JP5668456B2 - 液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5668456B2
JP5668456B2 JP2010280402A JP2010280402A JP5668456B2 JP 5668456 B2 JP5668456 B2 JP 5668456B2 JP 2010280402 A JP2010280402 A JP 2010280402A JP 2010280402 A JP2010280402 A JP 2010280402A JP 5668456 B2 JP5668456 B2 JP 5668456B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cap
liquid
check valve
closed space
liquid ejecting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010280402A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012126044A (ja
Inventor
大野 裕和
裕和 大野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2010280402A priority Critical patent/JP5668456B2/ja
Priority to US13/324,404 priority patent/US9090068B2/en
Priority to CN201110417208.XA priority patent/CN102529375B/zh
Publication of JP2012126044A publication Critical patent/JP2012126044A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5668456B2 publication Critical patent/JP5668456B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)

Description

本発明は、液体噴射ヘッドに当接するキャップを備えた液体噴射装置に関する。
従来から、液体噴射装置の一種として、液体噴射ヘッドのノズル形成面に開口したノズルからインクを用紙などの媒体に噴射して印刷を行うインクジェット式プリンターが広く知られている。
こうしたインクジェット式プリンターでは、ノズル内に滞留したインクの水分や揮発成分が蒸発してインクの粘度が上昇することによってノズルの目詰まりが生じたり、ノズル内に気泡や金属粒子等の異物が混入したりすることがある。そして、そうした目詰まりや異物等の混入がノズルに生じると、インクの噴射方向がずれたり、適量のインクをノズルから噴射することができなくなったりする等の印刷不良を招くことになる。
そこで、インクジェット式プリンターにおいて、ノズルをクリーニングするためのクリーニング処理が行われている。例えば、キャップの開口部を液体噴射ヘッドのノズル形成面に当接させ、形成したキャップの内部とノズル形成面との間の閉空間を、吸引ポンプを駆動することによって減圧して、目詰まりの原因となるノズル内のインクをキャップ内に吸引する。そして、吸引したインクをキャップに設けられた廃液口から吸引ポンプを経由して外部に排出することが行われている。
その後、インクの排出が終了したのち、キャップを液体噴射ヘッドから離間するため、閉空間を大気開放して減圧状態を解除することが行われる。この大気開放は、キャップに設けられた閉空間と外気(大気)とが連通する連通口に接続された大気開放用配管の先端に設けられた大気開放弁の開放によって行われる。
このとき、例えば、大気開放弁の開放タイミングに起因して減圧状態になっている大気開放用配管内にインクが入り込んでしまうことがある。すると、この大気開放用配管内に入り込んだインクが、外気から流入する空気と混ざって泡立ったインクとなり、大気開放時にキャップ内に逆流して入り込んでしまい、液体噴射ヘッドを汚してしまう虞がある。
この課題を解決する技術として、例えば特許文献1には、大気開放用配管に逆止弁を設けることが提案されている。この技術は、逆止弁によって、大気開放用配管に流入するインク量を抑制しようとするものである。
特開2010−46854号公報
しかしながら、特許文献1の提案技術においても、キャップから逆止弁までの間の配管部分にはインクが流入する可能性がある。従って、大気開放弁が開放された場合に、空気の供給とともにキャップ内に戻されるインクが存在する場合がある。このため、流入する空気と混ざって泡立ったインクがキャップ内へ流入することが少なからず生じることになる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、外気(大気)と連通する連通口からキャップ内へのインクの流入を抑制するキャップを実現することを主な目的とする。さらに、このようなキャップを備えた液体噴射装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の液体噴射装置は、液体を噴射する液体噴射ヘッドと、開口部を前記液体噴射ヘッドに当接させることで閉空間を形成するキャップと、前記閉空間内を減圧する減圧手段が接続され、前記液体を前記閉空間外に排出する廃液口と、前記閉空間内と当該閉空間外の外気とを連通する連通口と、前記閉空間を形成する面に設けられ、前記連通口を介した前記閉空間内から前記外気への前記液体の移動を抑制し、かつ前記減圧手段によって前記閉空間内が減圧された後、前記連通口を介した前記外気から前記閉空間内への空気の移動を許容する逆止弁と、を備え、前記キャップの内側の底部には重力方向に段差が設けられており、前記廃液口は前記キャップにおける最下部に形成され、前記逆止弁は前記廃液口よりも反重力方向に位置する前記底部に設けられて前記連通口を閉蓋する
この構成によれば、キャップ内の液体を、連通口を介して閉空間の領域外へ流出しないようにできるので、例えば連通口に接続される大気開放のための配管に液体が流れ込むことを抑制することができる。また、閉空間が減圧された後、空気を閉空間の領域内に流入させることができるので、閉空間を大気開放することができる。また、キャップにおける液体は逆止弁よりも重力方向に位置する廃液口に向かって流れるので、液体が逆止弁周辺にとどまる確率が低くなる。従って連通口に接続される大気開放のための配管に液体が流れ込むことをより確実に抑制することができる。
本発明の液体噴射装置において、前記逆止弁は、前記連通口を重力方向に覆って閉蓋する。
本発明の液体噴射装置において、前記逆止弁は、前記キャップに固定された固定部位と、前記連通口を前記閉空間の内側から覆って閉蓋する閉蓋位置と当該閉蓋位置から離間して前記連通口を開蓋する開蓋位置との間で変位する可動部位と、を有している。
この構成によれば、キャップにおける連通口の形成部分において占有体積が少ない簡単な構造の逆止弁が得られる。従ってインクを受容できる空間領域となる閉空間の領域の減少を抑制しつつ、大気開放のための配管に液体が流れ込むことを確実に抑制することができる。
本発明の液体噴射装置において、前記液体噴射ヘッドと当接するキャップシール部を更に有し、前記逆止弁は前記キャップシール部と同一材料で形成されている。
この構成によれば、例えばキャップシール部を成型加工によって成形する場合、逆止弁と同時に形成することができる。
本発明の液体噴射装置において、前記逆止弁は前記キャップシール部と連続する形状を有して形成されている。
この構成によれば、例えばキャップシール部および逆止弁を同時に射出成型加工によって形成する場合において、射出用ゲートを共通にすることができる。
本発明に係る実施形態のキャップを有するプリンターの概略構成を示す斜視図。 実施形態のキャップを有するメンテナンス装置の機能構成図。 実施形態の逆止弁を備えたキャップを示す斜視図。 (a)は実施形態の逆止弁の構成を示す平面図、(b)は(a)における4b−4b線矢視断面図、(c)は(a)における4c−4c線矢視断面図。 (a)は実施形態の逆止弁の成形状態を示す部分断面図、(b)は逆止弁の成形状態を示す部分平面図、(c)は形成された逆止弁の構造を示す部分断面図。 (a)は変形例の逆止弁の構成を示す断面図、(b)は別の変形例の逆止弁の構成を示す断面図。 逆止弁を備えたキャップの変形構造を示す断面図。
本発明を、キャップを備えた液体噴射装置の一種であるインクジェット式プリンターにおいて具体化した実施形態について、以下、図を参照して説明する。なお、以降の説明を容易にするため、図1に示したように、鉛直方向における重力方向を下方向、反重力方向を上方向とする。また、これと交差する方向であって、プリンターに給送された用紙Pが画像の形成時において搬送される搬送方向を前方向、搬送方向と反対方向を後方向とする。さらに重力方向および搬送方向の双方と交差する方向であってキャリッジ16が往復移動する方向すなわち走査方向を、前方から見て、それぞれ右方向、左方向と呼ぶことにする。
さて、図1に示すように、インクジェット式プリンター11(以下、単に「プリンター11」ともいう。)は、略矩形箱状をなすフレーム12を備え、このフレーム12内の下部に、その長手方向である左右方向に沿って支持台13が延設されている。また、フレーム12の後方面の下部には紙送りモーター14が設けられている。この紙送りモーター14の駆動を通じて図示しない紙送り機構により、支持台13上にその後方側から用紙Pが給送されるようになっている。
フレーム12内における支持台13の上方には、該支持台13の長手方向である左右方向に沿ってガイド軸15が架設されている。このガイド軸15にはその軸線方向において往復移動可能にキャリッジ16が支持されている。詳しくは、キャリッジ16に左右方向において貫通する支持孔16aが形成されるとともに、この支持孔16aにガイド軸15が挿通されている。
フレーム12の後壁内面において上記ガイド軸15の両端の近傍にあたる位置には、駆動プーリー17aと従動プーリー17bとがそれぞれ回転自在に支持されている。駆動プーリー17aにはキャリッジモーター18の出力軸が連結されるとともに、駆動プーリー17aと従動プーリー17bとの間には一部がキャリッジ16に連結された無端状のタイミングベルト17が巻き掛けられている。上記プリンター11は、キャリッジモーター18を駆動することにより、タイミングベルト17を介してキャリッジ16をガイド軸15によってガイドしつつ左右方向において往復移動させることの可能な構造になっている。
上記キャリッジ16の下面には液体噴射ヘッド19が設けられている。この液体噴射ヘッド19にはインク噴射用のノズル20(図2参照)が複数設けられている。また、液体噴射ヘッド19の下方端にはノズルプレート19aが取り付けられている。このノズルプレート19aには、各ノズル20の開口孔が形成されている。一方、キャリッジ16には液体噴射ヘッド19に対してインクを供給するためのインクカートリッジ22が着脱可能に装着されている。
そして、プリンター11では、液体噴射ヘッド19において例えば圧電素子を有する圧力発生機構21(図2参照)が設けられている。この圧力発生機構21を駆動することにより、インクカートリッジ22内のインクが液体噴射ヘッド19内に供給されるとともに同液体噴射ヘッド19の各ノズル20(図2参照)から支持台13上に給送された用紙Pに噴射されるといったように印刷が行われる。
また、フレーム12の内部における上記支持台13よりも右側の領域、すなわち印刷時において使用されない領域(ホームポジション領域)には、液体噴射ヘッド19のクリーニング等のメンテナンスを行うためのキャップ31を有するメンテナンス機構23が設けられている。プリンター11では、液体噴射ヘッド19をホームポジション領域に移動させるとともにメンテナンス機構23を作動させることによって、キャップ31を液体噴射ヘッド19(ノズル20)に当接させてクリーニングする処理(クリーニング処理)が実行される。
次に、上記メンテナンス機構23において行われるクリーニング処理に関する構成概要について、図2を参照して説明する。
図2に示すように、キャップ31は、有底箱形状を有する樹脂製のキャップ本体32と、このキャップ本体32において液体噴射ヘッド19と当接する上方側となる開口部に、キャップ本体32より軟質な材料(ゴム材料やエラストマーなど)で四角環状に形成されたキャップシール部35と、を有している。なお、必要に応じて図示しないインクを吸収する多孔質材料で形成されたインク吸収材が、キャップ31の内部空間に挿入される。
キャップ本体32は、左右方向から見て互いに対称的な階段状をなすように形成された前後一対の短手方向に延びる短側壁33と、左右方向において平行な垂直平板状をなすように形成された左右一対の長手方向に延びる長側壁34と、これらの短側壁33と長側壁34の下端縁間を繋ぐ底壁32aによって構成されている。そしてキャップ31は、開口部を取り囲むように環状に形成されたこれらの短側壁33、長側壁34及び底壁32aによって、キャップ31の内部において、開口部から下側に第1空間41が、さらにその下側には第2空間42が積層された状態で形成されている。この第1空間41と第2空間42とを合わせた領域が、キャップ31が液体噴射ヘッド19と当接したときに形成される閉空間の領域となる。そしてこの第1空間41および第2空間42が液体噴射ヘッド19から噴射あるいは吸引されたインクを受容できる空間領域となる。なお、本実施形態では、第2空間42は、第1空間41よりも前後方向に均等に狭くなった形状を有しており、第1空間41に対して前後方向のほぼ中央に位置するように形成されている。
また、キャップ本体32の底壁32aには、第2空間42の下方側に最も下がった部位において、下方に向かって突出する円柱形状の排液部36が形成されている。この排液部36にはその内部を上下方向に貫通することによって第2空間42の内部と外部とを連通する廃液口36aが形成されている。また排液部36は排出チューブ24を介して廃インクタンク25に接続されている。この排出チューブ24の途中にはキャップ31内のインク(あるいは空気)を吸引して廃インクタンク25内に排出するための減圧手段としての吸引ポンプ26が設けられている。なお、廃インクタンク25の内部にはインクを吸収して保持する廃インク吸収材27が収容されている。
また、キャップ本体32には、第2空間42よりも前後方向の一方側(図2では、後端側)に位置する第1空間41の下側の一部位(具体的には後端側の長側壁34の水平部位)において、下方に向かって突出する円柱形状の吸気部37が形成されている。この吸気部37にはその内部を上下方向に貫通することによって第1空間41の内部と外部とを連通する連通口としての吸気口37aが形成されている。また吸気部37は、途中に大気開放弁39が設けられた吸気チューブ38が接続される。そして、大気開放弁39の開放動作によって、第1空間41が吸気チューブ38を介して閉空間の領域外の大気(外気)と連通することによって、キャップ31内の閉空間(第1空間41及び第2空間42)が大気開放されるようになっている。
メンテナンス機構23では、キャップ31は、液体噴射ヘッド19がホームポジション領域に移動したときにおいてキャップ31の開口部が液体噴射ヘッド19のノズルプレート19aの下面と若干の距離を置いて対向する位置になるように配設されている。そして、キャップ31は、メンテナンス機構23に設けられた昇降機構(図示略)によって、上方向に上昇され、開口部に形成されたキャップシール部35が各ノズル20の開口孔を囲うように液体噴射ヘッド19に当接してキャッピングするようになっている。
この当接状態で吸引ポンプ26が駆動されると、キャップ31内の流体(空気)が吸引されてノズルプレート19aの下面とキャップ31とにより形成された閉空間内の圧力が低下(減圧)するようになる。このために、これに伴い発生する負圧(大気圧より低い圧力)によって各ノズル20内のインクが吸引されてキャップ31内に排出される。さらには、キャップ31内のインクが廃液口36aおよび排出チューブ24を介して廃インクタンク25内に排出される。このようにしてノズル20内のインクを強制的に排出させることにより、同ノズル20のクリーニング処理が行われるようになっている。
もとより、このクリーニング処理中は、大気開放弁39は閉じており、クリーニング処理が終了したのち、大気開放弁39が開かれてキャップ31内の空間が大気圧と同等となる。これによって、キャップ31は、液体噴射ヘッド19から容易に降下して離間することができるようになっている。
なお、本実施形態では説明を省略するが、メンテナンス機構23には、例えばノズルプレート19aに付着した不要なインクを払拭する機構や、ノズルから強制的に噴射されたインクを受容する液体受容容器などが必要に応じて備えられている。
さて、メンテナンス機構23において備えられるキャップ31には、第1空間41に設けられた吸気口37aにおいて、従来の課題を解決するべく、第1空間41側から吸気口37a側にインクが流れ出ないように逆止弁70が設けられている。以下、この逆止弁70を含め、本実施形態のキャップ31の構成について、図3〜図5を参照して具体的に説明する。
図3に示すように、本実施形態のキャップ31は長手方向(前後方向)の長さが異なる大小2つの略直方体形状が上下方向に重なった形状をなしている。具体的には、キャップ本体32において、前後一対の短側壁33は、それぞれにおけるキャップ31の内面側が、2つの前後方向に離間した垂直壁面と、これら2つの垂直壁面のうち一方の垂直壁面の下端と他方の垂直壁面の上端との間を繋ぐ水平床面とで階段状をなすように形成されている。また、左右一対の長側壁34は、それぞれにおけるキャップ31の内面側が、左右方向から見て略T字状をなす垂直壁面となるように形成されている。そして、排液部36が突出形成された底壁32aは平面視矩形状をなすように形成されている。
さらに、本実施形態では、既述したようにキャップ本体32の上端部において四角環状のキャップシール部35(図中網掛け部)が設けられている。そして、キャップシール部35は、キャップ本体32の長手方向に沿いつつキャップ本体32内に垂れる長垂壁部35bと、キャップ本体32の短手方向に沿いつつキャップ本体32内に垂れる短垂壁部35cとを有し、その長垂壁部35bが長側壁34の内面に、その短垂壁部35cが短側壁33の内面に、それぞれ密着するように形成されている。なお、本実施形態では、キャップシール部35は、キャップ本体32を一次側として成形したのち二次側として成形する所謂二色成形で形成されている。
この結果、キャップ31には、キャップシール部35によって前後方向に長手方向を有する略矩形形状の開口部が形成される。また、キャップシール部35における左右一対の長垂壁部35bと前後一対の短垂壁部35c、および前後一対の長側壁34における各水平床面とによって、キャップ31の内部において、開口部側に第1空間41が形成される。従って、長側壁34の水平床面は第1空間41の底部であることから、これを第1底部41B(図3参照)と呼称する。
さらに、第1空間41の下側には、短側壁33の下側の垂直壁面33aと、長側壁34の内壁面34b、および底壁32aの内面とによって、第1空間41よりも前後方向に均等に空間が狭くなった第2空間42が形成される。従って、キャップ本体32の底壁32aの内面は第2空間の底部であることから、これを第2底部42B(図3参照)と呼称する。この第2底部42Bには、そのほぼ中央部分において第2空間42内から廃液を排出するための廃液口36aが設けられている。
さて、本実施形態のキャップ31は、第2底部42Bよりも反重力方向となる上方に位置する第1底部41Bにおいて形成された吸気口37aをキャップ31の内側の第1空間41側から覆うように、逆止弁70が閉空間を構成する第1底部41Bの面領域に形成されている。従って、本実施形態では逆止弁70は、第2底部42Bに設けられた廃液口36aに対して反重力方向に位置するようになっている。この逆止弁70について、その構成を、図4を参照して説明する。
図4(a)(b)(c)に示すように、逆止弁70は上下方向において所定の厚さを有する略円形の弁部70aと、この弁部70aとキャップシール部35における短垂壁部35cの下端との間を連結する帯状に形成された連結部71とによって構成されている。弁部70aは、第1底部41Bにおいて閉空間側となる上面に形成されている。そして、逆止弁70は、吸気部37に対して上方つまり第1空間41側から当接して、吸気口37aを隙間なく覆って閉蓋するように構成されている。
ここで、本実施形態では、吸気口37aが貫通して設けられている吸気部37は、キャップ本体32に挿入された上方矢視で外形が円形の円筒部材で形成されている。本実施形態の逆止弁70は、連結部71によってキャップシール部35(短垂壁部35c)と同時に成型加工によって成形することができるとともに、円筒部材の挿入により吸気部37が形成されることによって、キャップ31において逆止弁構造を形成することができるようになっている。この成型加工および吸気部37の挿入によってキャップ31に形成される逆止弁70の形成方法について、図5を参照して説明する。
図5(a)(b)に示すように、一次側として成形が終了したキャップ本体32に対して、上方の上型91と下方の下型92とによって、キャップシール部35と同時に逆止弁70を二次側として成形する。このとき、成形される逆止弁70がキャップ本体32に対して固定されていない可動部位とするため、キャップ本体32から離れた状態で成形されるように上型91と下型92とが上下方向で当接する当接領域KCが設けられる。従って、この当接領域KCは成型加工後において材料が充填されない領域となる。
この状態で、上型91において連結部71の領域に設けられたゲートGTからキャップシール部35および逆止弁70の形成材料を注入したのち、上型91および下型92を離間すると、キャップシール部35の形成と同時に、連結部71および逆止弁70が形成される。なお、形成された逆止弁70はキャップ本体32と離間している一方、逆止弁70と連続する連結部71はキャップ本体32に固着した固定部位となる。
このようにキャップシール部35および逆止弁70の成形が完了した状態では、キャップ本体32において吸気部37が設けられる領域に吸気部37が挿入固定できる大きさの固定孔37hが、下型92によって開くようになっている。そこで、図5(c)に示すように、この固定孔37hに対して、円筒部材である吸気部37を下から挿入して固定する。この結果、吸気部37に設けられた貫通孔である吸気口37aは、逆止弁70と上下方向において重なって、逆止弁70によって閉蓋されることになる。このとき同時に隙間となっていた当接領域KCも吸気部37によって塞がれる。従って、吸気口37aの形成部分において、第1空間41側に所定の厚さと面積のみ占有する逆止弁70が形成される。
次に、このように形成された逆止弁70の作用について、図5(c)を参照して説明する。図5(c)に示すように、逆止弁70は、構造的に、キャップ本体32に対して固定された固定部位となる連結部71側を支点として、可動部位である弁部70aが連結部71と反対側の先端部分から閉空間側となる上方に持ち上がるように変位する。すなわち、可動部位である弁部70aは、吸気口37aを閉空間の内側から覆って閉蓋する閉蓋位置(図5(c)の実線位置)と当該閉蓋位置から離間して吸気口37aを開蓋する開蓋位置(図5(c)の二点鎖線位置)との間で変位する。従って、閉空間内が吸引ポンプ26によって減圧された後、大気開放弁39が開放されると、図中矢印AFで示したように、弁部70aが閉蓋位置から開蓋位置へ変位することによって吸気口37aが開蓋して、吸気口37aを介して外気から閉空間内への空気の移動が許容される。すなわち吸気口37aの下側から第1空間41内に外気(空気)が流入できることになる。一方、第1空間41内のインクは、吸気口37aから流出しようとすると、弁部70aを持ち上げる方向とは逆の方向に弁部70aを押さえつけることになるので、第1空間41内のインクは、吸気口37aを介して第1空間41の領域外すなわち閉空間の領域外へ流出することが抑制されるのである。
上記説明した実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)キャップ31内のインクを、吸気口37aを介して第1空間41の領域外へ流出しないようにできるので、例えば吸気口37aに接続される大気開放のための吸気チューブ38に液体が流れ込むことを抑制することができる。また、閉空間が減圧された後、空気を第1空間41内に流入させることができるので、閉空間を大気開放することができる。
(2)キャップ31における吸気口37aの形成部分において弁部70aと連結部71とによって構成される占有体積が少ない簡単な構造の逆止弁70が得られる。従ってインクを受容する第1空間41の領域の減少を抑制しつつ、大気開放のための吸気チューブ38にインクが流れ込むことを確実に抑制することができる。
(3)例えばキャップシール部35を成型加工によって形成する場合、逆止弁70と同時に成形することができる。
(4)例えばキャップシール部35および逆止弁70を同時に成型加工によって形成する場合において、射出用のゲートGTを共通にすることができる。
(5)キャップ31におけるインクは逆止弁70よりも重力方向側に位置する廃液口36aに向かって流れるので、インクが逆止弁70周辺にとどまる確率が低くなる。従って吸気口37aに接続される大気開放のための吸気チューブ38にインクが流れ込むことをより確実に抑制することができる。
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・上記実施形態において、逆止弁70を、成型加工によってキャップシール部35と同時に成形せず、キャップシール部35と別々に形成するようにしてもよい。こうすれば、逆止弁70とキャップシール部35とを、それぞれに適した材料で形成することができる。この変形例について、図6を参照して説明する。
図6(a)に示すように、逆止弁70を予め吸気部37の上面側に固定したのち、吸気部37をキャップ本体32に固定するようにしてもよい。具体的には、吸気部37の円筒部の肉厚部分において、弁部70aの一部に形成された固定部71aを、固定部位となるようにピンやねじなどの固定手段75によって固定する。その後、弁部70aが固定部71aによって固定されて逆止弁70が形成された吸気部37を下側から固定孔37hに挿入してキャップ本体32に固定する。
あるいは、図6(b)に示すように、吸気部37をキャップ本体32に固定したのち、弁部70aの一部において後方向に延設された延設部71bを、固定部位となるようにキャップ本体32の第1底部41Bに固定するようにしてもよい。具体的には、延設部71bにおいて、吸気口37aを覆う面に対して略垂直方向となる上下方向に突出するように形成された突出部71cを、キャップ本体32に形成した上下方向に貫通する固定孔32hに挿入して固定する。なお、この変形例において、吸気部37はキャップ本体32と一体で形成されていても差し支えない。
・上記実施形態において、第2空間42の前後方向の空間長さは、第1空間41の長さと同じ寸法であってもよい。すなわち、キャップ31は、第1底部41Bと第2底部42Bが段差なく一つの連続する床面で形成された有底箱形のキャップ本体32Aを有することとしてもよい。こうすれば、インクが逆止弁70の周辺にとどまる確率は高くなるものの、上記実施形態の場合よりもインク吸収体のインク吸収量を増やすことができる。本変形例について、図7を参照して説明する。
図7に示すように、本変形例のキャップ31は、第1空間41と第2空間42とが上下方向において重なって1つの略直方体空間を形成している。そして、本変形例では、キャップ31において、一つの底部として第1底部41Bが形成されている。この第1底部41Bには、中央部分に廃液口36aが形成されている。なお、第1底部41Bは略平坦な面、もしくは、図示しないが周囲の側壁側から廃液口36aに向かって下方向に傾斜する傾斜面で形成されている。
本変形例では、連結部71は、キャップシール部35の後側の短垂壁部35cの一部が下方向に帯状に延在するとともに、この帯状部分が第1底部41Bの上面に連続して延在するように形成されている。この連結部71の形成によって、キャップシール部35と弁部70a(逆止弁70)との間で部材が帯状で連続するようになっている。従って、上記実施形態と同様に、キャップシール部35と逆止弁70とが、成型加工によって同時に成形可能になっている。そして、逆止弁70を成形後、上記実施形態と同様に、吸気部37をキャップ本体32Aに固定することによってキャップ31が形成される。
・上記実施形態において、逆止弁70とキャップシール部35とを連結する連結部71が形成されない状態で、逆止弁70とキャップシール部35とが成型加工によって形成されるようにしてもよい。連結部71を設けることができない場合は、例えば、ゲートGTをそれぞれ設けることによって逆止弁70とキャップシール部35とを同時に成形することが可能となる。
・上記実施形態において、逆止弁70が設けられる場所は第1底部41Bに限定されない。逆止弁70の効果が得られる場所であれば、例えば長側壁34、短側壁33や第2底部42Bであってもよい。
・上記実施形態において、逆止弁70は必ずしも上記構成に限らない。例えば弁部70aが、駆動装置(例えばアクチュエーター)によって第1底部41Bの面方向にスライド移動して吸気口37aを閉蓋したり開蓋したりするシャッター方式の弁構成であってもよい。
・上記実施形態では、液体噴射装置をインクジェット式のプリンター11に具体化したが、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置に具体化してもよい。微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置がある。あるいは、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサー等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用してもよい。そして、これらのうちいずれか一種の液体噴射装置に本発明を適用することができる。
11…液体噴射装置としてのプリンター、19…液体噴射ヘッド、31…キャップ、35…キャップシール部、36a…廃液口、70…逆止弁。

Claims (5)

  1. 液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
    開口部を前記液体噴射ヘッドに当接させることで閉空間を形成するキャップと、
    前記閉空間内を減圧する減圧手段が接続され、前記液体を前記閉空間外に排出する廃液口と、
    前記閉空間内と当該閉空間外の外気とを連通する連通口と、
    前記閉空間を形成する面に設けられ、前記連通口を介した前記閉空間内から前記外気への前記液体の移動を抑制し、かつ前記減圧手段によって前記閉空間内が減圧された後、前記連通口を介した前記外気から前記閉空間内への空気の移動を許容する逆止弁と、
    を備え
    前記キャップの内側の底部には重力方向に段差が設けられており、前記廃液口は前記底部における最下部に形成され、前記逆止弁は前記廃液口よりも反重力方向に位置する前記底部に設けられて前記連通口を閉蓋することを特徴とする液体噴射装置
  2. 請求項1に記載の液体噴射装置において、
    前記逆止弁は、前記連通口を重力方向に覆って閉蓋することを特徴とする液体噴射装置。
  3. 請求項1または2に記載の液体噴射装置において、
    前記逆止弁は、前記キャップに固定された固定部位と、前記連通口を前記閉空間の内側から覆って閉蓋する閉蓋位置と当該閉蓋位置から離間して前記連通口を開蓋する開蓋位置との間で変位する可動部位と、を有していることを特徴とする液体噴射装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の液体噴射装置において、
    前記液体噴射ヘッドと当接するキャップシール部を更に有し、
    前記逆止弁は前記キャップシール部と同一材料で形成されていることを特徴とする液体噴射装置
  5. 請求項に記載の液体噴射装置において、
    前記逆止弁は前記キャップシール部と連続する形状を有して形成されていることを特徴とする液体噴射装置
JP2010280402A 2010-12-16 2010-12-16 液体噴射装置 Active JP5668456B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010280402A JP5668456B2 (ja) 2010-12-16 2010-12-16 液体噴射装置
US13/324,404 US9090068B2 (en) 2010-12-16 2011-12-13 Capping device and liquid ejecting apparatus
CN201110417208.XA CN102529375B (zh) 2010-12-16 2011-12-14 压盖装置、以及液体喷射装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010280402A JP5668456B2 (ja) 2010-12-16 2010-12-16 液体噴射装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012126044A JP2012126044A (ja) 2012-07-05
JP5668456B2 true JP5668456B2 (ja) 2015-02-12

Family

ID=46643647

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010280402A Active JP5668456B2 (ja) 2010-12-16 2010-12-16 液体噴射装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5668456B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7247526B2 (ja) 2018-11-13 2023-03-29 セイコーエプソン株式会社 キャップ、液体噴射装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH068457A (ja) * 1992-06-26 1994-01-18 Seiko Epson Corp インクジェットプリンタのキャップ機構
JPH09239997A (ja) * 1996-03-05 1997-09-16 Citizen Watch Co Ltd メンテキャップ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012126044A (ja) 2012-07-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5724221B2 (ja) メンテナンス装置、液体噴射装置及びメンテナンス方法
JP5211931B2 (ja) 流体噴射装置
JP5998595B2 (ja) 液体除去装置及び液体噴射装置
JP5493944B2 (ja) クリーニング方法及び流体噴射装置
JP6155948B2 (ja) 液体噴射装置
JP5948993B2 (ja) 液体噴射装置
JP2010076413A (ja) 液体供給装置及び液体噴射装置
JP2010076412A (ja) 液体供給装置及び液体噴射装置
JP5332887B2 (ja) 流体噴射装置
US9090068B2 (en) Capping device and liquid ejecting apparatus
JP2010120294A (ja) 液体噴射装置
JP5668456B2 (ja) 液体噴射装置
JP2010076414A (ja) 液体供給装置及び液体噴射装置
EP3409478A1 (en) Liquid tank
JP5598317B2 (ja) キャッピング装置、および液体噴射装置
JP2012187748A (ja) メンテナンス装置および液体噴射装置
US10814636B2 (en) Liquid ejection apparatus
JP2017105058A (ja) ヘッド回復ユニット及び記録装置
JP2007320220A (ja) 液体噴射装置及びキャップ装置
JP6094151B2 (ja) メンテナンス装置および液体噴射装置
JP2013188963A (ja) 液体受容装置及び液体噴射装置
JP5729016B2 (ja) 液体噴射装置、メンテナンス方法
JP2011148256A (ja) 流体噴射装置
JP2014188693A (ja) 液体噴射装置のメンテナンス方法
JP3565111B2 (ja) インクジェット式記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131210

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140626

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140701

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140822

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141118

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141201

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5668456

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350