JP5667112B2 - 鋳鉄管の受口内面の塗装装置 - Google Patents
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Description
このような鋳鉄管の構造としては、直部の一端に受口が他端に挿し口がそれぞれ設けられ、鋳鉄管の受口に他の鋳鉄管の挿し口を差し込むことで順次接続をおこなうものが一般的である。
したがって、セメントライニングは鋳鉄管の直部のみの内面に施し、受口の内面は、別途粉体塗料等をスプレー塗装することで耐食性を付与することがおこなわれている。
このように、いわば遮蔽板Pによるマスキングをおこなうことで、塗料が直部1aの内面へ流入するのを抑制することができる。
好ましくは、鋳鉄管の内部のみならず、その外面にも挿し口の側から受口の側に向けてエアを供給することにしたのである。
さらに好ましくは、エアは塗装現場の外部から供給されることにしたのである。
ここでエア供給機の種類は特に限定されないが、ブロワ、コンプレッサ、およびファンが例示できる。
各ロール部12には、基台の幅方向(短手方向)に並列する一対のターニングロール12a、12aが設けられており、このターニングロール12a、12aにより鋳鉄管1の直部1aの両端近辺の左右箇所を下方より支持している。
各ターニングロール12a、12aは、その周方向に回転可能であるため、鋳鉄管1は支持された状態で、図2(a)の矢印で示すように、その管軸周りに回転可能となっている。
塗装用台車21は、図1の鎖線で示すように、鋳鉄管1の管軸方向に移動可能となっており、これにともない塗装用台車21に積載されたノズル20も鋳鉄管1の管軸方向に移動可能となっている。したがって、塗装用台車21を進退させることで、ノズル20を鋳鉄管1の受口1bに所望の深さだけ差し込んだり、受口1bから抜き取ったりすることが可能となっている。
ダクト30の排気口には、フード32が設けられており、このフード32は鋳鉄管1の挿し口1c近傍に被せられている。
送風用台車31は、図1の鎖線で示すように、鋳鉄管1の管軸方向に移動可能となっており、これにともない送風用台車31上に支持されるフード32も鋳鉄管1の管軸方向に移動可能となっている。したがって、送風用台車31を進退させることで、フード32を鋳鉄管1の挿し口1cに被せたり、挿し口1cから取り外したりすることが可能となっている。ダクト30は、送風用台車31の進退に追従しやすいように、フレキシブルな素材で形成されているのが好ましい。
ダクト30のフード32を鋳鉄管1に被せた状態で、鋳鉄管1の挿し口1cは、分流板40の吹き込み孔41に浅く差し込まれている。この差し込み状態で、図2(b)からわかるように、鋳鉄管1の軸心と、吹き込み孔41の円の中心とが、ほぼ一致するように、送風用台車31上におけるダクト30の支持高さ等が調整されているものとする。
上述した吹き込み孔41と挿し口1cとの寸法関係および位置関係から、吹き込み孔41の挿し口1cが差し込まれた中央箇所の外側には、鋳鉄管1の外面に臨む円環形の流路が形成されることになる。
これにより、エア供給機50から供給されたエアは、ダクト30を通じて鋳鉄管1の挿し口1cの側へと導かれるようになっている。さらに、ダクト30を流通するエアは、フード32が被せられた鋳鉄管1の挿し口1cから鋳鉄管1の内部を通り、ノズル20により塗装作業がおこなわれる受口1bの内部にむけて、図1中白抜き矢印で示すように供給される。
のみならず、ダクト30内のエアは、フード32の開口に取り付けられた分流板40の吹き込み孔41の前記円環形の流路からも排気されることで、その排気されたエアは、鋳鉄管1の外面のほぼ全周に沿って、図1中白抜き矢印で示すように挿し口1cの側から受口1bの側へと流れることになる。
このようにして、分流板40は、ダクト30内のエアを鋳鉄管1の内外へと分流する作用を奏するようになっている。
反対に、孔径が大きすぎると前記円環形の流路の幅が大きくなってエアが拡散してしまって鋳鉄管1の外面に沿って流れにくくなり、また円環形の流路を通じてダクト内を流れるエアに塗装ブース60内の空気が混入してしまうおそれがある。
さらには、鋳鉄管1の内外を流れるエアの量を極端に偏りがないようにバランスさせる必要もある。
したがって、吹き込み孔41の孔径は、前記円環形の流路の幅が5〜15cm程度となるように、鋳鉄管1の管径との関係で調整するのが好ましい。たとえば、鋳鉄管1の管径が15cmであれば、孔径は25〜45cm程度とするのがよい。
塗装ブースの構造、寸法等については、鋳鉄管の塗装作業を円滑におこなうことができる限り、特に限定されない。
一方、ダクト30の吸気口は、塗装ブース60の外部へと引き出されており、エア供給機50は、塗装ブースの外部に設置されてこの吸気口に接続されている。
これと同時にまたはあらかじめ、送風用台車31を前進させてダクト30のフード32を鋳鉄管1の挿し口1cに被せ、分流板40の吹き込み孔41にその挿し口1cを差し込む。さらに、塗装ブース60外のエア供給機50としてのブロワを作動させて鋳鉄管1の内部および外面に沿って、挿し口1cの側から受口1bの側に向けて、エアを流通させる。
鋳鉄菅1の挿し口1cにフード32を被せてダクト30からエアを導いているため、塗装ブース60の雰囲気がダクト30内のエアに随伴して(随伴流が生じて)、挿し口1cとダクト30の隙間から鋳鉄管の内部へと引き込まれることが防止されている。したがって、鋳鉄管1に塗装ブース60内を浮遊する塗料が意図せずに付着することがさらに一層防止されている。
その他の構成については、第1実施形態と同様であるため、詳細な説明を省略する。
エア供給機50としてのコンプレッサを設置するだけの構成であるから、第1実施形態のようなダクト等を要さず、非常に簡易であり低コストである。
また、実施形態ではノズル20を塗装用台車21に搭載することで鋳鉄管1の管軸方向に移動可能としたが、ノズル20は鋳鉄管1との関係で相対的に管軸方向に移動できればそれで足りる。たとえばノズル20を移動不能な状態に固定し、鋳鉄管1(および支持機構10)のほうを台車に搭載して移動させるようにしてもよい。
同様に、実施形態ではダクト30を送風用台車31に支持して移動可能としているが、移動不能な状態に固定してもよい。
塗装ブース60には、換気手段を適宜付属させ、鋳鉄管に沿って流通させた後のエアの塗装ブース60外への排出を促進するなどしてもよい。
エア供給機50として、第1実施形態ではブロワを、第2実施形態ではコンプレッサを、それぞれ例示したが、ファンなど他のエア供給機で代替してもよい。
1a 直部
1b 受口
1c 挿し口
10 支持機構
11 基台
12 ロール部
12a ターニングロール
20 ノズル
21 塗装用台車
30 ダクト
31 送風用台車
31a ホルダ
32 フード
40 分流板
41 吹き込み孔
50 エア供給機
60 塗装ブース
P 遮蔽板
Claims (7)
- 直部の一端に受口を他端に挿し口をそれぞれ有する鋳鉄菅の前記受口の内面をスプレー塗装する装置であって、
前記鋳鉄管をその管軸周りに回転可能に支持する支持機構と、
前記鋳鉄管に対してその管軸方向に相対的に移動可能であり、かつ前記鋳鉄管の受口に差し込んで塗料を受口の内面に向けてスプレー可能なノズルと、
前記鋳鉄管の挿し口の側から受口の側に向けて、すくなくとも鋳鉄管内部を流通して前記鋳鉄管の直部の内面に前記塗料が付着するのを防止し、かつ前記鋳鉄管の受口の内面に前記塗料が付着するのを許容する風圧のエアを供給可能なエア供給機と、
を備える鋳鉄管の受口内面の塗装装置。 - 前記鋳鉄管の挿し口が差し込まれる、前記挿し口よりも大径の吹き込み孔が形成された分流板、をさらに備え、
前記エア供給機から供給されたエアは、前記分流板の吹き込み孔を通じて、鋳鉄管の挿し口の側から受口の側に向け、鋳鉄管内部および鋳鉄管の外面に沿って流通可能となっている、請求項1に記載の鋳鉄管の受口内面の塗装装置。 - 前記鋳鉄管、前記支持機構、および前記ノズルが収容される塗装ブースと、
一端に排気口が、他端に吸気口がそれぞれ設けられ、前記排気口が前記塗装ブース内で前記鋳鉄菅の挿し口に被せられ、前記吸気口が前記塗装ブース外に配置されるダクトと、をさらに備え、
前記エア供給機は、前記塗装ブースの外で前記ダクトの吸気口に接続され、前記塗装ブース外のエアを前記ダクトを通じて前記鋳鉄管の挿し口に向けて供給可能となっている請求項1または2に記載の鋳鉄管の受口内面の塗装装置。 - 前記エア供給機は、ブロワ、コンプレッサ、およびファンのいずれかである請求項1から3のいずれかに記載の鋳鉄管の受口内面の塗装装置。
- 直部の一端に受口を他端に挿し口をそれぞれ有する鋳鉄菅の前記受口の内面をスプレー塗装する方法であって、
前記鋳鉄管をその管軸周りに回転させながら、その受口にノズルを差し込んでこのノズルから受口の内面に向けて塗料をスプレーする工程と、
同時に前記鋳鉄管の内部に、その挿し口から受口の側に向けて前記鋳鉄管の直部の内面に前記塗料が付着するのを防止し、かつ前記鋳鉄管の受口の内面に前記塗料が付着するのを許容する風圧のエアを供給する工程と、を含む鋳鉄管の受口内面の塗装方法。 - 同時に前記鋳鉄管の外面に沿って、その挿し口から受口の側に向けてエアを供給する工程をさらに含む請求項5に記載の鋳鉄管の受口内面の塗装方法。
- 前記エアを供給する工程におけるエアは、前記塗料をスプレーする工程における現場の系外から導入される請求項5または6に記載の鋳鉄管の受口内面の塗装方法。
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