JP5670125B2 - 車両運搬車 - Google Patents
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Description
しかしながら、短時間の作業時などには、バッテリに蓄えられた電力ではなくエンジンの駆動によって作業が行われているという実態があり、その結果、上記の問題が解消されないという問題があった。
しかも、作業開始時や作業中に作業用バッテリの電力残量が少なくなった場合には、車両用バッテリに切り換えられるので、作業用バッテリが電力不足を生じたとしても、エンジンを始動することなく作業を開始または再開することができる。
図1(a)は車両運搬車を左側方から見た側面図、図1(b)は車両運搬車を上方から見た俯瞰図、図1(c)は車両運搬車を後方から見た図である。
図1に示すように、本実施形態の車両運搬車Aは、車体1に前輪2および後輪3が支持されており、車両の前方側には運転席を有するキャビン4が設けられている。このキャビン4の車両後方側では、車両の前後方向に延設する左右一対の傾斜フレーム5,5が車体1に支持されており、この傾斜フレーム5,5に対して荷台6がスライド自在に懸架されている。荷台6のスライド構造について図2を用いて説明する。
倍速移動体13は、ガイドレール5b,5b上を転動するローラを備えた一対のフレーム13a,13aと、これら両フレーム13a,13aを連結する連結フレーム13bと、を備えており、伸縮シリンダ10の伸縮量の2倍だけ傾斜フレーム5,5に沿って移動するようになっている。
そして、この倍速移動体13は、枢支ピンを介して荷台フレーム6の先端に回動自在に連結されており、荷台6が図3〜図5に示すように、傾斜しながら車両の後方に移動することとなる。上記の構成からなる倍速移動体13、第1チェン14,14および第2チェン16,16によって本発明の倍速機構が構成されている。
また、図1(a)および図1(c)に示すように、荷台6の後端には、車両を自走によって積載または積み下ろしする際に、路面と荷台6との段差を解消する道板18が設けられている。この道板18は、通常、図示のように荷台6に対して略90度屈曲した格納状態に維持されているが、車両を積載したり積み下ろししたりする際には、先端が路面に接触する張り出し状態へと動作するようになっている。
車体1には、車両運搬車Aが走行するための駆動源であるエンジンEが設けられている。このエンジンEの出力軸には、本発明の発電手段となるオルタネータ20が接続されており、オルタネータ20によって発電された電力がメインバッテリ21(本発明の車両用バッテリ)に蓄えられるようになっている。このメインバッテリ21には、サブバッテリチャージャー22を介してサブバッテリ23(本発明の作業用バッテリ)が接続されており、オルタネータ20からメインバッテリ21に電力供給が行われる際の余剰電流が、サブバッテリ23に蓄えられるようにしている。つまり、オルタネータ20によって発電された電力は、メインバッテリ21に優先的に蓄えられることとなる。
また、図中符号42は、作業系統の装置の状態や姿勢を検出する状態検出センサである。この状態検出センサ42は、作業系統の装置の状態や姿勢を直接的に検出するものであってもよいし、各アクチュエータ10,32,33の状態を検出することで、作業系統の装置の状態や姿勢を間接的に検出するものであってもよい。
なお、図7は、リモートコントローラRの所定のボタンを操作している間に限って、荷台6を移動させる場合の処理(第1の操作が行われた場合の処理)の一例を示している。一方、図8は、リモートコントローラRの所定のボタンを1回操作すると、荷台6を自動的に格納状態または張り出し状態まで移動させる場合の処理(第2の操作が行われた場合の処理)の一例を示している。
リモートコントローラRから第1の操作信号が入力すると、コントローラCは、まず、サブバッテリ残量検出センサ41によって検出されるサブバッテリ23の残量を確認する。
次に、コントローラCは、サブバッテリ23の残量が予め設定された所定量よりも少ないかを判断する。その結果、サブバッテリ23の残量が所定量よりも少ないと判断した場合にはステップS3に処理を移し、サブバッテリ23の残量が所定量以上であると判断した場合にはステップS12に処理を移す。
なお、ここでいう所定量とは、例えば、電動モータMを所定時間駆動するのに必要な電力量であり、電動モータMを駆動することは可能であるが、しばらくすると電動モータMを駆動することができなくなる程度のものとする。
ただし、バッテリ残量=0(電動モータMを駆動することができない残量)を所定量として設定しておき、サブバッテリ23がバッテリ切れを生じているか否かを判断するようにしても構わない。このように、サブバッテリ23がバッテリ切れを生じているか否かは、コントローラCが、操作信号の入力と作業系統の装置の状態変化とを判断することによっても実現可能である。つまり、操作信号が入力しているにも関わらず、作業系統の装置の状態が変化しない場合に、バッテリ切れを生じていると判断すればよい。
上記ステップS2において、サブバッテリ23の残量が所定量よりも少ないと判断した場合には、コントローラCは、切り換えリレー24を切り換え制御して、メインバッテリ21を作業系統の装置への電力供給源に切り換える。
次に、コントローラCは、メインバッテリ残量検出センサ40によって検出されるメインバッテリ21の残量を確認する。
次に、コントローラCは、メインバッテリ21の残量が予め設定された所定量よりも少ないかを判断する。その結果、メインバッテリ21の残量が所定量よりも少ないと判断した場合にはステップS6に処理を移し、メインバッテリ21の残量が所定量以上であると判断した場合にはステップS7に処理を移す。
上記ステップS5において、メインバッテリ21の残量が所定量よりも少ないと判断した場合には、コントローラCはエンジンEを駆動する。なお、既にエンジンEが駆動中である場合には、このステップS6の処理を行うことなくステップS7に処理が移される。
次に、コントローラCは、電動モータMを駆動するように制御する。
次に、コントローラCは、入力した操作信号に基づいて電磁ソレノイド35aを通電してコントロールバルブCVaを切り換える。
次に、コントローラCは、操作信号の入力が停止したかを判断するとともに、操作信号の入力が継続している場合には再び上記ステップS1以降の処理を繰り返し行い、操作信号の入力が停止した場合にはステップS10に処理を移す。
上記ステップS9において、操作信号の入力が停止したと判断した場合には、コントローラCは、切り換え中のコントロールバルブCVaを中立位置に復帰させる。
次に、コントローラCは、電動モータMの駆動を停止して当該処理を終了する。
一方、上記ステップS2において、サブバッテリ23に蓄えられた電力量が所定量以上であると判断した場合には、コントローラCは、エンジンEが駆動中であるかを判断する。その結果、エンジンEが駆動中であると判断した場合にはステップS13に処理を移し、エンジンEは駆動中ではないと判断した場合には上記ステップS7に処理を移す。
上記ステップS12において、エンジンEが駆動中であると判断した場合には、コントローラCはエンジンEの駆動を停止する。これにより、サブバッテリ23に所定量以上の電力が蓄えられている場合には、必ずエンジンEが停止した状態で作業系統の装置が作動することとなる。
次に、コントローラCは、メインバッテリ21を電力供給源とするように切り換えリレー24が切り換えられているか、すなわち、作業系統の装置に対してメインバッテリ21から電力が供給されているかを判断する。その結果、メインバッテリ21から電力が供給されていると判断した場合にはステップS15に処理を移し、メインバッテリ21からは電力が供給されていないと判断した場合には上記ステップS7に処理を移す。
上記ステップS14において、メインバッテリ21から電力が供給されていると判断した場合には、コントローラCは、切り換えリレー24を切り換え制御して、作業系統の装置への電力供給源をサブバッテリ23に切り換える。このように、サブバッテリ23に所定量以上の電力が蓄えられている場合には、必ずサブバッテリ23から作業系統の装置に電力が供給されることとなる。
また、電力供給源がメインバッテリ21に切り換えられた後、バッテリ残量に応じてエンジンEが駆動するため、メインバッテリ21がバッテリ切れを生じて走行不能となることもない。そして、エンジンEを駆動した結果、サブバッテリ23に所定量以上の電力が蓄えられた場合には、電力供給源が再びサブバッテリ23に切り換えられ、しかもエンジンEの駆動が停止するため、不必要にエンジンEが駆動したままになってしまうこともない。
なお、電力供給源がメインバッテリ21に切り換えられる際に、メインバッテリ21の残量によらず、必ずエンジンEを駆動してもよい。このようにすると、メインバッテリ21の残量による制御を行うことなくメインバッテリ21のバッテリ切れを防止できる。
リモートコントローラRから第2の操作信号が入力すると、コントローラCは、まず、サブバッテリ残量検出センサ41によって検出されるサブバッテリ23の残量を確認する。
次に、コントローラCは、メインバッテリ残量検出センサ40によって検出されるメインバッテリ21の残量を確認する。
次に、コントローラCは、状態検出センサ42によって検出される伸縮シリンダ10の状態を確認する。
次に、コントローラCは、作業灯19が点灯しているか消灯しているかを確認する。
次に、コントローラCは、伸縮シリンダ10の作動すなわち荷台6の移動が完了するまでに必要となる必要電力量を、入力した操作信号、上記ステップS23で確認した現在の伸縮シリンダ10の状態、および作業灯19の点灯状況に基づいて算出する。
次に、コントローラCは、上記ステップS21で確認したサブバッテリ23に蓄えられた電力量が、上記ステップS25で確認した必要電力量よりも少ないかを判断する。その結果、「サブバッテリ残量<必要電力量」であると判断した場合にはステップS27に処理を移し、「サブバッテリ残量≧必要電力量」であると判断した場合にはステップS30に処理を移す。
上記ステップS26において、「サブバッテリ残量<必要電力量」であると判断された場合には、コントローラCは、上記ステップS22で確認したメインバッテリ21に蓄えられた電力量が、上記ステップS25で確認した必要電力量よりも少ないかを判断する。その結果、「メインバッテリ残量<必要電力量」であると判断した場合にはステップS28に処理を移し、「メインバッテリ残量≧必要電力量」であると判断した場合にはステップS29に処理を移す。
上記ステップS27において、「メインバッテリ残量<必要電力量」であると判断した場合には、コントローラCはエンジンEを始動する。
次に、コントローラCは、切り換えリレー24を切り換え制御して、作業系統の装置への電力供給源をメインバッテリ21に切り換える。
次に、コントローラCは電動モータMを駆動する。
次に、コントローラCは、コントロールバルブCVaを切り換えて当該処理を終了する。これにより、伸縮シリンダ10が伸縮動作して荷台6が移動することとなる。
また、メインバッテリ21のバッテリ残量によって作業を完了することができる場合には、エンジンEを始動することなく作業が行われるので、不必要にエンジンEが駆動した状態で作業が行われることがない。
また、図7および図8においては、荷台6を移動する場合について説明したが、上記の処理は荷台6に限らず、例えば、ウインチ装置17や道板18を動作させる場合にも適用可能である。
また、上記実施形態においては、倍速機構によって荷台6が伸縮シリンダ10の伸縮量の2倍スライドすることとしたが、倍速機構は必須の構成ではない。ただし、元来、駆動動力が小さくてよい車両運搬車の荷台の駆動機構として倍速機構を設ければ、出力の小さい電動モータによっても作動速度を十分に確保することが可能である。また、車両の積降作業の後に必ず走行を伴う車両運搬車は、サブバッテリの充放電サイクルが一定しているため、サブバッテリに安定して充電を行うことができ、車両運搬車にサブバッテリを用いたシステムは成立性が高い。したがって、倍速機構を備えた車両運搬車の駆動源として、サブバッテリ駆動の電動モータを用いれば、余剰なエンジン出力によって荷台を移動する従来の車両運搬車に比べて効率のよいシステムを成立させることができる。
また、上記実施形態においては、メインバッテリ21に蓄えられた電力が所定量よりも少なくなった場合にエンジンEを始動することとしたが、切り換えリレー24をメインバッテリ21に切り換えた場合に、バッテリ残量とは無関係に必ずエンジンEを始動することとしても構わない。
6 荷台
10 伸縮シリンダ
13 倍速移動体
14 第1チェン
16 第2チェン
17 ウインチ装置
18 道板
19 作業灯
20 オルタネータ
21 メインバッテリ
23 サブバッテリ
32 道板用シリンダ
33 ウインチ用モータ
40 メインバッテリ残量検出センサ
41 サブバッテリ残量検出センサ
A 車両運搬車
C コントローラ
E エンジン
M 電動モータ
P 油圧ポンプ
Claims (2)
- 荷台がスライド自在に積載される車体に走行系統の装置と作業系統の装置が設けられ、前記作業系統の装置には、前記荷台をスライドさせる作業アクチュエータが少なくとも含まれる車両運搬車において、
前記車体に搭載されたエンジンと、
前記エンジンの出力によって電力を発生させる発電手段と、
前記発電手段によって発生した電力を蓄える車両用バッテリおよび作業用バッテリと、
前記車両用バッテリに蓄えられた電力量を検出する車両用バッテリ電力検出手段と、
前記作業用バッテリに蓄えられた電力量を検出する作業用バッテリ電力検出手段と、
前記車両用バッテリに蓄えられた電力によって走行系統の装置を制御するとともに、前記作業用バッテリ電力検出手段によって所定量以上の電力量が検出された場合には前記エンジンが停止中であれば駆動することなく作業用バッテリに蓄えられた電力によって作業系統の装置を制御し、前記作業用バッテリ電力検出手段によって所定量未満の電力量が検出された場合には前記車両用バッテリ電力検出手段によって所定量未満の電力量が検出されれば前記エンジン及び前記発電手段により電力を発生させて車両用バッテリに蓄えられた電力によって作業系統の装置を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記エンジンの停止中に、前記作業用バッテリ電力検出手段によって所定量未満の電力量が検出され、かつ、前記車両用バッテリ電力検出手段によって所定量以上の電力量が検出された場合には、前記エンジンを停止した状態で前記車両用バッテリに蓄えられた電力によって作業系統の装置を制御することを特徴とする車両運搬車。 - 前記荷台をスライドさせる作業アクチュエータとして設けられた伸縮シリンダと、
前記伸縮シリンダと前記荷台とを連結するとともに、前記伸縮シリンダの伸縮を倍速して前記荷台をスライドさせる倍速機構と、を備えたことを特徴とする請求項1記載の車両運搬車。
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