以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
実施の形態1
図2はこの発明の実施の形態1に係る画像形成装置としてのタンデム方式のフルカラープリンタを示すものである。なお、このタンデム方式のフルカラープリンタは、画像読取装置を備えており、フルカラーの複写機としても機能するように構成されているが、画像読取装置を備えていなくとも勿論良い。
図2において、1は画像形成装置の本体を示すものであり、この画像形成装置本体1の上部の一端(図示例では、左端)には、原稿2の画像を読み取る画像読取装置4が配置されている。この画像読取装置4は、原稿押え部材3によって押圧された状態でプラテンガラス5上に置かれた原稿2を光源6によって照明し、原稿2からの反射光像をフルレートミラー7及びハーフレートミラー8、9及び結像レンズ10からなる縮小光学系を介してCCD等からなる画像読取素子11上に走査露光することにより、画像読取素子11によって原稿2の画像を予め定められたドット密度で読み取るように構成されている。
上記画像読取装置4によって読み取られた原稿2の画像は、例えば、赤(R)、緑(G)、青(B)(各8bit)の3色の画像データとして画像処理装置12に送られ、この画像処理装置12では、原稿2の画像データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消し、色/移動編集等の予め定められた画像処理が施される。また、上記の如く画像処理装置12で予め定められた画像処理が施された画像データは、同じく画像処理装置12によってイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)(各8bit)の4色の画像データに変換される。なお、上記画像処理装置12に入力される画像データとしては、図示しない通信回線を介してパーソナルコンピュータ等から送られてくるものであっても勿論良い。
ところで、この実施の形態では、互いに色の異なるトナーを用いて画像を形成する複数の画像形成手段を備えるように構成されている。
すなわち、この実施の形態に係る画像形成装置本体1の内部には、図2に示すように、複数の画像形成手段として、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色に対応した画像形成部13Y、13M、13C、13Kが、水平方向に沿って一定の間隔をおいて並列的に配置されている。
これらの4つの画像形成部13Y、13M 、13C、13Kは、図2に示すように、使用するトナーの色を除いて、基本的にすべて同様に構成されており、大別して、矢印A方向に沿って予め定められた回転速度で駆動される像保持体としての感光体ドラム15と、この感光体ドラム15の表面を一様に帯電する一次帯電手段としてのスコロトロン16と、当該感光体ドラム15の表面に各色に対応した画像を露光して静電潜像を形成する潜像形成手段としての画像露光装置14と、感光体ドラム15上に形成された静電潜像を対応する色のトナーで現像する現像手段としての現像装置17と、クリーニング装置18とから構成されている。
上記画像露光装置14は、図2に示すように、半導体レーザ19を画像データに応じて変調し、この半導体レーザ19からレーザ光LBを画像データに応じて出射する。この半導体レーザ19から出射されたレーザ光LBは、反射ミラー20、21を介して回転多面鏡22によって偏向走査され、図示しないf−θレンズで走査角度に応じて焦点距離が調整された状態で、複数枚の反射ミラー23、24等を介して像保持体としての感光体ドラム15上に走査露光される。
上記画像処理装置12からは、イエロー(Y)、マゼンタ、シアン(C)、黒(K)の各色の画像形成部13Y、13M 、13C、13Kの画像露光装置14Y、14M 、14C、14Kに各色の画像データが順次出力される。これらの画像露光装置14Y、14M 、14C、14Kから画像データに応じて出射されるレーザ光LBは、対応する感光体ドラム15Y、15M 、15C、15Kの表面に主走査方向に沿って走査露光されて静電潜像が形成される。上記各感光体ドラム15Y、15M 、15C、15K上に形成された静電潜像は、現像装置17Y、17M 、17C、17Kによって、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像として現像される。
上記現像装置17Y、17M 、17C、17Kとしては、図3に示すように、例えば、現像装置本体170の内部にトナーとキャリアとからなる二成分の現像剤171を収容した二成分方式の現像装置が用いられる。上記現像装置本体170の内部には、予め定められたタイミングでトナーカートリッジ175Y〜175K(図2参照)からトナー補給装置176Y〜176Kによってトナーが補給され、現像装置本体170内のトナー濃度を予め定められた範囲内に維持するように構成されている。また、上記現像装置本体170の内部に供給されたトナーは、2本の現像剤攪拌搬送用のオーガ172、173によって現像装置本体170内の現像剤171と攪拌されて摩擦帯電され、循環移動する間に現像ロール174へ供給されるとともに、当該現像ロール174の表面に形成された現像剤171の磁気ブラシとして感光体ドラム15の表面と対向する現像領域へと搬送され、感光体ドラム15の表面に形成された静電潜像の現像に供される。
上記各画像形成部13Y、13M、13C、13Kの感光体ドラム15Y、15M、15C、15K上に、順次形成されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、図2に示すように、各画像形成部13Y、13M、13C、13Kの下方に配置された中間転写体としての中間転写ベルト25上に、一次転写ロール26Y、26M、26C、26Kによって互いに重ね合わせた状態で一次転写される。
上記中間転写ベルト25は、駆動ロール27と、張力付与ロール28と、従動ロール29と、従動ロール30と、二次転写部の背面支持ロール31と、従動ロール32からなる複数のロール間に予め定められた張力で掛け回されており、図示しない定速性に優れた専用の駆動モータによって回転駆動される駆動ロール27により、矢印B方向に沿って感光体ドラム15Y、15M、15C、15Kの回転速度(周速)と略等しい予め定められた速度で循環移動するように駆動される。上記中間転写ベルト25としては、例えば、可撓性を有するポリイミドやポリアミドイミド等の合成樹脂フィルムを無端ベルト状に形成したものが用いられる。
上記中間転写ベルト25上に多重に転写されたイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色のトナー像は、背面支持ロール31に中間転写ベルト25を介して圧接する二次転写ロール33によって記録媒体としての記録用紙34上に一括して二次転写され、これらの各色のトナー像が転写された記録用紙34は、二連の搬送ベルト35、36によって定着装置37へと搬送される。そして、上記各色のトナー像が転写された記録用紙34は、定着装置37の加熱ベルト38及び加圧ロール39によって熱及び圧力で定着処理を受け、片面プリントの場合には、そのまま画像形成装置本体1の外部に設けられた排出トレイ40上に排出される。
上記記録用紙34は、図2に示すように、例えば、複数の給紙トレイ41、42のうちの何れかから予め定められたサイズや材質のものが、給紙ローラ43及び用紙搬送用のローラ対44、45からなる用紙搬送経路46を介して、レジストロール47まで一旦搬送されて停止される。上記給紙トレイ41、42のうちの何れかから供給された記録用紙34は、所定のタイミングで回転駆動されるレジストロール47によって中間転写ベルト25の二次転写位置へと送り出される。
また、上記画像形成装置によって記録用紙34の両面に画像を形成する場合には、定着装置37によって片面に画像が定着された記録用紙34を、そのまま機外に排出せずに、図示しない切り替えゲートによって、記録用紙34の搬送経路を下方に切り替え、反転用の用紙搬送路48に一旦搬送する。そして、この反転用の用紙搬送路48に搬送された記録用紙34は、その搬送方向を反転した状態で、両面用の用紙搬送路49及び通常の用紙搬送経路46を介して、表裏が反転された状態で、再度、中間転写ベルト25の二次転写位置まで搬送され、裏面に画像が形成された後、定着装置37の加熱ベルト38及び加圧ロール39によって熱及び圧力で定着処理を受けて、画像形成装置本体1の外部に設けられた排出トレイ40上に排出される。
なお、トナー像の一次転写が終了した後の感光体ドラム16は、その表面がクリーニング装置18によって清掃される。また、トナー像の二次転写が終了した後の中間転写ベルト25は、その表面が駆動ロール27の近傍に配置されたベルトクリーニング装置50によって清掃される。
ところで、上記の如く構成される画像形成装置では、イエロー(Y)、マゼンタ、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13Y、13M 、13C、13Kのうち、少なくともいずれか1つの画像形成部13Y、13M 、13C、13Kにおいて、画像密度の高い画像が形成される頻度が高かったり、逆に、画像密度の低い画像が形成される頻度が高かったり、あるいは図4に示すように、画像密度の高い画像と画像密度の低い画像が交互に形成されたりすると、画像濃度(画像密度)現像装置17内へのトナー補給タイミングとがずれてしまい、該当する画像形成部13の現像装置17内のトナーが急激に消費されてしまって現像装置本体170内部に存在するトナーの量が極端に少なくなったり、該当する画像形成部13の現像装置17内のトナーが殆ど消費されずに現像装置本体170内部に滞留する時間が長くなり、供給されたトナーが十分に摩擦帯電されない状態で現像に使用されたり、トナーが過剰に摩擦帯電されて劣化してしまい、感光体ドラム15の表面に形成された静電潜像を現像するのに寄与するトナー以外にかぶりトナーの量が増加したり、感光体ドラム15の表面に形成された静電潜像を現像するのに寄与するトナーの量が減少し、画像濃度が不本位に上昇したり、低下するなど画質低下の原因となる。
そこで、この実施の形態に係る画像形成装置では、入力される画像データに応じて画像を形成する画像形成手段と、前記入力される画像データの画像量を演算する画像量演算手段と、前記画像量演算手段によって演算された前記画像データの画像量の推移に基づいて、前記画像形成手段における画像形成条件を制御する制御手段とを備えるように構成されている。
また、この実施の形態に係る画像形成装置では、入力される画像データに応じてトナーを用いて画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段にトナーを補給するトナー補給手段と、前記入力される画像データの画像量を演算する画像量演算手段と、前記画像量演算手段によって演算された前記画像データの画像量の推移に基づいて、少なくとも当該画像データに応じて静電潜像を前記画像形成手段によって画像を形成する際に、前記トナー補給手段によって補給するトナー量を制御する制御手段とを備えるように構成されている。
図5はこの実施の形態に係る画像形成装置の制御回路を示すブロック図である。
図5において、100は画像形成装置の画像形成動作を制御するCPUやMCU等からなる制御手段としての制御回路を示すものであり、この制御回路100は、例えば、ROM101に記憶されたプログラムに従って、NVRAM(不揮発性メモリ)102に記憶された制御データに基づき、透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13Y、13M、13C、13Kにおける各色のトナー像の画像形成条件を制御する制御手段としての機能を兼ね備えている。
また、符号、103は1ページの画像データ毎に画像データを一時記憶するハードディスク等からなるページメモリを示している。
また、13Y、13M、13C、13Kは、上述した透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部をそれぞれ示している。
上記制御回路100は、図6(a)に示すように、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kによって画像が形成される画像601、602、・・・の数をそれぞれ累積的に検出する累積画像数検出手段としての機能をも備えている。
上記画像形成装置では、図2に示すように、記録用紙34を給紙トレイ41や給紙トレイ42から給紙することにより、任意のサイズの記録用紙34に対して画像を形成することが可能となっているが、この実施の形態では、図6(b)に示すように、A4サイズの記録用紙34を相対的に長さが長く設定された一辺34aを先頭にして給紙(LEF:Long Edge Feed)するように設定された画像領域を基準となる画像パネル61として画像の数を計数するように構成されている。即ち、1つの画像パネル61が1つの画像60に対応している。ここでは簡略化のため、A4サイズ(LEF)の記録用紙以下のサイズの記録用紙34は、すべて画像パネル61の数を「1」として計数し、A4サイズ(LEF)の記録用紙よりも大きく最大サイズであるA3サイズまでの記録用紙34は、すべて画像パネル61の数を「2」として計数することとする。なお、これに限らず、画像の数は、A4サイズ(LEF)の記録用紙34を画像パネル「1」とし、他のサイズの記録用紙34は、その面積のA4サイズ(LEF)の記録用紙34に対する比に応じた係数を乗算して計数するように構成しても勿論良い。
また、上記制御回路100は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13Y、13M、13C、13Kにおいて、これから形成される複数の画像にわたる画像量を画像形成部13Y、13M、13C、13K毎に演算する画像量演算手段としても機能するように構成されている。ここで、上記これから形成される複数の画像にわたる画像量の推移データは、各画像形成部13Y、13M、13C、13Kの現像装置17Y、17M、17C、17Kにおいて消費されるトナーの量を評価するパラメータとしての意義を有している。
上記制御回路100は、図2に示すように、画像処理装置12から透明トナー(CT)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の各画像形成部13Y、13M、13C、13Kに出力される画像データに基づいて、当該各画像形成部13Y、13M、13C、13Kの画像露光装置14によって形成される画像の総画素数を、画像データのピクセル(画素)数を累積的に計数することによって求める。上記画像露光装置14では、図7に示すように、画像処理装置12から出力される画像データに基づいて、当該画像データの解像度に応じて1ドット毎に画像露光が施されるため、制御回路100は、画像処理装置12から出力される画像データのピクセル(画素)数を累積的に計数することで、1つの画像パネル61当たりの総画素数が求められる。
制御回路100は、図6に示すように、1枚目の画像60の総画素数(画像量)をK1、2枚目の画像60の総画素数をK2、・・・N枚目の画像60の総画素数をKNとすると、各画像形成部13Y、13M、13C、13Kによって今後形成される画像のうち、例えば、予め定められた数(例えば、64個)にわたって画像60が形成される画像パネル61の累積的な画素数K1、K2、・・・KN、・・・K64-1、K64を個別に計数する。
その際、制御回路100は、図7に示すように、感光体ドラム15の回転方向と交差する方向である主走査方向に沿った画像60の総画素数(画像量)を順次計数することにより求める。
さらに、上記制御回路100は、現像装置17Y、17M 、17C、17K内に補給するトナーの量を制御することにより、現像装置17Y、17M 、17C、17K内のトナー濃度を制御するとともに、各画像形成部13Y、13M、13C、13Kの画像形成条件を制御する制御手段としての機能をも備えている。
また、上記制御回路100は、画像データの画像量の推移データに基づいて、画像形成部13Y、13M、13C、13Kによって実行中の画像形成動作が終了した後に現像装置17の現像剤を強制的に消費する強制消費手段としても機能する。
この現像剤の強制的な消費動作は、図6(b)に示すように、条件を満たした画像形成部13CT、13Y、13M、13C、13Kによって、予め定められた画像濃度(例えば、50〜60%程度)で、中間転写ベルト25の移動方向に沿って予め定められた長さにわたりイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)、透明トナー(CT)及び予備(#)の各色の帯状のトナー像62Y、62M、62C、62K、62CT、62#(以下、「トナーバンド」という。)を形成し、当該トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#を中間転写ベルト25上に転写することによって行われる。上記トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#の形成動作は、基本的に通常の画像形成動作と同様の条件で実行されるが、トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#を形成可能なものであれば、通常の画像形成動作と異なる条件で実行しても勿論よい。なお、中間転写ベルト25上に転写されたトナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#は、記録用紙34を通紙しない状態で形成され、中間転写ベルト25のクリーニング装置50によって除去される。
上記トナーバンド62Y、62M、62C、62K、62CT、62#は、図6(b) に示すように、画像パネル61に相当して設定されたトナーバンド用のパネル63に、その現像装置17の長手方向における全幅において、感光体ドラム15の回転方向に沿って予め定められた長さLのトナー像を、予め定められた画像濃度(例えば、50〜60%)で形成するものである。なお、トナー像の長さLは、適宜設定できるように可変にしても良い。
そして、制御回路100は、各画像形成部13Y、13M、13C、13Kにおいて形成される各ページの画像に対応して、各ページの画像60の総画素数Kに対応した量のトナーを、各画像形成部13Y、13M、13C、13Kの現像装置17における現像動作に同期させてトナーカートリッジ175からトナー補給装置176によって補給するように構成されている。
以上の構成において、この実施の形態に係る画像形成装置では、次のようにして、画像データの画像量の推移データに基づいて、形成すべき画像の画像量を予め考慮してトナーを補給することにより、画像濃度を安定して制御することが可能となっている。
上記画像形成装置においては、図2に示すように、画像形成動作を実行するに際して、例えば、複数枚の原稿2の画像が画像読取装置4によって読み取られるか、又は図示しないパーソナルコンピュータ等から送られてくる複写動作やプリント動作を実行すべき一連の複数枚の原稿2の画像や画像データからなるジョブが画像処理装置12に入力される。
この画像処理装置12は、図5に示すように、一連の複数枚の原稿2の画像等からなる画像データが入力されると、これらの画像データを解釈してビットマップデータに変換し、1ページの画像データ毎にハードディスク等からなるページメモリ103に一時記憶する。
その際、上記画像処理装置12は、ページメモリに記憶された1ページ毎の画像データに基づいて、当該1ページ毎の画像データの画像量であるピクセル数をカウントし、1ページ毎の画像データの画像量を演算することにより求める。
例えば、上記1ページ毎の画像データがイエロー色の濃度100%のベタの画像データである場合には、図1に示すように、当該ページの画像データの画像密度は、イエロー色の画像密度が100%、マゼンタ色、シアン色、黒色の画像データの画像密度は、それぞれ0%となる。なお、画像密度と画像面積とを乗算したものが、1ページ当たりの画像量となる。
また、上記1ページ毎の画像データが黒色の濃度100%の文字画像のみからなる場合には、当該ページの画像データの画像密度は、黒色の画像密度が文字画像のピクセル数を合計した値となり、他のイエロー色、マゼンタ色、シアン色の画像データの画像密度は、それぞれ0%となる。
実際の各ページ毎の画像データは、イエロー色、マゼンタ色、シアン色、黒色の各画像データが混在するものであるが、画像データを解釈してビットマップデータに変換し、1ページの画像データ毎にページメモリに記憶する際に、当該ページの画像データの画像密度が、イエロー色、マゼンタ色、シアン色、黒色の各色毎に制御回路100によって演算により求められる。
通常、上記画像処理装置12は、画像形成装置で形成すべき画像の画像データを、画像形成動作を開始する前にページメモリに数10ページ〜数100ページ分だけ記憶することが可能に構成されている。
そのため、上記画像処理装置12は、ページメモリに記憶された画像データを解析することにより、画像形成装置によって形成すべき画像データのピクセルカウント値の推移データを、画像形成動作を開始する前に検出することが可能となっている。その際、上記画像処理装置12は、画像形成装置によって形成すべき画像データのピクセルカウント値の推移データを、ページ分にわたって画像形成動作を開始する前に検出している必要はなく、例えば、10〜20ページ分だけ検出するように構成しても良い。
また、上記画像形成装置の制御回路は、上記の如く画像処理装置12によって求められた画像形成装置によって形成すべき画像データのピクセルカウント値の推移データに基づいて、イエロー色、マゼンタ色、シアン色、黒色の各現像装置17Y、17M 、17C、17Kに供給するトナーの量を制御するように構成されている。
ただし、上記イエロー色、マゼンタ色、シアン色、黒色の各現像装置17Y、17M 、17C、17K内のトナーは、対応する感光体ドラム15Y、15M 、15C、15K上に形成される静電潜像を現像することによって始めて消費されるため、画像形成装置によって形成すべき画像データのピクセルカウント値の推移データが予め既知であっても、各現像装置17Y、17M 、17C、17K内にトナーを供給するタイミングは、画像データに応じた静電潜像が各現像装置17Y、17M 、17C、17Kによって現像されるタイミングに合わせる必要がある。
図1(a)は、画像形成装置によって形成すべき画像データの画像密度の推移データが、1枚目及び2枚目の画像データが、例えば、イエロー色の画像の画像密度が高画像密度100%で、3枚目及び4枚目の画像データが、イエロー色の画像の画像密度が低画像密度5%で、5枚目及び6枚目の画像データが、イエロー色の画像の画像密度が100%で、7枚目及び8枚目の画像データが、イエロー色の画像の画像密度が5%というように、記録用紙2枚毎に、イエロー色の画像の画像密度が高画像密度100%と低画像密度5%を繰り返す画像データである場合を示している。
このような画像データの推移データに対して、画像形成に使用されたトナー量を次のページの画像形成時に補給する従来のトナー補給動作の場合には、図4に示すように、1ページ目の画像密度が100%の画像を形成した後に、当該1ページ目の画像密度100%の画像に対応したトナーが、次の2ページ目の画像形成時に補給されるため、1ページ目の画像密度が100%の画像形成時に、現像装置17内のトナー量が急激に減少し、2ページ目の画像形成時には、現像装置17内のトナー量が予め定められたトナー量よりも少ない状態となり、画像濃度が低下することになる。
また、3ページ目の画像密度が5%の画像を形成する際に、現像装置17内に画像密度が100%の画像に対応したトナーが補給されてしまい、画像形成によるトナー消費と現像装置17内のトナー補給により、現像装置17内のトナーの入れ替えがほとんど無くなるため、現像装置17内のトナーの電荷量が予め定められた状態から上昇し、画像濃度の低下が発生する。
この実施の形態に係る画像形成装置では、図1(b)に示すように、1ページ目の画像密度が100%の画像形成動作に同期して、当該1ページ目の画像密度100%の画像に対応したトナーがトナー補給装置176によって補給され、同じく2ページ目の画像密度が100%の画像形成動作に同期して、当該2ページ目の画像密度100%の画像に対応したトナーが補給され、3ページ目及び4ページ目の画像密度が5%の画像の形成動作に同期して、当該3ページ目及び4ページ目の画像密度5%の画像に対応したトナーが補給される。
そのため、上記画像形成装置では、図8に示すように、画像密度が100%の画像と、画像密度5%の画像とを2ページずつ交互に形成する場合であっても、形成すべき画像60の画像密度に応じた量のトナーを現像装置17に補給することができ、良好な画質の画像を形成することができる。
なお、上述した実施の形態では、説明を簡略化するために、例えば、2ページ毎に形成すべき画像60の画像密度が変化する場合について説明したが、通常は、ユーザーによっては同程度の画像密度を連続して多数枚形成する場合があり、本発明が特に有効となる。
また、ユーザーによっては、画像密度が極端に異なる画像を1枚や2枚程度にわたって形成する場合にあるが、この場合には、現像装置17のトナー濃度が大きく変動することはないと考えられるため、従来通りの制御でもある程度の対応が可能である。
また、この実施の形態では、図9(a)に示すように、例えば、イエロー(Y)色の画像形成部13Yで形成する画像60の画像データが、1枚(ページ)目〜4枚目までが画像密度が10%であり、5枚目〜8枚目の画像密度が100%程度、9枚目〜15枚目の画像密度が10%程度、16枚目〜18枚目までが画像密度が100%、19枚目及び120目の画像密度が10%程度であるとする。
この場合、制御回路100は、図9(b)に示すように、1枚目〜4枚目まではイエロー色の現像装置17にトナーを少量しか補給せず、5枚目〜8枚目の画像密度が100%程度の画像60の形成動作に同期して、当該5枚目〜8枚目の画像密度が100%程度の画像60に対応した大量のトナーが補給され、9枚目〜15枚目の画像密度が10%程度の画像60の形成動作に同期して、当該9枚目〜15枚目の画像密度が10%程度の画像60に対応したトナーが少量補給される。
そのため、上記画像形成装置では、図9(a)に示すように、画像密度が10%程度の密度が低い画像と、画像密度が100%と最高濃度の画像とが、複数枚ずつ交互に形成されるような場合であっても、良好な画質の画像を形成することができる。
さらに、この実施の形態では、図10(a)に示すように形成すべき画像の画像密度が不規則に変化した場合であっても、図10(d)に示すように、形成すべき画像の画像密度に対応したトナーの補給量を、前後の画像にわたって分割して補給することにより、現像装置17のトナー濃度を形成すべき画像に対応して最適に制御することが可能となる。
すなわち、図10(a)に示す例では、1枚目〜5枚目まで画像密度が0%であり、上述した制御動作では、図10(b)に示すようにトナーが補給されないのに対して、6枚目及び7枚目の画像密度が75%程度と高く、当該6枚目等の画像密度が75%程度と高い画像の形成に同期させて、現像装置17にトナーを補給しても、トナーの補給が間に合わない虞れがある。
そこで、この実施の形態では、図10(c)(d)に示すように、6枚目の画像密度が75%程度と高い画像の形成に先立って、5枚目に画像密度が75%の画像の1/4に対応した量のトナーを予め補給しておき、6枚目の画像密度が75%程度の画像を形成する際に、画像密度が75%の画像の1/2に対応した量のトナーを補給し、7枚目の画像密度が75%程度の画像を形成する際に、6枚目に画像密度が75%の画像の1/4に対応した量のトナーを事後的に補給する。
このように、形成すべき画像の画像密度に対応したトナーを、形成すべき画像の前後に分割して補給することにより、より一層形成すべき画像の画像密度の変動に対応したトナーの補給が可能となる。
この場合、N枚目の画像に対応したトナーの補給量をTとすると、制御回路100は、N枚目の画像に対応したトナーの補給量Tを、当該N枚目の画像を含む前後の複数ページにわたる画像、即ち、N−1枚目の画像に対応した補給量と、N枚目の画像に対応した補給量と、N+1枚目の画像に対応した補給量とに分割して補給するように制御する。
その際、制御回路100は、N−1枚目の画像に対応した補給量の割合を、N枚目の画像に対応したトナー補給量Tのα%(例えば、25%)、N枚目の画像に対応した補給量の割合を、N枚目の画像に対応したトナー補給量Tのβ%(例50%)、N+1枚目の画像に対応した補給量の割合を、N枚目の画像に対応したトナー補給量Tのγ%(例えば、25%)となるように分割する。なお、α%+β%+γ%の合計は、100%となるように設定されるが、これらの分割した割合(α、β、γ)の合計は、必ずしも100%ではなくとも良く、100%以上であっても、100%未満であっても良い。
また、分割する数も前後を含む3つに限定されるものではなく、前後に複数にわたって分割しても良く、又、前後に分割する数が等しくなくとも良い。
実施の形態2
図11はこの発明の実施の形態2を示すものであり、前記実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付して説明すると、この実施の形態2では、入力される画像データに応じて画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段における画像形成条件を変更する変更手段と、前記入力される画像データの画像量を演算する画像量演算手段と、前記画像量演算手段によって演算された前記画像データの画像量の推移に基づいて、前記変更手段によって変更される画像形成条件を制御する制御手段とを備えるように構成されている。
すなわち、この実施の形態2では、図11に示すように、例えば、画像密度が高い画像が連続して形成される場合には、現像装置17のトナー濃度が大きく変動し易いため、予め定められた画像密度以上の画像が、予め定められた枚数以上連続して形成される場合には、10枚毎や20枚毎というように、通常よりも短いインターバルでパッチを形成して当該パッチの濃度を検知して画像形成条件を制御する動作を実行するように構成されている。
こうすることによって、この実施の形態2では、画像形成条件を安定して制御することができる。
その他の構成及び動作は、前記実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。