JP5682688B1 - 電池用包装材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】成形性が向上されたフィルム状の電池用包装材料を提供する。【解決手段】少なくとも、基材層1、接着層2、バリア層3、及びシーラント層4をこの順に有する積層体からなる電池用包装材料において、当該接着層2は、熱硬化性樹脂及び反応性樹脂ビーズを含有し、前記反応性樹脂ビーズが、官能基を有するウレタン樹脂ビーズ又はアクリル樹脂ビーズであり、前記反応性樹脂ビーズの屈折率が1.3〜1.8であり、前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、及びアルキド樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種である。【選択図】図1

Description

本発明は、成形性が向上されたフィルム状の電池用包装材料に関する。
従来、様々なタイプの電池が開発されているが、あらゆる電池において、電極や電解質等の電池素子を封止するために包装材料が不可欠な部材になっている。従来、電池用包装として金属製の包装材料が多用されていたが、近年、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、パソコン、カメラ、携帯電話等の高性能化に伴い、電池には、多様な形状が要求されると共に、薄型化や軽量化が求められている。しかしながら、従来多用されていた金属製の電池用包装材料では、形状の多様化に追従することが困難であり、しかも軽量化にも限界があるという欠点がある。
そこで、近年、多様な形状に加工が容易で、薄型化や軽量化を実現し得る電池用包装材料として、基材層/接着層/バリア層/シーラント層が順次積層されたフィルム状の積層体が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このようなフィルム状の電池用包装材料では、シーラント層同士を対向させて周縁部をヒートシールにて熱溶着させることにより電池素子を封止できるように形成されている。また、従来のフィルム状の電池用包装材料では、通常、2液硬化型の接着剤を用いてドライラミネーション法にて基材層とバリア層を貼り合せて、基材層と接着層とバリア層を積層させている。
一方、近年、電池性能の更なる向上に対する要望は枚挙に暇がなく、それに伴い、電池容量の増大が要求されている。フィルム状の電池用包装材料は、深絞り成形等により所定の形状に加工して電池素子を封止するため、電池容量の増大の実現には、フィルム状の電池用包装材料の成形性を向上させ、成形深さ(成形時の伸び)を増大させることが求められる。従来、フィルム状の電池用包装材料の成形性を向上させるための種々の技術が提案されているが、益々高まる電池性能の向上に対する要望に追従するためにも、成形性を更に向上させる技術の開発が求められている。
特開2001−202927号公報
本発明は、成形性が向上されたフィルム状の電池用包装材料を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、少なくとも、基材層、接着層、バリア層、及びシーラント層をこの順に有する積層体からなる電池用包装材料において、当該接着層を、熱硬化性樹脂及び反応性樹脂ビーズを含有する樹脂組成物の硬化物で形成することにより、電池用包装材料の成形性を格段に向上できることを見出した。また、前記接着層を形成する樹脂組成物に更に硬化促進剤を含有させることによって、接着層を短時間で硬化可能になり、リードタイムを短縮化できることも見出した。本発明は、かかる知見に基づいて更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する
項1. 少なくとも、基材層、接着層、バリア層、及びシーラント層をこの順に有する積層体からなり、
前記接着層が、熱硬化性樹脂、及び反応性樹脂ビーズを含有する樹脂組成物の硬化物であることを特徴とする、電池用包装材料。
項2. 前記樹脂組成物が、更に硬化促進剤を含む、項1に記載の電池用包装材料。
項3. 前記反応性樹脂ビーズが、官能基を有するウレタン樹脂ビーズ又はアクリル樹脂ビーズである、項1又は2に記載の電池用包装材料。
項4. 前記反応性樹脂ビーズの屈折率が1.3〜1.8である、項1〜3のいずれかに記載の電池用包装材料。
項5. 前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、及びアルキド樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種である、項1〜4のいずれかに記載の電池用包装材料。
項6. 前記硬化促進剤が、アミジン化合物、カルボジイミド化合物、ケチミン化合物、ヒドラジン化合物、スルホニウム塩、ベンゾチアゾリウム塩、及び第3級アミン化合物よりなる群から選択される少なくとも1種である、項2〜5のいずれかに記載の電池用包装材料。
項7. 前記バリア層が金属箔である、項1〜6のいずれかに記載の電池用包装材料。
項8. 下記工程を含む、電池用包装材料の製造方法。
熱硬化性樹脂、及び反応性樹脂ビーズを含有する樹脂組成物を介して基材層とバリア層を貼り合わせた状態で加熱することにより、当該樹脂組成物を硬化させて、基材層、接着層、及びバリア層をこの順に有する積層体を得る工程、並びに
前記工程で得られた積層体のバリア層上に、シーラント層を積層させる工程。
項9. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、項1〜7のいずれかに記載の電池用包装材料内に収容されている、電池。
本発明の電池用包装材料は、基材層とバリア層との間に設けられる接着層において、反応性樹脂ビーズが熱硬化性樹脂と化学結合により結合して存在することにより、当該接着層の接着強度を維持しつつ、電池用包装材料に優れた成形性を備えさせることができ、深絞り成形時の成形深さを深くしても、クラックやピンホール等が生じるのを抑制することができる。
また、本発明の電池用包装材料において、前記接着層を形成させる樹脂組成物に硬化促進剤を含有させる場合には、接着層の硬化工程において、高温条件でのエージングを要することなく短時間で硬化できるので、リードタイムの短縮化が図られ、更には高温条件に長期間晒されることによる製品不良の発生を防止することも可能になる。
本発明の電池用包装材料の断面構造の一例を示す図である。
本発明の電池用包装材料は、少なくとも、基材層、接着層、バリア層、及びシーラント層をこの順に有する積層体からなり、当該接着層が、熱硬化性樹脂、及び反応性樹脂ビーズを含有する樹脂組成物の硬化物であることを特徴とする。以下、本発明の電池用包装材料について詳述する。
1.電池用包装材料の積層構造
電池用包装材料は、図1に示すように、少なくとも、基材層1、接着層2、バリア層3、及びシーラント層4をこの順に有する積層体からなる積層構造を有する。即ち、本発明の電池用包装材料は、基材層1が最外層になり、シーラント層4が最内層になる。電池の組み立て時に、電池素子の周縁に位置するシーラント層4同士を接面させて熱溶着することにより電池素子が密封され、電池素子が封止される。
また、本発明の電池用包装材料には、バリア層3とシーラント層4との間に、これらの接着性を高める目的で、必要に応じて接着層5が設けられていてもよい。
2.電池用包装材料を形成する各層の組成
[基材層1]
本発明の電池用包装材料において、基材層1は最外層を形成する層である。基材層1を形成する素材については、絶縁性を備えるものであることを限度として特に制限されるものではない。基材層1を形成する素材としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、エポキシ、アクリル、フッ素樹脂、ポリウレタン、珪素樹脂、フェノール、ポリエーテルイミド、ポリイミド、及びこれらの混合物や共重合物等が挙げられる。
前記ポリエステルとしては、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリカーボネート、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステル、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステル等が挙げられる。また、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステルとしては、具体的には、エチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体としてエチレンイソフタレートと重合する共重合体ポリエステル(以下、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)にならって略す)、ポリエチレン(テレフタレート/イソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリエチレン(テレフタレート/ナトリウムスルホイソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/ナトリウムイソフタレート)、ポリエチレン(テレフタレート/フェニル−ジカルボキシレート)、ポリエチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)等が挙げられる。また、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体とした共重合ポリエステルとしては、具体的には、ブチレンテレフタレートを繰り返し単位の主体としてブチレンイソフタレートと重合する共重合体ポリエステル(以下、ポリブチレン(テレフタレート/イソフタレート)にならって略す)、ポリブチレン(テレフタレート/アジペート)、ポリブチレン(テレフタレート/セバケート)、ポリブチレン(テレフタレート/デカンジカルボキシレート)、ポリブチレンナフタレート等が挙げられる。これらのポリエステルは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。ポリエステルは、耐電解液性に優れ、電解液の付着に対して白化等が発生し難いという利点があり、基材層1の形成素材として好適に使用される。
また、前記ポリアミドとしては、具体的には、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン12、ナイロン46、ナイロン6とナイロン6,6との共重合体等の脂肪族系ポリアミド;テレフタル酸及び/又はイソフタル酸に由来する構成単位を含むナイロン6I、ナイロン6T、ナイロン6IT、ナイロン6I6T(Iはイソフタル酸、Tはテレフタル酸を表す)等のヘキサメチレンジアミン−イソフタル酸−テレフタル酸共重合ポリアミド、ポリメタキシリレンアジパミド(MXD6)等の芳香族を含むポリアミド;ポリアミノメチルシクロヘキシルアジパミド(PACM6)等の脂環系ポリアミド;さらにラクタム成分や、4,4’−ジフェニルメタン−ジイソシアネート等のイソシアネート成分を共重合させたポリアミド、共重合ポリアミドとポリエステルやポリアルキレンエーテルグリコールとの共重合体であるポリエステルアミド共重合体やポリエーテルエステルアミド共重合体;これらの共重合体等が挙げられる。これらのポリアミドは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。延伸ポリアミドフィルムは延伸性に優れており、成形時の基材層1の樹脂割れによる白化の発生を防ぐことができ、基材層1の形成素材として好適に使用される。
基材層1は、1軸又は2軸延伸された樹脂フィルムで形成されていてもよく、また未延伸の樹脂フィルムで形成してもよい。中でも、1軸又は2軸延伸された樹脂フィルム、とりわけ2軸延伸された樹脂フィルムは、配向結晶化することにより耐熱性が向上しているので、基材層1として好適に使用される。
これらの中でも、基材層1を形成する樹脂フィルムとして、好ましくはナイロン、ポリエステル、更に好ましくは2軸延伸ナイロン、2軸延伸ポリエステル、特に好ましくは2軸延伸ポリエステルが挙げられる。
基材層1は、耐ピンホール性及び電池の包装体とした時の絶縁性を向上させるために、異なる素材の樹脂フィルムを積層化することも可能である。具体的には、ポリエステルフィルムとナイロンフィルムとを積層させた多層構造や、2軸延伸ポリエステルと2軸延伸ナイロンとを積層させた多層構造等が挙げられる。基材層1を多層構造にする場合、各樹脂フィルムは接着剤を介して接着してもよく、また接着剤を介さず直接積層させてもよい。接着剤を介さず接着させる場合には、例えば、共押出し法、サンドラミ法、サーマルラミネート法等の熱溶融状態で接着させる方法が挙げられる。また、接着剤を介して接着させる場合、使用する接着剤の組成については、特に制限されないが、硬化時間を短くしてリードタイムの短縮化を図り、更には成形性を向上させる等の観点から、好ましくは、後述する[接着層2]の欄に記載の樹脂組成物が挙げられる。
また、基材層1には、成形性を向上させるために低摩擦化させておいてもよい。基材層1を低摩擦化させる場合、その表面の摩擦係数については特に制限されないが、例えば1.0以下が挙げられる。基材層1を低摩擦化するには、例えば、マット処理、スリップ剤の薄膜層の形成、これらの組み合わせ等が挙げられる。
前記マット処理としては、予め基材層1にマット化剤を添加し表面に凹凸を形成したり、エンボスロールによる加熱や加圧による転写法や、表面を乾式又は湿式ブラスト法やヤスリで機械的に荒らす方法が挙げられる。マット化剤としては、例えば、粒径が0.5nm〜5μm程度の微粒子が挙げられる。マット化剤の材質については、特に制限されないが、例えば、金属、金属酸化物、無機物、有機物等が挙げられる。また、マット化剤の形状についても、特に制限されないが、例えば、球状、繊維状、板状、不定形、バルーン状等が挙げられる。マット化剤として、具体的には、はタルク,シリカ,グラファイト、カオリン、モンモリロイド、モンモリロナイト、合成マイカ、ハイドロタルサイト、シリカゲル、ゼオライト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛,酸化マグネシウム,酸化アルミニウム,酸化ネオジウム,酸化アンチモン、酸化チタン、酸化セリウム、硫酸カルシウム,硫酸バリウム、炭酸カルシウム,ケイ酸カルシウム、炭酸リチウム、安息香酸カルシウム,シュウ酸カルシウム,ステアリン酸マグネシウム、アルミナ、カーボンブラック、カーボンナノチューブ類、高融点ナイロン、架橋アクリル、架橋スチレン、架橋ポリエチレン、ベンゾグアナミン、金、アルミニウム、銅、ニッケル等が挙げられる。これらのマット化剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらのマット化剤の中でも、分散安定性やコスト等の観点から、好ましくはりシリカ、硫酸バリウム、酸化チタンが挙げられる。また、マット化剤には、表麺に絶縁処理、高分散性処理等の各種表面処理を施しておいてもよい。
前記スリップ剤の薄膜層は、基材層1上にスリップ剤をブリードアウトにより表面に析出させて薄層を形成させる方法や、基材層1にスリップ剤を積層することで形成できる。スリップ剤としては、特に制限されないが、例えば、脂肪酸アマイド、金属石鹸、親水性シリコーン、シリコーンをグラフトしたアクリル、シリコーンをグラフトしたエポキシ、シリコーンをグラフトしたポリエーテル、シリコーンをグラフトしたポリエステル、ブロック型シリコーンアクリル共重合体、ポリグリセロール変性シリコーン、パラフィン等が挙げられる。これらのスリップ剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
基材層1の厚さは、例えば、10〜50μm、好ましくは15〜30μmが挙げられる。
[接着層2]
接着層2は、基材層1とバリア層3との間に、これらの層を接着させるために設けられる層であり、熱硬化性樹脂及び反応性樹脂ビーズを含有する樹脂組成物の硬化物で形成される。このように反応性樹脂ビースを含有する樹脂組成物の硬化物で接着層2を形成し、接着層中で反応性樹脂ビーズを熱硬化性樹脂と化学結合により結合させることにより、当該接着層の接着強度を維持しつつ、電池用包装材料の成形性を向上させることが可能になる。
(熱硬化性樹脂)
接着層2の形成に使用される樹脂組成物は、熱硬化性樹脂を含有する。熱硬化性樹脂は、加熱すると重合を起こして高分子の網目構造を形成して硬化するものであればよい。接着層2の形成に使用される熱硬化性樹脂として、具体的には、エポキシ樹脂、アミノ樹脂(メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等)、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂等が挙げられる。
これらの熱硬化性樹脂は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの熱硬化性樹脂の中でも、接着層2の硬化時間のより一層の短縮化、成形性の更なる向上等の観点から、好ましくはウレタン樹脂、エポキシ樹脂、更に好ましく2液硬化性ウレタン樹脂、2液硬化性エポキシ樹脂、特に好ましくは2液硬化性ウレタン樹脂が挙げられる。
2液硬化性ウレタン樹脂として、具体的にはポリオール化合物(主剤)と、イソシアネート系化合物(硬化剤)の組み合わせが挙げられ、2液硬化性エポキシ樹脂として、具体的にはエポキシ樹脂(主剤)と、酸無水物、アミン化合物、又はアミノ樹脂(硬化剤)の組み合わせが挙げられる。
前記2液硬化性ウレタン樹脂において、主剤として使用されるポリオール化合物については、特に制限されないが、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエステルポリウレタンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルポリウレタンポリオール等が挙げられる。これらのポリオール化合物は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、前記2液硬化性ウレタン樹脂において、硬化剤として使用されるイソシアネート系化合物については、特に制限されないが、例えば、例えば、ポリイソシアネート、そのアダクト体、そのイソシアヌレート変性体、そのカルボジイミド変性体、そのアロハネート変性体、そのビュレット変性体等が挙げられる。前記ポリイソシアネートとしては、具体的には、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリフェニルメタンジイソシアネート(ポリメリックMDI)、トルエンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ビス(4−イソシアネートシクロヘキシル)メタン(H12MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(1,5−NDI)、3,3'−ジメチル−4,4'−ジフェニレンジイソシアネート(TODI)、キシレンジイソシアネート(XDI)等の芳香族ジイソシアネート;トラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート等が挙げられる。前記アダクト体としては、具体的には、前記ポリイソシアネートに、トリメチロールプロパン、グリコール等を付加したものが挙げられる。これらのイソシアネート系化合物は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
(反応性樹脂ビーズ)
接着層2の形成に使用される樹脂組成物は、反応性樹脂ビーズを含有する。このように、反応性樹脂ビーズを含有させることにより、接着層2で反応性樹脂ビーズが熱硬化性樹脂と化学的に結合され、成形性を向上させることが可能になる。
反応性樹脂ビーズとは、前記熱硬化性樹脂と反応して化学的に結合する官能基を有する樹脂製の粒子(フィラー)である。
本発明で使用される反応性樹脂ビーズの官能基の種類については、前記熱硬化性樹脂の種類に応じて適宜設定されるが、例えば、水酸基、カルボキシル基、イソシアネート基、メルカプト基、加水分解性シリル基、エポキシ基、重合性ビニル基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。また、反応性樹脂ビーズにおいて、1個当たりの官能基数については、特に制限されないが、接着層中で反応性樹脂ビーズが安定に保持されて優れた成形性を発揮させるという観点から、反応性樹脂ビーズ1個当たり、2個以上の官能基を有していることが好ましい。より具体的には、水酸基を有する反応性樹脂ビーズの場合であれば、水酸基価が、例えば1〜100KOHmg/g、好ましくは5〜80KOHmg/gが挙げられる。また、イソシアネート基(−N=C=O)を有する反応性樹脂ビーズの場合であれば、N=C=O含有量が1〜10重量%、好ましくは3〜8重量%が挙げられる。また、水酸基価及びイソシアネート基以外の官能基を有する反応性樹脂ビーズの場合であれば、官能基当量(反応性樹脂ビーズの分子量を官能基で除した値)が100〜5000、好ましくは150〜3000が挙げられる。
反応性樹脂ビーズの粒子を構成する樹脂については、特に制限されないが、例えば、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、ウレタンアクリル樹脂、ナイロン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、好ましくはウレタン樹脂、アクリル樹脂が挙げられる。
本発明の反応性樹脂ビーズとして、成形性をより一層向上させるという観点から、好ましくは官能基として水酸基及び/又はイソシアネート基を有するウレタンビーズ、水酸基及び/又はイソシアネート基を有するアクリルビーズが挙げられる。
また、反応性樹脂ビーズの屈折率については、特に制限されないが、接着層に優れた透明性を備えさせるという観点から、例えば1.3〜1.8、好ましくは1.4〜1.6が挙げられる。ここで、反応性樹脂ビースの屈折率は、JIS K7142「プラスチックの屈折率測定法」のB法に従って測定される値である。また、反応性樹脂ビーズは、使用する硬化性樹脂の屈折率に近い程、接着層2内の反応性樹脂ビーズの存在が視認し難くなり、接着層により一層優れた透明性を備えさせることができる。
また、反応性樹脂ビーズの平均粒径については、特に制限されないが、成形性をより一層向上させるという観点から、例えば0.1〜10μm、好ましくは0.2〜5μmが挙げられる。なお、反応性樹脂ビーズの平均粒径は、島津レーザ回折式粒度分布測定装置SALD-2100-WJA1を使用し、圧縮空気を利用してノズルから測定対象となる粉体を噴射し、空気中に分散させて測定する噴射型乾式測定方式により測定される値である。
このような反応性樹脂ビーズとしては、例えば、アートパールC−THシリーズ(水酸基付与ウレタンビーズ)、アートパールRU〜RVシリーズ(反応性ウレタンビーズ〜ブロックNCOタイプ〜)等(いずれも根上工業株式会社製)が市販されており、これらの市販品を使用することもできる。
これらの反応性樹脂ビーズは、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
接着層2の形成に使用される樹脂組成物において、反応性樹脂ビーズの含有量については、使用する熱硬化性樹脂の種類、反応性樹脂ビーズの種類等に応じて適宜設定されるが、例えば、熱硬化性樹脂100質量部に対して、反応性樹脂ビーズが総量で0.05〜50質量部、好ましくは0.1〜30質量部、更に好ましくは0.3〜15質量部が挙げられる。
(硬化促進剤)
接着層2の形成に使用される樹脂組成物は、更に硬化促進剤を含有してもよい。このように、硬化促進剤を含有させることにより、製造時に接着層2を高温条件でのエージングを要することなく短時間で硬化させて、リードタイムの短縮が可能になる。
ここで、「硬化促進剤」とは、自らは架橋構造を形成しないが、熱硬化性樹脂の架橋反応を促進する物質であり、熱硬化性樹の架橋反応を促進する作用を有し、自らも架橋構造を形成する場合もある物質である。
硬化促進剤の種類については、使用する熱硬化性樹脂に応じて適宜選定されるが、例えば、アミジン化合物、カルボジイミド化合物、ケチミン化合物、ヒドラジン化合物、スルホニウム塩、ベンゾチアゾリウム塩、第3級アミン化合物等が挙げられる。
前記アミジン化合物としては、特に制限されないが、例えば、イミダゾール化合物、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネ−5−エン(DBN)、グアニジン化合物等が挙げられる。前記イミダゾール化合物としては、具体的には、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1,2−ジエチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2'−メチルイミダゾリル−(1)']−エチル−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2'−エチル−4'−メチルイミダゾリル−(1)']−エチル−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2'−ウンデシルイミダゾリル]−エチル−S−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2'−メチルイミダゾリル−(1)']−エチル−S−トリアジンイソシアヌール酸化付加物、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−アリール−4,5−ジフェニルイミダゾール等が挙げられる。これらのアミジン化合物は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記カルボジイミド化合物としては、特に制限されないが、例えば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N’−エチルカルボジイミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−N'−エチルカルボジイミドメチオジド、N−tert−ブチル−N’−エチルカルボジイミド、N−シクロヘキシル−N’−(2−モルホリノエチル)カルボジイミドメソ−p−トルエンスルホネート、N,N’−ジ−tert−ブチルカルボジイミド、N,N’−ジ−p−トリルカルボジイミド等が挙げられる。これらのカルボジイミド化合物は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記ケチミン化合物としては、ケチミン結合(N=C)を有することを限度として特に制限されないが、例えばケトンとアミンとを反応させて得られるケチミン化合物が挙げられる。前記ケトンとしては、具体的には、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチル第3ブチルケトン、メチルシクロヘキシルケトン、ジエチルケトン、エチルプロピルケトン、エチルブチルケトン、ジプロピルケトン、ジブチルケトン、ジイソブチルケトン等が挙げられる。また、前記アミンとしては、具体的には、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジアミノジエチルジフェニルメタン等の芳香族ポリアミン;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、イミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン等の脂肪族ポリアミン;N−アミノエチルピペラジン、3−ブトキシイソプロピルアミン等の主鎖にエーテル結合を有するモノアミンやポリエーテル骨格のジアミン;イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1−シクロヘキシルアミノ−3−アミノプロパン、3−アミノメチル−3,3,5−トリメチルシクロヘキシルアミン等の脂環式ポリアミン:ノルボルナン骨格のジアミン;ポリアミドの分子末端にアミノ基を有するポリアミドアミン;2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、メンセンジアミン、1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン等が、具体例として挙げられる。これらのケチミン化合物は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記ヒドラジン化合物としては、特に制限されないが、例えば、ジピン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド等が挙げられる。これらのヒドラジン化合物は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記スルホニウム塩としては、特に制限されないが、例えば、4−アセトフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、ジメチル−4−(ベンジルオキシカルボニルオキシ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジメチル−4−(ベンゾイルオキシ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジメチル−4−(ベンゾイルオキシ)フェニルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート等のアルキルスルホニウム塩;ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルベンジルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−メトキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−メトキシベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート等のベンジルスルホニウム塩;ジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェー、ジベンジル−4−メトキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ベンジル−4−メトキシベンジル−4−ヒドロキシフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート等のジベンジルスルホニウム塩;p−クロロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、p−ニトロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、3,5−ジクロロベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、o−クロロベンジル−3−クロロ−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等の置換ベンジルスルホニウム塩等が挙げられる。これらのスルホニウム塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記ベンゾチアゾリウム塩としては、特に制限されないが、例えば、3−ベンジルベンゾチアゾリウムヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジルベンゾチアゾリウム ヘキサフルオロホスフェート、3−ベンジルベンゾチアゾリウム テトラフルオロボレート、3−(p−メトキシベンジル)ベンゾチアゾリウム ヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジル−2−メチルチオベンゾチアゾリウム ヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジル−5−クロロベンゾチアゾリウム ヘキサフルオロアンチモネート等のベンジルベンゾチアゾリウム塩が挙げられる。これらのベンゾチアゾリウム塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記第3級アミン化合物としては、特に制限されないが、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエチレンジアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、キヌクリジン、3−キヌクリジノール等の脂肪族第3級アミン;ジメチルアニリン等の芳香族第3級アミン;イソキノリン、ピリジン、コリジン、ベータピコリン等の複素環第3級アミン等が挙げられる。これらの第3級アミン化合物は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記硬硬化促進剤の好適な一例としては、熱酸発生剤として機能するものが挙げられる。熱酸発生剤とは、加熱により酸を発生し、硬化促進剤として機能する物質である。前述する硬化促進剤の内、熱酸発生剤として機能し得るものとしては、具体的には、スルホニウム塩、ベンゾチアゾリウム塩等が挙げられる。
また、前記硬化促進剤の他の好適な一例としては、所定の加熱条件下(例えば80〜160℃、好ましくは100〜120℃)で活性化して熱硬化性樹脂の架橋反応を促進する熱潜在性を備えるものが挙げられる。前述する硬化促進剤の内、熱潜在性である物質としては、具体的には、アミジン化合物、ヒドラジン化合物、第3級アミン化合物等にエポキシ化合物が付加したエポキシアダクトが挙げられる。
更に、前記硬化促進剤の他の好適な一例としては、密閉状態、すなわち湿気遮断状態では硬化剤として機能しないが、密閉状態を開封し、湿気の存在する条件下で加水分解して硬化剤として機能する加水分解型潜在性を備えるものが挙げられる。前述する硬化促進剤の内、加水分解型潜在性である物質としては、具体的には、アミジン化合物、ヒドラジン化合物、第3級アミン化合物等にエポキシ化合物が付加したエポキシアダクトが挙げられる。
これらの硬化促進剤は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの硬化促進剤の中でも、好ましくはアミジン化合物、スルホニウム塩、更に好ましくはアミジン化合物が挙げられる。
接着層2の形成に使用される樹脂組成物における硬化促進剤の含有量については、使用する熱硬化性樹脂の種類、硬化促進剤の種類等に応じて適宜設定されるが、例えば、熱硬化性樹脂100質量部に対して、硬化促進剤が総量で0.01〜6質量部、好ましくは0.05〜5質量部、更に好ましくは0.1〜2質量部が挙げられる。
(他の添加剤)
接着層2の形成に使用される樹脂組成物には、前述する成分の他に、必要に応じて、溶剤、吸光発熱物質等の他の添加剤が含まれてもよい。
(接着層2の厚さ)
接着層2の厚さについては、例えば、2〜50μm、好ましくは3〜25μmが挙げられる。
[バリア層3]
本発明の電池用包装材料において、バリア層3は、包装材料の強度向上の他、電池内部に水蒸気、酸素、光等が侵入するのを防止するためのバリア層として機能する層である。バリア層3の材質としては、具体的には、アルミニウム、ステンレス、チタン等の金属箔;酸化珪素、アルミナ等の無機化合物を蒸着したフィルム等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは金属箔、更に好ましくはアルミニウム箔が挙げられる。電池用包装材料の製造時にしわやピンホールを防止するために、本発明においてバリア層3として、軟質アルミニウム箔、例えば、焼きなまし処理済みのアルミニウム(JIS A8021P−O)又は(JIS A8079P−O)箔等を用いることが好ましい。
バリア層3の厚さについては、特に制限されないが、例えば、金属箔を使用する場合であれば、通常10〜200μm、好ましくは20〜100μmが挙げられる。
また、バリア層3として金属箔を使用する場合、接着の安定化、溶解や腐食の防止等のために、少なくとも一方の面、好ましくは少なくともシーラント層側の面、更に好ましくは両面が化成処理されていることが好ましい。ここで、化成処理とは、バリア層3の表面に耐酸性皮膜を形成する処理である。化成処理は、例えば、硝酸クロム、フッ化クロム、硫酸クロム、酢酸クロム、蓚酸クロム、重リン酸クロム、クロム酸アセチルアセテート、塩化クロム、硫酸カリウムクロム等のクロム酸化合物を用いたクロム酸クロメート処理;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸アンモニウム、ポリリン酸等のリン酸化合物を用いたリン酸クロメート処理;下記一般式(1)〜(4)で表される繰り返し単位からなるアミノ化フェノール重合体を用いたクロメート処理等が挙げられる。
一般式(1)〜(4)中、Xは水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アリル基又はベンジル基を示す。また、R1及びR2は、同一又は異なって、ヒドロキシル基、アルキル基、又はヒドロキシアルキル基を示す。一般式(1)〜(4)において、X、R1、R2で示されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基等の炭素数1〜4の直鎖又は分枝鎖状アルキル基が挙げられる。また、X、R1、R2で示されるヒドロキシアルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基等のヒドロキシ基が1個置換された炭素数1〜4の直鎖又は分枝鎖状アルキル基が挙げられる。ことができる。一般式(1)〜(4)において、Xは、水素原子、ヒドロキシル基、及び、ドロキシアルキル基のいずれかであることが好ましい。一般式(1)〜(4)で表される繰り返し単位からなるアミノ化フェノール重合体の数平均分子量は、例えば、約500〜約100万、好ましくは約1000〜約2万が挙げられる。
また、金属箔に耐食性を付与する化成処理方法として、リン酸中に、酸化アルミ、酸化チタン、酸化セリウム、酸化スズ等の金属酸化物や硫酸バリウムの微粒子を分散させたものをコーティングし、150℃以上で焼付け処理を行うことにより、金属箔の表面に耐食処理層を形成する方法が挙げられる。また、前記耐食処理層の上には、カチオン性ポリマーを架橋剤で架橋させた樹脂層を形成してもよい。ここで、カチオン性ポリマーとしては、例えば、ポリエチレンイミン、ポリエチレンイミンとカルボン酸を有するポリマーからなるイオン高分子錯体、アクリル主骨格に1級アミンをグラフトさせた1級アミングラフトアクリル樹脂、ポリアリルアミンまたはその誘導体、アミノフェノール等が挙げられる。これらのカチオン性ポリマーは1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。また、架橋剤としては、例えば、イソシアネート基、グリシジル基、カルボキシル基、及びオキサゾリン基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の官能基を有する化合物、シランカップリング剤等が挙げられる。これらの架橋剤は1種単独で使用してもよく、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの化成処理は、1種の化成処理を単独で行ってもよく、2種以上の化成処理を組み合わせて行ってもよい。更に、これらの化成処理は、1種の化合物を単独で使用して行ってもよく、また2種以上の化合物を組み合わせて使用して行ってもよい。これらの中でも、好ましくはクロム酸クロメート処理、更に好ましくはクロム酸化合物、リン酸化合物、及び前記アミノ化フェノール重合体を組み合わせたクロメート処理が挙げられる。
化成処理において金属箔の表面に形成させる耐酸性皮膜の量については、特に制限されないが、例えばクロム酸化合物、リン酸化合物、及び前記アミノ化フェノール重合体を組み合わせてクロメート処理を行う場合であれば、金属箔の表面1m2当たり、クロム酸化合物がクロム換算で約0.5〜約50mg、好ましくは約1.0〜約40mg、リン化合物がリン換算で約0.5〜約50mg、好ましくは約1.0〜約40mg、及び前記アミノ化フェノール重合体が約1〜約200mg、好ましくは約5.0〜150mgの割合で含有されていることが望ましい。
化成処理は、耐酸性皮膜の形成に使用する化合物を含む溶液を、バーコート法、ロールコート法、グラビアコート法、浸漬法等によって、金属箔の表面に塗布した後に、金属箔の温度が70〜200℃程度になるように加熱することにより行われる。また、バリア層3に化成処理を施す前に、予め金属箔を、アルカリ浸漬法、電解洗浄法、酸洗浄法、電解酸洗浄法等による脱脂処理に供してもよい。このように脱脂処理を行うことにより、金属箔の表面の化成処理を一層効率的に行うことが可能になる。
[接着層5]
本発明の電池用包装材料において、接着層5は、バリア層3とシーラント層4を強固に接着させために、これらの間に必要に応じて設けられる層である。
接着層5は、バリア層3とシーラント層4とを接着可能である接着剤によって形成される。接着層5の形成に使用される接着剤の組成については、特に制限されないが、例えば、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物が挙げられる。接着層5に使用される熱硬化性樹脂の具体例については、前記接着層2で例示したものと同様である。
接着層5の厚さについては、例えば、1〜40μm、好ましくは2〜30μmが挙げられる。
[シーラント層4]
本発明の電池用包装材料において、シーラント層4は、最内層に該当し、電池の組み立て時にシーラント層同士が熱溶着して電池素子を密封する層である。
シーラント層4に使用される樹脂成分については、熱溶着可能であることを限度として特に制限されないが、例えば、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、カルボン酸変性ポリオレフィン、カルボン酸変性環状ポリオレフィンが挙げられる。
前記ポリオレフィンとしては、具体的には、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン等のポリエチレン;ホモポリプロピレン、ポリプロピレンのブロックコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのブロックコポリマー)、ポリプロピレンのランダムコポリマー(例えば、プロピレンとエチレンのランダムコポリマー)等の結晶性又は非晶性のポリプロピレン;エチレン−ブテン−プロピレンのターポリマー;等が挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、好ましくはポリエチレン及びポリプロピレンが挙げられる。
前記環状ポリオレフィンは、オレフィンと環状モノマーとの共重合体であり、前記環状ポリオレフィンの構成モノマーであるオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、スチレン、ブタジエン、イソプレン、等が挙げられる。また、前記環状ポリオレフィンの構成モノマーである環状モノマーとしては、例えば、ノルボルネン等の環状アルケン;具体的には、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、ノルボルナジエン等の環状ジエン等が挙げられる。これらのポリオレフィンの中でも、好ましくは環状アルケン、更に好ましくはノルボルネンが挙げられる。
前記カルボン酸変性ポリオレフィンとは、前記ポリオレフィンをカルボン酸で変性したポリマーである。変性に使用されるカルボン酸としては、例えば、マレイン酸、アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等が挙げられる。
前記カルボン酸変性環状ポリオレフィンとは、環状ポリオレフィンを構成するモノマーの一部を、α,β―不飽和カルボン酸又はその無水物に代えて共重合することにより、或いは環状ポリオレフィンに対してα,β―不飽和カルボン酸又はその無水物をブロック重合又はグラフト重合することにより得られるポリマーである。カルボン酸変性される環状ポリオレフィンについては、前記と同様である。また、変性に使用されるカルボン酸としては、前記酸変性シクロオレフィンコポリマーの変性に使用されるものと同様である。
これらの樹脂成分の中でも、好ましくは結晶性又は非晶性のポリオレフィン、環状ポリオレフィン、及びこれらのブレンドポリマー;更に好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンとノルボルネンの共重合体、及びこれらの中の2種以上のブレンドポリマーが挙げられる。
シーラント層4は、1種の樹脂成分単独で形成してもよく、また2種以上の樹脂成分を組み合わせたブレンドポリマーにより形成してもよい。更に、シーラント層は、1層のみで形成されていてもよいが、同一又は異なる樹脂成分によって2層以上形成されていてもよい。
また、シーラント層4の厚みとしては、特に制限されないが、2〜2000μm、好ましくは5〜1000μm、さらに好ましくは10〜500μmが挙げられる。
3.電池用包装材料の製造方法
本発明の電池用包装材料の製造方法については、所定の組成の各層を積層させた積層体が得られる限り、特に制限されないが、例えば、以下の方法が例示される。
まず、接着層2の形成に使用される樹脂組成物を介して基材層とバリア層を貼り合わせた状態で当該樹脂組成物を加熱して硬化させることにより、基材層1、接着層2、バリア層3が順に積層された積層体(以下、「積層体A」と表記することもある)を形成する。積層体Aの形成は、具体的には、基材層1上又は必要に応じて表面が化成処理されたバリア層3に接着層2の形成に使用される樹脂組成物を、グラビアコート法、ロールコート法等の塗布方法で塗布・乾燥した後に、当該バリア層3又は基材層1を積層させて接着層2を硬化させるドライラミネーション法によって行うことができる。接着層2の硬化条件については、熱硬化性樹脂の種類や硬化促進剤の有無等に応じて適宜設定すればよい。例えば、接着層2を形成する樹脂組成物に硬化促進剤が含まれない場合には、25〜100℃、好ましくは30〜80℃で、1〜10日間、好ましくは2〜7日間が挙げられる。また、接着層2を形成する樹脂組成物に硬化促進剤が含まれる場合には、90〜200℃、好ましくは100〜190℃で、1〜60秒間、好ましくは1〜30秒間が挙げられる。このように接着層2を形成する樹脂組成物に硬化促進剤が含まれていると、接着層2の硬化に高温条件でのエージングを要せず、前記硬化条件のみで接着層2を十分に硬化させることができるので、従来技術に比して大幅にリードタイムを短縮することができる。
次いで、積層体Aのバリア層3上に、シーラント層4を積層させる。バリア層3上にシーラント層4を直接積層させる場合には、積層体Aのバリア層3上に、シーラント層4を構成する樹脂成分をグラビアコート法、ロールコート法等の方法により塗布すればよい。また、バリア層3とシーラント層4の間に接着層5を設ける場合には、例えば、(1)積層体Aのバリア層3上に、接着層5及びシーラント層4を共押出しすることにより積層する方法(共押出しラミネーション法)、(2)別途、接着層5とシーラント層4が積層した積層体を形成し、これを積層体Aのバリア層3上に熱ラミネーション法により積層する方法、(3)積層体Aのバリア層3上に、接着層5を形成させるための接着剤を押出し法や溶液コーティングした高温で乾燥さらには焼き付ける方法等により積層させ、この接着層5上に予めシート状に製膜したシーラント層4をサーマルラミネーション法により積層する方法、(4)積層体Aのバリア層3と、予めシート状に製膜したシーラント層4との間に、溶融させた接着層5を流し込みながら、接着層5を介して積層体Aとシーラント層4を貼り合せる方法(サンドラミネーション法)等が挙げられる。
上記のようにして、基材層1/接着層2/必要に応じて表面が化成処理されたバリア層3/必要に応じて設けられる接着層5/シーラント層4からなる積層体が形成される。
本発明の電池用包装材料において、積層体を構成する各層は、必要に応じて、製膜性、積層化加工、最終製品2次加工(パウチ化、エンボス成形)適性等を向上又は安定化するために、コロナ処理、ブラスト処理、酸化処理、オゾン処理等の表面活性化処理を施していてもよい。
4.電池用包装材料の用途
本発明の電池用包装材料は、正極、負極、電解質等の電池素子を密封して収容するための包装材料として使用される。
具体的には、少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子を、本発明の電池用包装材料で、前記正極及び負極の各々に接続された金属端子が外側に突出させた状態で、電池素子の周縁にフランジ部(シーラント層同士が接触する領域)が形成できるようにして被覆し、前記フランジ部のシーラント層同士をヒートシールして密封させることによって、電池用包装材料を使用した電池が提供される。なお、本発明の電池用包装材料を用いて電池素子を収容する場合、本発明の電池用包装材料のシーラント部分が内側(電池素子と接する面)になるようにして用いられる。
本発明の電池用包装材料は、一次電池、二次電池のいずれに使用してもよいが、好ましくは二次電池である。本発明の電池用包装材料が適用される二次電池の種類については、特に制限されず、例えば、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、鉛畜電池、ニッケル・水素畜電池、ニッケル・カドミウム畜電池、ニッケル・鉄畜電池、ニッケル・亜鉛畜電池、酸化銀・亜鉛畜電池、金属空気電池、多価カチオン電池、コンデンサー、キャパシター等が挙げられる。これらの二次電池の中でも、本発明の電池用包装材料の好適な適用対象として、リチウムイオン電池及びリチウムイオンポリマー電池が挙げられる。
以下に実施例及び比較例を示して本発明を詳細に説明する。但し、本発明は実施例に限定されるものではない。
[電池用包装材料の製造1]
二軸延伸ナイロンフィルム(厚さ25μm)からなる基材層の上に、両面に化成処理を施したアルミニウム箔(厚さ40μm)からなるバリア層3をドライラミネーション法により積層させた。具体的には、アルミニウム箔の一方面に、下記組成の樹脂組成物Aを硬化後の厚さが4μmとなるように塗布し、この上に基材層を加圧加熱貼合した後、80℃、7日間の条件で当該樹脂組成物を硬化させて、基材層/接着層/バリア層の積層体を調製した。なお、バリア層3として使用したアルミニウム箔の化成処理は、フェノール樹脂、フッ化クロム化合物、及びリン酸からなる処理液をクロムの塗布量が10mg/m2(乾燥重量)となるように、ロールコート法によりアルミニウム箔の両面に塗布し、皮膜温度が180℃以上となる条件で20秒間焼付けすることにより行った。
次いで、前記積層体のバリア層の上に、カルボン酸変性ポリプロピレン(バリア層側に配置、厚さ23μm)とホモポリプロピレン(最内層、厚さ23μm)を、共押し出しすることにより、バリア層3上に2層からなるシーラント層を積層させた。斯して、基材層/接着層/バリア層/シーラント層が順に積層された積層体からなる電池用包装材料を得た。
<接着層の形成に使用した樹脂組成物A>
・熱硬化性樹脂 100質量部
(主剤:ウレタンポリオール、硬化剤:ジフェニルメタンジイソシアネート)
・樹脂ビーズ 表1〜4に示す所定量
(表1〜4に示す樹脂ビーズ)
[電池用包装材料の製造2]
接着層の形成において、下記組成の樹脂組成物Bを使用し、その硬化条件を160℃、30秒間に変更したこと以外は、前記[電池用包装材料の製造1]と同様の方法で電池用包装材料を製造した。
<接着層の形成に使用した樹脂組成物B>
・熱硬化性樹脂 100質量部
(主剤:ウレタンポリオール、硬化剤:ジフェニルメタンジイソシアネート)
・硬化促進剤 1質量部
(80〜150℃で熱硬化性樹脂の架橋反応を促進するイミダゾール化合物)
・樹脂ビーズ 表1〜4に示す所定量
(表1〜4に示す樹脂ビーズ)
[電池用包装材料の製造3]
また、接着層の形成において、下記組成の樹脂組成物Cを使用し、その硬化条件を160℃、30秒間に変更したこと以外は、前記[電池用包装材料の製造1]と同様の方法で電池用包装材料を製造した。
<接着層の形成に使用した樹脂組成物C>
・熱硬化性樹脂 100質量部
(主剤:ウレタンポリオール、硬化剤:ジフェニルメタンジイソシアネート)
・硬化促進剤 1質量部
(1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセ−7エンのオクチル酸塩)
・樹脂ビーズ 表1〜4に示す所定量
(表1〜4に示す樹脂ビーズ)
[成形性の評価]
上記で得られた各電池用包装材料を裁断して、120×80mmの短冊片を作製し、これを試験サンプルとした。30×50mmの矩形状の雄型とこの雄型とのクリアランスが0.5mmの雌型からなるストレート金型を用い、雄型側に熱接着性樹脂層側が位置するように雌型上に上記試験サンプルを載置し、成形深さを種々の範囲に設定して上記試験サンプルを0.1MPaの押え圧(面圧)で押えて、冷間成形(引き込み1段成形)した。成形された各試験サンプルにおける金属層のピンホール及びクラックの発生の有無を確認し、ピンホール及びクラックの発生率(%)を算出した。ピンホール及びクラックの発生率は、上記成形を行った後に1カ所でもピンホール又はクラックが認められるものを成形不良品として判別し、100個の試験サンプルを上記条件で成形した際に発生した成形不良品の割合を求め、成形不良品の割合が5%未満である場合を合格、成形不良品の割合が5%以上である場合を不合格として判定した。また、接着層を形成する樹脂組成物に樹脂ビーズを添加しないこと以外は、前記と同様に製造した電池用包装材料をコントロールとして、同様に成形性の評価を行った。得られた結果を下記基準に従って判定し、成形性向上効果を評価した。
(成形性向上効果の判定基準)
◎:コントロールに比べて合格になる成形深さが1.0mm以上向上している。
○:コントロールに比べて合格になる成形深さが0.5mm以上1.0mm未満向上している。
△:合格になる成形深さがコントロールと同じである。
×:コントロールに比べて合格になる成形深さが低下している。
[評価結果]
得られた結果を表1〜4に示す。表1〜4から明らかなように、反応性を有していない樹脂ビーズを接着層に添加した場合は、樹脂ビーズを添加していない場合に比して成形性が低下していた(比較例1〜4)。これに対して、反応性樹脂ビーズを接着層に添加すると、樹脂ビーズを添加していない場合に比して成形深さを大きくすることができ、成形性が向上することが分かった。また、接着層を形成する樹脂組成物に硬化促進剤を添加することにより、160℃、30秒間という極めて短時間で、当該接着層を硬化させることができ、リードタイムの大幅な短縮が図れていた(樹脂組成物B及びCの場合)。
1 基材層
2 接着層
3 バリア層
4 シーラント層

Claims (9)

  1. 少なくとも、基材層、接着層、バリア層、及びシーラント層をこの順に有する積層体からなり、
    前記接着層が、熱硬化性樹脂、及び前記熱硬化性樹脂と反応して化学的に結合する官能基を有する樹脂製の粒子である反応性樹脂ビーズを含有する樹脂組成物の硬化物であることを特徴とする、電池用包装材料。
  2. 前記樹脂組成物が、更に硬化促進剤を含む、請求項1に記載の電池用包装材料。
  3. 前記反応性樹脂ビーズが、官能基を有するウレタン樹脂ビーズ又はアクリル樹脂ビーズである、請求項1又は2に記載の電池用包装材料。
  4. 前記反応性樹脂ビーズの屈折率が1.3〜1.8である、請求項1〜3のいずれかに記載の電池用包装材料。
  5. 前記熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、アミノ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、及びアルキド樹脂よりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜4のいずれかに記載の電池用包装材料。
  6. 前記硬化促進剤が、アミジン化合物、カルボジイミド化合物、ケチミン化合物、ヒドラジン化合物、スルホニウム塩、ベンゾチアゾリウム塩、及び第3級アミン化合物よりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項2〜5のいずれかに記載の電池用包装材料。
  7. 前記バリア層が金属箔である、請求項1〜6のいずれかに記載の電池用包装材料。
  8. 下記工程を含む、電池用包装材料の製造方法。
    熱硬化性樹脂、及び前記熱硬化性樹脂と反応して化学的に結合する官能基を有する樹脂製の粒子である反応性樹脂ビーズを含有する樹脂組成物を介して基材層とバリア層を貼り合わせた状態で加熱することにより、当該樹脂組成物を硬化させて、基材層、接着層、及びバリア層をこの順に有する積層体を得る工程、並びに
    前記工程で得られた積層体のバリア層上に、シーラント層を積層させる工程。
  9. 少なくとも正極、負極、及び電解質を備えた電池素子が、請求項1〜7のいずれかに記載の電池用包装材料内に収容されている、電池。
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