JP5671199B2 - 包装容器の蓋材 - Google Patents
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Description
(1)最終製品としてのカップラーメンに対して、金属探知機を利用した異物混入検査を行なうことが不可能となる。これは、アルミ層が金属探知機に反応するからである。
(2)廃棄焼却の際に、アルミが焼却炉内に残って、焼却炉内壁等に付着する。
(3)電子レンジによる調理が行われる場合、アルミ層の外周縁でスパークが生じることがある。
この易湾曲帯状領域は、プラスチック基材層を貫通する複数本の平行ハーフカットで構成されていて、これにより良好な保形性を確保している。
本発明のシート状蓋材は、外周縁に開封用タブを有し、カップ状容器本体の開口外周縁に引き剥がし可能に固定される。当該シート状蓋材は、少なくとも、「開口外周縁に固定するためのシール層」と「ポリ乳酸系フィルム層」と「紙層およびフィルム層からなる基材層」とを含む積層体からなる。
さらに、上記基材層に複数のハーフカットを設け、当該ハーフカットを設けた領域における蓋材強度が弱くなるよう構成している。
ポリ乳酸系フィルム層(PLA層)は、トウモロコシ等から採取される植物由来の樹脂であって、それ自体が保形性を有する。このような保形性を有するPLA層を採用するとともに、ハーフカットを併用することで、アルミ層を省略しつつも有効な保形性を実現している。ハーフカットが形成された領域においては、他の領域に比べて蓋材強度が相対的に低下するので、この領域を利用して、シート状蓋材を「上方へ湾曲して開口した状態」を維持することができる。すなわち、アルミ層を省略しつつも保形性を実現できる。
図2は、本発明のシート状蓋材20を備えたカップ状容器10を示す斜視図であって、図4は、図2中の4−4線断面を示している。本発明においては、ポリ乳酸系フィルム層(PLA層)およびハーフカットを利用することで、アルミ層無しでの保形性を実現している。
ハーフカットが形成された領域においては、他の領域に比べて蓋材強度が相対的に低下するので、この領域を利用して、シート状蓋材を「上方へ湾曲して開口した状態」に維持することができる。
図3に示した開封状態を見れば分かるように、ハーフカット群50aに対応する領域では、シート状蓋材は比較的小さな弧を描いて湾曲する。したがって、ハーフカット群50aにおいては、各ハーフカットの間隔を小さくしている。
一方、ハーフカット群50bに対応する領域では、シート状蓋材は比較的大きな弧を描いて湾曲する。したがって、ハーフカット群50bにおいては、各ハーフカットの間隔を大きくしている。
図2の例において、ハーフカット群50aは、蓋材の中心Cに関し、開封用タブ21とは反対側の位置であって、開封用タブ21と蓋材中心Cを結ぶ仮想線に対し略直交して延在する(すなわち、矢印Aで示した開封方向に略直交して延在する)。あるいは、ハーフカット群は、シート状蓋材の中心Cを通る位置で、上記仮想線に対し略直交して延在していてもよい。
すなわち、図3に示した開封状態においては、上方へと湾曲して反っている蓋部分の割合が大きくなり、重力の影響で良好な開口状態が維持できる。また、メンを蒸らす場合においても、重力の作用により閉止状態を維持するのは容易である。
図4の断面図に示したように、シート状蓋材20は、表側から順に、「PLA層」、「紙層」、「PET(ポリエチレンテレフタレート)基材層」、「PE(ポリエチレン)層」、「シール層」を備える。
ハーフカット群50aは、「PET基材層」から「紙層」の途中まで形成されている。そして、ハーフカット50aを形成した後で、これを覆うように、「PE層」および「シール層」が積層される。図示していないが、ハーフカット群50bも同じである。
ハーフカットをシート状蓋材の裏面側に入れる場合、図4の断面図に示したように、最下層のヒートシール層でハーフカットを覆う(塞ぐ)ことが好ましい。その理由は、油シミ対策である。すなわち、ハーフカットが裏面に露出していると、特に油分を含む内容物の場合、当該油分が露出したハーフカット内に侵入し、これが表面側からシミとして視認されることとなり、商品価値が低下するからである。
すなわち、シールヘッドによりシート状蓋材のヒートシールを行う場合、シート状蓋材中の紙層に含まれている水分が蒸発して逃げようとする。このとき、紙層の表裏両面にフィルム層が積層されていると、水蒸気がフィルム層を押し上げて、いわゆるバブリング現象を起こし、シート状蓋材の表面に凹凸が生じる。
紙層としては、少なくとも表面が白色で多色印刷適性を有するものが好ましく、坪量50g/m2 〜120g/m2 程度、好ましくは75g/m2 〜100g/m2 程度の両アート紙、片アート紙あるいは両面、片面コート紙などを好適に使用することができる。この紙層が薄すぎると、ピールに際し紙層自体が破れたりあるいは、例えば着色された遮光層を設けた場合、表面から黒ずんで見えたりするので商品価値が劣ることになり、また厚過ぎるとピールした際にデッドホールド性に乏しくなる危惧がある。また、紙層に加え、ポリエチレンテレフタレートや延伸ナイロンや延伸ポリプロピレンや酸化アルミニウムや酸化珪素などの金属酸化物をセラミック蒸着したポリエチレンテレフタレート、延伸ポリプロピレンなどの強度や各種バリアー性などが優れた5〜12μmの樹脂フィルムを積層することもできる。
シール層としては、例えばヒートシール性に優れる直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、無延伸ポリプロピレン(CPP)等のポリオレフィン樹脂あるいはエチレン/酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン/アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン/メタアクリル酸共重合体(EMAA)等エチレン共重合樹脂のフィルムが好適に用いられ、さらにこれらポリオレフィン樹脂にポリスチレンやポリブデン等からなる、ポリオレフィン樹脂に対し不相溶性成分を混合したものとすることもできる。また、エチレン/酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン/アクリル酸共重合樹脂等からなるホットメルト接着剤を塗布量15〜25g/m2 程度で設けてもよく、これらシーラント層(42)によって容器本体(10)のフランジ部(12)との十分な密封性と剥離開封性を可能とすることができる。
11 開口外周縁
20、20’ シート状蓋材
21 開封タブ
50a、50b、50a’ ハーフカット群
Claims (3)
- 外周縁に開封用タブ(21)を有し、カップ状容器本体(10)の開口外周縁(11)に引き剥がし可能に固定されるシート状蓋材であって、
当該シート状蓋材は、少なくとも、開口外周縁(11)に固定するためのシール層と、
ポリ乳酸系フィルム層と、紙層およびフィルム層からなる基材層と、を含む積層体からなり、
上記積層体において、ポリ乳酸層系フィルム層が最上層に位置し、シール層が最下層に位置し、基材層が中間層に位置するように配置されており、
上記基材層に複数のハーフカット(50a、50b、50a')を設け、当該ハーフカットを設けた領域における蓋材強度が弱くなるよう構成し、
上記シール層は、ポリオレフィン樹脂、エチレン共重合樹脂、ポリオレフィン樹脂に不相溶性成分を混合したもの、又はホットメルト接着剤で形成したことを特徴とする、シート状蓋材。
- 上記複数のハーフカットは、
シート状蓋材の中心(C)に関して開封用タブ(21)とは反対側の位置において、開封用タブ(21)と上記中心(C)を結ぶ仮想線に対し略直交して延在している第一のハーフカット群(50a)と、
シート状蓋材の中心(C)に関して開封用タブ(21)の側の位置において、開封用タブ(21)と上記中心(C)を結ぶ仮想線に対し略直交して延在している第二のハーフカット群(50b)と、から構成されており、
前記第一のハーフカット群(50a)を成す複数本のハーフカット相互間の間隔は、前記第二のハーフカット群(50b)を成す複数本のハーフカット相互間の間隔より、小さいことを特徴とする、請求項1記載のシート状蓋材。
- 上記ハーフカット(50a')がシート状蓋材の上表面から形成されていることを特徴とする、請求項1または2記載のシート状蓋材。
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