JP5658837B2 - 電子部品用放熱装置 - Google Patents

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Description

この発明は、中央演算処理装置などの電子部品から放熱させて、電子部品を冷却するための電子部品用放熱装置に関するものである。
パーソナルコンピュータの中央演算処理装置(CPU)などの電子部品はその高速化、高性能化に伴ってその発熱量は年々増大する傾向にある。しかしながら反対に半導体のチップサイズは微細シリコン回路技術の進歩によって、従来と同等サイズかより小さいサイズとなり、単位面積あたりの熱流束は高くなっている。したがって、その温度上昇による不具合などを回避するために、電子部品を効果的に放熱・冷却することが求められている。そのため、電子部品にはヒートパイプやヒートスプレッダ(IHS)などを備えた放熱装置が設けられる。電子部品の界面と放熱装置の界面との間には隙間があるため、高熱伝導性部材(TIM)を配置してその隙間を埋めることで、電子部品をさらに放熱・冷却できることが知られている。このような放熱装置を備えた装置が特許文献1に記載されている。
特許文献1に記載された構造を簡単に説明すると、熱を生じる電子部品とヒートシンクとの間に、熱伝導性を有する断面波形状の金属箔が配置されている。この金属箔は、荷重が加えられる方向に弾性を有する部材または圧縮可能な部材である。波形状の金属箔とヒートシンクおよび電子部品との間の隙間には、高熱伝導性部材(TIM)が配置されている。
米国特許公開第2002/0015288号公報
ところで、特許文献1に記載されている金属箔の熱抵抗をより低くするためには、その波形の高さを低くし、ヒートシンクおよび電子部品に接触する金属箔の接触面数を増加させることが考えられる。そのためには、金属箔の隣り合った接触面の間隔を短くする(言い換えると、ピッチを細かくする)必要があるが、その一方で、金属箔の隣り合った接触面のピッチを細かくする加工は微細な加工が求められ、その加工作業は困難である。さらに、熱を生じる電子部品の表面には微小な凹凸があるため、ヒートシンクおよび金属箔を電子部品に組み付けたときのずれや公差等により、金属箔の接触面と電子部品の表面との間には隙間が生じてしまい、その結果、熱抵抗が増加してしまうおそれがあり、この点で改良の余地があった。
この発明は、上記の技術的課題に着目してなされたものであり、パッケージ化された際の実装高さや公差などのばらつきに対応でき、かつ電子部品からヒートスプレッダへの伝熱性能を向上させることができる電子部品用放熱装置を提供することを目的とするものである。
上記の目的を達成するために、この発明は、基板上に設置された電子部品がヒートスプレッダを介してヒートシンクと熱的に接続され、前記電子部品で生じた熱を前記ヒートスプレッダで拡散させ、かつ前記ヒートスプレッダの熱を前記ヒートシンクで放熱させるように構成された電子部品用放熱装置において、前記ヒートスプレッダは、前記電子部品に対向する内面に一体化され、かつ前記電子部品に面接触する複数のマイクロフィンを備え、前記電子部品は、実装高さが異なる第一電子部品と第二電子部品とを含み、前記マイクロフィンは、前記第一電子部品に面接触して弾性変形する第一フィンと、前記第二部品に面接触して弾性変形する第二フィンとを含み、前記第一フィンおよび第二フィンは、一つの前記ヒートスプレッダに設けられているとともに、前記電子部品に非接触の状態で、前記内面から前記第一フィンの先端部までの高さと、前記内面から前記第二フィンの先端部までの高さとが異なる高さに構成されていることを特徴とするものである。
この発明は、上記の発明において、前記マイクロフィンは、前記ヒートスプレッダの表面部分を薄く削いで起立させて形成されていることを特徴とする電子部品用放熱装置である。
この発明は、上記の発明において、隣り合う前記マイクロフィン同士の隙間には、高熱伝導性部材が充填されていることを特徴とする電子部品用放熱装置である。
この発明は、上記の発明において、前記ヒートスプレッダは、前記ヒートシンクに対向する外面に一体化され、かつ前記ヒートシンクに面接触する複数のマイクロフィンをさらに備えていることを特徴とする電子部品用放熱装置である。
この発明は、基板上に設置された電子部品がヒートスプレッダを介してヒートシンクと熱的に接続され、前記電子部品で生じた熱を前記ヒートスプレッダで拡散させ、かつ前記ヒートスプレッダの熱を前記ヒートシンクで放熱させるように構成された電子部品用放熱装置において、前記ヒートスプレッダは、前記ヒートシンクに対向する外面とは反対側に配置され、かつ前記電子部品に対向する内面に一体化されているとともに、前記電子部品に接触する複数の金属製ワイヤを備え、前記金属製ワイヤは、前記内面に接合された両端部と、前記両端部を繋ぐように前記内面から離れて配置され、かつ前記内面から所定高さのアーチ状に形成されたアーチ部とを含み、前記電子部品は、実装高さが異なる第一電子部品と第二電子部品とを含み、前記金属製ワイヤは、前記第一電子部品に接触して弾性変形する第一ワイヤと、前記第二電子部品に接触して弾性変形する第二ワイヤとを含み、前記第一ワイヤおよび第二ワイヤは、一つの前記ヒートスプレッダに設けられているとともに、前記電子部品と非接触の状態で、前記第一ワイヤにおける前記アーチ部の高さと、前記第二ワイヤにおける前記アーチ部の高さとが異なる高さに構成されていることを特徴とするものである。
この発明は、上記の発明において、前記複数の金属製ワイヤは、前記電子部品の幅方向に対して直交する奥行き方向で隣り合うように所定ピッチで配列されており、前記第一ワイヤの両端部と、前記第二ワイヤの両端部とは、前記内面の異なる位置に配置され、一つの前記金属製ワイヤにおける両端部は、幅方向で所定の間隔に配置され、かつ奥行き方向で一方の端部が他方の端部とは異なる位置に配置されていることを特徴とする電子部品用放熱装置である。
この発明は、上記の発明において、前記金属製ワイヤ同士の隙間には、高熱伝導性部材が充填されていることを特徴とする電子部品用放熱装置である。
この発明は、基板上に設置された電子部品がヒートスプレッダを介してヒートシンクと熱的に接続され、前記電子部品で生じた熱を前記ヒートスプレッダで拡散させ、かつ前記ヒートスプレッダの熱を前記ヒートシンクで放熱させるように構成された電子部品用放熱装置において、前記ヒートスプレッダは、前記ヒートシンクに対向する外面とは反対側に配置され、かつ前記電子部品に対向する内面に一体化されているとともに、前記電子部品に面接触する複数の金属製シートを備え、前記金属製シートは、前記内面に接合された両端部と、前記両端部を繋ぐように前記内面から離れて配置され、かつ前記内面から所定高さのアーチ状に形成されたアーチ部とを含み、前記電子部品は、実装高さが異なる第一電子部品と第二電子部品とを含み、前記金属製シートは、前記アーチ部が前記第一電子部品に面接触して弾性変形する第一シートと、前記アーチ部が前記第二電子部品に面接触して弾性変形する第二シートとを含み、前記第一シートおよび第二シートは、一つの前記ヒートスプレッダに設けられているとともに、前記電子部品と非接触の状態で、前記第一シートにおける前記アーチ部の高さと、前記第二シートにおける前記アーチ部の高さとが異なる高さに構成されていることを特徴とするものである。
この発明は、上記の発明において、隣り合う前記金属製シート同士の隙間には、高熱伝導性部材が充填されていることを特徴とする電子部品用放熱装置である。
この発明によれば、マイクロフィンがヒートスプレッダと一体化されているので、マイクロフィンとヒートスプレッダとの間で界面熱抵抗が生じず伝熱性能を向上させることができる。また、マイクロフィンが弾性変形可能に構成されているため、半導体パッケージを形成する際の実装高さや公差などのばらつきに対応できる。そのため、熱抵抗が大きくなることを低減できるとともに、電子部品用放熱装置の製造が容易になる。さらに、マイクロフィンが対象部材に面接触したまま弾性変形するため、熱伝達効率が向上する。
この発明よれば、上記発明の効果に加えて、ヒートスプレッダ表面を薄く削いで起立させたマイクロフィンが成形されているので、隣り合うマイクロフィン同士の間の隙間を狭くすることが容易になる。そのため、同じ表面積であってもマイクロフィンの数を増加させることができる。したがって、マイクロフィンの接触面数を増加させることができ、対象部材との接触面積を増大させられるため、熱伝達効率を向上できる。また、マイクロフィンを容易に製造することができるため、電子部品用放熱装置の製造が容易になる。
この発明によれば、上記発明の効果に加えて、マイクロフィン同士の隙間を埋めるように高熱伝導性部材が充填されているので伝熱性能を向上できる。
この発明よれば、上記発明の効果に加えて、マルチチップモジュールなど電子部品がパッケージ化された際、実装高さが異なる第一電子部品および第二電子部品を対象として効率的に放熱させることができる。第一電子部品とヒートスプレッダとのギャップ、および第二電子部品とヒートスプレッダとのギャップが変動する場合でも、そのギャップ変動に対応して第一フィンおよび第二フィンが弾性変形するように構成されている。そのため、常に電子部品とマイクロフィンとの接触状態が保たれる。つまり、マイクロフィンが接触面積を保つように弾性変形できるので、熱伝達効率を向上させることができる。さらに、各電子部品の実装高さに対応するように第一フィンの高さと第二フィンの高さを適宜に設定することができる。これにより、各フィンと各電子部品との接触状態が保たれるのみでなく、各フィンから各電子部品へ過大な荷重が作用しないように弾性変形する。したがって、半導体パッケージの耐久性を向上できる。
この発明によれば、金属製ワイヤがヒートスプレッダと一体化されているので、金属製とヒートスプレッダとの間で界面熱抵抗が生じず伝熱性能を向上させることができる。また、金属製ワイヤが弾性変形可能に構成されているため、半導体パッケージを形成する際の実装高さや公差などのばらつきに対応できる。そのため、接触面積が減って熱抵抗が大きくなることを低減できるとともに、電子部品用放熱装置の製造が容易になる。さらに、金属製ワイヤのアーチ部が対象部材に接触したままワイヤ高さを変化させるように弾性変形するため、熱伝達効率が向上する。加えて、金属製ワイヤがヒートスプレッダを傷つけることなく弾性体を形成することができる。
この発明よれば、上記発明の効果に加えて、マルチチップモジュールなど電子部品がパッケージ化された際、実装高さが異なる第一電子部品および第二電子部品を対象として効率的に放熱させることができる。第一電子部品とヒートスプレッダとのギャップおよび第二電子部品とヒートスプレッダとのギャップが変動する場合でも、そのギャップ変動に対応して第一ワイヤおよび第二ワイヤのアーチ部が弾性変形するので、常に電子部品と金属製ワイヤとの接触状態が保たれる。つまり、金属製ワイヤが接触面積を保つように弾性変形できるので、熱伝達効率を向上させることができる。さらに、各電子部品の実装高さに対応するように第一ワイヤの高さと第二ワイヤの高さを適宜に設定することができる。これにより、各ワイヤと各電子部品との接触状態が保たれるのみでなく、各ワイヤから各電子部品へ過大な荷重が作用しないように弾性変形する。したがって、半導体パッケージの耐久性を向上させることができる。
この発明によれば、上記発明の効果に加えて、金属製ワイヤ同士の隙間を埋めるように高熱伝導性部材が充填されているので伝熱性能を向上させることができる。
この発明によれば、金属製シートがヒートスプレッダと一体化されているので、金属製とヒートスプレッダとの間で界面熱抵抗が生じず伝熱性能を向上させることができる。また、金属製シートが弾性変形可能に構成されているため、特にアーチ部が弾性変形することにより半導体パッケージを形成する際の実装高さや公差などのばらつきに対応できる。そのため、熱抵抗が大きくなることを低減できるとともに、電子部品用放熱装置の製造が容易になる。さらに、金属製シートのアーチ部が対象部材に接触したまま弾性変形するため熱伝達効率が向上する。加えて、金属製シートによれば電子部品との接触面積を十分に確保できるので伝熱性能を向上させることができる。
この発明よれば、上記の効果に加えて、マルチチップモジュールなど電子部品がパッケージ化された際、実装高さが異なる第一電子部品および第二電子部品を対象として効率的に放熱させることができる。第一電子部品とヒートスプレッダとのギャップおよび第二電子部品とヒートスプレッダとのギャップが変動する場合でも、そのギャップ変動に対応して第一シートおよび第二シートのアーチ部が弾性変形するので、常に電子部品と金属製シートとの接触状態が保たれる。つまり、金属製シートが接触面積を保つように弾性変形できるので、熱伝達効率を向上させることができる。さらに、各電子部品の実装高さに対応するように第一シートの高さと第二シートの高さを適宜に設定することができる。これにより、各シートと各電子部品との接触状態が保たれるのみでなく、各シートから各電子部品へ過大な荷重が作用しないように弾性変形する。したがって、半導体パッケージの耐久性を向上させることができる。
この発明によれば、上記発明の効果に加えて、金属製シート同士の隙間を埋めるように高熱伝導性部材が充填されているので伝熱性能を向上させることができる。
第一実施例の電子部品用放熱装置を模式的に示した断面図である。 (a)は図1に示す領域Aを示した説明図であり、(b)はマイクロフィンを成形する過程を説明するための説明図である。 第二実施例の電子部品用放熱装置を模式的に示した断面図である。 第三実施例の電子部品用放熱装置を模式的に示した断面図である。 第四実施例の電子部品用放熱装置を模式的に示した断面図である。 (a)は第一フィンと第二フィンとが同じ高さに形成された場合を示した説明図であり、(b)は第一フィンが第二フィンよりも低く形成された場合を示した説明図である。 第四実施例の変形例を模式的に示した断面図である。 第五実施例の電子部品用放熱装置を模式的に示した断面図である。 (a)はヒートスプレッダと一体化された金属製ワイヤ(金属製シート)を説明するための説明図であり、(b)は図8に示す弾性変形している金属製ワイヤ(金属製シート)を説明するための説明図である。 金属製ワイヤの配列例を示した説明図である。 (a)は第一ワイヤ(第一シート)と第二ワイヤ(第二シート)とが同じ高さに形成された場合を示した説明図であり、(b)は第一ワイヤ(第一シート)が第二ワイヤ(第二シート)よりも低く形成された場合を示した説明図である。
以下、この発明を具体例に基づいて説明する。
まず、図1を参照して、この発明の第一実施例における電子部品用放熱装置について説明する。図1に示すように、第一実施例の電子部品用放熱装置1は、基板2上に設けられた電子部品である中央演算処理装置(以下「CPU」という)3がヒートスプレッダ10および高熱伝導性部材(以下「TIM」という)20を介して放熱部であるヒートシンク30と熱的に接続された構成を備えている。電子部品用放熱装置1は、ヒートスプレッダ10とTIM20とヒートシンク30とを備え、CPU3で生じた熱をヒートスプレッダ10で拡散しヒートシンク30で放熱するように構成されている。
CPU3は、従来知られているものと同様の構造であって、シリコンチップ上に回路を形成した厚さが数mmの矩形状の部材である。すなわち、CPU3は半導体チップである。図1に示すように、CPU3がバンプ4によってパッケージ基板である基板2に電気的に接続されて基板2上に配置されている。基板2は図示しないマザーボードに接続されている。つまり、電子部品用放熱装置1は半導体パッケージを対象とすることができる。なお、この発明で対象とする電子部品は、集積回路、メモリやCPUなどの動作時に発熱する電子部品であればよい。
ヒートスプレッダ10は、CPU3で生じた熱を拡散させるための熱拡散板であり、CPU3と熱的に接続されている。例えば、銅やアルミニウムなどの熱伝導率の高い素材によってヒートスプレッダ10が形成されている。また、ヒートスプレッダ10は全体形状が升形状などの周知の形状に形成され、CPU3に接触するように構成されている。図1に示すように、ヒートスプレッダ10は、熱拡散板となる正方形板状の平板部11と、平板部11の周縁から屈曲して基板2側へ延在する筒状の胴部12と、CPU3に接触してCPU3の熱を受け取る複数のマイクロフィン13とを備えている。マイクロフィン13は平板部11の内面11aに設けられ、パッケージ化された状態でヒートスプレッダ10の内部に配置されている。なお、ヒートスプレッダ10の内部構造における詳細な構成は後述する。
また、ヒートスプレッダ10の外側では、TIM20を介してヒートスプレッダ10がヒートシンク30と熱的に接続されている。TIM20はCPU3からヒートスプレッダ10に伝達された熱をヒートシンク30へ伝達するための熱伝達部材である。TIM20として、有機系材料により構成されたものや、無機系材料により構成されたもの、あるいは有機系材料と無機系材料とを合わせて構成されたものがある。例えば、熱伝達率の高いサーマルグリスや熱伝導性シートなどによりTIM20が構成されている。図1に示すように、TIM20はヒートスプレッダ10における平板部11の外面11bとヒートシンク30との間に設けられている。TIM20が粘着性を有する熱伝導性シートの場合、そのTIM20によってヒートシンク30がヒートスプレッダ10に取り付けられている。なお、ヒートスプレッダ10およびヒートシンク30は、ハンダ付けやロー付けあるいは接着剤により互いに接合してもよい。
ヒートシンク30は、CPU3からヒートスプレッダ10およびTIM20を介して伝達された熱を放熱するための放熱部材である。例えば、銅やアルミニウムなどの熱伝導率の高い素材によってヒートシンク30が形成されている。図1に示すように、ヒートシンク30は、ヒートスプレッダ10の平板部11と対向するように配置された板状のベース板31と、ベース板31から突出するように形成された複数の放熱フィン32とを備えている。ベース板31の内面31aが平板部11の外面11bと対向している。TIM20が内面31aと外面11bとに接触して挟まれている。また、放熱フィン32はベース板31と一体化されており、ベース板31の外面31bから突出している。つまり、電子部品用放熱装置1は、CPU3の熱をヒートスプレッダ10およびTIM20を介してベース板31の内面31a側に伝達し、かつベース板31の外面31b側から放熱フィン32へ熱伝導するように構成されている。
ここで、電子部品用放熱装置1におけるヒートスプレッダ10の内部構造について説明する。図1に示すように、ヒートスプレッダ10はCPU3を跨ぐように配置されて基板2に取り付けられている。ヒートスプレッダ10の平板部11はCPU3の上方に配置され、平板部11の内面11aがCPU3の表面3aと対向している。平板部11の内面11aの面積は、CPU3の表面3aの面積よりも広く設定されている。また、ヒートスプレッダ10の胴部12は基板2側の端部が基板2の表面2aに固定されている。
胴部12の高さはCPU3の高さとほぼ等しく設定されている。すなわち、基板2の表面2aから平板部11の内面11aまでの高さ(以下「内面高さ」という)HはCPU3の高さhとほぼ等しく設定されている。CPU3の高さhとは、CPU3の実装高さであり、基板2の表面2aからCPU3の表面3aまでの高さである。第一実施例では、内面高さHがCPU3の高さh1よりも僅かに高く設定されている。つまり、平板部11の内面11aとCPU3の表面3aと間に隙間(以下「ギャップ」という)Gが形成される。したがって、ヒートスプレッダ10内部では、ギャップGを埋めるようにしてマイクロフィン13が配置されている。
マイクロフィン13は、弾性変形可能に構成され、ヒートスプレッダ10と一体化されている。図2(a)に示すように、マイクロフィン13は、CPU3の表面3aに面接触する先端部13aと、平板部11の内面11aとの接続部分である根元部13cと、先端部13aと根元部13cと間で熱伝導する起立部13bとを備えている。つまり、マイクロフィン13はヒートスプレッダ10の一部が平板部11の内面11a側から突出するように成形されている。
起立部13bは、平板部11の内面11aに対して傾斜して配置され、かつCPU3とは接触していない。図2(a)に示すマイクロフィン13は弾性変形した状態であり、起立部13bと先端部13aとの境目が屈曲するように弾性変形している。そのように弾性変形することにより、先端部13aはCPU3の表面3a形状に沿って面接触している。CPU3の表面3a形状は中央が平板部11側に盛り上がったようなμm単位の微小な凸状に形成されている。図2(a)に示す表面3aの断面形状は曲線状に形成されている。
また、図2(b)に示すように、マイクロフィン13は、切削工具50の刃部50aにより、平板部11の内面11aの表面を薄く削いで起立させて、根元部13cが平板部11と一体化された状態で起立部13bが内面11aに対して傾斜するように複数成形される。なお、マイクロフィン13は、その厚さが数十μm、その高さが百数十μm程度であり、隣り合うマイクロフィン13同士の間の隙間を数十μm程度にすることができる。例えば、CPU3からヒートスプレッダ10への熱伝達率をより向上させるために、隣り合うマイクロフィン13同士の間の隙間に、熱伝達率の高いサーマルグリス等のTIMを充填してもよい。
図1に示すようにヒートスプレッダ10を基板2に組み付けてパッケージ化する際、各マイクロフィン13は、先端部13aがCPU3に接触して平板部11内面11aとCPU3の表面3aとの間隔が狭くなる方向の荷重を受けることにより弾性変形する。その弾性変形例として、上述した荷重により起立部13bのうち先端部13a側が屈曲する。つまり、先端部13aがCPU3の表面形状に沿うようにして弾性変形することになる。要は、マイクロフィン13が弾性変形することにより先端部13aとCPU3との接触面積を大きく確保できる。
また、他の弾性変形例として、上述した荷重により根元部13cを支点とする弾性変形が生じて、起立部13bが平板部11の内面11aに対する傾斜角を小さくさせるように傾く。あるいは、起立部13bが撓むように弾性変形する。例えば、ヒートスプレッダ10を基板2に組み付けたときにずれや公差等が生じて上述したギャップGが変動する場合、マイクロフィン13は起立部13bの傾斜角が小さくなるように弾性変形し、あるいは起立部13bが撓むように弾性変形することができる。すなわち、マイクロフィン13は先端部13aとCPU3との接触面積を保ちながら、ギャップGの変動を吸収するように弾性変形する。
さらに、平板部11の内面11aの表面を薄く削いで起立させることで、隣り合ったマイクロフィン13同士の間の間隔を容易に短くすることができる。さらに、マイクロフィン13は、ヒートスプレッダ10に一体的に形成されているため、ヒートスプレッダ10に別体のマイクロフィンを取り付ける工程が不要となる。
また、マイクロフィン13は、ヒートスプレッダ10に一体的に形成されており、ヒートスプレッダ10との界面熱抵抗が存在しない。そのため、熱伝導性の高いサーマルグリスや熱伝導性を有する断面波形状の金属箔等と比較して、熱伝導性を向上させることができる。
以上説明した通り、第一実施例の電子部品用放熱装置によれば、容易に製造することができるとともに、電子部品とヒートスプレッダと間で生じる熱抵抗を低下させることができる。電子部品とヒートスプレッダとのギャップが変動する場合でも、そのギャップ変動に対応してマイクロフィンが弾性変形するので、電子部品とマイクロフィンとの接触状態が保たれる。さらに、マイクロフィンが接触面積を保つように弾性変形できるので、熱伝達効率を向上させることができる。
次に、図3を参照して、第二実施例の電子部品用放熱装置について説明する。第二実施例では、マイクロフィンの配置が上述した第一実施例とは異なり、マイクロフィンがヒートスプレッダの外面側に設けられている。なお、第二実施例の説明において、上述した第一実施例と同様の構成については説明を省略しその参照符号を引用する。
図3に示すように、第二実施例の電子部品用放熱装置200は、CPU3が高熱伝導性部材(以下「TIM」という)40を介してヒートスプレッダ10に熱的に接続されている。TIM40はCPU3からヒートスプレッダ10へ熱伝達させるための熱伝達部材である。TIM40として、有機系材料により構成されたものや、無機系材料により構成されたもの、あるいは有機系材料と無機系材料とを合わせて構成されたものがある。例えば、熱伝達率の高いサーマルグリスや熱伝導性シートなどによりTIM40が構成されている。
具体的には、電子部品用放熱装置200では、TIM40がCPU3の表面3aとヒートスプレッダ10における平板部11の内面11aとに挟まれて配置されている。内面11aは平坦面である。つまり、上述した第一実施例とは異なり、第二実施例では内面11aにマイクロフィンが設けられていない。
さらに、第二実施例のヒートスプレッダ10では、平板部11の外面11bに複数のマイクロフィン14が設けられている。マイクロフィン14は上述した第一実施例のマイクロフィン13と同様の成形方法により成形されてよい。すなわち、マイクロフィン14は、平板部11の外面11bの表面を薄く削いで起立させられて、外面11bに対して傾斜するように成形されている。図3に示すように、弾性変形可能なマイクロフィン14がヒートスプレッダ10と一体化され、マイクロフィン14の端部はヒートシンク30のベース板31と面接触している。言い換えれば、第二実施例では、上述した第一実施例の構成に対してマイクロフィンとTIMとの配置を入れ替えた構成となっている。
図3に示すように、ヒートシンク30をヒートスプレッダ10に取り付けてパッケージ化する際、各マイクロフィン14の端部がベース板31に接触して、平板部11内面11aとベース板31の内面31aとの間隔が狭くなる方向の荷重を受けることによりマイクロフィン14が弾性変形する。マイクロフィン14の弾性変形例として、上述した第一実施例のマイクロフィン13と同様に弾性変形することができる。要は、マイクロフィン14が弾性変形することによりマイクロフィン14とヒートシンク30との接触面積を大きく確保できる。なお、熱伝導性をより向上させるために、隣り合うマイクロフィン14同士の間の隙間に、電子部品が生じた熱をヒートシンク30に伝達する熱伝導性の高いサーマルグリス等のTIMを充填してもよい。
以上説明した通り、第二実施例の電子部品用放熱装置によれば、容易に製造することができるとともに、ヒートスプレッダとヒートシンクとの間で生じる熱抵抗を低下させることができる。ヒートスプレッダとヒートシンクとの間の隙間が変動する場合でも、その変動に対応してマイクロフィンが弾性変形するので、ヒートスプレッダとヒートシンクとの接触状態が保たれる。さらに、マイクロフィンが接触面積を保つように弾性変形できるので、熱伝達効率を向上させることができる。
なお、上述した第二実施例では、ヒートスプレッダとヒートシンクとの間で熱伝達されるマイクロフィンがヒートスプレッダに設けられた例について説明したが、そのマイクロフィンがヒートシンクのベース板に設けられてもよい。要は、電子部品が生じた熱が伝達される電子部品用放熱装置の界面の箇所のうちいずれか一方の部材と一体的にマイクロフィンが複数形成されていればよい。
次に、図4を参照して、第三実施例の電子部品用放熱装置について説明する。第三実施例では、マイクロフィンの配置が上述した第一実施例および第二実施例とは異なり、マイクロフィンがヒートスプレッダにおける平板部の両面に設けられている。なお、第三実施例の説明において、上述した第一実施例あるいは第二実施例と同様の構成については説明を省略しその参照符号を引用する。
図4に示すように、第三実施例の電子部品用放熱装置300は、CPU3がヒートスプレッダ10を介してヒートシンク30に熱的に接続されるように構成されている。具体的には、ヒートスプレッダ10は、平板部11の内面11aに設けられたマイクロフィン13と、平板部11の外面11bに設けられたマイクロフィン14とを備えている。すなわち、電子部品用放熱装置300はヒートスプレッダ10の内部に配置されたマイクロフィン13とヒートスプレッダ10の外側に配置されたマイクロフィン14とを備えている。
電子部品用放熱装置300において、CPU3の熱をヒートシンク30で放熱する場合、CPU3の熱がマイクロフィン13を介してヒートスプレッダ10へ熱伝達し、ヒートスプレッダ10の熱がマイクロフィン14を介してヒートシンク30へ熱伝達する。例えば、CPU3からヒートシンク30への熱伝達率をより向上させるために、各マイクロフィン13,14では隣り合うマイクロフィン同士の隙間に熱伝達率の高いサーマルグリス等のTIMを充填してもよい。また、ヒートスプレッダ10とヒートシンク30との間で熱伝達させるマイクロフィンがヒートスプレッダ10に設けられた例について説明したが、上述した第二実施例と同様に、そのマイクロフィンがヒートシンク30のベース板31に設けられてもよい。
以上説明した通り、第三実施例の電子部品用放熱装置によれば、上述した第一実施例および第二実施例の効果を兼ね備えることができる。
次に、第四実施例の電子部品用放熱装置について説明する。第四実施例は、上述した第一実施例および第三実施例の変形例であり、基板上に複数の電子部品が設けられたマルチチップモジュール(MCM)を対象とすることができるように構成された電子部品用放熱装置である。例えば、複数の電子部品がCPUと半導体メモリの組み合わせである場合、CPUの厚さと半導体メモリの厚さとが異なる場合がある。第四実施例の電子部品用放熱装置では、高さが異なる複数の電子部品が実装されている場合に一つのヒートスプレッダによって各電子部品の熱を放熱させることができるように構成されている。なお、第四実施例の説明では、上述した第一実施例あるいは第三実施例と同様の構成については説明を省略しその参照符号を引用する。
図5に示すように、第四実施例の基板2上には、異なる位置にCPU3と電子部品5とが設けられている。電子部品5は、CPUや半導体メモリなどにより構成され、CPU3と同様にチップ状に形成されている。また、CPU3が電子部品5よりも厚く形成されている。すなわち、CPU3および電子部品5が基板2に取り付けられた状態では、CPU3の高さh1は電子部品5の高さh2よりも高くなる。電子部品5の高さh2は、電子部品5の実装高さであり、基板2の表面2aから電子部品5aまでの距離である。なお、CPU3の高さh1および電子部品5の高さh2には、CPU3や電子部品5を基板2に電気的に接続させるバンプ(図5に示さず)の高さが含まれる。
第四実施例の電子部品用放熱装置400では、基板2上に設けられたCPU3および電子部品5がマイクロフィン13を介してヒートスプレッダ10の平板部11と熱的に接続されるように構成されている。つまり、複数の電子部品には、少なくともCPU3と電子部品5とが含まれる。なお、説明の便宜上、CPU3と電子部品5とを含む二つの電子部品が設けられている場合について説明するが、電子部品の個数は二つに限定されず三つ以上であってもよい。また、複数の電子部品の組み合わせは少なくとも一つのCPUを含む組み合わせであればよい。
具体的には、ヒートスプレッダ10は、CPU3および電子部品5を跨ぐように配置されている。平板部11はCPU3および電子部品5の上部に配置され、平板部11の内面11aがCPU3の表面3aおよび電子部品5の表面5aと対向している。さらに、マイクロフィン13がCPU3および電子部品5に接触している。
マイクロフィン13は、CPU3に接触する複数の第一フィン131と、電子部品5に接触する複数の第二フィン132とを備えている。第一フィン131の高さはCPU3の表面3aに接触できる高さに設定できる。また、第二フィン132の高さは電子部品5に接触できる高さに設定できる。なお、フィンの高さとは、図5に示す上下方向で平板部11の内面11aからマイクロフィン13の先端までの距離である。マイクロフィン13の先端とは内面11aから最も離れた部分である。
例えば、図6(a)に示すように、電子部品用放熱装置400は、第一フィン131と第二フィン132とが同じ高さLに設定され、マイクロフィン13が全体的に均一の高さとなるように構成することができる。この場合には、CPU3の高さh1が電子部品5の高さh2よりも高いため、パッケージ化された際に第一フィン131が第二フィン132よりも大きく弾性変形することになる。
あるいは、図6(b)に示すように、電子部品用放熱装置400は、第一フィン131の高さL1が第二フィン132の高さL2よりも低くなるように構成することができる。この場合、パッケージ化された際に第一フィン131の弾性変形量と第二フィン132の弾性変形量とを近づけることができ、マイクロフィン13は全体的に均一の弾性変形をすることができる。
また、電子部品用放熱装置400では、ヒートスプレッダ10とヒートシンク30とが熱的に接続されていればよく、その接続部分の構成は特に限定されない。例えば、図5に示すように、ヒートスプレッダ10の外面11bとヒートシンク30の内面31aとの間にTIM20が設けられた構成を備えている。あるいは、図7に示すように、ヒートスプレッダ10の外面11bにマイクロフィン14が設けられた構成を備えている。
なお、電子部品5がCPU3と同様の構成を備えた第二CPUであり、CPU3の厚さは電子部品5の厚さと一致する場合でも、電子部品用放熱装置400の構成を適用することができる。
以上説明した通り、第四実施例の電子部品用放熱装置によれば、マルチチップモジュールと対象した場合、実装高さが異なる複数の電子部品で生じた熱を効率的に放熱させることができる。電子部品とヒートスプレッダとのギャップが変動する場合でも、そのギャップ変動に対応してマイクロフィンが弾性変形するので、電子部品とマイクロフィンとの接触状態が保たれる。さらに、マイクロフィンが接触面積を保つように弾性変形できるので、熱伝達効率を向上させることができる。
次に、第五実施例の電子部品用放熱装置について説明する。第五実施例は、上述した第四実施例の変形例であり、ヒートスプレッダ10の内部に配置されたマイクロフィン13の代わりに弾性変形可能な金属製ワイヤや金属製シートが設けられた構成を備えている。なお、第五実施例の説明では、上述した第四実施例と同様の構成については説明を省略しその参照符号を引用する。
ここでは、図8を参照して、第五実施例として金属製ワイヤを備えた電子部品用放熱装置について説明する。図8に示すように、第五実施例の電子部品用放熱装置500は、CPU3および電子部品5が複数の金属製ワイヤ15を介してヒートスプレッダ10の平板部11と熱的に接続されるように構成されている。
金属製ワイヤ15は、金、銅やアルミニウムなどの熱伝導率の高い素材によって形成された線状の熱伝導部材である。例えば、ヒートスプレッダ10が銅製の場合、金属製ワイヤ15も銅により構成される。また、幅方向かつ奥行き方向で隣り合うそれぞれの金属製ワイヤ15は独立して弾性変形するように構成されている。
例えば、金属製ワイヤ15は外径が10−50μmに形成されている。望ましくは、外径が20μm、ワイヤ高さが300μm、ピッチが90μm、ワイヤ長さが700μm程度に設定された金属製ワイヤ15を含むように構成されている。
図9(a)に示すように、金属製ワイヤ15は、両端部151がボンディングや溶接などによりヒートスプレッダ10の内面11aに接合された両端部151と、両端部151を繋ぐようにアーチ状に形成されたアーチ部152とにより構成されている。平板部11の内面11aは平坦面であり、例えば金メッキなどのボンディング用の表面処理が施されていてもよい。また、アーチ部152は全体が内面11aから離れて配置され、ワイヤ高さL3が所定値となるようにアーチ状に形成されている。さらに、一つの金属製ワイヤ15における両端部151の幅方向間隔は、CPU3の幅および電子部品5幅よりも狭く設定されている。すなわち、幅方向でCPU3および電子部品5には複数の金属製ワイヤ15が接触するように構成されている。なお、ワイヤ高さL3は、金属製ワイヤ15がCPU3もしくは電子部品5とは非接触の状態を示し、上述したギャップGよりも大きく設定される。
例えば、電子部品用放熱装置500では、金属製ワイヤ15を図10に示すように所定ピッチで規則的に配列させた構成を備えている。図10に示す配列例では、奥行き方向で一方の端部151aが他方の端部151bとは異なる位置に配置され、アーチ部152が幅方向に対して傾斜するように構成されている。つまり、アーチ部152を幅方向と平行に配置させた場合と、アーチ部152を幅方向に対して傾斜させた場合とを比較すると、幅方向で両端部151の間隔が同じかつワイヤ高さL3が同じであれば、後者のほうが一本あたりの金属ワイヤ15の長さを長くできる。要は、金属製ワイヤ15が図10に示すように配置されることにより、金属製ワイヤ15ごとのCPU3もしくは電子部品5との接触部分を多く確保できる。なお、CPU3および電子部品5からヒートスプレッダ10への熱伝達率をより向上させるために、金属製ワイヤ15が設けられた領域のギャップGを埋めるようにして熱伝達率の高いサーマルグリス等のTIMが充填された構成であってもよい。つまり、幅方向および奥行き方向で隣り合う金属製ワイヤ15同士の隙間、および金属製ワイヤ15のアーチ部152と平板部11の内面11aとの隙間を埋めるようにしてTIMが充填されることになる。
図9(b)には、図9(a)に示す状態から半導体パッケージを作成する際には、金属製ワイヤ15はCPU3もしくは電子部品5に接触して弾性変形している状態を示してある。すなわち、図9(b)は図8に示す弾性変形している金属製ワイヤ15を説明するための説明図である。ヒートスプレッダ10を基板2に組み付けてパッケージ化する際、各金属製ワイヤ15は、アーチ部152がCPU3(電子部品5)に接触してギャップGが狭くなる方向の荷重を受けることにより、ワイヤ高さが低くなるように弾性変形する。図9(b)に示す弾性変形している金属製ワイヤ15のワイヤ高さLpは、ワイヤ高さL3よりも低なり、ギャップGの高さとなる。このように、金属製ワイヤ15はワイヤ高さが変化するように弾性変形することにより、アーチ部152がCPU3(電子部品5)の表面3a(表面5a)形状に沿うように弾性変形して接触する。
さらに、図8に示すように、金属製ワイヤ15は、CPU3に接触する複数の第一ワイヤ15Aと、電子部品5に接触する複数の第二ワイヤ15Bとを備えている。第一ワイヤ15Aの高さはCPU3の表面3aに接触できる高さに設定される。また、第二ワイヤ15Bの高さは電子部品5に接触できる高さに設定される。
例えば、図11(a)に示すように、電子部品用放熱装置500は、第一ワイヤ15Aが第二ワイヤ15Bと同じ高さL3に設定され、金属製ワイヤ15が全体的に均一の高さとなるように構成することができる。この場合には、CPU3の高さh1が電子部品5の高さh2よりも高いため、パッケージ化された際に第一ワイヤ15Aが第二ワイヤ15Bよりも大きく弾性変形することになる。
あるいは、図11(b)に示すように、電子部品用放熱装置500は、第一ワイヤ15Aの高さL4が第二ワイヤ15Bの高さL5よりも低くなるように構成することができる。この場合、パッケージ化された際に第一ワイヤ15Aの弾性変形量と第二ワイヤ15Bの弾性変形量とを近づけることができ、金属製ワイヤ15は全体的に均一の弾性変形をすることができる。
なお、第五実施例として金属製シートを備えた電子部品用放熱装置の場合、上述した説明の金属製ワイヤを金属製シートと読み替えた構成を備えている。さらに、上記の第一ワイヤを第一シート、第二ワイヤを第二シート、ワイヤ高さをシート高さと読み替える。例えば、金属製シートは熱伝導性シートなどのシート材や金属製テープなどにより構成される。例えば、金属製シートとして、厚さが10−50μm、幅が200μm−1mm程度に設定された熱伝導性のテープ材を用いることができる。
また、CPU3および電子部品5からヒートスプレッダ10への熱伝達率をより向上させるために、金属製シートが設けられた領域のギャップGを埋めるようにして熱伝達率の高いサーマルグリス等のTIMが充填された構成であってもよい。つまり、幅方向で隣り合う金属製シート同士の隙間、および金属製シートのアーチ部と平板部11の内面11aとの隙間を埋めるようにしてTIMが充填されることになる。
以上説明した通り、第五実施例の電子部品用放熱装置によれば、マルチチップモジュールを対象とした場合、実装高さが異なる複数の電子部品で生じた熱を効率的に放熱させることができる。電子部品とヒートスプレッダとのギャップが変動する場合でも、そのギャップ変動に対応して金属製ワイヤ(金属製シート)が弾性変形するので、電子部品と金属製ワイヤ(金属製シート)との接触状態が保たれる。さらに、パッケージ化された状態で金属製ワイヤ(金属製シート)が電子部品との接触状態を保つように弾性変形できるので、熱伝達効率を向上させることができる。
1…電子部品用放熱装置、 2…基板、 3…中央演算処理装置(CPU)、 5…電子部品、 10…ヒートスプレッダ、 11…平板部、 11a…内面、 11b…外面、 13,14…マイクロフィン、 15…金属製ワイヤ(金属製シート)、 20…高熱伝導性部材(TIM)、 30…ヒートシンク。

Claims (9)

  1. 基板上に設置された電子部品がヒートスプレッダを介してヒートシンクと熱的に接続され、前記電子部品で生じた熱を前記ヒートスプレッダで拡散させ、かつ前記ヒートスプレッダの熱を前記ヒートシンクで放熱させるように構成された電子部品用放熱装置において、
    前記ヒートスプレッダは、前記電子部品に対向する内面に一体化され、かつ前記電子部品に面接触する複数のマイクロフィンを備え
    前記電子部品は、実装高さが異なる第一電子部品と第二電子部品とを含み、
    前記マイクロフィンは、前記第一電子部品に面接触して弾性変形する第一フィンと、前記第二部品に面接触して弾性変形する第二フィンとを含み、
    前記第一フィンおよび第二フィンは、一つの前記ヒートスプレッダに設けられているとともに、前記電子部品に非接触の状態で、前記内面から前記第一フィンの先端部までの高さと、前記内面から前記第二フィンの先端部までの高さとが異なる高さに構成されている
    ことを特徴とする電子部品用放熱装置。
  2. 前記マイクロフィンは、前記ヒートスプレッダの表面部分を薄く削いで起立させて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子部品用放熱装置。
  3. 隣り合う前記マイクロフィン同士の隙間には、高熱伝導性部材が充填されていることを特徴とする請求項1または2に記載の電子部品用放熱装置。
  4. 前記ヒートスプレッダは、前記ヒートシンクに対向する外面に一体化され、かつ前記ヒートシンクに面接触する複数のマイクロフィンをさらに備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電子部品用放熱装置。
  5. 基板上に設置された電子部品がヒートスプレッダを介してヒートシンクと熱的に接続され、前記電子部品で生じた熱を前記ヒートスプレッダで拡散させ、かつ前記ヒートスプレッダの熱を前記ヒートシンクで放熱させるように構成された電子部品用放熱装置において、
    前記ヒートスプレッダは、前記ヒートシンクに対向する外面とは反対側に配置され、かつ前記電子部品に対向する内面に一体化されているとともに、前記電子部品に接触する複数の金属製ワイヤを備え、
    前記金属製ワイヤは、前記内面に接合された両端部と、前記両端部を繋ぐように前記内面から離れて配置され、かつ前記内面から所定高さのアーチ状に形成されたアーチ部とを含み
    前記電子部品は、実装高さが異なる第一電子部品と第二電子部品とを含み、
    前記金属製ワイヤは、前記第一電子部品に接触して弾性変形する第一ワイヤと、前記第二電子部品に接触して弾性変形する第二ワイヤとを含み、
    前記第一ワイヤおよび第二ワイヤは、一つの前記ヒートスプレッダに設けられているとともに、前記電子部品と非接触の状態で、前記第一ワイヤにおける前記アーチ部の高さと、前記第二ワイヤにおける前記アーチ部の高さとが異なる高さに構成されている
    ことを特徴とする電子部品用放熱装置。
  6. 前記複数の金属製ワイヤは、前記電子部品の幅方向に対して直交する奥行き方向で隣り合うように所定ピッチで配列されており、
    前記第一ワイヤの両端部と、前記第二ワイヤの両端部とは、前記内面の異なる位置に配置され、
    一つの前記金属製ワイヤにおける両端部は、幅方向で所定の間隔に配置され、かつ奥行き方向で一方の端部が他方の端部とは異なる位置に配置されている
    ことを特徴とする請求項5に記載の電子部品用放熱装置。
  7. 前記金属製ワイヤ同士の隙間には、高熱伝導性部材が充填されていることを特徴とする請求項5または6に記載の電子部品用放熱装置。
  8. 基板上に設置された電子部品がヒートスプレッダを介してヒートシンクと熱的に接続され、前記電子部品で生じた熱を前記ヒートスプレッダで拡散させ、かつ前記ヒートスプレッダの熱を前記ヒートシンクで放熱させるように構成された電子部品用放熱装置において、
    前記ヒートスプレッダは、前記ヒートシンクに対向する外面とは反対側に配置され、かつ前記電子部品に対向する内面に一体化されているとともに、前記電子部品に面接触する複数の金属製シートを備え、
    前記金属製シートは、前記内面に接合された両端部と、前記両端部を繋ぐように前記内面から離れて配置され、かつ前記内面から所定高さのアーチ状に形成されたアーチ部とを含み
    前記電子部品は、実装高さが異なる第一電子部品と第二電子部品とを含み、
    前記金属製シートは、前記アーチ部が前記第一電子部品に面接触して弾性変形する第一シートと、前記アーチ部が前記第二電子部品に面接触して弾性変形する第二シートとを含み、
    前記第一シートおよび第二シートは、一つの前記ヒートスプレッダに設けられているとともに、前記電子部品と非接触の状態で、前記第一シートにおける前記アーチ部の高さと、前記第二シートにおける前記アーチ部の高さとが異なる高さに構成されている
    ことを特徴とする電子部品用放熱装置。
  9. 隣り合う前記金属製シート同士の隙間には、高熱伝導性部材が充填されていることを特徴とする請求項8に記載の電子部品用放熱装置。
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