JP3377049B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、柔軟性、反撥弾性に優
れた熱可塑性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、ゴ
ルフボールのカバー材及び/又はコアー材として、ある
いはワンピースボール材料として好適な熱可塑性樹脂組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ゴルフボールの製造は従来、コア材とし
てポリブタジエンのような熱硬化型ゴムが使用されてい
るため、煩雑でコストがかかるという難点があった。こ
のような難点を改善するため、ポリアミド系もしくはポ
リエステル系の熱可塑性エラストマーと、エチレン系ア
イオノマーと、エポキシ基含有化合物とからなるゴルフ
ボール材料として好適な熱可塑性樹脂組成物がWO92
/12206において提案されている。このような組成
物は、反撥弾性及び耐久性に優れ、熱可塑性であるが故
に、射出成形によって効率良くゴルフボールコアやワン
ピースボールが製造できる点に魅力がある。該公報にお
ける典型的な配合組成は、主要成分として熱可塑性エラ
ストマーと硬質アイオノマーを用いるものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般にゴルフボールの
打球感やボールコントロールの向上のために柔軟な材料
が好まれるが、上記した典型的な配合処方で柔軟化する
には、熱可塑性エラストマーの使用割合を増やす必要が
あり、ボールが高価なものとなってくる。柔軟化を図る
別法として、硬質アイオノマーの一部又は全部を、柔軟
なエチレン・(メタ)アクリル酸・(メタ)アクリル酸
エステル共重合体のアイオノマーで置き換える方法が考
えられるが、柔軟性を重視すると反撥弾性の少なからざ
る低下を招き、商品価値の高いゴルフボールを製造する
ことができなかった。
【0004】そこで本発明者らは、熱可塑性エラストマ
ーを多量に使用することなく、柔軟でしかも反撥弾性の
優れた樹脂組成物を得るべく検討を行った。その結果、
エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体のけん
化物を一配合成分として使用するときに所望の効果を得
ることができ、しかもゴルフボールとしての打撃試験に
おいても反撥弾性や初連度の面から優れた性能を有して
いることを見出すに至った。従って本発明の目的は、ゴ
ルフボール材料として好適な、柔軟にして反撥弾性の優
れた樹脂組成物を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性ポリ
エステルエラストマー及び熱可塑性ポリアミドエラスト
マーから選ばれる熱可塑性エラストマー(A)20〜9
0重量部、エチレン共重合体アイオノマー(B)10〜
80重量部及びエポキシ基含有化合物(C)1〜20重
量部((A)+(B)の合計100重量部に対し)から
なり且つ前記エチレン共重合体アイオノマー(B)の
0〜50重量%は、エチレン・(メタ)アクリル酸エス
テル共重合体のけん化物であることを特徴とする熱可塑
性樹脂組成物に関する。
【0006】
【作用】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性エラ
ストマー、エチレン共重合体アイオノマー及びエポキシ
基含有化合物から成るが、エチレン共重合体アイオノマ
ーの少なくとも一部として、エチレン・(メタ)アクリ
ル酸エステル共重合体のケン化物を用いることが顕著な
特徴である。
【0007】エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共
重合体をケン化すると、該共重合体中の(メタ)アクリ
ル酸エステル単位の少なくとも一部がケン化されて(メ
タ)アクリル酸塩単位に転化される。かくして、エチレ
ン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体のケン化物
は、組成的には、エチレン・(メタ)アクリル酸共重合
体の中和物やエチレン・(メタ)アクリル酸エステル・
(メタ)アクリル酸共重合体の中和物と同じ物であると
いうのが従来の考えである。
【0008】しかしながら、前記公開公報にみられる熱
可塑性エラストマー、エチレン共重合体アイオノマー及
びエポキシ基含有化合物から成る組成物において、組成
物を柔軟なものとすると、反撥弾性がかなり大幅に低下
するという欠点がみられるが、本発明に従い、エチレン
共重合体アイオノマーの少なくとも一部として、エチレ
ン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体を使用する
と、組成物の反撥弾性を低下させることなしに、組成物
に柔軟性を付与することができる。
【0009】本明細書の比較例及び実施例を参照された
い。熱可塑性エラストマー、エチレン共重合体エラスト
マー及びエポキシ化合物から成る公知の組成物(比較例
1)は、71%という優れた反撥弾性を示すものの、曲
げ剛性が76MPaと高く、柔軟性に欠けるのが難点で
ある。この組成物に柔軟性を付与するために、エチレン
共重合体アイオノマーの一部をエチレン・(メタ)アク
リル酸エステル(メタ)アクリル酸共重合体アイオノマ
ーに置換えると(比較例2)、曲げ剛性率を50MPa
と低下させ、柔軟性を付与することができるが、この柔
軟化に伴って反撥弾性が61%と大きく低下することが
難点である。
【0010】これに対して、本発明に従い、エチレン共
重合体アイオノマーの一部として、エチレン・(メタ)
アクリル酸エステル共重合体のケン化物を使用すると
(実施例1及び2)、反撥弾性を72%と高いレベルに
維持しながら曲げ剛性率を50及び46MPaと低下さ
せて、満足すべき柔軟性を付与することができる。
【0011】かくして、本発明によれば、ゴルフボール
の打球感の改善やボールコントロールの向上の上で望ま
しい柔軟性を組成物に付与しながらボール初速度の上で
重要な反撥弾性を高いレベルに維持することが可能とな
る。
【0012】本発明において、前記組成物におけるエチ
レン共重合体アイオノマーの一部としてエチレン・(メ
タ)アクリル酸エステル共重合体ケン化物を用いること
により、前述した改良がなされるという事実は、多くの
実験の結果現象として見出されたものであり、その理由
は未だ明らかではない。しかしながら、本発明者等はそ
の理由を次のように考えている。即ち、エチレンと(メ
タ)アクリル酸との共重合、並びにエチレンと(メタ)
アクリル酸エステルとの共重合では、当然のことなが
ら、両者の単量体相対反応性比(monomer reactivity r
atios )に相違がある。かくして、最終共重合体(中和
後或いはケン化後)における単位組成比が同じであると
しても、共重合体中における(メタ)アクリル酸単位の
分布には両者の間でかなりの相違があるものと推定され
る。本発明では、この共重合体ケン化物における酸単位
の分布が前記の改善に役立っているものであろう。
【0013】
【発明の好適態様】
[熱可塑性エラストマー]本発明で用いられる熱可塑性
エラストマー(A)は、熱可塑性ポリエステルエラスト
マー又は熱可塑性ポリアミドエラストマーである。
【0014】熱可塑性ポリエステルエラストマーは、ハ
ードセグメントとして芳香族ポリエステルと、ソフトセ
グメントとしてポリオキシアルキレングリコールとを重
合単位として有するポリエステルエーテルエラストマ
ー、あるいはハードセグメントとして芳香族ポリエステ
ルと、ソフトセグメントとして脂肪族ポリエステルとを
有するポリエステルエステルエラストマーを例示するこ
とができる。前者の例において、芳香族ポリエステル重
合単位は、芳香族ジカルボン酸成分と分子量250以下
の脂肪族又は脂環族のジオール成分とから誘導されるも
のであり、代表的なものはポリエチレンテレフタレート
及びポリテトラメチレンテレフタレートである。またポ
リオキシアルキレングリコールの重合単位は、炭素数2
〜6程度のグリコールから誘導される分子量400〜6
000のものであって、代表的なものはポリオキシエチ
レングリコール及びポリオキシテトラメチレングリコー
ルである。ポリエステルエーテルエラストマー中に含ま
れるエーテルとエステルの比率(モル比)は、10〜9
0対90〜10、好ましくは20〜80対80〜20で
ある。そしてそのショアD硬度が70以下、好ましくは
30〜50である。
【0015】またポリエステルエラストマーとしては、
前記ポリエステルエーテルエラストマーのポリオキシア
ルキレングリコール単位を、脂肪族ポリエステル単位、
例えばポリテトラメチレンアジペート、ポリテトラメチ
レンセバケートの如き単位に変えた以外は同様のものが
使用できる。
【0016】ポリアミドエラストマーとしては、ハード
セグメントとしてナイロン6、ナイロン11、ナイロン
12、芳香族ポリアミドなどのポリアミド成分を有し、
ソフトセグメントとしてポリオキシテトラメチレングリ
コール、ポリオキシプロピレングリコールのようなポリ
オキシアルキレングリコールあるいは脂肪酸ポリエステ
ルなどの成分を有するブロック共重合体が使用できる。
【0017】ハードセグメントであるポリアミド成分単
位は、平均分子量が300〜15,000のものが好適
であり、またソフトセグメントとしては分子量400〜
6000のものが好適である。またポリアミドエラスト
マーとしては、固有粘度が0.8〜2.05程度のもの
が適しており、エーテル(又はエステル)とアミドの比
率(セル比)は10〜90対90〜10、好ましくは2
0〜80対80〜20であり、そのショアD硬度は60
以下、好ましくは30〜50である。
【0018】[エチレン共重合体アイオノマー]本発明
で用いられるエチレン共重合体アイオノマー(B)とし
て、その少なくとも10重量%以上、好ましくは10〜
50重量%を、エチレン・(メタ)アクリル酸エステル
共重合体のけん化物を用いる。けん化物の原料に用いる
エチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体は、エ
チレンと(メタ)アクリル酸エステルのランダム共重合
体であって、その(メタ)アクリル酸エステルの重合割
合は、通常15〜45重量%、好ましくは20〜40重
量%である。この重合割合が少ない共重合体を用いる
と、柔軟性改善効果が小さく、またその重合割合が大き
くなりすぎると柔軟性は改善されるが、反撥弾性が低下
する傾向となる。
【0019】上記共重合体における(メタ)アクリル酸
エステルは、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エス
テルを意味し、具体的にはアクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ブチ
ル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル
などを例示することができる。
【0020】前記共重合体のけん化度((メタ)アクリ
ル酸エステル成分が(メタ)アクリル酸塩成分に変化し
た割合)は、通常5〜40モル%、好ましくは10〜3
0モル%である。けん化度が僅かであると、組成物にお
ける反撥弾性が低下するし、一方、けん化を過度に行う
と柔軟性が顕著に改善されず、また樹脂の溶融粘度が高
くなり組成物の流れ性が悪くなるため、上記の如きけん
化度に調整するのが望ましい。このようなエチレン・
(メタ)アクリル酸エステル共重合体のけん化物として
は、230℃、2160g荷重におけるメルトフローレ
ートが0.01〜20g/10分、とくに0.1〜10
g/10分のものを使用するのが好ましい。
【0021】前記共重合体をけん化するには、共重合体
と苛性アルカリとを高温、例えば120〜200℃の如
き条件で反応させればよい。けん化反応に際し、苛性ア
ルカリは、水あるいは水と低級アルコール、例えばメタ
ノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プ
ロピルアルコール等との混合溶媒に溶解させて用いるの
がよい。使用する苛性アルカリの種類によって、リチウ
ム、ナトリウム、カリウムなどのイオンを有するけん化
物が得られるが、とくにリチウム又はナトリウムイオン
のけん化物を使用するのがよい。
【0022】エチレン共重合体アイオノマー(B)の一
部として、前記エチレン・(メタ)アクリル酸共重合体
のけん化物と共に、エチレンと不飽和カルボン酸のラン
ダム共重合体、あるいはエチレン、不飽和カルボン酸及
び他の共重合可能な単量体のランダム共重合体のアイオ
ノマーを用いることができる。該ランダム共重合体にお
ける不飽和カルボン酸の重合割合は通常5〜35重量
%、好ましくは10〜30重量%、一層好ましくは13
〜25重量%であり、他の共重合可能な単量体の重合割
合は通常0〜40重量%、好ましくは0〜25重量%、
一層好ましくは0〜5重量%である。ここに不飽和カル
ボン酸の好適例は、アクリル酸またはメタクリル酸であ
り、他の共重合可能な単量体の好適例としては、(メ
タ)アクリル酸エステルであり、既に例示した前述のも
のから選ぶことができる。
【0023】このようなアイオノマーにおける金属イオ
ンとしてはリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシ
ウム、バリウム、鉛、錫、亜鉛、アルミニウムなどであ
り、とくにリチウム、ナトリウム、マグネシウム、亜鉛
及びこれらの2種以上の組合せが好ましい。金属イオン
による中和度は通常5〜100%、好ましくは20〜8
0%である。上記アイオノマーとしてはまた190℃、
2160g荷重におけるメルトフローレートが0.01
〜20g/10分、とくに0.1〜10g/10分のも
のを使用するのがよい。
【0024】[エポキシ化合物]本発明において使用で
きるエポキシ基含有化合物(C)としては、エチレン共
重合体アイオノマー(B)のカルボキシル基と反応し得
るエポキシ基を有する化合物であり、例えばエポキシ化
大豆油の如きエポキシ化油、エポキシ化天然ゴム、エポ
キシ化ポリブタジエンの如きエポキシ化エラストマー、
エチレンとエポキシ基含有単量体との共重合体を挙げる
ことができる。上記エチレンとエポキシ基含有単量体の
共重合体には他の共重合可能な単量体が共重合されてい
てもよい。
【0025】エポキシ基含有単量体の代表例は、アクリ
ル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、ビニルグリ
シジルエーテルである。また他の共重合可能な単量体と
しては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの
ような不飽和カルボン酸エステル、酢酸ビニルのような
ビニルエステル、一酸化炭素、二酸化硫黄、アルキルビ
ニルエーテルなどである。アクリル酸エステルやメタク
リル酸エステルの具体例としては、既に例示したものを
挙げることができる。
【0026】前記共重合体におけるエポキシ基含有単量
体の重合割合は、通常1〜25重量%、好ましくは1〜
20重量%、より好ましくは1〜15重量%であり、他
の共重合可能な単量体の重合割合は、通常0〜50重量
%、好ましくは0〜35重量%、より好ましくは0〜3
0重量%である。
【0027】好適な前記共重合体の例は、エチレン/ア
クリル酸グリシジル、エチレン/アクリル酸メチル/ア
クリル酸グリシジル、エチレン/アクリル酸n−ブチル
/アクリル酸グリシジル、エチレン/メタクリル酸グリ
シジル、エチレン/アクリル酸メチル/メタクリル酸グ
リシジル、エチレン/アクリル酸n−ブチル/メタクリ
ル酸グリシジル、エチレン/酢酸ビニル/メタクリル酸
グリシジルなどのランダム共重合体である。このような
共重合体として、190℃、2160g荷重におけるメ
ルトフローレートが、0.1〜30g/10分、とくに
1〜25g/10分のものを用いるのがよい。
【0028】[組成物](A),(B),(C)各成分
の使用割合はそれぞれの重合体組成や目的とする性状に
よっても異なるが、熱可塑性エラストマー(A)20〜
90重量部、好ましくは40〜80重量部に対し、エチ
レン共重合体アイオノマー80〜10重量部、好ましく
は60〜20重量部である。また(A)と(B)の合計
量100重量部に対し、エポキシ基含有化合物(C)が
1〜20重量部、好ましくは1〜10重量部である。
【0029】上記した一連のエチレンのランダム共重合
体は全て高温、高圧下のラジカル重合によって容易に得
ることができる。これらの製法はすでに広く知られてい
る。
【0030】本発明における熱可塑性樹脂組成物には、
必要に応じ、酸化防止剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、
帯電防止剤、無機充填剤、顔料、染料、ワックス等の添
加剤を配合することができる。無機充填剤又は顔料の例
としては、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、
シリカ、アルミナ、酸化チタン、ケイ酸鉛、タングステ
ンカーバイドなどを挙げることができる。またワックス
として、炭化水素ワックス、ポリエチレンワックスの
外、エチレンと極性ビニルモノマー、例えば酢酸ビニ
ル、アクリル酸、アクリル酸エチル等との共重合ワック
スを例示することができる。
【0031】[ゴルフボール]本発明の熱可塑性樹脂組
成物は、スリーピースゴルフボールのセンター、ツーピ
ースボールのコア、ワンピースボール、ゴルフボールカ
バーなどの材料として特に有用である。スリーピースゴ
ルフボールは、センター、このセンター上に巻き付けら
れた弾性体の巻き糸及びその上のカバーからなっている
が、本発明の熱可塑性樹脂組成物はこのセンターとして
有用である。この目的に、本発明の熱可塑性樹脂組成物
をセンターに射出成形し、このセンターに、公知の弾性
糸を所定の厚みに巻き付け、次いでハイミラン(商品
名)アイオノマー或いはバラタゴム等の公知のカバー材
料を、その上にこれを被覆するデインプル模様のカバー
として成形する。
【0032】ツーピースボールはコアとその上のカバー
とからなっているが、この目的に本発明の熱可塑性樹脂
組成物を先ずコアとして成形する。このコアを後退可能
なピン上に支持して、射出金型のキャビテイ内にインサ
ートし、公知のカバー材料を射出してツーピースボール
とする。
【0033】ワンピースゴルフボールは弾性体の巻き糸
やカバーのない一体構造のボールであり、本発明の熱可
塑性樹脂組成物をワンピースボールに成形することがで
きる。この成形物は、勿論表面にデインプル模様を有し
ていてもよい。また、本発明の熱可塑性樹脂組成物をス
リーピースボール、ツーピースボールのカバーとして用
いることもできる。
【0034】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物は柔軟性、
反撥弾性に優れている。従ってスリーピースゴルフボー
ルのセンター、ツーピースボールのコア、ワンピースボ
ール、ゴルフボールカバーなどの材料として優れてお
り、耐久性ボールコントロール、打球威、反撥弾性、初
連度の優れたゴルフボールを製造することができる。本
発明の樹脂組成物はまた耐傷性、耐熱性、耐油性、加工
性等にも優れており、自動車内外装材、電線、建材、電
気製品、日用品等にも広く利用することができる。
【0035】
【実施例】まず本発明の組成物を調製するために使用し
た原料は表1の通りである。
【0036】
【表1】
【0037】また樹脂組成物及び原料の試験方法は以下
の方法によった。 (1)MFR:東洋精機製作所製試験機を用い、樹脂単
独のMFRの場合は190℃、2160gの荷重、配合
組成物のMFRは220℃、10.0kgの荷重で測定し
た。 (2)比重:東洋精機製作所製自動比重計を用い、20
℃、相対湿度50%で測定した(JISK6301)。 (3)硬度:ショアーA硬度計(Zwick Gmbh
&Co.製)を用い23℃で測定した(ASTM D2
240)。 (4)曲げ剛性率:東洋精機製作所製オルゼン式曲げ剛
性測定機を使用して23℃で測定した(ASTM D7
47)。 (5)反発弾性:(株)上島製作所製反発弾性試験機
(振り子型)を使用して23℃で測定した。
【0038】実施例1〜4 30mmφ2軸押出機(池貝鉄工(株)製)を用いて表2
に示した配合割合で表1に示した熱可塑性エステルエラ
ストマー、エチレン共重合体アイオノマー、エポキシ化
3元共重合体、ワックスA、酸化亜鉛及び酸化チタンの
配合系にけん化物を加え、樹脂温度200℃、押出量
4.0kg/hrでメルトブレンドし、得られた樹脂組成物
の物性を評価した。結果を表2に示した。高反発弾性
(65以上)で硬度Shore D50以下、曲げ剛性
率100以下の柔軟な物性を示している。
【0039】
【表2】
【0040】比較例1 実施例1及び2で使用した配合組成からけん化物を除い
た以外は表1の材料を使用して実施例と同様の方法で混
練を行い得られた樹脂組成物の物性を評価した。結果を
表3に示した。実施例1及び2に比較して硬度及び曲げ
剛性率が上がっている。
【0041】比較例2 実施例2の配合組成のけん化物の代わりに柔軟なエチレ
ン3元共重合体アイオノマーを使用する以外は実施例2
の操作を行い、得られた物性を表3に示した。実施例2
に比較して反発弾性は低下し硬度及び曲げ剛性率とも高
くなっている。
【0042】
【表3】

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性ポリエステルエラストマー及び
    熱可塑性ポリアミドエラストマーから選ばれる熱可塑性
    エラストマー(A)20〜90重量部、エチレン共重合
    体アイオノマー(B)10〜80重量部及びエポキシ基
    含有化合物(C)1〜20重量部((A)+(B)の合
    計100重量部に対し)からなり且つ前記エチレン共重
    合体アイオノマー(B)の10〜50重量%は、エチレ
    ン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体のけん化物で
    あることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 エチレン・(メタ)アクリル酸エステル
    共重合体のけん化物が、(メタ)アクリル酸エステルの
    含有量が15〜45重量%のエチレン・(メタ)アクリ
    ル酸エステル共重合体を、けん化度が5乃至40モル%
    となるようにけん化したものである請求項1記載の組成
    物。
  3. 【請求項3】 エチレン・(メタ)アクリル酸エステル
    共重合体のけん化物が、230℃、2160g荷重にお
    けるメルトフローレートが0.01〜20g/10分の
    ものである請求項1記載の組成物。
  4. 【請求項4】 エチレン共重合体アイオノマー(B)の
    10〜50重量%がエチレン・(メタ)アクリル酸エス
    テル共重合体のけん化物であり、残りがエチレンと不飽
    和カルボン酸のランダム共重合体、あるいはエチレン、
    不飽和カルボン酸及び他の共重合可能な単量体のランダ
    ム共重合体のアイオノマーである請求項1記載の組成
    物。
  5. 【請求項5】 センター、このセンター上に巻き付けら
    れた弾性体の巻き糸及びその上のカバーからなるスリー
    ピースゴルフボールにおいて、センターが請求項1記載
    の組成物からなることを特徴とするゴルフボール。
  6. 【請求項6】 コアとその上のカバーとから成るツーピ
    ースボールにおいて、コアが請求項1記載の組成物から
    なることを特徴とするツーピースボール。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の組成物からなることを特
    徴とするワンピースボール。
  8. 【請求項8】 カバーが請求項1記載の組成物からなる
    ことを特徴とするゴルフボール。
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