JP5670918B2 - 電磁アクチュエータの適応制御のための装置、制御器、及び方法 - Google Patents

電磁アクチュエータの適応制御のための装置、制御器、及び方法 Download PDF

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Description

本発明は、構造物試験機(structure testing machines)などの装置に使用される電磁駆動アクチュエータ(electromagnetically-driven actuators)に関連し、試験荷重に対する構造物の反応を試験する際、及びその構造物の変化するパラメータを考慮することが必要となる動作を制御する際に、このようなアクチュエータや装置を制御するための方法に関連する。
装置は、標本材料(specimen material)の1つ以上の物理的特性の評価を提供するための材料試験機(materials testing machine)とすることができ、又は負荷された荷重に対する構造物若しくは構成部品(component)の応答を評価するための構造物若しくは部品試験機、又は適応制御を必要とするその他の装置とすることができる。
従来の材料試験機では、試験機の一部を構成する監視制御システムの制御下において、試験荷重が試験片に加えられる。アクチュエータは、機械フレームにより支持されており、作動においては、既定の軸の方向に沿って、試験片に試験荷重を加える。制御器は、アクチュエータに作動信号(actuating signal)を与えるため、制御器入力信号、及び制御器パラメータのセットに応答する。この作動信号により、アクチュエータは試験片に試験荷重を与え、これは、既定軸の方向に、試験片の寸法の変化(dimensional changes)を生じさせる。制御器は、構造物試験機において、剪断力(shear force)与えるために使用することもでき、2つの反対側の端で保持された試験構造物にアクチュエータを介してトルクが加えられる。
材料試験機に通常に用いられる監視制御システムは、試験片の所定の条件を表す条件信号を返すためのフィードバック経路を有する閉ループ(closed loop)システムである。条件信号は、制御器に制御器入力信号を適用した際の結果を示し、入力要求信号と条件信号に対応する比較器(comparator)は、入力要求信号と条件信号の間の差分を表す制御器入力信号を生成する。
制御器は、通常、比例−積分−微分(proportional-integral-derivative: PID)制御器の形をとり、測定されたプロセス変数とその変数に対する要求値との間の差分を補正するための補正信号を供給する制御ループフィードバック機構を有する。材料試験機の要求信号は、試験片の所定の位置(又は、変位(displacement))、荷重、又は伸長(歪み(strain))を要求する信号である。即ち、特定の測定された変数は、指示された値の軌道に、できる限り密に追従するように制御される。幾つかのケースでは、フィードバック経路は、試験片の位置、試験片にかかる荷重、又は試験片の伸長を表す条件信号をフィードバックするためのモード選択ユニットを有する。
そのような材料試験機が長年使用されてきたが、幾つかの点で、その性能は十分ではない。特に、そのような材料試験機の動的作用は、試験片の剛性(stiffness)の影響を受ける。標本の剛性に対する感度は2つの問題を提起する。第1に、機械の制御器は、異なるタイプの標本が装着される度に再調整されなければならない。通常、そのような再調整は手作業で行われ、これにはある程度の技術が要求されるために、時には不首尾に終わる。第2に、試験の開始において、機械制御器が正しく調整されたとしても、試験中の剛性の変更は、最適な実行が維持されることを妨げる。このような剛性の変化は、一般的である。金属試験において、例えば、疲労亀裂の伝播、又は弾性から塑性性質への転移などの損傷メカニズムが、剛性を変化させる原因となる。自動車用エラストマー部品(automotive elastomeric component)などのその他の標本は、本質的に、非線形の剛性特性を有している。
剛性変化が試験機にどの様に影響するかは、試験に用いられる制御のモードに依存する。荷重制御において、標本の剛性が減少すると、反応はより遅くなる。歪み制御においては、反対のことが生じ、反応はより早くなるが、利得が非常に高い場合には、これは閉ループの不安定性を引き起こす。
剛性変化に対する感度は、アクチュエータと荷重フレームの一定の剛性に依存する。荷重フレームは、標本が装着された時に保存された歪みエネルギーを最小にするために、堅く(stiff)なるよう設計される。一方、異なるアクチュエータでは、速度、力及びストロークの多様な要求に合わせるため全く異なる剛性を有する。アクチュエータが堅い場合、荷重制御における感度は最悪となる。歪み制御において、ソフトアクチュエータを装着した機械は最も影響を受けやすい。
自己最適化PID制御器が、緩やかに又は不連続に変化するパラメータを有する機械に使用するために提案されている。この制御器は、システムダイナミクス(system dynamics)を判定するためにインパルス信号を使用する。そして、PIDパラメータの最良セットを見つけるため、山登り(hill-climbing)最適化ルーチンが用いられる。この方法は、主に初期自動調整を目的とする。制御器を再調整するため、試験中に使用することができると言われているが、これは、より多くのインパルス信号を加えることを伴うことになり、電磁アクチュエータを有する機械に対して完全な解決法は未だに得られていない。
閉ループのサーボ油圧(servo-hydraulic)材料試験機に対する様々な自動調整制御システムが提案されている。1つの提案において、明らかにされた目的は、サーボ油圧材料試験機に対する自動調整制御器を提供することであり、これは、既存のPID制御器に対し用いられる「試行錯誤」アプローチの類により手動で調整する必要がない。幾つかの調査の後、極配置制御器が採用されている。試行においては、要求信号が動的に豊富である限りは、システムは十分に動作することが明らかになった。
再生スペクトルを用い、周期的入力を伴うシステムに対し開発された繰返し制御システムが材料試験に適用されている。これは、学習タイプの制御器であり、周期(cycle)ごとに、非線形性により生じるエラーを減らす。しかし、これは、周期的な波形に対してのみに適している。
上記のシステムは、自動調整、又は学習タイプ制御器として分類することができる。学習タイプ制御器の不利点は、特定の要求信号及び試験のタイプに限定されることであり、剛性変化に対処するために自動調整制御器を拡張することは、ダイナミクスを推定するための不要な探査(probing)信号の使用を必要とする。材料試験において、推定は特に困難であり、通常の動作信号が動的に豊富ではなく、従来の探査は、多くの試験の結果に許容出来ない程に影響するため、受け入れられない。
US 5,511,431は、構造物(structure)の所定の軸方向にかけられる荷重に対する試験構造物の反応を検査するための構造物試験機を開示する。最初の手順は、PID制御器の前方経路制御利得を設定するために必要な計算における幾つかの必須機械パラメータを特定する。そして、試験構造物の推定された剛性の変化に機械を適合させる監視制御システムの制御下において、試験は実行される。適応制御ループは剛性推定器を有しており、これは、試験荷重の適用により生じる試験構造物の寸法変化(dimensional changes)から、構造物剛性を表す適応制御信号、並びにアクチュエータ、アクチュエータ支持フレーム、及び試験構造物の結合された剛性を表す適応制御信号を生成する。PID制御器パラメータは、適応制御信号に応答して、制御器の前方経路利得を変更するために更新される。このように、試験機は、試験機と試験構造物の結合された剛性に関連して、試験構造物の剛性の変化に適応する。
EP-A-0897110は、試験片に与えられる荷重、及び試験片に生じる機構変化に基づき、試験片の機構的性質(mechanical property)を測定する電気油圧式(electro-hydraulic)材料試験機を開示しており、ここでは、試験片に荷重を加えるための油圧アクチュエータを含むサーボ(servo)システムの動作を制御するためのフィードバックを用いる。測定された性質(例えば、初期荷重、及び測定された初期変位から決定された推定剛性)は、フィードバック制御のための初期制御利得を設定するために使用され、制御利得は、試験中、試験材料の観測された性質(例えば、試験中、周期的に検出される荷重、及び機構的変化から推定される剛性)に基づいて調整される。EP-A-0897110において、試験中の調整は、ルックアップテーブルからの読み出し値に依存する。これは、システムパラメータの予測可能な変化のみに対処できるという点で柔軟ではない。即ち、試験機の特定モデルについて、剛性値の範囲に対する利得値が決定され、テーブル内に保存されるが、所定値のルックアップテーブルに依存する方法は、その他の機械パラメータの変化に適応できない。
国際公開公報WO 2008/023226は、標本に力を加えるように構成された電気的制御可能アクチュエータを有する材料試験機を開示している。フィードバック制御利得は、1つの観測されるパラメータ値−剛性から計算される。しかし、機械を調整するために必要な計算は、数学的に複雑であり、それ故に、現状のプロセッサを用いると実行が遅い。試験機は、試験開始前に調整しなければならず、制御器利得は一定のままとなる。
上記の幾つかの解決手段は、技術的に大きな進歩を示しているが、更なる困難性を残している。特に、幾つかの既知の解決手段は、(試験開始前の初期調整に対する高い依存性などの問題がある)サーボ油圧システムにおける十分な結果を提供できているが、その他のタイプの試験機に適用された場合、未だに満足な結果を提供できていない。
本発明の発明者は、改良された自動化された制御器調整が、電磁気的に制御されるアクチュエータを含む構造物試験機に必要であり、試験中に大きく、且つ非線形に変化する剛性など、変化する標本パラメータに非常に速く応答するため、そのような装置が必要であると断定している。本明細書における標本は、試験条件下での1以上の物理的性質、又はその振舞いを評価することが必要な任意の試験材料、構造物、又は構成部品とすることができる。
本発明の第1の態様は、構造物試験機内の直接駆動(direct drive)電磁アクチュエータを制御するための方法を提供し、このアクチュエータは、試験中、試験構造物に荷重を与えるよう構成され、本方法は、試験片に荷重を加えるために電磁アクチュエータを制御することにより試験を実行するステップ、負荷された荷重と試験構造物の1以上のパラメータの変化の両方を観測するステップ、試験中、観測されたパラメータに応答して、アクチュエータの制御器に対する制御利得を繰返し計算するステップとを含む。
本発明の第2の態様は、試験構造物に荷重を加えるよう構成された電磁駆動アクチュエータ、及びアクチュエータに制御信号を供給するためのアクチュエータ制御器を有する構造物試験装置を提供し、アクチュエータは、直接駆動電気モーターと、試験中の制御利得の繰返し自動調整のための手段を有する制御器を含む。
本発明の第3の態様は、試験構造物に荷重を加えるよう構成された電磁駆動アクチュエータ、及びアクチュエータに制御信号を供給するためのアクチュエータ制御器を有する構造物試験装置を提供し、制御器は、試験中、フィードバック経路内で作用する少なくとも1つの制御利得を含む複数の制御利得の繰返し自動調整のための手段を有する。
本発明の第4の態様は、構造物試験機内の電磁アクチュエータを制御するための方法を提供し、このアクチュエータは、試験中に試験片に荷重を加えるよう構成され、本方法は、試験片に荷重を加えるために電磁アクチュエータを制御することにより試験を実行するステップ、負荷された荷重と試験片の1以上のパラメータの変化の両方を観測するステップ、試験中、観測されたパラメータに応答して、アクチュエータの制御器に対する制御利得を繰返し計算するステップであって、フィードバック経路内で作用する少なくとも1つの利得を繰返し計算するステップを含有するステップ、を含む。
本発明の態様は、試験片に荷重が加えられる試験中に、構造物試験機の電磁駆動アクチュエータの制御器の連続的な自動調整を提供する。これは、試験片に所望の荷重を負荷し、高速に、正確に、及び安定に変位、荷重又は歪みを制御するために、試験機の性能を大きく改良することができる。本明細書における「連続的な」調整は、試験中の制御利得の自動計算の繰返し実行を含み、繰返し自動調整は、連続調整に近い。例えば、自動化された計算は、数ミリ秒毎に繰り返すことができる。
1つの実施例において、電磁アクチュエータを制御する方法は、電磁アクチュエータの制御器に対する初期制御利得を設定するステップと、試験片に荷重を加えるために電磁アクチュエータを制御するにより試験を実行するステップと、負荷された荷重と、剛性を含む試験構造物の1以上のパラメータの変化の両方を観測するステップと、試験中に、観測された1以上のパラメータに基づき、電磁アクチュエータの制御器に対する前方制御経路及びフィードバック制御経路利得の自動化された計算を繰返し実行して、負荷荷重を所望荷重に向けて修正するステップとを有する。
電磁アクチュエータは、望ましくは、直接駆動のリニア(linear)又は回転(rotary)電気モーターアクチュエータであり、ここでは、モーターの可動部分に荷重(直線力又はトルク)を直接的に加える磁力を生成するために電流が用いられる。これまで、構造物試験機の適応調整がサーボ油圧システムに適用されており、比較的安定的なダイナミクスを有し、コマンド入力に応答して一定のアクチュエータ速度を達成しているが、直接駆動リニアモーターに基づいた試験機は、試験中に固定されたままとなる初期制御器調整のみを実装する。これは一部には、直接駆動の電気モーターアクチュエータを含む構造物試験機を自動調整することの複雑さのためである。
適応補正がサーボ油圧システムに適用されており、そして、これを電気モーターにも適用する案が出されたが、この提案時に利用可能な機械は、直線運動又はより遅い回転運動を生成するため、ボールねじ(ball screw)又はその他の何らかのギア付き構成を有する非線形駆動の回転モーターを使用していた。そのような機械は、駆動増幅器にフィードバックされる「回転速度計(tacho)」測定の形式での一種の速度フィードバックを含むことができるが、これは固定形式でのフィードバックであり、その利得は、通常、電子回路内の抵抗器を用いて設定される。試験中の利得の提案された調整は、比例及び積分のフィードバック利得の拡大又は縮小(scaling up or down)を含むのみであり、試験中の剛性の変化に完全には対処していない。簡単には、既知の解決方法は、直接駆動電気モーターの安定的な制御に適した制御利得の自動化された繰返し再計算を開示していない。
本発明は、構造物試験機のアクチュエータの制御器に対する制御利得の繰返し再計算を可能にし、速度フィードバック制御利得Kvを含む。本発明は、直接駆動のリニア及び回転モーターを採用する構造物試験機の連続的な自動調整を可能にし、比較可能なサーボ油圧システムよりかなり不安定なダイナミクスを有し、より速い速度に到達できる。
本発明の1つの実施例において、制御利得の自動繰返し計算は、別々の計算ステップの所定のセットを周期的に実行することを含み、このステップの各々は、所定の複数のプロセッサクロック周期の1以上の所定のプロセッサクロック周期以内に実行され、そして所定の複数のプロセッサクロック周期の後にステップのセットを繰り返す。1つの実施例において、計算は14 ms毎に繰り返され、一方で、より速いプロセッサを使うことにより減少させることができる。
複雑な制御利得計算を所定数Mのクロック周期に対応するステップのセットに分けることにより、及び、制御利得を再計算するステップに含まれるN動作の全セットの各々をシーケンスM内の特定のクロック周期に割り当てることにより、構造物試験機の連続自動調整において、再計算をMクロック周期毎に繰り返すことができる(又は、Mより大きいその他何らかの所定数の周期、又はもし並列処理が使われるならば、より小さい所定数の後に繰り返すことができる)。各ステップは、1つの関数呼び出し(call)、分割演算、三角法演算、平方根、又はその他の数学的に複雑な関数の最大値(maximum)など、1つの計算上で複雑な関数の最大値(又は、その他何らかの最大数)を含むように制限することができる。あるいは、使用するプロセッサに応じて、計算上複雑な複数の演算を単一クロック周期内に実行することができ、又は幾つかの関数は、完結のために、1より多いクロック周期を要求できる。
初期制御利得を設定するステップは、位置、荷重及び歪み制御のための所定の初期設定制御器利得を適用するステップを含むことができ、これらの初期設定利得は標本剛性の全ての値に対して安定的であることが知られている。即ち、標本パラメータが既知となる前でさえ、動的な制御は実行される。通常、初期設定値は最適な応答時間を達成しないであろうが、アクチュエータを正確に制御するためには十分であり、標本パラメータが決定され、最適利得値が計算される。他の実施例において、荷重ストリング(load string)の剛性が計算され、初期制御利得を決定するために使用される。その他のパラメータもまた使用することができる。
本発明の発明者は、制御器利得Kp、Ki及びKvの理想値、並びにそれらの間の平衡は、標本剛性が変わるに従い連続的に変化し、このため制御利得は、荷重ストリング剛性(標本及び試験装置の剛性)を観測することにより、試験中に繰返し再計算されるべきであると断定している。歪み制御モードで動作する時、伸縮計(extensometer)もまた標本剛性を計算するために使用される。標本剛性は、試験下における標本の力/伸長カーブの勾配として定義され、ここで、力は試験片に加えられ、測定された伸長は、試験下の構成部品に対する局部的伸長であり、通常は当技術分野で周知のように伸縮計を用いて測定される。荷重ストリング剛性は、試験中の力/伸長カーブの勾配として定義され、力は試験片に加えられ、測定された伸長は、標本と試験機の結合した構造物の変位である。
前方経路制御利得は、望ましくは、比例(Kp)及び積分(Ki)制御利得を含み、フィードバック制御利得は、望ましくは、速度フィードバック制御利得(Kv)を有する。速度フィードバックは、本質的にわずかに減衰する(damped)電気モーターアクチュエータに対するシステムダンピング(damping)を改善することができる。機械的な試験片と結合して、わずかに減衰したアクチュエータは、1〜100Hzの範囲で共振を伴い振動する傾向があり、この範囲は、試験の実行における有益な周波数範囲内にあり、共振は簡単に発生することができ、不安定なシステムを生成する。
1つの実施例において、本発明は、複数の制御モード−変位、荷重、及び歪み制御における適応制御を提供する。1つの実施例において、全ての制御チャネル上の制御パラメータは、同時に更新され、このため、ユーザが位置制御から荷重制御への変更を希望した場合、例えば、制御器は既に正確にセットアップされている。荷重制御モードは、試験片に加えられる力の制御を含み、これはロードセル(load cell)により測定される。歪み制御モードは、標本材料の局部伸長の制御を含み、これは伸縮計により測定できる。
制御利得再計算が分割された後の複数のステップは、1以上の構造物試験機パラメータ値を決定するための事前計算ステップ(又は、ステップのセット)を伴う。1つの実施例において、事前計算ステップは、制御ループの時間遅延、及び/又は剛性に加え、単位標本剛性当りの内部ダンピングの原因となる。
制御利得の再計算は、好ましくは、1以上の補償器(compensator)を使用するステップを含む。即ち、1つの実施例による材料試験機制御器は、前方経路において、リードラグ(lead-lag)及び「ノッチフィルター」補償器と共に、Kp及びKi制御利得を使用する。これらの利得と補償は、位置、荷重、又は歪みモードにおける誤差信号(要求信号と達成値の比較から生じる)に適用される。フィードバック経路内の更なる制御利得と補償器が、速度(又は、位置から推定される速度)と加速度を含むフィードバック信号に適用される。リードラグ、ノッチフィルター又はその他タイプの補償器が、例えば、時間遅延、応答又はセンサー測定における連続的なラグ(lag)、又は自動調整計算でモデル化されていないその他のソースからの共振など、システムのその他の部分における所望しない動的振舞いに対して「補償する」ために使用される。従って、補償器内の利得は、自動調整計算がKp、Ki及びKvを変化させる一方で、多くの場合に固定である。その他の実施例において、自動調整計算は、特に、より高いKv値を得るために、補償器利得の値も同様に変更する。前方経路内の補償器としての固定「システムノッチフィルター」は、一般的に、より高周波数での共振の励起を回避するために適切であり、フィードバック経路内の補償器としての固定平均化フィルターは、一般的に、速度フィードバックの計算におけるセンサーノイズの増幅を防止するために適切である。
本発明のその他の態様は、構造物試験機内の電磁アクチュエータを制御するための制御器を提供し、構造物試験機は、試験片に荷重を加えるための電磁アクチュエータ、試験片に負荷された荷重を観測するための荷重検出器、試験中、試験片の剛性を含む1以上のパラメータの変化を観測するためのモニタリング装置を含み、制御器は、構造物試験機内で、試験片に荷重を加えるようにアクチュエータを制御するための手段、観測された1以上のパラメータに基づいて、フィードバック経路内で作用する少なくとも1つの利得を含む、制御器に対する複数の制御利得の自動化された計算を試験中に繰返し実行するための手段、制御器内の計算された利得を、試験中にアクチュエータの繰返し調整動作に適用するための手段を有する。
本発明の1つの実施例は、試験機内の直接駆動電磁アクチュエータを制御するための制御器を提供し、試験機は、試験片に荷重を加えるための電磁アクチュエータ、試験片に負荷された荷重を観測するための荷重検出器、試験中、試験片の剛性を含む1つ以上のパラメータの変化を観測するためのモニタリング装置を含み、制御器は、構造物試験機内で、試験片に荷重を加えるようにアクチュエータを制御するための手段、観測された1つ以上のパラメータに基づいて、制御器における前方制御経路及びフィードバック制御経路利得の自動化された計算を試験中に繰返し実行するための手段、制御器内の計算された利得を、試験中にアクチュエータの連続的な調整動作に適用するための手段を有する。
上記の制御器は、機械読み取り可能記録媒体(「コンピュータプログラムプロダクト」)に記録されたコンピュータプログラムコードを用いて実装することができる。プログラムコードは、試験中にアクチュエータの動作を制御するため、構造物試験機内のプロセッサにより実行可能である。本発明を実行するためのコンピュータプログラムは、試験片の観測された1つ以上のパラメータに基づいて、前方制御経路とフィードバック制御経路利得の自動化された計算を試験中に繰返し実行するため、プロセッサによる実行のためのプログラムコードを有する。制御器は、観測された1つ以上のパラメータに応答して、アクチュエータの連続的な適応制御に対する自動的に調整された制御信号を生成する。
本発明の更なる態様は、試験片ホルダー(holder)、ホルダーにより保持された試験片に荷重を加えるための電磁アクチュエータ、試験片に負荷された荷重を観察するための荷重検出器、荷重が加えられている時に試験片を観測するためのモニタリング装置、試験片に荷重を加えるためにアクチュエータを制御するための制御器、を有する構造物試験機を提供し、制御器は、観測された1つ以上のパラメータに基づいて、制御器に対する前方制御経路とフィードバック制御経路利得の自動化された計算を試験中に繰返し実行するよう適合され、計算された利得を試験中にアクチュエータの連続的な調整動作に適用するよう適合される。
既知の試験機制御器と異なり、本発明の制御器、及び方法は、所定回数のプロセッサクロック周期内で、構造物試験中に全ての利得を繰り返し再計算することができ、これは、連続的、又はほぼ連続的な自動調整を可能にし、制御利得値のそれぞれ繰り返される計算に対する確定的な完了時間を可能にする。複雑な数学的演算を、単一のプロセッサクロック周期、又は所定数の周期内にそれぞれ完了可能な複数のステップに分割することは、演算が時間切れしないことを保証し、これは、連続的な自動調整に対して、処理をPクロック周期毎に繰り返すことを可能にする。
標本なしで調整された位置制御は、剛性が変化する標本の付加に比較的影響を受けないため、この改善は、標準的なサーボ油圧アクチュエータに必要とされず、一方、荷重又は歪み制御において、初期標本剛性に対してシステムが正しく調整されている場合、剛性の変化に比例する、試験中の制御利得調整は、十分であると見られる。しかし、リニア又は回転直接駆動電気モーターにより駆動される材料試験機アクチュエータは、非常に軽く減衰した形で入力信号に応答し、サーボ油圧システムよりも本質的に不安定である。
本発明の発明者は、構造物試験機内に実装されるリニア又は回転電気モーターにより駆動されるアクチュエータのような、電磁駆動アクチュエータの連続的な自動調整を実現した。ここに記載される本発明の幾つかの実施例は、構造物試験アプリケーションに限定されず、力が加えられている構造物の変化するパラメータに対応した適応制御を必要とするその他の装置内に実装されるアクチュエータに適用可能である。それ故に、本発明の1つの態様は、構造物に荷重を加えるよう構成された直接駆動電気モーターを有する電磁駆動アクチュエータ、及び、アクチュエータに制御信号を供給し、構造物に負荷された力に起因して変化する構造物の1つ以上のパラメータの観測された変化に応じて、アクチュエータの作動中にアクチュエータ制御利得を繰り返し計算するよう構成されたアクチュエータ制御器を有する装置を提供する。
本発明の更なる態様は、構造物に力を加えるように構成された直接駆動電気モーターを有する電磁駆動アクチュエータを制御するための方法を提供し、本方法は、アクチュエータに制御信号を供給するステップと、構造物に力を加えるためのアクチュエータを用いた動作を実行するステップと、構造物に負荷された力に起因して変化する構造物の1つ以上のパラメータの変化を観測するステップと、1つ以上のパラメータの観測された変化に応じて、動作の実行中にアクチュエータ制御利得を繰り返し計算するステップと、を有する。
1つの実施例において、材料試験以外のアプリケーションに適合された装置と方法は、(十分なダンピングを供給し、それ故に、安定性を維持するため)速度フィードバック制御利得の上記した自動の繰返し計算の利益を享受し、一方でまた、剛性などの変化するパラメータに応じて、比例利得と積分利得を含む前方経路制御利得を自動的に再計算する。これは、変化するパラメータに適したシステム応答を自動的に維持する。
その他の実施例は、構造物試験機内にあるような、電磁アクチュエータを制御するための方法を提供し、アクチュエータは構造物(例えば、構造物試験機内の標本試験構造物)に力を加えるように構成され、方法は、電磁アクチュエータにアクチュエータ制御信号を供給するステップと、構造物に力を加えるためのアクチュエータを用いた動作を実行するステップと、構造物に負荷された力に起因して変化する構造物の1つ以上のパラメータの変化を観測するステップと、1つ以上のパラメータの観測された変化に応じて、動作の実行中にアクチュエータ制御利得を繰り返し計算するステップとを有し、電磁アクチュエータは、直接駆動電気モーター、又は低速ギア付きの非直接駆動電気モーターである。直接駆動及び低速ギア付き非直接駆動アクチュエータは、わずかに減衰する動的な振る舞いの特色を共有し、そのため、それら両方は、動作の実行中、及び構造物試験装置により実行される試験中などに力が加えられている構造物の変化するパラメータに応答して、迅速に及び繰返して制御利得を再計算する能力からの利益を享受する。
本発明の実施例は、添付するパラメータ定義の表、及び図面を参照し、例として、より詳細に以下に記載される。
表1は、制御パラメータ名、物理単位、及び定義のリストである。パラメータは、実施例の詳細な説明内で参照される。
本発明が実装される材料試験機の概略図である。 本発明が実装される材料試験機のブロックダイアグラムである。 本発明の1つの実施例による制御器を表すブロックダイアグラムである。 概観により、試験機を調整する方法を表すフローダイアグラムである。これは、表1で定義されるパラメータ名を使用し、長方形ブロックは、実施例の詳細な説明内で参照される計算の番号付きステップである。 非線形のゴム試験片に対する力−変位特性カーブを示すグラフである。 非線形ゴム標本に対する動作中(on-line)の剛性推定の結果を示す。 アクチュエータ制御器の固定調整及び適応調整の両方に対する非線形ゴム標本の周期的試験において得られた位置の波形を示す。 非線形ゴム標本の周期的試験に対する、制御器の固定調整及び適応調整の両方に対するトラッキング誤差を示す。 初期のワイヤー(wire)剛性に調整された固定制御器と適応的に調整された制御器の各々を用いた銅ワイヤー引っ張り試験に対する荷重−変位カーブを示す。固定制御器は、標本が降伏した(剛性が減少する)後に不安定リミットサイクルに入る。 最初のミリメートルの伸長(extension)区間での図9からの結果を示し、このため、測定された荷重−変位カーブ上の不安定性の影響が詳細に示される。 図9と図10に示された銅ワイヤー引っ張り試験の最初の半秒の間に得られた伸長率(extension rate)を示し、固定調整を使用時の好ましくない振動、及び適応制御器により得られたほぼ線形の結果を含んでいる。これらの伸長率は、測定された変位から推定される。 図9、図10及び図11で示される適応制御による銅ワイヤー引っ張り試験の最初の半秒の間の標本剛性変化の推定を示す。試験の始めにおいて、如何に剛性が高いかを明らかに示しているが、その後、非常に低い値に減少する(標本が「降伏」するとき)。固定制御によるシステムの不安定性は、この降伏点の後に開始する。図12における剛性値は、測定された荷重と変位のデータから試験後に推定される。
機械的試験は、大概、概念的に「静的」及び「動的」試験に分けられる。静的試験は、荷重−変位カーブを描写するため、又は要素の極限強度を測定するため、試験片上の荷重又は変位を徐々に増加させる。動的試験は、標本の疲労寿命を確認するために、迅速に又は周期的に荷重を加えることを目的としている。動的試験においては、標本が、現実の社会のアプリケーションにおいて経験するであろう荷重の変化の速度を再現できることが重要である。
これら2つのタイプの試験を実現するために使用される技術は、アプリケーションにより変えることができる。しかし、広範囲のケースにおいて、費用及び便利さから、静的試験は回転電気モーターにより行われ、これは、ボールねじを用いて、その回転運動を線形運動に転換する。ボールねじのギア装置効果(gearing effect)は、大きい荷重が得られることを可能にし、一方で、モーターにおける静的荷重と電気的要求を制限する。しかし、このギア装置により、帯域幅は1 Hzのオーダーに制限される。
動的試験は、幾つかのエラストマー(elastomeric)試験において、キロヘルツの範囲に届く、より高い帯域幅を含む。サーボ油圧は、1960年代に、動的、及び構造試験に対して使用され始め、高い力密度(ギア装置を必要としない)、サーボバルブの高い帯域幅、油圧ラインを介した力分配の容易さ、電源(power pack)、バルブ、アクチュエータ、アキュムレータなどのモジュール式、拡張可能、交換可能な部品、及び従来のPID制御器を用いたアクチュエータ位置の簡単な制御といった幾つかの好ましい特性により主要な技術となった。
しかし、油圧技術に対し幾つかの不利点がある。第1に、ピストン上の油圧シール(hydraulic seal)による幾らかのアクチュエータ摩擦がある。第2に、油圧オイル漏れによる標本汚染の可能性がある。第3に、保守(例えば、油圧オイルとフィルターの日常的な交換)が必要である。また、冷却/電力の要求、及び電源により生成される雑音は望ましくなく、電源は、大抵、冷却タワーからの冷却水、又は外部エアブラスト(air-blast)クーラーを備えた別の空間に収容される。
動的試験のための別の技術は、「直接駆動」ブラシレス(brushless)リニア(回転の反対として)電気モーターである。これは、サーボ油圧アクチュエータと比較して、有利点と不利点を持っている。有利点は、油圧オイルによる汚染問題がないこと、及び油圧アクチュエータより電源接続が簡単であるという事実を含む。非接触(ブラシレス)動作は、ブラシの装着問題を取り除き、低摩擦レベルを実現し、そしてそのようなシステムにより生成された力は、モーターコイル内の電流に比例し、そのため、極めて線形な特性を与える。
本発明の別のアプリケーションは、非直接駆動の構造物試験機のような、「低速ギア」のボールねじ駆動装置内にある。そのような機械は、従来のボールねじ駆動機械より高い荷重容量とより良い動的特性を供給することができる。その動的な振る舞いは、従来のボールねじ駆動機械よりも直接駆動アクチュエータに近いため、本発明は、そのような低速ギアのねじ駆動システムに有効に適用することができる。
図1に示される例としての材料試験機10は、1対の向かい合う標本ホルダーグリップ20、30と、グリップ内に保持される標本50に荷重を加えるためのアクチュエータ40を有する。この例としての試験機内のアクチュエータは、ブラシレスリニア電気モーターであり、以下に記載されるように、自動に調整された制御器60により制御される。アクチュエータに接続されるロードセル(load cell)70は、標本に負荷される荷重を測定する。アクチュエータは、試験機の支持フレーム90に支えられたクロスヘッド80により支持される。伸縮計(extensometer)100は、試験片内の歪みを正確に測定するために使われる。デジタルエンコーダ又は線形可変差分変圧器(linear variable differential transformer: LVDT)のような1つ以上のセンサー110は、アクチュエータの位置と速度を測定する。そのようなシステムは、当技術分野では周知である。
アクチュエータとして直接駆動のリニア電気モーターを使う構造物試験機の例は、InstronTMのElectroPulsTM E1000 1kN材料試験機である。Instronは、ITW Limitedの1つの部門である。当該機械は、更に従来のサーボ油圧試験機に匹敵する制御帯域幅を提供し、他方で、油圧電源とその維持に対する必要性を除くことにより、及びユーザにおける調整処理を簡潔化することにより、エンドユーザに対する使い勝手を劇的に改善している。
従来のサーボ油圧システムと比較すると、アクチェエーション(actuation)技術としての電気モーターに基づいた既知のシステムは、上記の長所に加えて様々な短所を持っている。同等の生成された力に対する典型的により高い移動質量(moving mass)は、油圧と比べ、加速を制限するかもしれない。モーターの加熱効果も、考慮する必要がある。最も重要なことは、アクチュエータ位置と試験片への荷重の適用は、制御することがより困難である。
試験片に作用する「直接駆動」電気アクチュエータを持つ試験機の動的振る舞いは、移動質量、又は試験片の剛性と関連するモーターの慣性により生成される共振によって支配される。大部分の材料は少しの内部ダンピングを有するため、システム内に非常に小さい「ダンピング」があり、電気モーターアクチュエータは、ベアリングの摩擦と電磁「逆起電力(back-emf)」効果による小量を除いた小さなダンピングを有する。これは、結果として生じる共振が非常に振動する(軽く減衰される)ことを意味する。この共振は、通常、1−100 Hzの範囲にあり、これは試験が実行されることになる範囲内である。
従って、制御のために制御器を慎重に調整すること、又は代わりに、この共振を励起させること、及び不安定なシステムを作り出すことを回避することが非常に重要である。標準的な比例制御器利得Kpのみの使用は、大きな利得が急速に不安定性を引き起こすために、大きな利得が回避される場合にのみ安定的となる動的システムをもたらす。低利得値は、材料試験に対する許容出来ないほど遅い応答を伴うシステムを生じさせる。積分利得Kiは、堅い(stiff)標本に役立つが、標準的な(compliant)標本を更に不安定にする。
システムダンピングを改善するために速度フィードバック利得Kvを導入することにより、共振を制御することができる。しかし、これは、システムの「時間遅延」を原因とする位相ラグ(phase lag)により、一般的に、低から中周波数範囲においてのみ動作する。この遅延は、制御器内の処理時間、及びモーター内の目標電流を生成するために電力増幅器に使われた時間を含む。この遅延は著しく(例えば、数ms)、サーボ油圧システム内のサーボバルブを調整するための同等の時間より長い。KpとKi利得に対する値の安定的な範囲は、Kvの値に依存する。標本剛性が大きく変化するならば、固有(共振)周波数(natural (resonant) frequency)は変化する。制御器が再調整されない場合、不安定なシステムが生じる。多くの試験において、標本剛性は大きく変化をする。(直接駆動の電気モーターアクチュエータを採用する構造物試験機における)制御の連続的な更新からの利益を享受する現実的で典型的な試験シナリオの幾つかの例は、以下である。
・「単発」試験、ここでは、標本が張力をかけられて設置され、剛性が減少した「延性(ductile)」となり、最終的に壊れる。
・周期的試験中に剛性の反復可能な変化を示す標本−例えば、スポーツシューズの底の圧縮の間に増加している剛性、又は、例えば、金属の標本の「低周期疲労」など、減少している剛性がある。
・スポーツシューズの底、又は自動車用サスペンションのゴム製軸受け筒(bush)の周期的圧縮−圧縮されるに従い、標本がより堅くなる。
・「低周期疲労」における金属材料の周期的試験、ここでは、材料が、周期的な荷重負荷の極値においてより減少した剛性を有する「可塑性(plastic)」となる。
・アクチュエータが標本との接触なしに現れ、その後、迅速に移動して、標本に接触し、目標荷重で圧縮する「パルス」試験。剛性の範囲は、短い時間スケールでの、ゼロ(接触なし)から非常に堅いまでである。例としては、バルブ、又は印刷プレス部品の試験である。
一方、サーボ油圧システムの安定性は、試験片の剛性の変化にそれ程は敏感でない。アクチュエータの移動質量又は慣性は、標本の剛性に加えて、油コラム(oil column)の剛性と常に結びついている。従って、剛性は、常に比較的高い。加えて、油圧アクチュエータ内の移動質量又は慣性は、同等の電気モーターアクチュエータのそれらと比較して、低くなる傾向にある。これらの違いが合わさって、より高い、典型的には200Hzの共振の固有周波数を作る。これは、試験の対象となる典型的な周波数範囲の上であり、このために制御器は、それを励起させない傾向がある。穴を通した油圧油の流れもまた、振動する動きを減衰させる傾向にある。最後に、サーボバルブの応答時間は、一般的に、電力−増幅器−モーター結合のそれよりも、はるかに早く、このため、制御器の「時間遅延」は小さく、システムはより高い制御可能な帯域幅を有する−これは、制御器を調整し、共振の発生を回避することを簡単にする。位置制御において、任意のタイプの標本に対して別々に制御器を調整することは、一般的に必要とされない。荷重と歪み制御において、特定の調整が早い応答を与えることに有用であるが、これを達成するためには、通常、Kp(そして、より少ないがKi)を調節することで十分である。Kv項に対する要望はなく、そのため、調整処理は、全体的にはるかに簡単である。まとめると、「適応」制御は、サーボ油圧システムに対して殆ど必要とされない。標本剛性の典型的な変化に対して、通常は、初期調整で十分である。
直接駆動の電気モーターアクチュエータを有する構造物試験機において、制御器利得の連続的な更新は、迅速に、及び定期的に計算される2つの処理を必要とする。
1.「荷重ストリング剛性」(及び、歪み制御に対する「標本剛性」)は推定されなければならない。
2.剛性値は、制御器利得を計算するために使用されなければならない。
剛性値の推定は、簡単なことではないが、適応制御のための手順は、米国特許第5511431号、及びClarke, D.W., Hinton, C.J.,「Adaptive control of materials-testing machines (材料試験機の適応制御)」 Automatica, Vol.33, No.6, pp.1119-1131, 1997, Elsevier Science Ltd, UKから既に知られている。サーボ油圧システムにおいて、推定された剛性値の変化に直接的に比例又は反比例する方法で、KpとKi項を調節するには十分である。この計算の簡潔さは、プロセッサ時間が問題ではないことを意味する。計算は、単一の1msクロック周期内で、幾つかの既知の材料試験機制御器において繰り返すことができ、剛性値は1ms毎に更新される。
しかし、先に与えられた理由において、制御器の自動調整は、電気モーターにより駆動される試験機アクチュエータに対しては更に困難である。要となる制御器利得Kp、Ki及びKvの理想値とそれらの間のバランスは、標本剛性が変化するに従い、連続的に変化する。剛性とその他の知られたシステムパラメータに基づいて、それらを計算するための方程式が開発され、WO2008/023226に記載されている。しかし、導出されたままの方程式は、複雑であり、数学的に、例えば、除算、平方根、三角法関数など、標準的なコンピュータプロセッサにおいて処理をするのに遅い幾つかの演算を含む。この計算は、従来の制御器において、1ms毎に実行するには時間を浪費しすぎる。
このように、リニアモーターに基づくシステムは、一般的に、サーボ油圧システムで使用されてきたものと同一又は同様のデジタル制御器ハードウェア及びフィードバックセンサーを使用することができるが、本実施例の制御器及び調整計算は、既知のシステムとはかなり異なる。
表1は、制御パラメータ名、物理単位、及び定義のリストを提供する。これらのパラメータは、以下の詳細な説明で参照される。
Figure 0005670918
図2は、アクチュエータ制御に対するフィードバック信号を用いて、リニアモーターにより作動される材料試験機の概略図である。図2において、r(t)は、試験に対する参照又は要求信号を表し、これは、標本に適用されることになる位置、力、又は歪みの値とすることができる。制御器ブロックは、全ての制御器利得と計算、及び時間遅延を含む。v(t)とi(t)は、ドライブ(電力増幅器)により、モーター内でそれぞれ生成された電圧と電流である。モーターは、i(t)に比例した力F(t)を生成し、Msに適用される。Msは、アクチュエータ、ロードセル、及び第1の標本保持グリップを含む移動要素の質量又は回転慣性であり、Ksは、「加重ストリング剛性」を表し、これは、標本、固定具、及びフレーム剛性の結合によりアクチュエータが受ける抵抗剛性であり、Csは、荷重ストリング内に存在するダンピングを表す。Msは、モーター力、及びKsとCsによる標本内の抵抗力の合計に応じて移動する。荷重ストリング剛性Ksが変化する場合、全システムのダイナミクスが変化し、一般的に、効果的な制御を供給するために、制御利得は、早く、繰返して再計算される必要がある。試験中の剛性を含む標本パラメータの迅速な変化にも関わらず、制御器は、これを提供することができる適応制御(連続的な自動調整)ソフトウェアを備えている。自動調整ソフトウェアにより実装された方法は、以下でより詳細に記載される。
直接駆動リニアモーターアクチュエータは、また、特殊な電力増幅器を含む点でサーボ油圧システムとも異なり、要求される誘導荷重及び電流の両方が、サーボバルブに対してよりはるかに大きいため、これが使用される。電力増幅器は、調節可能な電流フィードバックループと、適切な三相出力もまた有することができる。全体のシステムは、油圧システムに比べ、モデル化にはより簡単で、そして、より線形である。主要な概念の違いは、モーターが、その出力として力を生成するということである。機械的システムは、試験中の標本に取り付けられているモーター「スライダー」を有するマスばねダンパー(mass-spring-damper)である。モータースライダー上に搭載された磁石の質量(mass)と磁石を取り付けるためのシリンダー状領域のために、重量は、一般的に、同等の力の油圧シリンダーピストンに対するものよりも大きくなる。
電気モーター内のモータースライダーの動きは、移動に抵抗する「逆起電力(back-emf)」を生成する。逆起電力は速度に比例し、このため、これは、速度フィードバック又はモーターへのダンピング効果である。これは、モーター緒元の一部である、無負荷最高速度を有するモーターをもたらす。しかし、このダンピング効果が存在している一方、多くの標本剛性値と比較して比較的弱い。これは、サーボ油圧システムと比較して、機械的なシステムダイナミクスを非常な不足減衰(underdamped)(振動的)にすることができ、本発明の発明者は、(以下に、より詳細に記載するように)制御器に付加的な速度フィードバックを導入することが望ましいと決定付けた。
三相モーターは、3相モーターコイル(整流)に適用される電流の正確な位相を計算するために、位置のフィードバックもまた要求する。しかし、この処理は、それがシステムのダイナミクスに影響を及ぼさないため、図3には示されていない。
アクチュエータがリニア(又は回転)電気モーターにより駆動されるシステムにおいて、ドライブ(電力増幅器)とモーターの結合は、「モーター定数」Cmにより、駆動信号u(t)に比例する力(又はトルク)F(t)を生成すると仮定することができ、次のように示される。
Figure 0005670918
Fは、慣性荷重と共に標本の反応を表し、次のように示される。
Figure 0005670918
ここで、Xは、ピストン変位(displacement)である。ダンピングCsの効果は小さく、簡単のため、ここでは、初めに無視される。uは「無次元(non-dimensional)」であり、その他の変数も、物理定数Ks、Ms及びCmにより適切にスケーリング(scaling)することにより、「無次元化」することができ、より簡単な同等の式が生成される。
Figure 0005670918
ここで、Ωは、ラジアン/秒で示される(次元を有する)固有周波数である。
式(3a)において、小文字は、無次元の変数を示す。利得値Kp、Ki及びKvもまた、同様に無次元となり、残りの方程式において、小文字で示される。この実施例において、方程式を無次元化することは、方法の重要な部分である。これは、2つの主な優利点を提供する。
1.無次元の方程式におけるパラメータと数値演算の数は、元の方程式から大きく減少する(式(2)と(3a)を比較)。
2.無次元方程式に対する解は、内在する物理パラメータの異なる組合せに対して有効である。第1の近似として、荷重及び歪みの変化は、材料標本における変位(位置の変化)に比例する。これは、理想的な無次元の制御器利得が、制御モードとは独立に計算できることを意味する。そして、それら制御器利得は、必要に応じて、各制御モードに対して、再度、適切に拡大縮小(scale)(「次元化」)することができる。これは、全ての有効な制御モードに対する利得を計算するために、比較的少ない追加のプロセッサの動作が必要であることを意味し、このため、利得は、ユーザが制御モードを変更する際には用意されている。
「s」がラプラス演算子となるラプラス表記法を使うと、伝達関数g(s)=x(s)/u(s)は、方程式(3a)から導出することができる。
Figure 0005670918
この伝達関数は、2次であり、かろうじて安定的であり、連続的に振動する応答を与える。比例利得を追加して、応答を改善するように試みた場合、次の式を得る。
Figure 0005670918
Figure 0005670918
本質的な問題は、システムの応答とダンピングの速度を定義するため、リニアモーターシステムの2次応答が、少なくとも2つの制御器項目を必要としていることである。PID制御における標準アプローチは、微分利得kdを加えるものであり、次の閉ループを与える。
Figure 0005670918
これは、分子内にkdによるリード項(lead term)を追加させて、分母内にkdによるダンピング項を追加する。このように、誤差信号の直接微分を加えることは、以下の副次的効果を有する。
・システム利得は、高周波数において大きく、信号雑音又は高次の共振(resonance)を増幅する(不安定性を引き起こす)
・コマンド波形の微分、それによりスロープの変化は、アクチュエータへの要望のステップ変化となり、そしてステップはインパルスになる。これは、アクチュエータ要求信号の飽和、又はシステム内の機械的共振の励起を簡単に引き起こすことができる。
制御器内の特定の複雑性を回避し、コマンド信号を微分しなければならない状態を避けるため、本実施例は、フィードバック信号のみを微分する。検討中のフィードバック信号が位置であるので、これは、速度のフィードバックに等しい。前方経路における比例利得と速度フィードバックの組合せは、次のシステム伝達関数を与え、ここで、kvは速度フィードバック利得である。
Figure 0005670918
Figure 0005670918
この取り決めは、以下の魅力的な特徴を持っている。
・応答の速度とダンピング特性は、それぞれ直観的にkpとkvの値に対応する。
・コマンド信号の微分は、回避されている。
・速度センサーが有効であるならば、微分は全く必要ない。
十分に早くサンプリングされるのであれば、速度センサーに対する密接な実際の近似は、インクリメンタルエンコーダである。
このように、この実施例によるリニアモーターアクチュエータ制御器は、比例前方経路制御利得と速度フィードバック利得を調整する。ダンピング要素は、標本剛性に加えて、両方の利得の値に依存する。定常状態誤差は、積分利得の追加により弱められ、これにより、解決方法は、少なくとも3つの利得を調整することを含む。
記載された数学的分析は、リニア直接駆動モーターに加え、回転直接駆動モーターに対して有効であり、またギア付き電気モーター構成に対しても有効である。ギア比R>1は、係数Rにより、モーター力又はトルクを増加させるが、同一の係数Rにより、モーターの見掛けの(apparent)慣性と逆起電力ダンピングも増加させる。最高速度は、係数Rにより低下する。慣性と標本剛性による機械的共振の固有周波数は、Rの平方根の係数により低下し、これは、制御器が、安定的な速度フィードバックに達成することを容易にする。殆どのギア付きモーター構成において、Rは大きく、固定した速度フィードバック利得で十分である。しかし、「低速ギア付き」モーターは、直接駆動モーターを伴う現在の実施例で使用される調節可能な速度フィードバック利得からの利益を得る。
Figure 0005670918
Figure 0005670918
先に、ダンピングは無視できると仮定したが、ダンピングの推定には、これらの方程式を使用することができることが要求される。この推定は、定数Cbによりモデル化されたモーター逆起電力と荷重ストリング剛性の単位当りの荷重ストリングダンピングの推定Cmin_K(表1参照)の組合せから生成され、次のようになる。
Figure 0005670918
式(10)に従い、速度フィードバックの効果が含まれ、kpが小さいと仮定される場合、速度フィードバックを含むシステムに対するダンピング係数は次となる。
Figure 0005670918
制御器の動作に対する既知の時間遅延、及び(16)における仮定は、式(15)を次のように変更することにより、考慮される。
Figure 0005670918
制御安定性に対する特定の位相マージン「PM」を実現するため、制御器利得を含む全システム利得が1である時、次が要求される。
Figure 0005670918
位相マージンが実現できない場合、システム利得が係数GMにより常に1より小さいのであれば、特定の利得マージン「GM」を用いて、代わりに安定性を得ることができる。システム利得は、共振時に最も高くなることから、これは式(14)を変更することにより、記述することができる。この方法は、次の積分利得(integral gain)を設定するために使われる。
Figure 0005670918
この実施例に記載される自動調整の計算の目的は、特定の位相と利得マージンを満足する一方、各利得(kv、kp及びki)を可能な限り大きくすることである。利得を設定するためのこれらの一般的規則に加えて、この一般的な方法でモデル化されないシステムの特定の物理特性に対処するために、幾つかの更なる計算が使用される。
・積分利得が、応答時間パラメータTkiMinにより決定される最小値より低くなることは許容されない。これは、非常に適合した(compliant)標本に伴うアクチュエータ摩擦を克服するためであり、ここでは、制御利得と力が非常に低くなる。
・荷重制御において、比例利得は、ロードセルと標本の間の予測された「エンド質量(end mass)」Mcellに基づいた最大値より大きくなることは許容されない。これは、この質量によるロードセル読み込みにおける「慣性誤差(inertial error)」を考慮するためである。
・歪み制御において、制御器利得kpとkiは、利得増幅係数Kx/Ksにより拡大縮小(scale)され、ここで、Kxは標本剛性であり、全荷重ストリング剛性Ksより常に大きい。しかし、システムが正しくセットアップされない場合、非常に高い制御利得を避けるため、増加は係数「maxStrainGainAmp」に制限される。
・積分利得と速度フィードバック利得の補正効果は、180度の位相ずれであり、それらは、ある程度、互い打ち消し合う。従って、システム共振が十分に制御されている場合(言い換えれば、速度フィードバックが特定の位相マージンPM_velを達成する場合)、より高い速度フィードバック利得が、共振におけるこの効果に対抗するために使用される。
これまで、リニアモーターアクチュエータもまた完全なリニアシステムであると仮定してきたが、これは、サーボ油圧システムと比較しての重要な優位点である。オイルシールがないため、これは、非常に低いレベルのベアリング摩擦を含む。これは、大体において正しいが、モーター利得Cmを変更することができる幾つかの効果がまだあり、例えば、減少した磁界の強さによるストローク終わり付近でのCmの減少、又はモーターコイルの抵抗が増加することによる高い温度での減少などである。
アクチュエータが非常に線形であるにも関わらず、油圧ピストンと比較したモータースライダーのより高い質量、及びモーターの高誘導荷重のため、初期応答は、油圧アクチュエータに対してより遅くなりそうである。このより高いスライダー質量と低い摩擦は、標本剛性上のスライダーの共振を、比較的低い固有周波数を伴い非常に軽く(lightly)減衰させ、この共振を制御することが、制御システムにおける重要な課題である。速度フィードバックは、全体のループ遅延のために、限定された帯域幅内でダンピングを加えることのみに効果的である。式(7)に示されているように、速度利得の値は、所定のダンピング係数に対する比例利得の値を制限し、そのため、使用できる比例利得もまた、増加する標本剛性に伴い減少する。比較的低い比例利得の結果として、定常状態誤差を早急に減少させるため、サーボ油圧システムに対して使用されていたものよりはるかに高いレベルの積分利得を使用することが必要である。これは、荷重ダイナミクス(load dynamics)に基づき、3つの利得を同時に設定する必要があり、しかし、安全限界内において、リニアモーターシステムの手動調整を、サーボ油圧システムに対してより更に挑戦的にしている。
本発明の1つの実施例による材料試験機は、三相のブラシレスリニアモーター技術を利用し、以下の設計特性と共に、リニアモーター作動技術の利点を有効利用するように設計されている。
・機械は、単相電源のみを必要とし、そのため三相の取り付けは必要ではない。
・モーターは空冷を使用し、水冷システムの設計的複雑さと保守の必要性を回避する。
・高度の非磁気ボールベアリングが、摩擦と磨耗を最小にするために用いられ、一方で、信号の歪みを回避する。
・絶対的な位置を測定するためのLVDTに加えて、雑音なしの変位測定を供給するために光学エンコーダが使用される。
・機械的ブレーキメカニズムが、アクチュエータ電力のスイッチが切られた時に適所にアクチュエータを保持するために使用される。
これらの特徴は、Instron Limitedの出版文章に記載されている。
以前のシステムからの重要な進歩は、そのままでは複数の利得値の複雑な手動調整動作となるものを自動化するための新規の自動化調整制御器の使用である。好適な実施例において、少なくとも3つの利得値は繰返し再計算される。制御器の自動調整は、前方経路KpとKi利得に加え、速度フィードバック利得Kvを計算するために、変化する標本の剛性値と既知のシステムパラメータを考慮する。計算は、試験の間中、連続して繰り返される。
これは、利得の最良バランスが時間の各ポイントで選ばれることを可能にし、ユーザの観点からの調整処理を簡潔にする。初期利得値を選択するために使用される主要パラメータは標本剛性であり、これは、(標本に徐々に力を加え、そして変位を読むことにより)自動的に推定される、またはユーザにより入力される、のどちらか一方とすることができ、これにより、任意の標本に使用することができる。制御器は、利得値と初期全ループ利得の間の正確なバランスを設定する。幾つかのケースにおいて、これらの設定は、試験には十分であるが、これは、試験の間の重要な非線形の剛性変化を有する標本には当てはまらない。試験中の標本剛性の変化に応答した潜在的に不安定な動的な挙動のために、高性能の自動的及び適応的調整が、直接駆動の電気モーターアクチュエータを含む構造物試験機に対して必要である。効果的なダンピングを供給するため、状態フィードバック(速度フィードバックを含む)が使用される。
図3は、電気アクチュエータ駆動の材料試験機における適応制御器の概略図を提供する。
速度に対する制御器利得値の自動化された計算を最適化するため、本実施による制御器は、結果が推定された変動パラメータ値に依存しないため、可能な範囲において、試験に先立ち一定の計算を実行する。また、制御器は、一連の別々のステップとして制御器利得値の連続的な再計算を実行し、ステップのそれぞれは、所定数のプロセッサクロック周期で実行することができる。これは、完了するのに幾つかのプロセッサ周期を必要とする計算一式になるが、当初の精度を維持し、決定論的な(deterministic)処理完了時間(そして、代替のアプローチに比べ、許容可能時間内に完了することが出来ない動作の減少したリスク)を達成する。決定論的な完了、例えば、更新が14 ms毎に完了するであろうという情報は、性能をより予測可能にする。
図4は、各ステップで使用されるパラメータ値と共に、個々のブロック内の概念的な計算グループを概説するフロー図を示す。効率的なプロセッサの計算を目的として、これらブロックのそれぞれは、より小さいステップに更に分割される。処理時間切れの危険を最小にするために、制御器の利得計算が分割されたステップは、それぞれ、既知の少数の分数、平方根、又は三角関数しか含まない。しかし、1つのステップは、幾つかの加算又は乗算演算を含むことができ、ステップ間で、処理時間の大きさの位(order)を同様なものにする。
Figure 0005670918
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無次元の比例及び積分利得の計算は、2度行われることに留意すべきであり、荷重制御に対して1度と、位置と歪み制御に対して1度である。これは、位置及び歪み制御と比較して、荷重制御において少し異なるダイナミクスを考慮するために、PMとGMの異なる値が荷重制御に使用されることを認めることで行われる。しかし、計算は、必要であるなら、制御性能の小さな違いを有する3つの制御モード全てに対して1度のみ行うことができる。
本発明は、Instron ElectroPuls電気モーターベースの試験機の1つの型に組み込まれており、ここでは、剛性推定ルーティーンが、剛性の推定を提供するために加えられており、既知の調整方法が、試験の間中に規則的に実行される再計算方法により置き換えられている。計算更新のためのサンプリング時間は、剛性推定に対し1ms、調整計算に対し14msであり、これは、計算は1ms毎に実行される14ステップに分割されるためである。これらの更新時間は、制御器において利用可能な処理時間により制約され、より強力なプロセッサを用いて、かなり早くすることができるかもしれない。
剛性見積り方法は、再帰的フィルターであり、実行がいつ開始されたかを仮定するため、幾つかの初期値を必要とする。その初期性能は、試験開始前に標本へ適用された初期剛性推定手順から見出された初期剛性値を与えることにより、改善することができる。その手順は、標本に小さい荷重(力)を与えること、及び結果として測定された荷重、変位、及び歪み信号の変化を測定することを含む。
初期の結果は、この方法が、首尾良く働くこと示す。2つの特定のケースをここに強調する。
ケース1:非線形剛性を持つ試験片上での周期変位コマンドの改善されたトラッキング
非線形剛性特性を持つゴム標本が試験された。圧縮荷重が加えられ、力と変位は、慣例により負となる。標本は、−0.8kN付近の荷重において、「基準(compliant)」(250N/mm付近の剛性)から「硬い(stiff)」(2kN/mm付近の剛性)に、その剛性が変化するように構成された。図5は、基準と堅い形態(regime)の間の推移領域付近で試験された時の非線形ゴム試験片の力−変位特性を示す。
試験の目的は、周波数1Hz、大きさ0.76mmを有する正弦曲線の変位コマンドを得ることである(変位の大きさは、関心ある荷重範囲に適合するよう選択された)。
試験が行われている時、剛性は制御器により連続して推定された。変位に対するオンラインの剛性推定結果は、図6に非線形ゴム標本に対して示され、そして図5から得られた剛性推定と一致する。値は、小さい変位に対するおよそ250N/mmの剛性から、使用される最も高い変位でのおよそ2.5kN/mmに上昇していることが見て取れる。最も高い変位での推定値の急上昇は、波形の「山(turning point)」近傍で、剛性を正確に測定することの困難性のために生じ、ここでは、増分(incremental)ステップは、非常に小さくなる。
600N/mmの「妥協的な(compromise)」剛性値に調整され、固定フィードバック利得で実行された試験と、適応剛性ベースの調整が可能な試験との間で、結果が比較された。図7は、非線形ゴム標本の周期的試験に対する結果の波形を示し、特に、適応調整を用いて得られたカーブが、固定調整と比較して、減少された時間遅延を有していることを示す。図8は、同じ周期的試験における追跡誤差を示し、言い換えると、コマンドと得られた波形の差である。適応調整を可能にすることで、波形形状が改善され、最悪ケースの追跡誤差が著しく減少されることがわかる。
ケース2:一定の伸長率要求を有する荷重−伸長試験中の改善された伸長率制御
この試験の目的は、1mm/sの一定の伸長率(extension rate)で銅ワイヤーのサンプルを引き伸ばすことである。そのような試験は、材料の強さと降伏挙動(yield behaviour)を測定するためにしばしば使われる。しかし、標本の剛性は、材料が降伏するに従い、試験中に劇的に減少するため、直接駆動電気アクチュエータ−を用いて伸長率を十分に制御することは難しい。この試験は位置制御で実行されたが、歪み制御で実行されたとしても同様の結果が得られるであろう。
図9は、初期標本剛性に調整された固定制御器と、適応調整を有する制御器との間で、銅ワイヤーの引き試験(pull test)の開始時に得られた伸長率の比較を示す。両制御器は、試験の最初の部分の間、同様に動作し、ここでは、剛性は一定である。しかし、物質が降伏し、剛性が減少すると、固定制御器は不安定になり、一方、適応制御器は所望の一定の伸長率に到達する。同じ時間期間の間に推定された剛性が図10に示され、これは初期剛性が減少した時を示す。
固定利得制御器での不必要な振動も、そのような試験から要求される結果、即ち、測定された荷重−伸長カーブ、に影響を及ぼす。図11は、試験の全期間における、固定利得と適応制御器の間の荷重−伸長の比較のための測定された荷重−変位カーブを示す。固定利得制御器での試験中の振動は、結果のカーブを不明確なものとし、そして標本に損傷を与える可能性も有り、結果を間違った方向に導く。比較において、適応制御器は、試験中、キレイな荷重−伸長カーブを維持する。図12は、図11に示された同一試験の初めの部分を示す。固定制御器利得での荷重−伸長プロット上の変動の特徴的な形状が示される。
従って、上記の実施例は、複数の測定されたフィードバック信号を有する前方及びフィードバック制御経路の両方において、制御利得と補正器を使用する材料試験機を提供し、これらのパラメータ値は、自動調整手順により定期的に更新される。調整手順は、試験中に通常的に計算される試験に特有なパラメータと共に、既知のシステムパラメータ値を使用する所定の計算を含む。
ひとつの実施例において、材料試験機は、前方経路内で、リードラグ(lead-lag)及び「ノッチフィルター」補償器と共に、Kp及びKi制御利得を使用する。これらの利得と補償は、位置、荷重又は歪みモードにおいて、誤差信号(要求信号から得られた値を引いたもの)に適用される。フィードバック経路内の更なる制御利得と補償器は、速度(又は、位置から推定された速度)と加速度を含むフィードバック信号に適用される。制御利得とパラメータの全ては、自動化された調整手順により規則的に計算され、調整手順は、標本剛性、ダンピング係数、及びシステム移動質量を含む、試験中に規則的に推定される試験に特有なパラメータと共に、既知のシステムパラメータ値を使用する所定の計算を含む。
上記の記載は、本発明の幾つかの実施例の詳細を含む一方、当業者にとって当然ではあるが、特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内において、様々な変更と改良を行うことができる。例えば、システムパラメータの異なる組合せを利用することができる。または、関数呼出し(call)を繰返しインラインコードで置き換える、より早い計算(しかし、正確性は減少)のために理想的な数学関数に特定のより単純な数的近似を使用する、又はステップ間の数学的に複雑な演算の配分を更に改善することにより、プロセッサ時間の使用はさらに最適化できる。上記のように、幾つかの実施例は、全てのチャネル上で同時に利得を計算する一方、その他は、計算速度のために現在の制御チャネルのみ計算するであろう。更に、同一の制御目標PMとGMが全てのチャネルにおいて使用される場合、大部分の計算は、全てのチャネルについて同一であり、処理時間が節約できる。ここで記載したような様々な改良により、例示した実施例の14msの更新時間は、同一のプロセッサを使用したとしても、5ms以下に減らすことができ、より強力なプロセッサは、処理時間を更に減らし、より短い更新時間を可能にするであろう。
例えば、上で詳細に記載された実施例は、14ms毎の処理周期の決定的な完了において、1ms毎に 1ステップを実行することを含むが、その他の実施例は、1ms毎よりも(例えば)10ms毎に生じる新たなタスクを定義することを含み、このタスクにおいて、全ての計算を連続したブロック内へ入れる。この10msのタスクは、より頻繁に生じることになるその他のタスクよりも低い優先順位で実行し、それらのタスクにより割り込まれることになる。潜在的な優位点は、計算が有効なプロセッサ時間上に拡散されることであり、決定論的なアプローチよりも早く完全な更新を実行することが可能となるであろう。しかし、この代替のアプローチは、より高い優先順位のタスクが生じた時に、更新周期を完了するために、合体で有効な時間があるかどうかの考慮を必要とすることである。
更なるその他の実施例は、時間において決定論的ではないが、他のタスクにより割り込まれる一方、出来る限り高速にそれ自身を繰り返すバックグラウンドタスクを定義することを含む。これは、一般に、最も早い更新時間を潜在的に提供するが、それに割り込むために時折結合するその他のタスクがあるかもしれず、このため、顕著ではあるが予測不能な遅延、又は「ジッター」がある。
処理時間のオーバーランの結果は、制御コンピュータのオペレーティング・システム、及び/又は低レベルのタスク管理に依存する。上記した試験に使用されたシステムにおいて、1つのオーバーランが報告されるが、システムは継続し、しかし近接した2つ以上のオーバーランは、制御器をシャットダウン(「破壊(crash)」)させる。各1msのタスクを完了するために、どの程度のリアルタイムプロセッサ資源が使用されるかを観測するため、ツールが提供され、これにより、潜在的な失敗を最小にすることができる。

Claims (10)

  1. 構造物に荷重を加えるように配置された直接駆動電気モーターを有する電磁駆動アクチュエータと、
    前記電磁駆動アクチュエータに制御信号を供給し、前記構造物に加えられた力に起因する前記構造物の1つ以上のパラメータの観測された変化に応答して、前記電磁駆動アクチュエータの作動中にアクチュエータ制御利得を繰返し計算するように構成されたアクチュエータ制御器と、
    を有し、
    アクチュエータ制御利得の前記繰返し計算は、プロセッサークロックの周期M内に前記繰返し計算を完了するように、1組のプロセッサータスクとして実装され、1組のプロセッサータスクを構成する各タスクは、規定数のプロセッサークロック周期内に完了することを予め決められており、前記繰返し計算は、P≧Mである所定数Pのプロセッサークロック周期毎に繰り返される装置。
  2. 前記装置は構造物試験機であり、前記電磁駆動アクチュエータは、試験中に試験片の構造物に荷重を加えるように配置され、前記アクチュエータ制御器は、前記構造物の試験中、前記構造物の1つ以上のパラメータの観測された変化に応答した、前記アクチュエータ制御利得の繰返し自動調整のための手段を有し、
    前記アクチュエータ制御器は、試験中に、フィードバック経路内のみで動作する少なくとも1つの利得を含む複数のアクチュエータ制御利得の自動調整に適応している請求項1に記載の装置。
  3. 構造物に力を加えるように配置された直接駆動電気モーターを有する電磁駆動アクチュエータを制御する方法であって、該方法は、
    前記電磁駆動アクチュエータを制御する制御信号を生成して前記構造物に力を加えるための動作を実行する一方で、前記構造物に加えられた力に起因する前記構造物の1つ以上のパラメータの変化を自動的に観測するステップと、
    アクチュエータ制御器を用いて、前記観測された1つ以上のパラメータの変化に応答して、前記動作の実行中にアクチュエータ制御利得を自動的に繰返し計算するステップと、
    を有し、
    アクチュエータ制御利得の前記繰返し計算は、プロセッサークロックの周期M内に前記繰返し計算を完了するように、1組のプロセッサータスクとして実装され、1組のプロセッサータスクを構成する各タスクは、規定数のプロセッサークロック周期内に完了することを予め決められており、前記繰返し計算は、P≧Mである所定数Pのプロセッサークロック周期毎に繰り返される方法。
  4. 構造物試験機内の電磁駆動アクチュエータを制御するための制御器であって、
    該構造物試験機は、
    試験片に荷重を加えるための電磁駆動アクチュエータと、
    該試験片に加えられる前記荷重を観測するための荷重検出器と、
    試験中に該試験片の剛性を含む1つ以上のパラメータの変化を観測するためのモニタリング装置を含み、
    前記制御器は、
    プロセッサーと、
    前記電磁駆動アクチュエータを制御して、前記構造物試験機内の試験片に荷重を加えることを、前記プロセッサーによって実行するためのコンピュータプログラムコードを有し、
    前記コンピュータプログラムコードは、
    前記観測された1つ以上のパラメータに基づいて、フィードバック経路内で動作する少なくとも1つの利得を含む前記制御器のための複数の制御利得を、試験中に、自動的に繰返し計算し、
    前記制御器内の前記計算された前記制御利得を、前記試験中に前記電磁駆動アクチュエータの繰返し調整動作に適用するように構成されており、
    前記制御利得の前記繰返し計算は、プロセッサークロックの周期M内に前記繰返し計算を完了するように、1組のプロセッサータスクとして実装され、1組のプロセッサータスクを構成する各タスクは、規定数のプロセッサークロック周期内に完了することを予め決められており、前記繰返し計算は、P≧Mである所定数Pのプロセッサークロック周期毎に繰り返される制御器。
  5. 構造物試験機内の直接駆動される電磁駆動アクチュエータを制御するための制御信号を生成するためのコンピュータプログラムであって、
    該構造物試験機は、試験片に荷重を加えるための電磁駆動アクチュエータ、該試験片に加えられる前記荷重を観測するための荷重検出器、及び試験中に該試験片の剛性を含む1つ以上のパラメータの変化を観測するための手段を含み、
    前記コンピュータプログラムは、
    試験中に前記電磁駆動アクチュエータの動作を制御するために、前記構造物試験機内のプロセッサーにより実行されるプログラムコードと、
    前記観測された1つ以上のパラメータに応答して、前記電磁駆動アクチュエータの適応制御のための自動的に調整された制御信号を生成するため、前記試験片の前記観測された1つ以上のパラメータに基づいて、フィードバック経路内で動作する少なくとも1つの利得を含む、前記電磁駆動アクチュエータを制御するための複数の制御利得の自動化された計算を、試験中に繰返し実行するために、前記プロセッサーにより実行されるプログラムコードと、
    を有し、
    前記制御利得の前記繰返し計算は、プロセッサークロックの周期M内に前記繰返し計算を完了するように、1組のプロセッサータスクとして実装され、1組のプロセッサータスクを構成する各タスクは、規定数のプロセッサークロック周期内に完了することを予め決められており、前記繰返し計算は、P≧Mである所定数Pのプロセッサークロック周期毎に繰り返される、コンピュータプログラム。
  6. 構造物試験機内の電磁駆動アクチュエータを制御するための方法であって、
    前記電磁駆動アクチュエータは、試験の間、構造物に荷重を加えるよう構成され、
    該方法は、
    前記構造物に荷重を加えるために前記電磁駆動アクチュエータを制御することにより前記構造物に試験を実行する一方、前記加えられた荷重、及び前記構造物の1つ以上のパラメータの変化の両方を観測するステップと、
    フィードバック経路内で動作する少なくとも1つの利得を繰返し計算するステップを含み、前記観測されたパラメータに応答して、前記試験の間、前記電磁駆動アクチュエータの制御器に対する制御利得を繰返し計算するステップと、を有し、
    前記制御利得の前記繰返し計算は、プロセッサークロックの周期M内に前記繰返し計算を完了するように、1組のプロセッサータスクとして実装され、1組のプロセッサータスクを構成する各タスクは、規定数のプロセッサークロック周期内に完了することを予め決められており、前記繰返し計算は、P≧Mである所定数Pのプロセッサークロック周期毎に繰り返される方法。
  7. 構造物試験機の電磁駆動アクチュエータを制御する方法であって、
    前記電磁駆動アクチュエータは、構造物に力を加えるように構成されており、
    該方法は、
    前記電磁駆動アクチュエータに制御信号を供給し、前記構造物に加えられた力に起因する前記構造物の1つ以上のパラメータの変化を観測する間、前記電磁駆動アクチュエータを用いて、前記構造物に力を加えるための動作を実行するステップと、
    前記観測された1つ以上のパラメータの変化に応答して、前記動作の実行中にアクチュエータ制御利得を繰返し計算するステップと、
    を有し、
    アクチュエータ制御利得の前記繰返し計算は、プロセッサークロックの周期M内に前記繰返し計算を完了するように、1組のプロセッサータスクとして実装され、1組のプロセッサータスクを構成する各タスクは、規定数のプロセッサークロック周期内に完了することを予め決められており、前記繰返し計算は、P≧Mである所定数Pのプロセッサークロック周期毎に繰り返される、方法。
  8. 構造物試験機の電磁駆動アクチュエータにおける制御器であって、
    該電磁駆動アクチュエータは、構造物に力を加えるための前記構造物試験機内に配置され、前記制御器は、該構造物の1つ以上のパラメータの観測された変化を表す信号を受信するように構成され、
    前記制御器は、該電磁駆動アクチュエータを制御するための方法を実行するため、プロセッサーにより実行されるプログラムコードを有し、
    前記方法は、
    前記電磁駆動アクチュエータに制御信号を供給し、前記電磁駆動アクチュエータを用いて、前記構造物に力を加えるための動作を実行するステップと、
    前記構造物に加えられた力に起因する前記構造物の1つ以上のパラメータの観測された変化を表す信号を受信するステップと、
    前記観測された1つ以上のパラメータの変化に応答して、前記動作の実行中にアクチュエータ制御利得を繰り返し計算するステップと、
    を有し、
    アクチュエータ制御利得の前記繰返し計算は、プロセッサークロックの周期M内に前記繰返し計算を完了するように、1組のプロセッサータスクとして実装され、1組のプロセッサータスクを構成する各タスクは、規定数のプロセッサークロック周期内に完了することを予め決められており、前記繰返し計算は、P≧Mである所定数Pのプロセッサークロック周期毎に繰り返される、制御器。
  9. 電磁駆動アクチュエータを制御する方法であって、
    該電磁駆動アクチュエータは、構造物に力を加えるように構成され、
    該方法は、
    前記電磁駆動アクチュエータを制御する制御信号を生成して前記構造物に力を加えるための動作を実行する一方、前記構造物に加えられた力に起因する前記構造物の1つ以上のパラメータの変化を自動的に観測するステップと、
    アクチュエータ制御器を用いて、前記観測された1つ以上のパラメータの変化に応答して、前記動作の実行中にアクチュエータ制御利得を繰り返し計算するステップと、
    を有し、
    前記電磁駆動アクチュエータは、低ギア付き非直接駆動電気モーターであり、
    アクチュエータ制御利得の前記繰返し計算は、プロセッサークロックの周期M内に前記繰返し計算を完了するように、1組のプロセッサータスクとして実装され、1組のプロセッサータスクを構成する各タスクは、規定数のプロセッサークロック周期内に完了することを予め決められており、前記繰返し計算は、P≧Mである所定数Pのプロセッサークロック周期毎に繰り返される、方法。
  10. 構造物に荷重を加えるように備えられた電磁駆動アクチュエータと、
    前記電磁駆動アクチュエータに制御信号を供給し、前記構造物に加えられた力に起因する前記構造物の1つ以上のパラメータの観測された変化に応答して、前記電磁駆動アクチュエータの作動中にアクチュエータ制御利得を繰返し計算するように構成されたアクチュエータ制御器と、
    を有し、
    前記電磁駆動アクチュエータは、低ギア付き非直接駆動電気モーターを有し、
    アクチュエータ制御利得の前記繰返し計算は、プロセッサークロックの周期M内に前記繰返し計算を完了するように、1組のプロセッサータスクとして実装され、1組のプロセッサータスクを構成する各タスクは、規定数のプロセッサークロック周期内に完了することを予め決められており、前記繰返し計算は、P≧Mである所定数Pのプロセッサークロック周期毎に繰り返される、装置。
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