JP5682663B2 - 厚鋼板の脆性破壊伝播停止性能の評価方法 - Google Patents

厚鋼板の脆性破壊伝播停止性能の評価方法 Download PDF

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本発明は、船舶、海洋構造物、低温貯蔵タンクおよび建築・土木構造物等の大型構造物に用いられる厚鋼板、特に板厚が50mm以上の厚鋼板の脆性破壊伝播停止性能の評価方法に関する。
船舶、海洋構造物、低温貯蔵タンクおよび建築・土木構造物等の大型構造物においては、脆性破壊に伴う事故が経済や環境に及ぼす影響が大きく、安全性の向上が常に求められるところから、使用される鋼材に対しては、使用温度における靭性や脆性破壊伝播停止性能を有することが要求されている。
脆性破壊伝播停止性能の評価は、ESSO試験や二重引張試験に代表される大型試験によって行われるのが通例である。しかし、これらの試験は大型であるため、試験を行うために多くの日数やコストを要することになり、簡便に行うことが難しい点が問題である。
そのため、WES3003−1995にVノッチシャルピー試験の破面遷移温度vTrsより脆性破壊伝播停止性能を予測する手法が制定されているが、近年の板厚50mmを超える材料については予測精度が悪く、簡便に評価を行うことが難しい状況にある。
この問題を解決するため、大型試験に代り、試験片形状を工夫したシャルピー衝撃試験や落重試験など、比較的小型で簡易な評価方法が開発されている。落重試験については、より安定して脆性破面から試験が進行するように、試験片の板厚方向に圧縮変形を与えた後に、プレスノッチにより試験片を作製する方法が、特許文献1にて提案されている。
シャルピー衝撃試験については、シャルピー衝撃試験片に代り、より効率よく脆性破面から試験を進行させる方法として、シャルピー衝撃試験片のノッチに相当する部分に溶接ビードを盛った後に深さ2mm以下のソーノッチを入れる試験片を用いることが、特許文献2に提案されている。
非特許文献1には、板厚位置により靭性に分布があることに起因して、脆性破壊伝播停止性能を表す、ESSO試験により求まるKca値は低靭性領域の影響を強く受ける、として、各板厚位置における靭性値をその鋼板の面積平均を取った値に、さらに、板厚中央部の値を重み付けして脆性破壊伝播停止性能を評価することが記載されている。
その他、板厚効果を考慮した、脆性破壊伝播停止性能の簡易評価法として、板厚中心部と表層部から採取した試験片で3点曲げ試験を行って得られた結果よりKca値を予測する方法が、特許文献3に提案されている。また、特許文献4には、特殊形状を有する変形シャルピー衝撃試験片を用いて脆性破壊伝播停止性能を評価する技術が提案されている。
特許文献5は、プレスノッチシャルピー衝撃試験片を用いて板厚が50mm以上の厚鋼板の脆性破壊伝播停止性能を評価する技術に関し、板厚が50mm以上の厚鋼板の板厚の中心部および表面から板厚の1/4の位置から採取しプレスノッチを導入したシャルピー衝撃試験片を用いて、シャルピー衝撃試験を行い、試験片毎のシャルピー衝撃試験にて得られた破面遷移温度vTrsに基いて、脆性破壊伝播停止性能を評価することを特徴とする厚鋼板の脆性破壊伝播停止性能の評価方法が記載されている。
また、特許文献6には、板厚50mm以上の厚鋼板全体のアレスト性能と、厚鋼板から採取した小型試験片を用いた試験結果との相関関係を高精度で求める方法として、小型試験片を、板厚方向に沿って複数個採取し、採取位置に応じた最適な方法、鋼板表層は落重試験、鋼板内部は脆性破面率や吸収エネルギを測定する方法、で小型試験を行い、試験結果を適切に組み合わせて、組み合わせ結果より、大型試験で得られるKca値を推定することが提案されている。
特開昭63−67544号公報 特開昭62−274258号公報 特開2008−46106号公報 特開2009−47462号公報 特開2011−33457号公報 特許4795487号公報
溶接学会全国大会講演概要 第49集 P.108(1991) 脆性き裂アレスト設計指針 財団法人 日本海事協会(2009)
しかしながら、特許文献1〜3の試験片の採取方法は、試験片の大きさや、溶接を行った後に再度加工を行うことなど、試験片の作製が煩雑であり必ずしも簡便な方法とは言い難い。特許文献4の技術は、試験片形状が特殊であるため、汎用性に乏しい。また、非特許文献1に記載されている、板厚位置の靭性値を考慮して求めたKca値により大型試験結果を推定する方法には、ある程度の相関が認められるが、全体としてはばらつきが大きく、大型試験の代りに採用出来るほどには一致していないのが現状である。
特許文献5や特許文献6の技術は、厚鋼板の板厚方向の複数の位置から試験片を採取して試験を行うことが必要なため、試験片の採取が煩雑であり必ずしも簡便な方法とは言い難い。
そこで、本発明は、厚鋼板の脆性破壊伝播停止性能を小型試験で評価する簡易な手法を提供することを目的とする。
本発明者らは、特許文献5記載の厚鋼板の脆性破壊伝播停止性能の評価方法を用いて、板厚が50mm以上の厚肉材のESSO試験による脆性破壊伝播停止性能とプレスノッチを導入したシャルピー衝撃試験結果の相関について更に検討を加え、以下の知見を新たに得た。図4に、検討に用いた板厚が50mm以上の厚肉材のESSO試験片の破面の模式図を示す。脆性き裂は板厚方向断面で伝播挙動が異なり、板厚中央部の脆性き裂長さが表面部近傍の脆性き裂長さより短く、板厚中央部が凹んだ凹陥部を形成している。なお、板厚が50mm以上の厚肉材のESSO試験片の破面には、図5に示すように板厚中央部は凸部で、板厚中央部を挟んだ上下の領域が凹部を形成する場合があるが、本発明では対象としない。
1.脆性き裂の板厚方向断面における伝播挙動が異なる場合(図4に示す、板厚中央部に比べ表面部の脆性き裂が長く伝播する場合)でも、板厚中央部の脆性き裂が伝播停止すれば力学的に表面部分の動的応力拡大係数は低下し、伝播停止しやすい状況になるため、板厚中央部の脆性き裂伝播停止靭性が鋼板全体の脆性き裂伝播停止靭性を代表する。
2.鋼板の板厚中央部位置から採取した試験片で行ったプレスノッチシャルピー衝撃試験において吸収エネルギーが20Jから100J(好ましくは25Jから60J)を示す温度は当該鋼板の脆性破壊伝播停止性能の値と良い相関を示す。特に、40Jを示す温度(℃):pT40Jは、当該鋼板の脆性破壊伝播停止性能の値と非常に良い相関を示す。
3.シャルピー吸収エネルギーと脆性破面率には相関があり2において、シャルピー吸収エネルギーが20Jから100Jを示す場合には脆性破面率が50%から90%、シャルピー吸収エネルギーが25Jから60Jを示す場合には脆性破面率が60%から90%となる。特に40Jを示す場合、脆性破面率は63%となる。プレスノッチシャルピー試験片の脆性破面率が50%から90%を示す温度(℃)は、プレスノッチシャルピー吸収エネルギーと同様に脆性破壊伝播停止性能の値と良い相関を示す。特に、プレスノッチシャルピー試験片の脆性破面率が63%を示す温度(℃):63%BATTは、プレスノッチシャルピー吸収エネルギーと同様に脆性破壊伝播停止性能の値と非常に良い相関を示す。
本発明は、上記した知見を基に更に検討を加えてなされたものであり、その要旨は次のとおりである。
(1)50mm以上の厚鋼板につき、その板厚の中心部位置(板厚の40%〜60%位置)から採取しプレスノッチを導入したシャルピー衝撃試験片を用いて、シャルピー衝撃試験を行い、試験片毎のシャルピー衝撃試験にて得られた20J〜100Jエネルギー遷移温度pTEに基いて、あるいは50%〜90%の破面遷移温度BATTに基づいて脆性破壊伝播停止性能を評価することを特徴とする厚鋼板の脆性破壊伝播停止性能の評価方法。
(2)前記エネルギー遷移温度pTEあるいは破面遷移温度BATTに基いて、下記式(1)に従って算出されるTkをもって、脆性破壊伝播停止性能(Kca値)がある値 となる温度を推定することを特徴とする厚鋼板の脆性破壊伝播停止性能の評価方法。
Tk=a×(pTE or BATT)+b・・・(1)
(3)厚鋼板の脆性破壊伝播停止性能を、小型試験より推定する厚鋼板の脆性破壊伝播停止性能の評価方法であって、前記小型試験は、採取位置が板厚中心部位置で、プレスノッチが脆性亀裂の伝播方向に導入されたシャルピー衝撃試験片によるシャルピー衝撃試験で、前記シャルピー衝撃試験で求めたプレスノッチシャルピー吸収エネルギーが40Jを示す温度(℃):pT40Jに基いて、脆性破壊伝播停止性能を評価することを特徴とする厚鋼板の脆性破壊伝播停止性能の評価方法。
(4)前記pT40Jに基いて、式(1)に従って算出されるTkを、脆性破壊伝播停止性能(Kca値)が6000N/mm1.5 となる温度として、脆性破壊伝播停止性能を評価することを特徴とする(1)記載の厚鋼板の脆性破壊伝播停止性能の評価方法。
Tk=a×pT40J+b・・・(1)
但し、pT40J:プレスノッチシャルピー吸収エネルギーが40Jを示す温度。a、bは係数
(5)pT40Jに換えて、プレスノッチシャルピー試験片の脆性破面率が63%を示す温度:63%BATTを用いることを特徴とする(3)または(4)に記載の厚鋼板の脆性破壊伝播停止性能の評価方法。
本発明によれば、板厚50mm以上の厚鋼板の脆性破壊伝播停止性能を、ESSO試験など大型の脆性亀裂伝播試験を行わずとも、通常のシャルピー衝撃試験と同様のサイズの試験片を用いて、板厚採取箇所が1箇所で簡便かつ精度良く評価できるため、産業上極めて有用である。
プレスノッチシャルピー試験片の採取位置(板厚の50%の例)を示す図。 プレスノッチシャルピー試験片を示す図。 プレスノッチシャルピー吸収エネルギーと脆性破面率の関係を示す図。 板厚が50mm以上の厚肉材のESSO試験片の破面の模式図。 板厚が50mm以上の厚肉材のESSO試験片の他の破面の模式図。
本発明は、板厚が50mm以上で、ESSO試験片の破面が図4の模式図に示す形状となる厚鋼板を対象とし、脆性破壊伝播停止性能を、シャルピー試験結果を用いて推定する評価方法である。
シャルピー試験は、採取位置が板厚中心部位置で、プレスノッチが脆性亀裂の伝播方向に導入されたシャルピー試験片(以下、プレスノッチシャルピー試験片)を用いて行うプレスノッチシャルピー試験とする。採取位置が板厚中心部位置とはプレスノッチシャルピー試験片の試験片幅中心が鋼板の板厚の40%〜60%位置に併せて採取することを指す。図1は板厚の50%位置に併せて採取した場合の模式図である。
切り欠きによるノッチではなく、プレスによるノッチを導入したシャルピー試験片を用いた場合に、シャルピー試験結果が、脆性亀裂伝播性能試験の結果と良い相関を示すため、プレスノッチシャルピー試験片とする。
プレスノッチは、以下のように導入することが好ましい。試験片方向を考慮したうえで、試験片を採取すべき素材を分割・切断し、さらに、外形仕上げ加工を施して得られた直方体状の小鋼片に対して、切り欠き部を刃型で圧入する。本発明は、図2に示す、深さ2mm、角度45度の2mmV切欠きとなるプレスノッチシャルピー試験片を用いる。
プレスノッチシャルピー試験は、得られる試験結果から、脆性破壊発生特性の影響を排除するため、試験後のプレスノッチシャルピー試験片を観察し、脆性亀裂から破壊が発生していない試験片は脆性亀裂伝播停止性能の評価をしていないとみなして、試験結果より削除した。脆性亀裂から破壊が発生している試験片のみで整理した衝撃試験結果は、脆性破壊発生特性の影響を排除し、脆性破壊伝播停止性能のみを反映したものになる。
本発明では、プレスノッチシャルピー試験にて得られた吸収エネルギーが40Jを示す温度:pT40Jに基づいて脆性破壊伝播停止性能を評価する。以下に、脆性破壊伝播停止性能Kca値が6000N/mm1.5 となる温度の推定をもって脆性破壊伝播停止性能を評価する場合について説明する。
板厚75mm以下の鋼板の場合、−10℃におけるKca値が6000N/mm1.5 以上であれば、−10℃において脆性亀裂が停止する(非特許文献2)。プレスノッチシャルピー試験を行って得られた吸収エネルギーが40Jを示す温度pT40Jから、Kca値が6000N/mm1.5 となる温度を求め、−10℃より高いか低いかによって、脆性破壊伝播停止性能を評価する。
STEP1
板厚が50mm以上の厚鋼板に対して、その板厚の中心部位置からシャルピー衝撃試験片を採取し、プレスノッチを導入してから、種々の試験温度にてシャルピー衝撃試験を行う。プレスノッチの導入方向は、亀裂の伝播する方向に採取すべきであるため、ESSO試験におけるノッチ方向に併せて、具体的には圧延方向もしくは圧延幅方向に入れる。
STEP2
プレスノッチシャルピー衝撃試験の結果より、吸収エネルギーが40Jを示す温度をpT40Jとし、その値を(1)式に代入してTk*を求める。ここで求まるTk*は、ESSO試験により測定される、脆性破壊伝播停止性能Kca値が6000N/mm1.5 となる温度:Tk(6000)と極めて良好な相関を示す。前記の如く算出したTk* をもって、脆性破壊伝播停止性能の評価が可能になる。
Tk=a×pT40J+b・・・(1)
但し、pT40J:プレスノッチシャルピー吸収エネルギーが40Jを示す温度。a、bは係数。脆性破壊伝播停止性能を評価しようとする鋼板の降伏強度が360MPaクラス以上の場合、0.4<a<1.5、 0<b<40の範囲で良い相関が得られる。
式(1)は、種々の試験片について板厚中心部のpT40Jを測定するとともに、これら試験片と共通の試験体についてESSO試験を行って温度:Tk(6000)を求め、これらの測定結果を整理し、板厚中心部のpT40Jと温度:Tk(6000)との相関を求めた実験式である。
プレスノッチシャルピー吸収エネルギーと脆性破面率は相関があることが知られているため、プレスノッチシャルピー吸収エネルギーが40Jを示す温度では、プレスノッチより発生した脆性亀裂が、鋼板の特性により停止したと認識できる破面率(本発明では、脆性破面率が63%)が得られる。図3にプレスノッチシャルピー吸収エネルギーと脆性破面率の関係を示す。
脆性破面率が63%を示す温度を63%BATTと規定した場合、63%BATTとpT40Jとは略同じ温度である。
STEP3
温度:Tk(6000)が−10℃より低い場合、脆性破壊伝播停止性能に優れると判定する。
本発明は、脆性破壊伝播停止性能(Kca値)が4000N/mm1.5 や8000N/mm1.5 など、6000N/mm1.5 以外の値をとる場合についても、適用可能であり、それぞれ実験結果から相関式を導くことによって、上記と同様の評価が可能となる。
脆性破壊伝播停止性能を評価しようとする同一鋼種の厚鋼板が複数枚ある場合、そのうちの一枚について、予備的に本発明を実施して、当該鋼板の脆性破壊伝播停止性能を評価しておき、他の鋼板については試験温度pT40Jにおけるプレスノッチシャルピーの吸収エネルギー(J)を求めて、次式により、−10℃における脆性き裂伝播停止性能を判定することが可能である。(2)式を満足する鋼板の場合、脆性き裂伝播停止性能に優れている。
pE≧40(J)・・・(2)
pE:プレスノッチシャルピーの吸収エネルギー(J)
板厚50mm以上の厚鋼板について、板厚中心部よりノッチ加工を行っていないシャルピー衝撃試験片素材を採取し、硬鋼で作製された刃型を用いて該試験片素材にプレスノッチを導入し、シャルピー衝撃試験に供した。表1に厚鋼板の成分組成を、表2に製造条件を示す。
Figure 0005682663
Figure 0005682663
シャルピー衝撃試験は種々の温度にて行い、プレスノッチシャルピー吸収エネルギーが40Jを示す温度:pT40Jを求めた。プレスノッチシャルピー衝撃試験では、試験後にプレスノッチシャルピー衝撃試験片を観察し、脆性亀裂から破壊が発生していない試験片は脆性亀裂伝播停止性能の評価をしていないものとみなして除外して、各試験温度において脆性亀裂から破壊が発生した試験片5本の平均値をとった。その後、上記した(1)式にpT40Jの値を代入し、温度Tk* を求めた。また上記した(1)式にpT40Jの値に換えて63%BATTを代入し、温度Tk**を求めた。
一方、同じ厚鋼板に対して、プレスノッチシャルピー衝撃試験と併せて、大型の脆性亀裂伝播試験として、ESSO試験を行い、Kca値が6000N/mm1.5 となる温度:Tk6000を求めた。表3にTk*、Tk**及びTk6000を示す。比較例は従来予測に使われていたVノッチシャルピー試験片の延性脆性破面遷移温度vTrsを基に予測した結果である。
比較例では、予測誤差が大きく誤差が30℃以上ある。一方、本発明では予測誤差が全て10℃以内と非常に精度良く、本発明による脆性亀裂伝播停止性能の評価方法の有用性が確認された。
Figure 0005682663
1 プレスノッチ試験片
2 2mmVプレスノッチ

Claims (3)

  1. 50mm以上の厚鋼板につき、その板厚の中心部位置(板厚の40%〜60%位置)から採取しプレスノッチを導入したシャルピー衝撃試験片を用いて、シャルピー衝撃試験を行い、試験片毎のシャルピー衝撃試験にて得られた20J〜100Jエネルギー遷移温度pTEに基いて、あるいは50%〜90%の破面遷移温度BATTに基づいて、下記式(1)に従って算出されるTkをもって、脆性破壊伝播停止性能(Kca値)がある値となる温度として、脆性破壊伝播停止性能を評価することを特徴とする厚鋼板の脆性破壊伝播停止性能の評価方法。
    Tk=a×(pTE or BATT)+b・・・(1)
    但し、a、bは係数。
  2. 厚鋼板の脆性破壊伝播停止性能を、小型試験より推定する厚鋼板の脆性破壊伝播停止性能の評価方法であって、前記小型試験は、採取位置が板厚中心部位置で、プレスノッチが脆性亀裂の伝播方向に導入されたシャルピー衝撃試験片によるシャルピー衝撃試験で、前記シャルピー衝撃試験で求めたプレスノッチシャルピー吸収エネルギーが40Jを示す温度(℃):pT40Jに基いて、式(1)に従って算出されるTkを、脆性破壊伝播停止性能(Kca値)が6000N/mm1.5となる温度として、脆性破壊伝播停止性能を評価することを特徴とする厚鋼板の脆性破壊伝播停止性能の評価方法。
    Tk=a×pT 40J +b・・・(1)
    但し、pT 40J :プレスノッチシャルピー吸収エネルギーが40Jを示す温度。a、bは係数。
  3. pT40Jに換えて、プレスノッチシャルピー試験片の脆性破面率が63%を示す温度:63%BATTを用いることを特徴とする請求項2に記載の厚鋼板の脆性破壊伝播停止性能の評価方法。
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