JP5660975B2 - シール材およびその製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、軟質ウレタンフォームからなるシール材およびその製造方法に関するものである。
メカニカルフロス法で成形された軟質ウレタンフォームは、一般のスラブ(化学発泡)発泡法と比べて高密度で、極めて微細、かつ均一なセル構造を容易に形成し得ることから、テレビ、コンピュータ、携帯電話携帯情報端末機や液晶ディスプレイ等の衝撃吸収性や防塵性が求められる電子機器において、スペーサ、ガスケットまたはパッキン等といったシール材として多く用いられている(例えば、特許文献1参照)。偏光フィルタ、ガラス基盤、透明電極、配向膜、液晶、カラーフィルタ等の構成部材を重ね合わせて構成される液晶パネルでは、構成部材同士の間隔を一定に保つためのシール材として、軟質ウレタンフォームの採用が検討されている。
特開2005−227392号公報
液晶パネルにおいて、軟質ウレタンフォームからなるシール材は、自身のタック性によって構成部材に接合させることが考えられる。このような場合には、該構成部材の重なり方向と交差する横方向(該構成部材とシール材とが接触する面に対して水平方向)の応力が液晶パネルにかかった際に、タック性が強すぎると構成部材に対してシール材がずれないため構成部材が歪んだり、シール材が変形して構成部材間の適切なスペースを確保できないといった問題が生じる。また、タック性を抑えるために、材料処方を変更して硬度を増加する方法が考えられるが、その場合、衝撃吸収性や防塵性が低下するおそれがある。
すなわち本発明は、従来の技術に係るシール材に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、適度なタック性と衝撃吸収性とを併有したシール材およびその製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明のシール材は、
メカニカルフロス法によって得られた軟質ウレタンフォームからなるシール材であって、
25%圧縮荷重で示される硬度が、0.01MPa〜0.15MPaの範囲にあり、
シール面の算術平均粗さが、0.4〜0.7μmの範囲にあり、該シール面の180度引き剥がし粘着力試験の測定値が、0.15N/25mm以下であることを要旨とする。
請求項1に係る発明によれば、適度なタック性を有しているので、シール対象に歪みを生じさせたりする等、強いタック性に起因する不具合を回避できる。しかも、適度なタック性と共に、適度な衝撃吸収性を併有しており、シール材として好適である。
請求項2に係る発明では、イソシアネートインデックスが90〜110の範囲に設定されると共に、密度が200kg/m〜480kg/mの範囲に設定された軟質ウレタンフォームで構成されたことを要旨とする。
請求項2に係る発明によれば、圧縮残留歪みの悪化や脆化等を防止しつつ適切な硬度に調節できると共に、良好な防塵性を示す。
請求項3に係る発明では、液晶パネルに用いられることを要旨とする。
請求項3に係る発明によれば、液晶パネルの構成部材に適したタック性および衝撃吸収性を併有しているので、液晶パネルに好適に使用できる。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項4に係る発明のシール材の製造方法は、
メカニカルフロス法によって得られる軟質ウレタンフォームからなるシール材の製造方法であって、
ポリオール、イソシアネートおよび造泡用気体を混合撹拌して得られる液状混合原料を、算術平均粗さが0.4μm〜0.7μmの範囲に設定されたシートに接触するように供給し、
前記液状混合原料を加熱して硬化することで得られた軟質ウレタンフォームから前記シートを剥離し、
前記軟質ポリウレタンフォームにおいて前記シートにより成形されたシール面の算術平均粗さを、0.4μm〜0.7μmの範囲とし、該シール面における180度引き剥がし粘着力試験の測定値を、0.15N/25mm以下としたことを要旨とする。
請求項4に係る発明によれば、軟質ウレタンフォームの成形と同時にシール面の表面粗さを調節することができ、適度なタック性を有するシール材を簡単に製造することができる。また、得られたシール材は、シール面が適度なタック性を有しているので、シール対象に歪みを生じさせたりする等、強いタック性に起因する不具合を回避できる。しかも、適度なタック性と共に、適度な衝撃吸収性を併有しており、シール材として好適である。
請求項5に係る発明では、前記軟質ウレタンフォームは、イソシアネートインデックスが90〜110の範囲に設定されると共に、密度が200kg/m〜480kg/mの範囲に設定されたことを要旨とする。
請求項5に係る発明によれば、得られたシール材について、圧縮残留歪みの悪化や脆化等を防止しつつ適切な硬度に調節できると共に、良好な防塵性を示す。
本発明に係るシール材によれば、適度なタック性と衝撃吸収性を併有している。本発明に係るシール材の製造方法によれば、適度なタック性を有するシール材を簡単に成形し得る。
本発明の好適な実施例に係る製造装置を示す概略側面図である。
次に、本発明に係るシール材およびその製造方法につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。
実施例のシール材は、ポリオール、イソシアネート、造泡用気体および必要に応じて添加される副原料(触媒、整泡剤、難燃剤など)を混合撹拌して得られる液状混合原料を硬化するメカニカルフロス法によって得られる軟質ウレタンフォームから構成されている。実施例のシール材は、液晶パネルにおいて、偏光フィルタ、ガラス基盤、透明電極、配向膜、液晶、カラーフィルタ等の構成部材間に介在させたり、液晶パネルの外周りに取り付けられる枠等と液晶パネルの外面を構成する偏光フィルタとの間に介在させたりする等、液晶パネルの内部または周辺に好適に用いられる。このように、シール材は、構成部材間のスペースを確保するスペーサや、外部からの異物の侵入を防止するパッキンとして用いられる。シール材は、該シール材の厚み方向に対向する構成部材によって厚み方向両側から挟まれ、厚み方向両側の面(シール面)が構成部材と夫々面接触するようになっている。そして、シール材は、その厚みが0.2mm〜3.0mmの範囲の比較的薄いシート形態で用いられる。なお、シート部材は、厚みが0.2mm未満となると十分な衝撃吸収性が得られず、厚みが3.0より大きくなると、シール材用途として厚くなり過ぎる。
前記シール材は、JIS K 6254に準拠して測定された25%圧縮荷重(25%CLD)で示される硬度が、0.01MPa〜0.15MPa(0.01MPa≦25%CLD≦0.15MPa)の範囲に設定される。シール材の硬度が0.01MPa未満であると、柔らかくなり過ぎて、シール対象に外力が加わった際にシール材を挟んで対向するシール対象の構成部材同士が接触したり、接触しないまでも構成部材間の所定の間隔を維持できない。また、シール材の硬度が0.15MPaより大きいと、硬くなり過ぎて、シール対象に外力が加わった際に十分な衝撃吸収性が得られず、シール対象が破損するおそれがある。なお、シール材は、硬度を前記範囲に設定することで、液晶パネル用途として必要な衝撃吸収性を確保することができる。
前記シール材を構成する軟質ウレタンフォームにおいて、硬度を規定する条件として様々な因子が関連しているが、代表的な因子として密度とイソシアネートインデックスとが挙げられる。シール材の密度Dは、硬度だけの観点であれば480kg/m以下(D≦480kg/m)の範囲に設定するのが好ましく、後述する防塵性を考慮すれば、200kg/m〜480kg/m(200kg/m≦D≦480kg/m)の範囲に設定するのがよい。シール材の密度Dが480kg/m3より大きくなると、シール材の硬度が前記範囲より上回る傾向が強くなる。なお、シール材の密度Dが200kg/m未満であると、シール材の硬度が低下傾向になると共に、セル径Rが大きくなり過ぎて防塵性を確保することが難しくなる。
主原料の1つであるイソシアネートのイソシアネートインデックス(イソシアネート基と反応しうる活性水素基に対するイソシアネート基の百分率)Nは、90〜110(90≦N≦110)の範囲が好ましい。イソシアネートインデックスNが90未満の場合には、得られる軟質ウレタンフォームの硬度が低下すると共に圧縮残留歪が悪化し、イソシアネートインデックスNが110より大きくなると、得られる軟質ウレタンフォームの硬度が上昇すると共に軟質ウレタンフォームが脆くなって粉落ちし易くなる。
前記シール材は、防塵性を要求される場合があるが、シール材の防塵性を規定する因子としては、軟質ウレタンフォームのセル径Rが大きく関係している。軟質ウレタンフォームのセル径Rは、密度Dと強い相関があり、密度Dが大きくなるとセル径Dが小さくなり、密度Dが小さくなるとセル径Rが大きくなる反比例の関係にある。セル径Rは、防塵性だけの観点であれば200μm以下の範囲に設定すればよいが、前述した硬度を規定する密度範囲を考慮するのであれば、50μm〜200μm(50μm≦R≦200μm)の範囲に設定するとよい。シール材のセル径Rが200μmより大きくなると、液晶パネル用途として必要な防塵性を確保するのが難しくなる。なお、シール材のセル径Rが50μm未満であると、必要な防塵性が得られるものの、密度Dとの相関によりシール材の硬度が前記範囲より下回る傾向が強くなるので採用できない。なお、セル径は、倍率200倍のSEM写真または同等のマイクロスコープにて、シール材の断面を目視確認して、一定長(10mm)についてセル数を数えて平均セル径を算出することで求められる。
前記シール材は、JIS Z 0237(2000)に準拠した180度引き剥がし粘着力試験の測定値で規定されるタック性Qが、0.15N/25mm以下(Q≦0.15)に設定され、より好ましくはタック性Qを0.005N/25mm〜0.15N/25mm(0.005≦Q≦0.15)の範囲に設定するのがよい。シール材のタック性Qは、0.15N/25mm以下に設定することで、該シール材が接合した構成部材またはシール材に対して該構成部材の重なり方向と交差する方向(以下、単にズレ方向という)に外力が加わった際に、シール材の粘着力に抗して構成部材とシール材とのある程度のズレが許容されると共に、構成部材からシール材を容易に引き剥がせるリワーク性が得られる。これに対して、シール材のタック性Qが0.15N/25mmより大きくなると、該シール材が接合した構成部材またはシール材に対してズレ方向に外力が加わった際に、シール材の粘着力が強すぎて構成部材とシール材とのズレが許容され難くなると共に、構成部材からシール材を引き剥がし難くなり、リワーク性に劣る。
前記シール材を構成する軟質ウレタンフォームにおいて、構成部材との間のタック性Qは該軟質ウレタンフォームの表面粗さに大きく左右される。すなわち、メカニカルフロス法によって得られる軟質ウレタンフォームは、骨格をなす樹脂自体の粘着性が大きく、構成部材に接触する表面(シール面)の微細な凹凸によって、該シール面のタック性Qを低減するように調整される。また、タック性Qは、軟質ウレタンフォームの硬度に影響を受け、表面粗さが同一であっても硬度が高くなるとタック性Qが低くなり、表面粗さが同一であっても硬度が低くなるとタック性Qが高くなる傾向がある。シール材の表面粗さは、JISB0601に準拠して算出される算術平均粗さRaが0.4μm〜0.7μm(0.4μm≦Ra≦0.7μm)の範囲に設定され、この表面粗さの範囲に設定することで、前記硬度(0.01MPa≦25%CLD≦0.15MPa)の範囲において前記タック性Qの条件(Q≦0.15N/25mm)を満たす。シール材の表面粗さが0.4μmより小さくなると、タック性Qの前記範囲を上回る傾向が強くなり、前記硬度の条件を満たしつつ前述した範囲の好適なタック性が得られない。シール材の表面粗さが0.7μmより大きくなると、タック性が低くなり過ぎて構成部材に対する付着性に欠けて、シール材がずれ易くなる。
次に、実施例のシール材の製造方法について説明する。先ず、所要の原料を混合撹拌して得られる液状混合原料を、算術平均粗さRaが0.4μm〜0.7μmの範囲に設定されたシートに接触するように供給し、液状混合原料をシートに接触させたまま加熱・硬化することで、軟質ウレタンフォームを成形する。そして、軟質ウレタンフォームからシートを剥離することで、構成部材に対するシール面の表面粗さが前述した所定範囲(0.4μm≦Ra≦0.7μm)内に設定されたシール材が得られる。すなわち、実施例のシール材の製造方法は、公知のメカニカルフロス法による軟質ウレタンフォームの製造方法と基本として、シール材において構成部材と接触するシール面を成形するシートによって、得られるシール面の表面粗さをコントロールするようになっている。
前記ポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールまたはポリジエン系ポリオール等が使用され、1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、イソシアネートとしては、トルエンジイソシアネート(TDI)、TDIプレポリマー、メチレンジフェニルジイソシアネート(MDI)、クルードMDI、ポリメリックMDI、ウレトジオン変性MDIまたはカルボジイミド変性MDI等が使用される。更に、造泡用気体としては、窒素等の不活性ガスが用いられる。なお、金属系やアミン系の触媒、シリコーン等の整泡剤、架橋剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、有機及び無機充填剤、着色剤、顔料、発泡剤、脱水剤、難燃剤等の各種添加剤が、副原料として必要に応じて配合される。
実施例に係るシール材10は、例えば図1に示すような製造装置20で好適に製造される。製造装置20は、得られる軟質ポリウレタンフォーム16の厚みを規定する型として機能するシート12,14を供給および回収するロール機構22と、液状混合原料Mを調整すると共にシート12に液状混合原料Mを供給する供給機構30と、シート12,14に供給された液状混合原料Mを加熱するトンネル式加熱炉等の加熱機構40とを備えている。ロール機構22は、第1シート(シート)12をラインに繰り出す第1シートロール24と、ラインに繰り出された第1シート12と対向するように第2シート(シート)14をラインに繰り出す第2シートロール26と、第1シートロール24および第2シートロール26の下流側に設けられ、両シート12,14間に成形された軟質ウレタンフォーム16と共にラインから両シート12,14を巻き取る回収ロール28とから基本的に構成されている。シート12,14としては、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミドまたはポリ塩化ビニルといった樹脂、紙あるいは樹脂繊維強化紙が使用可能であり、回収ロール28による引っ張りによって伸長しない強度および加熱機構40による加熱時に熱収縮しないものが採用される。ロール機構22は、第1シート12が第2シート14より上流側からラインに繰り出されると共に、第1シート12の上側に第2シート14が所定間隔をあけて並行するように繰り出されて、加熱機構40を通過した両シート12,14が回収ロール28に回収されるようになっている。第1シート12および第2シート14は、液状混合原料Mと接触する面(第1シート12であれば上面、第2シート14であれば下面)の算術平均粗さRaで表される表面粗さが、0.4μm〜0.7μm(0.4μm≦Ra≦0.7μm)の範囲に設定されている。ロール機構22は、第1シート12および第2シート14に張力を掛けつつ移送し、厚み制御手段(実施例ではローラ形状)42によって両シート12,14の間隔を一定に保つように制御されている。
前記供給機構30は、主原料、各種副原料および造泡用気体等を混合してメカニカルフロス法による液状混合原料Mを得る混合部32と、この混合部32に接続され、第1シート12に液状混合原料Mを供給するノズル34とから構成されている。製造装置20では、第1シートロール24から連続的に繰り出される第1シート12の上に、混合部32で調整された液状混合原料Mがノズル34から供給され、この液状混合原料Mが第1シート12の上側に連続的に繰り出される第2シート14によって挟まれる。ここで、第1シート12と第2シート14との間隔は、第2シート14の上面に当接する厚み制御手段42によって一定になるよう制御され、この状態で加熱機構40を通過することで、第1シート12と第2シート14との間に一定の厚みの軟質ウレタンフォーム16が成形される。そして、両シート12,14と共に軟質ウレタンフォーム16が回収ロール28に巻き取られる。 必要に応じて切断等の後処理を行った後に、軟質ウレタンフォーム16から第1シート12および第2シート14を剥離して、シール材10が得られる。得られた軟質ウレタンフォーム16は、シート12,14との接触面がシート12,14の表面状態によって規定されるので、表面粗さが前記範囲にあるシート12,14に接触させた状態で硬化することで、軟質ウレタンフォーム16におけるシート12,14との接触面は、算術平均粗さRaで表される表面粗さが、0.4μm〜0.7μm(0.4μm≦Ra≦0.7μm)の範囲になる。このように、シール材10をなす軟質ウレタンフォーム16を成形すると同時に、軟質ウレタンフォーム16の表面粗さを調節することができるから、適度なタック性Qおよび衝撃吸収性を有するシール材10を簡単に製造することができる。
(実験1)
実験1では、表1に示す配合で得られた軟質ウレタンフォームからなるシール材について、密度、セル径および厚みを変更すると共に、シール材の硬度、表面粗さ(算術平均粗さ)、180度引き剥がし粘着力試験、衝撃吸収性および防塵性について測定した。なお、実験1の軟質ウレタンフォームには、以下の原料が用いられている。
・ポリオール;ポリエーテル系ポリオール(三洋化成社製、商品名「GP−3000」、数平均分子量:3000、官能基数:3、水酸基価:56mgKOH/mg)
・イソシアネート;クルードMDI(日本ポリウレタン社製、商品名「コロネート 1130」、NCO%;31%)
・架橋剤;1,4−ブタンジオール
・触媒;スタナスオクトエート(城北化学社製)
・整泡剤;シリコーン系整泡剤(モメンティブ製、商品名「L−5614」)
・増粘剤;水酸化アルミニウム(昭和電工社製、商品名「ハイジライト H−10」)
・造泡用気体:窒素
実験1では、ポリオール、架橋剤、増粘剤、金属触媒および整泡剤からなる混合物に、造泡用気体(供給量:0.1mN/minをおよびイソシアネートを表1に示すイソシアネートインデックスになるように加えて、混合・撹拌することで微細な気泡を混入した液状混合原料を得る。図1に示す製造装置20で説明したように、液状混合原料を2枚のシートで挟んで硬化することで、得られる軟質ウレタンフォームの厚み方向両面を所定の表面粗さにコントロールし、シートを剥離することで、実験例1〜11および比較例1〜10に係るサンプルを製造した。
衝撃吸収性は、厚さ2.0mmの2枚の板状治具の間に直径40mmのサンプルを挟み、150mmの高さから16gの錘を上側の板の上に落とす。下側の板にセットされたロードセルによって衝撃値を測定して衝撃吸収率を算出した。衝撃吸収性は、衝撃吸収率が、60%以上であれば良(表1の◎印)とし、50%以上から60%未満であれば、可(表1の○印)とし、50%未満であれば不可(表1の×印)とした。なお、評価が良または可であれば、シール材として必要とされる条件を満たしている。
防塵性は、2枚の板状治具の間に、外枠寸法50mm角、内枠寸法45mm角、枠幅1.5mmで枠状に形成されたサンプルを挟み、サンプルの厚みが25%圧縮になるようにセットする。なお、サンプルの一面は、厚さ160μmの不織布基材アクリル系両面テープによって板状治具に接合されている。サンプルをセットした板状治具を、内径250mm、軸方向の長さが340mmの円筒形状容器に、1kgのパウダーと共に入れる。パウダーは、粒径が6〜30μmのタルク粉末である。円筒形状容器を軸回りに60rpmで10分間回転し、円筒形状容器から取り出したサンプルの内側にパウダーがリークしているか否かを目視により確認する。パウダーがサンプルの内側に確認できなければ、可(表1の○印)とし、パウダーがサンプルの内側にあることが確認できれば、不可(表1の×印)として評価した。
タック性は、JIS Z 0237(2000)に準拠した180度引き剥がし粘着力試験の測定値で評価している。ガラス板に対してサンプルを圧着した後に、23℃、相対湿度が50±5%の雰囲気中に24時間以上放置した後に、所定の引っ張り方法によって粘着力を測定した。
Figure 0005660975
Figure 0005660975
表1に示す実験例1〜11のサンプルの結果と表2に示す比較例1〜10のサンプルの結果を対比によって、25%圧縮荷重で示される硬度が、0.01MPa〜0.15MPaの範囲にあって、サンプルの算術平均粗さRaが、0.4〜0.7μmの範囲にあれば、該シール面の180度引き剥がし粘着力試験の測定値が、0.15N/25mm以下となることが明らかである。また、25%圧縮荷重で示される硬度が、0.01MPa〜0.15MPaの範囲にあれば、表1に示すように十分な充分な衝撃吸収性を示す。また、表1および2の結果から、イソシアネートインデックスが90〜110の範囲に設定されると共に、密度が200kg/m〜480kg/mの範囲であれば、25%圧縮荷重で示される硬度が、0.01MPa〜0.15MPaの範囲とし得ることが明らかある。更に、表1および2の結果から、セル径が50μm〜200μmの範囲にあれば、十分な防塵性を示すことは明らかである。表1に示す実験例は、特に液晶ディスプレイの本体シャーシと偏光フィルタの間に設置されるシール材として好ましい。シール面の算術平均粗さを調節することで、求められる衝撃吸収性、防塵性を低下させることなく、適度なタック性を有することができ、偏光フィルタ表面に対して水平方向への応力がかかった場合でも、偏光フィルタの変形を防ぐことができる。
(変更例)
前述した実施例に限定されず、例えば以下のように変更することも可能である。
(1)実施例では、シール材を液晶パネルに用いる例を説明したが、液晶パネル以外の電気機器や精密機器に使用してもよい。
(2)シール材の製造方法は、実施例の製造装置を用いた方法に限定されず、得られるシール材のシール面の表面粗さをコントロールできれば、他の方法を採用することができる。

Claims (5)

  1. メカニカルフロス法によって得られた軟質ウレタンフォームからなるシール材であって、
    25%圧縮荷重で示される硬度が、0.01MPa〜0.15MPaの範囲にあり、
    シール面の算術平均粗さが、0.4〜0.7μmの範囲にあり、該シール面の180度引き剥がし粘着力試験の測定値が、0.15N/25mm以下である
    ことを特徴とするシール材。
  2. イソシアネートインデックスが90〜110の範囲に設定されると共に、密度が200kg/m〜480kg/mの範囲に設定された軟質ウレタンフォームで構成された請求項1記載のシール材。
  3. 液晶パネルに用いられる請求項1または2記載のシール材。
  4. メカニカルフロス法によって得られる軟質ウレタンフォームからなるシール材の製造方法であって、
    ポリオール、イソシアネートおよび造泡用気体を混合撹拌して得られる液状混合原料を、算術平均粗さが0.4μm〜0.7μmの範囲に設定されたシートに接触するように供給し、
    前記液状混合原料を加熱して硬化することで得られた軟質ウレタンフォームから前記シートを剥離し、
    前記軟質ポリウレタンフォームにおいて前記シートにより成形されたシール面の算術平均粗さを、0.4μm〜0.7μmの範囲とし、該シール面における180度引き剥がし粘着力試験の測定値を、0.15N/25mm以下とした
    ことを特徴とするシール材の製造方法。
  5. 前記軟質ウレタンフォームは、イソシアネートインデックスが90〜110の範囲に設定されると共に、密度が200kg/m〜480kg/mの範囲に設定された請求項4記載のシール材の製造方法。
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