JP5666220B2 - 三次元ボールミル - Google Patents
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Description
請求項1記載の発明に係る三次元ボールミル(以下、適宜「請求項1のミル」という)は、第1の軸芯を中心とする第1軸と、前記第1の軸芯の回りを回転するように前記第1軸に取り付けられた第1回転体と、前記第1回転体に取り付けられ前記第1軸芯の方向とは異なる方向に延びる第2の軸芯を中心とする第2軸と、前記第1の軸芯の回りを回転するように前記第2軸に取り付けられた第2回転体と、前記第2回転体と一体回転する、内壁面が囲む空間がほぼ球形のミルポットと、前記第1回転体および前記第2回転体を回転させる駆動装置と、を含めて構成してある。ここで前記駆動装置は、前記第1回転体を回転させる駆動源と、前記第1回転体の回転力を伝達することによって前記第2回転体を前記第2軸芯の回りで回転させる駆動力伝達装置と、を備えている。さらに、前記第1軸は水平軸であって、前記駆動源は、前記ミルポット内で遠心力を受けた被粉砕物が重力に逆らいながら前記内壁面に沿って上昇する速度で前記ミルポットを前記第1の軸心回りを回転するように構成してある。なお、第1回転軸と第2回転軸とは直交させるのが一般的であるが、これにこだわるものではない。
請求項2記載の発明に係るボールミル(以下、適宜「請求項2のミル」という)は、請求項1のミルの構成を前提に、次のように構成してある。つまり、前記ミルポットの内壁面の一部は、前記内壁面の曲率よりも小さな曲率の曲面もしくは平面に形成してある。
請求項3記載の発明に係るボールミル(以下、適宜「請求項3のミル」という)は、請求項1または2のミルの構成を前提に、次のように構成してある。つまり、前記ミルポットは、被粉砕物を収容するインナーポットと、前記インナーポットを保護包囲するアウターポットを含めて構成してある。インナーポットとアウターポットは、互いに違う素材で構成してもよいし、同じ素材で構成してもよい。
請求項4記載の発明に係るボールミル(以下、適宜「請求項4のミル」という)は、請求項3のミルの構成を前提に、前記インナーポットはジルコニアにより構成してある。
請求項5記載の発明に係るボールミル(以下、適宜「請求項5のミル」という)は、請求項1ないし4いずれかのミルの構成を前提に、前記駆動力伝達装置は、前記第1軸に回転不能に同軸固定された主動円板と、前記第2軸に回転不能に同軸固定された従動円板と、を具備し、前記第2軸は、その軸芯が前記第1軸の軸芯と直交するように配され、前記主動円板周縁が前記従動円板の板面に圧接する(押し付ける)よう構成されてなる。
請求項6記載の発明に係るボールミル(以下、適宜「請求項6のミル」という)は、請求項5の構成を前提に、次のように構成してある。つまり、前記主動円板と前記従動円板との圧接は、前記主動円板周縁もしくは前記従動円板板面のいずれか、または、前記主動円板周縁と前記従動円板板面の両者に設けられた弾性体(エラストマー材)を介して行うように構成してある。
図1ないし3を参照しながら説明する。本実施形態に係るボールミル1は、床面上に設置される直方体形状のベース部51と、ベース部51上で起立する2本の支持柱53,55と、支持柱53,55の頂部を連結する渡し板57によって外観が形成されている。さらにボールミル1は、第1軸3と、第2軸9と、第1回転体5と、第1回転体5の内側に設けられた第2回転体11と、駆動装置7(例えば、電動モータ)を主要部品として具備する。ここで、図2ではベース51および支持柱55を実線で表し、図3では内部構造を示すためにこれらを二点鎖線で示す。
参照図面は、図1ないし3である。本実施形態の第1軸3は、第1の軸芯3Lを中心とし水平方向に延びている。第1軸3は、支持柱53に固定された固定軸3aと支持柱55に回転可能に固定された回転軸3bとにより構成してある。本明細書では、軸全体を示す場合は第1軸3と表し、軸を個別に示す場合は固定軸3aもしくは回転軸3bと記すことにする(第2軸9でも同じ)。一方、本実施形態の第2軸9は、第2の軸芯9Lを中心とし垂直方向に延びている。第2軸9は、一対の回転軸9a、回転軸9bにより構成してある。回転軸9a,9bは、後述するようにいずれも回転自在となるように第1回転体5に固定してある。なお、本実施形態の第1軸3と第2軸9は、互いに直交させてあるが、これを異なる角度に交差させることを妨げない。
図1ないし4に示すように第1回転体5は、矩形の枠体であって、第1軸3(固定軸3a、回転軸3b)に取り付けられ、第1軸3の軸芯3Lの回りを回転するように構成してある。第1軸3の取付位置は、第1回転体5の縦方向ほぼ中央である。矩形を選択したのは、後述する駆動力伝達装置21との関係から都合よいのでそうしたに過ぎない。たとえば、円形その他の形状を選択することなんら問題はない。第1回転体5は、その一方が軸受5aを介して固定軸3aに対して回転可能に支持されている。第1回転体5の他方は一体回転するように回転軸3bの一端側に固定してある。回転軸3bは軸受5bを介して支持柱55に対して回転可能に支持されており、その他端は支持柱55の外側に突き出している。以上により、第1回転体5を第1軸3の軸芯3Lの回りで回転させることができる。ここで、図4は図1記載のベース51、支持柱53および55、渡し板57等を省略し、第1回転体、第2回転体およびミルポットを取り出して示す。
図1ないし4が示すようにミルポット31は外観ほぼ球形に形成してある。具体的にはステンレス製のフランジ31b、31b付きの半球体31a,31aのフランジ31b,31bを重ね合わせてミルポット31の形を作る(図3および4参照)。粉砕用ボールと被粉砕物は、この重ね合わせの前にミルポット31の中に入れておく。ミルポット31は、その外観と同じくその内壁面も、内壁面が囲む空間もほぼ球形となる。球形以外の形状を妨げる趣旨ではないが、球形にすることにより他の形状に比べ回転に伴う被粉砕物の壁面に沿った駆け上がりの効率がよい。効率よく駆け上がるから、被粉砕物の粉砕を効率よく行うことができる。この駆け上がり効果に加え蹴り揚げ効果を生じさせるために本実施形態のミルポット31は、内壁面の一部を内壁面曲率よりも小さな曲率の平面(平面部3f)に形成してある。すなわち、一部を平らにしてある。平面の部分の回転により被粉砕物が蹴りあげられ、さらに粉砕効率を高めることができる。
図1、3および4が示すように球形のミルポット31は、支持板11d,11dに挟まれ固定されるようになっている。すなわち、一方の支持板11dを枠体11cに取り付けた状態で、その支持板11dの支持孔11hにミルポット31を入れる。このとき、フランジ31b,31bは、支持板11d,11dの間に入るように入れる。そのようにして入れると、リングパッキン11pがミルポット31に当接して片支持される。その状態を保持しながら他方の支持板11dを枠体11cに取り付けようとすると他方の支持孔11hからミルポット31の一部がはみ出して他方のリングパッキン11pに当接支持される。ここで、他方の支持板11dを枠体11cにネジ固定すれば、ミルポット31を回転体11に取り付けることができる。
第2回転体11の駆動源となる駆動力伝達装置21は、例えば下記のような構造を備えている。まず第1例として挙げられる駆動力伝達装置21は、第1軸3(水平軸)と一体回転するように回転不能に同軸固定された主動円板23をまず具備する。さらに、第2軸9(垂直軸)に回転不能かつ第2の軸芯に対して垂直に取り付けられた従動円板25を具備している。第2軸9は、その軸芯(第2軸芯)が第1軸3の第1軸芯と直交するように配され、主動円板23周縁24が従動円板25の板面26に圧接するよう構成されている。これにより、駆動装置7によって第1軸3の回り(第1軸3の軸芯の回り)を回転する第1回転体5の回転力が第2回転体11に伝達され第2軸9(垂直軸)の回り(第2軸9の軸芯の回り)を回転するようになる。
図1において、二点鎖線で補助円板29を示す。補助円板29は、第1回転体5に固定した固定軸30に対して回転自在に取り付けた小円板である。補助円板は、主動円板23とほぼ平行に、かつ、第2軸9を間に挟んで主動円板23と反対側の位置に配してある。第2回転体11における片側端においてのみ主動円板23が当接していると(補助円板29がないとすると)、第2回転体11(従動円板25)のバランスが崩れ円滑な回転ができなくなる恐れも有る。これを未然防止し主動円板23から第2回転体11に対して加わる力とのバランスを取って円滑回転を確保するために、第2回転体11に圧接し、転がり接触する補助円板29を設けた。しかし、これを不要と考えるのであれば、補助円板29を省略することができる。
図1ないし5を参照しながら、本実施形態の作用効果を説明する。モータ7の回転は、ベルト8を介して回転軸3bを回転させる。回転軸3bの回転は、それと一体の第1回転体5を回転させる。このとき第1回転体5は、固定軸3aに対しても回転している。これで、第1回転体5が第1軸芯3Lの回りを回転する。固定軸3aに同軸固定された主動円板23は、第1回転体5が回転しても回転しない(図5(1)〜(4))。従動円板25は第2軸9と同軸一体回転し、第2軸9は第1回転体5に対して回転するようになっている。これに加え従動円板25は第1回転体5と一緒に第1軸芯3Lの回りを回転する。
図7を参照しながら、ミルポットの変形例について説明する。ミルポット60は、被粉砕物を収容するインナーポット61と、インナーポット61を保護包囲するアウターポット71を含めて構成してある。インナーポット61は筒状で上部開口の筒状のポット本体63と上部開口を塞ぐ蓋体65とから構成され、前者のフランジ部63fと後者のフランジ部65fとを重ね合わせた後ネジ固定して密封するようになっている。インナーポット61の材質は物理的・化学的に使用可能なものであれば何でもよいが、本実施形態ではジルコニアである。ジルコニアを採用した理由はコンタミネーションを防ぐために好都合だからである。
3 第1軸
3a 固定軸
3b 回転軸
3f 平面部
3L 軸心
5 第1回転体
5a,5b 軸受
7 駆動装置
8 ベルト
9 第2軸
9L 軸心
9a,9b 回転軸
9L 軸心
11 第2回転体
11a,11b 軸受
11c 枠体
11d 支持板
11h 支持孔
11p パッキン
21 駆動力伝達装置
23 主動円板
24 周縁
25 従動円板
26 板面
27 弾性体
29 補助円板
31 ミルポット
31a 半球体
31b フランジ
51 ベース部
53,55 支持柱
56 渡し板
60 ミルポット
61 インナーポット
71 アウターポット
Claims (6)
- 第1軸芯を中心とする第1軸と、
前記第1の軸芯の回りを回転するように前記第1軸に取り付けられた第1回転体と、
前記第1回転体に取り付けられ前記第1軸芯の方向とは異なる方向に延びる第2の軸芯を中心とする第2軸と、
前記第1の軸芯の回りを回転するように前記第2軸に取り付けられた第2回転体と、
前記第2回転体と一体回転する、内壁面が囲む空間がほぼ球形のミルポットと、
前記第1回転体および前記第2回転体を回転させる駆動装置と、を含めて構成してあり、
前記駆動装置は、前記第1回転体を回転させる駆動源と、前記第1回転体の回転力を伝達することによって前記第2回転体を前記第2軸芯の回りで回転させる駆動力伝達装置と、を備え、
前記第1軸は水平軸であって、前記駆動源は、前記ミルポット内で遠心力を受けた被粉砕物が重力に逆らいながら前記内壁面に沿って上昇する速度で前記ミルポットを前記第1の軸心回りを回転するように構成してある
ことを特徴とする三次元ボールミル。 - 前記ミルポットの内壁面の一部は、前記内壁面の曲率よりも小さな曲率の曲面もしくは平面に形成してある
ことを特徴とする請求項1記載の三次元ボールミル。 - 前記ミルポットは、被粉砕物を収容するインナーポットと、前記インナーポットを保護包囲するアウターポットを含めて構成してある
ことを特徴とする1または2記載の三次元ボールミル。 - 前記インナーポットはジルコニアにより構成してある
ことを特徴とする請求項3記載の三次元ボールミル。 - 前記駆動力伝達装置は、
前記第1軸に回転不能に同軸固定された主動円板と、
前記第2軸に回転不能に同軸固定された従動円板と、を具備し、
前記第2軸は、その軸芯が前記第1軸の軸芯と直交するように配され、
前記主動円板周縁が前記従動円板の板面に圧接するよう構成されてなる
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか記載の三次元ボールミル。 - 前記主動円板と前記従動円板との圧接は、前記主動円板周縁もしくは前記従動円板板面のいずれか、または、前記主動円板周縁と前記従動円板板面の両者に設けられた弾性体を介して行うように構成してある
ことを特徴とする請求項5の三次元ボールミル。
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