JP5673406B2 - 劣化速度推定装置、劣化速度推定方法 - Google Patents

劣化速度推定装置、劣化速度推定方法 Download PDF

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Description

本発明は、非水電解質二次電池の抵抗増加速度を推定する劣化速度推定装置に関するものである。
電気自動車、ハイブリッド自動車などの駆動用または補助電源として、リチウムイオン電池からなる蓄電装置が知られている。リチウムイオン電池は、充放電を繰り返すことにより電池容量が低下して、劣化する。リチウムイオン電池の容量劣化速度はアレニウスの法則に従うため、温度が高くなることによって劣化速度が増速する。
特許文献1は、電極反応を考慮して設定されたパラメータの推定値R1と拡散反応を考慮して設定されたパラメータの推定値R2をそれぞれ、SOC−vで補正し、電極反応を考慮して設定されたパラメータの補正された推定値R1と拡散反応を考慮して設定されたパラメータの補正された推定値R2のそれぞれからバッテリの容量維持率を推定し、両推定値を平均化してバッテリの容量維持率を推定するバッテリの劣化推定方法を開示する。
特開2010−127729号公報 特開2006−345634号公報 特開2010−086873号公報
しかしながら、非水電解質二次電池の劣化要因は、種々考えられ、特許文献1の構成では、劣化の原因によっては推定精度が悪くなる。そこで、本願発明は、非水電解質二次電池の抵抗増加速度の推定精度を向上させることを目的とする。
上記課題を解決するために、本願発明に係る非水電解質二次電池の抵抗増加速度を推定する劣化速度推定装置は、(1)非水電解質二次電池の抵抗増加速度を推定する劣化速度推定装置において、第1の状態における、該非水電解質二次電池の正極電位、負極電位及び電池電圧の相関情報である第1の基本情報を記憶した第1の記憶部と、前記第1の状態における、該非水電解質二次電池の電池温度、電池電圧、正極電位及び抵抗増加速度を互いに対応付けた第2の基本情報を記憶した第2の記憶部と、 前記第1の状態から、前記第1の状態よりも該非水電解質二次電池の容量劣化が進んだ第2の状態に至るまでの、該非水電解質二次電池の容量劣化量を算出する算出部と、前記第1の基本情報における前記正極電位と、前記算出部により算出された容量劣化量に基づき前記第1の基本情報における前記負極電位を補正したときの補正後の負極電位との差分値を、前記第2の基本情報における電池電圧として補正する補正部と、を有する
(2)上記(1)の構成において、前記非水電解質二次電池は、リチウムイオンの挿入脱離を許容する炭素系負極を備える。この種の負極は、初回充電時に有機電解液に安定なSEI被膜を生成し、その後の耐久試験において被膜の成長に伴うLiイオンの失活が起こる。炭素系負極であれば、グラファイト、非晶質などを問わずにSEI被膜を生成することが知られており、上記(1)の構成は、炭素系負極を有する非水電解質二次電池に対して広く適用することができる。
(3)上記(1)又は(2)の構成において、前記補正後の負極電位は、前記算出部により算出された容量劣化量分だけ前記第1の基本情報における前記負極電位を、高容量側にシフトしたときの電位とすることができる。
上記課題を解決するために、本願発明に係る劣化速度推定方法は、(4)第1の状態における、非水電解質二次電池の正極電位、負極電位及び電池電圧の相関情報である第1の基本情報と、前記第1の状態における、該非水電解質二次電池の電池温度、電池電圧、正極電位及び抵抗増加速度を互いに対応付けた第2の基本情報とを用いて、前記第1の状態よりも劣化が進んだ第2の状態における前記非水電解質二次電池の抵抗増加速度を推定する劣化速度推定方法であって、前記第1の状態から前記第2の状態に至るまでの、前記非水電解質二次電池の容量劣化量を算出する算出ステップと、前記第1の基本情報における前記正極電位と、前記算出ステップにより算出された容量劣化量により前記第1の基本情報における前記負極電位を補正したときの補正後の負極電位との差分値を、前記第2の基本情報における電池電圧として補正する補正ステップと、を有することを特徴とする劣化速度推定方法。
(5)上記(4)の構成において、前記非水電解質二次電池は、リチウムイオンの挿入脱離を許容する炭素系負極を備える。この種の負極は、初回充電時に有機電解液に安定なSEI被膜を生成し、その後の耐久試験において被膜の成長に伴うLiイオンの失活が起こる。炭素系負極であれば、グラファイト、非晶質などを問わずにSEI被膜を生成することが知られており、上記(4)の構成は、炭素系負極を有する非水電解質二次電池に対して広く適用することができる。
(6)上記(4)又は(5)の構成において、前記補正後の負極電位は、前記算出ステップにより算出された前記容量劣化量分だけ前記第1の基本情報における前記負極電位を、高容量側にシフトしたときの電位とすることができる。
上記(1)〜(3)の劣化速度推定装置は、車両に搭載することができる。前記第1の状態は、前記非水電解質二次電池が車両用の電池として使用される前の未劣化状態であってもよい。車両に搭載される前に、第1の基本情報及び第2の基本情報を実験などの簡易な手段で取得することができる。
本発明によれば、非水電解質二次電池の抵抗増加速度の推定精度を向上させることができる。
電池容量の劣化に応じた負極電位及び電池電圧の変化を模式的に示した模式図である。 車両のブロック図である。 劣化速度推定装置の機能ブロック図である。 第2の基本情報を模式的に示したデータテーブルである。 抵抗増加速度を推定する推定方法のフローチャートである。 アレニウスの法則にしたがって抵抗増加速度を推定する方法を模式的に示したデータテーブルである。 アレニウスの法則にしたがって抵抗増加速度を推定する方法を模式的に示したグラフである。
本発明者は、非水電解質二次電池の抵抗増加速度は、正極電位及び電池温度によって左右されることを発見した。ここで、電池の容量劣化が進むと、同じ電池電圧であっても正極電位は新品の場合よりも高い方向にシフトする。したがって、電池電圧のみを考慮して抵抗の増加量を推定すると、劣化が進んだ状態では、抵抗増加速度が実際の値から乖離するため、推定精度が低下する。この点について、図1を参照しながら、詳細に説明する。
図1は、電池容量が劣化する前後の電池電圧及び負極電位を示している。縦軸は電位を示しており、縦軸のうち右側の目盛は負極電位を示し、左側の目盛は正極電位及びリチウムイオン電池の電池電圧を示している。なお、電池電圧は、開放端電圧を意味する。リチウムイオン電池は下記の方法により製造した。
正極活物質のニッケルコバルトマンガン酸リチウムと導電材のアセチレンブラックとを、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)とともにN−メチルピロリドン(NMP)中で混合して、ペースト状の正極用組成物を調整した。この組成物に含まれる各材料(NMPを除く)の質量比は、正極活物質が87質量%、アセチレンブラックが10質量%、PVDFが3質量%であった。この正極活用組成物を、正極集電体のアルミニウム箔の両面に塗布することにより、正極集電体の両面に正極活物質含有層を備えるシート状の正極(正極シート)を得た。
次に、得られた正極シートとグラファイトを導電箔上に塗布した負極シートとを、多孔質樹脂フィルムを挟んで対向させ、電極体を得た。得られた電極体及び非水系電解液を用いてリチウムイオン二次電池を作製した。電解液は、エチレンカーボネート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)及びジメチルカーボネート(DMC)からなる混合溶媒に、支持塩を含むものを用いた。混合溶媒における混合比は、体積比率で、エチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC):ジメチルカーボネート(DMC)=3:4:3とした。支持塩にはLIPF6を使用し、これが約1mol/リットルの濃度で含まれるように濃度調整した。
図1を参照して、電池が劣化すると、負極電位は右側、つまり高容量側にシフトする。電池電圧は、正極電位から負極電位を減ずることにより算出されるため、負極電位の変化に応じて電池電圧も変化する。例えば、電池電圧が3.6Vの場合、劣化前の正極電位は3.75Vであり、劣化後の正極電位は3.8vであり、劣化前後の正極電位において誤差が生じる。ここで、抵抗増加速度は、正極電位及び電池温度に左右されるから、電池電圧のみを用いて抵抗増加速度を推定すると推定精度が低下する。負極の被膜に起因する容量劣化量は、負極被膜の生成量に比例して増加する。また、上記したように、抵抗増加速度は、正極電位及び温度に左右され、正極電位が高くなるほど抵抗増加速度は速くなり、温度が高くなるほど抵抗増加速度は速くなる。したがって、電池電圧のみで、抵抗増加速度を推定すると、劣化が進んだ状態では、抵抗増加速度が実際の値と乖離するため、推定精度が低下する。そこで、推定精度を高めるためには、補正を行う必要がある。
図2は、車両のブロック図である。車両は、組電池10、電圧センサ40A〜40N、コントローラ50、温度センサ60、記憶部71及びタイマー72を含む。組電池10は、複数の電池ブロック12を含み、これらの電池ブロック12は互いに電気的に直列に接続されている。各電池ブロック12A〜12Nは、複数のリチウムイオン電池11を含み、これらのリチウムイオン電池11は、互いに電気的に直列に接続されている。
組電池10における総プラス端子及び総マイナス端子には、配線を介してインバータ20が電気的に接続されている。インバータ20は、モータ30に電気的に接続されており、組電池10の出力を用いてモータ30を駆動する。
ここで、本実施形態に係る組電池10は、車両(不図示)に搭載されており、モータ30を駆動することにより、車両を走行させることができる。また、車両の制動時には、発電機としてのモータジェネレータ(不図示)を用いて発生させた電力を、組電池10に充電することができる。
上述した車両としては、ハイブリッド自動車や電気自動車が挙げられる。ハイブリッド自動車とは、組電池10の他に、車両を走行させるための内燃機関や燃料電池といった他の動力源を備えた車両である。また、電気自動車とは、組電池10の出力だけを用いて走行する車両である。
コントローラ50は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)であってもよい。また、コントローラ50は、これらのCPU、MPUに実行させることにより実現される処理の少なくとも一部を、回路的に実行するASIC回路を含んでも良い。CPU、MPUの個数は、1個或いは複数であってもよい。
温度センサ60は、コントローラ50に接続されている。コントローラ50は、温度センサ60から出力される温度情報に基づき、組電池10の温度を常時監視している。
また、組電池10の配線には、電流センサ61が接続されている。電流センサ61は、コントローラ50に接続されている。各電池ブロック12A〜12Nにはそれぞれ、電圧センサ40A〜40Nが接続されている。各電圧センサ40A〜40Nは、対応する電池ブロック12A〜12Nの電圧(以下、ブロック電圧という)を検出し、この検出結果をコントローラ50に出力する。コントローラ50は、イグニションスイッチ51に対して電気的に接続されている。
記憶部71は、HDD71A及びメモリ71Bを含む。HDD71Aは、各種プログラム及び各種プログラムを実行する際に必要とされる情報を記憶する。コントローラ50は、HDD71Aに記憶されたプログラムをメモリ71Bに読み出して、解読する。メモリ71Bは、RAM(Random Access Memory)であってもよい。
次に、図3の機能ブロック図を参照しながら、劣化速度推定装置の一実施形態について説明する。矢印は、信号又はデータの送信方向を示している。第1の記憶部81は、第1の状態におけるリチウムイオン電池の正極電位、負極電位及び電池電圧の相関情報である第1の基本情報を記憶する。ここで、第1の状態とは、車両に使用される前の状態、つまり、リチウムイオン電池が使用される前の未劣化状態であってもよい。第1の基本情報は、図1において曲線で示す正極電位、負極電位(劣化前)、電池電圧(劣化前)に対応している。
ここで、劣化前の正極電位及び負極電位は、参照電極により算出してもよい。参照電極は、金属リチウムからなり、電極電位の測定時に電位の基準点を与える電極であってもよい。なお、参照電極の詳細は、特開2002−50407号公報、或いは特開2007−193986号公報に記載されているため、ここでは詳細な説明を省略する。
第2の記憶部82は、第1の状態における、リチウムイオン電池11の温度情報と、電池電圧と、正極電位と、抵抗増加速度との対応関係を第2の基本情報として記憶する。第2の基本情報は、図4に図示するようにデータテーブルの形式であってもよい。なお、図4のデータテーブルは、電池温度がT1〜T2である場合の電池電圧、正極電位及び抵抗増加速度の対応関係を例示する。第2の基本情報は、劣化前(使用前)のリチウムイオン電池を対象としており、実験、或いはシミュレーションにより取得することができる。抵抗増加速度は、正極電位及び電池温度に左右されるため、一組の正極電位及び電池温度毎に与えられている。当該電池温度は、温度範囲であってもよい。この温度範囲は1℃間隔、或いは5℃間隔であってもよい。温度間隔が小さくなるほど推定精度が向上するため、温度範囲は、目標とする推定精度に基づき適宜変更することができる。
算出部83は、劣化したリチウムイオン電池11の容量劣化量を算出する。補正部84は、第1の基本情報における正極電位と、算出部83により算出された容量劣化量に基づき第1の基本情報における負極電位を補正したときの補正後の負極電位との差分値を、第2の基本情報における電池電圧として補正する。ここで、補正後の負極電位は、算出部83により算出された容量劣化量分だけ第1の基本情報における負極電位を高容量側にシフトしたときの電位である。例えば、算出部83により容量劣化量を算出する際の電池温度がT1であって、リチウムイオン電池11の正極電位が3.75Vである場合、劣化前及び劣化後の電池電圧はそれぞれ3.6V及び3.5Vであるから(図1参照)、図3のデータNo.Xにおける電池電圧は3.6Vから3.5Vに補正される。
次に、図2及び図3の対応関係について説明する。第1の記憶部81及び第2の記憶部82は、HDD71A及びメモリ71Bが協同することにより実現してもよい。ただし、第1の記憶部81及び第2の記憶部82にそれぞれ対応するHDD等を独立して設ける構成であってもよい。算出部83及び補正部84は、コントローラ50であってもよい。算出部83及び補正部84が実行するプログラムは、HDD71Aに予め記憶させておいてもよいし、或いはインターネットを介してダウンロードしてもよい。
次に、図5のフローチャートを参照しながら、抵抗増加速度の推定方法について詳細に説明する。ステップS101において、コントローラ50は、温度センサ60により取得される電池温度及び電圧センサ40A〜40Nにより取得される電池電圧を、所定周期で記憶部71に記憶し、さらに、タイマー72をスタートさせる。
ここで、記憶部71に記憶される電池電圧は、電圧センサ40A〜40Nから出力される電圧値の総和、つまり、組電池10の電圧値をリチウムイオン電池11の個数で除したセル電圧値であってもよい。以下の説明では、このセル電圧値を電池電圧と称するものとする。また、当該所定周期は、後述する設定時間よりも短く、例えば、1secであってもよい。
ステップS102において、コントローラ50は、ステップS101において検出された電池電圧及び電池温度に基づき、記憶部71に記憶された第2の基本情報から抵抗増加速度を検索する。検索された抵抗増加速度は、記憶部71に順次記憶される。図4を参照して、例えば、電池電圧が3.6V、電池温度がT1である場合には、抵抗増加速度がVxであると検索される。
ステップS103において、コントローラ50は、タイマー72によるカウント時間が予め定められた設定時間に達したか否かを判定する。ここで、設定時間は1hourであってもよい。ステップS103において、カウント時間が設定時間に達した場合にはステップS104に進み、カウント時間が設定時間に達していない場合にはステップS10
1に戻り、設定時間が経過するまでステップS101、ステップS102の処理を繰り返す。
ステップS104において、コントローラ50は、記憶部71に蓄積された抵抗増加速度を平均した平均抵抗増加速度に設定時間(取得時間)を乗じることにより抵抗増加量を算出する。ステップS105において、コントローラ50は、劣化前の抵抗値に抵抗増加量を加算して、抵抗値を算出する。
ステップS106において、容量劣化量を取得する。ここで、容量劣化量は、初期状態における電池の容量と、劣化状態における電池の容量との差分である。初期状態とは、製造直後の状態を意味する。劣化状態とは、初期状態よりも劣化が進んだ状態を意味する。電池の容量は、組電池100を満充電にした後、定電流でSOCが0になるまで放電したときの時間を測定することにより得ることができる。劣化後の電池の容量は、例えば、ディーラで測定することができる。
ステップS107において、コントローラ50は、ステップS106で取得した容量劣化量がリミット値よりも大きいか否かを判別する。ここでリミット値は、抵抗増加速度の推定精度を高める観点から適宜設定することができる。すなわち、リミット値が大きい場合には、抵抗増加速度の推定精度が低下する。反対に、リミット値が小さい場合には、抵抗増加速度の推定精度が向上する。リミット値は、例えば1%であってもよい。
ステップS107において、コントローラ50は、容量劣化量がリミット値未満の場合にはステップS101に戻り、容量劣化量がリミット値よりも大きい場合には、ステップS108に進む。
ステップS108において、コントローラ50は、ステップS106において取得した容量劣化量分だけ、第1の基本情報における負極電位を補正する。換言すると、図1の「負極電位(劣化前)」と称される曲線を右側(高容量側)にシフトさせ、「負極電位(劣化後)」を得る(図1参照)。
ステップS109において、コントローラ50は、図1の「正極電位」と称される曲線から、ステップS108で得られた「負極電位(劣化後)」と称される曲線を減じすることにより、電池電圧カーブに関する曲線情報、すなわち、電池電圧(劣化後)と称される補正後の電池電圧に関する情報を取得する。
ステップS110において、コントローラ50は、ステップS109で得られた補正後の電池電圧に基づき、第2の基本情報を補正する。具体的には、補正後の電池電圧と、第1の基本情報における正極電位とを対比して、第2の基本情報における電池電圧を補正する。例えば、チウムイオン電池11の正極電位が3.75Vである場合、劣化前及び劣化後の電池電圧はそれぞれ3.6V及び3.5Vであるから(図1参照)、図3のデータNo.Xにおける電池電圧は3.6Vから3.5Vに補正される。
ステップS111において、コントローラ50は、容量劣化量に関するリミット値を更新して、ステップS101に戻る。すなわち、ステップS107において容量劣化量と比較されるリミット値をさらに高いリミット値に変更し、容量劣化量が所定値ずつ増えたタイミングで第2の基本情報が補正されるようにリミット値を補正する。このように、第2の基本情報が補正されることにより、抵抗増加速度を推定する際の推定精度を高めることができる。
(変形例1)
図5のフローチャートでは、ステップS107において容量劣化量がリミット値よりも高くなったときに第2の基本情報を補正したが、本発明はこれに限られるものではなく、劣化量の度合いを間接的に推定し得る他の評価パラメータを用いることもできる。
当該他の評価パラメータは、車両の走行距離であってもよい。この場合、車両の走行距離を計測して、走行距離が所定距離に達したときに第2の基本情報を補正する。当該所定距離が短くなると抵抗増加速度の推定精度は向上し、当該所定距離が長くなると抵抗増加速度の推定精度は低下する。したがって、当該所定距離は、要求される抵抗増加速度の推定精度に基づき、適宜設定することができる。この場合、ステップS107において、リミット値としての前記所定距離と車両の走行距離とが比較される。
(変形例2)
変形例1における当該他の評価パラメータは、車両のイグニッションコイルがオンされた回数であってもよい。この場合、車両のイグニッションコイルがオンされた回数を検知して、当該検知回数が所定回数に達した時に第2の基本情報を補正する。当該所定回数が少なくなると抵抗増加速度の推定精度は向上し、当該所定回数が多くなると抵抗増加速度の推定精度は低下する。したがって、当該所定回数は、要求される抵抗増加速度の推定精度を予め定め、これに基づき設定することができる。この場合、ステップS107において、イグニッションコイルがオンされた回数と、リミット値としての前記所定回数とが比較される。変形例1及び2に示されるように、第2の基本情報を補正するタイミングは、種々の観点で規定することが可能であり、容量劣化量と同一のパラメータに限定されるものではない。
(変形例3)
上述の実施形態では、図4に例示する第2の基本情報として温度毎に電池電圧、正極電位及び抵抗増加速度の相関情報を有するように構成したが、本発明は、これに限られるものではなく、一部の温度についてのみ電池電圧、正極電位及び抵抗増加速度の相関情報を有する構成としてもよい。この場合、当該一部の温度でない他の温度については、アレニウスの法則により予測される。ここで、アレニウスの法則とは、温度が高くなるほど、容量が劣化する法則のことである。
図6を参照して、例えば、補正後の第2の基本情報として、温度T1、電池電圧3.5V、正極電位3.75V及び抵抗増加速度Vxが記憶されており、第2の基本情報として記憶されていない温度T3(T3>T1)、電池電圧3.5Vが検出された場合には、図7に図示するアレニウスの法則にしたがい、抵抗増加速度VxにΔVを加算することにより、抵抗増加速度が推定される。これにより、第2の基本情報を記憶する第2の記憶部82の記憶領域を少なくすることができる。その結果、コストを削減することができる。なお、図7の温度−抵抗増加速度情報は、第2の記憶部82に記憶された第2の基本情報から求めることができる。したがって、第2の基本情報は、少なくともアレニウスの直線を算出できる程度のデータ量を保有するのが好ましい。
本発明は、Liイオンを挿入脱離可能な炭素系負極を有する非水電解質二次電池に対して、広く適用することができる。この種の負極は、初回充電時に有機電解液に安定なSEI被膜を生成し、その後の耐久試験において被膜の成長に伴うLiイオンの失活が起こる。本発明は、この失活現象に着目しており、炭素系負極であれば、グラファイト、非晶質などを問わずにSEI被膜を生成することが知られており、炭素系負極を有する非水電解質二次電池に対して広く適用することができる。
1 抵抗増加速度推定装置 10 組電池 11 リチウムイオン電池
12 電池ブロック 20 インバータ 30 モータ 40 電圧センサ 50 コントローラ 51 イグニションスイッチ 60 温度センサ 61 電流センサ 71 記憶部 71A HDD 71B メモリ
72 タイマー 81 第1の記憶部 82 第2の記憶部 83 算出部
84 補正部

Claims (7)

  1. 非水電解質二次電池の抵抗増加速度を推定する劣化速度推定装置において、
    第1の状態における、該非水電解質二次電池の正極電位、負極電位及び電池電圧の相関情報である第1の基本情報を記憶した第1の記憶部と、
    前記第1の状態における、該非水電解質二次電池の電池温度、電池電圧、正極電位及び抵抗増加速度を互いに対応付けた第2の基本情報を記憶した第2の記憶部と、
    前記第1の状態から、前記第1の状態よりも該非水電解質二次電池の容量劣化が進んだ第2の状態に至るまでの、該非水電解質二次電池の容量劣化量を算出する算出部と、
    前記第1の基本情報における前記正極電位と、前記算出部により算出された容量劣化量に基づき前記第1の基本情報における前記負極電位を補正したときの補正後の負極電位との差分値を、前記第2の基本情報における電池電圧として補正する補正部と、
    を有することを特徴とする劣化速度推定装置。
  2. 前記非水電解質二次電池は、リチウムイオンの挿入脱離を許容する炭素系負極を備えることを特徴とする請求項1に記載の劣化速度推定装置。
  3. 前記補正後の負極電位は、前記算出部により算出された前記容量劣化量分だけ前記第1の基本情報における前記負極電位を、高容量側にシフトしたときの電位であることを特徴とする請求項1又は2に記載の劣化速度推定装置。
  4. 第1の状態における、非水電解質二次電池の正極電位、負極電位及び電池電圧の相関情報である第1の基本情報と、前記第1の状態における、該非水電解質二次電池の電池温度、電池電圧、正極電位及び抵抗増加速度を互いに対応付けた第2の基本情報とを用いて、前記第1の状態よりも劣化が進んだ第2の状態における前記非水電解質二次電池の抵抗増加速度を推定する劣化速度推定方法であって、
    前記第1の状態から前記第2の状態に至るまでの、前記非水電解質二次電池の容量劣化量を算出する算出ステップと、
    前記第1の基本情報における前記正極電位と、前記算出ステップにより算出された容量劣化量により前記第1の基本情報における前記負極電位を補正したときの補正後の負極電位との差分値を、前記第2の基本情報における電池電圧として補正する補正ステップと、
    を有することを特徴とする劣化速度推定方法。
  5. 前記非水電解質二次電池は、リチウムイオンの挿入脱離を許容する炭素系負極を備えることを特徴とする請求項4に記載の劣化速度推定方法。
  6. 前記補正後の負極電位は、前記算出ステップにより算出された前記容量劣化量分だけ前記第1の基本情報における前記負極電位を、高容量側にシフトしたときの電位であることを特徴とする請求項4又は5に記載の劣化速度推定方法。
  7. 請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載の劣化速度推定装置を搭載した車両であって、
    前記第1の状態は、前記非水電解質二次電池が車両用の電池として使用される前の未劣化状態であることを特徴とする車両。






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