JP3852072B2 - 油圧サーボ式材料試験機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は油圧−サーボ式の材料試験機に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧−サーボ式の材料試験機においては、一般に、試験片に負荷を与えるための負荷機構を油圧アクチュエータにより駆動するとともに、制御量として選択されている物理量、例えば負荷機構の変位やその変位に伴って試験片に作用する荷重等、に係る目標値を波形発生装置等から供給すると同時に、その制御量の検出値をフィードバックすることによって、試験片に対して目標値通りの負荷を加える。
【0003】
このようなフィードバックループを備えた油圧−サーボ式材料試験機においては、従来、目標値に検出値をフィードバックして得られる偏差をPID(比例・積分・微分)演算して操作量を得る、いわゆるPID制御が行われている。その制御系の構成例を示すと、図4に示すように、波形発生器41などから出力される目標値rに対し、例えば負荷機構の変位や試験片に作用する荷重などのうち、制御量zとして選択された物理量を検出器42で検出してなる検出値(観測量)yをフィードバックするとともに、その偏差eをPID調節器43に導入して比例・積分・微分演算を施することにより、サーボバルブ44の弁開度を変化させるための操作量uを得て、負荷機構用の油圧アクチュエータ45を駆動制御するように構成されている。なお、wは外乱を表しており、具体的には、油圧の変動や油圧アクチュエータのシール部の摩擦等が考えられる。
【0004】
この制御方式をブロック線図でより詳しく表すと、図5に示す通りとなる。
この図5において1は比例要素を表し、Kpは比例ゲインであり、TI は積分時間、1/sは積分要素、TD は微分時間、D(s)は微分要素、P(s)は制御対象の伝達特性を表している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、以上のようなPID制御を採用した従来の油圧−サーボ式の材料試験機においては、目標値応答と外乱応答の双方を最適化することが困難であるという問題がある。
【0006】
すなわち、図6(A)に示すように、目標値に対する応答を最適化した調整を行うと、外乱に対しては同図(B)に示すように大きく応答してしまう。一方、図7(B)に示すように、外乱に対する応答が小さくなるように最適に調整すると、目標値に対する応答が同図(A)に示すように大きく乱れてしまう。
【0007】
また、PID制御を採用した従来の油圧−サーボ式の材料試験機においては、制御対象である油圧駆動系の伝達特性P(s)に積分要素1/sが含まれるために、調節部中の積分要素1/sと併せて、入出力の伝達関数中に1/s2 の項が含まれることになり、制御が不安定になり、極端な場合にはハンチングが生じるる可能性があるという問題がある。
【0008】
更に、フィードバック制御においては、一般に、そのフィードバックループのゲイン調整、つまり前記したPID制御においては、比例ゲイン、積分時間、微分時間をそれぞれ適切な値に設定しなければ、意図する制御ができないが、材料試験機のように、制御対象中に試験片を含む場合、ゲイン調整は試験片の種類を変更するごとに行う必要があるばかりでなく、試験片を含んだ系のゲイン調整は容易ではなく、操作者の経験に頼ることろが多く、そのため、調整に時間が掛かる、最適な調整ができない、調整のばらつきがある、ハンチングを起こしてしまうなどの問題があった。
【0009】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたもので、安定した制御を行うことができ、かつ、目標値応答および外乱応答の双方を最適化することができ、しかもその最適化のために必要なフィードバックループの比例ゲインをはじめとする各定数を、操作者の経験に頼ることなく自動的に設定することのできる油圧−サーボ式材料試験機の提供を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の油圧−サーボ式材料試験機は、油圧駆動型の負荷機構を制御するためのフィードバックループを備えてなる油圧−サーボ式材料試験機において、上記フィードバックループ内の調節部が、比例動作と微分動作を目標値に対して実行する部分と検出値に対して実行する部分とから構成され、かつ、これら2つの部分の重みを独立して付与する手段を備えているとともに、試験片を装着し、かつ、オープンループ状態でステップ入力を供給したときの応答を記憶する応答記憶手段と、その記憶内容から、試験片を含む負荷機構のモデルとして下記の(1)式を用いて系を同定する演算手段と、その同定結果に基づき、あらかじめ上記モデルを用いて計算して記憶している複数の特性についての最適な比例ゲイン、微分時間および上記重みの値の組み合わせのうち、該当のものを検索し、その検索結果に基づいて上記調節部の比例ゲイン、微分時間および上記重みを自動的に設定する設定手段を備えていることによって特徴づけられる。
【0011】
M(s)=Re-Ls /sf(s) ・・・・(1)
ただし、f(s);時定数Tを含む非積分性の有利関数であって、(Ts+1) 2 、または(T 1 s+1)(T 2 s+1)
L;遅れ時間
【0012】
ここで、本発明においては、フィードバックループ内の調節部が比例動作およ微分動作を実行する、とは、調節部において比例要素と微分要素とが機能するという意味であり、従って、本発明は、積分要素については、調節部に存在しない構成と、存在していてもそれが実質的に機能しない程度に積分時間が長く設定されている構成との双方を含む。
【0013】
本発明は、フィードバックループ内の調節部が比例および微分動作を実行し、積分動作については実行しないこと、つまり実質的にPD制御とすることにより、系の入出力の伝達関数中から1/s2 の項をなくするとともに、2自由度制御系を採用することによって、目標値応答と外乱応答との双方の最適化調整を実現し、更に、その2自由度PD制御系のモデルを前記した(1)式で表すものと定め、このモデルを用いてオープンループ状態で系にステップ入力を供給したときの応答から当該系を同定し、(1)式を用いてあらかじめシミュレーションにより求めて記憶しておいた複数の特性についてのフィードバックループでの比例ゲインや微分時間、および2自由度係数である2つの重み最適な組み合わせのなかから、該当のものを検索してこれらを自動的に設定することで、前記した問題点を一挙に解決しようとするものである。
【0014】
すなわち、油圧−サーボ式材料試験機においては、前記したように制御対象である油圧駆動の負荷機構の伝達特性に1/sを含んでいるため、調節部において積分要素1/sを機能させると、入出力の伝達関数中に1/s2 の項を含むことになるが、本発明においては、調節部において積分要素を機能させないため、入出力の伝達関数に1/s2 の項が含まれなくなり、制御の不安定要因をなくすることができる。
【0015】
また、調節部に、目標値に対して動作する部分と検出値に対して動作する部分を個別に設け、それぞれに任意の重みを付与することができるようにしたとき、前者の重みを小さくするほど、目標値入力の急激な変化があっても、出力の急な変化を抑えることができ、オーバーシュートの発生を抑制することができる。反面、出力の立ち上がりが遅くなる。一方、両者に等しくかかる比例ゲインを大きくすると、フィードバックが強化され外乱がより強く抑制されるが、過度に大きくするとシステムが振動的になり、更には不安定となる。以上のことから、前もってシミュレーションを行い、調節部の2つの部分のうち、目標値に対して動作する部分に付与すべき重みおよび比例ゲインの値を適切に調節し、出力に急激な変化が生じずシステムが振動的にならないようにしつつ外乱抑制できる値を求めて設定しておくことにより、外乱を強く抑制し、かつ、出力に急激な変化の生じない制御系を実現することができる。結果として前記した図(A)に示すような目標値応答と、図6(B)に示すような外乱応答を同時に得ることのできる制御系が得られる。
【0016】
そして、このような最適化のためには、比例ゲインや微分時間、目標値入力に対する重みといった各定数をそれぞれ最適な値に調整する必要があるが、本発明においては、以下の手法によってこれらの定数を最適値に設定することの自動化を実現している。
【0017】
すなわち、本発明者らの鋭意の研究の結果、2自由度PD制御を適用した油圧−サーボ式材料試験機のモデルを(1)式で表し得ることを確認した。そして、このモデルが決まると、試験片を装着し、かつ、オープンループ状態でステップ状の入力を供給したときの応答から系を同定できる。また、モデルが決まると、試験片を含めた系の複数の特性のそれぞれに対応して、目標値応答および外乱応答の双方を最適化できる定数の組み合わせ、つまり比例ゲイン、微分時間および目標値入力に対する重みの最適な組み合わせをシミュレーションによって求めることができる。
【0018】
そこで、本発明においては、あらかじめ系の複数の特性についての各定数の最適な組み合わせを求めて記憶しておき、試験片を装着し、かつ、オープンループ状態でステップ状の入力を供給してその応答から系を同定し、その同定結果に基づき、あらかじめ記憶している各定数の最適な組み合わせのうちの該当のものを検索して、自動的に比例ゲイン、微分時間および目標値入力に対する重みの各値を調節部に設定する。これにより、操作者の経験等に頼ることなく、目標値応答および外乱応答の双方を最適化した状態が得られる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明の実施の形態の装置構成図であり、図2はその制御システムの詳細構成を示すブロック線図である。
【0020】
試験機本体1は、テーブル11上に2本のコラム12a,12bを設け、そのコラム12a,12bによってクロスヨーク13の両端部を支持した構造を有している。
【0021】
テーブル11には、サーボバルブ2を介して供給される圧油により動作する油圧シリンダをアクチュエータとする負荷機構14が設けられている。この負荷機構14に下掴み具15aが装着されているとともに、前記したクロスヨーク13に、ロードセル3を介して上掴み具15bが装着されている。試験片TPは、これら上下の掴み具15a,15bにその両端部が把持された状態で試験に供される。
【0022】
すなわち、上下の掴み具15a,15bに両端部を把持された試験片TPは、負荷機構14の駆動により負荷が加えられるとともに、試験片TPに作用する荷重はロードセル3によって検出され、また、負荷機構14の変位は変位計4によって検出される。
【0023】
ロードセル3および変位計4による荷重並びに変位の検出信号は、制御装置5に刻々と取り込まれる。制御装置5は、ロードセル3および変位計4の刻々の出力を試験データとして記憶するとともに、図2における目標値rを出力する波形発生器51と、調節部52を含み、制御量zとして選択されている物理量、例えばロードセル3による荷重の検出信号を観測量yとして導入してフィードバックループを構築し、制御対象53に供給すべき操作量uを生成する。
【0024】
また、この制御装置5は、操作部6の操作により、後述するように、観測量yをフィードバックしない状態、つまりオープンループ状態とすることができ、その状態で波形発生器51から矩形波などのステップ状の入力を調節部52に供給することができ、そのときの応答(観測量)yはメモリ54に一時記憶できるようになっている。そして、この制御装置5には、その記憶内容を用いて、後述する手法により試験片TPを含めた系を同定するプログラムが書き込まれている。また、このメモリ54には、同じく後述するように、試験片を含めた系の特性を複数にわたって想定し、その各特性について前もってシミュレーションによりフィードバックループの各定数の最適な組み合わせを求めたものを記憶しており、制御装置5には、上記した系の同定結果に従って、該当する定数の組み合わせを検索し、その検索された各定数を調節部52に設定するプログラムも書き込まれている。
【0025】
さて、本発明の実施の形態で採用している、図2に示すフィードバックループにおける特徴は、2自由度PD制御を採用している点であり、具体的には、調節部52を第1の調節部52aと第2の調節部52bで構成し、これらの各調節部52a,52bにおいては、比例要素と微分要素を備えているが、積分要素は存在しないか、あるいは存在しても積分時間を大きくすることによって積分動作を行わないように構成されており、かつ、調節部52a内の重み(1−α)および(1−β)に任意の値を付与できる点である。そして、2つの調節部52a,52bにおいては、基本パラメータである比例ゲインKpおよび微分時間TD を、2自由度パラメータα,βと独立に設定することができるようになっており、これら4つの値を適切に設定することにより、後述するように目標値応答および外乱応答の双方に対して系を最適化することができる。
【0026】
本発明の実施の形態において採用している、図2に示すシステム構成によると、調節部52aおよび52bが調節部52が積分動作を行わないため、系全体の入出力の伝達関数中に含まれる積分要素に係る項は、制御対象である油圧駆動の負荷機構14に含まれる積分要素1/sの項のみであり、従来の油圧−サーボ式材料試験機のように1/s2 の項が含まれない。従って、制御の不安定さをなくすることができる。
【0027】
また、以上の実施の形態において、目標値rに対して動作する第1の調節部52aにおけるパラメータαおよびβを大きくすると、つまり目標値rに対する比例要素および微分要素の重みを小さくしていくと、目標値rの急激な変化時における出力yの急な変化が少なくなり、オーバーシュートの発生を抑制することができるものの、立ち上がりが遅くなっていく。また、全体の要素に等しく掛かる比例ゲインKpを大きくしていくと、外乱をより強力に抑制することができるようになるが、過度に大きくするとシステムが振動的になり、更には不安定になる。そこで、前もってシミュレーションを行い、目標値rに対する応答yが、立ち上がりの遅れの少なくオーバーシュートが発生しない範囲で、また、システムが振動的にならない範囲で外乱の抑制力が最強になるように各パラメータの組み合わせを求め、これらの値を用いて調節部52の設定を行う。これにより、目標値応答を前記した図(A)に示したような最適な状態とすることができる。
【0028】
しかも、目標値応答を上記した図(A)に示したような最適な状態に調整した状態において、外乱入力wの影響を抑制することができ、外乱応答についても前記した図6(B)に示したような最適な状態とすることができる。
【0029】
次に、系を最適化するための比例ゲインKp、微分時間TD および2自由度パラメータα,βを自動的に設定する手法について述べる。
図2に示すフィードバックループを備えた油圧−サーボ式材料試験機に試験片TPを装着した状態では、そのモデルM(s)は下記の(1)式で表すことができる。
【0030】
M(s)=Re-Ls /sf(s) ・・・・(1)
ただし、f(s);時定数Tを含む非積分性の有利関数であって、(Ts+1) 2 、または(T 1 s+1)(T 2 s+1)
L;遅れ時間
【0031】
このモデルにおけるR,L,Tが決まれば、シミュレーションによって、目標値応答および外乱応答の双方を最適化することのできる比例ゲインKp、微分時間TD および2自由度パラメータα,βを求めることができる。
【0032】
そこで、前もって、(1)式におけるR,L,Tを種々に変化させた系の特性を想定し、その各特性ごとにシミュレーションにより最適な比例ゲインKp、微分時間TD および2自由度パラメータα,βの値を求めておき、メモリ55に記憶しておく。具体的には、L/Tをパラメータとして、Kp,TD ,αおよびβの数表を記憶しておく。
【0033】
試験片TPを装着した実際の系の特性は不明であるので、以下に示す手法によって、試験片TPを装着した状態での系を同定する。つまり、モデルが(1)式で表されるので、この式中のR,L,Tを以下に示す方法によって決定する。
この系の同定に際しては、系をオープンループ状態、つまり図2における観測量yのフィードバックを行わない状態で、波形発生器51から、広い周波数スペクトルを有する矩形波などのステップ状の入力を調節部52に対して供給し、そのときの応答(観測量)yをメモリ55に記憶し、その記憶内容から、当該系のモデル(1)式中のR,L,Tを決定する。
【0034】
式(1)で示されるM(s)をラプラス逆変換することによって時間領域に変換したものをm(t)とする。例えば
f(s)=(Ts+1)2 ・・・・(2)
とすると、
【0035】
【数1】
Figure 0003852072
【0036】
となり、従って、
【0037】
【数2】
Figure 0003852072
【0038】
と表すことができ、この(4)式をメモリ55に記憶しておく。
【0039】
オープンループ状態で矩形波を供給したときの応答は、典型的には図3に例示する通りとなり、この応答データと式(4)とを比較することによって、系を同定すること、つまり実際の系のR,L,Tを求めることができる。
【0040】
この同定結果に基づき、メモリ5に前もって記憶しているL/Tをパラメータとする数表から、該当のKp,TD ,αおよびβを検索し、これらの値を調節部52に自動的に設定する。
【0041】
モデルを(3)式としたときの数表を[表1]に示す。なお、この例においては、αは全て0であるので、[表1]中においてはその記載を省略している。さて、同定の結果がL=0.002,T=0.004,R=0.5であったとすると、L/T=0.5となるので、Kp×R=0.829,TD ×T=1.7051となり、従って、調節部52に設定すべき各定数は、Kp=1.6596,TD =0.0068204、β=0.741、α=0となる。この各値を2自由度PD制御のゲインとして適用することにより、図2に示す系が目標値応答および外乱応答の双方に対して最適化された状態となる。
【0042】
【表1】
Figure 0003852072
【0043】
なお、図2のブロック線図は、各部の機能を表すブロックの集合により表しているが、実際には、制御装置5はコンピュータを主体とするデジタル動作型のものであり、従って図2における各ブロックの幾つかは、その機能を実行するソフトウエアにより構成される。
【0044】
また、図2のブロック線図は、2自由度制御系の一般式型にて表現しているが、フィードフォワード型、ループ補償型、フィードバック補償型、目標値フィルタ型、要素分離型でも等価的に表現することができ、要は、本発明における制御則は、微分要素への目標値入力に可変の重みを付与できる2自由度PD制御であればよい。
【0045】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、油圧−サーボ式材料試験機の調節部が、比例動作と微分動作を実行して積分動作を実行せず、かつ、その動作を目標値入力と検出値のそれぞれに対して個別に実行する2つの部分から構成され、その各部分には独立の重みを付与する手段を備えているため、制御対象である油圧駆動型の負荷機構自体の伝達関数中に積分要素の項1/sが含まれていても、入出力の伝達関数中に従来のように1/s2 の項が含まれず、制御の不安定性をなくすることができるとともに、重みを適宜に設定することにより、目標値入力の急激な変化に対して、立ち上がりが急峻でしかもオーバーシュートのない出力を得ることができると同時に、外乱入力に対しては抑制力に優れた制御を行うことができ、目標値応答と外乱応答の双方を最適化することができる。
【0046】
そして、本発明では、系のモデルを前記した(1)式で表し、前もって複数の特性についてシミュレーションして求めた比例ゲイン、微分時間および微分動作への入力に付与すべき重みの最適な組み合わせを記憶しておくとともに、オープンループ状態でステップ状の入力を供給したときの応答から系を同定し、その同定結果に基づいて該当の比例ゲイン、微分時間および微分動作への入力に付与すべき重みの組み合わせを検索して、これらを自動的に設定する手段を備えているので、操作者の経験等に頼ることなく、系の最適化調整を短時間かつ安定して確実に行うことができる。また、系の同定に際してはオープンループ状態でステップ状の入力を供給するため、その大きささえ適宜に選定しておくことにより、調整中にハンチングを起こしたり試験片にダメージを与えることも防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の装置構成図である。
【図2】本発明の実施の形態の制御システムの詳細構成を示すブロック線図である。
【図3】本発明の実施の形態において系を同定すべくオープンループ状態でステップ状の入力を供給したときの応答の例を示すグラフである。
【図4】従来の油圧−サーボ式材料試験機の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図5】図3の制御方式の詳細を示すブロック線図である。
【図6】従来のPID制御を採用した油圧−サーボ式材料試験機において、目標値応答を最適化した調整時における目標値応答(A)および外乱応答(B)を示すグラフである。
【図7】同じく従来のPID制御を採用した油圧−サーボ式材料試験機において、外乱応答を最適化した調整時における目標値応答(A)および外乱応答(B)を示すグラフである。
【符号の説明】
1 試験機本体
11 テーブル
12a,12b コラム
13 クロスヨーク
14 負荷機構
15a,15b 掴み具
2 サーボバルブ
3 ロードセル
4 変位計
5 制御装置
51 波形発生器
52 調節部
52a 第1の調節部
52b 第2の調節部
53 制御対象
54 メモリ
6 操作部
TP 試験片

Claims (1)

  1. 油圧駆動型の負荷機構を制御するためのフィードバックループを備えてなる油圧サーボ式材料試験機において、
    上記フィードバックループ内の調節部が、比例動作と微分動作を目標値に対して実行する部分と検出値に対して実行する部分とから構成され、かつ、これら2つの部分の重みを独立して付与する手段を備えているとともに、
    試験片を装着し、かつ、オープンループ状態でステップ入力を供給したときの応答を記憶する応答記憶手段と、その記憶内容から、試験片を含む負荷機構のモデルとして下記の(1)式を用いて系を同定する演算手段と、その同定結果に基づき、あらかじめ上記モデルを用いて計算して記憶している複数の特性についての最適な比例ゲイン、微分時間および上記重みの値の組み合わせのうち、該当のものを検索し、その検索結果に基づいて上記調節部の比例ゲイン、微分時間および上記重みを自動的に設定する設定手段を備えていることを特徴とする油圧サーボ式材料試験機。
    M(s)=Re-Ls /sf(s) ・・・・(1)
    ただし、f(s);時定数Tを含む非積分性の有利関数であって、(Ts+1) 2 、または(T 1 s+1)(T 2 s+1)
    L;遅れ時間
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