JP5680317B2 - 油脂の分別改質剤 - Google Patents

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本発明は、パーム油等の油脂をその液状部分と固体部分に分別する工程において、分別効率、分別精度等の向上のために、当該油脂に添加される油脂の分別改質剤に関するものである。
パーム油等の油脂は、常温で固体の成分と液状の成分との混合物である。これらの油脂は、混合物のまま使用される場合もあるが、固体の成分(固体部分)と液状の成分(液状部分)に分別し、目的に応じてそれぞれを使い分けて使用される場合も多い。
油脂を、その液状部分と固体部分に分ける操作は、分別又はフラクショネーションと言われている。分別の方法としては、自然分別法(ドライ法)、界面活性剤分別法、及び溶剤分別法が知られている。この中において、自然分別法は、設備費やランニングコストが低いという利点があり、広く利用されている方法である。
しかし、自然分別法は、他の分別方法と比較した場合、結晶化時間が長く、又、液状部分の固体部分への混入量が多く、分別精度が低下するという問題がある。分別精度を高め品質の高い分別油脂を得るためには、溶融した油脂を長時間かけてゆっくりと冷却する必要があるが、この場合は分別の生産効率が低下する。そこで、自然分別法における生産効率の向上方法が種々提案されている。
パーム油の液状部分の生産効率の向上に対する取り組みとして、例えば、主構成脂肪酸がパルミチン酸(特許文献1)又はステアリン酸(特許文献2)から成るショ糖エステルを油脂に添加する方法が開示されている。又、特許文献3には、炭素数18と炭素数20〜24の脂肪酸を主構成脂肪酸とする親油性ポリグリセリン脂肪酸エステルによるろ過時間の短縮効果が開示されている。
さらに、特許文献4には、炭素数8〜22の脂肪酸を主構成脂肪酸とするポリグリセリン脂肪酸エステルからなることを特徴とする油脂の分別改質剤が開示されており、具体的には、炭素数8〜22の脂肪酸のテトラグリセリン脂肪酸エステル及びデカグリセリン脂肪酸エステルが開示されている。そしてこれらの分別改質剤を使用すれば、短い冷却時間で高品質の分別油脂、すなわち、ヨウ素価(IV)の高い液状部分及びIVの低い固体部分を得ることができると述べられている(段落0040、0041等)。
しかし、この特許文献4に記載の油脂の分別改質剤を使用した場合、一般に利用されている冷却条件では、液状部分の収率が低いとの問題があった。植物油市場においては、大豆油、菜種油等の液状油脂との価格競争が強いられるため、生産コストの低減は重要な課題であり、液状部分の収率の向上が望まれている。
液状部分の収率を向上させる方法として、攪拌効率の良い結晶化槽の開発や、遠心ろ過方法、フィルタープレス方法等によるろ過方法の改良がなされており、超高圧プレスによる方法等も開発されている。しかし、これらの方法による場合は、新たな設備の導入が必要となり、イニシャルコストがさらにかかる結果となる。そこで、このような設備の導入を必要とせず一般に行われている冷却条件の自然分別法を行う場合において、液状部分の収率を向上させることができる技術が求められている。
特開平6−181686号 特開平5−125389号 特開平3−31397号 国際公開第2008/053838号
本発明は、油脂をその液状部分と固体部分に分ける分別を、通常行われている条件の自然分別法により行う場合、すなわち新たな設備の導入を必要とせず一般に行われている冷却条件により行う場合において、液状部分の収率の向上を可能とする分別改質剤を提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意検討を重ねた結果、特定の脂肪酸のジグリセリンエステルからなる分別改質剤を、パーム油等の油脂に添加することにより、自然分別法による油脂の分別において、高価な設備等の導入を必要とせずに、液状部分の分別油脂を高収率で得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、炭素数8〜22の脂肪酸を主構成脂肪酸とするジグリセリン脂肪酸エステルからなることを特徴とする油脂の分別改質剤を提供する(請求項1)。
本発明の油脂の分別改質剤を構成するジグリセリン脂肪酸エステルは、炭素数8〜22の脂肪酸を主構成脂肪酸とする。ここで、「主構成脂肪酸とする」とは、ポリグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸の全部又は大部分は前記脂肪酸よりなることを意味する。ただし、本発明の効果が得られる範囲(例えば、含量10重量%未満の範囲)、すなわち液状部分の分別油脂が高収率で得られる限りは他の脂肪酸が含まれていてもよい。以下の説明における「主構成脂肪酸」についても同様である。
本発明の分別改質剤を油脂に添加して、通常行われている条件の自然分別法を行うと、液状部分の収率を向上させることができる。炭素数8〜22の脂肪酸のポリグリセリン脂肪酸エステルであっても、ジグリセリン脂肪酸エステル以外のもの、例えば、前記特許文献4に具体的に記載の、炭素数8〜22の脂肪酸のテトラグリセリン脂肪酸エステルやデカグリセリン脂肪酸エステルからなる分別改質剤を使用した場合では、本発明により達成されるような収率の向上を得ることはできない。又、ジグリセリン脂肪酸エステルであっても、炭素数8未満の脂肪酸又は炭素数22を超える脂肪酸を主構成脂肪酸とする場合も、本発明により達成されるような収率の向上を得ることはできない。
請求項2に記載の発明は、炭素数12〜18の脂肪酸を主構成脂肪酸とするジグリセリン脂肪酸エステルからなることを特徴とする油脂の分別改質剤である。炭素数8〜22の脂肪酸の中でも、炭素数12〜18の脂肪酸を、ジグリセリン脂肪酸エステルの主構成脂肪酸として用いた場合、液状部分の収率を向上させる効果がさらに増大する。
請求項3に記載の発明は、炭素数12〜18の脂肪酸より2種以上選ばれてなる混合脂肪酸を主構成脂肪酸とする請求項2に記載の油脂の分別改質剤である。炭素数12〜18の脂肪酸の中でも、炭素数12〜18の脂肪酸より2種以上選ばれてなる混合脂肪酸をジグリセリン脂肪酸エステルの主構成脂肪酸として用いた場合、液状部分の収率を向上させる効果が特に顕著であり、前記特許文献4に記載のテトラグリセリン脂肪酸エステルやデカグリセリン脂肪酸エステルからなる分別改質剤を使用した場合より液状部分の収率が顕著に向上する。
ここで混合脂肪酸とは、炭素数12〜18の脂肪酸より選ばれる2種以上の脂肪酸からなるが、各脂肪酸が10重量%以上含まれているものが好ましい。なお、炭素数8〜22の脂肪酸から主構成脂肪酸を選ぶ場合も、2種以上の脂肪酸からなる混合脂肪酸が好ましい。
請求項4に記載の発明は、油脂がパーム油であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の油脂の分別改質剤である。本発明の分別改質剤が適用される油脂は、常温で固体の成分と液状の成分との混合物である油脂であれば、特に限定されないが、本発明の効果がよく発揮される油脂としてパーム油を挙げることができる。
本発明の分別改質剤を、常温で固体の成分と液状の成分との混合物である油脂に添加、混合し、一般に行われている冷却条件の自然分別法により分別すれば、従来の分別改質剤を用いた場合と比べて、液状の分別油脂の収率を向上させることができ、改良された攪拌装置やろ過器等の新たな設備の導入を必要とせずに、液状の分別油脂を高収率で得ることができる。
以下、本発明を実施するための形態をより詳細に説明するが、本発明の範囲はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を損なわない範囲で、変更等が加えられた形態も本発明に属する。
本発明の分別改質剤は、ジグリセリン脂肪酸エステルであり、例えば、前記の脂肪酸とジグリセリンの混合液を、水酸化ナトリウム等の触媒の存在下、加熱してエステル化させることにより合成することができる。
本発明の分別改質剤の主構成脂肪酸である炭素数8から22の脂肪酸としては、例えば、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸等の飽和脂肪酸や、パルミトレイン酸、オレイン酸及びエルカ酸等の不飽和脂肪酸を挙げることができる。これらの脂肪酸の中でも、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸等の炭素数12〜18の脂肪酸が好ましい。
本発明の分別改質剤であるジグリセリン脂肪酸エステルのエステル化率は60〜100%が好ましく、より好ましくは、70〜100%とすべきである。ここでエステル化率とは、ジグリセリンの水酸基数4に対し、ジグリセリンに付加する脂肪酸のモル数(M)としたとき、(M/4)×100=エステル化率(%)で算出される値である。特に、エステル化率が75〜100%の範囲であるポリグリセリン脂肪酸エステルを用いれば、液状部分がより高収率で得られるので好ましい。
本発明の分別改質剤は、分別の対象となる油脂に、添加、混合されて使用される。分別の対象となる油脂は、液状部分と固体部分との混合物からなる油脂であり、その多くは、常温で半ば固体、半ば液体のいわゆるセミソリッドの油脂である。このような油脂としては、パーム油がその代表的なものとして挙げられるが、他に、パーム核油、サル脂、綿実油、菜種油、大豆油、コーン油、ヤシ油、カカオ脂等の植物油脂類等、牛脂、豚脂、魚油、乳脂等の動物油脂類、これらの混合物、及びこれら油脂を水添処理したものも例示することができる。
分別工程では、先ずこの油脂に本発明の分別改質剤を添加した後、油脂を加熱し完全に溶融して均一に混合し、その後、通常の自然分別法と同様に徐々に冷却する。通常の自然分別法によりパーム油を分別する場合では、60℃に加温したパーム油を16℃〜25℃まで、5〜24時間かけて徐冷する条件が一般に採用されるが、本発明の分別改質剤を用いる場合も同様な条件を採用することができる。
なお、適当な冷却時間(冷却速度)は、分別油脂の求められる品質(IV等)により変動し、特に限定されない。冷却時間が短い程、生産性は向上するが、分別油脂の品質は低下(液状部分のIVが低下し、固体部分のIVが上昇)する傾向にあるので、分別油脂の求められる品質に応じて、適当な冷却速度を決定する。又、冷却の最終温度の好ましい範囲も、油脂の種類により変動する。
冷却により、固体部分(パーム油の場合は、パームステアリン)の結晶が生成する。そこで、この結晶部分を分離することにより液状部分(パーム油の場合は、パームオレイン)と固体部分を得ることができる。この分離は、ろ過等の常套の手段を用いて行うことができる。
本発明の分別改質剤の使用量は、通常、油脂に対して0.01〜5重量%である。0.01重量%未満の場合は、本発明の目的とする効果が十分に発揮されない場合がある。一方、5重量%を超えた場合は、使用量の増大に対応する効果の向上は見られず、又、分別油脂中への分別改質剤の混入量が増して、品質上の問題が生じる場合がある。かかる問題を防ぎより十分な効果を発揮するためには、0.05%〜0.5重量%の範囲が好ましい。
このようにして得られた分別油脂は、種々の用途に使用することができる。液状部分は、例えば、揚げ油、マヨネーズ等の原料油脂として用いられる。又、固体脂部分は、ショートニング、チョコレート等の原料油脂として用いられる。
以下、実施例に基づき、本発明を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものではない。又、実施例中の収率とは、重量%を指し、液状部分の収率={液状部分の重量/(固体部分の重量+液状部分の重量)}×100の式により算出される値である。
<ポリグリセリン脂肪酸エステルの合成>
実施例で使用されたジグリセリン脂肪酸エステルは、以下に示す方法により合成された。
<合成例1>
等モルのミリスチン酸、パルミチン酸とベヘン酸を混合して、混合脂肪酸を得た。次に、この混合脂肪酸及びジグリセリン(阪本薬品工業株式会社製)の4:1(モル比)の混合物を調製した。この混合物に水酸化ナトリウムを0.1%(混合物に対する重量%)添加し、その後、240〜250℃に昇温してエステル化反応を行い、実施例で使用されるジグリセリン脂肪酸エステルを調製した。なお、エステル化反応は、窒素気流下において攪拌しながら、酸価が4以下となるまで行った。エステル化率は、95%であった。
<合成例2〜12、合成例15〜17>
等モルのミリスチン酸、パルミチン酸とベヘン酸からなる混合脂肪酸の代わりに、表1に示す脂肪酸を表1に示す混合比で混合して得た混合脂肪酸を用いた以外は、合成例1と同様にして、ジグリセリン脂肪酸エステルを調製した。そのエステル化率も表1に示す。
<合成例13、14>
エステル化率を、75%(合成例13)、70%(合成例14)とした以外は合成例10と同様にしてジグリセリン脂肪酸エステルを調製した。
<合成例18>
等モルのステアリン酸、エルカ酸とベヘン酸を混合して、混合脂肪酸を得た。次に、この混合脂肪酸及びテトラグリセリン(阪本薬品工業株式会社製)の6:1(モル比)の混合物を調製した。この混合物に水酸化ナトリウムを0.1%(混合物に対する重量%)添加し、その後、240〜250℃に昇温してエステル化反応を行い、比較例で使用されるテトラグリセリン脂肪酸エステルを調製した。なお、エステル化反応は、窒素気流下において攪拌しながら、酸価が4以下となるまで行った。エステル化率は、97.5%であった。
<合成例19>
等モルのステアリン酸、エルカ酸とベヘン酸からなる混合脂肪酸の代わりに、ステアリン酸、オレイン酸とベヘン酸を表1に示す混合比で混合して得た混合脂肪酸を用いた以外は合成例18と同様にして、テトラグリセリン脂肪酸エステルを調製した。エステル化率は、97.5%であった。
<合成例20>
テトラグリセリンの代わりにデカグリセリンを用い、混合脂肪酸及びデカグリセリンのモル比を12:1とした以外は合成例18と同様にして、デカグリセリン脂肪酸エステルを調製した。エステル化率は、97.5%であった。
<合成例21>
テトラグリセリンの代わりに、デカグリセリンを用い、混合脂肪酸及びデカグリセリンのモル比を12:1とした以外は合成例19と同様にして、デカグリセリン脂肪酸エステルを調製した。エステル化率は、97.5%であった。
なお、以下の表中、脂肪酸の種類は以下に示すように炭素数で表わす。
C12:ラウリン酸 C14:ミリスチン酸 C16:パルミチン酸
C18:ステアリン酸 C22:ベヘン酸 C18:1: オレイン酸
C22:1: エルカ酸
Figure 0005680317
<実施例1〜20、比較例1〜5>
パーム油(IV52)2000gに対して、合成例1〜17で得られた脂肪酸エステルからなる分別改質剤を表1に示す添加量(パーム油に対する重量%)加えた後、80℃に加熱して、パーム油を完全に溶解した。100rpmで攪拌させながら、パーム油を、1時間かけて24℃まで徐々に冷却し、その後、24℃で2時間保持した。その後、フィルタープレス機(0.3〜0.5MPa)で約1時間かけてろ過し、液状部分と固体部分を得た。液状部分と固体部分の重量を測定し、前記の式により液状部分の収率を求めた。又、液状部分のIVの測定を常法(基準油脂分析法)により行った。これらを実施例としその結果を表2に示す。
又、分別改質剤を加えず、他の条件は実施例と同じにして実験を行った場合(表2ではブランクと表す。)や、分別改質剤として合成例18〜21で得られた脂肪酸エステルを用い、他の条件は実施例と同じにして実験を行った場合を比較例とし、その結果も表2に示す。
Figure 0005680317
表2によれば、本発明の油脂の分別改質剤を添加して油脂を分別した実施例1〜20では、分別改質剤を添加せずに分別した比較例1や分別改質剤としてテトラグリセリン脂肪酸エステル、デカグリセリン脂肪酸エステルを用いた比較例2〜5に比べて、液状部分の分別油脂の収率は高い。従って、表2の結果より、本発明の油脂の分別改質剤を用いることにより、特許文献4等に記載された公知の分別改質剤を用いた場合より、液状部分の分別油脂を高収率で得られることが示されている。
又、ベヘン酸(C22)又はエルカ酸(C22:1)が混合脂肪酸に含まれている実施例1〜4に比べて、これらを含まず、炭素数12〜18の脂肪酸のみで混合脂肪酸を構成している実施例5〜8、実施例12〜15、実施例18〜20(分別改質剤の添加量やエステル化率が実施例1〜4と同じ場合)では、液状部分の分別油脂の収率はさらに高く、本発明の油脂の分別改質剤の中でも、炭素数12〜18の脂肪酸より2種以上選ばれてなる混合脂肪酸を主構成脂肪酸とするジグリセリン脂肪酸エステルからなる分別改質剤(すなわち請求項3の油脂の分別改質剤)が特に好ましいことが示されている。
実施例9〜11は、実施例8と同じ分別改質剤を用いているが、分別改質剤の添加量が異なる場合である。表2の結果より、添加量が0.01重量%(実施例9)でも、比較例と比べて液状部分の分別油脂の収率は高く、本発明の効果が得られていることが明らかである。ただ、実施例8と比べると収率は低く、添加量は、0.05重量%(実施例10)以上が好ましいことも、表2の結果より明らかである。一方、添加量5重量%(実施例11)でも、実施例8と比べて収率は特に向上していないこと、従って油脂の品質等を考慮すればより少ない添加量が望ましいことも表2の結果より明らかである。
実施例13及び実施例16、17を比較すると、ジグリセリン脂肪酸エステルのエステル化率が70%である実施例17では、液状部分の分別油脂の収率は、実施例13及び実施例16と比べて低い。この結果より、エステル化率は75%以上が好ましいことが示されている。

Claims (3)

  1. 炭素数12〜18の脂肪酸を主構成脂肪酸とし、エステル化率が75%以上であるジグリセリン脂肪酸エステルからなることを特徴とする油脂の分別改質剤。
  2. 炭素数12〜18の脂肪酸より2種以上選ばれてなる混合脂肪酸を主構成脂肪酸とする請求項1に記載の油脂の分別改質剤。
  3. 油脂がパーム油であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の油脂の分別改質剤。
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