JP5660579B2 - 太陽光発電システムの診断方法、診断装置、および診断プログラム - Google Patents

太陽光発電システムの診断方法、診断装置、および診断プログラム Download PDF

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Description

本発明は、太陽光発電システムにおける全体または一部の出力を診断する太陽光発電システムの診断方法、診断装置、および診断プログラムに関するものである。
近年、枯渇の心配も無く、なおかつ環境に優しくクリーンなエネルギーである太陽光エネルギーを利用した太陽光発電が注目を集めている。太陽光発電を行うための太陽光発電システムにおいて用いられる太陽電池の構成要素について、図11を用いて説明する。図11は、太陽電池アレイ1010、太陽電池ストリング1001、太陽電池モジュール1011、および太陽電池セル1000の関係について示す模式図である。
なお、以下では、太陽電池アレイ、太陽電池ストリング、太陽電池モジュール、および太陽電池セルを、それぞれ、アレイ、ストリング、モジュール、およびセルと略称する。
図11に示すように、太陽光の照射を受けることで光電効果により電流を生じさせるセル1000が、太陽電池の構成の最小単位となる。そして、モジュール1011は、複数のセル1000を備えるものである。ストリング1001は、複数のモジュール1011が、直列に接続されたものである。そして、アレイ1010は、複数のストリング1001が並列に接続されたものである。
次に、従来の太陽光発電システムの典型的な構成について、図12を用いて概略的に説明する。図12は、従来の太陽光発電システム1100の概略的構成を示すブロック図である。図示のように、太陽光発電システム1100は、アレイ1010、パワーコンディショナ1020、および負荷1030を備える構成である。アレイ1010から出力される直流電力は、パワーコンディショナ1020に内蔵されたインバータ1021によって交流電力に変換された後、負荷1030に供給される。
なお、太陽光発電システム1100には、図12に示すように、電力会社が提供する商用の電力系統1040と連系して運転する構成もあれば、電力会社の電力系統1040と連系せずに独立したシステムとして運転する構成もある。
個々のセル1000の出力は、その設置状態(傾斜角等)、季節(太陽高度)、時刻(太陽方位角)、天気(日射強度(日射量))、温度など、様々な要因によって変動する。このため、太陽光発電システムの出力が低下しても、故障が原因であるのか否かを判断することが困難である。
日本国公開特許公報「特開2007−311487号公報(2007年11月29日公開)」 日本国公開特許公報「特開2001−326375号公報(2001年11月22日公開)」
この問題点に対し、特許文献1に記載の太陽電池の特性評価装置は、モジュール1011の電流−電圧特性を計測し、計測された上記電流−電圧特性を所定の基準状態に換算し、上記基準状態に換算された上記電流−電圧特性が、記憶部に記憶された複数の基準特性の何れに最も近似するかを判定している。上記複数の基準特性として、幾つかの典型的な不具合に対応する電流−電圧特性を上記記憶部に記憶しておくことにより、不具合の内容を推定することができる。
しかしながら、モジュール1011の電流−電圧特性を計測するには、モジュール1011に対する負荷を変更しながら計測する必要がある。このため、太陽光発電システムのパワーコンディショナを一旦停止させる必要があり、発電量の損失が発生することになる。さらに、パワーコンディショナの再起動には時間がかかるので、上記発電量の損失が増大することになる。また、個々のモジュール1011を計測する必要があるので、手間と時間とがかかることになる。
一方、特許文献2に記載の太陽光発電システムの診断方法は、該太陽光発電システムの設置条件(設置場所の地形・気象条件、システム構成等)が入力され、入力された設置条件に応じて上記太陽光発電システムの正常稼動時の基準出力特性が算出される一方、実際に稼動中の上記太陽光発電システムの出力特性が計測され、算出された基準出力特性と、計測された出力特性とが比較され、その比較結果に基づいて出力の正常/異常が診断されると共に異常である場合にその原因が診断される。
この場合、比較対象となる特性が、電流−電圧特性では無く、出力特性であり、基準出力特性との比較対象が、個々のモジュール1011では無く、太陽光発電システム全体であることから、診断のために太陽光発電システムを停止する必要が無い。その結果、診断を迅速に行うことができる。
しかしながら、特許文献2にて上記出力特性として挙げられているものは、直流電圧、直流電流、交流電圧、交流電流、電力、および電力量であり、上記比較は、所定の基準値に所定の下限用係数を乗算した下限値と、上記基準値に所定の上限用係数を乗算した上限値との間に、上記計測値が含まれるか否かにより行われている。このため、上記基準値、上記下限用係数、および上記上限用係数の設定次第で、診断の精度に影響が生じることになる。
本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、太陽光発電システムにおける出力の診断を、容易かつ精度よく行うことができる太陽光発電システムの診断方法などを提供することにある。
本発明に係る太陽光発電システムの診断方法は、太陽光発電システムにおける全体または一部の出力を診断する太陽光発電システムの診断方法であって、上記課題を解決するために、上記出力に関する電流値、電圧値、および電力値の何れか2つの計測値を取得する取得ステップと、該取得ステップにて取得された2つの計測値によって示される出力点の推移に基づき、上記出力を診断する診断ステップとを含むことを特徴としている。
また、本発明に係る太陽光発電システムの診断装置は、太陽光発電システムにおける全体または一部の出力を診断する太陽光発電システムの診断装置であって、上記課題を解決するために、上記出力に関する電流値、電圧値、および電力値の何れか2つの計測値を取得する取得手段と、該取得手段にて取得された2つの計測値によって示される出力点の推移に基づき、上記出力を診断する診断手段とを含むことを特徴としている。
上記の方法および構成において必要とされる2つの計測値は、太陽光発電システムにおける全体または一部の出力から計測できるので、太陽光発電システムを停止して計測する必要が無い。その結果、診断を迅速に行うことができる。
ところで、太陽電池セルは、一般に、日射強度が減少すると出力電流が低下し、温度が上昇すると出力電流が微増し出力電圧が大幅に低下する。従って、上記出力が最大である場合の出力点である最大出力点が、電流値の増減方向および電圧値の増減方向とは異なる方向に推移すれば、上記出力は、上記日射強度および上記温度以外の要因による変化であり、異常であると診断することができる。さらに、上記最大出力点が元に戻る場合、日陰などによる一時的な異常である一方、戻らない場合、故障などによる永続的な異常であると診断することができる。すなわち、異常の種類を診断することができる。
また、日射強度、温度などの環境パラメータを揃えた場合、I(電流)−V(電圧)特性、P(電力)−V特性など、上記2つの計測値が示す出力特性は、上記出力が正常であるときと、上記出力が異常であるときとで異なる。そこで、上記2つの計測値によって示される出力点が、上記出力が正常である場合の上記出力特性である基準特性から外れる場合、異常であると診断することができる。さらに、上記出力点が、基準特性に戻る場合、上記一時的な異常である一方、戻らない場合、上記永続的な異常であると診断することができる。すなわち、異常の種類を診断することができる。
このように、上記出力点の挙動により、上記出力を診断することができるので、特許文献2のように、基準値や係数を設定して更新する必要はない。従って、上記出力の診断を容易かつ精度よく行うことができる。
本発明に係る太陽光発電システムの診断方法では、上記取得ステップは、さらに、日射強度を取得しており、上記取得ステップにて取得された日射強度を利用して、上記2つの計測値を、所定の日射強度において正規化する正規化ステップをさらに備えており、上記診断ステップは、上記正規化ステップにて正規化された2つの計測値によって示される上記出力点の推移に基づき、上記出力を診断することが好ましい。
この場合、上記出力点の推移は、日射強度と無関係になるので、上記出力が正常である場合の出力点は、温度およびエアマスに対して変化するが、日射強度に対してほぼ固定される。従って、上記最大出力点が電圧値の増減方向とは異なる方向に推移すれば、上記出力が異常であると診断できる。また、上記基準特性が日射強度に依存しない特性となる。従って、診断がさらに容易となり、かつ診断の精度が向上する。
ここで、エアマス(Air Mass;AM)とは太陽光が大気中を通過した路程の長さをいい、大気に対し垂直に入射した太陽光が通過した路程の長さをAM1.0として、これに対する倍率で表す。
本発明に係る太陽光発電システムの診断方法では、上記取得ステップは、さらに、温度を取得しており、上記正規化ステップは、上記取得ステップにて取得された日射強度および温度を利用して、上記2つの計測値を、所定の日射強度および温度において正規化してもよい。
この場合、上記出力点の推移は、日射強度および温度と無関係になるので、上記出力が正常である場合の出力点は、エアマスに対して変化するが、日射強度および温度に対してほぼ固定される。従って、上記最大出力点が推移すれば、上記出力が異常であると診断できる。また、上記基準特性が日射強度および温度に依存しない特性となる。従って、診断がさらに容易となり、かつ診断の精度が向上する。
なお、上記日射強度および上記温度は、上記太陽光発電システムの設置場所における上記日射強度および上記温度が望ましいが、上記設置場所付近の上記日射強度および上記温度でもよい。また、上記日射強度および上記温度は、上記太陽光発電システムに設けた日射計および温度計から取得してもよいし、外部装置に設けた日射計および温度計から取得してもよい。なお、上記設置場所から離れた日射計および温度計を利用する場合、該日射計および温度計からの日射強度および温度を適当に補正して、上記設置場所における日射計および温度計とすることが望ましい。
本発明に係る太陽光発電システムの診断方法では、上記診断ステップは、上記出力が正常である場合の1または複数の基準点と上記出力点との比較を行うことにより、上記出力を診断することが好ましい。なお、基準点は、連続する複数の基準点、すなわち線状であってもよい。
本発明に係る太陽光発電システムの診断方法では、上記取得ステップは、さらに、上記出力点の環境パラメータを取得しており、上記診断ステップは、同じ環境パラメータにおいて、1または複数の基準点と上記出力点との比較を行うことにより、上記出力を診断することが好ましい。ここで、環境パラメータとは、装置の機能に影響を与える自然条件をいう。太陽光発電システムにおける上記環境パラメータとしては、主として日射強度および温度が挙げられ、他にエアマスなどが挙げられる。上記の方法の場合、上記基準点と上記出力点との比較は、環境パラメータに依存しなくなるので、上記出力の診断の精度が向上する。
上記の方法の一例としては、取得された日射強度を利用して、上記2つの計測値を、所定の日射強度において正規化し、正規化された2つの計測値によって示される上記出力点と上記1または複数の基準点とを比較することが挙げられる。また、別の例としては、所定の日射強度における上記基準点を、取得された日射強度における上記基準点に変換し、変換された基準点と、取得された2つの計測値によって示される上記出力点とを比較することが挙げられる。また、他の例としては、所定の日射強度における上記基準点を、種々の日射強度における基準点に変換し、該日射強度に対応付けて予め記憶部に記憶しておき、取得された日射強度に対応する基準点と、取得された2つの計測値によって示される上記出力点とを比較することが挙げられる。
本発明に係る太陽光発電システムの診断方法では、上記診断ステップは、上記出力点の時系列データを記憶部に記憶する記憶ステップと、該時系列データを利用して、上記出力点の推移のパターンを特定するパターン特定ステップと、該推移のパターンに対応する異常の種類を特定する異常種類特定ステップとを含んでもよい。この場合、異常の種類を精度よく診断することができる。
本発明に係る太陽光発電システムの診断方法では、上記診断ステップは、上記出力点の時系列データから、上記出力点の推移のパターンを抽出する抽出ステップと、入力器を介して異常の種類を取得する異常種類取得ステップと、該異常種類取得ステップにて取得された異常の種類と、上記抽出ステップにて抽出された上記出力点の推移のパターンとを対応付ける対応付けステップとを含むことが好ましい。この場合、上記異常の種類と上記出力点の推移のパターンとの対応付けを充実させることができ、診断の精度をさらに向上させることができる。
なお、上記太陽光発電システムの診断方法における各ステップを、診断プログラムによりコンピュータに実行させることができる。さらに、上記診断プログラムをコンピュータ読取り可能な記録媒体に記憶させることにより、任意のコンピュータ上で上記診断プログラムを実行させることができる。
以上のように、本発明に係る太陽光発電システムの診断方法では、必要とされる2つの計測値は、太陽光発電システムにおける全体または一部の出力から計測できるので、太陽光発電システムを停止して計測する必要が無く、その結果、診断を迅速に行うことができるという効果を奏する。さらに、上記出力点の挙動により、上記出力を診断できるので、上記出力の診断を容易かつ精度よく行うことができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る太陽光発電システムにおける診断器の概略的構成を示す機能ブロック図である。 上記太陽光発電システムの概略構成を示す機能ブロック図である。 環境パラメータを揃えた場合の上記太陽光発電システムにおけるアレイの出力特性を示すグラフである。 上記アレイの出力が一時的な異常である場合の出力特性を示すグラフである。 上記アレイの出力が永続的な異常である場合の出力特性を示すグラフである。 上記診断器に記憶される挙動診断対応テーブルの一例を表形式で示す図である。 上記太陽光発電システムにおける電流値、電圧値、日射強度、および温度の対応関係を示すグラフである。 上記太陽光発電システムにおける制御部における診断処理の概要を示すフローチャートである。 上記制御部において、挙動パターンと診断情報とを新たに登録する登録モードにおける概要を示すフローチャートである。 上記太陽光発電システムにおける表示器に表示される画像であって、異常状況を上記アレイにおけるモジュール単位で示す画像の一例を示す図である。 太陽光発電システムにおけるアレイ、ストリング、モジュール、およびセルの関係について示す模式図である。 従来の太陽光発電システムの概略的構成を示すブロック図である。
〔実施形態1〕
本発明の一実施形態について図1〜図9を参照して説明する。図2は、本実施形態に係る太陽光発電システム1の概略的構成を示す機能ブロック図である。図示のように、太陽光発電システム1は、アレイ10、パワーコンディショナ11、計測器12、日射計13、温度計14、入力器15、表示器16、および診断器(診断装置)17を備える構成である。
なお、アレイ10は、図2の構成に限定されるものではなく、種々の構成が可能である。
パワーコンディショナ11は、アレイ10からの電力を、負荷(図示せず)に供給可能なように調整するためのものである。計測器12は、アレイ10からパワーコンディショナ11に供給される電流値および電圧値を計測するものであり、電流計12aおよび電圧計12b(図1)を備える構成である。計測器12は、計測した電流値および電圧値を診断器17に送信する。
日射計13は、アレイ10の日射強度(日射量)を計測するものである。日射強度は、太陽からの単位時間かつ単位面積当りの放射エネルギーの量を意味する。日射計13は、計測した日射強度を診断器17に送信する。温度計14は、アレイ10の温度を計測するものである。温度計14は、計測した温度を診断器17に送信する。
なお、計測器12、日射計13、および温度計14は、計測した物理量を、定期的に送信してもよいし、診断器17からの要求に応じて送信してもよい。また、計測器12、日射計13、および温度計14は、計測した物理量と共に、計測した時刻を診断器17に送信してもよい。また、日射強度は、日照時間×日射強度で示される日射量であっても良い。
入力器15は、ユーザからの指示入力、情報入力などを受け付けるものであり、例えばキーボードやボタンなどのキー入力デバイスや、マウスなどのポインティングデバイスなどによって構成される。入力器15は、受け付けた情報を診断器17に送信する。
表示器16は、各種情報を表示出力するものである。表示器16は、LCD(液晶表示素子)、CRT(陰極線管)、プラズマディスプレイなどの表示デバイスによって構成されている。
診断器17は、計測器12、日射計13、および温度計14が計測した計測値を用いて、アレイ10の出力が正常であるか或いは異常であるかを診断し、異常である場合に、その原因を診断するものである。本実施形態では、診断器17は、異常である場合に、天気、影などの一時的な異常であるか、或いは故障などの永続的な異常であるかを診断している。診断器17は、診断結果を、表示器16を介して表示出力する。
ここで、図3〜図5を用いて、診断器17の具体的な診断手法について説明する。図3〜図5は、環境パラメータ(日射強度および温度)を揃えた場合のアレイ10の出力特性を示すグラフである。
図3〜図5のグラフにおいて、横軸が電圧であり、縦軸が電流および電力である。また、細い線のグラフは、1つのモジュール19のI−V特性I(V)mを示しており、中間の太さの線のグラフは、アレイ10のI−V特性I(V)aを示している。図示のように、アレイ10のI−V特性I(V)aは、複数のモジュール19のI−V特性I(V)mが積み重なったものとなる。
また、太い線のグラフは、アレイ10のP−V特性P(V)aを示している。従って、アレイ10のP−V特性P(V)aおよびI−V特性I(V)aから、電力値が最大となる電圧値および電流値が示す座標位置が求まり、これが最大出力点(MPP)となる。太陽光発電システム1は、上記MPPで動作するようになっている。また、グレーで示される領域は、最大出力点での電力を電圧×電流の面積で示したものである。
図3の(a)は、アレイ10の出力が正常である場合の出力特性を示しており、図3の(b)〜(d)は、アレイ10の出力が異常である場合の出力特性を示している。なお、図3の(b)〜(d)には、アレイ10の出力が正常である場合の出力特性(図3の(a))が破線で示されている。
図3の(a)と(b)〜(d)とを比較すると、アレイ10の出力が正常である場合のMPPは、アレイ10の出力が異常である場合のMPPとは異なっていることが理解できる。従って、太陽光発電システム1が、正常時のMPPと異なる点で動作している場合、アレイ10の出力が異常であると判断することができる。
また、図3の(a)と(b)〜(d)とを比較すると、アレイ10の出力が正常である場合の出力特性は、アレイ10の出力が異常である場合の出力特性とは異なっていることが理解できる。具体的には、図3の(a)に示すように、アレイ10の出力が正常である場合のI−V特性I(V)aは、電圧がゼロの点からMPPまで平坦であり、その後直線的に降下し、電流がゼロとなる開放電圧Voが、太陽光発電システム1における開放電圧Vsysと等しくなる。
一方、アレイ10の出力が異常である場合のI−V特性I(V)aは、図3の(b)・(c)に示すように、凹凸が発生するか、或いは、図3の(d)に示すように、開放電圧Voが太陽光発電システム1における開放電圧Vsysよりも低くなる。従って、I−V特性I(V)aに凹凸が発生していたり、開放電圧Voが太陽光発電システム1における開放電圧Vsysよりも低くなったりする事象が発生している場合、アレイ10の出力が異常であると判断することができる。
また、図4の(a)〜(c)は、アレイ10の出力が一時的な異常である場合の出力特性を示しており、図5の(a)〜(c)は、アレイ10の出力が永続的な異常である場合の出力特性を示している。なお、図4には、アレイ10の出力が正常である場合の出力特性(図3の(a))が破線で示されている。
図4に示すように、上記一時的な異常である場合のMPPは、時間および季節による変化が発生している。一方、図5に示すように、上記永続的な異常である場合のMPPは、時間および季節による変化が発生していない。従って、アレイ10の出力が異常である場合、時間および季節によるMPPの変化の有無により、上記一時的な異常であるか或いは上記永続的な異常であるかを判別することができる。
また、図4に示すように、上記一時的な異常である場合のI−V特性I(V)aは、時間および季節により、実線のグラフから破線のグラフへの変化、或いは破線のグラフから実線のグラフへの変化が発生している。一方、図5に示すように、上記永続的な異常である場合のI−V特性I(V)aは、実線のグラフのままであり、時間および季節による変化が発生していない。従って、アレイ10の出力が異常である場合、時間および季節によるI−V特性I(V)aの変化の有無により、上記一時的な異常であるか或いは上記永続的な異常であるかを判別することができる。
なお、本実施形態では、上記基準特性は、アレイ10の出力が正常である場合の出力特性としているが、構成が同じである別のアレイにおいて出力が正常である場合の出力特性としてもよい。また、上記基準特性は、モジュール(太陽電池パネル)19の出荷時の出力特性から求めてもよい。また、上記基準特性は、上記出力特性を、メーカーが保有する各種の補正係数で補正されたものでもよい。この補正係数は、日射量やモジュール温度などに依存するものである。
なお、アレイ10の出力は、経年劣化により徐々に低下し、最後には故障してゼロとなる。従って、経年劣化による異常は、上記出力点が長い年月の間に上記基準特性から徐々に低下していることによって判断することができる。上記低下の度合から、経年劣化による故障を予測することができる。
次に、図1を用いて、診断器17の詳細について説明する。なお、本実施形態では、アレイ10の出力を最大にして、診断器17を動作させるようになっている。図1は、診断器17の概略的構成を示す機能ブロック図である。図示のように、診断器17は、制御部20および記憶部30を備える構成である。
制御部20は、診断器17内における各種構成の動作を統括的に制御するものであり、記憶部30は、情報を記憶するものである。図1に示すように、制御部20は、計測データ取得部(取得手段)21、正規化関数作成部22、正規化部23、挙動パターン特定部24、診断部(診断手段)25、挙動パターン抽出部26、診断情報取得部27、および対応更新部28を備える構成である。また、記憶部30は、計測データ記憶部31、正規化関数記憶部32、MPP記憶部33、および挙動診断対応記憶部34を備える構成である。
計測データ記憶部31は、計測器12の電流計12aおよび電圧計12b、日射計13、並びに温度計14がそれぞれ計測した電流値、電圧値、日射強度、および温度の時系列データを計測データとして記憶している。なお、計測データには、計測値ごとに、或いは所定の期間ごとに、計測時刻を含んでいる。
正規化関数記憶部32は、第2の計測値に依存する第1の計測値を、第2の計測値が所定値である場合のものに正規化するための正規化関数を記憶するものである。具体的には、正規化関数記憶部32は、日射強度に依存する電流値を、所定の日射強度における電流値に正規化する電流用正規化関数と、温度に依存する電圧値を、所定の温度における電圧値に正規化する電圧用正規化関数とを記憶している。
MPP記憶部33は、計測器12における出力(アレイ10の出力)が最大である場合における、正規化された電流値および電圧値を座標成分とする位置である最大出力点(MPP)の時系列データを記憶するものである。
挙動診断対応記憶部34は、MPPの挙動(時間推移)を示す挙動情報とアレイ10の出力の診断情報とを対応付けた挙動診断対応テーブルを記憶するものである。図6は、挙動診断対応テーブルの一例を表形式で示す図である。なお、正常である場合の基準点を予め設定して、「正常」に対応付けられた「静止」を「該基準点に静止する」に変更してもよい。
計測データ取得部21は、計測器12の電流計12aおよび電圧計12b、日射計13、並びに温度計14からの電流値、電圧値、日射強度、および温度の時系列データを計測データとして取得するものである。計測データ取得部21は、取得した計測データを、正規化部23に送信すると共に計測データ記憶部31に記憶する。
正規化関数作成部22は、計測データ記憶部31から読み出した計測データを利用して、上記正規化関数を作成するものである。正規化関数作成部22は、作成した正規化関数を正規化関数記憶部32に記憶させる。
ここで、図7を用いて、正規化関数作成部22が上記正規化関数を作成する手法について説明する。図7の(a)・(b)は、それぞれ、本実施形態にて作成される電流用正規化関数および電圧用正規化関数を示すグラフである。
図7の(a)に示すように、正規化関数作成部22は、計測データ記憶部31から読み出した電流値(最大動作電流)と日射強度との時系列データに対し回帰分析を行い、回帰式を算出する。図示の例では、回帰式は、電流値=0.0097×日射強度となる。この回帰式を用いて、日射強度に依存する電流値を、例えば日射強度が1000W/mである電流値に変換する電流用正規化関数を作成する。すなわち、電流用正規化関数は、(正規化された電流値)=電流値×1000/日射強度となる。
また、正規化関数作成部22は、計測データ記憶部31から読み出した電圧値(最大動作電圧)と温度(モジュール温度)との時系列データに対し回帰分析を行い、回帰式を算出する。なお、日射強度が少ないと、正確な回帰分析ができないため、日射強度が所定値(図示の例では200W/m)より大きい上記時系列データを利用している。図示の例では、回帰式は、電圧値=−0.8977×温度+199.87となる。この回帰式を用いて、温度に依存する電圧値を、温度が25℃である電圧値に変換する電圧用正規化関数を作成する。すなわち、電圧用正規化関数は、(正規化された電圧値)=−0.8977×(25−温度)+電圧値となる。
正規化部23は、正規化関数記憶部32に記憶された電流用正規化関数および電圧用正規化関数を利用して、計測データ取得部21からの計測データから、電流値および電圧値を正規化するものである。正規化部23は、正規化した電流値および電圧値の時系列データを挙動パターン特定部24に送信すると共に、MPP記憶部33に記憶する。
電流値が日射強度によって正規化されると、正規化された出力点の推移は、日射強度と無関係になるので、アレイ10の出力が正常である場合の出力点は日射強度に対し固定される。従って、MPPが電圧値の増減方向とは異なる方向に推移すれば、上記出力が異常であると診断できる。また、上記基準特性が日射強度に依存しない特性となる。従って、診断がさらに容易となり、かつ診断の精度が向上する。
さらに、電圧値が温度によって正規化されると、正規化された出力点の推移は、日射強度および温度と無関係になるので、アレイ10の出力が正常である場合の出力点は固定される。従って、MPPが推移すれば、上記出力が異常であると診断できる。また、上記基準特性が日射強度および温度に依存しない特性となる。従って、診断がさらに容易となり、かつ診断の精度が向上する。
なお、上記正規化とは反対に、上記基準特性を、計測データ取得部21が取得した日射強度および温度に基づいて変換してもよい。また、上記基準特性を、種々の日射強度および温度に基づいて予め変換して、該日射強度および温度と対応付けて記憶部30に記憶しておき、計測データ取得部21が取得した日射強度および温度に対応する基準特性を、記憶部30から読み出してもよい。
なお、正規化に関する構成、すなわち正規化関数作成部22、正規化部23、および正規化関数記憶部32は、計測器12に設けることもできる。この場合、日射計13および温度計14は、それぞれ、日射強度および温度を計測器12に送信すればよい。
挙動パターン特定部24は、正規化部23からの正規化された電流値および電圧値を座標成分とするMPPの挙動パターンを特定するものである。挙動パターン特定部24は、特定した挙動パターンを診断部25に送信する。具体的には、挙動パターン特定部24は、上記MPPの挙動パターンが、挙動診断対応記憶部34の挙動診断対応テーブルに含まれる挙動情報の何れに該当するかを特定し、特定した挙動情報を診断部25に送信している。なお、挙動パターン特定部24は、正規化された電流値および電圧値の時系列データを、MPP記憶部33から取得してもよい。
診断部25は、挙動パターン特定部24からのMPPの挙動パターンに基づき、アレイ10の出力を診断するものである。診断部25は、診断結果を、表示器16を介して表示させる。具体的には、診断部25は、挙動パターン特定部24からのMPPの挙動情報に対応する診断情報を、挙動診断対応記憶部34の挙動診断対応テーブルから探索し、探索した診断情報を、表示器16を介して表示させている。
挙動パターン抽出部26は、MPP記憶部33からの正規化された電流値および電圧値の時系列データからMPPの挙動パターンを抽出するものである。挙動パターン抽出部26は、抽出した挙動パターンを対応更新部28に送信する。
診断情報取得部27は、ユーザから入力器15を介して診断情報を取得するものである。診断情報取得部27は、取得した診断情報を対応更新部28に送信する。なお、上記診断情報は、ユーザがキーボードなどを介して直接入力されたものでもよいし、各種の診断情報を表示器16に表示させ、ユーザが入力器15を介して選択されたものでもよい。
対応更新部28は、挙動パターン抽出部26からの挙動パターンと、診断情報取得部27からの診断情報とを対応付けて、挙動診断対応記憶部34の挙動診断対応テーブルを更新するものである。これにより、挙動診断対応テーブルが充実するので、診断の精度を向上させることができる。
次に、図8および図9を用いて、上記構成の診断器17の制御部20における処理動作を、説明する。図8は、制御部20における診断処理の概要を示している。
図8に示すように、まず、計測データ取得部21が、電流計12a、電圧計12b、日射計13、および温度計14から電流値、電圧値、日射強度、および温度を取得する(S10、取得ステップ)。次に、正規化部23が、取得した日射強度および温度と、正規化関数記憶部32に記憶された電流用正規化関数および電圧用正規化関数とを利用して、取得した電流値および電圧値を正規化し(S11、正規化ステップ)、正規化された電流値および電圧値によって示されるMPPをMPP記憶部33に記憶する(S12、診断ステップ、記憶ステップ)。
次に、挙動パターン特定部24が、上記MPPが変化したか否かを判断する(S13、診断ステップ)。変化していない場合、アレイ10の出力は正常であると判断して、ステップS10に戻り、上記動作を繰り返す。一方、変化する場合、挙動パターン特定部24は、上記MPPの挙動パターンが、挙動診断対応記憶部34の挙動診断対応テーブルに含まれる挙動情報の何れに該当するかを特定し(S14、診断ステップ、パターン特定ステップ)、診断部25は、特定したMPPの挙動パターンに対応する診断情報を、挙動診断対応記憶部34の挙動診断対応テーブルから取得して、表示器16に表示させる(S15、診断ステップ、異常種類特定ステップ)。その後、診断処理の終了指示があるまで上記動作を繰り返す(S16)。
図9は、制御部20において、挙動パターンと診断情報とを新たに登録する登録モードにおける概要を示している。図示のように、まず、診断情報取得部27が、ユーザから入力器15を介して診断情報を取得する(S20、診断ステップ、異常種類取得ステップ)。次に、挙動パターン抽出部26が、MPP記憶部33からの正規化されたMPP(電流値および電圧値)の時系列データからMPPの挙動パターンを抽出する(S21、診断ステップ、抽出ステップ)。そして、対応更新部28が、上記挙動パターンと上記診断情報とを対応付けて、挙動診断対応記憶部34の挙動診断対応テーブルを更新する(S22、診断ステップ、対応付けステップ)。その後、処理動作を終了する。
以上のように、本実施形態の太陽光発電システム1では、必要とされる計測値は、電流値、電圧値、および電力値の何れか2つであり、アレイ10の出力から計測できる。従って、太陽光発電システム1を停止して計測する必要が無く、その結果、診断を迅速に行うことができる。また、MPPの挙動により、上記出力を診断することができるので、特許文献2のように、基準値や係数を設定して更新する必要はない。従って、上記出力の診断を容易かつ精度よく行うことができる。
なお、本実施形態では、電流値および電圧値を利用して診断を行っているが、電流値および電圧値の何れかを電力値に変更した場合にも、本願発明を適用することができる。また、日射計13および温度計14を省略することもできる。この場合、外部の装置(例えば、気象庁のサイト)から日射強度および温度を取得すればよい。なお、太陽光発電システム1の設置場所から離れた日射計および温度計からの日射強度および温度を利用する場合、該日射強度および温度を適当に補正して、上記設置場所における日射計および温度計とすることが望ましい。
また、本実施形態では、計測器12をアレイ10単位で設けているが、ストリング18単位で設けることもできる。この場合、ストリング18単位で、出力が正常であるか或いは異常であるかを診断することができ、異常である場合に、その原因を診断することができる。
また、ストリング18単位で、出力特性を測定することができるため、各ストリングで計測するタイミングをずらすことにより、アレイ全体の発電量を損失することなく、全体の出力特性を計測することができる。
また、計測器12をモジュール19単位で設けることもできる。この場合、モジュール19単位で、出力が正常であるか或いは異常であるかを診断することができ、異常である場合に、その原因を診断することができる。
図10は、表示器16に表示される画像であって、出力が異常であるかの異常状況を、モジュール19単位で示す画像の一例を示している。なお、図示の例では、ドットおよびハッチングにより色の違いを表している。図示のように、異常の種類によって色分けすることにより、ユーザが太陽光発電システムにおける異常の状況を容易に把握することができる。
また、計測器12は、モジュール19を構成する太陽電池クラスタ単位で設けたり、太陽電池クラスタを構成するセル単位で設けたりすることもでき、それぞれの単位で、出力が正常であるか或いは異常であるかを診断することができ、異常である場合に、その原因を診断することができる。
また、本実施形態では、日射計13、温度計14、入力器15、表示器16、および診断器17は、1つのアレイ10に対して設けられているが、複数のアレイ10単位で設けることもできる。この場合、日射計13、温度計14、入力器15、表示器16、および診断器17の個数を減らすことができる。
さらに、隣接するアレイ10の構成および環境が同じである場合、隣接するアレイ10の計測データどうしを比較することにより、アレイ10の出力が正常であるか異常であるかを診断することができ、異常である場合に、その原因を診断することができる。この場合、日射計13および温度計14が不要となる。
また、複数の診断器17と、通信ネットワークを介して接続する診断サーバを追加し、該診断サーバが、複数の診断器17からMPPおよび挙動診断対応テーブルを受信して蓄積してもよい。この場合、多数のデータに基づき、MPPの挙動と異常の原因との新たな対応関係を見出す可能性がある。そして、新たな対応関係を診断器17に送信することにより、診断器17は、より詳細な診断を行うことが可能になる。なお、上記診断サーバを設ける代わりに、複数の診断器17が互いに通信ネットワークを介して接続される構成であってもよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、上記実施形態では、入力器15、表示器16、および診断器17は、パワーコンディショナ11および計測器12と別の構成としているが、パワーコンディショナ11または計測器12内に設けることもできる。
最後に、診断器17の各ブロック、特に制御部20は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
すなわち、診断器17は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである診断器17の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記診断器17に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、診断器17を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明は、大小の規模を問わず太陽光発電システムに広く好適に適用可能である。
1 太陽光発電システム
10 アレイ
11 パワーコンディショナ
12 計測器
12a 電流計
12b 電圧計
13 日射計
14 温度計
15 入力器
16 表示器
17 診断器(診断装置)
18 ストリング
19 モジュール
20 制御部
21 計測データ取得部(取得手段)
22 正規化関数作成部
23 正規化部
24 挙動パターン特定部
25 診断部(診断手段)
26 挙動パターン抽出部
27 診断情報取得部
28 対応更新部
30 記憶部
31 計測データ記憶部
32 正規化関数記憶部
33 MPP記憶部
34 挙動診断対応記憶部

Claims (8)

  1. 太陽光発電システムにおける全体または一部の出力を診断する太陽光発電システムの診断方法であって、
    上記出力に関する電流値および電圧値の計測値を取得する取得ステップと、
    該取得ステップにて取得された2つの計測値を2つの座標成分とするグラフ上の位置である出力点の当該グラフ上での推移に基づき、上記出力を診断する診断ステップとを含み、
    上記出力点は、上記出力が最大である場合の出力点であり、
    上記取得ステップは、さらに、少なくとも日射強度を含む環境パラメータを取得しており、
    上記取得ステップにて取得された環境パラメータを利用して、上記2つの計測値を、所定の環境パラメータにおいて正規化する正規化ステップをさらに備えており、
    上記診断ステップは、上記正規化ステップにて正規化された2つの計測値によって示される上記出力点の上記推移に基づき、上記出力の異常を診断することを特徴とする太陽光発電システムの診断方法。
  2. 上記診断ステップは、
    上記正規化ステップにて正規化された2つの計測値によって示される上記出力点の時系列データを記憶部に記憶する記憶ステップと、
    該時系列データを利用して、上記出力点の上記推移のパターンを特定するパターン特定ステップと、
    該推移のパターンに対応する異常の種類を特定する異常種類特定ステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電システムの診断方法。
  3. 上記診断ステップは、
    上記出力点の時系列データから、上記出力点の上記推移のパターンを抽出する抽出ステップと、
    入力器を介して異常の種類を取得する異常種類取得ステップと、
    該異常種類取得ステップにて取得された異常の種類と、上記抽出ステップにて抽出された上記出力点の上記推移のパターンとを対応付ける対応付けステップとを含むことを特徴とする請求項2に記載の太陽光発電システムの診断方法。
  4. 太陽光発電システムにおける全体または一部の出力を診断する太陽光発電システムの診断方法であって、
    上記出力に関する電流値および電圧値の計測値を取得する取得ステップと、
    該取得ステップにて取得された2つの計測値を2つの座標成分とするグラフ上の位置である出力点の当該グラフ上での推移に基づき、上記出力を診断する診断ステップとを含み、
    上記出力点は、上記出力が最大である場合の出力点であり、
    上記取得ステップは、さらに、上記出力点における少なくとも日射強度を含む環境パラメータを取得しており、
    上記診断ステップは、上記出力が正常である場合の上記出力点である基準点であって、上記取得ステップにて取得された環境パラメータに対応する基準点と上記出力点との比較を行うことにより、上記出力の異常を診断することを特徴とする太陽光発電システムの診断方法。
  5. 上記環境パラメータは、少なくとも日射強度および温度を含むことを特徴とする請求項1または4に記載の太陽光発電システムの診断方法。
  6. 太陽光発電システムにおける全体または一部の出力を診断する太陽光発電システムの診断装置であって、
    上記出力に関する電流値および電圧値の計測値を取得する取得手段と、
    該取得手段にて取得された2つの計測値を2つの座標成分とするグラフ上の位置である出力点の当該グラフ上での推移に基づき、上記出力を診断する診断手段とを含み、
    上記出力点は、上記出力が最大である場合の出力点であり、
    上記取得手段は、さらに、少なくとも日射強度を含む環境パラメータを取得しており、
    上記取得手段にて取得された環境パラメータを利用して、上記2つの計測値を、所定の環境パラメータにおいて正規化する正規化手段をさらに備えており、
    上記診断手段は、上記正規化手段にて正規化された2つの計測値によって示される上記出力点の上記推移に基づき、上記出力の異常を診断することを特徴とする太陽光発電システムの診断装置。
  7. 太陽光発電システムにおける全体または一部の出力を診断する太陽光発電システムの診断装置であって、
    上記出力に関する電流値および電圧値の計測値を取得する取得手段と、
    該取得手段にて取得された2つの計測値を2つの座標成分とするグラフ上の位置である出力点の当該グラフ上での推移に基づき、上記出力を診断する診断手段とを含み、
    上記出力点は、上記出力が最大である場合の出力点であり、
    上記取得手段は、さらに、上記出力点における少なくとも日射強度を含む環境パラメータを取得しており、
    上記診断手段は、上記出力が正常である場合の上記出力点である基準点であって、上記取得手段にて取得された環境パラメータに対応する基準点と上記出力点との比較を行うことにより、上記出力の異常を診断することを特徴とする太陽光発電システムの診断装置。
  8. 太陽光発電システムにおける全体または一部の出力を診断する診断装置を動作させるための太陽光発電システムの診断プログラムにおいて、
    請求項1または4に記載の各ステップをコンピュータに実行させるための太陽光発電システムの診断プログラム。
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