JP5661467B2 - 高度中和エチレンコポリマーおよび有機酸から製造されたコアまたは中間層を有するゴルフボール - Google Patents

高度中和エチレンコポリマーおよび有機酸から製造されたコアまたは中間層を有するゴルフボール Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、その全体を参照により本明細書に援用される、2007年11月1日出願の米国仮特許出願第61/001,454号明細書の優先権を主張するものである。
有機酸または有機酸の塩およびエチレンとC3〜C8のα,βエチレン系不飽和カルボン酸との中和コポリマーを含む溶融加工可能な熱可塑性樹脂組成物から製造されたコアまたは中間層を有するゴルフボールに関する。
本発明が関連する最新技術をより十分に説明するために幾つかの特許および刊行物が本説明に引用される。これらの特許および刊行物のそれぞれの開示全体が、本明細書に参照により援用される。
高級ゴルフボールには、糸巻きボール、ツーピースボールおよび多層ボールが含まれる。糸巻きボールは、球形の成形センター、このセンターの周りに巻き付けられたエラストマーより糸様材料、および熱可塑性樹脂カバーまたは熱硬化性樹脂カバーのどちらかを有しもよい。ツーピースボールは、熱可塑性または熱硬化性材料の薄層でカバーされた球形の成形コアを有する。多層ボールは、球形の成形コア、カバー、およびコアとカバーとの間の1つ以上の中間層を有する。
糸巻きボール用のセンターならびにツーピースボールおよび多層ボール用のコアは、ポリブタジエンゴムなどの熱硬化性ゴムを使用して製造されてきた。熱硬化性ゴムで、複雑な多段階方法がコアおよびセンターを製造するために必要とされる。これらの方法は、リサイクルすることが困難である廃物をもたらす。熱硬化性ゴムの代わりに熱可塑性ゴムを使用することによってこれらの困難を解決しようとする試みは、限られた成果しか挙げられなかった。
アルファオレフィン、特にエチレンと、C3~8のα,βエチレン系不飽和カルボン酸とのコポリマーの熱可塑性アイオノマーは、カバーなどのゴルフボール構成要素、および多の用途に有用性を見いだしてきた。米国特許第3,264,272号明細書は、かかるアイオノマーの製造方法を教示している。アイオノマーがベースとする酸コポリマーは、米国特許第4,351,931号明細書に記載されているように製造され得る。
幾つかのアイオノマー組成物、およびこれらの組成物を含むゴルフボールカバーは、米国特許第5,688,869号明細書、同第6,150,470号明細書、同第6,277,921号明細書、同第6,433,094号明細書、同第6,451,923号明細書、同第6,573,335号明細書、および同第6,800,695号明細書に記載されている。これらのアイオノマー組成物は、コポリマーの酸基の約10〜約90%が金属陽イオンで中和されている、16重量%超のアルファ,ベータ−不飽和カルボン酸と残りアルファ−オレフィンとのコポリマーを含む金属陽イオン中和高酸アイオノマー樹脂を含む。
アイオノマーはまた脂肪酸で変性されてきた。例えば、米国特許第6,777,472号明細書は、(a)36個より少ない炭素原子を有する20〜45重量%の脂肪族の一官能性有機酸またはそれらの塩と、(b)エチレン、C3〜C8のアルファ,ベータエチレン系不飽和カルボン酸コポリマーまたはそれらの溶融加工可能なアイオノマーとから本質的になる溶融加工可能である熱可塑性樹脂組成物であって、(a)および(b)の酸の全ての90%超が、(a)および(b)のメルトブレンドに、90%超の中和を得るために必要な量の陽イオン源を同時にまたは後で加えることによって中和されている組成物を記載している。
変性アイオノマーがゴルフボール構成要素として使用されてきた。米国特許第6,565,456号明細書は、ソリッドコア、周囲層、中間層およびカバーを含む多層ゴルフボールであって、周囲層、中間層またはカバーの少なくとも1つが(a)オレフィン−カルボン酸−任意のカルボキシレートランダムコポリマーおよび/または(d)金属イオン−中和オレフィン−カルボン酸−任意のカルボキシレートランダムコポリマー;(b)脂肪酸または誘導体;および(c)中和塩基性無機金属化合物を含む加熱混合物から形成されている多層ゴルフボールを記載している。
ゴルフボールのコア、センターまたは中間層に使用される高性能材料を提供することが望ましい。
コアおよびカバーならびに任意選択的にコアとカバーとの間に配置された少なくとも1つの中間層を含むゴルフボールであって、コアまたは存在するとき中間層が熱可塑性樹脂組成物を含むかもしくはそれから製造され、熱可塑性樹脂組成物が直径1.50〜1.68インチの球体に成形されたとき、熱可塑性樹脂組成物がフィラーを含まない場合、0.860または0.870以上、熱可塑性樹脂組成物がフィラーを含む場合、0.830または0.845または0.850より大きい「反発係数(「COR」)を有するゴルフボールが提供される。反発係数は、初速度が測定される地点から3フィートに配置された鋼板に向けて125フィート/秒の初速度で球体を発射し、板からの跳ね返りの速度を初速度で割ることによって測定される。熱可塑性樹脂組成物はまた、100より大きいPGA圧縮(PGA compression)を有する。
さらに、熱可塑性樹脂組成物が下記の通りであるゴルフボールが提供される。
加えて、熱可塑性樹脂組成物は、
(a)4〜36個の炭素原子を有する少なくとも1種の脂肪族の一官能性有機酸であって、酸の最長炭素鎖がC1〜C8のアルキル基から独立して選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換されている有機酸と;
(b)2160g重量を使用して190℃でASTM D1238に従って測定される約200〜約600g/10分のメルトインデックスを有する、エチレンの共重合コモノマーと、エチレン酸コポリマーの総重量を基準にして、18〜24重量%の少なくとも1種のC3〜C8のα,βエチレン系不飽和カルボン酸の共重合コモノマーとから本質的になるエチレン酸コポリマーと;任意選択的に
(c)フィラーと
を含んでももしくはそれらから調製されてもよく、
(a)および(b)の総計酸部分が約120%〜約200%のレベルまで名目上中和されている。
以下の定義は、具体的な場合において特に限定されない限り、本明細書の全体にわたって用いられる用語に適用される。
本明細書に用いられる技術的および科学的用語は、本発明が属する技術の当業者によって一般に理解される意味を有する。矛盾が生じた場合には、本明細書での定義を含めて、本明細書が優先される。
本明細書で用いるところでは、用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「包含する(includes)」、「を含む(including)」、「含有する(containing)」、「で特徴付けられる(characterized by)」、「有する(have)」、「有する(having)」またはそれらの任意の他の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図される。例えば、要素のリストを含むプロセス、方法、物品、もしくは装置は、それらの要素のみに必ずしも限定されず、明確にリストされないか、またはかかるプロセス、方法、物品、もしくは装置に固有の他の要素を含んでもよい。
移行句「からなる(consisting of)」は、クレームに明記されないいかなる要素、工程、または原料も排除し、それらと通常関係がある不純物を除いて列挙されるもの以外の材料の包含をクレームから締め出す。語句「からなる(consists of)」が、序文の直後ではなく、クレームの本体の条項にあるとき、それは当該条項に記述される要素のみを限定し;他の要素は全体としてクレームから排除されない。
移行句「から本質的になる」は、明記される材料または工程と、特許請求される発明の基本的なおよび新規な特性に実質的に影響を及ぼさないものとにクレームの範囲を限定する。「から本質的になる」クレームは、「からなる」形式で書かれる閉鎖クレームと「含む」形式で草稿される完全開放クレームとの間の中間点を占める。任意の添加剤にとって適切であるレベルでの、本明細書に定義されるような任意の添加剤、および少量の不純物は、用語「から本質的になる」によって組成物から排除されない。
組成物、プロセス、構造、または組成物、プロセス、もしくは構造の一部が「含む(comprising)」などの開放端用語を用いて本明細書に記載されるとき、特に明記しない限り、この記載はまた、組成物、プロセス、構造、または組成物、プロセス、もしくは構造の一部の要素「から本質的になる」または「からなる」実施形態を包含する。
冠詞「a」および「an」は、本明細書に記載される組成物、プロセスまたは構造の様々な要素および成分に関連して用いられ得る。これは、便宜上および組成物、プロセスまたは構造の一般的な意味を与えるためであるにすぎない。かかる記載は、要素または成分の「1つまたは少なくとも1つ」を包含する。さらに、本明細書で用いるところでは、単数形冠詞はまた、複数が排除されることが具体的な前後関係から明らかではない限り、要素または成分の複数の記載を包含する。
用語「または(or)」は、本明細書で用いるところでは、包括的であり;すなわち、語句「AまたはB」は、「A、B、またはAおよびBの両方」を意味する。より具体的には、条件「AまたはB」は次のいずれか1つで満たされる:Aは真であり(または存在し)かつBは偽である(存在しない);Aは偽であり(または存在せず)かつBは真である(または存在する);またはAおよびBの両方とも真である(または存在する)。排他的な「または」は本明細書では、例えば、「AまたはBのどちらか」および「AまたはBの1つ」などの用語で示される。
用語「約」は、量、サイズ、調合、パラメーター、ならびに他の量および特性が正確ではないおよび正確である必要がないが、許容範囲、換算係数、丸め、測定誤差など、および当業者に公知の他の要因を反映して、要望に応じて、おおよそであってもおよび/またはより大きくてももしくはより小さくてもよいことを意味する。一般に、量、サイズ、調合、パラメーターまたは他の量もしくは特性は、そのようであると明記されようとされまいと「約」または「おおよそ」である。
特に明記しない限り、全ての百分率、部、比、および類似の量は、重量で定義される。加えて、本明細書に記述される範囲は、特に明記しない限りそれらの終点を包含する。さらに、量、濃度、または他の値もしくはパラメーターが範囲、1つ以上の好ましい範囲または好ましい上方値と好ましい下方値のリストとして示されるとき、これは、かかるペアが別々に開示されてもされなくても、任意の上方範囲限界または好ましい値と任意の下方範囲限界または好ましい値との任意のペアから形成される全ての範囲を具体的に開示するとして理解されるべきである。本発明の範囲は、範囲を明確にするときに列挙される具体的な値に限定されない。
材料、方法、または機械が用語「当業者に公知の」、「通常の」または同義語もしくは同義語句と共に本明細書に記載されるとき、この用語は、本出願を出願する時点で通常である材料、方法、および機械がこの記載によって包含されることを意味する。現在は通常ではないが、類似の目的のために好適であるとして当該技術分野で認められるようになるであろう材料、方法、または機械もまた包含される。
本明細書で用いるところでは、用語「コポリマー」は、2種以上のコモノマーの共重合から生じる共重合単位を含むポリマーを意味する。これに関連して、コポリマーは、その成分コモノマーに関してまたはその成分コモノマーの量に関して、例えば「エチレンと18重量%のアクリル酸とを含むコポリマー」、または類似の記述で本明細書に記載されてもよい。かかる記載は、それが共重合単位としてのコモノマーに言及しないという点において;それがコポリマーについての通常の命名法、例えばInternational Union of Pure and Applied Chemistry(国際純正応用化学連合)(IUPAC)命名法を含まないという点において;生成物−バイ−プロセス専門用語を用いないという点において;または別の理由のために形式張らないと考えられ得る。しかしながら、本明細書で用いるところでは、その成分コモノマーに関してのまたはその成分コモノマーの量に関してのコポリマーの記載は、コポリマーが明記されたコモノマーの共重合単位を(明記されるときには明記される量で)含有することを意味する。限定された状況でそうであると明記されない限り、コポリマーが所与のコモノマーを所与の量で含有する反応混合物の生成物ではないことは当然の結果として生じる。用語「ダイポリマー」は、2種のモノマーから本質的になるポリマーを意味する。
本明細書で0.870より大きい反発係数(COR)を有する熱可塑性樹脂組成物が提供される。好ましい熱可塑性樹脂組成物は、有機酸または有機酸の塩、酸コポリマーのアイオノマー、および、任意選択的に、フィラーを含む。しかしながら、熱可塑性樹脂組成物がフィラーを含むとき、そのCORは、以下に詳細に議論される理由で0.830より大きい、0.845より大きい、または0.850より大きい。
酸コポリマー
本明細書に記載される熱可塑性樹脂組成物を製造するために使用される酸コポリマーは、好ましくは「直接」酸コポリマーである。「直接」コポリマーでは、共重合モノマーは、ポリマー骨格またはポリマー鎖の一部である。対照的に、グラフトコポリマーでは、別のコモノマーが、多くの場合その後のフリーラジカル反応によって、既存のポリマー鎖中の非末端の繰り返し単位に結合させられる。
本明細書に記載されるような他の成分と組み合わせられるとき、エチレンの共重合コモノマーと、約18〜約24重量%のC3〜C8のα,βエチレン系不飽和カルボン酸の共重合コモノマーとから本質的になるエチレンダイポリマーは、熱可塑性樹脂組成物がフィラーをさらに含む場合、0.830または0.845または0.850より大きい、熱可塑性樹脂組成物がフィラーを含まない場合、0.860または0.870より大きい反発係数を有する熱可塑性樹脂組成物を調製するために特に有用である。好ましくは、ダイポリマーは、約19〜約21重量%の共重合カルボン酸を含んでもよい。
3〜C8のα,βエチレン系不飽和カルボン酸の共重合コモノマーがアクリル酸またはメタクリル酸であるダイポリマーおよびこれらのダイポリマーを含む組成物が好ましい。具体的な酸コポリマーには、エチレン/アクリル酸ダイポリマーおよびエチレン/メタクリル酸ダイポリマーが含まれる。より好ましくは、ダイポリマーは19〜20重量%の共重合メタクリル酸、または約21重量%の共重合アクリル酸を含んでもよい。
エチレン/アクリル酸ダイポリマーは、アクリル酸が等重量のメタクリル酸より多い酸部分を提供するため注目すべきである。
高レベルの酸のエチレン酸ダイポリマーは、米国特許第5,028,674号明細書に記載されているような「共溶媒技術」を用いて、またはより低い酸レベルのコポリマーが製造され得る圧力より幾分高い圧力を用いることによって製造され得る。
ダイポリマー樹脂は、2160g重量を使用して190℃で約300g/10分〜約550g/10分のメルトインデックス・フローレートを有するダイポリマー樹脂などの、2160g重量を使用して190℃で、約200g/10分〜約600g/10分の範囲の、またはそれ以上のメルトインデックス・フローレートを有する。
アイオノマー
未変性の溶融加工可能なアイオノマーは、当該技術分野で公知の方法によって上記の酸コポリマーから製造され得る。「未変性の」とは、アイオノマーが、非ブレンドアイオノマーの特性を改質する目的のために添加される任意の材料とブレンドされていないことを意味する。アイオノマーには、部分中和された酸コポリマー、特にエチレンとアクリル酸またはメタクリル酸との共重合から製造されたコポリマーが含まれる。未変性アイオノマーは、有用な物理的特性を持たない加工しにくい(溶融加工できない)ポリマーをもたらさない任意のレベルまで中和されてもよい。好ましくは、約15〜約90%、より好ましくは約50〜約75%の酸コポリマーの酸部分がカルボキシレート基を形成するために中和される。カルボキシレート基のための好ましい対イオンには、アルカリ金属陽イオン、アルカリ土類金属陽イオン、遷移金属陽イオン、およびこれらの金属陽イオンの2種以上の組み合わせが含まれる。
より具体的には、未変性アイオノマーに有用な陽イオンには、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム、もしくは亜鉛、またはこれらの陽イオンの2種以上の組み合わせが含まれる。マグネシウム陽イオンまたはカルシウム陽イオンが好ましい。
有機酸および塩
好適な有機酸には、限定なしに、4〜36個の炭素原子を有する脂肪族の一官能性有機酸であって、最長炭素鎖がC1〜C8のアルキル基から独立して選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換されていてもよい有機酸が含まれる。有機酸は飽和であってもまたは不飽和であってもよく、不飽和である場合、2個以上の炭素−炭素二重結合を含んでもよい。用語「一官能性」は、1個のカルボン酸部分を有する酸を意味する。好適な有機酸には、C4〜C36(例えばC18)、より特にC6〜C26、さらにより特にC6またはC12またはC16〜C24酸が含まれる。
好適な有機酸の具体的な例には、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリル酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘン酸、エルカ酸、オレイン酸、イソオレイン酸、およびリノール酸が挙げられる。パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エルカ酸、ベヘン酸、およびそれらの混合物などの天然由来の有機脂肪酸もまた用いられてもよい。
当該技術分野で周知であるように、商用グレードの有機酸には、様々なより少ない量の多数の構造的に異なる有機酸を含んでもよい。本明細書で用いるところでは、限定された状況で特に明記しない限り、名前を挙げられた酸を含む組成物はまた、商用グレード中のそれらのレベルに比例するレベルで、商用グレードの名前を挙げられた酸中に存在する他の酸を含んでもよい。さらに、移行用語「から本質的になる」が名前を挙げられた酸を含む組成物に適用されるとき、商用グレード中のそれらのレベルに比例するレベルで、商用グレードの名前を挙げられた酸中に存在する他の酸は、組成物から排除されない。
注目すべき飽和酸には、ステアリン酸およびベヘン酸が含まれる。飽和の線状の有機酸(ステアリン酸およびベヘン酸などの)は、たった1個のCH3(メチル)を含み、CH(メテニル)部分を全く含まない酸である。
不飽和の線状有機酸(例えばオレイン酸およびエルカ酸)は、たった1個のCH3部分および少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を有する酸である。それらは、上述の炭素カウント限界内の、任意の数のCH2(メチレン)基を含む。モノ不飽和酸は1個の炭素−炭素二重結合を含有する。オレイン酸、エルカ酸およびリノール酸を含むがそれらに限定さらない、16〜24個の炭素原子を有する線状の不飽和(多不飽和を含む)有機酸に注目すべきである。(とりわけ)オレイン酸などの天然由来の有機脂肪酸、およびそれらの混合物が使用されてもよい。オレイン酸は、商品名INDUSTRENE 106もしくはINDUSTRENE 206(PMC Biogenix(Middlebury,CT))またはPRIOLENE 6900もしくはPRIOLENE 6910(Croda Uniqema(New Castle,DE))で商業的に入手可能である。
酸の最長炭素鎖が1〜3個のC1〜C8のアルキル置換基、好ましくはメチル基で置換されている酸は、本明細書では分岐酸と言われる。飽和の分岐有機酸は、少なくとも1個のCH(メテニル)部分と少なくとも2個のCH3(メチル)部分とを含む酸である。酸の最長炭素鎖が1個のC1〜C8のアルキル基で置換されている飽和の分岐脂肪酸に注目すべきである。イソオクタデカン酸または16−メチルヘプタデカン酸としても知られる、C18の飽和の分岐有機酸イソステアリン酸などの、好ましくは6〜24個の炭素原子を有する、飽和の分岐有機酸にも注目すべきである。
不飽和の分岐酸は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合、少なくとも2個のCH3(メチル)部分および少なくとも1個のCH(メテニル)部分を含む酸である。それらは、上述の分子量限界内で、任意の数のCH2(メチレン)基を含んでもよい。酸の最長炭素鎖が1個のC1〜C8のアルキル基で置換されている不飽和の分岐有機酸に注目すべきである。イソオレイン酸として知られるC18のモノ不飽和のメチル分岐有機酸などの、好ましくは6〜24個の炭素原子を有する、不飽和の分岐有機酸にも注目すべきである。
酸コポリマーまたはアイオノマーと溶融ブレンドされるときに有機酸(および塩)が低い揮発性を有することは有用である可能性があるが、高い名目中和レベル、特に100%より上のブレンドを調製するときには揮発性は制限的ではないことが分かった。100%の名目中和(すなわち、コポリマーおよび有機酸中の全酸部分が名目上中和されるように十分な塩基性化合物が加えられる)で、または過剰の中和剤の使用が100%よりもさらに大きい名目中和レベルをもたらすとき、これらの成分の揮発性は重要ではない。従って、C4およびC6の酸などの、より低い分子量の有機酸が使用されてもよい。しかしながら、有機酸(または塩)は非揮発性および非移行性であることが好ましい。非揮発性とは、それらが有機酸と酸コポリマーまたはアイオノマーとの溶融ブレンディングの温度で有意に蒸発しないまたは昇華しないことを意味する。非移行性とは、酸が周囲温度での通常の貯蔵条件下にポリマー物品の表面にブルームしないことを意味する。
好ましくは有機酸は、その中和されていないまたは遊離酸形態で組成物に加えられる有機酸の量を基準にして、アイオノマーと有機酸塩との総重量の約5重量%〜約60重量%、より好ましくは、約30〜約50重量%または約35〜約46重量%で存在する。有機酸の実質的に全てが中和されて塩を形成する場合、これらの重量百分率の上限が超えられる可能性があることは理解される。
有機酸塩用の好適なおよび好ましい陽イオンは、アイオノマーに関して上述された通りである。再び、マグネシウム塩またはカルシウム塩が好ましい。
アイオノマー組成物の製造方法
溶融加工可能な変性アイオノマーブレンドは、カルボン酸コポリマーまたはアイオノマーと、有機酸またはそれの塩と、酸コポリマーおよび有機酸の総計酸部分を中和することができる少なくとも1種の塩基性化合物との混合物を加熱することによって製造され得る。例えば、組成物の成分は、
(a)それらを加工しにくい(溶融加工できない)ようにするレベルまで中和されていない上記のようなエチレンα,β−エチレン系不飽和C3~8カルボン酸コポリマーまたはそれのアイオノマーを、上記のような1種以上の有機酸またはそれらの塩と溶融ブレンドする工程と、同時にまたは後で
(b)約120%〜約200%以上の名目中和レベルを達成するのに十分である量の、酸コポリマー中および有機酸中の酸部分を中和することができる塩基性化合物を加える工程と
によって混合されてもよい。
この手順は、溶媒などの不活性希釈剤を用いる必要がない。この方法での塩基性化合物での酸コポリマーおよび有機酸の処理は、本明細書に記載される組成物がアイオノマー単独についての溶融加工性および特性の損失をもたらすであろうものよりも高いレベルまで中和されることを可能にする。例えば、有機酸とブレンドされた酸コポリマーは、溶融加工性を失うことなく120%を超えるレベルまで名目上中和されてもよい。また、120%を超える名目中和は有機酸の揮発性を下げる。
あるいはまた、酸コポリマーまたは未変性の溶融加工可能なアイオノマーは、当該技術分野で公知の任意の方法で有機酸または塩および他のポリマーとブレンドされてもよい。例えば、成分の塩コショウ・ブレンドが製造され、次に押出機で溶融ブレンドされてもよい。
溶融加工可能な酸コポリマー/有機酸または塩ブレンドは、溶融混合などの、当該技術分野で公知の方法によって塩基性化合物で処理されてもよい。例えば、Werner & Pfleiderer二軸スクリュー押出機を用いて酸コポリマーと有機酸とを混合し、同時に塩基性化合物と処理してもよい。混合は、成分が均質混合され、塩基性化合物が酸性部分を中和するように行われることが望ましい。
酸コポリマーおよび有機酸中の酸性基を中和するために必要とされる塩基の量は、化学量論原理によって決定されてもよい。塩基との反応のための標的とされるブレンド中の酸コポリマーおよび有機酸中の酸部分の量は、本明細書では「%名目中和」または「%名目上中和される」と言われる。このように、全体で、示されるレベルの名目中和が達成され得るように十分な塩基性化合物がブレンドに利用可能にされる。約120%〜約150%、約150%〜約180%、または約150%〜約200%の名目中和レベルに注目すべきである。
好適な塩基性化合物には、リチウム、ナトリウムもしくはカリウムなどの、アルカリ金属、遷移金属イオンおよび/またはアルカリ土類金属ならびにかかる陽イオンの混合物または組み合わせの化合物が含まれる。それらには、アルカリ金属のイオンのギ酸塩、酢酸塩、硝酸塩、炭酸水素塩、炭酸塩、酸化物、水酸化物またはアルコキシド、ならびにアルカリ土類金属および遷移金属のイオンのギ酸塩、酢酸塩、硝酸塩、酸化物、水酸化物またはアルコキシドが含まれる。水酸化マグネシウムを含む、相当するギ酸塩、酢酸塩、水酸化物、酸化物、アルコキシド等々の、マグネシウムまたはカルシウムイオンの塩基性化合物に注目すべきである。
湿気を含む任意の過剰な揮発分を除去するための真空ポートを備えた押出機でブレンディング/中和プロセスを行うことが望ましい。湿気は、過剰の湿気および揮発分が成形品中に望ましくない発泡および空洞を生成する可能性があるという点において、その後の成形操作に悪影響を及ぼす可能性がある。
組成物の全部塩(「全部塩」はカルボキシレート陰イオンの全モル数に等しいモル数である)が少なくとも約75当量%のマグネシウム対イオンまたはカルシウム対イオンを含む組成物に注目すべきである。他の陽イオンが存在してもよいが、ブレンドされた最終アイオノマー組成物中のマグネシウム塩またはカルシウム塩の当量百分率は、ブレンドされた組成物中に存在する全塩を基準にして、好ましくは少なくとも約75当量%、より好ましくは少なくとも約80当量%、最も好ましくは少なくとも約90当量%である。
塩基性化合物は、酸コポリマーまたはそれのアイオノマーおよび有機酸またはそれの塩にニートで加えられてもよい。塩基性化合物はまた、酸コポリマーまたはそれのアイオノマーおよび有機酸またはそれの塩に加えられてもよい「マスターバッチ」を形成するために、酸コポリマーなどのポリマー材料とプレミックスされてもよい。注目すべきマスターバッチは、エチレンと、アクリル酸またはメタクリル酸と、任意選択的にアルキルアクリレート(ここで、アルキル基は1〜4個の炭素原子を有する)との約40〜60重量%のコポリマーと;上記のような約40〜60重量%の塩基性化合物(例えば、Mg(OH)2)とを含む。マスターバッチを含むかもしくはそれから調製された組成物にも注目すべきである。マスターバッチを含むかもしくはそれから調製される好ましい組成物は、
(1)16〜22個の炭素原子を有する約30〜約50重量%の少なくとも1種の脂肪族の不飽和有機酸と;
(2)(a)約200〜約600g/10分のメルトインデックスを有する、エチレンと、エチレン酸コポリマーの総重量を基準にして18〜24重量%のアクリル酸またはメタクリル酸の共重合コモノマーとから本質的になる約30〜約60重量%のエチレン酸コポリマー;
または(b)約50〜約200g/10分のメルトインデックスを有する、エチレンと、エチレン酸コポリマーの総重量を基準にして18〜24重量%のアクリル酸またはメタクリル酸の共重合コモノマーとから本質的になる約30〜約60重量%のエチレン酸コポリマーのどちらかと;
(3)エチレンと、コポリマーの総重量を基準にして5〜10重量%のアクリル酸またはメタクリル酸と、コポリマーの総重量を基準にして15〜30重量%の(ブチルアクリレートなどの)アルキルアクリレート(ここで、アルキル基は1〜4個の炭素原子を有する)との約5〜15重量%のコポリマーと
を含み、
(1)、(2)および(3)の量は組成物の総重量を基準にしており、そして
(1)および(2)および(3)の総計酸部分は約120%〜約200%のレベルまで名目上中和されている。
他の成分
本組成物は、ポリマー材料に使用するための添加剤を含む少量の任意の材料をさらに含んでもよい。好適な添加剤の例には、限定なしに、可塑剤、粘度安定剤および加水分解安定剤を含む安定剤、例えばIRGANOX 1010などの一次および二次酸化防止剤、紫外線吸収剤および安定剤、帯電防止剤、染料、顔料もしくは他の着色剤、難燃剤、滑剤、加工助剤、スリップ添加剤、シリカもしくはタルクなどの粘着防止剤、剥離剤、および/またはそれらの混合物が挙げられる。追加の任意の添加剤には、下記のような無機フィラー;例えばHoneywellワックスAC540などの、酸コポリマーワックス;増白剤として使用される、TiO2;蛍光増白剤;界面活性剤;および有用であるがゴルフボール性能および/または受け入れに決定的に重要であるわけではないとゴルフボール製造の技術分野で知られる他の成分が含まれる可能性がある。多くのかかる添加剤は、Kirk Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第5版、John Wiley & Sons(Hoboken、2005年)に記載されている。
これらの添加剤は、それらが組成物の基本的および新規特性を損なわず、かつ、組成物または組成物から製造されるゴルフボールの性能に有意に悪影響を及ぼさない限り、全組成物の0.01〜15重量%、好ましくは0.01〜10重量%、または0.01〜5重量%であってもよい量で組成物中に存在してもよい。
本組成物へのかかる通常成分の任意の組み込みは、任意の公知の方法によって、例えば、乾式ブレンディングによって、様々な成分の混合物を押し出すことによって、通常のマスターバッチ技法などによって実施されてもよい。
フィラー
様々な任意のフィラーは、コストを下げるために、レオロジーの、混合および密度、曲げ弾性率、硬度(例えば、ショアD)、および/またはメルト−フローインデックス等々の物理的特性に影響を与えるために、重量を増やすかまたは減らすために、および/または材料を強化するために組成物に添加されてもよい。用いられるフィラーの量は主として、ゴルフボールの重量要件および重量分布の関数である。フィラーは、ゴルフボール層の特性を調節する、層を強化するために、または任意の他の目的のために使用されてもよい。
例えば、組成物は、当該技術分野で公知であるように、広範囲の密度調節フィラー、例えば、セラミックス、ガラス球(中実または中空、およびフィラーを含むまたはフィラーを含まない)、および繊維、無機粒子、ならびに金属フレーク、金属粉末、酸化物、およびそれらの誘導体などの、金属粒子とブレンドすることによって強化されてもよい。
フィラーは、前記の成分の組成物に追加の密度を付与することによって、ゴルフボールの重量を修正して要求される限界を満たすために使用されてもよい。フィラーは、コアまたは中間層などの、ゴルフボールの1つ以上の層も含められてもよく、その選択は、下により十分に詳述されるような、所望のゴルフボールのタイプ(すなわち、ツーピース、糸巻きまたは多層)に依存する。
フィラーは、約4グラム/立方センチメートル(g/cc)から、または約5g/ccから、約10g/cc以上の密度を有する、無機化学製品であってもよいし、組成物の総重量を基準にして0〜約60重量%の量で存在してもよい。有用なフィラーの例には、チタン、タングステン、アルミニウム、ビスマス、ニッケル、モリブデン、鉄、鋼、鉛、銅、真ちゅう、ホウ素、炭化ホウ素、ウィスカー、青銅、コバルト、ベリリウム、亜鉛などの金属、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化アルミニウム、酸化スズ、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化亜鉛および酸化ジルコニウムを含む金属酸化物、ならびに他の周知の相当する塩およびそれらの酸化物が挙げられる。他の好ましいフィラーには、硫酸バリウム、ケイ酸鉛、炭化タングステン、石灰石(細かくした炭酸カルシウム/マグネシウム)、硫酸亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、粘土、タングステン、シリカ、およびこれらのいずれかの混合物が含まれる。好ましくは、フィラー材料は非反応性であるかまたはほとんど非反応性である。硫酸バリウムおよびタングステン粉末フィラーに注目すべきである。約19.3g/ccの比重を有する結晶性タングステン粉末は、Alldyne Powder Technologies、Kulite Tungsten CorporationまたはBuffalo Tungsten Incorporatedから入手可能である。
フィラーは、引き延ばされてもよい繊維およびフロックを除いて、細分された形態で、例えば、約20メッシュ米国基準サイズより小さい、好ましくは約100メッシュ〜約1000メッシュのサイズで用いられてもよい。フロックおよび繊維サイズは望ましくは、加工を容易にするのに十分に小さい。フィラー粒度は、所望の効果、コスト、添加の容易さ、および発塵留意事項に依存する可能性がある。
フィラーが特定の組成物に使用されるとき、反発係数(COR)は、下記のように、フィラーによるポリマーの容積置換におおよそ比例して低下するであろう。例えば、所望の比重を提供するために5容量%のフィラーが使用される場合、フィラーを含む組成物から製造された球体のCORは、フィラーを含まない組成物から製造された匹敵する球体のCORの約95%である可能性がある。
本明細書に記載される組成物でタングステンがフィラーとして使用されるとき、直径約1.53インチの球体のCORは、フィラーを含む組成物中に存在するタングステンの量に依存して、相当するフィラーを含まない組成物から製造された同じサイズの球体と比較して約0.015〜0.020低下する可能性がある。従って、本明細書で提供される熱可塑性樹脂組成物は、フィラーを含むとき、0.830より大きい、0.845より大きい、または0.850より大きいCORを有する。
(1)16〜22個の炭素原子を有する約30〜約50重量%の少なくとも1種の脂肪族の不飽和有機酸と;
(2)(a)約200〜約600g/10分のメルトインデックスを有する、エチレンと、エチレン酸コポリマーの総重量を基準にして18〜24重量%のアクリル酸またはメタクリル酸の共重合コモノマーとから本質的になる約30〜約60重量%のエチレン酸コポリマー;
または(b)約50〜約200g/10分のメルトインデックスを有する、エチレンと、エチレン酸コポリマーの総重量を基準にして18〜24重量%のアクリル酸またはメタクリル酸の共重合コモノマーとから本質的になる約30〜約60重量%のエチレン酸コポリマーのどちらかと;
(3)エチレンと、コポリマーの総重量を基準にして5〜10重量%のアクリル酸またはメタクリル酸と、コポリマーの総重量を基準にして15〜30重量%の(ブチルアクリレートなどの)アルキルアクリレート(ここで、アルキル基は1〜4個の炭素原子を有する)との約5〜約15重量%のコポリマーと;
任意選択的に0.1〜10、0.1〜5、または0.1〜3容量%のフィラーと
を含む90〜99.9容量%、95〜99.9容量%、または97〜99.9容量%のブレンドを含むかもしくはそれから調製される組成物であって、
(1)、(2)および(3)の量はブレンドの総重量を基準にしており、そして(1)および(2)および(3)の総計酸部分は約120%〜約200%のレベルまで名目上中和されている組成物を含むかもしくはそれから製造されるゴルフボールに注目すべきである。
膨張剤または発泡剤
本組成物は、少なくとも1種の物理的または化学的膨張剤または発泡剤の添加によってまたはポリマー、セラミック、金属、およびガラス微小球とブレンドすることによって発泡されてもよい。発泡ポリマーの使用は、ゴルフボール設計者がボールの密度または質量分布を調節して慣性の角度モーメント、従って、ボールのスピン速度および性能を調整することを可能にする。発泡材料はまた、ポリマー材料の減少した使用のためにコスト削減の可能性を提供する。
有用な膨張剤または発泡剤には、アゾビスホルムアミド;アゾビスイソブチロニトリル;ジアゾアミノベンゼン;N,N−ジメチル−N,N−ジニトロソテレフタルアミド;N,N−ジニトロソペンタメチレン−テトラミン;ベンゼンスルホニル−ヒドラジド;ベンゼン−1,3−ジスルホニルヒドラジド;ジフェニルスルホン−3,3−ジスルホニルヒドラジド;4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド;p−トルエンスルホニルセミカルバジド;アゾジカルボン酸バリウム;ブチルアミンニトリル;ニトロソウレア;トリヒドロジノトリアジン;フェニル−メチル−ウレタン;p−スルホンヒドラジド;過酸化物などの有機膨張剤;ならびに重炭酸アンモニウムおよび重炭酸ナトリウムなどの無機膨張剤が含まれるが、それらに限定されない。空気、窒素、二酸化炭素等々のガスもまた、射出成形プロセス中に本組成物中へ注入されてもよい。
発泡組成物は、成形プロセス中または前のどちらかに微小球を組成物とブレンドすることによって形成されてもよい。直径が約1000マイクロメートル以下のポリマー、セラミック、金属、およびガラス微小球が有用であり、中実または中空であってもおよびフィラーを含んでも含まなくてもよい。
発泡組成物から製造されたコアまたはセンターを含むボールなどの、発泡組成物を含む物品に注目すべきである。ゴルフボールに加えて、かかるボールには、ベースボールおよびソフトボールが含まれる。射出成形または圧縮成形のどちらかが、発泡ポリマー材料を含む層またはコアを形成するために用いられてもよい。
本明細書に記載される組成物は、下記のようなゴルフボール用のコアまたは中間層を含む、様々な成形品へ射出成形されてもまたは圧縮成形されてもよい。例えばしかし限定ではなく、射出成形条件には、表Aに示されるような温度、圧力およびサイクル時間が含まれてもよい。
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ゴルフボール構成
本明細書に記載される組成物は、いかなるタイプのボール構成で使用されてもよい。ゴルフボールは、2つの一般的クラスに分けられてもよい:糸巻きおよびソリッド。糸巻きゴルフボールは、張力を受けるエラストマーのより糸様材料の巻線で取り囲まれた、ソリッド、中空、もしくは流体封入センターまたはコアと、カバーとを含む。早期の糸巻きボールは3パーツ(センター、巻線およびカバー)を有したので、糸巻きボールはまた、たとえ追加の層が存在していても、「スリーピース」ボールと言われてもよい。ソリッドゴルフボールには、ワンピース、ツーピース(すなわち、ソリッドコアおよびカバー)、ならびに多層(すなわち、1つ以上の層のコア、1つ以上の中間層および/または1つ以上の層のカバー)ゴルフボールが含まれる。本明細書で用いるところでは、用語「ソリッドゴルフボール」にはまた、1つ以上のソリッド層で取り囲まれた中空または流体封入センターを含むボールが含まれる。
ゴルフボールは、任意のサイズの全径を有しもよい。United States Golf Association(米国ゴルフ協会)(「USGA」)仕様は、コンペティションゴルフボールの最小サイズを1.680インチに制限しているが、最大直径についての仕様は全くない。しかしながら、任意のサイズのゴルフボールがリクリエーション競技のために使用されてもよい。現在のゴルフボールの直径は、1.7〜約1.95インチ、好ましくは約1.68インチ〜約1.80インチ、より好ましくは約1.68インチ〜約1.76インチ、最も好ましくは約1.68インチ〜約1.74インチであってもよい。好ましくは、コアおよび全中間層の全径は、完成ボールの全径の約80パーセント〜約98パーセントである。
ゴルフボールは通常、それらの空気力学的性能に影響を及ぼすために表面輪郭削りを有する。この表面輪郭削りは、別の方法でゴルフボールの球状表面中へ成形された複数の小さい、浅いくぼみ(「ディンプル」)によって具体化され得る。様々なディンプル模様および輪郭の使用は、ゴルフボールの空気力学的特性を改質するための比較的有効な方法を提供する。ディンプルは、ボールの飛行特性を改質するための多数の模様のどらか一つで配置されてもよい。例えば、ゴルフボールの表面輪郭削りは、米国特許第6,213,898号明細書に開示されているなどの通常のディンプル模様、米国特許第4,560,168号明細書に記載されているなどの20面体系の模様、または米国特許第4,960,281号明細書に記載されているなど8面体系のディンプル模様であってもよい。ディンプル模様の例には、下記が挙げられる。
ゴルフボールは、約362個のディンプルからできた20個の三角形を含みそして、多分金型分割線を除いて、いかなるディンプルとも交差しない大きい円を持たない20面体ディンプル模様を有しもよい。大きい三角形のそれぞれは、好ましくは、各側面に沿って奇数のディンプル(7)を有し、小さい三角形は、各側面に沿って偶数のディンプル(4)を有する。ディンプルを適切にパックするために、大きい三角形は、小さい三角形より9個多いディンプルを有する。ボールは、全体で5つの異なるサイズのディンプルを有しもよい。大きい三角形の側面は、4つの異なるサイズのディンプルを有してもよく、小さい三角形は2つの異なるサイズのディンプルを有する。
ゴルフボールは、3個の異なるディンプルを含む大きい三角形と、たった1つの直径のディンプルを有する小さい三角形との20面体ディンプル模様を有しもよい。392個のディンプルと、いかなるディンプルとも交差しない1つの大きな円とがあってもよい。6つ以上の代わりのディンプル直径が使用されてもよい。
ゴルフボールは、約440個のディンプルからできた8個の三角形と、いかなるディンプルとも交差しない3個の大きい円とを含む8面体ディンプル模様を有しもよい。8面体模様では、この模様は、小さい三角形の内側におよびそれに隣接して最小三角形に形成された第3セットのディンプルを含む。ディンプルを適切にパックするために、大きい三角形は、小さい三角形より9個多いディンプルを有し、小さい三角形は、最小三角形より9個多いディンプルを有する。ボールは、ボールの表面一面に分配された6つの異なるディンプル直径を有する。大きい三角形は、5つの異なるディンプル直径を有し、小さい三角形は3つの異なるディンプル直径を有し、最小三角形は2つの異なるディンプル直径を有する。
あるいはまた、ディンプル模様は、米国特許第6,338,684号明細書に記載されているなどの、葉序パターンに従って配置されてもよい。ディンプル模様はまた、切頂8面体、大きな菱形立方8面体、切頂12面体、および大きな菱形20・12面体を含む、Archimedean(アルキメデス)パターンをベースとしてもよく、ここで、この模様は、米国特許出願第10/078,417号明細書に開示されているように、非線形分割線を有する。ゴルフボールを打つ瞬間に最適インパクトを提供するための様々なサイズの複数のディンプルからなる、別のディンプル模様は、米国特許出願公開第2006/0276267号明細書に開示されている。ゴルフボールはまた、米国特許第6,409,615号明細書に開示されているように、非円形の無定形ディンプルでカバーされていてもよい。
高い百分率の表面被覆率を提供するディンプル模様が好ましく、当該技術分野ではよく知られている。例えば、米国特許第5,562,552号明細書、同第5,575,477号明細書、同第5,957,787号明細書、同第5,249,804号明細書、および同第4,925,193号明細書は、ゴルフボール上にディンプルを配置するための幾何学模様を開示している。ゴルフボールは、少なくとも約60パーセント、または少なくとも約65パーセント、または少なくとも70パーセント以上のカバー表面積のディンプル被覆率を有しもよい。さらにより高いディンプル被覆率値を有するディンプル模様もまた使用されてもよい。従って、ゴルフボールは、少なくとも約75パーセント以上、約80パーセント以上、またはさらには約85パーセント以上のディンプル被覆率を有しもよい。
様々なサイズのディンプルを有するディンプル模様の幾つかの非限定的な追加の例はまた、米国特許出願第09/404,164号明細書および米国特許第6,213,898号明細書に提供されている。
ボール上のディンプルの総数、またはディンプル・カウントは、ディンプルのサイズおよび選択される模様などの要因に依存して変わってもよい。ボール上のディンプルの総数は約100〜約1000ディンプルであってもよいが、当業者は、この範囲内の異なるディンプル・カウントがボールの飛行性能を著しく変える可能性があることを認めるであろう。例えば、ディンプル・カウントは約380ディンプル以上、または約400ディンプル以上、または約422ディンプルなどの、約420ディンプル以上であってもよい。場合によっては、ボール上により少ないディンプル、例えば、約380ディンプル以下または約350ディンプル以下のディンプル・カウントを有することが望ましい可能性がある。
その対称軸の周りに懸垂曲線を周回させるディンプル輪郭は、空気力学的効率を増大させ、ディンプル模様を変えることなしにディンプルを変えてボール性能を調整するための便利な方法を提供し、あらゆるスイング速度のゴルファーのために一様に増加した飛行距離をもたらす可能性がある。従って、米国特許出願第09/989,191号明細書に開示されているような、懸垂曲線ディンプル輪郭が使用されてもよい。
あるいはまた、ゴルフボールの表面輪郭削りは、米国特許第6,290,615号明細書に開示されているものなどの、チューブ状格子模様などの非ディンプル模様を有しもよい。
任意の表面輪郭削りまたはディンプル模様は、本明細書に記載されるゴルフボールのために考慮され、これらの参考文献に開示されるディンプル模様に限定されない。
ほとんどのゴルフボールは、それらの構成中に材料の同心層を含む。ゴルフボールの少なくとも1つの層が本明細書に記載される組成物を含むゴルフボールが考慮される。例えば、本組成物は、ダブルコア(内部コアおよび外側コアなどの2つのパーツまたは層を含むコア)、中間層、および/またはダブルカバー(内部カバーおよび外側カバーなどの2つのパーツまたは層を含むカバー)を有するゴルフボールを含む、ツーピース、糸巻き、および多層ゴルフボールデザインのコアまたはセンターに使用されてもよい。当業者に公知であるように、構成されるゴルフボールのタイプ、すなわち、ダブルコア、ダブルカバーなどは、ボールの望まれる性能のタイプに依存する。本明細書で用いるところでは、用語「層」は、ゴルフボールの任意の実質的に球形のまたは球対称の部分、すなわち、コアまたはセンター、中間層、および/またはカバーを包含する。本明細書で用いるところでは、用語「内部層」は、ゴルフボールの最外構造層下の任意のゴルフボール層を意味する。ボールは、例えば、ウレタンラッカーでコートされても、外観目的のために塗装されてもまたは別の方法で仕上げられてもよいが、かかるコーティング、塗装および/または仕上げは一般に、ボールの性能特性に有意な影響を及ぼさない。それ故、ゴルフボールの表面またはカバーに適用されるコーティング、ペイント層、トップコート、仕上げ剤などは、本明細書で用いられるような用語「層」または「構造層」の意味内ではない。本明細書で用いるところでは、用語「多層」は、数を明記することなく、コア、中間層およびカバーを含む少なくとも3つの構造層を有するゴルフボールを意味する。
ゴルフボールの最外構造層はカバーとして知られ、それは、ボールとクラブとのインターフェイスを提供する。カバーにとって望ましい特性は、とりわけ、良好な成形性、高い耐摩耗性、高い引裂強度、高い弾力、および良好な離型性である。
カバーは、アイオノマー樹脂、バラタゴムまたは熱硬化性/熱可塑性ポリウレタン等々の任意の通常のゴルフボールカバー材料から製造されてもよく、表面輪郭削りまたはディンプル模様を含む。カバーは、ツーピースゴルフボールについては熱可塑性または熱硬化性コア一面に、糸巻きゴルフボールについては熱可塑性または熱硬化性センター周りの巻線一面に、または多層ゴルフボールの最外層としてカバー組成物を射出または圧縮成形することによって製造され得る。
カバーは、十分な強度、良好な性能特性、および耐久性を提供するための厚さを有する。例えば、カバー層は、厚さが約0.005インチ〜約0.35インチ、または約0.02インチ〜約0.35インチであってもよい。カバーは、約0.02インチ〜約0.12インチ、または約0.1インチ以下の厚さを有しもよい。外側カバー層は、約0.02インチ〜約0.07インチまたは、約0.02インチ〜約0.05インチ、約0.02インチ〜約0.045インチ、約0.025〜約0.04インチ、または約0.03インチ厚さなどの、約0.05インチ以下の厚さを有しもよい。
ポリウレタンカバーのために使用されるプレポリマーは、ポリエーテル、ポリカプロラクトン、ポリカーボネートまたはポリエステルなどの、少なくとも1種のポリオールと、少なくとも1種のイソシアネートとを化合させることによって製造される。熱硬化性ポリウレタンは、少なくとも1種のポリウレタンプレポリマーを、ポリアミン、トリオールまたはテトラオールから選択される硬化剤で硬化させることによって得られる。熱可塑性ポリウレタンは、少なくとも1種のポリウレタンプレポリマーを、ジオール硬化剤で硬化させることによって得られる。ジオールおよび/またはジオールのブレンドで硬化させられる幾つかのウレタンエラストマーは、ゴルフボールカバーに望まれる耐衝撃性のウレタンエラストマーを生成しない可能性があるので、硬化剤の選択は重要である可能性がある。ポリアミン硬化剤をジオール硬化ウレタンエラストマー調合物とブレンドすると、改善された耐衝撃性および耐カット性の熱硬化性ウレタンが提供され得る。
本明細書の他の場所で議論されるように、カバー組成物は、キャスティング、圧縮成形、射出成形、反応射出成形などによってなど、任意の公知の方法でゴルフボール上へ成形されてもよい。当業者は、用いられる成形法が組成物の特性によって少なくとも部分的に決定される可能性があることを認めるであろう。例えば、キャスティングは、材料が熱硬化性であるとき好ましい可能性があるが、圧縮成形または射出成形は熱可塑性樹脂組成物にとって好ましい可能性がある。
ゴルフボールの最内層は、センターまたはコアとして知られている。コアは、ソリッド、セミ−ソリッド、中空、ガスまたは液体などの流体封入、粉末封入であっても、または金属層を有してもよい。それは、ワンピースまたは多成分コアであってもよい。用語「セミ−ソリッド」は、本明細書で用いるところではペースト、ゲルなどを意味する。当業者に公知の任意のコア材料が本発明のゴルフボールに使用するために好適である。好適なコア材料には、ゴム、スチレンブタジエン、ポリブタジエン、イソプレン、ポリイソプレン、トランス−イソプレンなどの、熱硬化性材料と、アイオノマー樹脂、ポリアミドまたはポリエステル、ならびに熱可塑性および熱硬化性ポリウレタンまたはポリウレアエラストマーなどの熱可塑性樹脂とが含まれる。好ましくは、コアは、本明細書に記載されるような組成物から製造され得る。
ソリッドコアは、実質的に球形のまたは球対称のソリッドへ射出成形されるかまたは圧縮成形される組成物から製造される。コアは球形であってもよく、またはそれらは(例えば、中心部分ならびに複数の突起および/またはくぼみを含む)より複雑な球対称の形状を有しもよい。例えばしかし限定ではなく、複雑な形状のコアは、米国特許出願公開第2004/0209705号明細書に開示されている。コアは、プラズマ処理、コロナ放電、化学的処理によって処理されたまたは機械的に処理された表面であってもよい。
コアは、カバーおよび任意の追加の層の厚さがコアの直径に加えられて所望のサイズ、例えば、直径が少なくとも約1.68インチのゴルフボールを提供するような平均直径を有する。ゴルフボールのコアはまた、ボールの残りに対して極めて大きくてもよい。例えば、コアは、ボールの約90%〜約98%、またはボールの約94%〜約96%を構成してもよい。コアの直径は約1.54インチ以上、約1.55インチ以上、約1.59インチ以上、または約1.64インチ以下であってもよい。コアは、約0.09インチ〜約1.65インチ、約1.2インチ〜約1.630インチ、約1.3インチ〜約1.6インチ、約1.39インチ〜約1.6インチ、約1.5インチ〜約1.6インチ、または約1.55インチ〜約1.65インチの平均直径を有しもよい。
コアが内部コア層と外側コア層とを含むとき、内部コア層は好ましくは約0.9インチ以上であってもよく、外側コア層は好ましくは約0.1インチ以上の厚さを有する。内部コア層は約0.09インチ〜約1.2インチの直径を有してもよく、外側コア層は約0.1インチ〜約0.8インチの厚さを有しもよい。内部コア層直径は約0.095インチ〜約1.1インチであってもよく、外側コア層は約0.20インチ〜約0.03インチの厚さを有しもよい。
通常のコア材料には、天然または合成ゴムを含むベースゴム、架橋剤、フィラー、および共架橋剤または開始剤が含まれる。ベースゴムの例は、少なくとも40%のシス−構造を有する1,4−ポリブタジエンである。好ましくは、ベースゴムは高Mooney粘度ゴムを含む。必要ならば、ポリブタジエンはまた、コアの特性を改質するために天然ゴム、ポリイソプレンゴムおよび/またはスチレン−ブタジエンゴムなどの当該技術分野で公知の他のエラストマーと混合されてもよい。架橋剤には、アクリル酸またはメタクリル酸などの3〜8個の炭素原子を有する不飽和脂肪酸の亜鉛塩またはマグネシウム塩などの不飽和脂肪酸の金属塩が含まれてもよい。好適な架橋剤には、金属がマグネシウム、カルシウム、亜鉛、アルミニウム、ナトリウム、リチウムまたはニッケルである金属塩ジアクリレート、ジメタクリレートおよびモノメタクリレートが含まれる。架橋剤は、ゴムの百部当たり約15〜約30部、好ましくはゴムの百部当たり約19〜約25部、最も好ましくはゴムの百部当たり約20〜約24部の架橋剤の量で存在してもよい。コア組成物はまた、要望に応じて、ポリブタジエンのシス−異性体の一部をトランス−異性体に変換するために少なくとも1種の有機または無機シス−トランス触媒を含んでもよい。開始剤は、硬化サイクル中に分解する任意の公知の重合開始剤であってもよい。好適な開始剤には、ジクミルペルオキシド、1,1−ジ−(t−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、α,α−ビス−(t−ブチルペルオキシ)−ジイソプロピルベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルペルオキシ)ヘキサンまたはジ−t−ブチルペルオキシドおよびそれらの混合物などの過酸化物化合物が含まれる。
カバーとコアとの間の中間層はまた、「マントル」、「内部カバー」、「外側コア」、「エンベロープ層」または「境界層」としても知られていてもよい。これらの中間層は、コアの周りに実質的に球形のまたは球対称のシェルを形成してもよい。例えば、中間層は、コアの外面および/またはカバーの内面中などの、ゴルフボールの他の層中の任意の突起および/またはくぼみを補完する複数の突起および/またはくぼみを有しもよい。「マントル」または「境界層」は、カバー層の内面と接触した、例えば、厚さ約0.20インチ〜約0.075インチの比較的薄い層を意味してもよい。
中間層は、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと酢酸ビニル、アクリルエステルまたはフッ化ビニリデンとのコポリマー、シングル−サイト触媒またはメタロセン触媒を使用して製造されるポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンコポリマーおよびホモポリマーなどのポリオレフィン、ポリフェニレンエーテル、エチレンメチルアクリレート、エチレンエチルアクリレート、エチレン酢酸ビニル、エチレンメタクリル酸、エチレンアクリル酸、プロピレンアクリル酸などのコポリマー、ポリ(ヘキサメチレンアジパミド)およびジアミンと二塩基酸とから製造される他のもの、およびポリ(カプロラクタム)などのアミノ酸からのものなどのポリアミド、ならびに、ポリアミド/アイオノマーブレンド、ポリフェニレンエーテル/アイオノマーブレンドなどを含む、上記のいずれかの混合物などのアイオノマー材料および/または非アイオノマー材料を含んでもよい。他の好適な材料には、熱可塑性または熱硬化性ポリウレタン、熱可塑性ブロックポリエステル、例えば、銘柄HYTRELでE.I.du Pont de Nemours & Co.(Wilmington,DE)(「DuPont」)によって販売されるものなどのポリエステルエラストマー、または熱可塑性ブロックポリアミド、例えば、銘柄名PEBAXでArkema S.A.(Paris,France)によって販売されるものなどのポリエーテルアミド、2種以上の非アイオノマーの熱可塑性エラストマーのブレンド、または1種以上のアイオノマーと1種以上の非アイオノマーの熱可塑性エラストマーとのブレンドが含まれるが、それらに限定されない。これらの材料は、より多い量のアイオノマーの使用に対してコストを低減するためにアイオノマーとブレンドされてもよい。好ましくは、マントルまたは中間層は、本明細書に記載される組成物から製造され得る。
中間層に使用されるアイオノマーは、エチレン酸コポリマーのいわゆる「低酸」および「高酸」アイオノマーのどちらか、ならびにそれらのブレンドを含んでもよい。一般に、未中和エチレン酸コポリマーの総重量を基準にして約15%以下の共重合酸基を含む酸コポリマーを中和することによって製造されるアイオノマーは「低酸」アイオノマーと考えられるが、約15%超の酸を含むものは「高酸」アイオノマーと考えられる。
低酸アイオノマーは高スピンを付与すると考えられる。従って、中間層は、酸が約10〜15重量%で存在する低酸アイオノマーを含んでもよく、かつ任意選択的に、よりソフトなターポリマーを製造するために、共重合した軟化コモノマー、例えば、イソーまたはn−ブチルアクリレートを含む。
低スピン速度および最大距離のために、中間層は、少なくとも1種の高酸アイオノマーを含んでもよい。これらの高弾性率アイオノマー中には、アクリル酸またはメタクリル酸が約16重量%、または約17〜約25重量%、または約18.5パーセント〜約21.5重量%などの、約15〜約35重量%の共重合カルボン酸で存在する。追加の共重合コモノマーがまた、よりソフトなターポリマーを製造するために含められてもよい。
低酸アイオノマーまたは高酸アイオノマーのどちらかで、追加のコモノマーは、酸が2〜10個の炭素原子を有する脂肪族カルボン酸のビニルエステル、アルキル基が1〜10個の炭素原子を含有するビニルエーテル、およびアルキル基が1〜10個の炭素原子を含有するアルキルアクリレートまたはメタクリレートからなる群から選択されてもよい。好適な軟化コモノマーには、酢酸ビニル、イソ−またはn−ブチルアクリレート、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレートなどのアクリレートエステルが含まれる。
その結果として、高弾性率アイオノマーを製造するための使用に好適な多数のコポリマーの例には、エチレン/アクリル酸コポリマー、エチレン/メタクリル酸コポリマー、エチレン/イタコン酸コポリマー、エチレン/マレイン酸コポリマー、エチレン/メタクリル酸/酢酸ビニルコポリマー、エチレン/アクリル酸/ビニルアルコールコポリマーなどの高酸実施形態が挙げられるが、それらに限定されない。
中間層はまた、結合材と結合材中に分配された間隙材料とから形成されてもよく、ここで、中間層の有効な材料特性は独特にも、ボールの表面に垂直に加えられる力についてボールの表面に接線方向に加えられる力とは異なる。このタイプの中間層の例は、米国特許出願第10/028,826号明細書に開示されている。間隙材料は、中間層からコア中へ伸びてもよく、またはそれはカバー中に埋め込まれても、もしくはカバーの内面と接触しても、もしくはカバー中にのみ埋め込まれてもよい。
少なくとも1つの中間層はまた、米国特許第5,820,488号明細書に記載されているものなどの、防湿層であってもよい。防湿層は、ボールのコアと外面との間の他の層、すなわち、カバー、プライマー、およびクリアコートよりも低い水蒸気透過速度を有する任意の好適な材料であってもよい。防湿層は、ボールが100°Fおよび70%相対湿度で6週間貯蔵される場合に、防湿層を含まない、同じタイプのコアおよびカバーを有し、かつ、実質的に同一の条件下に貯蔵されるゴルフボールのCORの損失と比べてゴルフボールのCORの損失を少なくとも5%だけ低減するのに十分に低い水蒸気透過速度(MVTR)を有する可能性がある。例えば、防湿層用の材料は、100%RHおよび約38℃でASTM F1249に従って測定されたときに100(ミル・gm)/(m2・日)未満のMVTRを有する可能性がある。
あるいはまた、防湿層は、室温(約20〜25℃)で90日間50%相対湿度(RH)への暴露後に、2.0%未満の増量、好ましくは1.6%以下の増量、より好ましくは1.3%以下の増量、または1.2%以下の増量、または1.0%以下の増量、または0.8%以下の増量、および/または0.55%以下の増量を有する材料から製造され得る。
ゴルフボールの中間層についての厚さの範囲は、中間層を、すなわち、外側コア層、内部カバー層、糸巻き層、防湿/蒸気バリア層として使用するときの多くの可能性のために大きい。本発明のゴルフボールに使用されるとき、中間層、または内部カバー層は、厚さ約0.3インチ以下を有しもよい。中間層の厚さは約0.002インチ〜約0.1インチ、好ましくは約0.01インチ以上であってもよい。中間層の厚さは約0.09インチ以下、好ましくは約0.06インチ以下であってもよい。中間層厚さは約0.05インチ以下、より好ましくは約0.01インチ〜約0.045インチであってもよい。あるいはまた、中間層厚さは約0.02インチ〜約0.04インチ、または約0.025インチ〜約0.035インチ、または約0.035インチ厚さ、または約0.03インチ〜約0.035インチ厚さである。中間層および外側カバー層についてのこれらの範囲の厚さの様々な組み合わせが、本明細書に記載される他の実施形態と組み合わせて用いられてもよい。
中間層対カバー層の厚さの比は、約10以下、または約3以下、または約1以下であってもよい。コアおよび中間層は一緒に、1.68インチボールについて約1.48インチ以上、または約1.52インチ以上の直径を好ましくは有する内部ボールを形成する。1.68インチボールの内部ボールは、約1.66インチ以下の直径を有しもよい。1.72インチ(またはそれ以上の)ボールは、約1.50インチ以上、または約1.70インチ以下の内部ボール直径を有しもよい。
ゴルフボールはまた、中間層の表面の約20パーセント〜約80パーセントをカバーしてもよい、米国特許第6,383,092号明細書に開示されているような、中間層上に配置された複数のピラミッド形突起を有しもよい。ゴルフボールは、複数のピラミッド形突起の幾つかが赤道の周りに配置されることを可能にする非平面状の分割線を有しもよい。かかるゴルフボールは、ピラミッド形突起のより大きい一様性を可能にする、米国特許出願第09/442,845号明細書に開示されている金型を用いて製造され得る。
ポリウレタンまたはポリウレア組成物から製造されたカバーと;本明細書に記載されるような組成物から製造されたコアまたは中間層とを含むゴルフボールに注目すべきである。アイオノマー組成物から製造されたカバーと;本明細書に記載されるような組成物から製造されたコアまたは中間層とを含むゴルフボールにも注目すべきである。
ツーピースゴルフボールの好ましい実施形態
ツーピースボールは、カバーがコア一面に射出または圧縮成形される周知の技法によって製造される。ツーピースボールのコアは、実質的に球形のまたは球対称の所望のサイズおよび形状のソリッドを、所望のコア密度を提供するのに十分なフィラーで任意選択的に充填されている本明細書に記載される熱可塑性樹脂組成物から射出または圧縮成形することによって製造される。望ましいコア密度は、PGAによって設定された重量制限(45グラム)を満たすゴルフボールを製造するために、コアの直径とカバーの厚さおよび組成に依存して、例えば、約1.14g/cc〜約1.2g/ccであってもよい。
ポリウレタンまたはポリウレア組成物から製造されたカバーと;本明細書に記載されるような組成物から製造されたコアとを含むゴルフボールに注目すべきである。アイオノマー組成物から製造されたカバーと;本明細書に記載されるような組成物から製造されたコアとを含むゴルフボールにも注目すべきである。
糸巻きゴルフボールの好ましい実施形態
糸巻きボールは、例えば、米国特許第4,846,910号明細書に記載されているような周知の技法によって製造される。糸巻きボールのセンターまたはコアは、所望のサイズおよび形状のソリッド(任意選択的にセミ−ソリッド、中空、流体封入、または粉末封入)を、USGA重量制限を満たすゴルフボールを製造するために、センターの直径、巻線、ならびにカバーの厚さおよび組成に依存して所望のセンター密度を提供するのに十分なフィラーで任意選択的に充填されている上記の熱可塑性樹脂組成物から射出または圧縮成形することによって製造される。センターのサイズおよび形状は、それにエラストマー材料を巻き付けることができるようなものである。巻線は、糸巻きゴルフボールに通常使用される任意のエラストマー材料であってもよく、センターの周りに巻き付けられる。カバーが次に巻線一面に射出または圧縮成形される。中間層が巻線とカバー層との間に使用されてもよい。
張力を受けるエラストマー材料には、上に議論されたポリブタジエン反応生成物が含まれてもよい。それはまた、通常のポリイソプレン、またはポリウレア組成物から形成されてもよい。米国特許第6,149,535号明細書に開示されているような、溶媒紡糸ポリエーテルウレアは、複合より糸でより小さい断面積を達成するのに有用である可能性がある張力を受けるエラストマー材料を形成するために使用されてもよい。張力を受けるエラストマー層は、米国特許出願第09/842,829号明細書に開示されているように、約10,000kpsi以上の引張弾性率を有する高張力フィラメントであってもよい。張力を受けるエラストマー層は結合材でコートされてもよく、結合材は、米国特許出願第09/841,910号明細書でのように、活性化されたときにコアおよびそれ自体に付着し、張力を受けるエラストマー層のより糸を膨潤させ、この層の断面積を少なくとも約5パーセントだけ増加させるであろう。
ポリウレタンまたはポリウレア組成物を含むかまたはそれから製造されたカバーと;本明細書に記載されるような組成物から製造されたコアまたは中間層とを有する糸巻きゴルフボールに注目すべきである。アイオノマーを含むかまたはアイオノマー組成物から製造されたカバーと;本明細書に記載されるような組成物から製造されたコアまたは中間層とを有する糸巻きゴルフボールにも注目すべきである。
多層ゴルフボールの好ましい実施形態
多層ゴルフボールは、カバーおよびコアに加えて、マントルまたは中間層としても知られる、少なくとも1つの追加の層をカバーとコアとの間に有する。多層ボールは、射出または圧縮成形されたコアが射出または圧縮成形によって1つ以上の中間層またはマントルとカバーとでカバーされる周知の技法によって製造される。ボールの様々な層(すなわち、コア、マントル、および/または中間層)は、任意の所望のまたは要求される重量制限を満たすゴルフボールを提供するのに十分なフィラーで任意選択的に充填されている本明細書に記載される熱可塑性樹脂組成物から所望のサイズまたは厚さの球体または層を射出または圧縮成形することによって製造される。コアおよび/またはマントル中のフィラーの量は、構成要素のサイズ(厚さ)およびボール中の重量の望ましい配置に依存して0〜約60重量%と変わってもよい。好ましくは、ボールが1.14gm/ccの総合密度を有するように十分なフィラーが使用される。フィラーは、コア中に使用されてもマントル中に使用されなくても、マントル中に使用されてもコア中に使用されなくても、または両方中に使用されてもよい。可能な組み合わせについて限定することを意図しないが、例には、
1.カバーとして有用であることが当該技術分野で知られている任意の組成物でできたカバーを有する、所望の重量のゴルフボールを提供するために調整されるフィラーを含むまたは含まない、本明細書に記載されるような組成物を含むコア;
2.所望の重量のゴルフボールを提供するために調整されるフィラーを含むまたは含まない、少なくとも1つのマントル、およびカバーとして有用であることが当該技術分野で知られている任意の組成物でできたカバーを有する、多層ゴルフボールコアに使用される、所望の重量のゴルフボールを提供するために調整されるフィラーを含むまたは含まない、本明細書に記載されるような組成物を含むコア;
3.完成ゴルフボールの重量が要求される限界を満たすという条件でフィラーを含むまたは含まない、本明細書に記載されるような組成物を含む中間層を有する、完成ゴルフボールの重量が要求される限界を満たすという条件でフィラーを含むまたは含まない、(ポリブタジエンゴムなどの熱硬化性樹脂組成物を含む)任意の組成物でできたコア
が挙げられる。
ポリウレタン組成物から製造されたカバーと;本明細書に記載されるような組成物から製造されたコアとを含み、少なくとも1つの追加の中間層をさらに含むゴルフボールに注目すべきである。アイオノマー組成物から製造されたカバーと;本明細書に記載されるような組成物から製造されたコアとを含み、少なくとも1つの追加の中間層をさらに含むゴルフボールにも注目すべきである。ポリウレタン組成物から製造されたカバーと;コアとを含み、本明細書に記載されるような組成物から製造された少なくとも1つの追加の中間層をさらに含むゴルフボールにも注目すべきである。アイオノマー組成物から製造されたカバーと;コアとを含み、本明細書に記載されるような組成物から製造された少なくとも1つの追加の中間層をさらに含むゴルフボールにも注目すべきである。
成形後に、製造されたゴルフボールは、米国特許第4,911,451号明細書に開示されるなどの、バフ研磨、塗装、コーティング、表面処理およびさらなる利益のためのマーキングなどの様々なさらなる処理工程を受けてもよい。保護および装飾コーティング材料、ならびにかかる材料をゴルフボールカバーの表面に適用する方法は、ゴルフボール技術分野ではよく知られている。かかるコーティング材料は、ウレタン、ウレタンハイブリッド、エポキシド、ポリエステルおよびポリアクリレートを含む。必要ならば、2つ以上のコーティング層が使用されてもよい。コーティング層は、米国特許第5,849,168号明細書に記載されているような、金型内コーティング方法などの、当業者に公知の任意の好適な方法によって適用されてもよい。
白さを強調するための通常の技法は、二酸化チタンで白色色調のカバーを形成すること、カバーをコロナ処理、プラズマ処理、UV処理、火炎処理、または電子ビーム処理のような表面処理にかけること、および蛍光増白剤を含有してもよい、クリヤー塗料の1つ以上の層を塗布することである。
ゴルフボールカバーは頻繁に、所望の色特性を達成するために蛍光物質および/または染料もしくは顔料を含有する。ゴルフボールはまた、米国特許出願公開第2002/0082358号明細書に開示されているような、向上した耐候性および輝度を提供するために蛍光増白剤として7−トリアジニルアミノ−3−フェニルクマリンの誘導体を含む、ベース樹脂塗料で処理されてもよい。
加えて、商標または他の表示が、ゴルフカバーの外面上に、刻印されてもよく、すなわち、パッド印刷されてもよく、刻印された外面は、ボールに光沢のある仕上げを与え、かつ、カバー上に刻印された表示を保護するために少なくとも1つのクリアコートで処理されてもよい。ゴルフボールはまた染料昇華にかけられてもよく、ここで、少なくとも1つのゴルフボール構成要素は少なくとも1種の昇華インクにさらされ、昇華インクは深い所で外面中へ移行しそして表示を形成する。この昇華インクは、米国特許出願第10/012,538号明細書に記載されているようにアゾ染料、ニトロアリールアミン染料、またはアントラキノン染料の少なくとも1種を含んでもよい。
レーザー光照射部分を変色させるゴルフボールの選択された表面部分のレーザーマーキングがまた、米国特許第5,248,878号明細書および同第6,075,223号明細書に開示されているように考慮される。加えて、ゴルフボールは切除、すなわち、レーザー放射線のビームをカバーの一部分上へ導く工程、カバー部分を照射する工程にかけられてもよく、ここで、照射されたカバー部分は切除されて検出可能なマークを形成し、カバー部分の有意の変色はそれによって全く生じない。切除は、米国特許出願第09/739,469号明細書で議論されている。
性能基準のための材料の選択
ゴルフボールの硬度、弾性率、圧縮、弾力、コア直径、中間層厚さおよびカバー厚さなどの特性は、ゴルフボールのスピン、初速度および感触などのプレー特性に影響を及ぼすことが分かった。
ゴルフボールの構成および所望の特性に依存して、コア、中間層、およびカバーは、所望の性能特性を達成するために異なる弾力、圧縮または硬度を有しもよい。本明細書に記載される組成物は、ゴルフボール内で弾力、圧縮、弾性率または硬度勾配を有するゴルフボールを製造するのに有用である可能性がある。
初速度およびCOR
本明細書に記載される組成物は、反発係数(COR)によって示されるような調整された弾力性を提供する。反発係数(COR125)は、初速度が測定される地点から3フィートに配置された鋼板に向けて125フィート/秒の初速度で直径1.50〜1.68インチである球体を発射し、板からの跳ね返りの速度を初速度で割ることによって測定され得る。幾つかの初速度でCORを測定し、相関関係を作成し、この相関関係に基づいて指定の初速度でのCORを求められ得る。CORは、単一組成物から製造された球体または2つ以上の層を有する球体(例えば、完成ゴルフボール)について測定されてもよい。当業者は、CORが1.0超であることができないことを認めるであろう。
本明細書に記載される組成物は非常に弾力がある、すなわち、それらは高いCOR値を示す。フィラーを含まない組成物から製造された球体について、組成物は、本明細書に記載されるCOR方法に従って測定されるときに約0.860または約0.870〜約0.90以上のCOR測定結果を提供する。当該範囲内のいかなるCOR値も「高いCOR」と考えられ得る。上に示されたように、フィラーの存在は、試験球体の容積のうちの樹脂分画の容積の減少におおよそ比例してCORを低下させる。本明細書に記載される組成物は、フィラーを含有するとき、約0.83より大きい、例えば約0.830もしくは約0.845もしくは約0.850〜約0.86、またはそれ以上のCORを有する。
USGAは、球体をメカニカルヘッドで打ち、ボールの初速度を、それが2つの光ビームを通過するときに測定することによって弾力性を評価している。USGAは、ゴルフボールのCORに関して現行制限を全く持たないが、ゴルフボールの初速度が250±5フィート/秒(ft/s)を超えることができないことを要求している。従って、ゴルフボールの初速度は約245ft/s以上、または約250ft/s以上、または約255ft/s以上であってもよい。初速度は約253ft/s〜約254ft/s、または約255ft/sであってもよい。
初速度に関する現行規則は、ゴルフボール製造業者が公式イベントに使用するためのゴルフボールを製造するときにUSGA制限内にとどまることを要求しているが、当業者は、本明細書に記載されるゴルフボールがUSGAの規定範囲外の初速度を提供する可能性があることを認めるであろう。しかしながら、上に議論されたように、不適合ゴルフボールは、純粋なリクリエーション競技で価値を有する可能性がある。
USGAの初速度制限の結果として、目標は、255ft/s制限に違反することなくCORを最大にすることである。単一組成物から製造されたソリッド試験球体について、CORは、その硬度を含む、組成物の様々な特性に依存するであろう。CORは一般に、硬度が増加するにつれて増加するであろう。コアおよびカバーを有するツーピースソリッドゴルフボールにおいて、カバーの目的の1つは、コアのそれを超えたCORのゲインを生み出すことである。高いCORへのコアの寄与が相当なものであるとき、カバーからのより少ない寄与が必要とされる。同様に、カバーがボールの高いCORに相当寄与するとき、コアからのより少ない寄与が必要とされる。
圧縮
ゴルフボール技術分野で用いられる用語「圧縮」または「PGA圧縮」は、圧縮負荷にさらされたときにゴルフボールが受けるたわみに対する全体抵抗を定義する。圧縮は、打撃時のゴルフボールの形状の変化に対する抵抗の量を示す。それは、完成ボールについてまたは興味のある組成物から製造された試験片について測定されてもよい。PGA圧縮は、0から200の無単位の尺度をベースにしている。200からのPGA圧縮の各1−ポイント降下は、基準の力(200ポンド)がボールの外面に加えられたときにたわみの0.001インチの変化を表す。例えば、たわみを全く示さない(たわみ0.0インチ)ボールは200と格付けされ、0.1インチたわむボールは100と格付けされ、0.110インチたわむボールは90と格付けされ、0.2インチたわむボールは0と格付けされる。PGA圧縮値が低ければ低いほど、打撃時のボールの感触はよりソフトである。
PGA圧縮は、上方および下方台座付きの小さいプレスの形態に構築された装置によって測定されてもよい。ボールは、200ポンドダイスプリングに向けて静止した上方台座と、下方台座との間に置かれ、クランク機構を用いて移動可能である。下方台座がクランクによって上げられるにつれて、それは上方台座にボールを押し付け、ボールはそのとき上方台座を圧迫し、上方台座は順繰りにスプリングを圧迫する。上方台座の平衡点は、台座がボールによって0.100インチより多くたわむ場合にダイアルマイクロメーターによって測定され(より少ないたわみはゼロ圧縮と見なされる)、マイクロメーターダイアル上の読みはボールの圧縮と言われる。圧縮試験装置例は、OK Automation(Sinking Spring,PA)(以前は、Atti Engineering Corporation(Newark,NJ))によって製造されている。Federal Dial Gauge、Model D81−Cを備えた、この機械は、既知の負荷の下に較正スプリングを用いる。この機器で測定された圧縮は、「Atti圧縮」と言われてもよく、「PGA圧縮」に相当する。
圧縮を測定する他の方法が知られており、それらの方法からの圧縮値は一般に、公知のアルゴリズムによってPGA圧縮と相互に関係付けられ得る。
元々Riehle Bros.Testing Machine Company(Philadelphia,Pa.)によって製造された改良Riehle Compression Machine(Riehle圧縮機)が、ゴルフボールの様々な構成要素(すなわち、コア、マントル、カバー、完成ボールなど)の圧縮を評価するために用いられてもよい。Riehle圧縮装置は、AttiまたはPGA圧縮試験装置の200ポンドスプリング定数をエミュレートするためにデザインされた負荷下に千分の数インチの変形を測定する。AttiまたはPGA圧縮は、次の方程式によってRiehle圧縮と近似的に関係付けられ得る:
AttiまたはPGA圧縮=(160−Riehle圧縮)。
従って、100のRiehle圧縮は、60のAtti圧縮と同じものであろう。
Whitney Systems,Inc.(Chelmsford,MA)のWhitney Tester、またはInstron Corporation(Canton,MA)のInstron Deviceなどの、他の圧縮装置もまた、ゴルフボール圧縮を測定するために用いられてもよい。これらの装置は、設定された関係または式によってPGAまたはAtti圧縮と相互に関連があるかまたはそれに対応するようにデザインされている。INSTRON Device(モデル5544)を用いるゴルフボール、コア、またはゴルフボール構成要素の圧縮が測定されて、0.2lbfのプレロード+装置のシステムコンプライアンス付きで、15キップの変化率(15×103ポンド/秒)、20インチ毎分の接近速度で、Load Control Mode(負荷制御モード)で加えられる200ポンド負荷によって引き起こされるたわみ(インチ単位)である。INSTRON装置を用いて測定される圧縮値は、約0.1〜約0.2の範囲である可能性がある。
ゴルフボールについての弾力と圧縮との組み合わせは、INSTRON装置によって測定された圧縮と弾力(COR)測定結果とを合計し、この値に1000を掛けることによって求められる、「Nes Factor」によってまとめられてもよい。それは、よりソフトであるがより弾力のある組成物の最適組み合わせを表す。
弾力の別の尺度は、物体の動剛性を測定するときに得られる、「損失正接」またはtanΔである。損失正接およびかかる動的特性に関係する専門用語は典型的には、ASTM D4092−90に従って記載される。従って、より低い損失正接は、より高い弾力性を示し、それによってより高い跳ね返り能力を示す。低い損失正接は、クラブからゴルフボールに与えられたエネルギーのほとんどが動的エネルギー、すなわち、発進速度および結果として生じるより長い距離に変換されることを示す。ゴルフボールの剛さまたは圧縮剛性は、例えば、その動剛性によって測定されてもよい。より高い動剛性は、より高い圧縮剛性を示す。望ましい圧縮剛性のゴルフボールのためには、材料の動剛性は、−50℃で約50,000N/m未満、例えば、−50℃約10,000〜40,000N/m、または−50℃で約20,000〜30,000N/mであるべきである。
硬度
カバー硬度対内部ボール硬度の比は、ボールの空気力学、特に、ボールのスピンを制御するために用いられる主要変数である可能性がある。一般に、内部ボールが硬ければ硬いほど、ドライバースピンは大きくなり、カバーがソフトであればあるほど、ドライバースピンは大きくなる。
例えば、中間層はボールの中で最も硬い構造であることが意図されてもよい。外側カバー層が中間層または内部カバー層よりソフトであるとき、外側カバー材料のショアD硬度対中間層材料のそれの比は、約0.8以下、または約0.75以下、または約0.7以下、または約0.5以下、または約0.45以下であってもよい。カバー層と中間層との硬度差がかなりなものであることが意図されないとき、カバーは約55ショアD〜約65ショアDの硬度を有してもよく、外側カバー対中間層のショアD硬度の比は約1.0以下、または約0.9以下である。カバー層が中間層より硬いとき、カバー層のショアD硬度対中間層のそれの比は、約1.0〜約1.33、または約1.0〜約1.14であってもよい。
ツーピースボールが構成されるとき、コアはカバーよりソフトであってもよい。例えば、コア硬度は約30ショアD〜約50ショアDの範囲であってもよく、カバー硬度は約50ショアD〜約80ショアDであってもよい。カバー硬度とコア硬度との比は約1.75以下、または約1.55以下であってもよい。
当業者は、「材料硬度」と「ゴルフボール上で直接測定されるような、硬度」との間に根本的な違いがあることを理解している。材料硬度は、ASTM−D2240に記述されている手順によって定義され、硬度が測定されるべき材料から形成された平たいプラークの硬度を測定することを含む。硬度は、ゴルフボールまたは他の球状表面について直接測定されるとき、完全に異なる測定であり、異なる硬度値をもたらす。この差は、ボール構成(すなわち、コアタイプ、コアおよび/またはカバー層の数など)、ボール(または球体)直径、ならびに隣接層の材料組成を含むが、それらに限定されない多数の要因から生じる。2つの測定技法は線形的に関連しておらず、それ故、一硬度値は他のものと容易に相互に関連付けることができないこともまた理解されるべきである。
本明細書に記載される組成物は、成形球体について測定されるときに、少なくとも約30、好ましくは約40〜60のショアD硬度を有する。本組成物は好ましくは、標準試験プラークについて測定されるときに、約50〜65のショアD硬度を有する。
曲げ弾性率
ゴルフボールの中間層の曲げ弾性率および/または引張弾性率は、ボールの「感触」に影響を及ぼすと考えられる。本明細書に記載される組成物は、約15,000psi〜約30,000psiの曲げ弾性率を有する。
特有の弾力、圧縮、硬度および/または曲げ弾性率の組成物の選択は、所望のゴルフボールのタイプ(すなわち、ツーピース、糸巻き、または多層)、および上に詳述されたような生成ゴルフボールについて望まれる性能のタイプに大きく依存するであろう。
本明細書に記載される熱可塑性樹脂組成物は、ゴルフボールのマントル、中間層、コア、およびセンター以外の広範囲の物体に有用である可能性がある。前に議論されたように、本組成物、および任意選択的に発泡した組成物は、ゴルフボール以外のボール用のコアとして使用されてもよい。本組成物はまた、他のスポーツ用品用途に、特にゴルフシューズ滑り止め具、ゴルフクラブ銘板または差し込み、成形ゴルフクラブヘッド、クラブヘッドコーティングまたはケーシング、およびゴルフクラブヘッドの内部空洞用のフィラーなどのゴルフクラブの構成要素などに有用である可能性がある。本組成物はまた、フィラーまたは繊維で強化されたポリイミド、メチル(メタ)アクリレートコポリマー、炭素繊維強化ポリカーボネートなどの、クラブフェースに使用するための当該技術分野で教示される材料、PMMAおよび架橋性モノマーをベースにする材料、ならびに架橋合成ゴムの代わりに使用されてもよい。本組成物はまた、木材クラブヘッドに含浸させるために使用される、硬化されるアクリルモノマー、オリゴマー、ポリマーの代わりに、クラブヘッド中のゴム様弾性コアの代わりに、および成形ポリウレタンクラブヘッドの代わりに使用されてもよい。そのようなものとして、ボールと、打撃面上に取り付けられた差し込みであって、上記の組成物を含む成形品を含む前記差し込みとを打つように前面打撃面を合わせられたゴルフクラブヘッドが製造され得る。加えて、金属体と金属体の前方打撃面に固定された、上記組成物でできた差し込みプレートとを含むゴルフクラブヘッドは、溝付きで形成された外側金属層と積層される。加えて、本発明はまた、クラブヘッドがシャフトに取り付けられた状態でシャフトを有するゴルフクラブであって、クラブヘッドが上に記載されており、上記の組成物を含む構成要素を有する、ゴルフクラブを含む。
本組成物はまた、履物構造要素であり、ヒールカウンター、爪先パフ、靴底、および滑り止め具などの、履物構成のための形状支持体を提供する成形品を製造するためにも有用である可能性がある。「ヒールカウンター」は本明細書で用いるところでは、靴のヒールエリアに形状および構造を提供する堅い、曲線状の一部分を意味する。「爪先パフ」または「先芯」は本明細書で用いるところでは、靴の爪先エリアに形状および構造を提供する堅い、アーチ形の一部分を意味する。「靴底」は本明細書で用いるところでは、靴の底部に形状および構造を提供する堅い、一般に平らな一部分を意味する。これらの構造構成要素は、靴の内部構造中へ組み込まれても、着用および/または外観のための追加の構成要素でカバーされてもよい。
本明細書に記載される組成物はまた、コーキング材、シーラント、セメントおよびアスファルト用の改質剤、およびコーティングなどの非スポ−ツ用品用途にも有用である可能性がある。本組成物はまた、玩具、装飾品、および不活性材料用の容器にも有用である可能性がある。
下記の実施例は、本発明をさらに詳細に説明するために提供される。本発明を実施するために現在考えられる好ましいモードを記述する、これらの実施例は、本発明を例示すること、かつ、本発明を限定しないことを意図される。
実施例のための試験基準
反発係数(COR)は、ゴルフボールのサイズを有する樹脂の射出成形ニート球体を約60〜180fpsの範囲にわたる幾つかの速度で空気大砲から発射することによって測定した。球体は、初速度が測定される地点から3フィート離れて配置された鋼板を撃ち、初速度測定と同じ地点に置かれた速度監視装置を通って跳ね返った。各測定のCORを、跳ね返り速度対初速度の比として測定した。個別に測定されたCOR測定結果を初速度の関数としてプロットし、125fpsでのCOR(すなわち、COR125)を線形回帰によって求めた。
下記の実施例で用いるところでは、メルトインデックス(MI)は、MIの値がg/10分単位で報告されて、2160g重量を使用して190℃でASTM D1238に従って測定されるようなメルトインデックスを意味する。
本明細書で用いるところでは、材料の「ショア(Shore)D硬度」は一般に、プラークについてまたは成形球体の曲面についてのどちらかでASTM D−2240に従って測定する。多層球体のショアD硬度は、存在する全ての層で測定する。硬度測定をディンプルのある球体について行うとき、ショアD硬度は、ディンプルのある球体のランドエリアで測定する。
曲げ弾性率(Flex Modulus)は、2インチ径間長および0.50インチ/分のクロスヘッド速度の3−ポイント試験装置を用いて、ASTM D790、方法1、手順Aに従って測定した。この方法は、接線弾性率(Tangent Modulus of Elasticity)(3−ポイント曲げ弾性率)の測定を提供する。
PGA圧縮は、「Atti」試験装置を用いて当該機器のための標準手順に従って測定した。圧縮データの正確な比較のために、ボールの直径を、シミングなどの、容認された方法を用いて1.68インチ直径に補正した。
使用される原材料
EAC−1:500のMIの、20重量%のMAAのエチレンメタクリル酸(MAA)ダイポリマー。
EAC−2:305のMIの、19重量%のMAAのエチレンメタクリル酸(MAA)ダイポリマー。
EAC−3:250のMIの、19重量%のMAAのエチレンメタクリル酸(MAA)ダイポリマー。
EAC−4:300のMIの、21重量%のAAのエチレンアクリル酸(AA)ダイポリマー。
EAC−5:60のMIの、18重量%のAAのエチレンアクリル酸(AA)ダイポリマー。
EAC−6:80のMIの、15.4重量%のAAのエチレンアクリル酸(AA)ダイポリマー。
MB−1:300のMIの、6.2重量%のAAおよび28.0重量%のnBAを有するエチレンアクリル酸(AA)n−ブチルアクリレート(nBA)ターポリマー中の49重量%のMg(OH)2のMg(OH)2コンセントレート。
MB−2:500のMIの、5重量%のMAAを有するエチレンメタクリル酸(MAA)ダイポリマー中の50重量%のMg(OH)2のMg(OH)2コンセントレート。
フィラー:ATI Alldyne Powder Technologies(Huntsville,AL)、またはKulite Tungsten Corporation(East Rutherford,NJ)から入手可能な、19.3g/ccの比重の、結晶性タングステン粉末。
オレイン酸、商品名INDUSTRENE 106でPMC Biogenixからの商用グレード。
「PBR」は、通常のフィラーを含む熱硬化性ポリブタジエンゴムコアを意味する。
下の表において、「NA」は「該当なし」を意味する。
ブレンドは、次の一般的な手順に従って調製した。
Werner & Pfleiderer二軸スクリュー押出機を用いて、オレイン酸、エチレン酸ダイポリマー、および中和剤(MB−1、MB−2および/またはMg(OH)2)を溶融ブレンドした。生成ブレンドが35〜45重量%のオレイン酸を含有するような量の酸およびコポリマーを加えた。このブレンドを、有機酸および酸コポリマーの酸部分が示されるレベルまで名目上中和されるように十分なMB−1、MB−2および/またはMg(OH)2で処理した。
表2に特定されるブレンドを製造するための押出条件を表1に示す。
Figure 0005661467
ブレンドの成分を表2にまとめる。比較例C14〜16は、実施例について用いられたものに類似の手順を用いて調製された、100%未満の名目中和までMg(OH)2で中和された、より低いMIの高酸エチレンコポリマーを含むブレンドである。Mg(OH)2を粉末として直接加えた実施例3および比較例C14を除いて、Mg(OH)2はマスターバッチを使用して加えた。加えられるMg(OH)2の量は、マスターバッチ中のその濃度に関係する。「Mg(OH)2」と標示される列は、加えられたMB−1またはMB−2の量に基づいて組成物中に存在すると計算されるMg(OH)2の量を示す。「%名目中和(% Nominal Neutralization)は、ダイポリマー中に存在する酸基の量、有機酸の量、およびMg(OH)2の量から計算する。
Figure 0005661467
加えて、実施例2および8で調製された組成物にタングステンフィラーを入れた(表3)。フィラーは、ポリマー組成物を溶融させ、そしてフィラーを組み込むための条件で、二軸スクリュー押出機で添加した。フィラーは、ペレット供給で押出機の後端にまたは押出機バレルに沿った下流供給口でのどちらかで添加した。「樹脂容量%」は、非フィラー成分によって占められる組成物の総容量の百分率である。
Figure 0005661467
熱可塑性樹脂球体
組成物を、表4に示される成形条件を用いて直径1.53〜1.55インチの球体へ成形した。選択された実施例についての具体的な条件を示して、一般的な成形条件は範囲として報告する。実施例の球体を表5にまとめる。
Figure 0005661467
Figure 0005661467
球体を反発係数、PGA圧縮およびショアD硬度について試験した。組成物をまた、標準試験プラーク0.125インチ厚さへ圧縮成形し、曲げ弾性率およびショアD硬度を測定するために検体0.5インチ幅および3〜5インチ長さへカットした。サンプルを、ASTM実験室条件(73°Fおよび50%RH)で2週間順化させた。結果を表6および7に報告する。表7において、「COR損失」は、フィラーを含まない組成物とフィラーを含む組成物との間のCORの差である(実施例2と比較して実施例15および16ならびに実施例8と比較して実施例17)。
Figure 0005661467
Figure 0005661467
本発明の好ましい実施形態の幾つかが上に記載され、具体的に例示されてきたが、本発明がかかる実施形態に限定されることは意図されない。様々な修正が、以下の特許請求の範囲に記述されるように、本発明の範囲および趣旨から逸脱することなく行われる可能性がある。
次に、本発明の好ましい態様を示す。
1 コアおよびカバーならびに任意選択的に前記コアと前記カバーとの間に配置された少なくとも1つの中間層を含むゴルフボールであって、前記コアまたは存在するとき前記中間層が熱可塑性樹脂組成物を含むかもしくはそれから製造され、前記熱可塑性樹脂組成物が任意選択的にフィラーを含み;前記熱可塑性樹脂組成物が100より大きいPGA圧縮を有し;かつさらに前記熱可塑性樹脂組成物が直径1.50〜1.68インチの球体に成形されたときに反発係数を有し、前記反発係数が、初速度が測定される地点から3フィートに配置された鋼板に向けて125フィート/秒の初速度で球体を発射し、板からの跳ね返りの速度を初速度で割ることによって測定され;前記熱可塑性樹脂組成物がフィラーを含まないときに前記反発係数が0.860以上であり;前記熱可塑性樹脂組成物がフィラーを含むときに前記反発係数が0.830以上であるゴルフボール。
2 前記反発係数が0.870または0.875以上である上記1に記載のゴルフボール。
3 前記熱可塑性樹脂組成物が、
(a)4〜36個の炭素原子を有する少なくとも1種の脂肪族の一官能性有機酸であって、酸の最長炭素鎖がC 1 〜C 8 のアルキル基から独立して選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換されている有機酸と;
(b)エチレンの共重合コモノマーと、エチレン酸コポリマーの総重量を基準にして、18〜24重量%の少なくとも1種のC 3 〜C 8 のα,βエチレン系不飽和カルボン酸の共重合コモノマーとから本質的になるエチレン酸コポリマーであって、2160g重量を使用して190℃でASTM D1238に従って中和前に測定される約200〜約600g/10分のメルトインデックスを有する前記エチレン酸コポリマーと
を含むかもしくはそれらから調製され、かつ、
(a)および(b)の総計酸部分が約120%〜約200%のレベルまで名目上中和されている
上記1または2に記載のゴルフボール。
4 前記有機酸が全組成物の約35〜約46重量%で存在する上記1〜3のいずれか一項に記載のゴルフボール。
5 前記有機酸が16〜24個の炭素原子を有する線状の不飽和有機酸を含む上記1〜4のいずれか一項に記載のゴルフボール。
6 前記有機酸がオレイン酸を含む上記1〜5のいずれか一項に記載のゴルフボール。
7 前記C 3 〜C 8 のα,βエチレン系不飽和カルボン酸がアクリル酸もしくはメタクリル酸またはアクリル酸とメタクリル酸との組み合わせである上記1〜6のいずれか一項に記載のゴルフボール。
8 前記熱可塑性樹脂組成物がフィラーを含む;またはゴルフボールがポリウレタン組成物もしくはアイオノマー組成物から製造されたカバーを有する上記1〜7のいずれか一項に記載のゴルフボール。
9 前記フィラーがタングステン、硫酸バリウム、チタンまたは酸化亜鉛を含む上記1〜8のいずれか一項に記載のゴルフボール。
10 前記コアが熱可塑性樹脂組成物を含む上記1〜9のいずれか一項に記載のゴルフボール。
11 前記任意の中間層を含む上記1〜10のいずれか一項に記載のゴルフボールであって、前記任意の中間層が熱可塑性樹脂組成物を含むゴルフボール。
12 熱可塑性樹脂組成物であって、
(a)C 1 〜C 8 のアルキル基から独立して選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換された、4〜36個の炭素原子を有する少なくとも1種の脂肪族の一官能性有機酸と;
(b)2160g重量を使用して190℃でASTM D1238に従って測定される約200〜約600g/10分のメルトインデックスを有する、エチレンの共重合コモノマーと、エチレン酸コポリマーの総重量を基準にして、18〜24重量%の少なくとも1種のC 3 〜C 8 のα,βエチレン系不飽和カルボン酸の共重合コモノマーとから本質的になるエチレン酸コポリマーと;任意選択的に
(c)フィラーと
を含むかもしくはそれらから調製され、
(a)および(b)の総計酸部分が約120%〜約200%のレベルまで名目上中和されている、組成物。
13 100より大きいPGA圧縮および直径1.50〜1.68インチの球体を形成し、初速度が測定される地点から3フィートに配置された鋼板に向けて125フィート/秒の初速度で球体を発射し、板からの跳ね返りの速度を初速度で割ることによって測定される反発係数を有する上記12に記載の組成物であって、
組成物がフィラーを含まないときに前記反発係数が0.860以上であり;
組成物がフィラーを含むときに前記反発係数が0.830以上である
組成物。

Claims (4)

  1. コアおよびカバーならびに任意選択的に前記コアと前記カバーとの間に配置された少なくとも1つの中間層を含むゴルフボールであって、前記コアまたは存在するとき前記中間層が熱可塑性樹脂組成物を含むかもしくはそれから製造され;前記熱可塑性樹脂組成物が100より大きいPGA圧縮を有し;かつさらに前記熱可塑性樹脂組成物が直径3.81〜4.27センチメートル(1.50〜1.68インチの球体に成形されたときに反発係数を有し、前記反発係数が、初速度が測定される地点から0.9メートル(3フィートに配置された鋼板に向けて38.1メートル/秒(125フィート/秒の初速度で球体を発射し、板からの跳ね返りの速度を初速度で割ることによって測定され;前記反発係数が0.860以上であり;前記熱可塑性樹脂組成物が、
    (a)4〜36個の炭素原子を有する少なくとも1種の脂肪族の一官能性有機酸であって、C1〜C8のアルキル基から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい有機酸と、
    (b)エチレンの共重合コモノマーと、エチレン酸コポリマーの総重量を基準にして、18〜24重量%の少なくとも1種のC3〜C8のα,βエチレン系不飽和カルボン酸の共重合コモノマーとから本質的になるエチレン酸コポリマーであって、2160gを使用して190℃でASTM D1238に従って中和前に測定される200〜600g/10分のメルトインデックスを有する前記エチレン酸コポリマーと
    を含むかもしくはそれらから調製され、かつ、
    (a)および(b)の総計酸部分が120%〜200%のレベルまで名目上中和されているゴルフボール。
  2. コアおよびカバーならびに任意選択的に前記コアと前記カバーとの間に配置された少なくとも1つの中間層を含むゴルフボールであって、前記コアまたは存在するとき前記中間層が熱可塑性樹脂組成物を含むかもしくはそれから製造され、前記熱可塑性樹脂組成物がフィラーを含み;前記熱可塑性樹脂組成物が100より大きいPGA圧縮を有し;かつさらに前記熱可塑性樹脂組成物が直径3.81〜4.27センチメートル(1.50〜1.68インチの球体に成形されたときに反発係数を有し、前記反発係数が、初速度が測定される地点から0.9メートル(3フィートに配置された鋼板に向けて38.1メートル/秒(125フィート/秒の初速度で球体を発射し、板からの跳ね返りの速度を初速度で割ることによって測定され;前記反発係数が0.830以上であり;前記熱可塑性樹脂組成物が、
    (a)4〜36個の炭素原子を有する少なくとも1種の脂肪族の一官能性有機酸であって、C1〜C8のアルキル基から独立して選択される1〜3個の置換基で置換されていてもよい有機酸と、
    (b)エチレンの共重合コモノマーと、エチレン酸コポリマーの総重量を基準にして、18〜24重量%の少なくとも1種のC3〜C8のα,βエチレン系不飽和カルボン酸の共重合コモノマーとから本質的になるエチレン酸コポリマーであって、2160gを使用して190℃でASTM D1238に従って中和前に測定される200〜600g/10分のメルトインデックスを有する前記エチレン酸コポリマーと
    を含むかもしくはそれらから調製され、かつ、
    (a)および(b)の総計酸部分が120%〜200%のレベルまで名目上中和されているゴルフボール。
  3. 熱可塑性樹脂組成物であって、
    (a)C1〜C8のアルキル基から独立して選択される1〜3個の置換基で任意選択的に置換された、4〜36個の炭素原子を有する少なくとも1種の脂肪族の一官能性有機酸と;
    (b)2160g重量を使用して190℃でASTM D1238に従って測定される200〜600g/10分のメルトインデックスを有する、エチレンの共重合コモノマーと、エチレン酸コポリマーの総重量を基準にして、18〜24重量%の少なくとも1種のC3〜C8のα,βエチレン系不飽和カルボン酸の共重合コモノマーとから本質的になるエチレン酸コポリマーと;任意選択的に
    (c)フィラーと
    を含むかもしくはそれらから調製され、
    (a)および(b)の総計酸部分が120%〜200%のレベルまで名目上中和されている、組成物。
  4. エチレンと、アクリル酸またはメタクリル酸と、アルキルアクリレート(ここで、アルキル基は1〜4個の炭素原子を有する)とのコポリマーをさらに含む、請求項3に記載の組成物。
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