JP5660187B2 - 画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム及び記録媒体 - Google Patents
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Description
本発明は、画像形成に関し、より詳細には、マルチビーム潜像形成を行う画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム及び記録媒体に関する。
画像形成装置の機能向上に伴い、画像形成装置の単位時間当たりの画像形成速度(PPM:Prints Per Minutes)も増大してきている。近年では、より高速・高精細な画像形成を行うために、面発光レーザ(以下、VCSELとして参照する。)を使用してマルチビーム露光をおこなう画像形成装置が提案されている。また、画像形成装置も省資源の要請に対応して、両面印刷を行う機種が提供されるようになっている。
このため、自動両面装置では、画像形成速度の向上に伴い、用紙の第1面記録から第2面記録までの時間間隔が短縮される傾向となっている。例えば、高速機種では、第1面印刷から第2面印刷まで、10秒以内で行われる機種も存在する。このことは、画像形成装置の小型化とも関連し、用紙の第1面記録に対応した熱定着から、第2面の記録までの搬送距離が短くなる傾向にあるため、高温部から用紙が外れる時間が少なく、時間間隔の他にも、さらに印刷用紙は、熱的影響を受ける環境に置かれ冷えにくい状態とされる。
このような状態で、両面記録した場合、用紙の表裏に対応する第1面および第2面で印字された画像は、厚さ約80μmの上質紙を印刷用紙として使用した場合、熱・湿度変動により0.2%〜0.4%の倍率差が生じることが確認されている。
従来、上述した問題点に対し、特許第3373266号公報(特許文献1)では、画像形成装置に対して副走査倍率変倍機能を提供し、副走査画像データの間引きによる縮小、または画像データ追加による拡大を行っていた。
特許文献1に記載された方法によっても、倍率差を解消することは可能となる。しかしながら、形成するべき画像が高精細化するにつれ、例えば、5ラインおきに1ライン線を形成するような周期性のある画像では、倍率調整のためにラインを間引き、または追加した場合、濃度ムラ、モワレなど、大域的な画像欠陥が顕著に発生するという問題がある。
また、倍率差解消の処理に伴ってスクリーン線数と変倍率の干渉等に起因するバンディングを防止する必要もある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、大域的な画像劣化を生じさせることなく、両面対応を考えた場合の高速印刷および高精細な画像形成を実現するとともに、バンディングの発生を防止することができる画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる画像形成装置は、複数の画素から構成される画像データを変倍する基準となる前記画素の主走査方向の位置に基づいて、補正対象となる補正画素の画素位置を決定する位置決定処理を行う位置決定手段と、前記画像データの前記画素位置に前記補正画素を追加または削除することにより前記画像データを変倍する変倍手段と、前記画素位置の画素を含む副走査方向の画素列と、予め定められたパターンと、が一致するか否かを認識するパターン認識手段と、前記画素列と前記パターンとが一致する場合に、一致する前記パターンに応じて定められるずらし量の分、前記画素位置を副走査方向へずらす画素位置変更手段と、を備える。
また、本発明にかかる画像形成方法は、複数の画素から構成される画像データを変倍する基準となる前記画素の主走査方向の位置に基づいて、補正対象となる補正画素の画素位置を決定する位置決定処理を行う位置決定ステップと、前記画像データの前記画素位置に前記補正画素を追加または削除することにより前記画像データを変倍する変倍ステップと、前記画素位置の画素を含む副走査方向の画素列と、予め定められたパターンと、が一致するか否かを認識するパターン認識ステップと、前記画素列と前記パターンとが一致する場合に、一致する前記パターンに応じて定められるずらし量の分、前記画素位置を副走査方向へずらす画素位置変更ステップと、を含む。
また、本発明にかかる画像形成プログラムは、コンピュータを、複数の画素から構成される画像データを変倍する基準となる前記画素の主走査方向の位置に基づいて、補正対象となる補正画素の画素位置を決定する位置決定処理を行う位置決定手段と、前記画像データの前記画素位置に前記補正画素を追加または削除することにより前記画像データを変倍する変倍手段と、前記画素位置の画素を含む副走査方向の画素列と、予め定められたパターンと、が一致するか否かを認識するパターン認識手段と、前記画素列と前記パターンとが一致する場合に、一致する前記パターンに応じて定められるずらし量の分、前記画素位置を副走査方向へずらす画素位置変更手段、として機能させる。
また、本発明にかかる記録媒体は、上記画像形成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
本発明によれば、変倍処理を半導体レーザ素子のレベルで制御でき、変倍処理に伴うモワレなど大域的な画像劣化を生じさせることなく、両面対応を考えた場合の高速印刷および高精細な画像形成を実現できるとともに、バンディングの発生を防止することができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像形成装置、画像形成方法、画像形成プログラム及び記録媒体の最良な実施の形態を詳細に説明する。但し、本発明は、これらの実施の形態に限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1の画像形成装置の機械的構成を示す模式図である。本実施の形態の画像形成装置100は、VCSEL200(図2,図3参照)、ポリゴンミラー102aなどの光学要素を含む光学装置102と、感光体ドラム、帯電装置、現像装置などを含む像形成部112と、中間転写ベルトなどを含む転写部122を含んで構成される。光学装置102は、半導体レーザとしてVCSEL200を含んで構成される。図1に示す実施形態では、VCSEL200(図1では不図示)から射出された光ビームは、一旦、第1シリンドリカルレンズ(図示せず)により集光され、ポリゴンミラー102aにより、反射ミラー102bへと偏向される。
図1は、実施の形態1の画像形成装置の機械的構成を示す模式図である。本実施の形態の画像形成装置100は、VCSEL200(図2,図3参照)、ポリゴンミラー102aなどの光学要素を含む光学装置102と、感光体ドラム、帯電装置、現像装置などを含む像形成部112と、中間転写ベルトなどを含む転写部122を含んで構成される。光学装置102は、半導体レーザとしてVCSEL200を含んで構成される。図1に示す実施形態では、VCSEL200(図1では不図示)から射出された光ビームは、一旦、第1シリンドリカルレンズ(図示せず)により集光され、ポリゴンミラー102aにより、反射ミラー102bへと偏向される。
ここで、VCSEL(Vertical Cavity Surface Emitting LASER)200とは、同一チップ上に複数の光源(半導体レーザ)を格子状に配置した面発光型半導体レーザである。このようなVCSEL200を使用した画像形成装置としては様々な技術が知られており、本実施の形態の画像形成装置100の光学装置102には、これらの公知技術と同様の構成で、VCSEL200が組み込まれている。図2は、本実施の形態の光学装置102に組み込まれたVICSEL200の構成図である。本実施の形態のVCSEL200は、図2に示すように、格子状に複数の光源1001(複数の半導体レーザ)が格子状に配置された半導体レーザアレイを構成している。そして、複数の光源1001の配列方向が偏向器としてのポリゴンミラー102aの回転軸に対して所定の角度θで傾斜して設けられている。
図2では、光源の縦配列方向をa〜c、横配列方向を1〜4とし、例えば、図2の左上の光源1001をa1のように表記する。光源1001がポリゴンミラー角度θをもって配置されていることにより、光源a1と光源a2とは異なる走査位置を露光し、この2光源により1つの画素(1画素)を構成する場合、すなわち、図2において、2光源で1画素を実現する場合を考える。例えば2光源a1,a2で1画素、2光源a3,a4で1画素を構成していくとすると、図中の光源によって図2右端に示すような画素が形成される。図の縦方向を副走査方向としたとき、2光源により構成される画素の中心間距離が600dpi相当であるとする。このとき、1画素を構成する2光源の中心間隔は1200dpi相当となり、画素密度に対して光源密度が2倍となっている。よって1画素を構成する光源の光量比を変えることで、画素の重心位置を副走査方向にずらすことが可能となり、高精度な画像形成が実現できる。
画像形成装置100は、fθレンズを使用しないポストオブジェクト型の光学装置102を構成する。光ビームLは、図示した実施形態ではシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の各色に対応した数発生されていて、反射ミラー102bで反射され、第2シリンドリカルレンズ102cで再度集光された後に感光体ドラム104a、106a、108a、110aを露光している。
光ビームLの照射は、上述したように複数の光学要素を使用して行われるため、主走査方向および副走査方向に関して、タイミング同期が行われている。なお、以下、主走査方向を、光ビームの走査方向として定義し、副走査方向を、主走査方向に対して直交する方向として定義する。
感光体ドラム104a、106a、108a、110aは、アルミニウムなどの導電性ドラム上に、少なくとも電荷発生層と、電荷輸送層とを含む光導電層を備えている。光導電層は、それぞれ感光体ドラム104a、106a、108a、110aに対応して配設され、コロトロン、スコロトロン、または帯電ローラなどを含んで構成される帯電器104b、106b、108b、110bにより表面電荷が付与される。
各帯電器104b、106b、108b、110bにより感光体ドラム104a、106a、108a、110a上に付与された静電荷は、光ビームLにより像状露光され、静電潜像が形成される。感光体ドラム104a、106a、108a、110a上に形成された静電潜像は、現像スリーブ、現像剤供給ローラ、規制ブレードなどを含む現像器104c、106c、108c、110cにより現像され、現像剤像が形成される。
感光体ドラム104a、106a、108a、110a上に担持された現像剤は、搬送ローラ114a、114b、114cにより矢線Aの方向に移動する中間転写ベルト114上に転写される。中間転写ベルト114は、C、M、Y、Kの現像剤を担持した状態で2次転写部へと搬送される。2次転写部は、2次転写ベルト118と、搬送ローラ118a、118bと含んで構成される。2次転写ベルト118は、搬送ローラ118a、118bにより矢線Bの方向に搬送される。2次転写部には、給紙カセットなどの受像材収容部128から上質紙、プラスチックシートなどの受像材124が搬送ローラ126により供給される。
2次転写部は、2次転写バイアスを印加して、中間転写ベルト114上に担持された多色現像剤像を、2次転写ベルト118上に吸着保持された受像材124に転写する。受像材124は、2次転写ベルト118の搬送と共に定着装置120へと供給される。定着装置120は、シリコーンゴム、フッソゴムなどを含む定着ローラなどの定着部材130を含んで構成されていて、受像材124と多色現像剤像とを加圧加熱し、印刷物132として画像形成装置100の外部へと出力する。多色現像剤像を転写した後の転写ベルト114は、クリーニングブレードを含むクリーニング部116により転写残現像剤が除去された後、次の像形成プロセスへと供給される。
図3は、VCSEL200を含む光学装置102が感光体ドラム104aを露光する場合の概略的な斜視図を示す。VCSEL200から射出された光ビームLは、光ビーム束を整形するために使用される第1シリンドリカルレンズ202により集光され、反射ミラー204および結像レンズ206を経た後、ポリゴンミラー102aにより偏向される。ポリゴンミラー102aは、数千〜数万回転するスピンドルモータなどにより回転駆動されている。ポリゴンミラー102aで反射された光ビームLは、反射ミラー102bで反射された後、第2シリンドリカルレンズ102cにより再整形され、感光体ドラム104a上を露光する。
また、光ビームLの副走査方向への走査開始タイミングを同期するため、反射ミラー208が配置されている。反射ミラー208は、副走査方向の走査を開始する以前で、光ビームLを、フォトダイオードなどを含む同期検出装置210へと反射させる。同期検出装置210は、当該光ビームを検出すると、副走査を開始させるために同期信号を発生させ、VCSEL200への駆動制御信号の生成処理などの処理を同期する。
VCSEL200は、後述するGAVD310から送付されるパルス信号により駆動され、後述するように、画像データの所定の画像ビットに対応する位置に光ビームLが露光され、感光体ドラム104a上に静電潜像を形成する。
図4は、本画像形成装置100の制御ユニット300の概略的な機能ブロック図を示す。制御ユニット300は、スキャナ部302と、プリンタ部308と、主制御部330として構成されている。スキャナ部302は、画像を読み取る手段として機能しており、スキャナが読み取った信号をA/D変換して黒オフセット補正、シェーディング補正、画素位置補正を行うVPU304と、主に取得された画像を、RGB表色系からCMYK表色系での画像データとしてディジタル変換するための画像処理を行うIPU306とを含んで構成されている。スキャナ部302が取得した読み取り画像は、ディジタルデータとしてプリンタ部308へと送られる。
プリンタ部308は、VCSEL200の駆動制御を行う制御手段として機能するGAVD310と、GAVD310が生成した駆動制御信号により半導体レーザ素子を駆動させるための電流を、半導体レーザ素子に供するLDドライバ312と、2次元的に配置された半導体レーザ素子を実装するVCSEL200とを含んで構成される。本実施形態のGAVD310は、スキャナ部302から送られた画像データについて、画素データにVCSEL200の射出する半導体レーザ素子の空間的なサイズに対応するように画素データを分割して高解像度化処理を実行する。
また、スキャナ部302とプリンタ部308は、システムバス316を介して主制御部330と接続されていて、主制御部330の指令により、画像読み取りおよび画像形成が制御されている。主制御部330は、中央処理装置(以下、CPUとして参照する。)320と、CPU320が処理のために使用する処理空間を提供するRAM322とを含んでいる。CPU320は、これまで知られたいかなるCPUでも使用することができ、例えば、PENTIUM(登録商標)シリーズ、またはその互換CPUなどCISC(Complex Instruction Set Computer)、MIPSなどのRISC(Reduced Instruction Set Computer)などを使用することができる。CPU320は、インタフェース328を介してユーザからの指令を受け付け、指令に対応する処理を実行するプログラムモジュールを呼び出して、コピー、ファクシミリ、スキャナ、イメージストレージなどの処理を実行させる。さらに、主制御部330は、ROM324を含んでおり、CPU320の初期設定データ、制御データ、プログラムなどをCPU320が利用可能に格納する。イメージストレージ326は、ハードディスク装置、SDカード、USBメモリなどの固定または着脱自在のメモリ装置として構成され、画像形成装置100が取得した画像データを、格納して、ユーザによる各種処理のために利用可能としている。
スキャナ部302が取得した画像データについてプリンタ部308を駆動して感光体ドラム104aなどに静電潜像として画像を出力する場合、CPU320は、上質紙、プラスチックフィルムなどの受像材の主走査方向制御および副走査位置制御を実行する。CPU320は、副走査方向のスキャンを開始させる場合、GAVD310にスタート信号を出力する。GAVD310は、スタート信号を受領すると、IPU306がスキャン処理を開始する。その後、GAVD310は、バッファメモリなどに格納した画像データを受信し、その後、その受信した画像データを処理し、処理した画像データをLDドライバ312に出力する。LDドライバ312は、GAVD310から画像データを受け取ると、VCSEL200の駆動制御信号を生成する。その後、LDドライバ312は、この駆動制御信号をVCSEL200に送出することにより、VCSEL200を点灯させる。なお、LDドライバ312は、半導体レーザ素子を、PWM制御などを使用して駆動させる。本実施形態で説明するVCSEL200は、半導体レーザ素子を8ch備えるが、VCSEL200のチャネル数は限定されるものではない。
図5は、GAVD310のより詳細な機能ブロックを示す。GAVD310は、同期信号を受信して、IPU306から送付される画像データを格納して記憶するFIFOバッファなどのメモリ340を備えていて、IPU306から送信された画像データを先入れ/先出し方式で画像処理部342に渡している。画像処理部342は、メモリ340から画像データを読み込んで、画像データの解像度変換、半導体レーザ素子チャネルの割当て、および画像ビット(すなわち、画像データを変倍するための補正画素)の追加・削除の処理(すなわち、画像データの補正処理)を実行する。画像データは、主走査方向に規定される主走査ラインアドレス値および副走査方向に規定される副走査ラインアドレス値により、感光体ドラム104aに対して露光される位置が規定されている。以下、本実施形態では、アドレス座標とは、画像データを主走査ラインアドレス値(Rアドレス値)および副走査ラインアドレス値(Fアドレス値)で指定した場合の特定の画像ビットを与える各アドレス値のセットとして定義する。なお、これらのアドレス値は、後述するように、アドレス生成部354によって決定される。また、これらのアドレス座標は、主走査方向および副走査方向のラインに並んだ画素(すなわち画素列)ごとに定められている。そして、画像パスセレクタ358(後述)は、この画素列毎に、後述するアドレス生成部354によってRアドレス値およびFアドレス値で指定された座標のアドレス(すなわち、画素位置)に位置する画素に対して、画素ビットを挿入する等の補正処理を行う。
出力データ制御部344は、画像処理部342が生成した画像データに対応する書き込み信号とされる出力データを、Fアドレス値および副走査速度から時系列的な駆動パルスに変換し、さらに同期検出装置210に対して同期信号を与えるための同期制御信号を追加して生成する。生成された駆動制御信号は、LDドライバ312に伝送され、VCSEL(図示せず)を駆動する。また、出力データ制御部344には、同期検出装置210からの同期信号が入力され、LDドライバ312への駆動制御信号の伝送を同期させている。なお、メモリ340、画像処理部342、出力データ制御部344の処理は、PLL346により動作クロックに同期している。
図6は、図5に示した画像処理部342の機能ブロック図を示す。画像処理部342は、図6に示すように、解像度変換部350と、副走査変倍部352と、アドレス生成部354とを備えている。
解像度変換部350は、メモリ340から取得した画像データについて単位画素を、VCSEL200のチャネル数およびサイズに対応して分割して分割画素を作成する。その後、分割画素に対して当該画素の照射を行うレーザ素子チャネルの割当てを行う。また、解像度変換部350は、高解像度化を行う場合、2n倍密度処理(nは、正の整数)または2nライン化処理を選択し、レーザ素子チャネルの駆動割当てを決定する。
アドレス生成部354は、副走査変倍処理による画像ビットを追加または削除するアドレス値を決定する。アドレス生成部354は、基準アドレス生成部354aと、アドレス変換部354bと、パターン認識部354cとを備えている。
基準アドレス生成部354aは、追加または削除するアドレス値(Fアドレス)を決定する。アドレス変換部354bは、基準アドレス生成部354aで決定された追加または削除するアドレス値を、パターン認識部354cから出力されるmatchデータ(後述)により、追加または削除する画像ビットが補正対象であるか否かを判定し、補正対象であると判定した場合、追加または削除するアドレス値を副走査方向へずらす処理を行う。
パターン認識部354cは、イメージマトリクスを記憶しており、イメージマトリクスと画素列とをパターンマッチングし、そのマッチング結果をmatchデータとして出力する。図7−1は、イメージマトリクスの一例を示す模式図である。図7−1に示すイメージマトリクスにおいて、中央の矩形で囲んだ画素が注目画素を示している。
なお、本実施の形態では、パターン認識部354cによるパターンマッチングを書込み解像変換処理前に実施しているが、これに限定されるものではなく、書込み解像度変換処理後にパターンマッチングを実施するように構成してもよい。
図7−2は、認識する画素列のパターンの例を示す模式図である。パターン認識部354cは、イメージマトリクスで黒、白を判定し、それぞれ対応するパターンと一致した場合にmatchデータを出力する。図7−2に示す例では、注目画素の前後に白1画素があった場合、match=1を出力する。いずれのパターンにも一致しない場合には、パターン認識部354cは、match=0を出力する。
次に、アドレス変換部354bの詳細について説明する。図8は、アドレス変換部354bの動作を説明するための模式図である。アドレス変換部354bに、match=1、追加/削除位置を示すFアドレス=4nが入力された場合を例にあげて説明する。
本実施の形態におけるパターン認識部354cのパターンマッチングは、解像度変換処理の目前の主副1200dpi画像である。一方、変倍処理は、解像度変換処理後の画素単位となるため、パターンマッチングデータとアドレスは、図8に示す関係となる。
すなわち、追加/削除位置(Fアドレス)=4n+1で、match=1であるので、アドレス変換部354bは、追加/削除位置が1200dpi 1dot黒であると判断し、「Fアドレス=Fアドレス+4=4n+5」のように副走査後端へずらす。
図9は、白画素と変倍処理による追加/削除位置が一致した場合の動作を説明するための模式図である。match=4は白画素1dotを表し、Fアドレス=4nが追加/削除位置であった場合、アドレス変換部354bは、「Fアドレス=Fアドレス+8=4n+8」のように副走査後端へずらす。
ここで、副走査方向へずらす量は、予めmatch値ごとに定めておき保存しておく。一例として、matchデータと副走査方向へのずらし量の関係は以下のとおりであるが、これに限定されるものではない。
match=0 : 副走査ずらし量=0
match=1 : 副走査ずらし量=4
match=2 : 副走査ずらし量=4
match=3 : 副走査ずらし量=8
match=4 : 副走査ずらし量=8
match=5 : 副走査ずらし量=8
match=6 : 副走査ずらし量=12
図6に戻り、副走査変倍部352は、画像パスセレクタ358と、シフト保持用メモリ356とを備えている。副走査変倍部352は、アドレス生成部354からの、画像を形成するために使用するFアドレスおよびRアドレスを受け取り、処理対象となっているアドレス値が画像ビットを追加または削除するアドレス値を含むか否かを判断する。副走査変倍部352は、画像ビットを追加・削除するアドレスについては、例えば追加フラグまたは削除フラグなどの変倍指令信号を生成し、画像パスセレクタ358およびシフト保持用メモリ356に渡す。シフト保持用メモリ356は、画像ビットをシフトさせるシフト量を格納しており、変倍指令信号をカウントし保持する。画像パスセレクタ358は、画像拡大時であって追加を変倍指令信号が設定されている場合、当該画像ビットのデータを白データに設定し、以後の画像データを1ビット分ずつシフトさせる。変倍指令信号が設定されていない場合は、シフト保持用メモリ356からのシフト量を元に、解像度変換部350からの入力データを選択し、出力する。なお本実施形態で、半導体レーザとして8chVCSEL200を使用するものとする場合、追加・削除する位置を示す信号およびシフト量を示す信号は8ch分割り当てられ、VCSEL200の駆動のために使用される。なお、画像ビットの追加・削除の計算は、画像処理部342の適切な機能部であれば、専用モジュールとして構成することができるし、他のモジュールの一部として構成することもできる。尚、変倍命令信号をカウントする理由は、画像ビットをシフトさせる場合に、例えば、1走査目に画像ビットを追加した後、2走査目の最初に画像ビットを追加する位置を特定するためである。
match=1 : 副走査ずらし量=4
match=2 : 副走査ずらし量=4
match=3 : 副走査ずらし量=8
match=4 : 副走査ずらし量=8
match=5 : 副走査ずらし量=8
match=6 : 副走査ずらし量=12
図6に戻り、副走査変倍部352は、画像パスセレクタ358と、シフト保持用メモリ356とを備えている。副走査変倍部352は、アドレス生成部354からの、画像を形成するために使用するFアドレスおよびRアドレスを受け取り、処理対象となっているアドレス値が画像ビットを追加または削除するアドレス値を含むか否かを判断する。副走査変倍部352は、画像ビットを追加・削除するアドレスについては、例えば追加フラグまたは削除フラグなどの変倍指令信号を生成し、画像パスセレクタ358およびシフト保持用メモリ356に渡す。シフト保持用メモリ356は、画像ビットをシフトさせるシフト量を格納しており、変倍指令信号をカウントし保持する。画像パスセレクタ358は、画像拡大時であって追加を変倍指令信号が設定されている場合、当該画像ビットのデータを白データに設定し、以後の画像データを1ビット分ずつシフトさせる。変倍指令信号が設定されていない場合は、シフト保持用メモリ356からのシフト量を元に、解像度変換部350からの入力データを選択し、出力する。なお本実施形態で、半導体レーザとして8chVCSEL200を使用するものとする場合、追加・削除する位置を示す信号およびシフト量を示す信号は8ch分割り当てられ、VCSEL200の駆動のために使用される。なお、画像ビットの追加・削除の計算は、画像処理部342の適切な機能部であれば、専用モジュールとして構成することができるし、他のモジュールの一部として構成することもできる。尚、変倍命令信号をカウントする理由は、画像ビットをシフトさせる場合に、例えば、1走査目に画像ビットを追加した後、2走査目の最初に画像ビットを追加する位置を特定するためである。
図10−1、10−2を用いて画像パスセレクタ358の動作を説明する。図10−1、10−2の注目データ602は、1画素分のビット値を示しており、1画素分のデータは、8ch分の副座標で示されている。特定の主走査の座標位置に割り当てられたビットデータである。入力データ600としては、注目データ602と、副走査変倍用のシフト単位を指定する変倍用データとが常に前段のメモリ340から読み出されており、全ライン同じ処理がなされて解像度変換部350に入力されている。図10−1に示す未変倍時には、変倍指令信号が設定されていないので、シフト保持用メモリ356からのシフト量(shift)=0とされ、図10−1に示すように、注目データ602の画像データを、この実施形態の場合の書き込み信号とされる出力データ604として渡す。
次に、図10−2を使用して変倍指令信号が設定されている場合の動作を説明する。図10−2では、1走査目(A)において、注目データ602の副座標1に白が追加された場合を示している。CH1に対応したアドレス値で、画像ビットの追加を示す信号が設定され、CH1のビットデータを白画素に対応させるように置換して出力データ606のCH1にデータとして設定する。そして、CH1に対応した追加に対応するカウント値1がシフト保持用メモリ356に登録される。
CH2〜CH7のデータについては、出力データ606の副座標の値としてチャネルシフト量−1とした副座標値にシフトさせる。このとき画像パスセレクタ358は、出力データ606のCH2〜CH7に対しチャネルシフト量−1に相当するチャネルの注目データのビットデータを割当てることにより、画像ビットの追加を行うことができる。出力データ606は、白に対応する画像ビットが注目データに対して追加されており、書き込み信号として使用される、出力データ制御部344は、書き込み信号を時系列的に変換してVCSEL200の駆動パルスを生成し、画像形成が行われる。上述した処理は、主走査単位で行われ、主走査方向の次の画素についてのデータが順次、メモリ340から読み込まれ、主走査方向について画像形成が行われる。
上述したように、1走査目(A)において白画素を追加して出力データ606のCH1〜CH7の副座標値がシフトしたことによって、2走査目(B)では、図10−2に示すように、白画素を追加しない場合であっても、出力データ606CH8〜CH15の副座標値が−1ずつシフトし、さらに3走査目(C)において1走査目と同様に白画素を追加する場合には、図7(d)に示すように、出力データ606CH16〜CH23の副座標値は、−2ずつシフトすることとなる。
図11−1、11−2は、画像データ、Rアドレス、Fアドレスの関係およびVCSEL200による単位画素とレーザスポットとの関係を示す。図11−1が、画像データと各アドレスの関係を示し、図11−2が単位画素とレーザスポットとの関係を示す。図11−1に示すように、Rアドレス702は、画像データ700における主走査方向の画素位置を決定しており、受像材の送り方向での書込可能範囲に対応した値とされる。また、Fアドレス704は、画像データ700での副走査方向の画素位置を決定する値とされている。これらのアドレスの値に対応して主走査方向の送り、およびVCSEL200の点灯制御が行われ、光ビームは、感光体ドラム上を走査し、変倍制御された静電潜像が形成される。
図11−2は、画素領域706を照射するレーザスポット708を示す。VCSEL200は、本実施形態では、8chの半導体レーザ素子を含む。半導体レーザ素子のレーザスポット702は、1列当たり4chで2列構成とされる。また、列を構成するレーザスポット702は、それぞれ副走査方向に2.4μmの間隔で配置され主走査方向に30μmの間隔で配置されている。すなわち、図11−2に示したレーザスポット708は、画素領域706を、画素領域706を副走査方向に4分割し、主走査方向にも4分割し、単位画素を16分割する解像度で照射する。図11−2の実施形態では、副走査方向でのレーザ変調ピッチ(ビームピッチ)は、読み取りされる画素解像度の1/4となり、具体的には、画素の入力解像度が1200dpi(dots per inch)である場合、実効的な解像度として、4800dpiのビームピッチで潜像形成を可能としている。
図12の(a)は、解像度変換部350が実行する高解像度化処理の例を説明するための模式図である。解像度変換部350は、単位画素800の入力解像度1200dpi、2bitからなる画像データ808を、図12の(a)に示した例に示す出力解像度4800dpiの、16個の1bitデータの分割画素データ802に変換することで、主走査方向および副走査方向に対していわゆる4倍密処理を実行するという高解像度化処理を行っている。それぞれの分割画素データ802は、露光を担当する半導体レーザ素子のチャネルが割り当てられ、駆動制御信号を生成するために使用される。
なお、本実地の形態では、単位画素800の入力解像度1200dpi、2bitからなる画像データ808を、図12の(a)に示す分割画素データ808に変換するという高解像度化処理を行っているが、高解像度化処理は、これに限定されるものではない。例えば、単位画素800の入力解像度1200dpi、2bitからなる画像データ808を、図12の(b)に示す分割画素データに変換するという高解像度化処理を行うように、解像度変換部350を構成してもよい。
図12の(b)に示した例では、主走査方向について1200dpiで1bit、副走査方向については、4800dpiの解像度が与えられていて、1200dpi×4bitの4ラインとして分割画素データ804を示している。すなわち、単位画素800の入力解像度1200dpi、2bitからなる画像データ808を、この図12の(b)に示す例の分割画素データ804に変換する高解像度化処理を行うように解像度変換部350を構成してもよい。この場合にも各分割画素データの露光を担当する半導体レーザ素子のチャネルが割り当てられ、駆動制御信号の生成のために提供される。図12の(a)または(b)の分割画素データに変換する高解像度化処理は、副走査方向でのモワレ、エッジのギザ付きなど、大局的な画像欠陥を解消するために好適に利用することができる。さらに、図12の(b)に示す分割画素データに変換する高解像度化処理の場合には、分割画素数を1/4に収めることが可能となるので、以後の処理負担を低減することができる。
図13は、実施の形態1の画像形成装置100による変倍処理の手順を示すフローチャートである。図13に示す変倍処理では、まず、基準アドレス生成部354aがRアドレス値を設定する(ステップS11)。そして、基準アドレス生成部354aは、追加・削除するFアドレス値を、画像処理部342で使用する変倍方式によりRアドレスを使用して計算する(ステップS12)。
次に、パターン認識部354cによりFアドレス値、Rアドレス値で示される画素を注目画素とした画素列とイメージマトリクスとのパターンマッチングを上述のように行って対象パターンか否かを判定し、そのマッチング結果をmatchデータとして出力する。そして、アドレス変換部354bによりmatchデータにより画素追加・削除するFアドレス値をずらして変更する(ステップS13)。
次に、画像パスセレクタ358は、ステップS11で設定したRアドレス値およびステップS13で計算したFアドレス後のFアドレス値を1ライン分だけ増加または削除して書き換えを実行し、計算したFアドレスに対応する副走査ラインの(Rアドレス値、Fアドレス値)のアドレスで与えられる画素に画像ビットを設定する(ステップS14)。すなわち、画像パスセレクタ358は、Rアドレス値及びFアドレス値に位置する画素に対する補正処理を行う。また、副走査ラインの追加の際、副走査ラインの挿入に対応してそれぞれFアドレス値を降順に書き換えるのではなく、副走査ラインの追加に対応することもできるが、例えば、挿入する前後の2つの副走査ラインの値をインデックスとして、追加Fアドレス値を別に生成させて、出力データ制御部344に渡すこともできる。
次に、画像パスセレクタ358は、処理対象のFアドレス範囲のビットデータを読み出して、出力データ制御部344に転送する(ステップS15)。出力データ制御部344は、画素位置に対応するタイミングのパルス信号を生成し、LDドライバ312に送り、半導体レーザ素子を駆動させる。
ステップS14の処理では、1ライン分として1200dpiに相当する値を割当てることもできるが、Fアドレスに対してVCSEL200の副走査方向の分解能である4800dpiに相当するFアドレスの値を予め割り当てておき、VCSEL200の半導体レーザ素子の駆動を4800dpiレベルで制御することにより、より高精細な変倍制御を実行することが可能となる。
そして、画像パスセレクタ358は、1200dpiで割り当てたデフォルトFアドレス範囲の画素データの転送が終了したか否かをFアドレス値の比較または終了キャラクタビットの受領により判断し(ステップS16)、副走査範囲の走査が終了したと判断した場合(ステップS16:Yes)、基準アドレス生成部354aは、次のRアドレス値を設定する(ステップS17)。その後、副走査変倍部352は、主走査範囲の走査が終了したか否かを判断する(ステップS18)。主走査方向の走査範囲が終了していない場合(ステップS18:No)、処理をステップS12に分岐させて、ステップS12からS18までの処理を繰り返す。
一方、ステップS16で、画像パスセレクタ358は、副走査範囲の走査が終了していないと判断した場合(ステップS16:No)、ステップS12に分岐させ、走査範囲のFアドレス値が終了するまで、ステップS12からS16までの処理を繰り返す。副走査変倍部352は、ステップS18で最終的に当該受像材について処理するべきアドレス範囲が終了したと判断した場合(ステップS18:Yes)、処理を終了する。
図14は、画素の位置補正前の追加/削除位置と位置補正後の追加/削除位置を示す説明図である。図14の例では、座標(0,16)、(4,16)の画素は黒画素と一致したことにより、座標(0,19)、(4,19)に変倍処理画素が移動したことを示している。
図15は、画素の位置補正前の追加/削除位置と位置補正後の追加/削除位置に対して変倍処理した画像の例を示す説明図である。図15において、位置補正前は丸印で囲ったように黒線が3画素となる部分が発生するが、位置補正後の追加/削除位置で変倍処理した画像は、黒線幅は4画素になっており、バンディングなどの副作用が低減できる。
このように本実施の形態では、細い黒線、または細い白線をパターン認識部354cによるマッチングにより認識し、アドレス変換部354bにより変倍処理による追加/削除位置が細い黒線、または細い白線と一致した場合、追加または削除位置をずらしているので、細い黒線または細い白線の細り、太りを低減でき、バンディングの発生を防止することができる。
また、本実施の形態では、パターン認識部354cによりディザを想定したパターンを認識しているので、万線に限らず、ディザへの副作用も低減することができる。
また、本実施の形態では、副走査へ予め決められた量をずらして書き込むため、回路構成を簡略化でき、回路規模を小さくすることができる。
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。本実施の形態の画像形成装置の機械的構成については実施の形態1と同様である。図16は、実施の形態2の画像処理部の機能的構成を示すブロック図である。本実施の形態の画像処理部は、図16に示すように、解像度変換部356と、副走査変倍部352と、アドレス生成部1654とを主に備えている。ここで、解像度変換部356、副走査変倍部352の機能および構成については実施の形態1と同様である。
次に、実施の形態2について説明する。本実施の形態の画像形成装置の機械的構成については実施の形態1と同様である。図16は、実施の形態2の画像処理部の機能的構成を示すブロック図である。本実施の形態の画像処理部は、図16に示すように、解像度変換部356と、副走査変倍部352と、アドレス生成部1654とを主に備えている。ここで、解像度変換部356、副走査変倍部352の機能および構成については実施の形態1と同様である。
本実施の形態のアドレス生成部1654は、基準アドレス生成部354aと、アドレス変換部354bと、パターン認識部354cと、bit変換部354dとを備えている。ここで、基準アドレス生成部354a、アドレス変換部354b、パターン認識部354cの機能および構成は実施の形態1と同様である。
bit変換部354dは、入力画像データが2bitである場合、2値化する。例えばbit変換部354dは、11(2進数)を1に、10(2進数)を1に、01(2進数)を1に、00(2進数)を0にそれぞれ変換する。パターン認識部354cによるパターンマッチでは、1:黒、0:白として判定する。
また、bit変換部354dを、多値データ2bitを3値に変換するように構成してもよい。この場合には、bit変換部354dは、11(2進数)を2に、10(2進数)を1に、01(2進数)を1に、00(2進数)を0に変換する。この場合、パターン認識部354cによるパターンマッチでは、2:黒、1:中間調、0:白として判定する。
本実施の形態の変倍処理では、図13で説明した変倍処理において、ステップS12とステップS13との間に、bit変換部354dによる上記bit変換処理を行う。
このように本実施の形態では、多値データの入力画像に対し、パターン認識部354cのパターンマッチングの処理の前に、入力画像データのbit変換処理を行っているので、変倍処理によるバンディングなどの副作用をより低減することができる。
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。本実施の形態の画像形成装置の機械的構成については実施の形態1と同様である。図17は、実施の形態3の画像処理部の機能的構成を示すブロック図である。本実施の形態の画像処理部は、図17に示すように、解像度変換部356と、副走査変倍部1758、パターン認識部1754cと、画像補正部360とを主に備えている。ここで、解像度変換部356の機能および構成については実施の形態1と同様である。
次に、実施の形態3について説明する。本実施の形態の画像形成装置の機械的構成については実施の形態1と同様である。図17は、実施の形態3の画像処理部の機能的構成を示すブロック図である。本実施の形態の画像処理部は、図17に示すように、解像度変換部356と、副走査変倍部1758、パターン認識部1754cと、画像補正部360とを主に備えている。ここで、解像度変換部356の機能および構成については実施の形態1と同様である。
副走査変倍部1758は、図17に示すように、基準アドレス生成部1754aと、シフト保持用メモリ356と、画像パスセレクタ358とを備えている。
基準アドレス生成部1754aは、実施の形態1と同様に、副走査変倍処理による画像ビットを追加または削除するアドレス値を決定する。画像パスセレクタ358は、基準アドレス生成部1754aで決定されたアドレス値に従い、画像を追加、削除を実施するとともに、画像データをずらしてシフトさせる。
パターン認識部1754cは、副走査変倍処理が施された画像データに対して、実施の形態1と同様のイメージマトリクスを用いてパターンマッチングを行う。そして、パターン認識部1754cは、予め決められた補正対象のパターンと一致した場合、注目画素の画像データを画像補正部360に出力し、画像補正部360は、入力した画像データを所定の点灯データに変換する。
図18は、縮小処理による画素削除が1200dpi黒1画素部にかかり,画素が細った場合の例を示す模式図である。注目画素に対して、図18の左側に示すパターンと一致した場合、パターン認識部1754cはmatchデータ=1を出力する。画像補正部360は、matchデータ=1の場合に、注目画素を黒画素を表すF[hex]に変換する。
画像補正部360にける画像変換は以下のように行う。
match=0 → 補正なし
match=1 → F[hex](黒画素)
match=2 → 0[hex](白画素)
図19は、拡大処理による画素追加が1200dpi黒1画素部にかかった場合の画像補正の例を示す模式図である。尚、線幅補正を行わない場合、拡大処理により追加された白画素は電子写真では解像せずつぶれ、黒1画素が太って見える。本実施の形態では、図19に示すように画像補正を行うため、図20、図21のようにパターン認識部1754cでパターンマッチングを行い、画像補正部360でそれぞれ注目画素の画像データを補正する。
match=1 → F[hex](黒画素)
match=2 → 0[hex](白画素)
図19は、拡大処理による画素追加が1200dpi黒1画素部にかかった場合の画像補正の例を示す模式図である。尚、線幅補正を行わない場合、拡大処理により追加された白画素は電子写真では解像せずつぶれ、黒1画素が太って見える。本実施の形態では、図19に示すように画像補正を行うため、図20、図21のようにパターン認識部1754cでパターンマッチングを行い、画像補正部360でそれぞれ注目画素の画像データを補正する。
図22は、実施の形態3の変倍処理の手順を示すフローチャートである。ステップS31、S32の処理は実施の形態1と同様に行われる。
そして、画像パスセレクタ358は、ステップS31で設定したRアドレス値およびステップS32で計算したFアドレス後のFアドレス値を1ライン分だけ増加または削除して書き換えを実行し、計算したFアドレスに対応する副走査ラインの(Rアドレス値、Fアドレス値)のアドレスで与えられる画素に画像ビットを設定する(ステップS33)。すなわち、画像パスセレクタ358は、Rアドレス値及びFアドレス値に位置する画素に対する補正処理を行う。
そして、パターン認識部1754cは、副走査変倍した画像データに対してパターンマッチングを行い、対象パターンであると判定した場合は、画像補正部360は所定の画像データに変換する(ステップS34)。
その後のステップS35からS38までの処理は、実施の形態1の変倍処理のステップS15からS18までの処理と同様に行われる。
このように本実施の形態では、Fアドレス、Rアドレスを求めて画素の追加/削除を行った後、パターンマッチングを行ってその結果に応じて画像補正を行っているので、実施の形態1と同様に、バンディングの発生を防止することができる。
なお、本実施の形態では、2値画像データにてパターンマッチングを実施し、F[hex]または0[hex]に変換しているが、中間調の画像データに対してパターンマッチングを行って変換するように構成してもよい。
以上説明した画像形成方法は、画像形成装置が実装するコンピュータにより実行され、アセンブラ、C言語などのプログラミング言語により記述され、コンピュータ可読なプログラムとすることができ、また当該プログラムを記録するコンピュータ可読な記録媒体に記憶させることができる。
これまで画像形成装置につき、図面に示した実施形態をもって説明してきたが、本発明は、実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
100 画像形成装置
102 光学装置
102a ポリゴンミラー
102b 反射ミラー
102c 第2シリンドリカルレンズ
104a、106a、108a、110a 感光体ドラム
104b、106b、108b、110b 帯電器
104c、106c、108c、110c 現像器
112 画像形成部
114 中間転写ベルト
114a、114b、114c 搬送ローラ
118 2次転写ベルト
120 定着装置
122 転写部
124 受像材
130 定着部材
132 印刷物
200 VCSEL
201 制御装置
202 第1シリンドリカルレンズ
204 反射ミラー
206 結像レンズ
208 反射ミラー
210 同期検知装置
300 制御ユニット
302 スキャナ部
304 VPU
306 IPU
308 プリンタ部
310 GAVD
312 LDドライバ
316 システムバス
330 主制御部
340 メモリ
342 画像処理部
344 出力データ制御部
350 解像度変換部
352,1758 副走査変倍部
354,1654 アドレス生成部
354a,1754a 基準アドレス生成部
354b アドレス変換部
354c,1754c パターン認識部
356 シフト保持用メモリ
358 画像パスセレクタ
360 画像補正部
102 光学装置
102a ポリゴンミラー
102b 反射ミラー
102c 第2シリンドリカルレンズ
104a、106a、108a、110a 感光体ドラム
104b、106b、108b、110b 帯電器
104c、106c、108c、110c 現像器
112 画像形成部
114 中間転写ベルト
114a、114b、114c 搬送ローラ
118 2次転写ベルト
120 定着装置
122 転写部
124 受像材
130 定着部材
132 印刷物
200 VCSEL
201 制御装置
202 第1シリンドリカルレンズ
204 反射ミラー
206 結像レンズ
208 反射ミラー
210 同期検知装置
300 制御ユニット
302 スキャナ部
304 VPU
306 IPU
308 プリンタ部
310 GAVD
312 LDドライバ
316 システムバス
330 主制御部
340 メモリ
342 画像処理部
344 出力データ制御部
350 解像度変換部
352,1758 副走査変倍部
354,1654 アドレス生成部
354a,1754a 基準アドレス生成部
354b アドレス変換部
354c,1754c パターン認識部
356 シフト保持用メモリ
358 画像パスセレクタ
360 画像補正部
Claims (9)
- 複数の画素から構成される画像データを変倍する基準となる前記画素の主走査方向の位置に基づいて、補正対象となる補正画素の画素位置を決定する位置決定処理を行う位置決定手段と、
前記画像データの前記画素位置に前記補正画素を追加または削除することにより前記画像データを変倍する変倍手段と、
前記画素位置の画素を含む副走査方向の画素列と、予め定められたパターンと、が一致するか否かを認識するパターン認識手段と、
前記画素列と前記パターンとが一致する場合に、一致する前記パターンに応じて定められるずらし量の分、前記画素位置を副走査方向へずらす画素位置変更手段と、
を備える画像形成装置。 - 前記画素位置は、前記画像データに含まれる画素を表す処理前画素の画素密度を増加させる倍密度処理後の画素を表す処理後画素の位置を示し、
前記パターンは、前記処理前画素の画素列のパターンであり、
前記パターン認識手段は、前記画素位置が示す前記処理後画素に対応する前記処理前画素を含む副走査方向の前記処理前画素の画素列と、前記パターンと、が一致するか否かを認識する、
請求項1に記載の画像形成装置。 - 前記パターンは、黒画素と、前記黒画素の前後の白画素と、を含むパターンであり、
前記画素位置変更手段は、前記画素列と前記パターンとが一致する場合に、一致する前記パターンに応じて定められ、前記処理前画素1つ以上に相当する前記ずらし量の分、前記画素位置を副走査方向へずらす、
請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記パターンは、白画素と、前記白画素の前後の黒画素と、を含むパターンであり、
前記画素位置変更手段は、前記画素列と前記パターンとが一致する場合に、一致する前記パターンに応じて定められ、前記処理前画素2つ以上に相当する前記ずらし量の分、前記画素位置を副走査方向へずらす、
請求項2に記載の画像形成装置。 - 前記画素位置変更手段は、前記画像データとしての多値画像データを2値化するbit変換手段をさらに備え、
前記パターン認識手段は、前記パターンと2値化した画像データの前記画素位置の画素を含む副走査方向の画素列とが一致するか否かを認識する請求項1〜4のいずれか一つに記載の画像形成装置。 - 前記画素位置変更手段は、前記画像データとしての多値画像データを3値化するbit変換手段をさらに備え、
前記パターン認識手段は、前記パターンと3値化した画像データの前記画素位置の画素を含む副走査方向の画素列とが一致するか否かを認識する請求項1〜4のいずれか一つに記載の画像形成装置。 - 複数の画素から構成される画像データを変倍する基準となる前記画素の主走査方向の位置に基づいて、補正対象となる補正画素の画素位置を決定する位置決定処理を行う位置決定ステップと、
前記画像データの前記画素位置に前記補正画素を追加または削除することにより前記画像データを変倍する変倍ステップと、
前記画素位置の画素を含む副走査方向の画素列と、予め定められたパターンと、が一致するか否かを認識するパターン認識ステップと、
前記画素列と前記パターンとが一致する場合に、一致する前記パターンに応じて定められるずらし量の分、前記画素位置を副走査方向へずらす画素位置変更ステップと、
を含む画像形成方法。 - コンピュータを、
複数の画素から構成される画像データを変倍する基準となる前記画素の主走査方向の位置に基づいて、補正対象となる補正画素の画素位置を決定する位置決定処理を行う位置決定手段と、
前記画像データの前記画素位置に前記補正画素を追加または削除することにより前記画像データを変倍する変倍手段と、
前記画素位置の画素を含む副走査方向の画素列と、予め定められたパターンと、が一致するか否かを認識するパターン認識手段と、
前記画素列と前記パターンとが一致する場合に、一致する前記パターンに応じて定められるずらし量の分、前記画素位置を副走査方向へずらす画素位置変更手段、
として機能させるための画像形成プログラム。 - 請求項8に記載の画像形成プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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