JP5670303B2 - イオン注入機の基板保持具の劣化判定方法 - Google Patents

イオン注入機の基板保持具の劣化判定方法 Download PDF

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本発明は、イオン注入剥離法による貼り合わせウェーハの製造等に用いられるイオン注入機の基板保持具の劣化判定方法に関する。
半導体素子用のウェーハの一つとして、絶縁膜であるシリコン酸化膜(以下、埋め込み酸化膜又はBOX層と呼ぶことがある)上にシリコン薄膜(以下、SOI層と呼ぶことがある)を形成したSOI(Silicon On Insulator)ウェーハがある。
このSOIウェーハは、デバイス作製領域となる基板表層部のSOI層が埋め込み酸化膜により基板内部と電気的に分離されているため、寄生容量が小さく、耐放射性能力が高いなどの特徴を有する。そのため、高速・低消費電力動作、ソフトエラー防止などの効果が期待され、高性能半導体素子用の基板として有望視されている。
このSOIウェーハを製造する代表的な方法として、ウェーハ貼り合わせ法やSIMOX法が挙げられる。
ウェーハ貼り合わせ法は、例えば2枚のシリコン単結晶ウェーハのうちの一方の表面に熱酸化膜を形成した後、この形成した熱酸化膜を介して2枚のウェーハを密着させ、結合熱処理を施すことによって結合力を高め、その後に片方のウェーハ(SOI層を形成するウェーハ(以下、ボンドウェーハ))を鏡面研磨等により薄膜化することによってSOIウェーハを製造する方法である。また、この薄膜化の方法としては、ボンドウェーハを所望の厚さまで研削、研磨する方法や、ボンドウェーハの内部に水素イオン、希ガスイオンの少なくとも1種類を注入してイオン注入層を形成しておき、イオン注入層においてボンドウェーハを剥離するイオン注入剥離法と呼ばれる方法等がある。
一方、SIMOX法は、シリコン単結晶ウェーハの内部に酸素をイオン注入し、その後に高温熱処理(酸化膜形成熱処理)を行って、注入した酸素とシリコンとを反応させてBOX層を形成することによってSOIウェーハを製造する方法である。
上記の代表的な2つの手法のうち、ウェーハ貼り合わせ法は、作製されるSOI層やBOX層の厚さが自由に設定できるという優位性があるため、様々なデバイス用途に適用することが可能である。特に、ウェーハ貼り合わせ法の一つであるイオン注入剥離法は、上記優位性に加え、優れた膜厚均一性を有するSOI層を得ることができるという特徴があり、ウェーハ全面で安定したデバイス特性を得ることができる。
イオン注入剥離法では、イオン注入機にてウェーハ面内に、水素イオン、あるいは、希ガスイオン等を均一な量で、均一な深さに注入する必要がある。
この目的のための一つの要素として、イオン注入機の基板保持具には、ウェーハを均一に冷却する機能が求められる。この基板保持具にはウェーハとの接触を向上させるため、シリコーンゴム等のゴム部材やセラミック部材等からなるシート部材が使用されている。また、基板保持具の背面には冷却水を循環させるための配管が設けられており、イオン注入中のウェーハを十分に冷却することができるような構造となっている。
このようなイオン注入機の基板保持具は真空容器内に装着されているため、そのウェーハ冷却能力を評価するには、保持するウェーハ表面にサーモラベルを貼り付け、イオン注入により上昇したウェーハ表面温度から判定する方法が挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
特開2011−9007号公報
しかしながら、上記方法では、サーモラベルを貼ったウェーハを注入処理するため、製造を停止する必要があることや、サーモラベルを貼った位置の情報しか得られないため、ウェーハ面内の局所的な温度異常を見逃す可能性があるなどの問題がある。
また、サーモラベルでウェーハ温度を評価する場合、サーモラベルの焼損を防止するために、アルミテープや、熱に強い樹脂性テープをウェーハ表面に貼り付けてイオン注入する必要がある。しかし、これにより、イオン注入機においてパーティクル汚染や金属汚染などが発生する可能性がある。また、これらの汚染等の評価を別に行う必要があるため、製造を停止させ、装置稼働率の低下を引き起こす問題もあった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、イオン注入機の基板保持具の劣化状況を容易かつ高精度に判定することができる方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、イオン注入機の基板保持具の劣化を判定する方法であって、前記イオン注入機において、基板保持具で半導体ウェーハを保持して、該保持された半導体ウェーハの表面から水素イオン、希ガスイオンの少なくとも一種類のガスイオンをイオン注入して、前記半導体ウェーハ内部にイオン注入層を形成し、前記イオン注入された半導体ウェーハの表面の光散乱強度分布を測定し、該測定された光散乱強度分布から、前記半導体ウェーハを保持したイオン注入機の基板保持具の劣化を判定することを特徴とするイオン注入機の基板保持具の劣化判定方法を提供する。
このようにイオン注入機の基板保持具の劣化を判定することで、イオン注入後に他の工程等を行うことなく、光散乱強度分布の測定によって判定することができるため、簡易かつ迅速に劣化を判別できる。また、光散乱強度分布により判定するため、基板保持具の局所的な劣化も判別でき、高精度に劣化判定をすることができる。また、基板保持具の劣化判定のために、イオン注入機内にウェーハ以外の特別な部品等を入れる必要が無いため、装置の汚染等のおそれが無く、さらに、装置稼働率が低下しない。従って、本発明の方法により容易かつ高精度に基板保持具の劣化を判定することで、例えばイオン注入剥離法による貼り合わせウェーハの製造のコスト低減と品質向上を達成できる。
このとき、前記判定する基板保持具の劣化を、前記基板保持具の表面に形成されたシート部材の劣化、又は、前記基板保持具を冷却するための冷却水配管の不具合によるウェーハ冷却能力の低下とすることが好ましい。
このような基板保持具の劣化を、本発明であれば高精度に判定することができる。
このとき、前記イオン注入機を、複数の基板保持具を有するバッチ式イオン注入機とし、前記測定された光散乱強度分布から、前記半導体ウェーハを保持した前記複数の基板保持具の劣化を判定して、劣化した基板保持具を特定することが好ましい。
このようなバッチ式のイオン注入機においては、本発明の方法により複数の基板保持具の中で劣化した基板保持具を高精度に特定することができるため、貼り合わせウェーハの歩留まりの向上に貢献できる。
このとき、前記半導体ウェーハをボンドウェーハとしてイオン注入して前記イオン注入層を形成し、前記ボンドウェーハのイオン注入された側の表面とベースウェーハの表面とを、絶縁膜を介して、或いは、直接貼り合わせた後、前記ボンドウェーハの一部を前記イオン注入層で剥離して、前記ベースウェーハ上に前記ボンドウェーハから剥離した薄膜を有する貼り合わせウェーハを作製する際、前記イオン注入されたボンドウェーハの表面の光散乱強度分布を測定し、前記ボンドウェーハを保持したイオン注入機の基板保持具の劣化を判定することが好ましい。
このように、本発明の方法であれば、貼り合わせウェーハの製造の過程で基板保持具の劣化判定を行うことができ、装置稼働率の低下を引き起こすこともなく、貼り合わせウェーハの製造歩留まりを向上させることができる。
このとき、前記貼り合わせウェーハの作製において、前記ボンドウェーハ及び前記ベースウェーハとして、シリコン単結晶ウェーハを用いることが好ましい。
このように、シリコン単結晶ウェーハ同士の貼り合わせによる貼り合わせウェーハの作製において、本発明の方法で基板保持具の劣化を判定することができる。
以上のように、本発明によれば、高精度かつ容易にイオン注入機の基板保持具の劣化を判定でき、貼り合わせウェーハの歩留まりを向上させることができる。
(a)バッチ式イオン注入機の回転体部分の概略平面図と、(b)その基板保持具の部分拡大図である。 イオン注入機において基板を保持していない状態の基板保持具の(a)平面図と(b)側面図であり、また、基板を保持している状態の基板保持具の(c)平面図と(d)側面図である。 イオン注入機の基板保持具の冷却水配管を説明するための基板保持具の(a)裏面の概略図と、(b)側面図である。 実施例において測定したHAZEマップを示す。 実施例において基板保持具のシート部材を交換した後にイオン注入して、測定したHAZEマップを示す。
本発明者らは、イオン注入機の基板保持具の劣化状況について鋭意検討を重ねたところ、イオン注入機の長期間にわたる使用で、基板保持具のシート部材が劣化すると、ウェーハ冷却能力が低下するため、作製される貼り合わせウェーハのウェーハ品質(剥離面の面粗さ分布、剥離面の表面欠陥の面内分布、薄膜の平均厚さ・面内厚さ分布など)に影響を与えることが分かった。また、基板保持具への冷却水配管の詰まりなどで、循環する冷却水の流量が低下することでも、ウェーハ冷却性能が低下し、ウェーハ品質に影響を与えることが分かった。
そして、これらの知見に基いて、イオン注入剥離法で作製した貼り合わせウェーハや剥離後のボンドウェーハの品質から、イオン注入機の基板保持具のシート部材の劣化状況、基板保持具の冷却水系統の不具合等を判定することができることを発想し、先に出願した(特願2011−150394)。
先の出願では、イオン注入剥離法で作製した貼り合わせウェーハや剥離後のボンドウェーハの品質から、イオン注入機の基板保持具の劣化状況を判断するものであったが、更に検討を重ねた結果、貼り合わせウェーハを作製する工程(イオン注入+貼り合わせ+剥離)を完了しなくても、イオン注入を行ったボンドウェーハの表面の光散乱強度分布を測定すれば、その測定された光散乱強度分布から、ボンドウェーハを保持したイオン注入機の基板保持具の劣化を判定することができることを見出し、以下のような本発明を完成させた。
以下、本発明について、実施態様の一例として、図を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本発明は、イオン注入機において、基板保持具で半導体ウェーハを保持して、該保持された半導体ウェーハの表面から水素イオン、希ガスイオンの少なくとも一種類のガスイオンをイオン注入して、半導体ウェーハ内部にイオン注入層を形成し、イオン注入された半導体ウェーハの表面の光散乱強度分布を測定し、該測定された光散乱強度分布から、半導体ウェーハを保持したイオン注入機の基板保持具の劣化を判定する。
例えば、イオン注入を行った半導体ウェーハの表面の光散乱強度分布を測定し、その測定結果が正常値(劣化していない基板保持具でイオン注入した場合の測定値)に比べて悪化した数値を示していれば、基板保持具が劣化していると判断できる。
イオン注入を行うことによってウェーハ表面自体の面粗さが悪化することはほとんどないので、基板保持具が劣化してウェーハの冷却能力が低下したとしても、イオン注入により半導体ウェーハ表面の面粗さが悪化するとは考えにくい。従って、測定された光散乱強度分布の悪化は、光散乱強度を測定するための入射光がウェーハ内部のイオン注入層に到達し、そこからの散乱光をも検出した結果を反映しているものと考えられる。
例えばイオン注入剥離法において注入されるイオン種は、水素、あるいはヘリウム等の希ガスであり、ウェーハに熱がかかると比較的容易に熱拡散するものが多い。特に、水素は非常に拡散しやすい元素で、イオン注入中のウェーハ温度が上昇すると容易に拡散し、形成されるイオン注入層のピーク濃度が下がり、その深さ分布がシャープなガウス分布から、ブロードなものへと変化してしまう。
従って、基板保持具が劣化してウェーハの冷却能力が低下すると、このようなブロードな分布を持つイオン注入層が生じやすくなり、そこからの散乱光も含めて検出されると、結果として正常値よりも悪化した数値の光散乱強度分布が得られることになるものと推定される。
本発明は、この現象を利用して、半導体ウェーハを保持したイオン注入機の基板保持具の劣化を判定するものであり、従来にはなかった新規の技術思想に基づいた発明である。
このような本発明の方法であれば、イオン注入後に他の工程を経ることなく、簡便な方法で劣化判定ができるため、容易かつ迅速に基板保持具の劣化を判別できる。また、基板保持具の局所的劣化も高精度に判定することができる。また、イオン注入機内にウェーハ以外の特別な部品等を入れる必要が無いため、汚染等のおそれが無く、装置稼働率が低下しない。
本発明により判定する基板保持具の劣化としては、基板保持具の劣化全般を判定することができるが、特には、基板保持具の表面に形成されたシート部材の劣化、又は、基板保持具を冷却するための冷却水配管の不具合によるウェーハ冷却能力の低下を判定することが好ましい。
このようなシート部材の劣化や冷却水配管の不具合は、保持される半導体ウェーハのイオン注入中の温度に直接影響するため、本発明による高精度の判定が容易である。また、例えばイオン注入剥離法により作製される貼り合わせウェーハの薄膜の品質にも大きく影響するため、上記の劣化を判定することで、製造する貼り合わせウェーハの品質及び歩留まりを向上できる。
そして、本発明においてイオン注入条件としては、通常のイオン注入剥離法による貼り合わせウェーハ作製時に用いられる条件を適用することができ、例えば、イオン注入加速電圧70keV以上でイオン注入することが好ましい。
イオン注入エネルギーが高ければ高いほど、イオン注入中のウェーハ温度が上がるため、劣化した基板保持具では、ウェーハ冷却効率がより落ちるので、イオン注入に顕著に影響してくる。このため、加速電圧を70keV以上とすれば、ウェーハに十分高い加速電圧やビーム電流値でイオン注入することができるため、イオン注入中のウェーハ注入温度が上昇し、劣化した基板保持具では、その劣化状況がより強調され、劣化判定が容易になる。
本発明の基板保持具の劣化状況の具体的な判定方法としては、例えば以下の方法がある。
まず、イオン注入された半導体ウェーハの表面を、光学式表面検査装置(例えば、KLA−Tencor社製SP1)で測定して、面内の光散乱強度分布を得る。光散乱強度分布として、具体的には半導体ウェーハ表面のHAZE分布を測定する。測定した面内のHAZE分布の不均一性、あるいは、今まで当該基板保持具で保持してイオン注入を行ってきた半導体ウェーハ(正常なHAZE値を有する標準サンプル)とのHAZE値(平均値や標準偏差など)の大きさの違いから、基板保持具の劣化状況を判定することができる。
本発明により基板保持具の劣化判定できるイオン注入機としては、特に限定されず、通常のイオン注入剥離法による貼り合わせウェーハの製造等に用いられているイオン注入機を用いればよく、例えば枚葉式のイオン注入機を用いることができるが、図1−3に示すようなバッチ式イオン注入機11を用いることが、本発明により効率的に劣化判定でき、さらに、歩留まりの観点から好ましい。
図1(a)にバッチ式イオン注入機11の回転体部分の概略図及び(b)その基板保持具10の拡大図、図2(a)に基板を保持していない状態の基板保持具10の平面図、図2(b)にその側面図、図2(c)に基板Wを保持した状態の基板保持具10の平面図、図2(d)にその側面図を示す。
図1,2に示すバッチ式イオン注入機11は、回転体13と、該回転体13に設けられ基板W(ボンドウェーハ)を配置する複数の基板保持具10とを備え、該基板保持具10に保持され公転している複数の基板Wにイオン注入するものである。また、基板保持具10の本体部分の基板Wと接触する部分には、基板Wを保持するためのシート部材14が設けられており、これは、基板保持具10の本体部分との接触による基板Wのキズの発生防止や、基板Wの均一な冷却に貢献している。また、基板Wを確実に保持するために、基板固定部品12も、保持される基板W外周に接触するように設けられている。
また、図3(a)に基板保持具10の基板保持する面とは反対側の面の概略図と、図3(b)にその側面の概略図を示す。イオン注入機11の基板保持具10には、イオン注入時の基板Wの熱を効率的に逃がすために冷却水配管15が設けられており、この冷却水配管15内に冷却水を循環させている。
図1−3に示すような、複数の基板保持具を有し、複数のウェーハのイオン注入を同時に行うバッチ式イオン注入機の場合には、一度に全ての基板保持具が同じ早さで劣化することは無く、通常、ある特定の位置の基板保持具が特に劣化していく。このため、本発明により上記測定及び判定を実施する際には、基板保持具で保持されてイオン注入が行われた半導体ウェーハの光散乱強度分布の測定結果を、イオン注入時の当該ウェーハが保持された基板保持具の位置によって分類することで、劣化している基板保持具を容易に特定することが可能である。
以上のような本発明の方法は、検査用の半導体ウェーハで行ってもよいが、以下のように、製品となる貼り合わせウェーハをイオン注入剥離法により作製する工程中に行うことが好ましい。
まず、ボンドウェーハとして準備したシリコン単結晶ウェーハに酸化膜を形成し、図1−3のようなイオン注入機において、基板保持具でボンドウェーハを保持させて、その表面から水素イオン、希ガスイオンの少なくとも一種類のガスイオンをイオン注入して、ボンドウェーハ内部にイオン注入層を形成する。
そして、イオン注入後、ボンドウェーハを洗浄し、土台となるベースウェーハ(例えばシリコン単結晶ウェーハ)と貼り合わせる。貼り合わせ後、剥離熱処理(例えば500℃、30分)を行い、イオン注入層でボンドウェーハを剥離して、ベースウェーハ上に薄膜を有する貼り合わせウェーハ(貼り合わせSOIウェーハ)が形成される。
なお、両方又は一方のウェーハの貼り合わせ面にプラズマ処理を行って結合強度を高めた上で貼り合わせることによって、剥離熱処理を行わずに、機械的な外力を加えて剥離することもできる。
本発明では、上記のような貼り合わせウェーハの作製が完了する前の段階、すなわち、ボンドウェーハにイオン注入が完了した時点において、ベースウェーハとの貼り合わせ前にボンドウェーハの表面の光散乱強度分布を測定し、測定された光散乱強度分布から、当該ボンドウェーハを保持したイオン注入機の基板保持具の劣化を判定することができる。
上記したように、基板保持具の劣化は、作製される貼り合わせウェーハの品質に大きな影響を及ぼすことから、イオン注入を行ったボンドウェーハを貼り合わせる前の検査工程にて本発明により基板保持具の劣化を検知できれば、貼り合わせウェーハの品質を確実に維持できる。さらに、本発明であれば、イオン注入機の操業を停止することなく、容易に基板保持具の劣化状況を把握し、交換すべき基板保持具の判定を行うことができる。このため、イオン注入から劣化判定までの間の製造ロスがほとんど発生せず、また、貼り合わせウェーハ製造中にも劣化を判定できるので、確実に歩留まりを向上できる。
以上のように、本発明であれば、イオン注入機の基板保持具の劣化判定において、特別な装置は不要で、イオン注入機への汚染等のおそれはなく、貼り合わせウェーハの製造が完了する前に、簡便に劣化を判定することができる。従って、貼り合わせウェーハを歩留まり良く製造することに貢献できる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例)
CZ法で作製されたシリコン単結晶ウェーハ(直径200mm、結晶方位(100)、抵抗率10Ωcm、p型)を準備し、200nmの熱酸化膜を成長させた後、バッチ式イオン注入機の基板保持具に保持させて、加速電圧(注入エネルギー)100keV、注入量8×1016ions/cmでHイオンを注入してイオン注入層を形成した。
そして、このイオン注入したウェーハの表面を、膜厚測定装置(KLA−Tencor社製SP1)を用いて、光散乱強度分布測定(HAZE分布測定)した。測定結果を図4に示す。
図4に示すイオン注入したウェーハのHAZEマップを見ると、上下方向にストライプ模様が発生し、DWNモード(暗視野、高角度入射・低角度検出)のHAZE値の平均値が0.260ppm、標準偏差が0.02ppmと大きかった。これにより、このウェーハを保持した基板保持具の劣化が推定された。そこで、その基板保持具の冷却水流量を確認したところ、特に異常は見られなかったので、その基板保持具のヒートシンク(シリコーンゴム製シート部材)を新品に交換し、当該基板保持具で上記と同一条件でイオン注入し、そのウェーハのHAZEマップを測定した。測定結果を図5に示す。図5に示すように、ストライプ模様が消え、DWNモードのHAZE値の平均値は0.202ppmに低下し、標準偏差が0.002ppmと一桁下がった。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
10…基板保持具、 11…イオン注入機、 12…基板固定部品、
13…回転体、 14…シート部材、 15…冷却水配管、 W…基板。

Claims (4)

  1. イオン注入機の基板保持具の劣化を判定する方法であって、
    前記イオン注入機において、基板保持具で半導体ウェーハを保持して、該保持された半導体ウェーハの表面から水素イオン、希ガスイオンの少なくとも一種類のガスイオンをイオン注入して、前記半導体ウェーハ内部にイオン注入層を形成し、前記イオン注入された半導体ウェーハの表面の光散乱強度分布を測定し、該測定された光散乱強度分布から、前記半導体ウェーハを保持したイオン注入機の基板保持具の劣化を判定し、
    前記判定する基板保持具の劣化を、前記基板保持具の表面に形成されたシート部材の劣化、又は、前記基板保持具を冷却するための冷却水配管の不具合によるウェーハ冷却能力の低下とすることを特徴とするイオン注入機の基板保持具の劣化判定方法。
  2. 前記イオン注入機を、複数の基板保持具を有するバッチ式イオン注入機とし、前記測定された光散乱強度分布から、前記半導体ウェーハを保持した前記複数の基板保持具の劣化を判定して、劣化した基板保持具を特定することを特徴とする請求項に記載のイオン注入機の基板保持具の劣化判定方法。
  3. 前記半導体ウェーハをボンドウェーハとしてイオン注入して前記イオン注入層を形成し、前記ボンドウェーハのイオン注入された側の表面とベースウェーハの表面とを、絶縁膜を介して、或いは、直接貼り合わせた後、前記ボンドウェーハの一部を前記イオン注入層で剥離して、前記ベースウェーハ上に前記ボンドウェーハから剥離した薄膜を有する貼り合わせウェーハを作製する際、前記イオン注入されたボンドウェーハの表面の光散乱強度分布を測定し、前記ボンドウェーハを保持したイオン注入機の基板保持具の劣化を判定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のイオン注入機の基板保持具の劣化判定方法。
  4. 前記貼り合わせウェーハの作製において、前記ボンドウェーハ及び前記ベースウェーハとして、シリコン単結晶ウェーハを用いることを特徴とする請求項に記載のイオン注入機の基板保持具の劣化判定方法。
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