入射する光の入射角をブリュースター角θBに設定することで、液晶レンズ15に対して一方向に偏光した光を入射させることができる。従って、輝度向上フィルム14を用いなくても実施例3に係る照明装置10Cと同様の作用、効果を得ることができる。換言すれば、実施例3に係る照明装置10Cよりも簡単な構成にて同様の作用、効果を得ることができる。
尚、本実施例5では、輝度向上フィルム14に加えて、λ/4板18をも省略するとしたが、反射体(反射板)17の反射面と輝度向上フィルム14との間にλ/4板18を配するようにしてもよい。これにより、輝度向上フィルム14を省略した簡単な構成にて実施例4に係る照明装置10Dと同様の作用、効果を得ることができる。
ここで、液晶レンズ15がOFF状態のとき、ON状態のときの光の振る舞いについて説明する。
図19は、液晶レンズ15がOFF時の光の振る舞い(A)及び液晶配向の状態(B)をそれぞれ示す図である。図19の(A)に一点鎖線で示す光の振る舞いから明らかなように、液晶レンズ15がOFF状態のときは、液晶レンズ15に入射した平行光がそのまま液晶レンズ15を通過するため、照明装置10Eの照明光は平行光となる。
図20は、液晶レンズ15がON時の光の振る舞い(A)及び液晶配向の状態(B)をそれぞれ示す図である。図20の(A)に一点鎖線で示す光の振る舞いから明らかなように、液晶レンズ15がON状態のときは、液晶レンズ15に入射した平行光が、液晶レンズ15による散乱の作用によって照明装置10Eの照明光は散乱光となる。
[実施例6]
図21は、実施例6に係る照明装置の構成を示す断面図である。図21において、(A)は照明装置の断面図を、(B)は液晶レンズの断面図をそれぞれ示している。図21の(B)に示す液晶レンズの構成については、図1の(B)に示す液晶レンズの構成と同じであるため、ここではその説明は省略する。
実施例6に係る照明装置10Fは、光源部の発光素子として、一方向に偏光した光を発する偏光発光素子19を用いた構成となっている。偏光発光素子19は特に限定するものではない。偏光発光素子19としては、半導体レーザなどを例示することができる。本実施例6で用いる偏光発光素子19は点光源である。
上記の構成の実施例6に係る照明装置10Fにおいては、発光素子として偏光発光素子19を用いることで、当該偏光発光素子19そのものが一方向に偏光した光を発することから、実施例1〜実施例4で用いるようにしていた偏光素子、具体的には、輝度向上フィルム14が不要になる。これにより、大きなコスト上昇を伴わず、組み立てが容易で、高性能の照明装置10Fを提供できる。
次に、液晶レンズ15の焦点を光源(偏光発光素子19)付近に設定する設計手法と、液晶レンズ15の焦点を光源付近から外して設定する設計手法とを採ったときの光の振る舞いについて説明する。
(液晶レンズ15の焦点を光源付近に設定したとき)
図22は、液晶レンズ15の焦点を光源付近に設定したときの、液晶レンズ15がOFF時の光の振る舞い(A)及び上から見た際の液晶配向の状態(B)をそれぞれ示す図である。図22の(A)に一点鎖線で示す光の振る舞いから明らかなように、液晶レンズ15の焦点を光源付近に設定した場合で、液晶レンズ15がOFF状態のときは、照明装置10Fの照明光は拡散光となる。
図23は、液晶レンズ15の焦点を光源付近に設定したときの、液晶レンズ15がON時の光の振る舞い(A)及び上から見た際の液晶配向の状態(B)をそれぞれ示す図である。図23の(A)に一点鎖線で示す光の振る舞いから明らかなように、液晶レンズ15の焦点を光源付近に設定した場合で、液晶レンズ15がON状態のときは、実施例2の場合と同様に、液晶レンズ15による散乱の作用によって照明装置10Fの照明光は平行光となる。
(液晶レンズ15の焦点を光源付近から外して設定したとき)
図24は、液晶レンズ15の焦点を光源付近から外して設定したときの、液晶レンズ15がOFF時の光の振る舞い(A)及び上から見た際の液晶配向の状態(B)をそれぞれ示す図である。図24の(A)に一点鎖線で示す光の振る舞いから明らかなように、液晶レンズ15の焦点を光源付近から外して設定した場合で、液晶レンズ15がOFF状態のときは、照明装置10Fの照明光は、液晶レンズ15の焦点を光源付近に設定した場合と同様の拡散光となる。
図25は、液晶レンズ15の焦点を光源付近から外して設定したときの、液晶レンズ15がON時の光の振る舞い(A)及び上から見た際の液晶配向の状態(B)をそれぞれ示す図である。図25の(A)に一点鎖線で示す光の振る舞いから明らかなように、液晶レンズ15の焦点を光源付近から外して設定した場合で、液晶レンズ15がON状態のときは、液晶レンズ15による散乱の作用によって照明装置10Fの照明光は、OFF状態のときよりも拡散した拡散光となる。
[実施例7]
図26は、実施例7に係る照明装置の構成を示す断面図である。図26において、(A)は照明装置の断面図を、(B)は液晶レンズの断面図をそれぞれ示している。
実施例7に係る照明装置10Gは、実施例6に係る照明装置10Fと同様に、光源部の発光素子として、一方向に偏光した光を発する偏光発光素子20を用いた構成となっている。但し、実施例6に係る照明装置10Fでは偏光発光素子19が点光源であるのに対して、本実施例7に係る照明装置10Gでは偏光発光素子20が面光源となっている。偏光発光素子20は特に限定するものではない。偏光発光素子20としては、半導体レーザなどを例示することができる。
また、本実施例7で用いる液晶レンズ15は、先の各実施例において用いた液晶レンズに比べて、より微細な液晶レンズの集合から成る構成となっている。これにより、液晶レンズ15の縮小化を図ることができる。そして、液晶レンズ15の縮小化に加えて、偏光発光素子20からは平行光が出射されるために、照明装置10Gのサイズを先の各実施例に係る照明装置に比べて小さくすることができる。
次に、液晶レンズ15の焦点を光源(偏光発光素子20)付近に設定する設計手法と、液晶レンズ15の焦点を光源付近から外して設定する設計手法とを採ったときの光の振る舞いについて説明する。
(液晶レンズ15の焦点を光源付近に設定したとき)
図27は、液晶レンズ15の焦点を光源付近に設定したときの、液晶レンズ15がOFF時の光の振る舞い(A)及び上から見た際の液晶配向の状態(B)をそれぞれ示す図である。図27の(A)に一点鎖線で示す光の振る舞いから明らかなように、液晶レンズ15の焦点を光源付近に設定した場合で、液晶レンズ15がOFF状態のときは、偏光発光素子20から発せられる平行光がそのまま液晶レンズ15を透過して照明装置10Gの照明光となる。
図28は、液晶レンズ15の焦点を光源付近に設定したときの、液晶レンズ15がON時の光の振る舞い(A)及び上から見た際の液晶配向の状態(B)をそれぞれ示す図である。図28の(A)に一点鎖線で示す光の振る舞いから明らかなように、液晶レンズ15の焦点を光源付近に設定した場合で、液晶レンズ15がON状態のときは、液晶レンズ15による散乱の作用によって照明装置10Gの照明光は拡散光となる。
(液晶レンズ15の焦点を光源付近から外して設定したとき)
図29は、液晶レンズ15の焦点を光源付近から外して設定したときの、液晶レンズ15がOFF時の光の振る舞い(A)及び上から見た際の液晶配向の状態(B)をそれぞれ示す図である。図29の(A)に一点鎖線で示す光の振る舞いから明らかなように、液晶レンズ15の焦点を光源付近から外して設定した場合で、液晶レンズ15がOFF状態のときは、照明装置10Gの照明光は、液晶レンズ15の焦点を光源付近に設定した場合と同様の平行光となる。
図30は、液晶レンズ15の焦点を光源付近から外して設定したときの、液晶レンズ15がON時の光の振る舞い(A)及び上から見た際の液晶配向の状態(B)をそれぞれ示す図である。図30の(A)に一点鎖線で示す光の振る舞いから明らかなように、液晶レンズ15の焦点を光源付近から外して設定した場合で、液晶レンズ15がON状態のときは、液晶レンズ15による散乱の作用によって照明装置10Gの照明光はより拡散した拡散光となる。
尚、本開示は以下のような構成を取ることができる。
(1)一方向に偏光した光を発する光源部、及び、
偏光依存性を持ち、光源部から発せられた光を拡散または散乱させる光学素子、
を備える照明装置。
(2)光源部は、発光素子と、発光素子と光学素子との間に配された偏光素子とを有する前記(1)に記載の照明装置。
(3)偏光素子は、反射型偏光素子である前記(2)に記載の照明装置。
(4)反射型偏光素子は、輝度向上フィルムである前記(3)に記載の照明装置。
(5)光源部は、発光素子の周辺に配された反射体を有する前記(1)から前記(4)のいずれかに記載の照明装置。
(6)反射体の反射面は、偏光解消を起こすように表面処理されている前記(5)に記載の照明装置。
(7)反射体の反射面は、偏光素子の素子面に対して平行な平面である前記(5)に記載の照明装置。
(8)反射体の反射面と偏光素子との間に配されたλ/4板(λは波長)を有する前記(7)に記載の照明装置。
(9)光学素子は、光源部から発せられる光の光軸に対して傾斜して配置されている前記(1)から前記(8)のいずれかに記載の照明装置。
(10)光源部は、発光素子を有し、発光素子から発せられ、光学素子に入射する光の入射角がブリュースター角に設定されている前記(1)に記載の照明装置。
(11)光源部は、発光素子の周辺に配された反射体を有する前記(10)に記載の照明装置。
(12)反射体の反射面は、偏光解消を起こすように表面処理されている前記(11)に記載の照明装置。
(13)反射体の反射面と光学素子との間に配されたλ/4板(λは波長)を有する前記(11)または前記(12)に記載の照明装置。
(14)光源部は、偏光発光素子から成る前記(1)に記載の照明装置。
(15)偏光発光素子は、半導体レーザである前記(14)に記載の照明装置。
(16)偏光発光素子は、点光源である前記(14)または前記(15)に記載の照明装置。
(17)偏光発光素子は、面光源である前記(14)または前記(15)に記載の照明装置。
(18)光学素子は、液晶レンズである前記(1)から前記(15)のいずれかに記載の照明装置。
(19)液晶レンズは、2つの透明基板と、2つの透明基板間に封入された液晶材料から成る液晶層とを有し、液晶層間に印加する電圧に応じてレンズ性能が可変である前記(18)に記載の照明装置。
(20)偏光依存性を持ち、入射光を拡散または散乱させる光学素子を用いた照明装置の駆動に当たって、
光学素子に対して一方向に偏光した光を入射する照明装置の駆動方法。
10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G・・・照明装置、11・・・基体(反射体)、12A,12B・・・凹部、13・・・発光素子、14・・・輝度向上フィルム、15・・・液晶レンズ、16・・・筐体、17・・・反射体(反射板)、18・・・λ/4板、19,20・・・偏光発光素子、151,152・・・ガラス基板、153・・・液晶層、154,155・・・透明電極

Claims (6)

  1. 凹部が形成された基体と、
    前記凹部の内側に配置された発光素子と、
    前記凹部の開口部に配置された輝度向上フィルムと、
    前記輝度向上フィルムに重ねて配置された液晶レンズと
    を備え、
    前記輝度向上フィルムの透過軸が前記液晶レンズの配向方向と一致しており、前記凹部の底面及び側面が反射体で形成され、該反射体が偏光解消処理されている
    照明装置。
  2. 前記凹部は、開口部から前記輝度向上フィルムと平行な底面に向かって断面積が徐々に小さくなる逆錐台の形状である請求項1に記載の照明装置。
  3. 凹部が形成された筐体と、
    前記凹部の内側に配置された発光素子と、
    前記凹部の底部に配置された反射体と、
    前記発光素子が発する光の光軸方向に対し傾斜して前記凹部の開口部に配置された輝度向上フィルムと、
    前記輝度向上フィルムに重ねて配置された液晶レンズと
    を備え、
    前記輝度向上フィルムの透過軸が前記液晶レンズの配向方向と一致しており、前記反射体の反射面が前記輝度向上フィルムに対して平行に配置され、且つ、偏光解消処理されている
    照明装置。
  4. 凹部が形成された筐体と、
    前記凹部の内側に配置された発光素子と、
    前記凹部の底部に配置された反射体と、
    前記発光素子が発する光の光軸方向に対し傾斜して前記凹部の開口部に配置された輝度向上フィルムと、
    前記反射体と前記輝度向上フィルムとの間に設けられたλ/4板(λは波長)と、
    前記輝度向上フィルムに接して配置された液晶レンズと
    を備え、
    前記輝度向上フィルムの透過軸が前記液晶レンズの配向方向と一致しており、前記反射体の反射面が前記輝度向上フィルムに対し平行に配置されている
    照明装置。
  5. 凹部が形成された筐体と、
    前記凹部の内側に配置された発光素子と、
    前記凹部の底部に配置された反射体と、
    前記発光素子から発せられた光の入射角がブリュースター角に設定されて前記凹部の開口部に配置された液晶レンズと
    を備え、
    前記反射体の反射面が前記液晶レンズに対し平行に配置され、且つ、偏光解消処理されている
    照明装置。
  6. 前記液晶レンズは、2つの透明基板と、2つの透明基板間に封入された液晶材料から成る液晶層とを有し、液晶層間に印加する電圧に応じてレンズ性能が可変である請求項1から5の何れか一項に記載の照明装置。
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