JP5670280B2 - 硬化性組成物およびこれを用いたled素子 - Google Patents

硬化性組成物およびこれを用いたled素子 Download PDF

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Description

本発明は、硬化性組成物、特に、LED封止材に有用な硬化性組成物に関する。さらに、かかる硬化性組成物を用いた硬化物、LED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)に関する。
従来、光学素子用封止材としては、密着性、機械的強度などに優れており、例えば電気・電子部品の絶縁材料などの種々の分野で使用されているエポキシ化合物と硬化剤とを含有してなる組成物からなるものが用いられている。
このようなエポキシ系光学素子用封止材は、半導体の保護および集光の観点から必要とされる高い透明性および密着性を有するものであることから、LED素子におけるLEDチップを封止するための封止材としても広く用いられている(特許文献1)。
近年、LED素子の分野においては、波長460nm付近に主発光を有する高輝度の青色LED素子の開発や、紫外線領域(例えば、波長350〜400nmの領域)に主発光を有するLED素子の開発が進められている。
しかしながら、LED素子において、エポキシ系光学素子用封止材によって封止構造を形成した場合には、高輝度LEDの光や熱に晒される使用環境下において封止材に黄変色が生じ、LED素子自体の放射光度が経時的に小さくなってしまう問題がある。
而して、このような問題を解決するためには、ポリシロキサン系化合物などが提案されている(例えば、特許文献2参照。)が、これらのポリシロキサン系化合物を含有してなる組成物からなる封止材では、密着性、機械強度が不足し、満足なものは得られていない。
特開2003−277473号公報 特開2007−231173号公報
本願発明は、上記課題を解決することを目的としたものであって、密着性、硬度および耐熱・耐光性に優れた硬化性組成物を提供することを目的とする。
かかる状況のもと、発明者らが検討したところ、オキセタニル基を利用することにより、エポキシ基の利点は維持したまま、エポキシ基の欠点を克服できることを見出した。さらに、蛍光体を添加することにより、LED性能だけでなく、耐熱性や耐光性が顕著に向上することを見出し、本発明を完成するに至った。本発明の課題は、具体的には下記<1>の手段により、好ましくは下記<2>〜<10>の手段により達成された。
<1>(a1)不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸無水物の少なくとも1種、ならびに、(a2)オキセタニル基を含む不飽和化合物の少なくとも1種を共重合して得られる共重合体(A)と蛍光体(X)を含む、硬化性組成物。
<2>(a2)オキセタニル基を含む不飽和化合物が一般式(I)または一般式(II)で示される化合物である<1>に記載の硬化性組成物。
Figure 0005670280
(式中、Rは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、R1は水素原子、または、置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基であり、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ、水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、または炭素数1〜6のパーフロロアルキル基であり、nは1〜6の整数である。)
<3>(X)蛍光体が、青色に発光する蛍光体、緑色に発光する蛍光体、黄色に発光する蛍光体、赤色に発光する蛍光体の少なくともいずれか1以上の蛍光体である、<1>または<2>に記載の硬化性組成物。
<4>(a2)オキセタニル基を含む不飽和化合物が一般式(I)で示される化合物である、<2>または<3>に記載の硬化性組成物。
<5>一般式(I)または(II)において、Rは水素原子またはメチル基であり、R1は水素原子、メチル基、またはエチル基であり、R2、R3、R4およびR5は、水素原子である、<2>〜<4>のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
<6>さらに、微粒子を含む、<1>〜<5>のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
<7>LED封止材形成用である、<1>〜<6>のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
<8><1>〜<7>のいずれか1項に記載の硬化性組成物を硬化させた硬化物。
<9><8>に記載の硬化物を含むLED素子。
<10><1>〜<7>のいずれか1項に記載の硬化性組成物を加熱して硬化させることを含む、LED素子の製造方法。
本発明により、密着性、硬度、耐熱性、耐光性に優れた硬化性組成物を提供可能となった。そのため、LED封止材として優れた材料を提供可能になった。
図1は、LEDの構造の一例の概略図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
硬化性組成物
本発明の硬化性組成物は、(a1)不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸無水物の少なくとも1種、ならびに、(a2)オキセタニル基を含む不飽和化合物の少なくとも1種を共重合して得られる共重合体(A)と蛍光体(X)を含む徴とする。このような組成物を採用することにより、密着性、硬度および耐熱・耐光性に優れた硬化性組成物であって、LED用途に好ましく用いることができる。
(A)共重合体
(A)共重合体は、(a1)不飽和カルボン酸および/または不飽和カルボン酸無水物、ならびに、(a2)オキセタニル基を含む不飽和化合物を共重合して得られるものであり、付加重合型の樹脂であることが好ましく、(メタ)アクリル酸および/またはそのエステルに由来する構成単位を含む重合体であることがより好ましい。「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸、および/または、メタクリル酸」と同義である。なお、(A)共重合体は、(メタ)アクリル酸および/またはそのエステルに由来する構成単位以外の構成単位、例えば、スチレンやビニル化合物に由来する構成単位等を有していてもよい。
(A)共重合体は、(メタ)アクリル酸および/またはそのエステルに由来する構成単位を、全構成単位に対し、50モル%以上含有することが好ましい。
また、(A)共重合体が含有する構成単位を導入する方法は、重合法でもよく、高分子反応法でもよく、これらの2方法を併用してもよい。
化合物(a1)
化合物(a1)としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸類;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸などのジカルボン酸類;およびこれらのジカルボン酸の無水物;こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイルオキシエチル〕等の2価以上の多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイルオキシアルキル〕エステル類;ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等の両末端にカルボキシル基と水酸基とを有するポリマーのモノ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。これらのうち、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸などが共重合反応性、アルカリ水溶液に対する溶解性および入手が容易である点から好ましく用いられる。これらは、単独であるいは組み合わせて用いられる。
化合物(a1)から誘導される構成単位としては、下記構成単位が好ましい。
Figure 0005670280
(上記式中、Rは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、Aは単結合または2価の連結基であり、Bは水素原子またはメチル基である。)
Rは水素原子またはメチル基が好ましく、Aは単結合、アルキレン基、またはアリーレン基が好ましく、単結合またはフェニレン基がより好ましく、Bは水素原子が好ましい。
本発明で用いられる共重合体(A)は、化合物(a1)から誘導される構成単位を、好ましくは5〜50重量%、特に好ましくは20〜40重量%含有している。また、モル比の場合、化合物(a1)から誘導される構成単位の割合が、5〜50モル%であることがより好ましく、10〜40モル%であることがさらに好ましい。
化合物(a2)
化合物(a2)はオキセタニル基を含むエチレン性不飽和化合物であれば特に限定されない。共重合体合成の観点から、オキセタニル基を含有する(メタ)アクリレート化合物であることが好ましい。
化合物(a2)は、さらには、一般式(I)または一般式(II)で示される化合物であることが好ましく、一般式(I)で示されることがより好ましい。
Figure 0005670280
(式中、Rは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、R1は水素原子、または、置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基であり、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ、水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、または炭素数1〜6のパーフロロアルキル基であり、nは1〜6の整数である。)
上記式において、Rは水素原子またはメチル基が好ましい。
1は水素原子、メチル基またはエチル基が好ましい。R2、R3、R4およびR5は、水素原子が好ましい。
nは1〜4の整数であることが好ましく、1または2であることがより好ましい。
一般式(I)で示される化合物(a2)としては、例えば3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−メチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−トリフロロメチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−ペンタフロロエチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2,2−ジフロロオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2,2,4−トリフロロオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2,2,4,4−テトラフロロオキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−3−エチルオキセタン、2−エチル−3−(メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−2−トリフロロメチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−2−ペンタフロロエチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−2−フェニルオキセタン、2,2−ジフロロ−3−(メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−2,2,4−トリフロロオキセタン、3−(メタクリロイルオキシエチル)−2,2,4,4−テトラフロロオキセタン等のメタクリル酸エステル類;
3−(アクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−メチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−トリフロロメチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−ペンタフロロエチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2,2−ジフロロオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2,2,4−トリフロロオキセタン、3−(アクリロイルオキシメチル)−2,2,4,4−テトラフロロオキセタン、3−(アクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(アクリロイルオキシエチル)−3−エチルオキセタン、2−エチル−3−(アクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(アクリロイルオキシエチル)−2−トリフロロメチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシエチル)−2−ペンタフロロエチルオキセタン、3−(アクリロイルオキシエチル)−2−フェニルオキセタン、2,2−ジフロロ−3−(アクリロイルオキシエチル)オキセタン、3−(アクリロイルオキシエチル)−2,2,4−トリフロロオキセタン、3−(アクリロイルオキシエチル)−2,2,4,4−テトラフロロオキセタン等のアクリル酸エステル類が挙げられる。
一般式(II)で示される化合物(a2)としては、例えば2−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、2−メチル−2−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−メチル−2−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、4−メチル−2−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、2−(メタクリロイルオキシメチル)−2−トリフロロメチルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシメチル)−3−トリフロロメチルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシメチル)−4−トリフロロメチルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシメチル)−2−ペンタフロロエチルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシメチル)−3−ペンタフロロエチルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシメチル)−4−ペンタフロロエチルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシメチル)−3−フェニルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシメチル)−4−フェニルオキセタン、2,3−ジフロロ−2−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、2,4−ジフロロ−2−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、3,3−ジフロロ−2−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、3,4−ジフロロ−2−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、4,4−ジフロロ−2−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、2−(メタクリロイルオキシメチル)−3,3,4−トリフロロオキセタン、2−(メタクリロイルオキシメチル)−3,4,4−トリフロロオキセタン、2−(メタクリロイルオキシメチル)−3,3,4,4−テトラフロロオキセタン、
2−(メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、2−(2−(2−メチルオキセタニル))エチルメタクリレート、2−(2−(3−メチルオキセタニル))エチルメタクリレート、2−(メタクリロイルオキシエチル)−2−メチルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシエチル)−4−メチルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシエチル)−2−トリフロロメチルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシエチル)−3−トリフロロメチルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシエチル)−4−トリフロロメチルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシエチル)−2−ペンタフロロエチルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシエチル)−3−ペンタフロロエチルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシエチル)−4−ペンタフロロエチルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシエチル)−2−フェニルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシエチル)−3−フェニルオキセタン、2−(メタクリロイルオキシエチル)−4−フェニルオキセタン、2,3−ジフロロ−2−(メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、2,4−ジフロロ−2−(メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、3,3−ジフロロ−2−(メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、3,4−ジフロロ−2−(メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、4,4−ジフロロ−2−(メタクリロイルオキシエチル)オキセタン、2−(メタクリロイルオキシエチル)−3,3,4−トリフロロオキセタン、2−(メタクリロイルオキシエチル)−3,4,4−トリフロロオキセタン、2−(メタクリロイルオキシエチル)−3,3,4,4−テトラフロロオキセタン等のメタクリル酸エステル類;
2−(アクリロイルオキシメチル)オキセタン、2−メチル−2−(アクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−メチル−2−(アクリロイルオキシメチル)オキセタン、4−メチル−2−(アクリロイルオキシメチル)オキセタン、2−(アクリロイルオキシメチル)−2−トリフロロメチルオキセタン、2−(アクリロイルオキシメチル)−3−トリフロロメチルオキセタン、2−(アクリロイルオキシメチル)−4−トリフロロメチルオキセタン、2−(アクリロイルオキシメチル)−2−ペンタフロロエチルオキセタン、2−(アクリロイルオキシメチル)−3−ペンタフロロエチルオキセタン、2−(アクリロイルオキシメチル)−4−ペンタフロロエチルオキセタン、2−(アクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン、2−(アクリロイルオキシメチル)−3−フェニルオキセタン、2−(アクリロイルオキシメチル)−4−フェニルオキセタン、2,3−ジフロロ−2−(アクリロイルオキシメチル)オキセタン、2,4−ジフロロ−2−(アクリロイルオキシメチル)オキセタン、3,3−ジフロロ−2−(アクリロイルオキシメチル)オキセタン、3,4−ジフロロ−2−(アクリロイルオキシメチル)オキセタン、4,4−ジフロロ−2−(アクリロイルオキシメチル)オキセタン、2−(アクリロイルオキシメチル)−3,3,4−トリフロロオキセタン、2−(アクリロイルオキシメチル)−3,4,4−トリフロロオキセタン、2−(アクリロイルオキシメチル)−3,3,4,4−テトラフロロオキセタン、
2−(アクリロイルオキシエチル)オキセタン、2−(2−(2−メチルオキセタニル))エチルメタクリレート、2−(2−(3−メチルオキセタニル))エチルメタクリレート、2−(アクリロイルオキシエチル)−2−メチルオキセタン、2−(アクリロイルオキシエチル)−4−メチルオキセタン、2−(アクリロイルオキシエチル)−2−トリフロロメチルオキセタン、2−(アクリロイルオキシエチル)−3−トリフロロメチルオキセタン、2−(アクリロイルオキシエチル)−4−トリフロロメチルオキセタン、2−(アクリロイルオキシエチル)−2−ペンタフロロエチルオキセタン、2−(アクリロイルオキシエチル)−3−ペンタフロロエチルオキセタン、2−(アクリロイルオキシエチル)−4−ペンタフロロエチルオキセタン、2−(アクリロイルオキシエチル)−2−フェニルオキセタン、2−(アクリロイルオキシエチル)−3−フェニルオキセタン、2−(アクリロイルオキシエチル)−4−フェニルオキセタン、2,3−ジフロロ−2−(アクリロイルオキシエチル)オキセタン、2,4−ジフロロ−2−(アクリロイルオキシエチル)オキセタン、3,3−ジフロロ−2−(アクリロイルオキシエチル)オキセタン、3,4−ジフロロ−2−(アクリロイルオキシエチル)オキセタン、4,4−ジフロロ−2−(アクリロイルオキシエチル)オキセタン、2−(アクリロイルオキシエチル)−3,3,4−トリフロロオキセタン、2−(アクリロイルオキシエチル)−3,4,4−トリフロロオキセタン、2−(アクリロイルオキシエチル)−3,3,4,4−テトラフロロオキセタン等のアクリル酸エステル類が挙げられる。
中でも、3−エチル−3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレートが好ましい。
化合物(a2)から誘導される構成単位としては、下記構成単位の少なくとも一方が好ましい。
Figure 0005670280
Figure 0005670280
(式中、Rは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、R1は水素原子、または、置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基であり、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ、水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、または炭素数1〜6のパーフロロアルキル基であり、nは1〜6の整数である。)
上記式において、Rは水素原子またはメチル基が好ましい。
1は水素原子、メチル基またはエチル基が好ましい。R2、R3、R4およびR5は、水素原子が好ましい。
nは1〜4の整数であることが好ましく、1または2であることがより好ましい。
本発明で用いられる共重合体(A)は、化合物(a2)から誘導される構成単位を、好ましくは5〜60重量%、特に好ましくは20〜50重量%含有している。また、モル比の場合、化合物(a1)から誘導される構成単位の割合が、5〜50モル%であることがより好ましく、20〜50モル%であることがさらに好ましい。
共重合体(A)は、上記(a1)および(a2)に加えて、他のオレフィン系不飽和化合物(a3)を含んでいてもよく、かかる化合物(a3)を有することが好ましい。
本発明で用いる共重合体(A)は、化合物(a3)から誘導される構成単位を、好ましくは0〜80重量%、特に好ましくは20〜70重量%含有していることが好ましい。また、モル比の場合、化合物(a3)から誘導される構成単位の割合が、0〜50モル%であることがより好ましく、10〜30モル%であることがさらに好ましい。
化合物(a3)としては、化合物(a1)および化合物(a2)以外のオレフィン系不飽和化合物で、化合物(a1)および化合物(a2)と共重合体を形成できるものであれば特に制限は無い。また、保存安定性の観点からエポキシ基を含まないことが好ましい。
以下、化合物(a3)の具体例を説明する。
本発明で用いる共重合体(A)は、密着性向上の観点からは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシ基含有(メタ)アクリレート、および、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキサイドを含有する(メタ)アクリレート由来の繰り返し単位を含むことが好ましい。
本発明で用いる共重合体(A)は、屈折率を高くする観点からは芳香環含有不飽和化合物由来の繰り返し単位を含むことが好ましい。中でも下記が好ましい。
Figure 0005670280
(式中、R3は水素原子又はメチル基を表す。)
前記式(a3)におけるR3は、重合時における各モノマーの重合速度の均一性の観点から、水素原子であることが好ましい。
前記式(a3)で表される構成単位を形成するモノマーとしては、下記式(a3’)で表される化合物が好ましく例示できる。
Figure 0005670280
式(a3’)におけるR3は、前記式(a3)におけるR3と同義であり、好ましい態様も同様である。
式(a3)で表される構成単位は、前記式(a3’)で表される化合物を重合して形成することが好ましい。前記式(a3’)で表される化合物を重合して形成した場合、成分Aにおいて式(a3)で表される構成単位は、式(a3)で表されるモノマー単位でもある。
本発明の共重合体(A)は、屈折率を低くする観点からは縮合環残基及び/又は橋かけ環残基を有する不飽和化合物由来の繰り返し単位を含むことが好ましい。中でも下記が好ましい。
Figure 0005670280
(式中、R4は水素原子又はメチル基を表し、R5は縮合環残基及び/又は橋かけ環残基を表し、Lは単結合、アルキレン基又はアルキレンオキシ基を表す。)
前記式(a4)におけるR4は、重合時における各モノマーの重合速度の均一性の観点から、メチル基が好ましい。
前記式(a4)におけるR5は、炭素数5〜18の縮合環残基及び/又は橋かけ環残基であることが好ましく、炭素数5〜12の縮合環残基及び/又は橋かけ環残基であることがより好ましく、ジシクロペンタジエニル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル基又はイソボロニル基等であることが更に好ましく、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル基又はイソボロニル基であることが特に好ましい。
前記式(a4)におけるLは、単結合、炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数2〜6のアルキレンオキシ基であることが好ましく、単結合、炭素数1〜6のアルキレン基、エチレンオキシ基又はプロピレンオキシ基であることがより好ましく、単結合、メチレン基又はエチレンオキシ基であることが更に好ましい。
前記式(a4)で表される構成単位は、下記式(a4−2)で表される構成単位であることがより好ましい。
Figure 0005670280
(式中、R4は水素原子又はメチル基を表し、Xは単結合、炭素数1〜4のアルキレン基、又は、炭素数2〜4のアルキレンオキシ基を表し、Aは飽和の炭素5員環又は不飽和二重結合を1つ有する炭素5員環を表す。)
前記式(a4−2)におけるXは、単結合、メチレン基、プロピレンオキシ基又はエチレンオキシ基であることが好ましく、単結合、メチレン基又はエチレンオキシ基であることがより好ましい。
前記式(a4−2)におけるR4は、前記式(a4)におけるR4と同義であり、好ましい態様も同様である。
本発明において好ましい式(a4)で表される構成単位(i)〜(iv)を以下に例示する。
Figure 0005670280
(式中、R4は水素原子又はメチル基を表す。)
これらの中でも、式(i)〜式(iv)で表される構成単位であることがより好ましく、式(i)又は式(iii)で表される構成単位であることが特に好ましい。
前記構成単位(a4)を形成するモノマーとしては、脂環構造を有する(メタ)アクリレート化合物が好ましく例示でき、下記式(a4’)で表される化合物がより好ましく例示できる。
Figure 0005670280
式(a4’)におけるR4、R5及びLは、前記式(a4)におけるR4、R5及びLとそれぞれ同義であり、好ましい態様も同様である。
式(a4’)で表される化合物の具体例としては、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルオキシエチル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。 中でも、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレートが最も好ましい。
本発明で用いる共重合体(A)は、透明性の観点から、カルボン酸アルキルエステル残基を有する構成単位(a5−1)を有することが好ましい。
カルボン酸アルキルエステル残基を有する構成単位(a5−1)としては、下記式(a5−1)で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 0005670280
(式中、R6は水素原子又はメチル基を表し、R7は炭素数1〜12のアルキル基を表す。)
前記式(a5−1)におけるR6は、重合時における各モノマーの重合速度の均一性の観点から、メチル基が好ましい。
前記式(a5−1)におけるR7は、炭素数1〜8のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることが特に好ましい。また、前記R7におけるアルキル基は、直鎖であっても、分岐を有していてもよい。
前記カルボン酸アルキルエステル残基を有する構成単位(a5−1)を形成するモノマーとしては、アルキル(メタ)アクリレート化合物が好ましく例示でき、下記式(a5’−1)で表される化合物がより好ましく例示できる。
Figure 0005670280
式(a5’−1)におけるR6及びR7は、前記式(a5−1)におけるR6及びR7とそれぞれ同義であり、好ましい態様も同様である。
本発明で用いる共重合体(A)は、熱硬化性の観点から、マレイミド残基を有する構成単位(a5−2)を有することが好ましい。
マレイミド残基を有する構成単位(a5−2)としては、下記式(a5−2)で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 0005670280
(式中、R8は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は下記式(S)で表される基を表す。)
Figure 0005670280
(式中、xは2〜10の整数を表し、波線部分は式(a5−2)における窒素原子との結合位置を表す。)
前記式(a5−2)におけるR8は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基又は前記式(S)で表される基であることが好ましく、ベンジル基、シクロヘキシル基、フェニル基又は前記式(S)で表される基であることがより好ましい。
前記式(S)におけるxは、2〜8であることが好ましく、2〜7であることがより好ましい。
前記マレイミド残基を有する構成単位(a5−2)を形成するモノマーとしては、下記式(a5’−2)で表される化合物が好ましく例示できる。
Figure 0005670280
式(a5’−2)におけるR8は、前記式(a5−2)におけるR8と同義であり、好ましい態様も同様である。
式(a5’−2)で表される化合物の具体例としては、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミド、ベンジルマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチレート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドカプロエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオネート、N−(9−アクリジニル)マレイミド等が挙げられる。中でも、N−シクロヘキシルマレイミドやN−フェニルマレイミドが特に好ましい。
本発明で用いる共重合体(A)は、密着性の観点から、ヒドロキシ基を有する構成単位(a5−3)を有することが好ましい。
ヒドロキシ基を有する構成単位(a5−3)としては、下記式(a5−3)で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 0005670280
(式中、R9は水素原子又はメチル基を表し、yは2〜11の整数を表す。)
前記式(a5−3)におけるR9は、重合時における各モノマーの重合速度の均一性の観点から、メチル基が好ましい。
前記式(a5−3)におけるyは、2〜8の整数であることが好ましく、2〜4の整数であることがより好ましく、2であることが特に好ましい。
前記ヒドロキシ基を有する構成単位(a5−3)を形成するモノマーとしては、下記式(a5’−3)で表される化合物がより好ましく例示できる。
Figure 0005670280
式(a5’−3)におけるR9及びyは、前記式(a5−3)におけるR9及びyとそれぞれ同義であり、好ましい態様も同様である。
本発明で用いる共重合体(A)は、密着性の観点から、ポリエーテル構造を有する構成単位(a5−4)を有することが好ましい。
ポリエーテル構造を有する構成単位(a5−4)としては、下記式(a5−4−1)又は式(a5−4−2)で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 0005670280
(式中、R10は水素原子又はメチル基を表し、R11は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基又はフェニル基を表し、Xは単結合又は二価の連結基を表し、m及びnはそれぞれ独立に、0〜50の整数を表す。ただし、mとnとが共に0となることはない。)
前記式(a5−4−1)及び前記式(a5−4−2)おけるR10は、重合時における各モノマーの重合速度の均一性の観点から、メチル基が好ましい。
前記式(a5−4−1)及び前記式(a5−4−2)おけるR11は、炭素数1〜8のアルキル基又はフェニル基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましく、メチル基であることが更に好ましい。また、前記R11におけるアルキル基は、直鎖であっても、分岐を有していてもよい。
前記式(a5−4−1)及び前記式(a5−4−2)おけるXは、単結合又は炭素数1〜50の二価の連結基であることが好ましく、単結合又は炭素数1〜20のアルキレン基であることがより好ましく、単結合であることが更に好ましい。
前記式(a5−4−1)及び前記式(a5−4−2)おけるm及びnはそれぞれ独立に、0〜40の整数であることが好ましく、0〜20の整数であることがより好ましい。
また、前記式(a5−4−1)及び前記式(a5−4−2)おける−C36O−は、−CH(CH3)CH2O−又は−CH2CH(CH3)O−であることが好ましい。
前記ポリエーテル構造を有する構成単位(a5−4)を形成するモノマーとしては、下記式(a5’−4−1)又は式(a5’−4−2)で表される化合物がより好ましく例示できる。
Figure 0005670280
式(a5’−4−1)及び式(a5’−4−2)におけるR10、R11、X、m及びnは、前記式(a5−4−1)及び式(a5−4−2)におけるR10、R11、X、m及びnとそれぞれ同義であり、好ましい態様も同様である。
本発明ではさらに、密着性を向上させる観点から、(テトラヒドロ)フラニル基または(テトラヒドロ)ピラニル基を有する構造単位を有することが好ましい。
具体的には、以下の化合物由来の構造単位が好ましい。
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−メタクリロイルオキシ−プロピオン酸テトラヒドロフルフリルエステル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフラン−3−イルエステルなど;
(テトラヒドロピラン−2−イル)メチルメタクリレート、2,6−ジメチル−8−(テトラヒドロピラン−2−イルオキシ)−オクト−1−エン−3−オン、2−メタクリル酸テトラヒドロピラン−2−イルエステル、1−(テトラヒドロピラン−2−オキシ)−ブチル−3−エン−2−オンなど;
これら(a3)は、単独であるいは組み合わせて用いられる。
重合開始剤
共重合体(A)の製造に用いられる重合開始剤としては、一般的にラジカル重合開始剤として知られているものが使用でき、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ化合物;ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシピバレート、1,1’−ビス−(tert−ブチルペルオキシ)シクロヘキサンなどの有機過酸化物類;および過酸化水素が挙げられる。
本発明で用いられる共重合体(A)は、ポリスチレン換算重量平均分子量(以下、「Mw」という)が、好ましくは、2×103〜5×105であり、より好ましくは5×103〜1×105であり、さらに好ましくは、5×103〜3×104である。
本発明の硬化性組成物中の共重合体(A)の含有量は、硬化性組成物の全固形分に対して、20〜99重量%であることが好ましく、40〜97重量%であることがより好ましく、60〜96重量%であることがさらに好ましい。
なお、本発明の硬化性組成物中では、本発明の効果を妨げない範囲で共重合体(A)以外の樹脂を併用してもよい。ただし、共重合体(A)以外の樹脂の含有量は、共重合体(A)の含有量より少ない方が好ましい。
(X)蛍光体
本発明の硬化性組成物は、蛍光体を含む。これにより、発光素子から放出される光を吸収し、波長変換を行い、発光素子の色調と異なる色調を有するLEDを提供することができる。さらに本発明では、蛍光体を添加することにより、耐熱・耐光性も向上させることが可能になる。
LEDに使用される蛍光体は、主に、青色に発光する蛍光体、緑色に発光する蛍光体、黄色に発光する蛍光体、赤色に発光する蛍光体、白色に発光する蛍光体の少なくともいずれか1以上の蛍光体を使用することができる。これらの蛍光体は、本発明の硬化性組成物中に投入し、ほぼ均一になるまで混合する。この混合物を、発光素子の周辺部に載置する。この蛍光体は、発光素子から放出される光を吸収し、波長変換を行い、発光素子の光と異なる波長の光を放出する。これにより、発光素子から放出される光の一部と、蛍光体から放出される光の一部と、が混合して、白色を含む多色系のLEDを作製することができる。
上述のような青色に発光する蛍光体、緑色に発光する蛍光体、黄色に発光する蛍光体、赤色に発光する蛍光体には、種々の蛍光体があり、特に限定されない。緑色に発光する蛍光体として、例えば、SrAl24:Eu、Y2SiO5:Ce,Tb、MgAl1119:Ce,Tb、Sr7Al 1225:Eu、(Mg、Ca、Sr、Baのうち少なくとも1以上)Ga24:Euなどがある。
青色に発光する蛍光体として、例えば、Sr5(PO43Cl:Eu、(SrCaBa)5(PO 4)3Cl:Eu、(BaCa)5(PO43Cl:Eu、(Mg、Ca、Sr、Baのうち少なくとも1以上)259Cl:Eu,Mn、(Mg、Ca、Sr、Baのうち少なくとも1以上)(PO46Cl2:Eu,Mnなどがある。
緑色から黄色に発光する蛍光体として、少なくともセリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム酸化物蛍光体、少なくともセリウムで賦括されたイットリウム・ガドリニウム・アルミニウム酸化物蛍光体、少なくともセリウムで賦活されたイットリウム・アルミニウム・ガーネット酸化物蛍光体、および、少なくともセリウムで賦活されたイットリウム・ガリウム・アルミニウム酸化物蛍光体などがある(いわゆるYAG系蛍光体)。具体的には、Ln3512:R(Lnは、Y、Gd、Laから選ばれる少なくとも1以上である。Mは、Al、Caの少なくともいずれか一方を含む。Rは、ランタノイド系である。)、(Y1−xGax 3(Al1−yGay 5O 12:R(Rは、Ce、Tb、Pr、Sm、Eu、Dy、Hoから選ばれる少なくとも1以上である。0<R<0.5である。)を使用することができる。
赤色に発光する蛍光体として、例えば、Y22S:Eu、La22S:Eu、Y23:Eu、Gd22S:Euなどがある。
但し、緑色、青色、黄色、赤色等に発光する蛍光体は、上記の蛍光体に限定されず、種々の蛍光体を使用することができる。
この他に、蛍光体としては、例えば、II族−VI族化合物半導体のナノ結晶、III族−V族化合物半導体のナノ結晶等が挙げられる。これらのナノ結晶の形態は特に限定されず、例えば、InPナノ結晶のコア部分に、ZnS/ZnO等からなるシェル部分が被覆されたコア・シェル(core−shell)構造を有する結晶、またはコア・シェルの境が明確でなくグラジエント(gradient)に組成が変化する構造を有する結晶、あるいは同一の結晶内に2種以上の化合物結晶が部分的に分けられて存在する混合結晶;2種以上のナノ結晶化合物の合金等が挙げられる。
化合物半導体の具体例としては、二元系では、II族−VI族化合物半導体として、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、HgS、HgSe、HgTe等が挙げられる。III族−V族化合物半導体としては、GaN、GaP、GaAs、AlN、AlP、AlAs、InN、InP、InAs等が挙げられる。
また、三元系や四元系では、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HgZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTe、HgZnSTe、GaNP、GaNAs、GaPAs、AlNP、AlNAs、AlPAs、InNP、InNAs、InPAs、GaAlNP、GaAlNAs、GaAlPAs、GaInNP、GaInNAs、GaInPAs、InAlNP、InAlNAs、InAlPAs等が挙げられる。
上記のような無機蛍光体のほかに、有機蛍光体も好適に用いることができる。
例えば、ペリレン化合物、クマリン化合物及びナフタルイミド化合物、ピロール化合物、チオフェン化合物、ポルフィリン化合物などが挙げられる。
本発明の硬化性組成物における蛍光体の含有量は、溶剤を除く全成分の、0.05〜60重量%が好ましく、1.0〜40重量%がより好ましい。
(D)溶剤
本発明の硬化性組成物は、(D)溶剤を含有することができる。溶剤を加えることにより粘度の調整ができる。
本発明の硬化性組成物に使用される(D)溶剤としては、公知の溶剤を用いることができ、クロロホルム類、テトラヒドロフラン類、オキソラン類、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エステル類、ケトン類、アミド類、ラクトン類等が例示できる。これらの溶剤の具体例としては、特開2009−098616号公報の段落0062を参照できる。本発明に用いることができる溶剤は、1種単独、または、2種以上を併用してもよく、2種を併用するもできる。
溶剤は、硬化性組成物の0〜95質量%の範囲で含まれることが好ましく、50〜90質量%の範囲で含まれることがより好ましい。
(E)架橋剤
本発明の硬化性組成物には、必要に応じ、(E)架橋剤を添加する。架橋剤としては、分子内に2個以上のエポキシ基またはオキセタニル基を有する化合物、アルコキシメチル基含有架橋剤、少なくとも1個のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物が挙げられる。架橋剤を添加することにより、硬化膜をより強固な膜とすることができる。
分子内に2個以上のエポキシ基を有する化合物の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等が挙げられる。具体例としては、特開2009−258723号公報の段落0042に記載の化合物の他、JER−157S65(多官能ノボラック型エポキシ樹脂)が挙げられる。中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂が好ましく、フェノールノボラック型エポキシ樹脂がより好ましい。
分子内に2個以上のオキセタニル基を有する化合物の具体例としては、アロンオキセタンOXT−121、OXT−221、OX−SQ、PNOX(以上、東亞合成(株)製)が挙げられる。また、オキセタニル基を含む化合物は、単独でまたはエポキシ基を含む化合物と混合して使用することができる。
アルコキシメチル基含有架橋剤としては、アルコキシメチル化メラミン、アルコキシメチル化ベンゾグアナミン、アルコキシメチル化グリコールウリルおよびアルコキシメチル化尿素等が好ましい。これらは、それぞれメチロール化メラミン、メチロール化ベンゾグアナミン、メチロール化グリコールウリル、または、メチロール化尿素のメチロール基をアルコキシメチル基に変換することにより得られる。このアルコキシメチル基の種類については特に限定されるものではなく、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基等を挙げることができるが、アウトガスの発生量の観点から、特にメトキシメチル基が好ましい。
少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する化合物としては、単官能(メタ)アクリレート、2官能(メタ)アクリレート、3官能以上の(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート化合物を好適に用いることができる。単官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレートなどが挙げられる。2官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、エチレングリコール(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレート、ビスフェノキシエタノールフルオレンジアクリレートなどが挙げられる。3官能以上の(メタ)アクリレートとしては、例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリ((メタ)アクリロイロキシエチル)フォスフェート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
少なくとも1個のエチレン性不飽和結合を有する化合物を加える場合には、熱ラジカル発生剤を添加することが好ましい。
優れた硬化膜の耐熱性、耐溶剤性および硬度が得られるという観点から、(E)の添加量は、共重合体(A)100重量部に対して、0〜50重量部が好ましく、3〜30重量部がより好ましく、5〜20重量部がさらに好ましい。
(F)密着改良剤
本発明の硬化性組成物は、(F)密着改良剤を含有してもよい。密着改良剤は、基材となる無機物、例えば、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン等のシリコン化合物、金、銅、アルミニウム等の金属と硬化膜との密着性を向上させる化合物である。具体的には、シランカップリング剤、チオール系化合物等が挙げられる。密着改良剤としてのシランカップリング剤は、界面の改質を目的とするものであり、特に限定することなく、公知のものを使用することができる。
シランカップリング剤としては、特開2009−98616号公報の段落0048に記載のシランカップリング剤が好ましく、中でもγ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランやγ−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシランがより好ましく、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランがさらに好ましく、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが特に好ましい。これらは1種単独または2種以上を併用できる。
本発明の硬化性組成物における密着改良剤の含有量は、共重合体(A)100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、0.5〜10重量部がより好ましく、0.5〜3重量部がさらに好ましい。
(H)界面活性剤
本発明の硬化性組成物は、(H)界面活性剤を含有してもよい。
界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、または、両性のいずれでも使用することができるが、好ましい界面活性剤はノニオン系界面活性剤である。具体的には、特開2009−098616号公報の段落0058に記載のノニオン系界面活性剤が挙げられ、中でもフッ素系界面活性剤が好ましい。これら界面活性剤は、1種単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
本発明の硬化性組成物における界面活性剤の含有量は、硬化性組成物に対して、0.001〜 5.0重量%が好ましく、0.005〜2.0重量%がより好ましい。
(P)微粒子
本発明の硬化性組成物は、微粒子を含むことが好ましい。微粒子を含むことにより、本発明の硬化性組成物の硬化後の硬度が向上する傾向にある。微粒子は、無機酸化物粒子が好ましい。無機酸化物粒子を含むことで封止材の屈折率をLEDチップに近づけることができる。その結果、LEDチップと封止材との界面での反射が減り、光取り出し効率を高めることができる。
無機酸化物微粒子としては、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Sc、Y、La、Ce、Gd、Tb、Dy、Yb、Lu、Ti、Zr、Hf、Nb、Mo、W、Zn、B、Al、Si、Ge、Sn、Pb、Bi、Te等の原子を含む酸化物微粒子が好ましく、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、インジウム/スズ酸化物、アンチモン/スズ酸化物がより好ましく、酸化チタンが特に好ましい。酸化チタンとしては、特に屈折率の高いルチル型が好ましい。これら無機微粒子は、分散安定性付与のために表面を有機材料で処理することもできる。
分散液の調整方法としては、公知の方法を採用できる。
本発明の硬化性組成物における無機酸化物微粒子の含有量は、共重合体(A)100重量部に対して、0〜50重量部が好ましく、5〜30重量部がより好ましい。
(酸化防止剤)
本発明の硬化性組成物には、酸化防止剤を配合して、加熱時の酸化劣化を防止し、着色の少ない硬化物とすることができる。 酸化防止剤としては、フェノール系、硫黄系、リン系酸化防止剤を使用することができる。
本発明の硬化性組成物における酸化防止剤の含有量は、共重合体(A)100重量部に対して、0〜10重量部が好ましく、0.5〜5重量部がより好ましい。
(酸発生剤)
本発明の硬化性組成物には、熱又は放射線により酸を発生する酸発生剤を配合することができる。酸発生剤を配合することにより、組成物の効果を促進してより強固な封止材とすることができる。 酸発生剤の例として、トリアジン類、スルホニウム塩やヨードニウム塩、第四級アンモニウム塩類、ジアゾメタン化合物、イミドスルホネート化合物、及び、オキシムスルホネート化合物などを挙げることができる。
本発明の硬化性組成物における酸発生剤の含有量は、共重合体(A)100重量部に対して、 0〜10重量部が好ましく、0.1〜3重量部がより好ましい。
(その他の成分)
本発明の硬化性組成物には、必要に応じて、可塑剤、熱ラジカル発生剤、酸増殖剤等のその他の成分を添加することができる。これらの成分については、例えば特開2009−098616号公報、特開2009−244801号公報に記載のもの、その他公知のものを用いることができる。また、“高分子添加剤の新展開((株)日刊工業新聞社)”に記載の各種紫外線吸収剤や、金属不活性化剤等を本発明の硬化性組成物に添加してもよい。
(硬化性組成物の調製方法)
共重合体(A)および、蛍光体(X)の必須成分に加え、必要に応じて任意成分を所定の割合でかつ任意の方法で混合し、撹拌混合して硬化性組成物を調製することができる。
LED素子
以下に本発明の硬化性組成物を用いたLED素子の一例について説明する。本発明ではこれらの構成に限定されるものではないことは、言うまでもない。
図1に示すように、発光装置1は、導電性の第1リードフレーム11と、導電性の第2リードフレーム12と、第1リードフレーム11に搭載されるLED素子13と、LED素子13と各リードフレーム11,12をそれぞれ電気的に接続するワイヤ14と、を備え、第1リードフレーム11及び第2リードフレーム12に電圧が印加されるとLED素子13が発光する。また、発光装置1は、各リードフレーム11,12の先端部分に形成され外面にてLED素子13から発せられる光の光学制御を行うモールド部材15を備えている。
第1リードフレーム11は、所定方向(図1中上下方向)へ延びる延在部11aと、延在部11aの先端に形成されLED素子13が実装されるカップ部11bと、を有している。素子実装部としてのカップ部11bは凹状に形成され、平坦に形成された底部11cと、底部11cを包囲する反射壁部11dとを有している。反射壁部11dは、底部11cから上方へ向かって拡大するよう形成されている。反射壁部11dの内側には、LED素子13を封止する封止材16が充填されている。この封止材として、本発明の硬化性組成物が好ましく用いられる。
第2リードフレーム12は、所定方向(図1中上下方向)へ延びる延在部12aを有している。延在部12aの先端にワイヤ14が接続される。各リードフレーム11,12は、例えば、銅、銅亜鉛合金、鉄、ニッケル合金等により構成される。また、ワイヤ14は、例えば金から構成される。
図1におけるLED素子13は、フェイスアップ型であり、ダイボンドペーストにより第1リードフレーム11の素子実装部の底部11cに固定される。ダイボンドペーストとしては、例えば、銀をフィラーとしたエポキシ樹脂の銀ペーストが用いられる。そして、ワイヤ14により、LED素子13の一方の電極が第1リードフレーム11と電気的に接続される。
本実施形態においては、LED素子13は、GaN系半導体からなり青色光を発する。ここで、封止材16は、本発明の硬化性組成物を硬化して得られるものであり、LED素子13から発せられた光により励起されると波長変換光を発する蛍光体17を含有している。これにより、LED素子13から発せられた光は、一部が封止材16内の蛍光体17により黄色に波長変換され、残部が封止材16内を波長変換されることなく透過する。従って、黄色領域にピーク波長を有するスペクトルと、青色領域にピーク波長を有するスペクトルと、を重ね合わせたスペクトルの白色光が外部へ放射される。
この白色光は、透光性樹脂からなるモールド部材15のレンズ部15aにより集光されてから外部へ放出される。ここで、モールド部材15は、各リードフレーム11,12の先端にカップ部11bを包囲するよう形成されている。モールド部材15の透光性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、尿素樹脂、ガラス等が用いられる。
その他、LED素子については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、特開2008−95172号公報等の技術を広く採用できる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。ただし、本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」を意味する。
1.共重合体の合成
<共重合体A−1の合成>
メタクリル酸(34.4部(0.40モル当量))、3−エチル−3−オキセタニルメチルメタクリレート(OXE−30、大阪有機化学)(73.6部(0.40モル当量))、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(13.0部、(0.10モル等量))、スチレン(10.4部、(0.10モル等量))およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)(100部)の混合溶液を窒素気流下、70℃に加熱した。この混合溶液を撹拌しながら、ラジカル重合開始剤V−65(2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、和光純薬工業(株)製、12.4部)およびPGMEA(100.0部)の混合溶液を2.5時間かけて滴下した。滴下が終了してから、70℃で4時間反応させることにより共重合体A1のPGMEA溶液(固形分濃度:40重量%)を得た。得られた共重合体A−1のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)は、8,000であった。
<共重合体A−2〜A−5ならびにA’−1〜A’−3の合成>
モノマー種およびその使用量を表1に示すものに変更した以外は、共重合体A1の合成と同様にして、共重合体A−2〜A−5ならびにA’−1〜A’−3をそれぞれ合成した。ラジカル重合開始剤V−65添加量は表1に記載の分子量となるように調整した。
Figure 0005670280
上記表1において、略語は以下のとおりである。
MAA:メタクリル酸
St−COOH:p−カルボキシスチレン
OXE−30:3−エチル−3−オキセタニルメチルメタクリレート(大阪有機化学製)
OXE−10:3−エチル−3−オキセタニルメチルアクリレート(大阪有機化学製)
2−OXE:2−オキセタニルメチルメタクリレート
Figure 0005670280
GMA:グリシジルメタクリレート
St:スチレン
α−St:α−メチルスチレン
HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリエレート
MMA:メチルメタクリレート
DCPM:ジシクロペンタニルメタクリレート
Ph−MI:フェニルマレイミド
硬化性組成物の調整
PGMEA100部に、下記表2に示す化合物を表2に示す量を混合攪拌し溶解させ、実施例および比較例の硬化性組成物とした。
Figure 0005670280
上記表2において、X蛍光体、E架橋剤、F密着改良剤、H界面活性剤およびP粒子は以下のものを用いた。
X1:酸化イットリウム Y 2O 3(信越化学工業社製 純度99.99%)
X2:酸化テルビウム Tb 4O 7(信越化学工業社製 純度99.99%)
X3: 下記式で示されるペリレン系蛍光物質(有本化学工業(株)製Plast Orange 8160)
Figure 0005670280
Figure 0005670280
E1:ヘキサメトキシメラミン(三井サイテック製、サイメル300)
F1:γ−グリシドキシトリメトキシシラン(信越化学製、KBM−403)
H1:フッ素系界面活性剤(F780F、DIC製)
P1:酸化チタン粒子分散液
酸化チタン粒子分散液を調合し、これをジルコニアビ−ズ(直径0.3mm)150重量部と混合し、ペイントシェ−カ−を用いて9h分散を行った。ジルコニアビ−ズをろ別し、分散液P1を得た。
<酸化チタン分散液の組成>
TTO−51C(石原産業製TiO2微粒子) 18.8部
disperbyk111(ビックケミ−製分散剤) 6.90部
PGMEA 49.3部
比較例5
下記からなる組成物を採用した。
・ポリシロキサン(X−22−164、メタクリル変性シリコーン、信越化学工業社製)100部
・メルカプト基含有有機化合物2:カレンズMT PE1(昭和電工社製) 72部
・ラジカル重合開始剤:t−ブチルパーオキシ−2−エチレンヘキサノネート(パーブチル、日本油脂社製) 1.5部
・蛍光体 X1 7.0部
比較例6
下記からなる組成物を採用した。
・ダイセル化学工業(株)製、セロキサイド2021P、(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート) 75部
・協和発酵ケミカル(株)製、TOE−2000H、(両末端水酸基型ビニルエーテルオリゴマー 25部
・ダイセル・サイテック(株)製、Uvacure1590、(トリアリルスルホニウムヘキサフルオロホスフェイト塩) 3部
・三菱ガス化学(株)製、H−TMAn(シクロヘキサン−1,2,4−トリカルボン酸無水物) 3.75部
・エチレングリコール 10部
・蛍光体 X1 7.0部
<評価>
得られた組成物を以下のように評価した。
基板との密着性の評価
調製した組成物をアルミニウム板(A−1050P)に塗布し、120℃で2分加熱乾燥後、オーブンで、180度で1時間加熱して膜厚10μmの硬化膜を作製した。室温まで冷却後、JISK5400碁盤目テープ法に基づき付着性試験を行った(2mm角の碁盤目を25マス)。
1:剥離面積5%未満
2:剥離面積5%以上20%未満
3:剥離面積20%以上
硬度の評価
密着性試験で得た硬化膜に対して、JIS K5600−5−4に従って鉛筆硬度を測定した。耐傷性の観点から、硬いほうが好ましい。
1:5H以上(硬い)
2:H〜4H
3:F以下(軟らかい)
耐光・耐熱性の評価
基板との密着性の評価で得た硬化膜に対して、スガ試験機M6T型メタリングウェザーメーター(ブラックパネル温度120℃、照射強度:50MJ/m2)を用いて100時間耐熱耐光性試験を行い、試験前後の400nm光線透過率を、分光光度計(U−3300、日立)を用いて測定し、透過率の変化(減少)を調べた。
1:透過率変化3%未満
2:透過率変化3%以上5%未満
3:透過率変化5%以上
LED点灯試験
青色系に発光する発光素子と、該発光素子が配置される底面と側壁とからなる開口部を有するパッケージと、該開口部を封止する封止材とを備えるチップを用いて素子を作成した。この封止材には、各実施例・比較例に記載の方法で作製された組成物を用いた。各組成物を、発光素子を配置するパッケージの開口部内に注入した。この混合物を注入した後、熱風乾燥機中で60℃/6時間、70℃/1時間、80℃/1時間、120℃/1時間、150℃/1時間加熱し硬化させた。これにより発光ダイオードを作製した。
60℃、20mAで100時間点灯させて、変化を目視観察した。その結果を以下のとおり評価した。
1:変化無し
2:僅かに暗くなった。
3:暗くなった
Figure 0005670280
本発明の組成物は、密着性、機械特性(硬度)、耐熱・耐光性に優れ、実技評価も良いことが分かった。また、粒子を添加することで、屈折率の調整ができるのみでなく、硬度も向上することが分かった(実施例9)。
一方、比較例1および比較例から明らかなとおり、エポキシ系の硬化性組成物は耐熱・耐光性が劣ることが分かった。
また、比較例3から蛍光体がないと、全般的に性能が悪くLEDとして好ましくないであることが分かった。
さらに、比較例から、ポリシロキサン系の硬化性組成物は耐熱・耐光性に優れるものの、密着性や機械硬度に劣ることが分かった。このため、実技性能が良くないことも確認された。
1 発光装置
11 第1リードフレーム
12 第2リードフレーム
13 LEDチップ
14 ワイヤ
15 モールド部材
16 封止材
17 蛍光体

Claims (8)

  1. (a1)不飽和カルボン酸および不飽和カルボン酸無水物の少なくとも1種、ならびに、(a2)一般式(I)または一般式(II)で示されるオキセタニル基を含む不飽和化合物の少なくとも1種を共重合して得られる共重合体(A)と蛍光体(X)を含む、LED封止材形成用硬化性組成物。
    Figure 0005670280
    (式中、Rは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基であり、R1は水素原子、または、置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基であり、R2、R3、R4およびR5は、それぞれ、水素原子、置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、または炭素数1〜6のパーフロロアルキル基であり、nは1〜6の整数である。)
  2. (X)蛍光体が、青色に発光する蛍光体、緑色に発光する蛍光体、黄色に発光する蛍光体、赤色に発光する蛍光体の少なくともいずれか1以上の蛍光体である、請求項に記載のLED封止材形成用硬化性組成物。
  3. (a2)オキセタニル基を含む不飽和化合物が一般式(I)で示される化合物である、請求項1または2に記載のLED封止材形成用硬化性組成物。
  4. 一般式(I)または(II)において、Rは水素原子またはメチル基であり、R1は水素原子、メチル基、またはエチル基であり、R2、R3、R4およびR5は、水素原子である、請求項1〜のいずれか1項に記載のLED封止材形成用硬化性組成物。
  5. さらに、微粒子を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のLED封止材形成用硬化性組成物。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載のLED封止材形成用硬化性組成物を硬化させた硬化物。
  7. LED素子と、請求項6に記載の硬化物を含む発光装置
  8. LED素子を含む発光装置の製造方法であって、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載のLED封止材形成用硬化性組成物を加熱して硬化させることを含む、発光装置の製造方法。
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