JP5672551B2 - 圧縮機台数制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、複数台の空気圧縮機を備え、圧縮空気の使用負荷に応じて圧縮機の運転台数を変更する圧縮機台数制御システムに関するものである。
従来、下記特許文献1に開示されるように、圧力とその変化率とに基づき、圧縮機の運転台数を増減する圧力閾値を変更することが提案されている。
また、下記特許文献2に開示されるように、圧縮機を順次起動または順次停止しようとする際には、所定の猶予時間を空けて行うのが通常である。
特開2007−120497号公報(特許請求の範囲、段落番号0140−0155、図15、図16) 特開2010−190197号公報(段落番号0006)
しかしながら、圧力変化率が大きくしかも目標圧力範囲から大きく離れようとした場合にまで、圧縮機を順次起動または順次停止するのに所定時間の経過まで逐一待機していたのでは、圧縮機の吐出量と圧縮空気利用機器の使用量との差を迅速に是正することができない。
本発明が解決しようとする課題は、圧縮機の吐出量と圧縮空気利用機器の使用量との差を迅速に是正して、圧力変動を抑えることができる圧縮機台数制御システムを提供することにある。
本発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、複数台の圧縮機と、これら圧縮機から圧縮空気が供給されると共に圧縮空気利用機器へ圧縮空気を送る箇所に設けられ、圧縮空気の圧力を検出する圧力センサと、この圧力センサの検出圧力とその圧力変化率とに基づき前記圧縮機の運転台数を変更する台数制御器とを備え、前記台数制御器は、前記圧力センサの検出圧力が台数減少用圧力以上になると前記圧縮機を1台停止させる一方、前記圧力センサの検出圧力が台数増加用圧力以下になると前記圧縮機を1台起動させ、それでも前記圧力センサの検出圧力が前記台数減少用圧力以上または前記台数増加用圧力以下の状態を維持する場合、所定時間を経過するごとに前記圧縮機を1台停止または1台起動させるが、圧力変化率の絶対値が設定値以上の領域では、前記圧力センサの検出圧力が即時減少用圧力以上になるか即時増加用圧力以下になれば、前記所定時間の経過を待つことなくさらに1台停止または1台起動させることを特徴とする圧縮機台数制御システムである。
請求項1に記載の発明によれば、圧力センサの検出圧力が台数減少用圧力以上になると圧縮機を1台停止させ、それでも台数減少用圧力以上を維持する場合、所定時間(連続停止防止時間)を経過するごとに圧縮機を1台停止させるが、圧力変化率の絶対値が設定値以上の領域では、圧力センサの検出圧力が即時減少用圧力以上になれば、所定時間の経過を待つことなく1台停止させる。また、圧力センサの検出圧力が台数増加用圧力以下になると圧縮機を1台起動させ、それでも台数増加用圧力以下を維持する場合、所定時間(連続起動防止時間)を経過するごとに圧縮機を1台起動させるが、圧力変化率の絶対値が設定値以上の領域では、圧力センサの検出圧力が即時増加用圧力以下になれば、所定時間の経過を待つことなく1台起動させる。このように、圧力変化率が設定値以上に大きく、しかも目標圧力範囲から大きく離れようとした場合には、所定時間の経過を待つことなく、即時減少用圧力以上で1台停止したり、即時増加用圧力以下で1台起動したりするので、圧縮機の吐出量と圧縮空気利用機器の使用量との差を迅速に是正することができる。
請求項2に記載の発明は、前記台数制御器により運転台数を減少させるか否かの境界値としての前記台数減少用圧力は、圧力変化率がプラス側へ大きくなるほど低圧になるよう設定され、前記台数制御器により運転台数を増加させるか否かの境界値としての前記台数増加用圧力は、圧力変化率がマイナス側へ大きくなるほど高圧になるよう設定され、前記圧力センサの検出圧力が前記台数減少用圧力以上になると、前記圧縮機を1台停止させ、それでも台数減少用圧力以上を維持する場合、所定の連続停止防止時間を経過するごとに前記圧縮機を1台停止させるが、圧力変化率の絶対値が設定値以上の領域では、前記台数減少用圧力よりも高圧で設定された前記即時減少用圧力以上になれば、前記連続停止防止時間の経過を待つことなくさらに1台停止させ、前記圧力センサの検出圧力が前記台数増加用圧力以下になると、前記圧縮機を1台起動させ、それでも台数増加用圧力以下を維持する場合、所定の連続起動防止時間を経過するごとに前記圧縮機を1台起動させるが、圧力変化率の絶対値が設定値以上の領域では、前記台数増加用圧力よりも低圧で設定された前記即時増加用圧力以下になれば、前記連続起動防止時間の経過を待つことなくさらに1台起動させることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機台数制御システムである。
請求項2に記載の発明によれば、圧縮機による圧縮空気の吐出量と、圧縮空気利用機器による圧縮空気の使用量との差を圧力変化率でとらえ、圧力変化率が大きいときは、圧縮機を起動または停止させる圧力の閾値を変えることで、圧縮空気の吐出量と使用量との差を迅速に解消して、圧力変動を抑えることができる。
請求項3に記載の発明は、前記即時減少用圧力は、圧力変化率の絶対値が大きいほど低圧に設定され、前記即時増加用圧力は、圧力変化率の絶対値が大きいほど高圧に設定されることを特徴とする請求項2に記載の圧縮機台数制御システムである。
請求項3に記載の発明によれば、即時減少用圧力および即時増加用圧力を圧力変化率に応じて異ならせ、圧縮機を追加で随時停止または随時起動させる圧力の閾値を変えた。これにより、圧縮空気の吐出量と使用量との差を迅速に解消して、圧力変動を抑えることができる。
請求項4に記載の発明は、前記各圧縮機は、同時に複数台が運転される場合、1台が容量制御され、他は全負荷運転され、前記各圧縮機からの圧縮空気は、共通のレシーバタンクへ供給された後、一または複数の圧縮空気利用機器へ送られ、前記圧力センサは、前記レシーバタンクに設置され、圧力変化率ΔPの絶対値が第一設定値ΔP1未満である場合には、前記圧力センサの検出圧力Pが、前記台数減少用圧力としての第二上限圧力PH2以上になると1台停止させる一方、前記台数増加用圧力としての第二下限圧力PL2以下になると1台起動させ、圧力変化率ΔPの絶対値が第一設定値ΔP1以上であるが第二設定値ΔP2未満である場合には、前記圧力センサの検出圧力Pが前記台数減少用圧力としての第一上限圧力PH1以上になると1台停止させ、それでも第一上限圧力PH1以上を維持する場合、所定の連続停止防止時間を経過するごとに1台停止させるが、前記第一上限圧力PH1よりも高圧の前記即時減少用圧力としての第二上限圧力PH2以上になれば、前記連続停止防止時間の経過を待つことなくさらにもう1台停止させる一方、前記圧力センサの検出圧力Pが前記台数増加用圧力としての第一下限圧力PL1以下になると1台起動させ、それでも第一下限圧力PL1以下を維持する場合、所定の連続起動防止時間を経過するごとに1台起動させるが、前記第一下限圧力PL1よりも低圧の前記即時増加用圧力としての第二下限圧力PL2以下になれば、前記連続起動防止時間の経過を待つことなくさらに1台起動させ、圧力変化率ΔPの絶対値が第二設定値ΔP2以上である場合には、前記レシーバタンク内の圧力上昇時には、前記圧力センサの検出圧力Pが前記台数減少用圧力としての第一下限圧力PL1以上であると1台停止させ、それでも第一下限圧力PL1以上を維持する場合、所定の連続停止防止時間を経過するごとに1台停止させるが、前記第一下限圧力PL1よりも高圧の前記即時減少用圧力としての第一上限圧力PH1以上になれば、前記連続停止防止時間の経過を待つことなくさらにもう1台停止させる一方、前記レシーバタンク内の圧力下降時には、前記圧力センサの検出圧力Pが前記台数増加用圧力としての第一上限圧力PH1以下であると1台起動させ、それでも第一上限圧力PH1以下を維持する場合、所定の連続起動防止時間を経過するごとに1台起動させるが、前記第一上限圧力PH1よりも低圧の前記即時増加用圧力としての第一下限圧力PL1以下になれば、前記連続起動防止時間の経過を待つことなくさらにもう1台起動させることを特徴とする請求項3に記載の圧縮機台数制御システムである。
請求項4に記載の発明によれば、1台は容量制御することで、圧縮空気の使用量に追従した圧縮空気の製造が容易となる。また、圧力変化率ΔPの大きさに応じて、圧縮機を起動または停止させる閾値を変えることで、圧縮空気の吐出量と使用量との差を迅速に解消して、圧力変動を抑えることができる。
さらに、請求項5に記載の発明は、圧力変化率ΔPの絶対値が第二設定値ΔP2以上である場合には、前記レシーバタンク内の圧力上昇時には、前記圧力センサの検出圧力Pが前記第一下限圧力PL1以上であると1台停止させ、それでも第一下限圧力PL1以上を維持する場合、所定の連続停止防止時間を経過するごとに1台停止させるが、前記第一下限圧力PL1よりも高圧の前記第一上限圧力PH1以上になれば、前記連続停止防止時間の経過を待つことなくさらにもう1台停止させ、前記第一上限圧力PH1よりも高圧の前記第二上限圧力PH2以上になれば、さらにもう1台の全負荷運転のロック状態を解除することを特徴とする請求項4に記載の圧縮機台数制御システムである。
請求項5に記載の発明によれば、圧力変化率が大きく、しかも圧力が所定以上に高くなった場合には、容量制御する圧縮機の台数を増やすことで、圧縮空気の吐出量と使用量との差を迅速に解消して、圧力変動を抑えることができる。
本発明によれば、圧縮機の吐出量と圧縮空気利用機器の使用量との差を迅速に是正して、圧力変動を抑えることができる。
本発明の圧縮機台数制御システムの一実施例を示す概略図である。 図1の圧縮機台数制御システムによる台数制御方法の一例を示す図であり、運転中の各圧縮機の吐出圧力、レシーバタンク内の圧力、運転台数増減表を示している。
以下、本発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の圧縮機台数制御システムの一実施例を示す概略図である。本実施例の圧縮機台数制御システム1は、複数台の圧縮機2,2,…と、これら圧縮機2から圧縮空気が供給されるレシーバタンク3と、このレシーバタンク3内の圧力を検出する圧力センサ4と、この圧力センサ4の検出圧力などに基づき前記各圧縮機2を制御する台数制御器5とを備える。
各圧縮機2は、電動式の空気圧縮機であり、圧縮機本体がモータで駆動され、外気を吸入し圧縮して吐出する。各圧縮機2からの圧縮空気は、共通のレシーバタンク3を介して、一または複数の各種の圧縮空気利用機器(図示省略)へ送られる。
各圧縮機2は、スクリュー式、ターボ式またはレシプロ式など、その構成を特に問わないが、典型的には互いに同一の構成とされる。また、各圧縮機2は、典型的には、同一の吐出容量とされる。
本実施例の各圧縮機2は、容量制御可能に構成される。ここでは、機械的に自力で容量制御可能とされる。容量制御の具体的構成は特に問わないが、本実施例では、圧縮機2の吸込側に設けた容量調整弁(図示省略)の開度を調整することでなされる。
容量調整弁は、圧縮機2の吐出側の圧力を所望に維持するように、自力で開度を調整する。つまり、圧縮機2の吐出側の圧力が上昇するのに伴い、容量調整弁は開度を絞って吸入量を減少させ、これにより圧縮機2は吐出量を減少させる一方、圧縮機2の吐出側の圧力が低下するのに伴い、容量調整弁は開度を拡げて吸入量を増加させ、これにより圧縮機2は吐出量を増加させる。
より具体的には、容量調整弁は、図2において、圧縮機2の吐出側の圧力を、下限圧力PLと上限圧力PHとの間に維持するように開度を調整する。この場合、容量調整弁は、圧縮機2の吐出側の圧力が下限圧力PL以下になると全開される一方、上限圧力PH以上になると全閉される。また、下限圧力PLと上限圧力PHとの間では、下限圧力PLから上限圧力PHへ行くに従って比例的に開度が絞られる。このように、下限圧力PLと上限圧力PHとの圧力範囲が、容量調整弁の制御範囲とされる。なお、万一、圧縮機2の吐出側の圧力が所定の停止圧力PSを超えると、圧縮機2は強制停止される。
本実施例の各圧縮機2は、全負荷(フルロード)運転に保持するためのフルロードロック機能を備える。フルロードロックされると、容量調整弁は全開に保持され、圧縮機2は全負荷運転する。従って、本実施例では、各圧縮機2は、フルロードロックされた状態では、全負荷運転する一方、フルロードロックを解除された状態では、容量調整弁により容量制御される。各圧縮機2の運転の有無、フルロードロックの有無は、台数制御器5により圧縮機2ごとに個別に設定できる。
レシーバタンク3は、各圧縮機2から圧縮空気が供給される一方、一または複数の圧縮空気利用機器へ圧縮空気を供給する中空容器である。レシーバタンク3内の圧力を検出可能に、圧力センサ4が設けられる。
台数制御器5は、各圧縮機2および圧力センサ4に接続され、圧力センサ4による検出圧力などに基づき、各圧縮機2を制御する。本実施例では、各圧縮機2の運転の有無(つまり運転台数の変更)と、運転中の圧縮機2のフルロードロックの有無とを切り替える。具体的な制御方法は、以下のとおりである。
図2は、本実施例の圧縮機台数制御システム1による台数制御方法の一例を示す図であり、運転中の各圧縮機2の吐出圧力と、レシーバタンク3内の圧力(つまり圧力センサ4の検出圧力)と、運転台数増減表とを示している。運転台数増減表では、レシーバタンク3内の圧力Pとその変化率ΔPとに基づき、圧縮機2を如何に発停させるか、言い換えれば運転台数を如何に増減させるかを示している。この制御は、圧力センサ4の検出圧力Pと圧力変化率ΔPとをそれぞれ所定周期で求め、それに基づき行われる。本実施例では、検出圧力Pとして、台数制御器5のCPUの演算周期の所定回数分(たとえば20回分)の平均値が用いられ、圧力変化率ΔPとして、直近の所定時間(たとえば直近20秒)の平均値が用いられる。
圧力変化率ΔPとは、所定時間当たりの変動圧力である。圧力変化率ΔPがマイナスの場合、レシーバタンク3内の圧力は減少傾向にあり、圧力変化率ΔPがプラスの場合、レシーバタンク3内の圧力は増加傾向にある。圧縮空気利用機器による圧縮空気の使用量が、圧縮機2による圧縮空気の吐出量よりも多い場合、レシーバタンク3内の圧力は減少し、逆に、圧縮機2による圧縮空気の吐出量が、圧縮空気利用機器による圧縮空気の使用量よりも多い場合、レシーバタンク3内の圧力は増加する。
圧縮機2からレシーバタンク3への配管の圧力損失により、レシーバタンク3内の圧力は、圧縮機2の吐出圧力よりも若干低圧になる。そのため、図2において若干傾きのある破線で結んで示すように、レシーバタンク3内の圧力PL1,PL2,PH1,PH2は、それぞれ、圧縮機2の吐出圧力PL1´,PL2´,PH1´,PH2´と対応する。
台数制御器5は、圧力センサ4の検出圧力Pと、予め設定した圧力値とを比較して、圧縮機2の運転台数を増減する。この際、運転台数を変更する圧力値は、圧力センサ4の検出圧力の圧力変化率ΔPに基づき異なるよう設定されるのがよい。
つまり、まず、台数制御器5は、圧力センサ4の検出圧力Pが台数減少用圧力A以上になると圧縮機2を1台停止させる一方、圧力センサ4の検出圧力Pが台数増加用圧力B以下になると圧縮機2を1台起動させる。そして、好ましくは、台数制御器5により運転台数を減少させるか否かの境界値としての台数減少用圧力Aは、圧力変化率ΔPがプラス側へ大きくなるほど段階的に低圧になるよう設定される。また、台数制御器5により運転台数を増加させるか否かの境界値としての台数増加用圧力Bは、圧力変化率ΔPがマイナス側へ大きくなるほど段階的に高圧になるよう設定される。
そして、台数制御器5は、圧力センサ4の検出圧力Pが台数減少用圧力A以上または台数増加用圧力B以下の状態を維持する場合、所定時間(連続停止防止時間,連続起動防止時間)を経過するごとに前記圧縮機2を1台停止または1台起動させるが、圧力変化率ΔPの絶対値|ΔP|が設定値(ΔP1)以上の領域では、圧力センサ4の検出圧力Pが即時減少用圧力C以上になるか即時増加用圧力D以下になれば、前記所定時間の経過を待つことなくさらに1台停止または1台起動させる。なお、即時減少用圧力Cは、圧力変化率ΔPの絶対値が大きいほど低圧に設定され、即時増加用圧力Dは、圧力変化率ΔPの絶対値が大きいほど高圧に設定されるのがよい。また、連続停止防止時間と連続起動防止時間とは、互いに異なってもよいし同じでもよい。
本実施例では、台数制御器5は、1台の圧縮機2のみを運転する場合には、その1台は容量制御する一方、同時に複数台の圧縮機2を運転する場合には、1台を容量制御し、他を全負荷運転する。この際、最先に起動された圧縮機2を容量制御し、後続の圧縮機2は全負荷運転する。そのため、既に運転中の圧縮機2がある場合において、運転台数を増加させる際には、全負荷運転の圧縮機2を追加することになる。逆に、複数台の圧縮機2を運転中に、運転台数を減少させる際には、それまで容量制御していた先発機(最先に起動された圧縮機2)を停止させ、その代わりに次発機(2番目に起動された圧縮機2)を容量制御に切り替える。そして、以後は、この次発機が先発機として容量制御され、停止させる際の優先度が最も高くなる。
以下、レシーバタンク3内の圧力Pとその変化率ΔPとを用いた具体的制御について、図2に基づき説明する。なお、第一下限圧力PL1よりも低圧で第二下限圧力PL2が設定され、第一上限圧力PH1よりも高圧で第二上限圧力PH2が設定され、第一下限圧力PL1および第二下限圧力PL2は、第一上限圧力PH1および第二上限圧力PH2よりも低圧に設定される。さらに、第一下限圧力PL1と第一上限圧力PH1との間の圧力は、各圧縮機2の容量調整弁の制御範囲PL〜PHと対応するか、この制御範囲を含む形で設定される。また、各設定値ΔP1,ΔP2は、圧縮機1台分の全負荷運転時の吐出容量を考慮して設定される。
(1)圧力変化率ΔPの絶対値が第一設定値ΔP1未満である場合(|ΔP|<ΔP1)。具体的には、−ΔP1<ΔP<+ΔP1である場合。
圧力センサ4の検出圧力Pが台数減少用圧力Aとしての第二上限圧力PH2以上になると1台停止させる。これにより通常は圧力が第二上限圧力PH2を下回るが、この間も圧縮空気の使用負荷が減少し続けると、圧力が第二上限圧力PH2以上を維持する場合がある。その場合、所定の連続停止防止時間を経過するごとに圧縮機2を1台停止させる。つまり、圧力センサ4の検出圧力Pが図2における「1台停止」領域に留まる場合には、運転中の圧縮機2がある限り、連続停止防止時間を経過するごとに1台ずつ停止させる。
逆に、圧力センサ4の検出圧力Pが台数増加用圧力Bとしての第二下限圧力PL2以下になると1台起動させる。これにより通常は圧力が第二下限圧力PL2を上回るが、この間も圧縮空気の使用負荷が増加し続けると、圧力が第二下限圧力PL2以下を維持する場合がある。その場合、所定の連続起動防止時間を経過するごとに圧縮機2を1台起動させる。つまり、圧力センサ4の検出圧力Pが図2における「1台起動」領域に留まる場合には、停止中の圧縮機2がある限り、連続起動防止時間を経過するごとに1台ずつ起動させる。
(2)圧力変化率ΔPの絶対値が第一設定値ΔP1以上であるが第二設定値ΔP2未満である場合(ΔP1≦|ΔP|<ΔP2)。具体的には、+ΔP1≦ΔP<+ΔP2、または−ΔP2<ΔP≦−ΔP1である場合。
圧力センサ4の検出圧力Pが台数減少用圧力Aとしての第一上限圧力PH1以上になると1台停止させる。この場合も、1台停止させても第一上限圧力PH1以上を維持する場合、所定の連続停止防止時間を経過するごとに1台停止させるが、即時減少用圧力Cとしての第二上限圧力PH2以上になれば、連続停止防止時間の経過を待つことなくさらにもう1台停止させる。
つまり、図2において、「1台停止」領域に入ることで1台を停止させても、なおその領域に留まる場合には、運転中の圧縮機2がある限り、連続停止防止時間ごとに1台ずつ圧縮機2を停止させる。また、その間、「さらに1台停止」領域に入れば、連続停止防止時間を経過しないでも、さらに1台を停止させる。
逆に、圧力センサ4の検出圧力Pが台数増加用圧力Bとしての第一下限圧力PL1以下になると1台起動させる。この場合も、1台起動させても第一下限圧力PL1以下を維持する場合、所定の連続起動防止時間を経過するごとに1台起動させるが、即時増加用圧力Dとしての第二下限圧力PL2以下になれば、連続起動防止時間の経過を待つことなくさらにもう1台起動させる。
つまり、図2において、「1台起動」領域に入ることで1台を起動させても、なおその領域に留まる場合には、停止中の圧縮機2がある限り、連続起動防止時間ごとに1台ずつ圧縮機2を起動させる。また、その間、「さらに1台起動」領域に入れば、連続起動防止時間を経過しないでも、さらに1台を起動させる。
(3)圧力変化率ΔPの絶対値が第二設定値ΔP2以上である場合(|ΔP|≧ΔP2)。具体的には、ΔP≧+ΔP2、またはΔP≦−ΔP2である場合。
レシーバタンク3内の圧力上昇時(圧力変化率ΔPがプラスの場合つまりΔP≧+ΔP2の場合)には、圧力センサ4の検出圧力Pが台数減少用圧力Aとしての第一下限圧力PL1以上であると1台停止させる。この場合も、1台停止させても第一下限圧力PL1以上を維持する場合、所定の連続停止防止時間を経過するごとに1台停止させるが、即時減少用圧力Cとしての第一上限圧力PH1以上になれば、連続停止防止時間の経過を待つことなくさらにもう1台停止させる。そして、それでも第二上限圧力PH2以上になれば、さらにもう1台のフルロードロック状態を解除する。
つまり、図2において「1台停止」領域に入ることで1台を停止させても、なおその領域に留まる場合には、運転中の圧縮機2がある限り、連続停止防止時間ごとに1台ずつ圧縮機2を停止させる。また、その間、「さらに1台停止」領域に入れば、連続停止防止時間を経過しないでも、さらに1台を停止させる。さらに、「フルロードロック解除」領域に入れば、全負荷運転中の圧縮機2があれば、さらに1台のフルロードロック状態を解除する。
なお、「フルロードロック解除」領域では合計2台の圧縮機2が容量制御中になるが(それ以前に1台は容量制御中であるので)、圧力センサ4の検出圧力Pが第二上限圧力PH2未満になるか、圧力変化率ΔPが+ΔP2未満になると、その内の1台がフルロードロック状態つまり全負荷運転に戻される。
逆に、レシーバタンク3内の圧力下降時(圧力変化率ΔPがマイナスの場合つまりΔP≦−ΔP2の場合)には、圧力センサ4の検出圧力Pが台数増加用圧力Bとしての第一上限圧力PH1以下であると1台起動させる。この場合も、1台起動させても第一上限圧力PH1以下を維持する場合、所定の連続起動防止時間を経過するごとに1台起動させるが、即時増加用圧力Dとしての第一下限圧力PL1以下になれば、連続起動防止時間の経過を待つことなくさらにもう1台起動させる。
つまり、図2において「1台起動」領域に入ることで1台を起動させても、なおその領域に留まる場合には、停止中の圧縮機2がある限り、連続起動防止時間ごとに1台ずつ圧縮機2を起動させる。また、その間、「さらに1台起動」領域に入れば、連続起動防止時間を経過しないでも、さらに1台を起動させる。
本実施例の圧縮機台数制御システム1によれば、圧縮機2による圧縮空気の吐出量と、圧縮空気利用機器による圧縮空気の使用量との差を圧力変化率でとらえ、圧力変化率ΔPが大きいときは、圧縮機2を起動または停止させる圧力の閾値を変える。しかも、圧縮機2の連続的な起動または停止については所定の猶予時間を空けて行いつつも、圧力変化率ΔPが大きな領域では、即時減少用圧力C以上になるか即時増加用圧力D以下になれば所定時間の経過を待つことなく1台停止または1台起動させる。これにより、圧縮空気の吐出量と使用量との差を迅速に解消して、圧力変動を抑えることができる。
本発明の圧縮機台数制御システム1は、前記実施例の構成に限らず適宜変更可能である。たとえば、各圧縮機2は、アンローダ機能を有していてもよい。その場合、前記実施例において、圧縮機2の起動と停止は、圧縮機2のロードとアンロードとすればよい。
また、前記実施例では、同時に複数台の圧縮機2を運転する場合には、1台を容量制御し他を全負荷運転したが、その容量制御の方法は、前記実施例のように圧縮機2の吸込側に設けた容量調整弁に限らず、従来公知の他の構成を採用することもできる。さらに、容量制御せずに、すべての圧縮機2を単にオンオフ制御やロード・アンロード制御するだけでもよい。
また、前記実施例では、各圧縮機2からの圧縮空気はレシーバタンク3を介して圧縮空気利用機器へ送り、そのレシーバタンク3に圧力センサ4を設けたが、レシーバタンク3以外に、各圧縮機2から圧縮空気が供給される箇所、あるいは圧縮空気利用機器へ圧縮空気を送る箇所に、圧力センサ4を設けてもよい。
さらに、前記実施例では、各圧縮機2は互いに同一の構成および吐出容量としたが、場合によりこれらは異ならせてもよい。また、図2の台数増減表において、横軸の圧力変化率は五つの領域に分けたが、この領域数は適宜に増減可能である。同様に、縦軸の圧力は第一下限圧力PL1、第一上限圧力PH1、第二下限圧力PL2、第二上限圧力PH2で分けたが、これも適宜に増減できる。
1 圧縮機台数制御システム
2 圧縮機
3 レシーバタンク
4 圧力センサ
5 台数制御器
A 台数減少用圧力
B 台数増加用圧力
C 即時減少用圧力
D 即時増加用圧力

Claims (5)

  1. 複数台の圧縮機と、
    これら圧縮機から圧縮空気が供給されると共に圧縮空気利用機器へ圧縮空気を送る箇所に設けられ、圧縮空気の圧力を検出する圧力センサと、
    この圧力センサの検出圧力とその圧力変化率とに基づき前記圧縮機の運転台数を変更する台数制御器とを備え、
    前記台数制御器は、前記圧力センサの検出圧力が台数減少用圧力以上になると前記圧縮機を1台停止させる一方、前記圧力センサの検出圧力が台数増加用圧力以下になると前記圧縮機を1台起動させ、
    それでも前記圧力センサの検出圧力が前記台数減少用圧力以上または前記台数増加用圧力以下の状態を維持する場合、所定時間を経過するごとに前記圧縮機を1台停止または1台起動させるが、圧力変化率の絶対値が設定値以上の領域では、前記圧力センサの検出圧力が即時減少用圧力以上になるか即時増加用圧力以下になれば、前記所定時間の経過を待つことなくさらに1台停止または1台起動させる
    ことを特徴とする圧縮機台数制御システム。
  2. 前記台数制御器により運転台数を減少させるか否かの境界値としての前記台数減少用圧力は、圧力変化率がプラス側へ大きくなるほど低圧になるよう設定され、
    前記台数制御器により運転台数を増加させるか否かの境界値としての前記台数増加用圧力は、圧力変化率がマイナス側へ大きくなるほど高圧になるよう設定され、
    前記圧力センサの検出圧力が前記台数減少用圧力以上になると、前記圧縮機を1台停止させ、それでも台数減少用圧力以上を維持する場合、所定の連続停止防止時間を経過するごとに前記圧縮機を1台停止させるが、圧力変化率の絶対値が設定値以上の領域では、前記台数減少用圧力よりも高圧で設定された前記即時減少用圧力以上になれば、前記連続停止防止時間の経過を待つことなくさらに1台停止させ、
    前記圧力センサの検出圧力が前記台数増加用圧力以下になると、前記圧縮機を1台起動させ、それでも台数増加用圧力以下を維持する場合、所定の連続起動防止時間を経過するごとに前記圧縮機を1台起動させるが、圧力変化率の絶対値が設定値以上の領域では、前記台数増加用圧力よりも低圧で設定された前記即時増加用圧力以下になれば、前記連続起動防止時間の経過を待つことなくさらに1台起動させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の圧縮機台数制御システム。
  3. 前記即時減少用圧力は、圧力変化率の絶対値が大きいほど低圧に設定され、
    前記即時増加用圧力は、圧力変化率の絶対値が大きいほど高圧に設定される
    ことを特徴とする請求項2に記載の圧縮機台数制御システム。
  4. 前記各圧縮機は、同時に複数台が運転される場合、1台が容量制御され、他は全負荷運転され、
    前記各圧縮機からの圧縮空気は、共通のレシーバタンクへ供給された後、一または複数の圧縮空気利用機器へ送られ、
    前記圧力センサは、前記レシーバタンクに設置され、
    圧力変化率ΔPの絶対値が第一設定値ΔP1未満である場合には、前記圧力センサの検出圧力Pが、前記台数減少用圧力としての第二上限圧力PH2以上になると1台停止させる一方、前記台数増加用圧力としての第二下限圧力PL2以下になると1台起動させ、
    圧力変化率ΔPの絶対値が第一設定値ΔP1以上であるが第二設定値ΔP2未満である場合には、
    前記圧力センサの検出圧力Pが前記台数減少用圧力としての第一上限圧力PH1以上になると1台停止させ、それでも第一上限圧力PH1以上を維持する場合、所定の連続停止防止時間を経過するごとに1台停止させるが、前記第一上限圧力PH1よりも高圧の前記即時減少用圧力としての第二上限圧力PH2以上になれば、前記連続停止防止時間の経過を待つことなくさらにもう1台停止させる一方、
    前記圧力センサの検出圧力Pが前記台数増加用圧力としての第一下限圧力PL1以下になると1台起動させ、それでも第一下限圧力PL1以下を維持する場合、所定の連続起動防止時間を経過するごとに1台起動させるが、前記第一下限圧力PL1よりも低圧の前記即時増加用圧力としての第二下限圧力PL2以下になれば、前記連続起動防止時間の経過を待つことなくさらに1台起動させ、
    圧力変化率ΔPの絶対値が第二設定値ΔP2以上である場合には、
    前記レシーバタンク内の圧力上昇時には、前記圧力センサの検出圧力Pが前記台数減少用圧力としての第一下限圧力PL1以上であると1台停止させ、それでも第一下限圧力PL1以上を維持する場合、所定の連続停止防止時間を経過するごとに1台停止させるが、前記第一下限圧力PL1よりも高圧の前記即時減少用圧力としての第一上限圧力PH1以上になれば、前記連続停止防止時間の経過を待つことなくさらにもう1台停止させる一方、
    前記レシーバタンク内の圧力下降時には、前記圧力センサの検出圧力Pが前記台数増加用圧力としての第一上限圧力PH1以下であると1台起動させ、それでも第一上限圧力PH1以下を維持する場合、所定の連続起動防止時間を経過するごとに1台起動させるが、前記第一上限圧力PH1よりも低圧の前記即時増加用圧力としての第一下限圧力PL1以下になれば、前記連続起動防止時間の経過を待つことなくさらにもう1台起動させる
    ことを特徴とする請求項3に記載の圧縮機台数制御システム。
  5. 圧力変化率ΔPの絶対値が第二設定値ΔP2以上である場合には、前記レシーバタンク内の圧力上昇時には、前記圧力センサの検出圧力Pが前記第一下限圧力PL1以上であると1台停止させ、それでも第一下限圧力PL1以上を維持する場合、所定の連続停止防止時間を経過するごとに1台停止させるが、前記第一下限圧力PL1よりも高圧の前記第一上限圧力PH1以上になれば、前記連続停止防止時間の経過を待つことなくさらにもう1台停止させ、前記第一上限圧力PH1よりも高圧の前記第二上限圧力PH2以上になれば、さらにもう1台の全負荷運転のロック状態を解除する
    ことを特徴とする請求項4に記載の圧縮機台数制御システム。
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