JP5680116B2 - 強化複合材料、それを調製する方法、製造物を調製するのにそれを使用する方法、ならびにこのような方法で形成した製造物およびその製造物の使用方法 - Google Patents
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Description
本発明は、複合材料の加工容易性を付与する良好な機械特性を同時に維持しつつ、改良した電気抵抗、電気絶縁性および断熱性を有する、セメント母材(マトリックス)に基づく強化複合材料に関し、さらにシリコーン成形型を使用する成形方法によってこの強化複合体に基づく形成体および製造物の製造にも関する。
長年にわたり、セメントをベースとする複合材料は開発されてきており、ガラス繊維の粗撚り素材(ロービング)で形成した裏打ち材又は強化材を含み、この補強材は、セメント混合物の硬化ステップ中にセメント混合物に機械的に組み合せ、また浸漬し、この場合、前記強化材の前記複合材料に対する重量パーセント(%)は、850g/m2の単位面積あたり重量の少なくとも5重量%とする(特許文献1[米国特許第4,898,769号])、特許文献2[英国特許出願公開第2218670号]参照)。
本出願人は、当該技術分野における不断の研究により、驚くべきことにまた予想外にも、アルミナセメント、およびタビュラーアルミナまたはコランダムをベースとし、ガラス繊維で強化した新規な複合強化材料、また、前記強化複合材料をベースとする耐火物製の形成体もしくは製造物、または断熱性/電気絶縁性材料で形成した形成体もしくは製造物が得られることを見出した。
本発明が目的とする複合材料は、アルミナセメントと、タビュラーアルミナまたはコランダムとをベースとする、ガラス繊維で強化した強化複合材料であって、70%以上のAl2O3を含有する高アルミナセメントと、タビュラーアルミナまたはコランダムと、シリカおよびジルコンをベースとしたガラス繊維と、シリコーン樹脂と、ポリアクリル酸電解質と、水硬性結合材としての水と、を含む複合材料である。
(a)シリコーン樹脂およびポリアクリル酸電解質の存在の下に連続撹拌しながら、予め、70%以上のAl2O3を含有する高アルミナセメントと、タビュラーアルミナまたはコランダムとを水に分散させ、それに続いて、依然として撹拌しながらシリカおよびジルコンをベースとするガラス繊維を添加してスラリを生ずるよう、水中で混合するステップと、
(b)ステップ(a)で得られたスラリを、振動し続ける成形型または容器内に注入するステップと、
(c)ステップ(a)で得られたスラリを「固化」または硬化する硬化ステップであって、注入後に成形型からの脱型およびそれに続くプロセスとしての、制御した温度および湿度の調節、空気乾燥および強制対流式オーブン内での調節によるエージングを行う、該硬化ステップと、
を含む手順によって得られた/得ることが可能とする。
・タビュラーアルミナまたはコランダムと、
・シリカおよびジルコンをベースとするガラス繊維と、
・シリコーン樹脂と、
・ポリアクリル酸電解質と、
を含む。
−タビュラーアルミナまたはコランダムと、
−シリカおよびジルコンをベースとするガラス繊維と、
−シリコーン樹脂と、
−ポリアクリル酸電解質と、
を含む。
・上述した本発明による、アルミナセメントと、タビュラーアルミナまたはコランダムとをベースとし、ガラス繊維で強化した強化複合材料で形成した製造物、
・アルミナセメントと、タビュラーアルミナまたはコランダムとをベースとし、ガラス繊維で強化した強化複合材料で形成した製造物の製造方法であって、
(a)シリコーン樹脂およびポリアクリル酸電解質の存在の下に連続撹拌しながら、予め、70%以上のAl2O3を含有する高アルミナセメントと、タビュラーアルミナまたはコランダムとを水に分散させ、それに続いて、依然として撹拌しながらシリカおよびジルコンをベースとするガラス繊維を添加してスラリを生ずるよう、水中で混合するステップと、
(b)ステップ(a)で得たスラリを、振動し続ける成形型または容器内に注入する注入ステップと、
(c)ステップ(a)で得たスラリを「固化」または硬化する硬化ステップであって、注入後に成形型からの脱型およびそれに続くプロセスとしての、制御した温度および湿度の調節、空気乾燥および強制対流式オーブン内での調節によるエージングを行う、該硬化ステップと、
を有する製造方法であり、
このプロセスにおいて、ステップ(a)、(b)および(c)は、強化複合材料を調製する方法のステップ(a)、(b)および(c)と同じ特徴を有し、好適には、水中で混合するステップ(a)において、シリコーン樹脂は、水性エマルションおよび水溶液としてのポリアクリル酸電解質に分散させておく、および/またはステップ(b)における成形型または容器はシリコーン材料で形成し、ステップ(a)で用いるシリカおよびジルコンをベースとするガラス繊維は5〜10mmの長さ、好適には6〜9mmの長さとし、ステップ(a)で用いるタビュラーアルミナまたはコランダムの粒度分布は0.4mm以下、好適には0.3mm以、さらに好適には0.1〜0.3mmとした、該製造物の製造方法、
−アルミナセメントと、タビュラーアルミナまたはコランダムとをベースとし、ガラス繊維で強化した本発明による強化複合材料で形成した、噴出チャンバ用のプレート、特に高電圧接触器、耐アーク、耐高温および耐高電流の絶縁板用の噴出チャンバ、リブ付きアイソレータ、抵抗ホルダー、さらに高温炉塗装、熱交換パイプとしての製造物に使用する使用方法
である。
70%のAl2O3を含有するアルミナセメントの30%(600g)と、0.1〜0.3mmの範囲にわたる粒度分布および98.0%の純度を有するタビュラーアルミナの70%(1400g)と、からなる混合物2000gを、シリカおよびジルコンをベースとした長さ6mmのガラス繊維100gと混合し、さらに300gの水に混合し、この場合、予め、60%のシリコーン樹脂の水性エマルションを6g、水溶液としての分散剤である、活性物質としての35%ポリアクリル酸アンモニウムを10g、溶解させた。混合ステップが完了したら、液体の複合材料をシリコーン成形型に注入し、振動し続ける。
実施例1の、本発明が目的とする複合体を製造する手順に従い、長さ80mm、幅10mm、厚さ4mmの寸法を有する5つの試料を調製した。
実施例1の、本発明が目的とする複合体を製造する手順に従い、横幅100mm、厚さ3mmの寸法を有する6つの正方形プレートを調製した。
ASTM D495規格およびCEI/IEC61621規格に準拠して測定した耐アーク性は、450秒超の平均値を示した(試験後のプレートには依然として損傷はなかった)。
IEC60234規格に従って測定した誘電強度の平均値は、2.60kv/mm超であった。
Claims (12)
- アルミナセメントと、タビュラーアルミナまたはコランダムとをベースとする、ガラス繊維で強化した強化複合材料であって、
70%以上のAl2O3を含有する高アルミナセメントと、
タビュラーアルミナまたはコランダムと、
シリカおよびジルコンをベースとしたガラス繊維と、
シリコーン樹脂と、
ポリアクリル酸電解質と、
水硬性結合材としての水と、
を含み、
前記高アルミナセメントは22〜27重量%であり、前記タビュラーアルミナは58〜63重量%であり、前記ガラス繊維は3.9〜4.5重量%であり、前記シリコーン樹脂は0.14〜0.18重量%であり、前記ポリアクリル酸電解質は0.14〜0.18重量%であり、残部は水硬性結合材を意図した水であり、前記パーセントは複合材料の100重量部で計算される、複合材料。 - 請求項1に記載の複合材料において、前記シリカおよびジルコンをベースとするガラス繊維は、5〜10mmの長さとした、複合材料。
- 請求項1に記載の複合材料において、前記高アルミナセメントは、高耐火特性を有するセメント、すなわち1700℃超の耐火性を有するアルミナセメントとした、複合材料。
- 請求項1に記載の複合材料において、前記タビュラーアルミナまたはコランダムは、0.4mm以下の粒度分布を有するタビュラーアルミナまたはコランダムとした、複合材料。
- 請求項1に記載の複合材料において、前記高アルミナセメントは24〜26重量%であり、前記タビュラーアルミナは60〜62重量%であり、前記ガラス繊維は4.1〜4.4重量%であり、前記シリコーン樹脂は0.15〜0.17重量%であり、前記ポリアクリル酸電解質は0.15〜0.17重量%であり、残部は水硬性結合材を意図した水であり、前記パーセントは複合材料の100重量部で計算される、複合材料。
- アルミナセメントと、タビュラーアルミナまたはコランダムとをベースとし、シリカおよびジルコンをベースとするガラス繊維で強化した強化複合材料であって、以下のステップ:
(a)シリコーン樹脂およびポリアクリル酸電解質の存在の下に連続撹拌しながら、予め、70%以上のAl2O3を含有する高アルミナセメントと、タビュラーアルミナまたはコランダムとを水に分散させ、それに続いて、依然として撹拌しながらシリカおよびジルコンをベースとするガラス繊維を添加してスラリを生ずるよう、水中で混合するステップと、
(b)ステップ(a)で得られたスラリを、振動し続ける成形型または容器内に注入する注入ステップと、
(c)ステップ(a)で得られたスラリを「固化」または硬化する硬化ステップであって、注入後に成形型からの脱型およびそれに続くプロセスとしての、制御した温度および湿度の調節、空気乾燥および強制対流式オーブン内での調節によるエージングを行う、該硬化ステップと、
を有する手順によって得られた強化複合材料であり、
前記水中で混合するステップ(a)において、前記高アルミナセメントは23〜27重量%であり、前記タビュラーアルミナは55〜60重量%であり、前記ガラス繊維は3.5〜4.5重量%であり、前記シリコーン樹脂(有効成分)は0.12〜0.19重量%であり、前記ポリアクリル酸電解質(有効成分)は0.11〜0.18重量%であり、残部は水であり、前記パーセントは生成したスラリの100重量部で計算されるものとした、強化複合材料。 - 請求項6に記載の強化複合材料において、前記水中で混合するステップ(a)において、前記シリコーン樹脂は、樹脂重量に対して50〜70重量%の水性エマルションの形で分散し、および/または前記ポリアクリル酸電解質は、電解質重量に対して25〜45重量%の水溶液の形で分散し、および/または前記高アルミナセメントはAl2O3の72%以上を含有し、および/または前記タビュラーアルミナもしくはコランダムは純度98.0%以上を含有し、および/または前記タビュラーアルミナもしくはコランダムは0.4mm以下の粒度分布を有し、および/または前記シリカおよびジルコンをベースとするガラス繊維は5〜10mmの長さとした、強化複合材料。
- 請求項1〜7いずれか一項に記載のアルミナセメントと、タビュラーアルミナまたはコランダムとをベースとし、ガラス繊維で強化した強化複合材料を含む製造物。
- アルミナセメントと、タビュラーアルミナまたはコランダムとをベースとし、ガラス繊維で強化した強化複合材料を調製する方法であって、
(a)シリコーン樹脂およびポリアクリル酸電解質の存在の下に連続撹拌しながら、予め、70%以上のAl2O3を含有する高アルミナセメントと、タビュラーアルミナまたはコランダムとを水に分散させ、それに続いて、依然として撹拌しながら、シリカおよびジルコンをベースとするガラス繊維を添加してスラリを生ずるよう、水中で混合するステップと、
(b)ステップ(a)で得たスラリを、振動し続ける成形型または容器内に注入するステップと、
(c)ステップ(a)で得られたスラリを「固化」または硬化する硬化ステップであって、注入後に成形型からの脱型およびそれに続くプロセスとしての、制御した温度および湿度の調節、空気乾燥および強制対流式オーブン内での調節によるエージングを行う、該硬化ステップと、
を有し、
前記水中で混合するステップ(a)において、前記高アルミナセメントは23〜27重量%であり、前記タビュラーアルミナは55〜60重量%であり、前記ガラス繊維は3.5〜4.5重量%であり、前記シリコーン樹脂(有効成分)は0.12〜0.19重量%であり、前記ポリアクリル酸電解質(有効成分)は0.11〜0.18重量%であり、残部は水であり、前記パーセントは生成したスラリの100重量部で計算されるものとした、調製方法。 - アルミナセメントと、タビュラーアルミナまたはコランダムとをベースとし、ガラス繊維で強化した、請求項9に記載の方法による強化複合材料を含む製造物を調製する方法において、前記ステップ(b)における前記成形型または容器はシリコーン材料であり、前記ステップ(a)で用いる前記シリカおよびジルコンをベースとするガラス繊維は5〜10mm長であり、前記ステップ(a)で用いる前記タビュラーアルミナまたはコランダムは0.4mm以下の粒度分布を有する、方法。
- 請求項10に記載の方法により得られた強化複合材料を含む製造物の使用方法において、噴出チャンバ用のプレート、高電圧接触器、耐アーク、耐高温および耐高電流の絶縁板用の噴出チャンバ、リブ付きアイソレータ、電気抵抗用ホルダー、さらに高温炉用コーティングおよび熱交換機用パイプとして使用する、方法。
- 請求項1〜7いずれか一項に記載の複合材料を使用する方法において、電気的および/または熱的なタイプの、耐火材料および/または絶縁材料として使用する、方法。
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