JP5674524B2 - 温度推定装置及び温度推定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、モータを備える電子機器を構成する機器構成部材の温度を推定する温度推定装置及び温度推定方法に関する。
従来、モータを備える電子機器として、例えば特許文献1に記載される電動パワーステアリング装置が提案されている。この特許文献1には、モータの温度を検出するためのセンサを用いることなく、モータの温度上昇量の推定値を演算する方法が開示されている。具体的には、以下に示す関係式(式1)に基づきモータの温度上昇量の推定値(Δθ)が演算される。そして、このように演算された温度上昇量の推定値(Δθ)をモータの駆動開始前の温度に対して加算することにより、モータの温度推定値が取得される。
Figure 0005674524

ただし、Δθ…温度上昇量の推定値、HTA…モータの駆動時における損失電力、TRS…モータの熱抵抗、t…モータの駆動時間、T…モータの熱時定数
特開2002−34283号公報
ところで、特許文献1に記載の推定方法では、モータに対する負荷の大きさに関係なくモータの熱時定数(T)が一定値であることを前提として、モータの温度上昇量の推定値(Δθ)が演算される。しかしながら、実際には、モータに対する負荷の大きさによって、モータの熱時定数(T)を異なる値に設定する必要がある。図8(a)(b)(c)(d)は、モータの温度上昇量の推定値(Δθ)と駆動時間(t)との関係と、実際の温度上昇量と駆動時間(t)との関係とを示すグラフである。なお、駆動するモータに対する負荷においては、図8(a)の場合が最も小さく、図8(b)の場合が2番目に小さく、図8(c)の場合が3番目に小さく、図8(d)の場合が最も大きい。
図8(a)(b)(c)(d)に示すように、モータに対する負荷が小さく温度上昇量の推定値(Δθ)が少ない場合、実測値と推定値との差は小さい。しかし、モータに対する負荷が大きくなり、温度上昇量の推定値(Δθ)が多い場合、実測値と推定値との差が大きくなる。そのため、熱時定数(T)をモータに対する負荷に応じた適切な値に設定すれば、モータの温度を精度良く推定できる。
しかしながら、熱時定数(T)を負荷に応じた値にしたとしても、モータの駆動途中で負荷が変化する場合には、温度上昇量の推定値(Δθ)が正確に演算されない。図9は、モータの駆動中のタイミングt11で、該モータに対する負荷が第1の負荷から第2の負荷(>第1の負荷)になった場合の温度上昇量の推定値(Δθ)とモータの駆動時間(t)との関係を示すグラフである。負荷が途中から大きくなる場合には、モータでの発熱量が多くなるため、モータの温度上昇量は徐々に大きくなる。しかしながら、熱時定数(T)を上記タイミングt11で第1の負荷用の値から第2の負荷用の値に変更したとすると、温度上昇量の推定値(Δθ)は、タイミングt11で急激に大きくなる。つまり、負荷に応じた熱時定数(T)を設定したとしても、負荷の変化に起因してモータの温度が徐々に変化する過程では、該モータの温度を適切に推定することができない。
このように温度推定値の精度が良くない場合には、モータの故障を防止するための制限制御の開始判定用の閾値を低めに設定しなければならない。このように閾値を低めに設定すると、本来はモータを安全に駆動させることができるにも拘わらず、制限制御が早めに開始されるおそれがある。なお、制限制御とは、一定期間の間、モータの駆動を禁止したり、モータの駆動速度を遅くしたりする制御のことである。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。その目的は、モータを備える電子機器を構成する機器構成部材の温度の推定精度を向上させることができる温度推定装置及び温度推定方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、モータ(20)とそのヨーク(21)を介してモータ(20)が取り付けられるハウジング(30)とを備える電子機器(12)を構成する機器構成部材(21,22,240,241,242,25,26,28,29A,30)のうち前記ハウジング(30)の温度を、予め設定された周期毎に推定する温度推定装置であって、前記電子機器(12)は、車両に搭載される車輪(11)に対する制動力を調整するものであり、前記ハウジング(30)内には、前記車輪(11)に対する制動力を調整すべく作動する電磁弁(31)と、前記モータ(20)を駆動源とするポンプ(32)と、前記電磁弁(31)及び前記ポンプ(32)の設けられる液圧回路とが設けられており、前記モータ(20)に入力される入力エネルギに相当する入力エネルギ相当値(Pin)と前記モータ(20)から出力される出力エネルギに相当する出力エネルギ相当値(Pout)との差分に基づき、前記モータ(20)の発熱量(Ein)を演算する発熱量演算手段(533、S13)と、前記ハウジング(30)の前回の温度推定値(Th(n−1))と前記電子機器(12)の設置環境の雰囲気温度(Tf)との差分と、前記ハウジング(30)の熱特性を示す熱係数(A)とに基づき、前記ハウジング(30)からの放熱量(Eout_H)を演算する放熱量演算手段(535、S15)と、前記各演算手段(533,535、S13,S15)によって演算された発熱量(Ein)と放熱量(Eout_H)との差分に基づき前記ハウジング(30)の温度上昇量(ΔTh(n))を取得し、該温度上昇量(ΔTh(n))と前記ハウジング(30)の前回の温度推定値(Th(n−1))とに基づき前記ハウジング(30)の今回の温度推定値(Th(n))を演算する推定値演算手段(536,537、S16,S17)と、を備えることを要旨とする。
上記構成によれば、モータの発熱量は、モータに入力される入力エネルギに相当する入力エネルギ相当値とモータから出力される出力エネルギに相当する出力エネルギ相当値とを用いて演算される。また、ハウジングからの放熱量は、ハウジングの前回の温度推定値と雰囲気温度との差分を、ハウジングの熱特性を示す熱係数で除算することにより取得される。この熱係数を精度良く設定しておくことにより、放熱量の推定精度を向上させることができる。
そして、このようにして演算されたモータの発熱量とハウジングからの放熱量との差分に基づき、前回のタイミングと今回のタイミングとの間でのハウジングの温度上昇量が取得される。その結果、その時点での発熱量及び放熱量を加味した値に温度上昇量が設定されるため、温度上昇量をモータの熱時定数を用いて演算する従来の場合とは異なり、モータに対する負荷の大きさや負荷の変動に起因した温度上昇量の推定精度のばらつきが低く抑えられる。したがって、精度の良い温度上昇量を用いることにより、モータを備える電子機器を構成する機器構成部材(ハウジング)の温度の推定精度を向上させることができる。
なお、モータの発熱量を演算する方法としては、モータに供給される電流値を2乗した値に所定の比例定数を乗算する方法も考えられる。この方法では、モータからのアウトプットを利用しない一方で、モータに対するインプット(即ち、電流値)を利用して、モータの発熱量が演算される。この場合、モータの駆動トルクが変動するような状況では、発熱量の推定精度にばらつきが生じるおそれがある。この点、本発明では、モータからの発熱エネルギに相当する発熱エネルギ相当値と、モータに入力される入力エネルギに相当する入力エネルギ相当値とを用いて、発熱量が演算される。つまり、本発明では、モータに対するインプットだけではなくモータからのアウトプットも利用して、モータの発熱量が演算される。したがって、モータの駆動トルクに変動が生じる場合であっても、モータの発熱量を精度良く推定でき、ひいてはハウジングの温度の推定精度を向上させることができる。
電磁弁の作動特性が自身の温度によって多少変化する場合、電磁弁の温度を推定し、その推定値に基づき電磁弁に供給する電力値を調整することが好ましい。本発明では、電磁弁は、ハウジング内に配置されている。そのため、ハウジングにおいて電磁弁周辺の部位の温度を正確に推定できれば、該推定結果に基づいた電磁弁の制御を行うことにより、該電磁弁を、より適切に作動させることができる。すなわち、車輪に対する制動力を、適切に調整することができる。
本発明は、モータ(20)とそのヨーク(21)を介してモータ(20)が取り付けられるハウジング(30)とを備える電子機器(12)を構成する機器構成部材(21,22,240,241,242,25,26,28,29A,30)のうち前記ハウジング(30)の温度を、予め設定された周期毎に推定させるための温度推定方法であって、前記電子機器(12)は、車両に搭載される車輪(11)に対する制動力を調整するものであり、前記ハウジング(30)内には、前記車輪(11)に対する制動力を調整すべく作動する電磁弁(31)と、前記モータ(20)を駆動源とするポンプ(32)と、前記電磁弁(31)及び前記ポンプ(32)の設けられる液圧回路とが設けられており、前記モータ(20)に入力される入力エネルギに相当する入力エネルギ相当値(Pin)と前記モータ(20)から出力される出力エネルギに相当する出力エネルギ相当値(Pout)との差分に基づき、前記モータ(20)の発熱量(Ein)を演算させる発熱量演算ステップ(S13)と、前記ハウジング(30)の前回の温度推定値(Th(n−1))と前記電子機器(12)の設置環境の雰囲気温度(Tf)との差分と、前記ハウジング(30)の熱特性を示す熱係数(A)とに基づき、前記ハウジング(30)からの放熱量(Eout_H)を演算させる放熱量演算ステップ(S15)と、前記各演算ステップ(S13,S15)で演算した発熱量(Ein)と放熱量(Eout_H)との差分に基づき前記ハウジング(30)の温度上昇量(ΔTh(n))を取得させ、該温度上昇量(ΔTh(n))と前記ハウジング(30)の前回の温度推定値(Th(n−1))とに基づき前記ハウジング(30)の今回の温度推定値(Th(n))を演算させる推定値演算ステップ(S16,S17)と、を有することを要旨とする。
上記構成によれば、上記温度推定装置と同等の作用・効果を得ることができる。
なお、本発明をわかりやすく説明するために実施形態を示す図面の符号に対応づけて説明したが、本発明が実施形態に限定されるものではないことは言うまでもない。
本発明の温度推定装置を備える電子機器の一実施形態であるブレーキハイドロユニットを説明する断面図。 ブレーキハイドロユニットの概略構成を説明するブロック図。 本実施形態における温度推定処理ルーチンを説明するフローチャート。 対象部材の発熱エネルギ速度と温度上昇量との関係を示すグラフ。 モータのブラシの温度の実測値と温度推定値との比較を説明するグラフ。 モータのヨークの温度の実測値と温度推定値との比較を説明するグラフ。 ハウジングの温度の実測値と温度推定値との比較を説明するグラフ。 (a)(b)(c)(d)は従来の推定方法で演算したモータの温度上昇量の推定値とモータの駆動時間との関係と、温度上昇量の実測値とモータの駆動時間との関係とを説明するグラフ。 モータの駆動中に該モータに対する負荷が変化した場合のモータの温度上昇量の推定値とモータの駆動時間との関係を説明するグラフ。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図7に従って説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態の電子機器は、車両に搭載される車輪11に対する制動力を調整すべく駆動するブレーキハイドロユニット12である。このブレーキハイドロユニット12は、モータ20と、該モータ20が取り付けられる略直方体状のハウジング(機器構成部材)30と、該ハウジング30においてモータ20の取り付け位置とは異なる位置(本実施形態では、反対側の位置)に固定される収容ケース40とを備えている。
本実施形態のモータ20は、ブラシ付きの直流モータである。こうしたモータ20は、ハウジング30側に開口する有底略円筒状のヨーク(機器構成部材)21と、ヨーク21の開口部を閉塞する板状のエンドプレート(機器構成部材)22と、ヨーク21及びエンドプレート22によって形成された内部空間23に配置されるロータ24とを備えている。ヨーク21は、内部空間23で発生する磁気の外部への漏れを抑制する金属で構成されている。こうしたヨーク21の内周面には、周方向に沿って等間隔に複数の磁石(機器構成部材)25が固定されている。また、ヨーク21の底部の略中央には、軸受(機器構成部材)26が収容される軸受保持部210が一体的に形成されている。こうしたヨーク21は、複数(図1では2つのみ図示)のボルト27によってハウジング30に固定される。つまり、モータ20は、ヨーク21を介してハウジング30に取り付けられる。
エンドプレート22は、合成樹脂によって構成されている。こうしたエンドプレート22の中央には、板厚方向に貫く貫通孔220が形成されている。また、エンドプレート22には、ロータ24に摺接する複数のブラシ(機器構成部材)28を保持するブラシホルダ29が一体的に形成されている。このブラシホルダ29は、ブラシ28の径方向外側に配置される付勢部材(機器構成部材)29Aを介してブラシ28を保持している。すなわち、ブラシ28は、付勢部材29Aによって径方向内側に付勢されている。
ロータ24の電機子240は、ヨーク21に固定された磁石25に対向して配置されている。こうした電機子240は、コア(機器構成部材)240aと、該コア240aに巻回された複数の電機子コイル(機器構成部材)240bとを有している。ロータ24の出力軸(機器構成部材)241は、軸受保持部210内に収容された軸受26を介して回転自在な状態でヨーク21に支持されている。こうした出力軸241に、電機子240が固定されている。また、出力軸241は、エンドプレート22に形成された貫通孔220を貫いてハウジング30内に突出している。ロータ24の整流子(機器構成部材)242は、出力軸241において電機子240よりもハウジング30側の部分に固定されている。こうした整流子242の外周には、電機子コイル240bに電気的に接続された複数の整流子片242aが周方向に沿って等間隔で配設されている。
各ブラシ28は、整流子242の径方向外側に配置されている。こうした各ブラシ28は、整流子242の整流子片242aに摺接している。そして、ブラシ28からは、整流子片242aを介して電機子コイル240bに電流が供給される。
ハウジング30は、重量及び剛性の観点で優れた材料(例えば、アルミニウムなどの金属)で構成されている。こうしたハウジング30内には、車輪11に対する制動力を調整するための各種電磁弁31及びモータ20を駆動源とする駆動部の一例としてのポンプ32などが収容されている。そして、各種電磁弁31及びポンプ32の作動によって、車両の車輪11に設けられたホイールシリンダ33内の液圧が調整される。その結果、車輪11には、ホイールシリンダ33の液圧に応じた制動力が付与される。
収容ケース40内には、回路基板41が収容されている。この回路基板41には、図2に示すように、CPU、ROM及びRAMなどで構成される制御装置50と、回路基板41の温度を検出するための温度センサSE1と、電磁弁31やモータ20を駆動させるための各種ドライバー回路(図示略)となどが設けられている。
次に、本実施形態の制御装置50について図2を参照して説明する。
図2に示すように、制御装置50は、ソフトウエアによって構築される機能部として、モータ20の制御を司るモータ制御部51、各種電磁弁31の制御を司る電磁弁制御部52及び温度推定装置の一例としての温度推定部53を備えている。
モータ制御部51には、モータ20に流れる電流値を検出するための電流センサ(図示略)と、モータ20に印加される電圧値を検出するための電圧センサ(図示略)とが電気的に接続されている。そして、モータ制御部51は、モータ20の制御時に、各センサからの検出信号に基づき、モータ20に流れる電流値Imと、モータ20に印加される電圧値Vmとを取得する。そして、モータ制御部51は、取得した電流値Im及び電圧値Vmを特定するための入力情報を温度推定部53に出力する。
また、モータ制御部51には、温度推定部53によって演算されたモータ20のブラシ28の温度推定値Tb(n)を特定するための温度情報が入力される。そして、モータ制御部51は、入力された温度情報で特定される温度推定値Tb(n)が、モータ20が過熱状態であるか否かを判断するために予め設定された温度閾値以上であるか否かを判定する。モータ制御部51は、温度推定値Tb(n)が温度閾値未満である場合にはモータ20の制御を継続する一方、温度推定値Tb(n)が温度閾値以上である場合にはモータ20の駆動を制限する制限制御を行う。なお、制限制御としては、例えば、一定期間の間、モータ20の駆動を禁止する制御、規定速度以上でのモータ20の駆動を規制する制御などが挙げられる。
電磁弁制御部52には、温度推定部53によって演算されたハウジング30の温度推定値Th(n)を特定するための温度情報が入力される。本実施形態では、詳しくは後述するが、温度推定部53では、ハウジング30において電磁弁31近傍の部位の温度が推定される。すなわち、電磁弁制御部52に入力される温度情報によって特定される温度推定値Th(n)は、ハウジング30において電磁弁31近傍の部位の温度推定値である。そして、電磁弁制御部52は、入力された温度情報で特定されるハウジング30の温度推定値Th(n)に基づき、電磁弁31に流す電流値を設定する。すなわち、電磁弁31に流す電流値は、ハウジング30の温度推定値Th(n)によって補正される。
温度推定部53は、ブレーキハイドロユニット12を構成する複数の機器構成部材のうち少なくとも一部の機器構成部材(対象部材)の温度を推定する。本実施形態では、温度推定部53は、モータ20のブラシ28、ヨーク21及びハウジング30の温度推定値Tb(n),Ty(n),Th(n)を、対象部材の温度推定値Tm(n)として演算する。こうした温度推定部53は、機能部として、入力電力演算部531、出力電力演算部532、発熱エネルギ演算部533、雰囲気温度演算部534、放熱エネルギ演算部535、温度上昇量演算部536、温度推定値演算部537及び温度推定値記憶部538を有している。
入力電力演算部531は、モータ20に入力される入力エネルギに相当する入力エネルギ相当値の一例として、モータ20に入力される入力電力Pinを演算する。具体的には、入力電力演算部531は、モータ制御部51からの入力情報で特定される電流値Im及び電圧値Vmを下記の関係式(式2)に代入することにより、入力電力Pinを演算する。そして、入力電力演算部531は、演算した入力電力Pinを発熱エネルギ演算部533に出力する。
Figure 0005674524

出力電力演算部532は、モータ20から出力される出力エネルギに相当する出力エネルギ相当値の一例として、モータ20から出力される出力電力Poutを演算する。具体的には、出力電力演算部532は、モータ制御部51からの入力情報で特定される電流値Imに含まれるリップル(即ち、周期的な変動)の周期等に基づき、モータ20の回転数N及び駆動トルクTを推定する。続いて、出力電力演算部532は、モータ20の出力軸241の回転数N及びモータ20の駆動トルクTを下記の関係式(式3)に代入することにより、出力電力Poutを演算する。そして、出力電力演算部532は、演算した出力電力Poutを発熱エネルギ演算部533に出力する。
Figure 0005674524

発熱エネルギ演算部533は、モータ20の単位時間あたりの発熱量である発熱エネルギ速度Einを演算する。この発熱エネルギ速度Einの単位は、「J/s(ジュール/秒)」である。具体的には、発熱エネルギ演算部533は、入力電力演算部531で演算された入力電力Pinから、出力電力演算部532で演算された出力電力Poutを減算し、該減算結果(=Pin−Pout)をモータ20の発熱エネルギ速度Einとする。本実施形態では、モータ20の単位時間あたりの発熱量のことを、「J(ジュール)」を「時間(秒)」で除算した値であることを明確にするために「発熱エネルギ速度」と称する。そして、発熱エネルギ演算部533は、演算した発熱エネルギ速度Einを温度上昇量演算部536に出力する。したがって、本実施形態では、発熱エネルギ演算部533が、入力電力Pinと出力電力Poutとの差分(=Pin−Pout)に基づき、モータ20の発熱エネルギ速度Einを演算する発熱量演算手段として機能する。
雰囲気温度演算部534は、回路基板41に設けられた温度センサSE1からの検出信号に基づき、収容ケース40内の温度を検出すると共に、該収容ケース40内の温度に基づきモータ20の設置環境の雰囲気温度Tfを推定する。例えば、雰囲気温度演算部534は、検出した収容ケース40内の温度に予め設定されたオフセット値を加算し、該値を雰囲気温度Tfとする。オフセット値は、収容ケース40内とモータ20の周辺との温度差に相当する値であって、実験やシミュレーションなどによって設定される。そして、雰囲気温度演算部534は、演算した雰囲気温度Tfを放熱エネルギ演算部535に出力する。したがって、本実施形態では、雰囲気温度演算部534が、雰囲気温度取得手段として機能する。
放熱エネルギ演算部535は、対象部材から放出される単位時間あたりの放熱量である放熱エネルギ速度Eoutを演算する。この放熱エネルギ速度Eoutの単位は、「J/s(ジュール/秒)」である。具体的には、放熱エネルギ演算部535は、前回のタイミングで演算した対象部材の温度推定値Tm(n−1)を温度推定値記憶部538から読み出す。そして、放熱エネルギ演算部535は、対象部材の前回の温度推定値Tm(n−1)、雰囲気温度演算部534によって演算された雰囲気温度Tf及び対象部材の熱特性を示す熱係数Aを下記の関係式(式3)に代入することにより、対象部材からの放熱エネルギ速度Eoutを演算する。続いて、放熱エネルギ演算部535は、演算した対象部材からの放熱エネルギ速度Eoutを温度上昇量演算部536に出力する。したがって、本実施形態では、放熱エネルギ演算部535が、対象部材の前回の温度推定値Tm(n−1)と雰囲気温度Tfとの差分と、対象部材の熱特性を示す熱係数Aとに基づき、対象部材からの放熱エネルギ速度Eoutを演算する放熱量演算手段として機能する。本実施形態では、対象部材から放出される単位時間あたりの放熱量のことを、「J(ジュール)」を「時間(秒)」で除算した値であることを明確にするために「放熱エネルギ速度」と称する。
Figure 0005674524

ここで、対象部材の熱特性を示す熱係数Aについて、図4を参照して説明する。熱係数Aとは、図4に示す対象部材に伝達された発熱エネルギ速度と、対象部材の温度上昇量の増加量との関係(図4における各直線の傾き)を示す係数である。
図4に示すグラフは、以下に説明するようにして作成される。
まず始めに、規定の温度雰囲気(例えば、30℃)の基で、対象部材に温度センサを取り付けると共に、モータ20の回転数N及び駆動トルクTを計測できる状態にしてモータ20が駆動される。このとき、モータ20には、所定の電流値Im、電圧値Vmが与えられる。こうしたモータ20の駆動により、発熱エネルギ速度のほうが放熱エネルギ速度よりも大きい間では、対象部材の温度が上昇する。しかし、対象部材の温度が上昇すると、次第に放熱エネルギ速度が大きくなり、対象部材の温度上昇速度が低下する。そして、発熱エネルギ速度と放熱エネルギ速度とが釣り合うようになると、対象部材の温度が変化しない状態になる。その後、モータ20に与えられる電流値Im、電圧値Vmを上記関係式(式2)に代入することにより、モータ20に対する入力電力Pinが演算され、上記関係式(式3)に基づき、モータ20からの出力電力Poutが演算され、さらに、温度センサからの検出信号に基づき対象部材の温度が検出される。
そして、対象部材の温度が変化しない状態になってから演算された入力電力Pinから出力電力Poutを減算することにより、モータ20の発熱エネルギ速度Einが演算される。このように演算されたモータ20の発熱エネルギ速度Einと、モータ20の駆動を開始させてからの対象部材の温度上昇量とが計測結果として取得される。こうした計測結果は、モータ20に対する入力電力Pinを変更して複数取得される。そして、取得された複数の計測結果をプロットすることにより、図4に示すグラフが作成される。
なお、対象部材の温度が変化しない状態とは、モータ20の発熱エネルギ速度Einと対象部材からの放熱エネルギ速度Eoutとが釣り合っている状態である。そのため、対象部材の温度が変化しない状態で演算された入力電力Pin及び出力電力Poutに基づいたモータ20の発熱エネルギ速度Einは、この時点での対象部材からの放熱エネルギ速度Eoutと言い換えてもよい。つまり、図4に示すグラフは、対象部材からの放熱エネルギ速度Eoutと対象部材の温度上昇量との関係を説明するグラフでもある。
図4からも明らかなように、対象部材の一例であるブラシ28の温度上昇量は、モータ20の発熱エネルギ速度Einの値が大きいほど多い。しかも、ブラシ28の温度上昇量と発熱エネルギ速度Einとの間には、比例関係がある。つまり、ブラシ28の温度上昇量と発熱エネルギ速度Einとの関係は、一次関数で示される。図4では、温度上昇量と発熱エネルギ速度Einとの関係を示す一次関数は、第1の直線S1で示されている。そして、この第1の直線S1を示す式の傾きが、ブラシ28の熱係数Aに相当する。
同様に、対象部材の一例であるヨーク21の温度上昇量とモータ20の発熱エネルギ速度Einとの間には、比例関係がある。つまり、ヨーク21の温度上昇量と発熱エネルギ速度Einとの関係は、一次関数で示される。図4では、ヨーク21の温度上昇量と発熱エネルギ速度Einとの関係を示す一次関数は、第2の直線S2で示されている。そして、この第2の直線S2を示す式の傾きが、ヨーク21の熱係数Aに相当する。
同様に、対象部材の一例であるハウジング30の温度上昇量とモータ20の発熱エネルギ速度Einとの間には、比例関係がある。つまり、ハウジング30の温度上昇量と発熱エネルギ速度Einとの関係は、一次関数で示される。図4では、ハウジング30の温度上昇量と発熱エネルギ速度Einとの関係を示す一次関数は、第3の直線S3で示されている。そして、この第3の直線S3を示す式の傾きが、ハウジング30の熱係数Aに相当する。
本実施形態では、対象部材であるブラシ28、ヨーク21及びハウジング30のうち、ブラシ28の熱係数Aが最も大きく、ヨーク21の熱係数Aが二番目に大きく、ハウジング30の熱係数Aが最も小さい。これは、対象部材を構成する材質、対象部材の体積、モータ20と対象部材との距離などによって決まるためである(図1参照)。そして、このように取得された各部材の熱係数Aは、予め用意されている。
図2に示すように、温度上昇量演算部536は、対象部材の単位時間あたりの温度上昇量の推定値である温度上昇速度ΔTm(n)を演算する。具体的には、温度上昇量演算部536は、発熱エネルギ演算部533で演算された発熱エネルギ速度Einと、放熱エネルギ演算部535で演算された放熱エネルギ速度Eoutとを下記の関係式(式5)に代入することにより、対象部材の温度上昇速度ΔTm(n)を演算する。そして、温度上昇量演算部536は、演算した温度上昇速度ΔTm(n)を温度推定値演算部537に出力する。関係式(式5)における係数Kは、「1J(ジュール)」当りの温度上昇量を示す定数であって、対象部材でのエネルギの出入りによって該対象部材の温度がどのように変化するかを示す比例定数である。すなわち、ブラシ28、ヨーク21及びハウジング30のうち、ブラシ28用の係数Kが最も大きく、ヨーク21用の係数Kが二番目に大きく、ハウジング30の係数Kが最も小さい(図1参照)。
Figure 0005674524

温度推定値演算部537は、対象部材の今回の温度推定値Tm(n)を演算する。具体的には、温度推定値演算部537は、温度上昇量演算部536で演算された温度上昇速度ΔTm(n)と、温度推定値記憶部538に記憶される対象部材の前回の温度推定値Tm(n−1)とを下記の関係式(式6)に代入することにより、対象部材の今回の温度推定値Tm(n)を演算する。関係式(式6)における時間tsは、温度推定値Tmの演算間隔に相当する時間である。つまり、関係式(式6)における「ΔTm(n)・ts」は、所定周期に相当する時間での対象部材の温度上昇量に相当する。したがって、本実施形態では、温度上昇量演算部536及び温度推定値演算部537により、対象部材の今回の温度推定値Tm(n)を推定する推定値演算手段が構成される。そして、温度推定値演算部537は、演算した対象部材の今回の温度推定値Tm(n)を温度推定値記憶部538に記憶する。
Figure 0005674524

次に、モータ20のブラシ28、ヨーク21及びハウジング30の温度を推定するための温度推定処理ルーチンについて、図3に示すフローチャートを参照して説明する。この温度推定処理ルーチンは、予め設定された所定周期毎に実行される処理ルーチンである。なお、所定周期は、上記関係式(式6)における時間tsと一致している。
さて、温度推定処理ルーチンにおいて、温度推定部53は、回数nを「1」だけインクリメントする(ステップS10)。続いて、温度推定部53は、上記関係式(式2)を用いてモータ20への入力電力Pinを演算し(ステップS11)、上記関係式(式3)を用いてモータ20からの出力電力Poutを演算する(ステップS12)。すなわち、ステップS11では、モータ20に流れる電流値Imとモータ20に印加される電圧値Vmとを乗算することにより、入力電力Pinが導き出される。また、ステップS12では、モータ20の回転数Nと駆動トルクTと定数(=0.14796)とを乗算することにより、出力電力Poutが導き出される。
そして、温度推定部53は、ステップS11で演算した入力電力PinからステップS12で演算した出力電力Poutを減算してモータ20からの発熱エネルギ速度Ein(=Pin−Pout)を演算する(ステップS13)。したがって、本実施形態では、ステップS13が、発熱量演算ステップに相当する。続いて、温度推定部53は、モータ20の設置環境の雰囲気温度Tfを取得する(ステップS14)。
そして、温度推定部53は、上記関係式(式4)を用い、ブラシ28からの放熱エネルギ速度Eout_B、ヨーク21からの放熱エネルギ速度Eout_Y及びハウジング30からの放熱エネルギ速度Eout_Hを演算する(ステップS15)。すなわち、ブラシ(第1の対象部材)28の前回の温度推定値Tb(n−1)から雰囲気温度Tfを減算し、該減算値(=(Tb(n−1)−Tf))をブラシ28の熱特性を示す熱係数Aで除算することにより、ブラシ28の放熱エネルギ速度Eout_Bが導き出される。また、ヨーク(第2の対象部材)21の前回の温度推定値Ty(n−1)から雰囲気温度Tfを減算し、該減算値(=(Ty(n−1)−Tf))をヨーク21の熱特性を示す熱係数Aで除算することにより、ヨーク21の放熱エネルギ速度Eout_Yが導き出される。さらに、ハウジング(第3の対象部材)30の前回の温度推定値Th(n−1)から雰囲気温度Tfを減算し、該減算値(=(Th(n−1)−Tf))をハウジング30の熱特性を示す熱係数Aで除算することにより、ハウジング30の放熱エネルギ速度Eout_Hが導き出される。したがって、本実施形態では、ステップS15が、放熱量演算ステップに相当する。
続いて、温度推定部53は、上記関係式(式5)を用い、ブラシ28の温度上昇速度ΔTb(n)、ヨーク21の温度上昇速度ΔTy(n)及びハウジング30の温度上昇速度ΔTh(n)を演算する(ステップS16)。すなわち、モータ20の発熱エネルギ速度Einからブラシ28の放熱エネルギ速度Eout_Bを減算し、該減算値(=(Ein−Eout_B))とブラシ28用の係数Kとを乗算することにより、ブラシ28の今回の温度上昇速度ΔTb(n)が導き出される。また、モータ20の発熱エネルギ速度Einからヨーク21の放熱エネルギ速度Eout_Yを減算し、該減算値(=(Ein−Eout_Y))とヨーク21用の係数Kとを乗算することにより、ヨーク21の今回の温度上昇速度ΔTy(n)が導き出される。さらに、モータ20の発熱エネルギ速度Einからハウジング30の放熱エネルギ速度Eout_Hを減算し、該減算値(=(Ein−Eout_H))とハウジング30用の係数Kとを乗算することにより、ハウジング30の今回の温度上昇速度ΔTy(n)が導き出される。
ここで、対象部材の温度上昇速度ΔTm(n)を演算する場合に、対象部材の発熱エネルギ速度の代わりに、モータ20の発熱エネルギ速度Einを用いる理由について説明する。
ブレーキハイドロユニット12の主な発熱源は、モータ20である。このモータ20が駆動すると、該駆動に基づき発生した熱は、ブレーキハイドロユニット12を構成する各機器構成部材に伝達される。その結果、各機器構成部材の温度が上昇する。つまり、各機器構成部材の温度上昇は、モータ20の駆動に基づいた温度上昇である。そのため、各機器構成部材の温度上昇速度は、モータ20の駆動速度、即ちモータ20の発熱エネルギ速度Einとほぼ比例する。そのため、対象部材の発熱エネルギ速度を個別に取得しなくても、モータ20の発熱エネルギ速度Einを用いることにより、各対象部材の今回の温度上昇速度ΔTm(n)が導き出される。
フローチャートの説明に戻り、温度推定部53は、上記関係式(式6)を用い、ブラシ28の温度推定値Tb(n)、ヨーク21の温度推定値Ty(n)及びハウジング30の温度推定値Th(n)を演算する(ステップS17)。すなわち、ブラシ28の今回の温度上昇速度ΔTb(n)に時間tsを乗算し、所定周期での温度上昇量(=(ΔTb(n)・ts))に対してブラシ28の前回の温度推定値Tb(n−1)を加算することにより、ブラシ28の今回の温度推定値Tb(n)が導き出される。また、ヨーク21の今回の温度上昇速度ΔTy(n)に時間tsを乗算し、所定周期での温度上昇量(=(ΔTy(n)・ts))に対してヨーク21の前回の温度推定値Ty(n−1)を加算することにより、ヨーク21の今回の温度推定値Ty(n)が導き出される。さらに、ハウジング30の今回の温度上昇速度ΔTh(n)に時間tsを乗算し、所定周期での温度上昇量(=(ΔTh(n)・ts))に対してハウジング30の前回の温度推定値Th(n−1)を加算することにより、ハウジング30の今回の温度推定値Th(n)が導き出される。したがって、本実施形態では、ステップS16及びステップS17により、推定値演算ステップが構成される。
そして、温度推定部53は、ステップS17で演算したブラシ28の温度推定値Tb(n)、ヨーク21の温度推定値Ty(n)及びハウジング30の温度推定値Th(n)を、温度推定値記憶部538に記憶させる。その後、温度推定部53は、温度推定処理ルーチンを一旦終了する。
本実施形態では、対象部材の温度上昇速度ΔTm(n)が所定周期毎に演算され、該温度上昇速度ΔTm(n)に基づき、所定周期での対象部材の温度上昇量が演算される。そして、対象部材の前回の温度推定値Tm(n−1)に対して、演算した温度上昇量を加算することにより、対象部材の今回の温度推定値Tm(n)が演算される。
しかも、温度上昇速度ΔTmは、ブレーキハイドロユニット12の主な発熱源であるモータ20のその時点での発熱エネルギ速度Einと、対象部材からのその時点での放熱エネルギ速度Eoutとに基づき演算される。そのため、例えば、モータ20の駆動中において、モータ20の駆動トルクTが変動するような場合であっても、発熱エネルギ速度Einは、その時点でモータ20に流れる電流値Im及びモータ20に印加される電圧値Vmに基づき演算される。その結果、モータ20の発熱エネルギ速度Einは、電流値Imを2乗した値を利用して演算される場合と比較して、駆動トルクTが変動するような場合であっても精度良く演算される。このように発熱エネルギ速度Einが精度良く推定されるため、図5、図6及び図7に示すように、モータ20のブラシ28、ヨーク21及びハウジング30の温度は、モータ20の駆動中に該モータ20に対する負荷などの駆動条件が変化したとしても適切に推定される。
したがって、本実施形態では、以下に示す効果を得ることができる。
(1)モータ20の発熱エネルギ速度Einは、モータ20への入力電力Pinからモータ20からの出力電力Poutを減算することにより導き出される。また、対象部材からの放熱エネルギ速度Eoutは、対象部材の前回の温度推定値Tm(n−1)から雰囲気温度Tfを減算した値を、対象部材の熱特性を示す熱係数Aで除算することにより取得される。放熱エネルギ速度Eoutの演算時に対象部材の前回の温度推定値Tm(n−1)と雰囲気温度Tfとの差分を利用する理由は、該差分の大小によって、対象部材からの単位時間あたりの放熱量が変動するためである。そのため、熱係数Aを適切な値に設定しておくことにより、対象部材からの放熱エネルギ速度Eoutの推定精度を向上させることができる。
そして、このようにして演算されたモータ20の発熱エネルギ速度Einと対象部材からの放熱エネルギ速度Eoutとに基づき、対象部材の温度上昇速度ΔTm(n)が取得される。その結果、温度上昇速度又は温度上昇量をモータ20の熱時定数を用いて演算する従来の場合とは異なり、モータ20に対する負荷の大きさや負荷の変動に起因した温度上昇速度ΔTm(n)の推定精度のばらつきが低く抑えられる。したがって、対象部材の今回の温度推定値Tm(n)の推定精度が向上することにより、ブレーキハイドロユニット12を構成する機器構成部材の温度の推定精度を向上させることができる。
(2)モータ20の発熱エネルギ速度Einを演算する方法としては、モータ20に流れる電流値Imを2乗した値に所定の比例定数を乗算する方法も考えられる。この方法では、モータ20からのアウトプットを利用しない一方で、モータ20に対するインプット(即ち、電流値)を利用して、モータ20の発熱エネルギ速度Einが演算される。この場合、モータ20の駆動トルクが変動するような状況では、発熱エネルギ速度Einの推定精度にばらつきが生じるおそれがある。この点、本実施形態では、モータ20への入力電力Pinとモータ20からの出力電力Poutとを用いて、発熱エネルギ速度Einが演算される。つまり、本実施形態では、モータ20に対するインプットだけではなくモータ20からのアウトプットも利用して、モータ20の発熱エネルギ速度Einが演算される。したがって、モータ20の駆動トルクTに変動が生じる場合であっても、モータ20の発熱エネルギ速度Einが精度良く推定されるため、対象部材の温度の推定精度を向上させることができる。
(3)特に、減速時に回生制動力を利用可能な車両においては、運転手によって要求される制動力(以下、「要求制動力」ともいう。)が、付与可能な回生制動力の最大値以下である場合には、ブレーキハイドロユニット12が駆動しない。その一方で、要求制動力が回生制動力の最大値を超える場合には、要求制動力と回生制動力との差分を補うようにブレーキハイドロユニット12が駆動する。しかも、このときのモータ20に要求される駆動トルクTは、要求制動力と回生制動力との差分の大きさによって変動する。こうした使用環境の元で駆動するブレーキハイドロユニット12の機器構成部材のうち対象部材の温度が、本実施形態の温度推定方法で推定される。換言すると、モータ20の駆動態様がその時々によって変動するブレーキハイドロユニット12の機器構成部材の温度の推定精度を向上させることができる。
(4)熱に対する特性が互いに異なる複数の対象部材の温度を推定するために、各対象部材の熱係数A及び係数Kを個別に予め用意しておくことにより、同一式を用いて各対象部材の温度推定値Tb(n),Ty(n),Th(n)を演算することができる。すなわち、対象部材毎の演算式を用意する必要がない分、各対象部材の温度推定に要する温度推定部53の制御負荷を低減させることができる。
(5)ブラシ付きのモータ20では、ブラシ28がロータ24に摺動するため、該ブラシ28は高温になりやすい。こうしたブラシ28が温度上昇によって故障してしまうと、モータ20の故障にも繋がる。この点、本実施形態では、ブラシ28の温度が精度良く推定されるため、ブラシ28が高温になり過ぎる前に、モータ20の駆動を制限するような制限制御を、適切なタイミングで開始させることができる。
(6)また、ブラシ28の温度が精度良く推定されるため、制限制御の開始タイミングを特定するための温度閾値を、比較的高い値に設定することができる。その結果、本来はモータ20を未だ駆動させていてもよいタイミングで、上記制限制御が開始されてしまうことを抑制できる。つまり、モータ20の連続駆動の許容時間を長くすることができる。
(7)ハウジング30内に収容される電磁弁31の中には、温度によって作動特性が変化するものもある。こうした電磁弁31の温度は、ハウジング30の温度変化に応じて変化する。そのため、ハウジング30において電磁弁31近傍の部位の温度を精度良く推定することができれば、該ハウジング30内に収容される電磁弁31の温度を推定することができる。この点、本実施形態では、ハウジング30において電磁弁31近傍の部位の温度が精度良く推定される。そのため、ハウジング30において電磁弁31近傍の部位の温度に応じて、電磁弁31に流す電流値を調整することにより、電磁弁31の温度変化に基づいた電磁弁31の作動態様のばらつきが抑制される。したがって、車輪11に対する制動力を適切に制御できる。
(8)温度センサSE1は、回路基板41に設けられる制御装置50の温度を検出するためのセンサである。本実施形態では、こうした温度センサSE1を利用して、雰囲気温度Tfが取得される。そのため、モータ20付近の温度を検出するための温度センサを設けなくても、雰囲気温度Tfを適切に設定でき、ひいては対象部材の放熱エネルギ速度Eoutの推定精度を向上させることができる。
なお、実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・実施形態において、車両のエンジンルーム内の温度を検出するための温度センサが、エンジンルーム内に設置されている場合、雰囲気温度演算部534は、該温度センサからの検出信号に基づきブレーキハイドロユニット12付近の雰囲気温度Tfを検出してもよい。
また、雰囲気温度Tfは、車両のイグニッションスイッチがオンになった直後に取得された温度としてもよい。このときの雰囲気温度Tfは、予め設定された温度であってもよい。
・実施形態において、温度推定処理ルーチンは、車両のイグニッションスイッチがオフになっても継続させてよい。この場合、対象部材の温度推定値Tm(n)が雰囲気温度Tfと一致するようになった場合に、温度推定処理ルーチンを終了させてもよい。
・実施形態において、モータ20の出力軸241近傍に回転数検出用のセンサ(例えば、ロータリーエンコーダ)を設け、該センサからの検出信号に基づきモータ20の回転数Nを検出してもよい。この場合には、回転数検出用のセンサからの出力を用いて、モータ20の駆動トルクTを検出してもよい。
・実施形態において、トルク検出センサをモータ20に設け、該センサからの検出信号に基づきモータ20の駆動トルクTを検出してもよい。
・実施形態において、ブラシ28、ヨーク21及びハウジング30以外の他の機器構成部材の温度を推定してもよい。例えば、モータ20の電機子コイル240bの温度を推定してもよい。
・実施形態において、電子機器に搭載されるモータは、ブラシレスのモータであってもよい。すなわち、モータは、ステッピングモータ及びボイスコイルモータなどであってもよい。
・本発明の電子機器を、車載の電子機器であれば、ブレーキハイドロユニット以外の他の機器に具体化してもよい。例えば、電子機器を、電動パワーステアリング装置に具体化してもよいし、電動パーキングブレーキ装置に具体化してもよい。
・本発明の電子機器を、洗濯機や食器洗浄機などの家庭用電子機器に具体化してもよい。
次に、上記実施形態及び別の実施形態から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記電子機器(12)は、前記モータ(20)が、そのヨーク(21)を介して取り付けられるハウジング(30)と、該ハウジング(30)に取り付けられた収容ケース(40)と、該収容ケース(40)内に配置される回路基板(41)とを、前記機器構成部材として備え、
前記回路基板(41)は、前記電子機器(12)を制御するための制御装置(50)と、前記収容ケース(41)内の温度を検出するための温度センサ(SE1)とを有し、
前記温度推定装置は、前記温度センサ(SE1)を用いて演算された前記収容ケース(41)内の温度に基づき、前記電子機器(12)の設置環境の雰囲気温度(Tf)を取得する雰囲気温度取得手段(534、S14)をさらに備えることを特徴とする温度推定装置。
上記構成によれば、電子機器の設置環境の雰囲気温度を、精度良く設定することができ、ひいては対象部材の温度の推定精度の向上に貢献することができる。
11…車輪、12…電子機器の一例としてのブレーキハイドロユニット、20…モータ、21…機器構成部材及び対象部材の一例としてのヨーク、22…機器構成部材及び対象部材の一例としてのエンドプレート、240a…機器構成部材及び対象部材の一例としてのコア、240b…機器構成部材及び対象部材の一例としての電機子コイル、241…機器構成部材及び対象部材の一例としての出力軸、242…機器構成部材及び対象部材の一例としての整流子、25…機器構成部材及び対象部材の一例としての磁石、26…機器構成部材及び対象部材の一例としての軸受、28…機器構成部材及び対象部材の一例としてのブラシ、29A…機器構成部材及び対象部材の一例としての付勢部材、30…機器構成部材及び対象部材の一例としてのハウジング、31…電磁弁、32…駆動部の一例としてのポンプ、40…収容ケース、41…回路基板、50…制御装置、53…温度推定装置の一例としての温度推定部、533…発熱量演算手段の一例としての発熱エネルギ演算部、534…雰囲気温度取得手段の一例としての雰囲気温度演算部、535…放熱量演算手段の一例としての放熱エネルギ演算部、536…推定値演算手段を構成する温度上昇量演算部、537…推定値演算手段を構成する温度推定値演算部、A…熱係数、Ein…発熱量の一例としての発熱エネルギ速度、Eout,Eout_B,Eout_Y,Eout_H…放熱量の一例としての放熱エネルギ速度、Pin…入力エネルギ相当値の一例としての入力電力、Pout…出力エネルギ相当値の一例としての出力電力、SE1…温度センサ、Tf…雰囲気温度、Tm(n),Tb(n),Ty(n),Th(n)…今回の温度推定値、Tm(n−1),Tb(n−1),Ty(n−1),Th(n−1)…前回の温度推定値、ΔTm(n),ΔTb(n),ΔTy(n),ΔTh(n)…温度上昇速度。

Claims (2)

  1. モータ(20)とそのヨーク(21)を介してモータ(20)が取り付けられるハウジング(30)とを備える電子機器(12)を構成する機器構成部材(21,22,240,241,242,25,26,28,29A,30)のうち前記ハウジング(30)の温度を、予め設定された周期毎に推定する温度推定装置であって、
    前記電子機器(12)は、車両に搭載される車輪(11)に対する制動力を調整するものであり、
    前記ハウジング(30)内には、前記車輪(11)に対する制動力を調整すべく作動する電磁弁(31)と、前記モータ(20)を駆動源とするポンプ(32)と、前記電磁弁(31)及び前記ポンプ(32)の設けられる液圧回路とが設けられており、
    前記モータ(20)に入力される入力エネルギに相当する入力エネルギ相当値(Pin)と前記モータ(20)から出力される出力エネルギに相当する出力エネルギ相当値(Pout)との差分に基づき、前記モータ(20)の発熱量(Ein)を演算する発熱量演算手段(533、S13)と、
    前記ハウジング(30)の前回の温度推定値(Th(n−1))と前記電子機器(12)の設置環境の雰囲気温度(Tf)との差分と、前記ハウジング(30)の熱特性を示す熱係数(A)とに基づき、前記ハウジング(30)からの放熱量(Eout_H)を演算する放熱量演算手段(535、S15)と、
    前記各演算手段(533,535、S13,S15)によって演算された発熱量(Ein)と放熱量(Eout_H)との差分に基づき前記ハウジング(30)の温度上昇量(ΔTh(n))を取得し、該温度上昇量(ΔTh(n))と前記ハウジング(30)の前回の温度推定値(Th(n−1))とに基づき前記ハウジング(30)の今回の温度推定値(Th(n))を演算する推定値演算手段(536,537、S16,S17)と、を備えることを特徴とする温度推定装置。
  2. モータ(20)とそのヨーク(21)を介してモータ(20)が取り付けられるハウジング(30)とを備える電子機器(12)を構成する機器構成部材(21,22,240,241,242,25,26,28,29A,30)のうち前記ハウジング(30)の温度を、予め設定された周期毎に推定させるための温度推定方法であって、
    前記電子機器(12)は、車両に搭載される車輪(11)に対する制動力を調整するものであり、
    前記ハウジング(30)内には、前記車輪(11)に対する制動力を調整すべく作動する電磁弁(31)と、前記モータ(20)を駆動源とするポンプ(32)と、前記電磁弁(31)及び前記ポンプ(32)の設けられる液圧回路とが設けられており、
    前記モータ(20)に入力される入力エネルギに相当する入力エネルギ相当値(Pin)と前記モータ(20)から出力される出力エネルギに相当する出力エネルギ相当値(Pout)との差分に基づき、前記モータ(20)の発熱量(Ein)を演算させる発熱量演算ステップ(S13)と、
    前記ハウジング(30)の前回の温度推定値(Th(n−1))と前記電子機器(12)の設置環境の雰囲気温度(Tf)との差分と、前記ハウジング(30)の熱特性を示す熱係数(A)とに基づき、前記ハウジング(30)からの放熱量(Eout_H)を演算させる放熱量演算ステップ(S15)と、
    前記各演算ステップ(S13,S15)で演算した発熱量(Ein)と放熱量(Eout_H)との差分に基づき前記ハウジング(30)の温度上昇量(ΔTh(n))を取得させ、該温度上昇量(ΔTh(n))と前記ハウジング(30)の前回の温度推定値(Th(n−1))とに基づき前記ハウジング(30)の今回の温度推定値(Th(n))を演算させる推定値演算ステップ(S16,S17)と、を有することを特徴とする温度推定方法。
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