以下、本発明の実施形態に係る改装サッシユニット及び改装サッシユニットの取付方法について図面を参照して説明する。
本発明の第1実施形態に係る改装サッシユニット1は、図1、図2に示すように、例えば、新たに設けられる改装サッシ10と、建物の室内外を連通する開口2に設けられている既設サッシの既設枠50の内周側に改装サッシ10を取り付けるための接合部材35、36、37を有している。第1実施形態では、室内外を連通する開口2に設けられた半外付けタイプの既設枠50の内周側に設けられる改装サッシユニット及び改装サッシユニットの取付方法について説明する。また、改装サッシ10には、改装障子及び改装網戸が含まれるが、図1、図2では省略している。
以下の説明においては、建物等に取り付けられた状態の既設枠50及び改装サッシ10を室内側から見たときに、上下となる方向を上下方向、左右となる方向を左右方向または見付け方向、室内外方向である奥行き方向を見込み方向として示す。また、改装サッシユニットが備える各部材は、単体として説明する場合であっても開口2に取り付けられた状態で上下方向、見付け方向、見込み方向等となる方向にて方向を特定して説明する。また、開口の上部に取り付けられる枠部材の下側、開口2の下部に取り付けられる枠部材の上側、開口2の左側に取り付けられる枠部材の右側、開口2の右側に取り付けられる枠部材の左側を、開口2及び枠部材の中央側又は内側として説明する。
以下の実施形態においては、建物に既に設けられている既存の既設枠50と、既設枠50を開口2の内側から覆うように改装される改装サッシ10とが登場するが、同じ名称を有する部位、部材には、各名称の前に「既設」または「改装」を付して説明する。例えば、既設枠が有する下枠や縦枠等は、既設下枠、既設縦枠等とし、改装サッシ10が有する縦枠や障子等は、改装縦枠、改装障子等として説明する。
既設サッシの既設枠50は、引き違い障子用の枠体であり、既設上枠51及び既設下枠52と、左右の既設縦枠53とが矩形状に枠組みされて開口2に設けられている。尚、既設上枠51、既設下枠52、及び、左右の既設縦枠53は押出成形部材であり、左右の既設縦枠53は、既設障子と係合する既設係合片の形状及び位置は異なるものの、互いにほぼ左右対称の形状をなしている。
既設枠50は、既設上枠51が躯体3をなす窓まぐさ3aに、既設下枠52が躯体3をなす窓台3bに、左右の既設縦枠53が躯体3をなす柱(方立)3cにそれぞれ固定されている。既設上枠51、既設下枠52、既設縦枠53は、いずれも、見込み方向において、窓まぐさ3a、窓台3b、柱3cの見込み方向におけるほぼ中央から室外側に設けられている。
本実施形態の既設枠50は、改装サッシ10を取り付ける際に、既設上枠51と既設下枠52とに加工が施されるので、加工前後の既設上枠51と既設下枠52を図3にて説明する。
既設上枠51は、既設内障子(不図示)を案内するための既設内上レール51aと、既設外障子(不図示)を案内するための既設外上レール51bと、既設網戸(不図示)を案内するための既設網戸上レール51cと、既設額縁30と対向する既設上額縁対向部51dとを有している。既設内上レール51a、既設外上レール51b、既設網戸上レール51c、既設上額縁対向部51dは、上端側にて繋がっている。また、既設上枠51は、上部に設けられ上方に向かって突出された固定フィン51eにて窓まぐさ3aに固定されている。既設内上レール51a、既設外上レール51b、既設網戸上レール51c、既設上額縁対向部51dは、いずれも見付け方向の全域に渡って鉛直方向に垂設された板状の部位である。そして、室内側から既設上額縁対向部51d、既設内上レール51a、既設外上レール51b、既設網戸上レール51cの順で配置され、見込み方向に互いに間隔を隔てて対面するように設けられている。また、既設内上レール51a、既設外上レール51b、および、既設網戸上レール51cの下端は、ほぼ同じ位置まで延出されている。
既設下枠52は、加工が施される前の状態では、既設内障子(不図示)を案内するための既設内下レール52aと、既設外障子(不図示)を案内するための既設外下レール52bと、既設網戸(不図示)を案内するための既設網戸下レール52cと、室内側にて床材4に当接されて固定される室内側固定部としての床材対向部52dとが、見込み方向に互いに間隔を隔てて設けられている。床材対向部52dの上端からは室内側に向かって延出され、対向する床材4の端部の上面を覆う床材覆い部52eが設けられており、床材覆い部52eは上方からビス61にて床材4に固定されている。
また、既設下枠52は、室内側に位置する床材覆い部52eが最も高い位置に配置され、その室外側に床材覆い部52eより低く形成されたほぼ水平面をなし既設内下レール52aが突設された室内側段部52fを有し、その室外側に室内側段部52fより低く形成されたほぼ水平面をなし既設外下レール52bが突設された中央段部52gを有し、その室外側に中央段部52gより低く形成されたほぼ水平面をなし既設網戸下レール52cが突設された室外側段部52hを有している。すなわち、既設下枠52は、室内側から室外側に向かって順次低くなるように床材覆い部52e、室内側段部52f、中央段部52g、室外側段部52hの4つのほぼ水平な部位が階段状に配置されている。
また、既設下枠52は、中央段部52gから室内側に延出された既設延出部52iと床材対向部52dから下方に垂設された既設垂設部52jとが繋がっており、既設垂設部52jの、既設延出部52iと既設垂設部52jとが繋がった部位より僅かに高い位置から室内側かつ下方に突出された躯体固定部52kが設けられている。
既設下枠52は、既設延出部52iが窓台3b上に載置されるとともに下方に向かって突出された固定フィン52lが窓台3bの室外側の面に当接され、固定フィン52lと躯体固定部52kとが窓台3bにビス61、62にて固定されている。
そして、改装サッシユニット1が既設枠50の内周側に取り付けられるときには、既設内下レール52aが室内側段部52fの上面に合わせて、既設外下レール52bが中央段部52gの上面に合わせて、既設網戸下レール52cが室外側段部52hの上面に合わせて、いずれも切除される。
既設縦枠53は、見込み方向に沿う平面でなる既設縦枠本体部53bと、既設縦枠本体部53bから開口2の中央側に突出され既設障子の既設戸先框が係合される既設係合片53aと、既設枠50の室外側にて配置され既設縦枠本体部53bから開口2の中央側に突出され既設網戸の既設縦框に挿入される既設挿入片53dと、既設挿入片53dと見付け方向において反対側に既設縦枠本体部53bから突出された固定フィン53eと、を有している。
改装サッシユニット1は、新たに取り付けられる改装サッシ10と、改装サッシ10を取り付けるための上枠接合部材35、下枠接合部材36、縦枠接合部材37と、既設上枠51の室外側を覆う既設枠カバー38と、を有している。
改装サッシ10は、建物等の開口に直接新設可能な一般的なサッシである。すなわち、改装専用のサッシではない。このため、改装に使用される際には、図4に示すように、改装上枠11a、改装下枠11b、改装縦枠11cは、いずれも新設時に躯体に固定するための固定フィン13d、14k、15gの一部または全部を切除して用いられる。左右の改装縦枠本体15は、改装障子との改装係合片15aを除いて、互いに左右が異なる対称な形状をなしているので、図4では、左側の改装縦枠11cのみを示し、右側の改装縦枠11cについては説明を省略する。
改装サッシ10の改装枠11も引き違い障子用の枠体であり、改装サッシ10の改装障子(不図示)が案内される改装レール13a、13b、14a、14bを有する改装上枠11a及び改装下枠11bと、左右の改装縦枠11cが矩形状に枠組みされている。
改装上枠11a、改装下枠11b、及び、左右の改装縦枠11cはいずれも押出成形部材である。
改装上枠11aは、改装上枠本体13と、改装上枠本体13の室内側の部位に嵌合されて改装額縁60(図1)と連結される上額縁固定部材17とを有している。
改装上枠本体13は、改装内障子を案内するための改装内上レール13aと、改装外障子を案内するための改装外上レール13bと、改装網戸を案内するための改装網戸上レール13cとが、見込み方向に互いに間隔を隔てて設けられている。改装内上レール13aと、改装外上レール13bと、改装網戸上レール13cとは、改装上枠本体13の見付け方向の全域に渡って鉛直方向に垂設されている。また、改装網戸上レール13cは、改装上枠本体13の最も室外側に設けられている。また、改装上枠本体13の上部には、上方に延出されて、新設サッシとして使用される際には躯体3に固定される固定フィン13dが設けられている。この固定フィン13dは、改装サッシ10として使用される際には、図4(a)に示すように、ほぼ半分の長さに切断される。
また、改装上枠本体13は、改装内上レール13aと改装外上レール13bとの間にて分断されており、室外側の部位と室内側の部位とが断熱材72を介して接合されて断熱性が確保されている。
改装上枠本体13の、断熱材72より室外側の部位の上面は、見込み方向の中央より室内側がほぼ水平面をなし、中央より室外側は室外側に向かって低くなるように僅かな傾斜が設けられた滑らかな面をなしている。また、断熱材72より室内側は、室外側の部位より低く窪みが形成されている。このため、改装上枠本体13は、水平面をなす部位より上方に突出しないように形成されている。
上額縁固定部材17は、改装上枠本体13の改装内上レール13aより室内側の部位に嵌合される嵌合部17aと、嵌合部17aから室内側に延出されて改装額縁60にビス止めされる額縁固定部17bとを有している。
改装下枠11bは、改装下枠本体14と、改装内下レール14aと改装外下レール14bとの間を覆う外カバー部材19aと、改装内下レール14aより室内側の部位を覆う内カバー部材19bと、見込み方向において改装下枠本体14と改装額縁60との間に挿入される壁部19d(図1)を有し上端が室内外方向に延出されて改装下枠本体14と改装額縁60との間を覆う額縁カバー19c(図1)と、を有している。
改装下枠本体14は、改装内障子を案内するための改装内下レール14aと、改装外障子を案内するための改装外下レール14bと、改装網戸を案内するための改装網戸下レール14cとが、見込み方向に互いに間隔を隔てて設けられている。改装下枠本体14の室内側の端部は、改装サッシ10の室内側に設けられた改装額縁60と対向する平面を有する額縁対向部14dが設けられている。額縁対向部14dの下端は、後述する下枠接合部材36に当接されるとともに、室内側に延出された改装延出部14eが下枠接合部材36と重なってビス61にて固定される。
額縁対向部14dと改装内下レール14aとを繋ぐ部位のほぼ中央には、下方に延出されて下枠接合部材36に支持される室内側脚部14fと、改装内下レール14aより僅かに室外側から下方に延出されて下枠接合部材36に支持される中央脚部14gと、改装外下レール14bの下方に延出されて下枠接合部材36に支持される室外側脚部14hと、を有し、中央脚部14gと室外側脚部14hとを下端側にて連結する連結部14iを有している。また、連結部14iから室外側に、改装網戸下レール14cとほぼ同じ位置まで延出された延出部14jが形成され、延出部14jの先端は、室内側に屈曲されている。また、改装下枠本体14の下部には、中央脚部14gから下方に延出されて、新設サッシとして使用される際には躯体3に固定される固定フィンが14k設けられている。この固定フィン14kは、改装サッシ10として使用される際には、図4(b)に示すように切断される。
また、改装下枠本体14は、改装内上レール13aと中央脚部14gとの間にて分断されており、改装内上レール13a側の部位と中央脚部14g側の部位とが断熱材72を介して接合されて断熱性が確保されている。
改装縦枠11cは、改装縦枠本体15と、改装縦枠本体15の室内側の部位に嵌合されて改装額縁60と連結される縦額縁固定部材18とを有している。
改装縦枠本体15は、見込み方向に沿う平面を有する改装縦枠見込部15bと、改装縦枠見込部15bから建物開口の中央側に突出され改装障子の改装戸先框が係合される改装係合片15aと、改装縦枠見込部15bの室内側の縁部から改装枠11の外周側に突出され縦枠接合部材37の室内側に配置される室内側係合部15cと、改装縦枠見込部15bの室内側の縁部から改装枠11の内周側に突出された縦枠内突出部15dと、改装枠11の最も室外側に配置され改装縦枠見込部15bから改装枠11の内周側に突出され改装網戸の改装縦框に挿入される改装挿入片15eと、改装枠11の室外側の縁部に改装挿入片15eと見付け方向において反対側に突出された改装縦枠縁部15fと、を有している。
また、改装縦枠本体15の改装縦枠見込部15bから、開口2の外周側に突出させて、新設サッシとして使用される際には躯体3に固定される固定フィンが15g設けられている。この固定フィン15gは、改装サッシ10として使用される際には、図4(c)に示すように切断される。
縦額縁固定部材18は、改装縦枠本体15の室内側の部位に嵌合される嵌合部18aと、嵌合部18aから室内側に延出されて改装額縁60にビス止めされる額縁固定部18bとを有している。
上枠接合部材35は、アルミニウム製の押し出し成形部材であり、見付け方向において既設上枠51のほぼ全域に設けられる。
上枠接合部材35は、既設内上レール51a及び既設外上レール51bの下縁に当接されて下面が平坦なレール当接部35aと、レール当接部35aの室内側の端部から上方に立設され、既設内上レール51aと既設上額縁対向部51dとの間に配置される室内側壁部35bと、レール当接部35aの室外側の端部から上方に立設され、既設外上レール51bより室外側に配置される室外側壁部35cとを有している。この上枠接合部材35は、室外側壁部35cが既設外上レール51bの室外側の面に当接されてビス止めされると、室内側壁部35bが既設内上レール51aと既設上額縁対向部51dとのほぼ中央に配置される。そして、上枠接合部材35の下方からレール当接部35aを貫通するビス63が室内側壁部35bと既設内上レール51aとの間からまぐさ3aに固定される。
下枠接合部材36は、プレス加工により鋼板を曲げ起こして形成されており、下枠接合部材36の見付け方向の幅は、改装下枠11bの見付け方向の幅より十分に狭い。このため、下枠接合部材36は、改装下枠11bと既設下枠52との間に、見付け方向に適宜間隔を隔てて複数設けられている。
下枠接合部材36は、図5に示すように、既設内下レール52aが切除された室内側段部52fの上面に載置されるとともに中央段部52g上突出して中央段部52gと対向し、改装下枠11bが載置される既設枠載置部36aと、既設枠載置部36aの室内側の端部から上方に立設された室内側鉛直部36bと、室内側鉛直部36bの上端部が室内側に延出され既設下枠52の床材覆い部52eの上面を覆うように配置される改装枠躯体固定部としての既設枠覆い部36cと、既設枠載置部36aの中央段部52g側に張り出した部位の見付け方向の端部から各々垂設されて中央段部52gに当接される側壁部36dと、側壁部36dの下端側から室外側に向かって突出されて互いに対向する側に折り曲げられて形成され改装下枠11bの中央脚部14gに固定されるビスが貫通するビス固定部36eとを有している。
ここで、既設枠覆い部36cが、既設枠載置部36aの室内側に設けられ、既設枠載置部36aより高い位置にて既設下枠52の既設枠躯体固定部としての床材覆い部52eの上部を覆い、床材覆い部52eとともに躯体3に固定される改装枠躯体固定部に相当する。また、ビス固定部36eが、既設枠載置部36aの室外側に設けられ、既設枠載置部36aから垂設されて改装下枠11bと対向し改装下枠11bと固定される改装枠固定部に相当する。
左右の縦枠接合部材37は、アルミニウム製の押し出し成形部材であり、改装縦枠11cとほぼ同じ長さを有している。左右の縦枠接合部材37は、左右が反転した対称形状をなしており、同一の部材が用いられる。ここでは、左の縦枠接合部材37を例に挙げて説明する。
縦枠接合部材37は、改装縦枠11cの改装縦枠見込部15bと見付け方向に間隔を隔てて対向して配置される縦枠対向部37aと、縦枠対向部37aの室外側の端部から開口2の中央側に延出され、改装縦枠11cの改装縦枠縁部15fと係合される室外側係合部37bと、縦枠対向部37aの室内側の端部から開口2の中央側に延出され、改装縦枠11cの室内側係合部15cの室外側に配置されて改装縦枠11cにビス止めされるビス固定部37cと、縦枠対向部37aと繋がってビス固定部37cより室内側に延出された室内側延出部37dとを有している。室内側延出部37dは、縦枠接合部材37が改装縦枠11cに固定されたときに、改装縦枠本体15に嵌合された縦額縁固定部材18より室内側に延出され、その縦額縁固定部材18より室内側に延出された部位にビスが貫通されて躯体3に固定される。
既設枠カバー38は、既設上枠51の室外側の面をなす既設網戸上レール51cに固定されるカバー保持部材39と、カバー保持部材39に嵌合されるカバー部材40とを有している。カバー保持部材39は、断面がほぼコ字状をなす部材であり、既設上枠51の見付け方向に沿ってほぼ全域に設けられる。コ字状をなすカバー保持部材39の開放側が室外側に向けられて、開放されていない側の部位39aが既設上枠51に当接されてビス止めされる。カバー保持部材39の開放側縁部は、いずれも互いに対向する方向に屈曲された屈曲部39bを有している。一方、カバー部材40は、既設上枠51の既設網戸上レール51cを覆って改装上枠11aの上面に至る板状のカバー板部40aと、カバー板部40aの室内側に突出され、カバー保持部材39の屈曲部39bに嵌合する2つの嵌合片40bとを有している。すなわち、既設枠カバー38は、既設上枠51の既設網戸上レール51cに固定されたカバー保持部材39にカバー部材40が嵌合されて改装上枠11aの上部に露出する既設上枠51を覆うように形成されている。
第1実施形態の改装サッシユニット1の取付方法は、図6に示すように、既設枠50が有する既設下枠52の既設内下レール52a、既設外下レール52b、既設網戸下レール52cを切除するレール切除工程S1と、既設枠50と改装サッシ10が有する改装枠11との間に介在される下枠接合部材36を改装枠11に固定する下枠接合部材取付工程S2と、改装枠11が固定された下枠接合部材36を既設下枠52の既設内下レール52aが切除された室内側段部52fに載置する改装枠載置工程S3と、改装枠11が既設下枠52に載置された際に、下枠接合部材36の既設下枠52に載置された既設枠載置部36aより上方にて当該既設枠50が躯体3に固定されている床材覆い部52eを、下枠接合部材36の室内側の既設枠覆い部36cにて覆うとともに、下枠接合部材36を固定する下枠接合部材固定工程S4と、を有している。ここで、レール切除工程S1と下枠接合部材取付工程S2との順序は逆であっても、また同時に行っても構わない。
より具体的には、まず、既設枠50の既設網戸上レール51cの一部と既設内下レール52a、既設外下レール52b、既設網戸レール52cを切除する(レール切除工程S1)。このとき、既設枠50の既設網戸上レール51cは、上枠接合部材35を既設外上レール51bにビス止めする際に邪魔にならないように下端側の部分を切除するが上端側から半分より多くの部位を残存させておく。また、既設内下レール52a、既設外下レール52b、既設網戸レール52cはいずれも、切除した部位が平坦になるように切除する。このため、既設内下レール52a、既設外下レール52b、既設網戸レール52cが切除された後の、室内側段部52f、中央段部52g、室外側段部52hはいずれも平坦な上面をなしている。ここで、下枠接合部材36が載置される室内側段部52f及び中央段部52gに設けられていて切除される既設内下レール52a及び既設外下レール52bが、既設枠載置部36aが載置される部位にて切除される下レールに相当する。
次に、上枠接合部材35の室内側壁部35bを既設内上レール51aと既設上額縁対向部51dとの間に配置し、室外側壁部35cを既設外上レール51bと既設網戸上レール51cとの間に配置して、既設内上レール51aと既設外上レール51bを下方から覆うように、上枠接合部材35を既設上枠51に固定する。このとき、上枠接合部材35のレール当接部35aを既設内上レール51aと既設外上レール51bの下端に当接させる。そして、室外側壁部35cの室内側の面を既設外上レール51bの室外側の面に当接させて、下方からレール当接部35aを貫通するビスを既設内上レール51aと室内側壁部35bの間を通して躯体3に螺合する。
このとき、改装枠11を矩形状に枠組みしておく。そして、図4(a)〜図4(c)に示すように、改装枠11の改装上枠11aの上方に延出された固定フィン13dは、上側のほぼ半分を、改装下枠11bの中央脚部14gの下方に延出された固定フィン14kの全部を、改装縦枠11cの固定フィン15gは改装縦枠見込部15b側の一部を残して切除しておく。
枠組みされた改装枠11の改装下枠11bには、見付け方向に間隔を隔てて複数の下枠接合部材36を、例えば見付け方向において中央から振り分けて配置してビス止めする。具体的には、既設枠載置部36aに改装延出部14eを当接させるとともに、室内側に延出された改装延出部14eを貫通するビス64にて下枠接合部材36に固定し、ビス固定部36eを改装下枠11bの中央脚部14gに室内側から貫通するビス65にて固定しておく(下枠接合部材取付工程S2)。このとき、改装上枠11aの固定フィン13dの残存している部位に、カバー保持部材39をビス止めしておく。また、左右の改装縦枠11cには、縦枠接合部材37をビス止めするとともに、左右の改装縦枠11cに縦枠接合部材37が取り付けられた上端部と下端部とには、左右の改装縦枠11cに縦枠接合部材37が取り付けられて形成された上下に連通する中空部を覆うキャップ部材(不図示)を取り付けておく。ここで、改装枠11の固定フィン13d、14k、15gの切除から、改装枠11を枠組みして下枠接合部材36、縦枠接合部材37、及び、キャップを改装枠11に取り付ける工程は施工現場で行っても良いが、予め工場にて行うとより精度良く枠組みすることが可能である。
次に、改装下枠11bに下枠接合部材36が固定され、左右の改装縦枠11cに縦枠接合部材37がそれぞれ固定された改装枠11を既設枠50の内周側に配置する。具体的には、下枠接合部材36及び縦枠接合部材37が取り付けられた改装枠11を室外側から、上枠接合部材35が取り付けられた既設枠50の内側へ挿入する。このとき、改装枠11に取り付けられた下枠接合部材36の既設枠載置部36aの下面を既設下枠52の室内側段部52f上に載置し(改装枠載置工程S3)、側壁部36dの下縁を中央段部52gに当接させると、改装下枠11bに取り付けられた下枠接合部材36の既設枠覆い部36cが既設下枠52の床材覆い部52e上に配置される。また、上枠側では、改装上枠11aの固定フィン13dの残存部分の室内側の面を、既設外上レール51bに当接された室外側壁部35cの室外側の面に当接させる。
そして、既設上網戸レール51cの切除した部位から固定フィン13dの残存部分と室外側壁部35cとを上方から貫通するビス65を既設外上レール51bに螺合することにより、改装上枠11aを固定する。
また、改装下枠11b側は、床材覆い部52e上に位置する、下枠接合部材36の既設枠覆い部36c及び床材4を貫通するビス63を躯体3に螺合させて固定し(下枠接合部材固定工程S4)、改装縦枠11c側は、縦枠対向部37aと繋がって室内側に延出された室内側延出部37dと既設縦枠53を貫通するビス63にて躯体3に螺合する。
改装枠11を躯体3にビス止めした後に、改装枠11の室内側に改装額縁60を配置する。このとき、改装上枠11a側は、改装額縁60が既設額縁30との間に飼い木が介在されて配置される。そして、改装額縁60の室外側の端部が改装上枠11aに近接された状態にて、改装上枠本体13の改装内上レール13aより室内側の部位に上額縁固定部材17が嵌合され、嵌合された上額縁固定部材17の嵌合部17aと改装上枠本体13とを貫通するビス65を上枠接合部材35のレール当接部35aに螺合し、上額縁固定部材17の額縁固定部17bを貫通するビス61にて改装額縁60にビス止めする。
また、改装下枠11b側は、改装額縁60の室外側の端部が額縁対向部14dと僅かに間隔を隔てて位置し、改装延出部14eと下枠接合部材36とを固定するビス64及び下枠接合部材36の既設枠覆い部36cを覆うように改装額縁60を配置する。その後、改装額縁60と額縁対向部14dとの隙間に、壁部19dを挿入して額縁カバー19cを備え、上方から額縁カバー19cを貫通するビス61を改装額縁60に螺合して、額縁カバー19cと改装額縁60とを固定する。
改装縦枠11c側は、改装額縁60が既設額縁30及び既設縦枠53との間に飼い木が介在されて配置される。そして、改装額縁60の室外側の端部が改装縦枠11cに近接された状態にて、改装縦枠本体15の室内側の部位に縦額縁固定部材18が嵌合され、嵌合された縦額縁固定部材18の嵌合部18aと改装縦枠本体15とを貫通するビスを縦枠接合部材37に螺合し、縦額縁固定部材18の額縁固定部18bを貫通するビス61を改装額縁60にビス止めする。
最後に、カバー部材40を既設上枠51の既設網戸上レール51c設けられたカバー保持部材39に嵌合して改装サッシユニット1の取り付けを完了する。
第1実施形態の改装サッシユニット1によれば、改装枠11が載置されて固定される既設枠載置部36aは、既設枠50が固定されている床材対向部52dより下方に位置するので、単に既設枠50の内側に改装枠11を配置する場合より、改装枠11が載置される位置を低くすることが可能である。このため単に既設枠50の内周側に改装枠11を取り付ける場合より、改装枠11の内側に形成される開口を広くすることが可能である。
また、改装枠11に固定された下枠接合部材36は、室内側にて床材対向部52dの上部を覆い、当該床材対向部52dとともに躯体3に固定される既設枠覆い部36cを有しているので、下枠接合部材36が固定された改装枠11を躯体3に固定することが可能である。このため、改装枠11を強固に躯体3に固定し安定した状態に備えることが可能である。
また、改装枠11が載置されて固定される既設枠載置部36aが、既設下枠52が有する既設内下レール52aが切除された部位に載置されるので、改装枠11が載置される位置を既設内下レール52aの高さ分低くすることが可能である。このため単に既設枠50の既設内下レール52a上に改装枠11を取り付ける場合より、改装枠11の内側に形成される開口をさらに広くすることが可能である。また、既設枠載置部36aが載置される既設下枠52の室内側段部52f及び中央段部52gは、既設内下レール52a及び既設外下レール52bが切除されて上面が平坦なので、改装枠11を既設枠50の内周側に安定した状態にて配置することが可能である。このため、改装枠11を既設枠50側に取り付ける際において改装枠11を支える力が軽減されるので、施工性に優れた改装サッシユニット1を提供することが可能である。
また、下枠接合部材36が改装枠11の見付け方向の幅より狭いので、下枠接合部材36を精度良く形成することが可能であるとともに、安価に製造することが可能である。また、下枠接合部材36は、既設下枠52と改装下枠11bとの間に、互いに間隔を隔てて複数介在されるので、見付け方向の長さと同じ長さにて一体に形成されているものより取り付け易く施工性に優れている。
また、改装枠11が有する改装下枠11bは、室内側の部位と室外側の部位との間に断熱材72が介在されており、室内側となる改装内上レール13a側の部位と室外側となる中央脚部14g側の部位とがそれぞれ下枠接合部材36に固定されているので、仮に火災等により断熱材72が損傷しても、室内側の部位と室外側の部位とをそれぞれ下枠接合部材36を介して躯体3側に留めておくことが可能である。
また、第1実施形態の改装サッシユニット1の取付方法によれば、既設下枠52と、改装サッシ10が有する改装枠11との間に介在される下枠接合部材36には改装枠11が固定され、改装枠11が固定された下枠接合部材36が既設下枠52の既設内下レール52aが切除された部位に載置されるので、単に既設枠50の内側に改装枠11を配置する場合より、改装枠11が載置される位置をより低くすることが可能である。このため単に既設枠50の内周側に改装枠11を取り付ける場合より、改装枠11の内側に形成される開口を広くすることが可能である。
また、改装枠11が既設下枠52に載置された際に、既設下枠52が固定されている床材対向部52dを、下枠接合部材36の室内側の部位にて覆うとともに下枠接合部材36を躯体3に固定するので、下枠接合部材36が固定された改装枠11を躯体3に固定できる。このため、改装枠11を確実に躯体3に強固に固定し安定した状態に備えることが可能である。
次に、第2実施形態について説明する。以下の説明においては、第1実施形態と同一構成部分については重複する説明を省略する。
第2実施形態に係る改装サッシユニット100は、図7、図8に示すように、例えば、新たに設けられる改装サッシ10と、建物の室内外を連通する開口2に設けられている既設サッシの既設枠50の内周側に改装サッシ10を取り付けるための複数の下枠接合部材136と、複数の下枠接合部材136を見付け方向に連結する連結部材140と、下枠接合部材136と下枠との間に介在される補強プレート149と、を有している。第2実施形態も、室内外を連通する開口2に設けられた半外付けタイプの既設枠50の内周側に設けられる改装サッシユニット及び改装サッシユニットの取付方法について説明する。
第2実施形態の改装サッシユニット100は、下枠接合部材136が既設枠載置部136aを上下方向に移動可能な上下移動機構137を有しているとともに、見付け方向に沿って複数並べて設けられる下枠接合部材136を連結する連結部材140及び補強プレート149が、既設枠載置部136aと改装枠11との間、より具体的には、複数(本実施形態では6個)の下枠接合部材136と改装枠11との間に設けられている点で、第1実施形態と相違している。
第2実施形態の下枠接合部材136は、プレス加工により鋼板を曲げ起こして形成されており、見付け方向に適宜間隔を隔てて6個設けられている。
下枠接合部材136は、図9に示すように、既設内下レール52a(図3)が切除された室内側段部52f(図3)の上面に載置されるとともに中央段部52g上に突出して中央段部52g(図3)と対向する既設枠載置部136aと、既設枠載置部136aの室内側の端部から上方に立設された室内側鉛直部136bと、室内側鉛直部136bの上端部が室内側に延出され既設下枠52の床材覆い部52e(図3)の上面を覆うように配置される改装枠躯体固定部としての既設枠覆い部136cと、既設枠載置部136aの中央段部52g側に張り出した部位の見付け方向の端部から各々垂設されて中央段部52gに当接される側壁部136dと、側壁部136dの下端側から室外側に向かって突出されて互いに対向する側に折り曲げられて形成され改装下枠11bの中央脚部14gに固定されるビスが貫通するビス固定部136eと、既設枠載置部136aの見込み方向における中央付近から、見付け方向における両端部側を残して下方に垂設された垂設壁部136fと、垂設壁部136fの下端から室外側に延出された対向部としての延出部136gとを有している。
既設枠載置部136aには、改装枠11に下枠接合部材136を固定するための固定孔136iと、後述する連結部材140を固定するためのタップ孔136hとが設けられており、延出部136gには、ほぼ中央に上方からビス150が螺合されるタップ孔136jが設けられている。延出部136gのタップ孔136jに螺合されたビス150は回転されて延出部136gに対して直交方向に進退可能に設けられ、ビス150にはビス150を所定の位置に保持するための緩み防止用のナット155が螺号されている。そして、既設枠載置部136aが室内側段部52fに載置された状態で、延出部136gと対向する中央段部52gとビス150の先端との間に補強プレート149が設けられており、ビス150が下方に移動するようにビス150を回転させると既設枠載置部136aから下方に突出するビス150の長さが長くなり、ビス150の先端が中央段部52g上に載置された補強プレート149に当接することにより既設枠載置部136aが上方に移動するように構成されている。すなわち、延出部136gと延出部136gのタップ孔136jに螺合されたビス150とが既設枠載置部136aを上下方向に移動可能な上下移動機構及び調整機構に相当し、ビス150が回転移動部材に相当する。
連結部材140は、6個の下枠接合部材136のうち見付け方向において両端に配置される2つの下枠接合部材136を含む幅、または、両端に配置される2つの下枠接合部材136より端側にそれぞれ突出する長さを有している。連結部材140は、6個の下枠接合部材136の各既設枠載置部136a上に載置されてビス止めされる平板状の本体部141と、本体部141の室内側の縁から上方に立ち上がった室内側壁部142と、本体部141の室外側の縁から下方に垂設された室外側壁部143と、を有している。
室内側壁部142は、本体部141が下枠接合部材136にビス止めされた状態で室内側鉛直部136bと近接して沿うように形成されており、室外側壁部143は、本体部141が下枠接合部材136にビス止めされた状態で既設枠載置部136a及び延出部136gの最も室外側の縁より室外側に位置するように形成されている。本体部141には、6個の下枠接合部材136と連結部材140とを接合するためのタップ孔136hに螺合されるビスが貫通する孔141aの他に、各下枠接合部材136の固定孔136iに螺号されるビス64が貫通する貫通孔141bと、下枠接合部材136と連結部材140とが接合された状態にて、ビス150を回動させるための開口141cとが設けられている。また、室外側壁部143には、見付け方向において本体部141の開口と同じ位置に、ビス150の緩み止めをなすナット155を締め込むための切欠部143aが設けられている。
補強プレート149は、見付け方向の幅及び見込み方向の幅が、いずれも延出部136gとほぼ同じ大きさをなす、ステンレス製の平板部材である。この補強プレート149は、ビス150が回転されて下方に突出して押圧する押圧力が中央段部52gの一点に集中しないように、ビス150と中央段部52gとの間に設けられている。
第2実施形態の改装サッシユニット100の取付方法は、図10に示すように、第1実施形態の改装サッシユニット1の取付方法における、レール切除工程S1と、下枠接合部材取付工程S2と、の間に、ビス150を螺合した6個の下枠接合部材136を、連結部材140にて連結された状態にて既設下枠52上に配置して、連結部材140の本体部141の上面が平坦になるように調整する調整工程S1−1とを有している。
6個の下枠接合部材136は、例えば工場等にて、図8に示すように、連結部材140の本体部141の下面に、各下枠接合部材136の既設枠載置部136aの上面を当接させてビス151にて固定されている。
調整工程S1−1では、まず、連結部材140にて連結された6つの下枠接合部材136を既設下枠52上に載置する。このとき、既設枠載置部136aの下面を、既設内下レール52aが切除された室内側段部52fの上面に載置して、後に下枠接合部材136の既設枠覆い部136cが、躯体3に螺合されるビス63にて固定される取付位置に配置する。このとき、連結された6つの下枠接合部材136を既設下枠52上に載置する際には、中央段部52g上において、下枠接合部材136の延出部136gと対向する位置に補強プレート149を各々配置しておく。ここで、連結された下枠接合部材136を位置決めするために、ビス63にて仮止めしておいても良い。
連結部材140にて連結された下枠接合部材136を取付位置に配置した後に、連結部材140の本体部141の上面が平坦になるように、例えば連結部材140上に水準器を載置した状態で6個の下枠接合部材136に螺合されているビス150を回転させ、各下枠接合部材136の既設枠載置部136aの高さを調整する。高さを調整し終わった状態では、各下枠接合部材136に螺合されているビス150の先端を補強プレート149上に当接させ、切欠部143a側からナット155を締めておく。
次に、既設枠載置部136aの高さが調整された、連結された下枠接合部材136を、枠組みされた改装枠11の改装下枠11bにビス止めする。具体的には、既設枠載置部136aに改装延出部14eを当接させるとともに、室内側に延出された改装延出部14eを貫通するビス64を下枠接合部材136の固定孔136iに螺入して下枠接合部材136に固定し、ビス固定部136eを改装下枠11bの中央脚部14gに室内側から貫通するビス65にて固定しておく(下枠接合部材取付工程S2)。
次に、改装下枠11bに下枠接合部材136及び連結部材140が固定され、左右の改装縦枠11cに縦枠接合部材37がそれぞれ固定された改装枠11を既設枠50の内周側に配置する。具体的には、下枠接合部材136、連結部材140及び縦枠接合部材37が取り付けられた改装枠11を室外側から、上枠接合部材35が取り付けられた既設枠50の内側へ挿入する。このとき、改装枠11に取り付けられた下枠接合部材136の既設枠載置部136aの下面を既設下枠52の室内側段部52f上に載置し(改装枠載置工程S3)、側壁部136dの下縁を中央段部52gに当接させると、改装下枠11bに取り付けられた下枠接合部材136の既設枠覆い部136cが既設下枠52の床材覆い部52e上に配置される。また、各下枠接合部材136に螺合されているビス150の先端が補強プレート149上に当接される。
そして、既設上網戸レール51cの切除した部位から固定フィン13dの残存部分と室外側壁部35cとを上方から貫通するビス65を既設外上レール51bに螺合することにより、改装上枠11aを固定する。
また、改装下枠11b側は、床材覆い部52e上に位置する、下枠接合部材136の既設枠覆い部136c及び床材4を貫通するビス63を躯体3に螺合させて固定し(下枠接合部材固定工程S4)、改装縦枠11c側は、縦枠対向部37aと繋がって室内側に延出された室内側延出部37dと既設縦枠53を貫通するビス63にて躯体3に螺合する。その後の取付方法は、第1実施形態と同様である。
第2実施形態の改装サッシユニット100によれば、第1実施形態の作用・効果に加えて、下枠接合部材136は、既設下枠52上に載置されるとともに、改装枠11が載置されて固定される既設枠載置部136aが、上下移動機構137により上下方向に移動可能なので、改装枠11が載置される上下方向の位置を変更することが可能である。
また、上下移動機構137は、既設枠載置部136aを上下方向に貫通するとともに螺合して、下端が、既設外下レール52bが切除された中央段部52gに支持され、回動されることにより既設枠載置部136aを上下方向に移動させるビス150を有している。このため、上下移動機構137のビス150の回動により、ビス150が支持されている既設外下レール52bが切除された中央段部52gに対して、既設枠載置部136aを上下方向に移動させることが可能である。そして、ビス150を回動させるだけで、中央段部52gに対して既設枠載置部136aを上下方向に移動させることが可能である。また、ビス150は、既設枠載置部136aを上下方向に貫通するとともに螺合しているので、ビス150の回動により微少かつ定量的に既設枠載置部136aを上下方向に移動させることが可能である。
また、既設枠載置部136aと改装枠11との間に介在される複数の下枠接合部材136が連結部材140にて連結されているので、既設下枠52に歪みが生じていても改装枠11が載置される部位を全体として平坦になるように調整することが可能である。
また、第2実施形態の改装サッシユニット100の取付方法によれば、第1実施形態の作用・効果に加えて、既設下枠52と改装枠11との間に、互いに間隔を隔てて複数介在される下枠接合部材136は、既設内下レール52a、既設外下レール52b、既設網戸レール52cが切除された既設下枠52上、すなわち、取り付けられる部位にて、各々の下枠接合部材136の、改装枠11に固定する部位の位置が調整された後に、改装枠11に固定されるので、適切な調整がなされた後に、改装枠11に固定される。このため、既設下枠52上に下枠接合部材136が固定された改装枠11を取り付けることにより、適正な状態で改装枠11を取り付けることが可能である。また、下枠接合部材136は、改装枠11が取り付けられていない状態で調整されるので、調整しやすいため、より適切な調整を容易に行うことが可能である。
上記実施形態においては、下枠接合部材36、136を改装下枠11bに固定する際に、下枠接合部材36、136のビス固定部36e、136eを改装下枠11bの中央脚部14gに室内側から貫通するビス65にて固定する例について説明したが、これに限るものではない。例えば、上記実施形態では、ビス固定部36e、136eが鉛直方向に沿うように延出されていたが、水平方向に沿うように延出させて、改装下枠11bの中央脚部14g下端から室内側に延出された部位や、連結部14iにビスにて固定してもよい。
また、上記実施形態においては、下枠接合部材36、136の既設枠覆い部36c、136cを床材覆い部52e上に位置させて、床材覆い部52e及び床材4を貫通するビス63にて躯体3に固定する例について説明したが、これに限るものではない。例えば、下枠接合部材36、136の既設枠覆い部36c、136cを床材覆い部52eより室内側に突出させ、突出した部位と床材との間に飼い木を介在させてビスにて躯体に固定してもよい。
上記実施形態においては、半外付けタイプの既設枠50の内周側に設ける改装サッシユニット1について説明したが、既設枠は、内付けタイプや外付けタイプであっても構わない。
第1実施形態にて説明した下枠接合部材36は、見付け方向における全領域に設けられていても良い。
上記第2実施形態においては、6個の下枠接合部材136が、工場等にて連結部材140により連結されている例について説明したが、下枠接合部材136は6個に限らず、また、複数の下枠接合部材136は施工現場にて連結部材140により連結しても良い。
また、上記第2実施形態においては、上下移動機構137をなすビス150及びナット155が延出部136gに螺合されている例について説明したが、ビス150及びナット155を操作可能に配置するスペースを有していればビス150及びナット155は既設枠載置部に136aに螺合されていても良い。
また、上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。