JP5681603B2 - クランクシャフト支持構造 - Google Patents

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Description

本発明は、鋳造成形されるクランクケースに、ベアリングを介してクランクシャフトのジャーナル部を回転自在に支承するための軸受部が設けられ、前記ベアリングの外周を支持するブッシュが、前記軸受部に一体的に鋳込まれるようにしたクランクシャフト支持構造に関する。
アルミニウム合金等の軽合金で鋳造成形されるクランクケースの軸受部内周に、クランクシャフトのジャーナル部を挿通せしめるベアリングの外周を支持する鉄合金製のブッシュを鋳込むことで、クランクケースの熱膨張時に軸受部全体の熱膨張を抑え、ブッシュおよびベアリング間にクリアランスが発生するのを抑制するようにしたクランクシャフト支持構造が、たとえば特許文献1で知られている。
特許第2764427号公報
ところで、ブッシュをクランクケースに一体的に鋳込む際には、ブッシュを支持ピン等で支持した状態で型に溶融軽合金を流し込んで成形するのが一般的であり、その成形後には、支持ピンに対応したブッシュ支持孔が軸受部に残されことになり、上記特許文献1で開示されたものでは、ブッシュ支持孔は、薄肉円筒状のブッシュおよび軸受部の鋳込み境界部にかかるようにして形成されている。しかるに、そのような位置にブッシュ支持孔が形成されていると、クランクケースのうち、エンジンの爆発荷重の影響を受け易いブッシュ支持孔の周囲に大きな応力がかかってしまう可能性がある。一方、熱膨張抑制の観点からブッシュの半径方向に沿う肉厚を厚くしたいと言う要望もあり、そのような場合であっても、ブッシュ支持孔の周囲に応力が集中するのを防止することが望まれる。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、ブッシュ支持孔の周囲で軸受部に応力が集中するのを回避して、エンジンの爆発荷重等に対する軸受部の耐久性を高めたクランクシャフト支持構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、鋳造成形されるクランクケースに、ベアリングを介してクランクシャフトのジャーナル部を回転自在に支承するための軸受部が設けられ、前記ベアリングの外周を支持するブッシュが、前記軸受部に一体的に鋳込まれるようにしたクランクシャフト支持構造において、前記ブッシュの鋳込み時に前記クランクシャフトの回転軸線に沿う方向から前記ブッシュを支持することで前記軸受部に形成されるブッシュ支持孔が、前記ブッシュの半径方向に沿う幅内に配置されることを第1の特徴とする。
また本発明は、第1の特徴の構成に加えて、前記ブッシュ支持孔が、前記ブッシュの半径方向に沿う幅の中央部に配置されることを第2の特徴とする。
本発明は、第1または第2の特徴の構成に加えて、前記ブッシュ側に近接するにつれて小径となるテーパ状に形成される前記ブッシュ支持孔の全体が、前記ブッシュの半径方向に沿う幅内に配置されることを第3の特徴とする。
本発明は、第1〜第3の特徴の構成のいずれかに加えて、前記ブッシュの前記軸受部への鋳込み境界部分で該ブッシュの前記ブッシュ支持孔側の端部外周には、面取り部が形成され、前記ブッシュ支持孔が、前記面取り部を避けて配置されることを第4の特徴とする。
本発明は、第1〜第4の特徴の構成のいずれかに加えて、前記軸受部に形成された複数のブッシュ支持孔のうち、前傾したシリンダ軸線のシリンダボアを有するシリンダボディを前記クランクケースに結合するようにして前記シリンダボアの周囲に配置される複数のスタッドボルトの後端ならびに前記クランクシャフトの回転軸線間に配置されるブッシュ支持孔が、当該ブッシュ支持孔に最も近い前記スタッドボルトの中心軸線から上方もしくは下方にオフセットした位置に配置されることを第5の特徴とする。
さらに本発明は、第1〜第4の特徴の構成のいずれかに加えて、前記軸受部に形成された複数のブッシュ支持孔のうち、前傾したシリンダ軸線のシリンダボアを有するシリンダボディを前記クランクケースに結合するようにして前記シリンダボアの周囲に配置される複数のスタッドボルトの少なくとも1つの後方への延長上に配置される前記ブッシュ支持孔が、前記クランクシャフトの回転軸線よりも後方に配置されることを第6の特徴とする。
本発明の第1の特徴によれば、ブッシュ支持孔がブッシュの半径方向に沿う幅内に配置されるので、ブッシュおよび軸受部の鋳込み境界部を避けてブッシュ支持孔が配置されることになり、ブッシュ支持孔の周囲に応力が集中するのを防止し、エンジンの爆発荷重等に対する軸受部の耐久性を高めることができる。またブッシュをその半径方向に厚く形成する場合であっても同様の効果を得ることができる。
また本発明の第2の特徴によれば、ブッシュの半径方向に沿う幅の中央部にブッシュ支持孔が配置されるので、ブッシュおよび軸受部の鋳込み境界部からより離れた位置にブッシュ支持孔が配置されることになり、軸受部の耐久性をより高めることができる。
本発明の第3の特徴によれば、ブッシュ支持孔がテーパ状に形成されるものであってもブッシュ支持孔の全体がブッシュの半径方向に沿う幅内に配置されるので、ブッシュ支持孔のブッシュ側の端部は、ブッシュおよび軸受部の鋳込み境界部からより離れた位置に配置されることになり、軸受部の耐久性をより高めることができる。
本発明の第4の特徴によれば、ブッシュの軸受部への鋳込み境界部分でブッシュのブッシュ支持孔側の端部外周に面取り部が形成されることによって鋳込み成形時のブッシュの軸受部への結合強度を高めることができ、その面取り部を避けてブッシュ支持孔が配置されるので、ブッシュの軸受部への結合強度を高めるためにブッシュに面取り部が形成されていてもブッシュ支持孔の周囲の応力集中を防止することができる。
本発明の第5の特徴によれば、シリンダ軸線を前傾させたシリンダボディをクランクケースに結合する複数のスタッドボルトの後端と、クランクシャフトの回転軸線との間に配置されるブッシュ支持孔が、そのブッシュ支持孔に最も近いスタッドボルトの中心軸線から上方もしくは下方にオフセットすることによって、スタッドボルトから前方に向けてクランクケースに作用する力がブッシュ支持孔の周囲に及ぼす影響を軽減することができる。
さらに本発明の第6の特徴によれば、シリンダ軸線を前傾させたシリンダボディをクランクケースに結合する複数のスタッドボルトの少なくとも1つの後方への延長上に配置されるブッシュ支持孔をクランクシャフトの回転軸線よりも後方に配置することで、スタッドボルトから前方に向けてクランクケースに作用する力がブッシュ支持孔の周囲に及ぼす影響を軽減することができる。
内燃機関の要部縦断面図である。 図1の要部拡大図である。 図1の3−3線矢視方向から見たクランクケースの側面図である。 本発明の軸受部にかかる応力の分布を示す図である。 平均応力および振幅応力を示す図である。 従来の軸受部にかかる応力の分布を示す図である。
本発明の実施の形態について添付の図1〜図5を参照しながら説明する。
先ず図1において、たとえば自動二輪車に搭載される水冷式のエンジンのエンジン本体11は、車幅方向に沿う軸線を有するクランクシャフト12を回転自在に支承するクランクケース13と、わずかに前上がりに傾斜したシリンダ軸線CLを有して前記クランクケース13に結合されるシリンダボディ14と、該シリンダボディ14に結合されるシリンダヘッド15と、該シリンダヘッド15に結合されるヘッドカバー16とを備える。
前記クランクケース13は、左右に2分割された左ケース半体13Lおよび右ケース半体13Rが相互に締結されて成るものであり、前記右ケース半体13Rを回転自在に貫通するクランクシャフト12の右側端部にはアウターロータ17が固定され、該アウターロータ17とともに発電機19を構成するようにしてアウターロータ17で囲繞されるインナーステータ18が、右クランクケース半体13Rに締結される支持板20に固定される。
前記クランクシャフト12の右側への軸線延長上にはラジエータ21が配置され、ラジエータ21および前記発電機19間に配置されるようにして前記ラジエータ21の内方に配置される冷却ファン22が、複数のボルト23…で前記発電機19のアウターロータ17に固定される。
前記ラジエータ21および前記クランクケース13の右ケース半体13R間には、前記冷却ファン22を覆って前記ラジエータ21に固定される筒状のシュラウド24が介設され、前記ラジエータ21を外方から覆うラジエータカバー25が前記シュラウド24に締結され、ラジエータカバー25には、ルーバ26が配設されるようにして冷却風導入口27が設けられる。
前記シリンダボディ14が有するシリンダボア28には、前記クランクシャフト12に連接されるピストン29が摺動可能に嵌合されており、このピストン29の頂部を臨ませるようにして前記シリンダボディ14および前記シリンダヘッド15間に燃焼室30が形成される。また前記シリンダヘッド15には、前記燃焼室30への吸気を制御する吸気弁(図示せず)ならびに前記燃焼室30からの排気を制御する排気弁(図示せず)が開閉作動可能に配設されており、それらの吸気弁および排気弁を開閉駆動する動弁機構31は、前記シリンダヘッド15および前記ヘッドカバー16間に形成される動弁室32に収容される。この動弁機構31は、前記クランクシャフト12の回転軸線と平行な回転軸線を有して前記シリンダヘッド15に回転自在に支承されるカムシャフト33を備えており、このカムシャフト33の右端部には被動スプロケット34が固着される。また前記被動スプロケット34に対応した位置で前記クランクシャフト12には駆動スプロケット35が設けられており、駆動スプロケット35および被動スプロケット34に無端状のカムチェーン36が巻き掛けられ、前記右ケース半体13R、前記シリンダボディ14および前記シリンダヘッド15には、前記カムチェーン36を走行させるカムチェーン通路37が形成される。
また前記シリンダヘッド15の右側面にはウォータポンプ40が配設されており、このウォータポンプ40のポンプ軸41は、前記カムシャフト33に同軸にかつ相対回転不能に連結される。該ウォータポンプ40から吐出される冷却水はシリンダボディ14のウォータジャケット42に導入される。またシリンダボディ14の前記ウォータジャケット42じるようにしてシリンダヘッド15に形成されるウォータジャケット43から排出される冷却水は前記ラジエータ21の上部に導かれ、ラジエータ21で冷却された冷却水は、該ラジエータ21の下部からホース44で導出される。一方、前記シリンダボディ14の右側方には前記ウォータポンプ40の吸入口46に接続されるサーモスタット45が固定的に配設されており、前記ラジエータ21からの冷却水を導く前記ホース44はサーモスタット45に接続される。
前記クランクケース13の前記左ケース半体13Lには、図示しない後輪の左側方に配置されるようにして変速機ケース46が連設されており、この変速機ケース46内には、前記クランクシャフト12の回転動力を無段階に変速して前記後輪側に伝達するベルト式無段変速機47が収容され、該ベルト式無段変速機47の一部を構成して前記クランクシャフト12の左端部に設けられる駆動プーリ48が、クランクシャフト12に固定された固定プーリ半体49と、固定プーリ半体49に対して近接・離間が可能な可動プーリ半体50とを備え、固定プーリ半体749および可動プーリ半体50間にVベルト51が巻き掛けられる。また可動プーリ半体50は、クランクシャフト12に固定されたランププレート52および可動プーリ半体50間に配置されるウエイトローラ53に作用する遠心力によって軸方向に駆動される。
ところで前記クランクケース13の左ケース半体13Lおよび右ケース半体13Rは、アルミニウム合金等の軽合金によって鋳造成形される。一方、クランクシャフト12は左右一対のジャーナル部12a,12bを有しており、左側のジャーナル部12aをボールベアリング54を介して回転自在に支承するための軸受部55が左ケース半体13Lに設けられ、前記ボールベアリング54の外方で前記ジャーナル部12aおよび軸受部55間には環状のシール部材60が介装される。また右ケース半体13Rには、右側のジャーナル部12bをボールベアリング56を介して回転自在に支承するための軸受部57が設けられる。
左ケース半体13Lの軸受部55には、前記ボールベアリング54の外周を支持するとともに前記ジャーナル部12aを挿通せしめる軸受孔61を該軸受部55とともに形成する鉄系合金製のブッシュ58が一体的に鋳込まれ、右ケース半体13Rの軸受部57には、前記ボールベアリング56の外周を支持するとともに前記ジャーナル部12bを挿通せしめる軸受孔62を該軸受部57とともに形成する鉄系合金製のブッシュ59が一体的に鋳込まれる。
図2および図3において、左ケース半体13Lの軸受部55への前記ブッシュ58の鋳込み時には、ブッシュ58が支持ピンでクランクシャフト12の回転軸線に沿う方向から支持された状態で溶融軽合金が型に流し込まれるものであり、その成形後には前記支持ピンに対応したブッシュ支持孔63A,63B,63Cが軸受部55に残される。この実施の形態では、3個の支持ピンで前記ブッシュ58を支持することによって、第1、第2および第3のブッシュ支持孔63A,63B,63Cが、軸受孔61の周囲に間隔をあけて前記軸受部55に形成されるものであり、前記ジャーナル部12aの回転中心すなわち前記軸受孔61の中心CCよりも前方かつ下方に第1のブッシュ支持孔63Aが配置され、前記軸受孔61の中心CCよりも上方に第2のブッシュ支持孔63Bが配置され、前記軸受孔61の中心CCよりも後方に第3のブッシュ支持孔63Cが配置される。
第1〜第3のブッシュ支持孔63A〜63Bは、前記ブッシュ58の半径方向に沿う幅W内に配置されるものであり、しかも前記ブッシュ58の半径方向に沿う幅Wの中央部に配置される。
また第1〜第3のブッシュ支持孔63A〜63Bは、左ケース半体13Lの成形完了後の支持ピンの離脱を容易とするために、前記ブッシュ58側に近接するにつれて小径となるテーパ状に形成されるものであり、それらのブッシュ支持孔63A〜63Cの全体が、前記ブッシュ58の半径方向に沿う幅W内に配置される。
また前記ブッシュ58の前記軸受部55への鋳込み境界部分で該ブッシュ58の前記ブッシュ支持孔63A〜63C側の端部外周には、鋳込み成形時のブッシュ58の軸受部55への結合強度を高めるための面取り部58aが形成されており、第1〜第3のブッシュ支持孔63A〜63Cが、前記面取り部58aを避けて配置される。
ところで前傾したシリンダ軸線CLのシリンダボア28を有するシリンダボディ14を前記クランクケース13に結合する複数のスタッドボルト64,64′…が前記シリンダボア28の周囲に配置されるものであり、側面視でシリンダボディ14の下部に配置される下側のスタッドボルト64…の後端ならびに前記クランクシャフト12の回転軸線すなわち前記軸受孔61の中心CC間に配置される第1のブッシュ支持孔63Aは、第1のブッシュ支持孔63Aに最も近い前記下側のスタッドボルト64の中心軸線CSから上方もしくは下方、この実施の形態では上方にオフセットした位置で、前記ジャーナル部12aの回転中心すなわち前記軸受孔61の中心CCよりも下方に第1のブッシュ支持孔63Aが配置される。
また前記スタッドボルト64,64′…のうち、側面視でシリンダボディ14の上部に設けられる上側のスタッドボルト64′の中心軸線CS′の後方への延長線よりも上方に配置されるブッシュ支持孔、この実施の形態では第2のブッシュ支持孔63Bは、前記軸受孔61の中心CCよりも後方に配置される。
また第3のブッシュ支持孔63Cは、側面視で、上側の前記スタッドボルト64′の中心軸線CS′および下側の前記スタッドボルト64の中心軸線CS間で前記軸受孔61の中心CCよりも後方に配置され、第1〜第3のブッシュ支持孔63A〜63Cのいずれも前記ブッシュ58の外周よりも半径方向内方に配置されている。
次にこの実施の形態の作用について説明すると、左ケース半体13Lの軸受部55には第1〜第3のブッシュ支持孔63A,63B,63Cが形成されており、それらのブッシュ支持孔63A〜63Cは、ブッシュ58の半径方向に沿う幅W内に配置されるので、第1〜第3のブッシュ支持孔63A〜63Cの周囲に応力が集中するのを防止し、エンジンの爆発荷重等に対する軸受部の耐久性を高めることができる。
また第1〜第3のブッシュ支持孔63A〜63Cが、前記ブッシュ58の半径方向に沿う幅Wの中央部に配置されるので、ブッシュ58および軸受部55の鋳込み境界部からより離れた位置に第1〜第3のブッシュ支持孔63A〜63Cが配置されることになり、軸受部55の耐久性をより高めることができる。
しかも第1〜第3のブッシュ支持孔63A〜63Cは、ブッシュ58側に近接するにつれて小径となるテーパ状に形成されるのであるが、それらのブッシュ支持孔63A〜63Cの全体がブッシュ58の半径方向に沿う幅W内に配置されるので、第1〜第3のブッシュ支持孔63A〜63Cのブッシュ58側の端部は、ブッシュ58および軸受部55の鋳込み境界部からより離れた位置に配置されることになり、軸受部55の耐久性をより高めることができる。
またブッシュ58の前記軸受部55への鋳込み境界部分で該ブッシュ58の前記ブッシュ支持孔63A〜63C側の端部外周に面取り部58aが形成されており、第1〜第3のブッシュ支持孔63A〜63Cが前記面取り部58aを避けて配置されるので、ブッシュ58の軸受部55への結合強度を高めるためにブッシュ58に面取り部58aが形成されていても第1〜第3のブッシュ支持孔63A〜63Cの周囲の応力集中を防止することができる。
また第1〜第3のブッシュ支持孔63A〜63Cのうち、下側のスタッドボルト64…の後端ならびに前記軸受孔61の中心CC間に配置される第1のブッシュ支持孔63Aが、第1のブッシュ支持孔63Aに最も近い前記下側のスタッドボルト64の中心軸線CSから上方にオフセットした位置に配置されるので、スタッドボルト64から前方に向けてクランクケース13に作用する力が第1のブッシュ支持孔63Aの周囲に及ぼす影響を軽減することができる。
さらに上側のスタッドボルト64′の中心軸線CS′の後方への延長線よりも上方に在る第2のブッシュ支持孔63Bが、前記軸受孔61の中心CCよりも後方に配置されるので、スタッドボルト64′から前方に向けてクランクケース13に作用する力が第2のブッシュ支持孔63Bの周囲に及ぼす影響を軽減することができる。
ここで本発明に従って第1〜第3のブッシュ支持孔63A〜63Bの形状および配置を定めたときの第1〜第3のブッシュ支持孔63A〜63C付近の応力分布は、図4で示すようになり、第1〜第3のブッシュ支持孔63A〜63C付近の振幅応力は図5で示すよに低い値となる。
一方、図3の鎖線で示すように、前記軸受部55および前記ブッシュ58の鋳込み境界部に一部がかかる第1〜第3のブッシュ支持孔63A′,63B′,63C′を軸受部55に形成し、前記軸受孔61の中心CCよりも前方かつ下方に在る第1のブッシュ支持孔63A′を第1のブッシュ支持孔63A′に最も近い前記下側のスタッドボルト64の中心軸線CSの延長線上に配置し、前記上側のスタッドボルト64′の中心軸線CS′よりも上方にある第2のブッシュ支持孔63B′を該スタッドボルト64′に近接するようにして前記軸受孔61の中心CCよりも前方に配置し、第3のブッシュ支持孔63C′を軸受孔61の中心CCの後方に配置するようにした場合の第1〜第3のブッシュ支持孔63A′〜63C′付近の応力分布は、図6で示すようになり、第1〜第3のブッシュ支持孔63A′〜63C′付近の振幅応力は図5で示すように高い値となる。
なお図6において、第1〜第3のブッシュ支持孔63A′〜63C′に対応する部分を2つに分割する線が、ブッシュおよび軸受部の鋳込み境界部に対応する。
上述の図4〜図6で示されるとおり、本発明に従って形成される第1〜第3のブッシュ支持孔63A〜63Cの付近では、応力集中を抑制し、優れた耐久性を得ることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
12・・・クランクシャフト
12a・・・ジャーナル部
13・・・クランクケース
14・・・シリンダボディ
28・・・シリンダボア
54・・・ボールベアリング
55・・・軸受部
58・・・ブッシュ
58a・・・面取り部
63A,63B,63C・・・ブッシュ支持孔
64,64′・・・スタッドボルト
CL・・・シリンダ軸線
CS,CS′・・・スタッドボルトの中心軸線
W・・・ブッシュの半径方向に沿う幅

Claims (6)

  1. 鋳造成形されるクランクケース(13)に、ベアリング(54)を介してクランクシャフト(12)のジャーナル部(12a)を回転自在に支承するための軸受部(55)が設けられ、前記ベアリング(54)の外周を支持するブッシュ(58)が、前記軸受部(55)に一体的に鋳込まれるようにしたクランクシャフト支持構造において、前記ブッシュ(58)の鋳込み時に前記クランクシャフト(12)の回転軸線に沿う方向から前記ブッシュ(58)を支持することで前記軸受部(55)に形成されるブッシュ支持孔(63A,63B,63C)が、前記ブッシュ(58)の半径方向に沿う幅(W)内に配置されることを特徴とするクランクシャフト支持構造。
  2. 前記ブッシュ支持孔(63A〜63C)が、前記ブッシュ(58)の半径方向に沿う幅(W)の中央部に配置されることを特徴とする請求項1記載のクランクシャフト支持構造。
  3. 前記ブッシュ(58)側に近接するにつれて小径となるテーパ状に形成される前記ブッシュ支持孔(63A〜63C)の全体が、前記ブッシュ(58)の半径方向に沿う幅(W)内に配置されることを特徴とする請求項1または2記載のクランクシャフト支持構造。
  4. 前記ブッシュ(58)の前記軸受部(55)への鋳込み境界部分で該ブッシュ(58)の前記ブッシュ支持孔(63A〜63c)側の端部外周には、面取り部(58a)が形成され、前記ブッシュ支持孔(63A〜63c)が、前記面取り部(58a)を避けて配置されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のクランクシャフト支持構造。
  5. 前記軸受部(55)に形成された複数のブッシュ支持孔(63A〜63c)のうち、前傾したシリンダ軸線(CL)のシリンダボア(28)を有するシリンダボディ(14)を前記クランクケース(13)に結合するようにして前記シリンダボア(28)の周囲に配置される複数のスタッドボルト(64,64′)の後端ならびに前記クランクシャフト(12)の回転軸線間に配置されるブッシュ支持孔(63A)が、当該ブッシュ支持孔(63A)に最も近い前記スタッドボルト(64)の中心軸線(CS)から上方もしくは下方にオフセットした位置に配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のクランクシャフト支持構造。
  6. 前記軸受部(55)に形成された複数のブッシュ支持孔(63A〜63C)のうち、前傾したシリンダ軸線(CL)のシリンダボア(28)を有するシリンダボディ(14)を前記クランクケース(13)に結合するようにして前記シリンダボア(28)の周囲に配置される複数のスタッドボルト(64,64′)のうち側面視で前記シリンダボディ(14)の上部に配設されるスタッドボルト(64′)の中心軸線(CS′)の後方への延長線よりも上方に配置される前記ブッシュ支持孔(63B)が、前記クランクシャフト(12)の回転軸線よりも後方に配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のクランクシャフト支持構造。
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