JP5658447B2 - 低濃度メタンの除去方法及び低濃度メタンの除去装置 - Google Patents

低濃度メタンの除去方法及び低濃度メタンの除去装置 Download PDF

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本発明は、炭坑の換気ガスのように、メタンの燃焼限界(爆発限界)の下限よりも低く、いかなる割合で空気と混合しても可燃範囲に入らない低濃度のメタンを含むガスからメタンを除去する方法および装置に関する。
石炭層にはメタンが多量に吸着されており、その有効利用が進められつつある。採掘前の石炭層からのガス抜きなどにより回収されるメタンは、メタン濃度が30〜95%と比較的高く、濃縮するなどして有効活用が比較的容易である。これに対し、炭坑の換気により放出されるガスは、メタン濃度が0.1〜1%程度と低いため、そのほとんどが大気中に放散されている。メタンは、人体には何ら有害ではないものの、地球温暖化効果は高いため、その放出量を削減することが望まれている。しかし、炭坑換気ガスのように低濃度のガスを濃縮する場合には、その工程中においてメタンの爆発限界(5〜15%)を通過することから、安全上の懸念が大きく、現実的ではない。従って、ガスエンジンやタービンなどの燃焼空気として用いるか、接触酸化などの方法により酸化除去する方法が提案されている(非特許文献1、2)。
低濃度の有機化合物を含むガスの処理において、酸化触媒を熱交換器と組み合わせ、予熱したガスを触媒に通じて、ガス中の有機化合物を接触酸化反応により除去するプロセスは、工業プロセスから発生する揮発性有機化合物(VOC)含有排ガスの処理において広く実用に供されている(非特許文献3、4)。このプロセスでは、通常PtやPdをアルミナ担体に担持した触媒が用いられている。VOC処理プロセスが通常対象とするのは、トルエン、アセトン、酢酸エチルなどの比較的容易に酸化される化合物であり、これらは、前記の触媒を用いて350℃以下の低温で容易に酸化することができる。
しかし、メタンは、炭化水素の中でもっとも安定な化合物であり、前記の触媒では、400℃以下の低温で酸化除去することは難しい。例えば、非特許文献2には、触媒入口温度を500℃に設定した場合、メタン濃度が0.3%程度ないと十分なメタン除去性能が得られていないこと、メタン濃度が0.423%の場合でも触媒入口温度が490℃以上でないと十分なメタン除去性能が得られていないことなどが示されている。常温かつ大量の炭坑換気ガスを500℃程度まで予熱するには大容量の熱交換器が必要となり、経済性が悪化する問題がある。また、触媒入口温度が500℃程度では、メタン酸化の反応熱が加わって触媒出口温度は600℃〜700℃程度となる。これは、触媒の耐久性を悪化させるほか、耐熱温度の問題から、配管や熱交換器のコストが増大するという問題も生じる。
炭坑換気ガスには、石炭中のS化合物に由来して、微量の硫黄化合物(硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルスルフィド、二酸化硫黄など)が含まれる。これらは強い触媒毒となり、メタンの低温での接触酸化をさらに困難にする。たとえば、Leeらは、Pd触媒を用いたメタンの酸化に対するH2Sの影響を検討し、26ppmのH2Sが共存すると、メタンの50%除去温度が360℃から580℃まで200℃以上も上昇することを明らかにしている(非特許文献5)。
燃焼排ガス中のメタンの酸化除去触媒として、ジルコニア担体にイリジウムおよび白金を担持した触媒やチタニア担体にイリジウムおよび白金を担持した触媒が知られている(特許文献1、2)。これらの触媒では、高濃度の水蒸気に加えて二酸化硫黄の共存する条件でも350〜400℃程度の比較的低い温度でメタンを酸化除去することができる。しかし、この触媒の炭坑換気ガスの処理に適用に当たっては、次のような課題がある。
まず、硫化水素やメルカプタンなど還元性硫黄化合物に対して触媒の耐久性が確保される必要がある。一般に、硫黄化合物による被毒では、S原子そのものが活性点に配位できる還元性硫黄化合物の方が、強い被毒となると考えられている。
さらに、炭坑換気ガス中のメタン濃度は、0.1〜1%という幅広い範囲で変動し、その変動を予測することも難しいため、熱交換器と触媒を単純に組み合わせただけでは、メタン濃度が急激に低下した場合には、触媒入口のガス温度が低下して十分な除去性能が得られなくなり、逆にメタン濃度が急激に上昇した場合には、触媒層温度が急激に上昇して、回復不能な触媒の活性劣化を引き起こすことになる。特に、メタン濃度が急激に上昇した場合には、熱交換の効果で触媒入口温度も上昇し、これがさらに触媒層温度の上昇を招いて、短時間のうちに触媒層温度の急激な上昇を引き起こし、触媒や熱交換器の致命的な破壊をもたらす危険性がある。ガスの予熱に、熱交換に加えてバーナーによる加熱を併用し、予熱温度(=触媒入口温度)が一定以上に上昇した場合に、バーナーの燃焼を停止させることにより、触媒入口温度を安定化する方法も知られている(特許文献3)が、この方法ではバーナーの燃料を必要とするため運転コストが増大するほか、メタン濃度の増大→触媒出口温度の上昇→触媒入口温度の上昇という過程を経るため、メタン濃度の増大から触媒入口温度の上昇を検知するまでの時間遅れが大きく、急激にメタン濃度が変動した場合には、触媒の活性劣化を回避できない。
国際公開公報WO2002/040152 特開2008-246473号公報 特開昭62-254826号公報
シー・スー(Shi Su)ら、プログレス・イン・エネルギー・アンド・コンバスチョン・サイエンス(Progress in energy and combustion science)第31巻, 123〜170頁(2005年) シー・スー(Shi Su)およびジェニー・アグニュー(Jenny Agnew)、フュエル(Fuel)第85巻、1201〜1210頁(2006年) 桜井敏彦、触媒、第35巻、304〜311ページ(1993年) ジェニングス(M.S. Jennings)ら、「キャタリティック・インシネレーション・フォア・コントロール・オブ・ヴォラタイル・オルガニック・コンパウンド・エミッションズ(Catalytic incinerations for control of volatile organic compound emissions)」、ノイェス・パブリッシング(Noyes Publishing)、米国ニュージャージー州(1985年) リー(J.H. Lee)ら、キャタリシス・トゥディ(Catalysis Today)、第47巻、353〜357頁(1999年)
本発明は、炭坑の換気ガスのように、メタンの燃焼限界(爆発限界)の下限よりも低く、いかなる割合で空気と混合しても可燃範囲に入らない低濃度のメタンを含むガスからメタンを除去するにあたり、硫黄化合物が共存しても十分なメタンの除去性能を確保するとともに、メタン濃度が大きく変動しても性能が低下することなく、長期にわたって安定した除去性能が得られるメタンの除去方法および装置を提供することを主な目的とする。
上記の目的を達成するための、いかなる割合で空気と混合しても可燃範囲に入らない低濃度のメタンを含む被処理ガスからメタンを除去する低濃度メタンの除去方法の第1の特徴構成は、
熱交換器に通じて前記被処理ガスを予熱した後、メタンを接触酸化する酸化触媒に通じ、再び熱交換器に通じて反応前のガスとの熱交換により熱回収を行うとともに、前記被処理ガスのメタン濃度に応じて、前記メタン濃度が低い場合に前記酸化触媒に導くガス量に対してメタン濃度が高い場合に前記酸化触媒に導くガス量を増加させる形態で、前記酸化触媒に導くガス量を変化させることを特徴とすることにある。
本発明にかかる第1の特徴構成によれば、熱交換器を備えて、メタン除去により発生する熱を酸化触媒に導入するガスに回収する構成を採用するに、処理対象の被処理ガスのメタン濃度に応じて、酸化触媒に導くガス量を変化させることで、酸化触媒の温度を適切に保つようにできる。即ち、例えば、メタン濃度が低い場合には酸化触媒に導くガス量を低下し、逆にメタン濃度が高い場合には酸化触媒に導くガス量を増加することにより、酸化触媒入口の温度の変動を抑制することができる。これにより、高いメタン除去性能が得られるとともに、触媒の性能が長期にわたって維持される。本願において酸化触媒入口の温度或いは酸化触媒出口の温度という場合は、ともに、当該部位におけるガス温度も意味するものとする。
そして、このような低濃度メタン除去方法に使用する酸化触媒としては、ジルコニアまたはチタニアまたはその混合物からなる担体にイリジウムおよび白金を担持した触媒が好ましい。
この触媒は、350℃程度の低い温度でもメタンを酸化することができ、硫黄化合物による活性低下が低いので、熱交換器の容量を大きくする必要がなく、経済性に優れる。
さらに、酸化触媒で処理される被処理ガスの流量であるガス処理量に関し、
ガス処理量を一定として、被処理ガスの全量を酸化触媒で処理した場合に、酸化触媒入口の温度が、酸化触媒の許容下限温度となるメタン濃度を第1濃度として、
被処理ガスのメタン濃度が第1濃度より低い場合に、前記ガス量の減少により、酸化触媒に導かれる前記ガス量を制限し、メタン濃度が低下するに従ってガス処理量を低下させることが好ましい。
後にも、図8、図9に基づいて説明するように、熱交換器を備えて酸化除去に伴って発生する熱を酸化触媒に導くガスに回収する本願構成では、ガス処理量を一定として、被処理ガスの全量をそのまま酸化触媒で処理した場合、酸化触媒入口の温度は、被処理ガスのメタン濃度が低下するに従って低下する。このように酸化触媒入口の温度が許容下限温度を超えて低下した場合は、酸化触媒が十分な除去性能を発揮し得ない。これに対して、酸化触媒に導かれるガス量を制限し、ガス処理量を低下させる場合は、酸化触媒入口の温度の低下を回避でき、良好な運転を継続することができる。
さらに、酸化触媒で処理される被処理ガスの流量であるガス処理量に関し、
ガス処理量を一定として、被処理ガスの全量を前記酸化触媒で処理した場合に、酸化触媒出口の温度が、酸化触媒の許容上限温度となるメタン濃度を第2濃度として、
被処理ガスのメタン濃度が前記第2濃度より高い場合に、前記ガス量の増加により、被処理ガスに加えて別途空気を酸化触媒に導き、ガス処理量を一定の量に保持するとともに、空気の量を、メタン濃度が増加するに従って増加させることが好ましい。
後にも、図8、図10に基づいて説明するように、熱交換器を備えて酸化除去に伴って発生する熱を酸化触媒に導くガスに回収する本願構成では、ガス処理量を一定として、被処理ガスの全量をそのまま酸化触媒で処理した場合、酸化触媒出口の温度は、被処理ガスのメタン濃度が上昇するに従って上昇する。このように酸化触媒出口の温度が許容上限温度より上昇した場合は、酸化触媒が劣化し、短寿命となる。また、熱交換器等の機器にも特別の配慮が必要となる。これに対して、被処理ガスに加えて別途空気を酸化触媒に導き、ガス処理量を一定の量に保持するとともに、空気の量を、メタン濃度が増加するに従って増加すると、酸化触媒出口の温度の上昇を回避でき、熱交換器等に特別の高温対策を施す必要がなく、良好な運転を長い時間に渡って継続することができる。
これまで説明してきた、酸化触媒入口の温度が350℃以上であり、酸化触媒出口の温度が550℃以下となる条件で行うことがこのましい。
このような温度条件とすることにより、硫黄化合物の存在下においてもメタンの酸化除去能を良好に維持でき、さらに、酸化触媒の劣化を防止できる。
ここで、350℃は先に説明した許容下限温度の一例であり、550℃は先に説明した許容上限温度の一例である。
これまで説明してきた低濃度のメタンを含む被処理ガスが、炭坑の換気により放出されるガスであることがこの好ましい。
従来大気中に放出されてきた炭鉱換気ガスを本願に係る低濃度メタンの除去方法を使用して処理することで、地球温暖化防止に寄与できる技術を提供できる。
上記の本発明に係る低濃度メタンの除去方法は、以下の構成の低濃度メタンの除去装置で実施することができ、先に説明したと同様の作用・効果を得ることができる。
即ち、いかなる割合で空気と混合しても可燃範囲に入らない低濃度のメタンを含む被処理ガスからの低濃度メタンの除去装置を構成するに、
メタンを接触酸化する酸化触媒、前記酸化触媒に前記被処理ガスを導入するための送風機、前記酸化触媒に通じる前後のガス間で熱交換するための熱交換器、前記酸化触媒の上流側に配置されたメタン濃度の検知手段、および前記検知手段の検知値に応じて、送風機の送風量を、前記メタン濃度が低い場合に前記酸化触媒に導くガス量に対してメタン濃度が高い場合に前記送風機の送風量を増加させて前記酸化触媒に導くガス量を増加させる制御手段とからなる構成とできる。この構成を採用することで、高いメタン除去性能が得られるとともに、触媒の性能を比較的長期に渡って維持できる。
さらに、低濃度メタンの除去装置に、酸化触媒入口の温度に関して、その温度との関係で、処理対象の濃度範囲を拡大できる機能を持たせる場合は、以下の構成とするのが、好ましい。
即ち、前記酸化触媒で処理される前記被処理ガスの流量であるガス処理量に関し、
前記ガス処理量を一定として、前記被処理ガスの全量を前記酸化触媒で処理した場合に、酸化触媒入口の温度が、前記酸化触媒の許容下限温度となるメタン濃度を第1濃度として、
前記被処理ガスのメタン濃度が前記第1濃度より低い場合に、前記制御手段による前記送風機の制御による前記ガス量の減少により前記酸化触媒に導かれる前記ガス量を制限し、前記メタン濃度が低下するに従って前記ガス処理量が低下される構成とすることで、先にも低濃度メタンの除去方法で説明した原理にしたがって、酸化触媒入口の温度を許容下限温度に維持しながら、低濃度側のメタン濃度の被処理ガスに良好に対応できる。
さらに、低濃度メタンの除去装置に、酸化触媒出口の温度に関して、その温度との関係で、処理対象の濃度範囲を拡大できる機能を持たせる場合は、以下の構成とするのが、好ましい。
即ち、前記酸化触媒で処理される前記被処理ガスの流量であるガス処理量に関し、
前記ガス処理量を一定として、前記被処理ガスの全量を前記酸化触媒で処理した場合に、酸化触媒出口の温度が、前記酸化触媒の許容上限温度となるメタン濃度を第2濃度として、
前記被処理ガスのメタン濃度が前記第2濃度より高い場合に、前記制御手段による前記送風機の制御による前記ガス量の増加により、前記被処理ガスに加えて別途空気を前記酸化触媒に導き、前記ガス処理量を前記一定の量に保持するとともに、前記空気の量を、前記メタン濃度が増加するに従って増加させる構成とすることで、先にも低濃度メタンの除去方法で説明した原理にしたがって、酸化触媒出口の温度を許容上限温度に維持しながら、高濃度側のメタン濃度の被処理ガスに良好に対応できる。
さらに、本発明に係る低濃度メタンの除去装置を構成する場合、前記酸化触媒の上流に前記熱交換器を、前記熱交換器の上流に送風機を備えるとともに、前記被処理ガスが吸引される吸引管を備え、
前記吸引管の出口と前記送風機の吸引口との間に、外部との気体の流通を許容する通気部を設けることが好ましい。
この構成は、酸化触媒の上流側に順に、熱交換器、送風機、通気部及び吸引管を設けるという最も簡単な構成で、酸化触媒に導かれるガス量を送風機の送風量に従って、本願の目的に適合して適切に酸化触媒により処理される被処理ガスの量であるガス処理量を設定できる。
本発明のメタン除去方法では、硫黄化合物による活性阻害に対して非常に優れた抵抗性を示す触媒を用いることができるので、炭坑換気ガスのように多様な硫黄化合物(硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルスルフィド、二酸化硫黄など)が含まれていても、350℃程度という低い温度からメタンの除去が可能となる。従って、従来技術に比べて熱交換器の容量を小さくすることが可能で、経済性が大きく改善される。また、本発明の低濃度メタン除去方法では、被処理ガス中のメタン濃度が急激に変動しても、触媒出口温度を常に550℃以下に安定して保つことができるため、触媒の耐久性が確保され、長期にわたって安定したメタン除去性能が得られるほか、配管や熱交換器に高価な材料を用いる必要がなくなり経済性が大きく改善される。
本発明のメタンの除去装置の構成を示す図である。 低濃度側及び高濃度側の運転状態の代表例を示す説明図 Ir-Pt/ジルコニア触媒の硫黄化合物(CH3SH 1.5 ppm + H2S 1.5 ppm)共存下でのメタン除去性能と性能の経時変化を示す図 Ir-Pt/ジルコニア触媒の硫黄化合物(SO2 3 ppm)共存下でのメタン除去性能と性能の経時変化を示す図 Pd-Pt/アルミナ触媒の硫黄化合物(CH3SH 1.5 ppm + H2S 1.5 ppm)共存下でのメタン除去性能と性能の経時変化を示す図 Pd-Pt/アルミナ触媒の硫黄化合物(SO2 3 ppm)共存下でのメタン除去性能と性能の経時変化を示す図 Ir-Pt/チタニア触媒の硫黄化合物(SO2 3 ppm)共存下でのメタン除去性能と性能の経時変化を示す図 本発明の方法によらず、メタン濃度に如何に関わらず送風機の送風量を一定としてメタン除去を行う場合のメタン濃度に対する触媒入口および出口温度の関係を示す図 メタン濃度が第1濃度D1より低下した場合に、送風機の送風量を低下させるよう制御した場合のメタン濃度に対する触媒入口および出口温度の関係を示す図 メタン濃度が第1濃度D1より低下した場合に送風機の送風量を低下させ、メタン濃度が第2濃度D2を超えた場合に送風機の送風量を増加させるよう制御した場合のメタン濃度に対する触媒入口および出口温度の関係を示す図 装置出口側のガスの一部を装置入口側に還流するための流量分配手段および配管を設けた本発明のメタン除去装置の第2実施形態を示す図である。
以下、図面に基づいて、本発明の低濃度メタンの除去装置について説明する。本実施の形態では、第1実施形態と第2実施形態との二つの実施形態について説明する。
1 第1実施形態
本発明の低濃度メタンの除去装置100は、装置100に被処理ガスGを導入するための送風機1、メタンを接触酸化する酸化触媒2(図1では、酸化触媒を処理筒内に収納した状態を示している)、前記酸化触媒2に通じる前後のガスGin、Gout間で熱交換するための熱交換器3、前記酸化触媒2の上流側に配置されたメタン濃度の検知手段4、および前記検知手段4の検知値に応じて送風機1の送風量を制御する制御手段5とから構成される。この送風機1の吸引口1aの上流側には、被処理ガスGを吸引箇所から吸引するための吸引管6が設けられているとともに、この吸引管6の出口と送風機1の吸引口1aとの間に、ある程度の抵抗を有する通気部7が設けられている。
従って、この構造では、酸化触媒2には、被処理ガスGの一部若しくは全体が導入されることとなる。送風機1による送風量の範囲が吸引管6により吸引することができる最大吸引量を跨っていることにより、送風機1の低流量側の送風量域では送風機1の送風量が少ないことから、通気部7を介して被処理ガスの一部が外部に吹出される状態が発生し(図2(a)参照)、送風機1の高流量側の送風量域では、被処理ガスGの最大流量が吸引されるに加えて、空気Aが通気部7から吸引される状態が発生する(図2(b)参照)。ここで、上記の低流量側では、送風量の増加に伴って、被処理ガスGの吸引量が最大流量まで増加し、その後、最大流量のまま推移するように流量変化する(図2(a)は、後述する図9で、被処理ガスの流量が小さい状態を示している)。一方、上記の高流量側では、送風量の増加に伴って、被処理ガスGの吸引量が最大流量となる状態で、空気量が暫時増加する(図2(b)は、後述する図10で、空気を吸引している状態を示している)。
前述のように、制御手段5は検知手段4のメタン濃度検知値に応じて送風機1の送風量を制御するが、本願に係る制御手段5の送風量の制御形態は、被処理ガスのメタン濃度に応じて、メタン濃度が低い場合に酸化触媒2に導くガス量に対してメタン濃度が高い場合に酸化触媒2に導くガス量を増加させる形態で、前記酸化触媒に導くガス量を変化させる。
さらに、上述の送風機1より上流側に、上述の本願独特の構成を採用することにより、送風量の制御に伴って上述の低濃度側の運転形態と高濃度側の運転形態が変化する。
低濃度側の運転形態
この濃度域の運転形態は、酸化触媒2で処理される被処理ガスGの流量であるガス処理量に関し、
ガス処理量を一定として、被処理ガスGの全量をそのまま酸化触媒2で処理した場合に、酸化触媒入口2inの温度が、酸化触媒2の許容下限温度となるメタン濃度を第1濃度として、被処理ガスGのメタン濃度が第1濃度D1より低い場合に、酸化触媒2に導かれるガス量を制限し、メタン濃度が低下するに従ってガス処理量を低下させる形態となる。この第1濃度D1に関しては、後述する図9で詳細に説明する。
高濃度側の運転形態
この濃度域の運転形態は、酸化触媒2で処理される被処理ガスGの流量であるガス処理量に関し、
ガス処理量を一定として、被処理ガスGの全量をそのまま酸化触媒2で処理した場合に、酸化触媒出口2outの温度が、酸化触媒2の許容上限温度となるメタン濃度を第2濃度として、被処理ガスGのメタン濃度が第2濃度D2より高い場合に、被処理ガスGに加えて別途空気Aを酸化触媒2に導き、ガス処理量を前記一定の量に保持するとともに、空気Aの量を、メタン濃度が増加するに従って増加させる形態となる。この第2濃度D2に関しては、後述する図10で詳細に説明する。
〔酸化触媒〕
酸化触媒2としては、ジルコニアまたはチタニアまたはその混合物からなる担体にイリジウムおよび白金を担持した触媒が好ましい。これらの触媒は、350℃程度の低温でもメタンを酸化除去することができるとともに、硫化水素や二酸化硫黄などの硫黄化合物が共存しても活性低下が小さい。
酸化触媒a
図3に、ジルコニア担体(BET比表面積 17 m2/g)にIr 3wt%とPt 2wt%を担持した触媒(粒径 約1 mm, 1.45g)に、炭坑換気ガスを模擬したガス(CH4 1000 ppm, O2 20%, H2O 3%、残部N2)を120 l/hの流量で流通した(ガス時間あたり空間速度(GHSV) 80,000 h-1に相当)際のメタン除去率の温度依存性を示す。初期活性では、350℃で50%のメタン除去率が得られており、触媒入口温度が350℃程度あれば十分反応が開始することがわかる。引き続いて、硫黄化合物(CH3SH 1.5 ppm + H2S 1.5 ppm)を添加して400℃で反応を継続し、20および60時間経過後のメタン除去率を測定すると、活性は若干低下したものの、350℃で38%(20時間後)、35%(60時間後)のメタン除去率が得られ、硫黄化合物が共存しても活性の低下は小さかった。硫黄化合物をSO2 3 ppmに変えてもほぼ同様の結果であり(図4)、硫黄化合物の形態によらず、ジルコニア担体にIrとPtを担持した触媒が高いメタン除去性能を示すことが確認された。
酸化触媒b
図5および6に、アルミナ担体(γ型、BET比表面積 125 m2/g)にPd 3wt%とPt 2wt%を担持した触媒(粒径 約1 mm, 1.45g)について、同様にメタン除去性能を評価した結果を示す(GHSV 63,000 h-1に相当)。従来、VOC酸化に用いられてきたPdやPtをアルミナ担体に担持した触媒は、初期活性はジルコニア担体にIrとPtを担持した触媒と同程度であり、本願の低炭素メタンの除去装置に使用できるが、硫黄化合物の共存により短期間でメタン除去性能を失う欠点もある。
酸化触媒c
図7に、チタニア担体にIr 3wt%とPt 2wt%を担持した触媒(粒径 約1 mm, 1.45g)について、同様にメタン除去性能を評価した結果を示す(GHSV 50,000 h-1に相当)。初期活性では、350℃で90%のメタン除去率が得られ、SO2の共存する条件で60時間経過後でも、59%のメタン除去率が得られた。
以上の試験では、400℃で60時間反応を継続したが、より高い温度(500℃、550℃)で反応を行った後の触媒活性についても検討した。表1に示すとおり、ジルコニアまたはチタニア担体にイリジウムおよび白金を担持した触媒(酸化触媒a,c)は、500℃までであれば、活性はほとんど低下しないか、むしろ活性が向上するのに対して、550℃になると活性はやや低下した。VOC処理に従来用いられてきた触媒では、Pt/アルミナは600℃、Pd/アルミナは700℃程度まで使用できるとされてきたが、ジルコニアまたはチタニア担体にイリジウムおよび白金を担持した触媒の場合には、従来の触媒よりも低温でメタン酸化が可能であるが、触媒の耐熱温度も低くなることが理解される。
Figure 0005658447
酸化触媒2は、その形状は問わないが、送風機1の動力を極力低減する見地からは、圧力損失の小さいハニカム形状が好ましく、コージェライトやメタルハニカムにウオッシュコートした形状が、強度や耐熱性にも優れており特に好ましい。
酸化触媒2の使用量は、少なすぎる場合には、有効なメタン除去性能が得られないが、多すぎても経済的に不利となるので、ガス時間当たり空間速度(GHSV)で1,000〜200,000h-1となる量を使用することが好ましく、20,000〜100,000h-1程度とすることがより好ましい。
〔熱交換器〕
本発明で用いる熱交換器3は、気体−気体間の熱交換が可能で圧力損失が低く抑えられる限り、その形式を問わないが、通常はコンパクト熱交換器として知られるプレート・アンド・フィン式の熱交換器が好ましい。使用する熱交換器の伝熱面積は、適宜選択できるが、通常炭坑換気ガスの排出量に対し、NTUが2.5〜5程度となるような熱交換器を選定するのが好ましい。
〔検知手段〕
本発明で用いるメタン濃度の検知手段4は、十分な応答性および安定性を有する限り、その形式を問わないが、たとえば、非分散赤外式メタン濃度計や、酸化錫などの半導体式ガスセンサーなどが使用できる。
以上が本発明に係る低濃度メタンの除去装置100の説明であるが、以下、本発明に係る低濃度メタンの除去方法について説明する。
本発明の低濃度メタンの除去方法は、熱交換器3に通じてメタンを含有する被処理ガスGを予熱した後(この被処理ガスがGinである)、メタンを接触酸化する酸化触媒2に通じ(この被処理ガスがGoutである)、再び熱交換器3に通じて反応前の被処理ガスGinとの熱交換により熱回収を行うとともに、送風機1により酸化触媒2に導入されるガス量を、被処理ガスの濃度に応じて変化させることを特徴とする。図2に示すように、送風機1の作動により吸引される被処理ガス量をQ1,放出される被処理ガス量をQ2、吸引される空気量をQ3とした場合、酸化触媒に導入されるガス量は、図9に対応する図2(a)の状態ではQ1−Q2となり、図10に対応する図2(b)の状態ではQ1+Q3となる。
一例として、メタン濃度0.25〜1.0%の間で変動する炭坑換気ガス(排出量 100 m3/s, 25℃)の処理を検討する。この例の場合、被処理ガスの量は一定量(100 m3/s)に維持されるものとする。
熱交換器のNTUを3とし、酸化触媒および接続配管で25 kWの放熱損失が生じるものとすると、メタン濃度にかかわらず炭坑換気ガスの全量をそのまま処理する場合には、メタン濃度に対する触媒入口2inおよび出口2outのガス温度は図8に示すように変化する。実際には、酸化触媒入口の温度が350℃以下(図8,9、10に一点鎖線で示す)に低下すると酸化触媒のメタン除去性能が低下する。一方、酸化触媒出口の温度が550℃を超える(図8,9、10に二点鎖線で示す)と触媒に回復不可能な劣化が起こるため、実際に安定してメタン除去が可能となるのは、メタン濃度が0.53〜0.58%というごく限られた範囲に過ぎない。先に説明した第1濃度D1は、この例では0.53%となり、第2濃度D2は0.58%となる。
これに対して、メタン濃度が、上記の第1濃度D1より低下した場合に、ガス処理量を低下する(この状態では、被処理ガスの一部のみを酸化触媒に送る)ようにした場合、処理できるガス量はメタン濃度0.25%においては30 m3/sまで低下するものの、酸化触媒入口の温度は350℃に維持できるので、メタン濃度が低くなっても部分的にはメタンの処理が可能であり、メタン濃度0.25%〜0.58%までに対応できる(図9)。ここで付言すれば、メタン濃度が低い場合には、炭坑換気ガスの一部は放散することになるが、そもそも含まれるメタンの濃度が低いため、影響は小さいと言える。
さらに、メタン濃度が、上記の第2濃度D2よりも濃くなった場合に、送風機によるガスの送風量を増すと、炭坑換気ガスに加えて、通気部7から余分の空気Aも吸い込むことになる(この状態では、ガス処理量が最大となる状態で、空気の吸引量が増す)。これにより装置内におけるガスのメタン濃度を低下する効果が生じる。この場合には、酸化触媒出口の温度を550℃以下かつ酸化触媒入口の温度350℃以上に維持できるメタン濃度の上限は、約1%まで拡大される(図10)。
第2実施形態
本発明のメタンの酸化除去装置100には、さらに必要に応じて、図11に示すように、装置出口側の排ガスの一部を装置入口側に還流するための流量分配手段201および配管202を設けてもよい。
このように、装置出口側の排ガスの一部を装置入口側に還流する方法を併用すれば、メタン濃度が1.2%程度であっても触媒出口温度を550℃以下かつ触媒入口温度350℃以上に維持することが可能となる。
〔別実施形態〕
(1)上記の実施の形態では、送風機は装置の入口部に設けたが、この送風機は被処理ガスを酸化触媒に導入できればよく、送風機は装置の入口部ではなく、出口部に設けて、装置内部が大気圧に対して負圧となるような構成としてもよい。
(2)メタン濃度の検知手段は、できるだけ速やかにメタン濃度の変動を検知するという観点からは装置の入口に近接して設置するのが好ましく、被処理ガスのメタン濃度を検知するという意味からは吸引管に設けるのが好ましい。しかしながら、本願構造では、送風機の送風量に従って、被処理ガス量及び空気量が決まるため熱交換器の出口側に設置してもよい。このように熱交換器の出口側に設ける場合は、送風量によって決まる被処理ガス量と空気量との関係を予め求めておいて、検知値をこの関係から被処理ガス中におけるメタン濃度に変換することで、先にも説明したメタン濃度に応じた送風量の制御を実現できる。或いは、熱交換器の出口側のメタン濃度と送風量との関係を予め決めておいてもよい。
(3)本発明の低濃度メタンの除去装置には、さらに必要に応じて、酸化触媒入口および酸化触媒出口のガス温度の測定手段を設けてもよい。これにより、メタン濃度の検知手段に異常を生じた場合でも、安全に装置を停止することが可能となる。
(4)上記の実施の形態においては、除去できるメタン濃度の拡大を図るのに、第1濃度D1に基づいたガス流量の調整(メタン濃度の低濃度側でガス流量と同一視できるガス処理量を低減する)、第2濃度D2に基づいたガス流量の調整(メタン濃度の高濃度側で吸引する空気量を増大する)の両方を行ったが、前者側の調整若しくは、後者側の調整のみをおこなってもよい。このような構成が可能となるのは、被処理ガスの濃度の変動状態が地域等によっても異なるためである。
炭坑の換気ガスのように、メタンの燃焼限界(爆発限界)の下限よりも低く、いかなる割合で空気と混合しても可燃範囲に入らない低濃度のメタンを含むガスからメタンを除去するにあたり、硫黄化合物が共存しても十分なメタンの除去性能を確保するとともに、メタン濃度が大きく変動しても性能が低下することなく、長期にわたって安定した除去性能が得られる低濃度メタンの除去方法および装置を提供することができた。
1:送風機
2:酸化触媒
3:熱交換器
4:メタン濃度の検知手段
5:制御手段
6:吸引管
7:通気部

Claims (11)

  1. いかなる割合で空気と混合しても可燃範囲に入らない低濃度のメタンを含む被処理ガスからメタンを除去する低濃度メタンの除去方法であって、
    熱交換器に通じて前記被処理ガスを予熱した後、メタンを接触酸化する酸化触媒に通じ、再び熱交換器に通じて反応前のガスとの熱交換により熱回収を行うとともに、前記被処理ガスのメタン濃度に応じて、前記メタン濃度が低い場合に前記酸化触媒に導くガス量に対してメタン濃度が高い場合に前記酸化触媒に導くガス量を増加させる形態で、前記酸化触媒に導くガス量を変化させることを特徴とする低濃度メタンの除去方法。
  2. 酸化触媒が、ジルコニアまたはチタニアまたはその混合物からなる担体にイリジウムおよび白金を担持した触媒である、請求項1記載の低濃度メタンの除去方法。
  3. 前記酸化触媒で処理される前記被処理ガスの流量であるガス処理量に関し、
    前記ガス処理量を一定として、前記被処理ガスの全量を前記酸化触媒で処理した場合に、酸化触媒入口の温度が、前記酸化触媒の許容下限温度となるメタン濃度を第1濃度として、
    前記被処理ガスのメタン濃度が前記第1濃度より低い場合に、前記ガス量の減少により、前記酸化触媒に導かれる前記ガス量を制限し、前記メタン濃度が低下するに従って前記ガス処理量を低下させる請求項1又は2記載の低濃度メタンの除去方法。
  4. 前記酸化触媒で処理される前記被処理ガスの流量であるガス処理量に関し、
    前記ガス処理量を一定として、前記被処理ガスの全量を前記酸化触媒で処理した場合に、酸化触媒出口の温度が、前記酸化触媒の許容上限温度となるメタン濃度を第2濃度として、
    前記被処理ガスのメタン濃度が前記第2濃度より高い場合に、前記ガス量の増加により、前記被処理ガスに加えて別途空気を前記酸化触媒に導き、前記ガス処理量を前記一定の量に保持するとともに、前記空気の量を、前記メタン濃度が増加するに従って増加させる1〜3の何れか一項記載の低濃度メタンの除去方法。
  5. 酸化触媒入口の温度が350℃以上であり、酸化触媒出口の温度が550℃以下となる条件で行う請求項1〜4のいずれか一項記載の低濃度メタンの除去方法。
  6. 低濃度のメタンを含むガスが、炭坑の換気により放出されるガスである請求項1〜5のいずれか一項記載の低濃度メタンの除去方法。
  7. いかなる割合で空気と混合しても可燃範囲に入らない低濃度のメタンを含む被処理ガスからの低濃度メタンの除去装置であって、
    メタンを接触酸化する酸化触媒、前記酸化触媒に前記被処理ガスを導入するための送風機、前記酸化触媒に通じる前後のガス間で熱交換するための熱交換器、前記酸化触媒の上流側に配置されたメタン濃度の検知手段、および前記検知手段の検知値に応じて、前記メタン濃度が低い場合に前記酸化触媒に導くガス量に対してメタン濃度が高い場合に前記酸化触媒に導くガス量を増加させるよう前記送風機の送風量を制御する制御手段とからなる低濃度メタンの除去装置。
  8. 酸化触媒が、ジルコニアまたはチタニアまたはその混合物からなる担体にイリジウムおよび白金を担持した触媒である、請求項7に記載の低濃度メタンの除去装置。
  9. 前記酸化触媒で処理される前記被処理ガスの流量であるガス処理量に関し、
    前記ガス処理量を一定として、前記被処理ガスの全量を前記酸化触媒で処理した場合に、酸化触媒入口の温度が、前記酸化触媒の許容下限温度となるメタン濃度を第1濃度として、
    前記被処理ガスのメタン濃度が前記第1濃度より低い場合に、前記制御手段による前記送風機の制御による前記ガス量の減少により、前記酸化触媒に導かれる前記ガス量を制限し、前記メタン濃度が低下するに従って前記ガス処理量が低下される請求項7又は8記載の低濃度メタンの除去装置。
  10. 前記酸化触媒で処理される前記被処理ガスの流量であるガス処理量に関し、
    前記ガス処理量を一定として、前記被処理ガスの全量を前記酸化触媒で処理した場合に、酸化触媒出口の温度が、前記酸化触媒の許容上限温度となるメタン濃度を第2濃度として、
    前記被処理ガスのメタン濃度が前記第2濃度より高い場合に、前記制御手段による前記送風機の制御による前記ガス量の増加により、前記被処理ガスに加えて別途空気を前記酸化触媒に導き、前記ガス処理量を前記一定の量に保持するとともに、前記空気の量を、前記メタン濃度が増加するに従って増加させる請求項7〜9の何れか一項記載の低濃度メタンの除去装置。
  11. 前記酸化触媒の上流に前記熱交換器を、前記熱交換器の上流に送風機を備えるとともに、
    前記被処理ガスが吸引される吸引管を備え、
    前記吸引管の出口と前記送風機の吸引口との間に、外部との気体の流通を許容する通気部を設けた請求項7〜10の何れか一項記載の低濃度メタンの除去装置。
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