JP5657268B2 - 軸シール装置 - Google Patents

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Description

本発明は、回転軸の軸方向に隣接させて配置された高圧領域と低圧領域とをシールする軸シール装置に関する。
蒸気タービン、ガスタービン、空気圧縮機、ポンプなどの蒸気、水、空気、ガスなどの作動流体を取り扱う回転機械においては、作動流体に差圧が生じる領域において回転軸に沿って作動流体が漏出することを防止するための軸シール装置が設けられる。
従来、軸シール装置の一種として、高圧領域側から低圧領域側に向かって延びるシール面が形成された自由端を有する複数のフィンを備えたものが知られている。複数のフィンは、溶接その他の公知の取り付け手段によって回転軸の周りに接触または非接触に環状に定置されている。
特開平9−14458号公報
上述したフィンを備えた軸シール装置は、作動中に回転軸とフィンとのシール隙間に生ずる圧力によるフィンの浮揚力と、シール部差圧によるフィンのシール面裏面からの回転軸表面方向への押付け力とのつりあい状態が不安定となる場合がある。さらに、シール部周辺の作動流体の流れの状態から、フィンの自由端が回転軸の半径方向に振動する場合がある。フィンの自由端が振動すると、シール隙間が周期的に変化し漏出量の増加を招くという課題がある。
さらに、フィンの固定端に自由端の振動による繰り返し疲労が生じ、フィンの亀裂あるいは破断を引き起こすという課題がある。フィンの損傷あるいは破断は、著しい作動流体の漏出量の増加を引き起こし、シール性能の低下につながるという課題があった。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、作動流体の流れ速度や圧力などの状態の変動に伴うシールフィンの振動を抑制することができる軸シール装置を提供することを目的とする。
本発明に係る軸シール装置は、上述した課題を解決するために、回転軸の軸方向に隣接されて配置された高圧領域と低圧領域とをシールする軸シール装置において、前記回転軸が貫通する貫通孔を有するケース部材と、前記低圧領域に設けられ、前記ケース部材の前記貫通孔に沿って固定された固定端部と、前記高圧領域に向けて延びて前記貫通孔の径方向に自由に振動する自由端部と、前記回転軸の軸方向に沿って形成されたシール面と、を有する複数のシールフィンと、前記自由端部の前記シール面の裏面側から接触または一定の隙間を確保した非接触状態で前記シールフィンの振動を抑制する振動抑制部材とを備え、前記振動抑制部材は、前記回転軸の円周方向に延在する弾性部材であり、前記弾性部材は、前記ケース部材に固定された固定端と、複数の前記シールフィンの前記シール面の裏面側に延在する自由端とを有することを特徴とする。
本発明に係る軸シール装置は、作動流体の変動に伴うシールフィンの振動を抑制することができる。
本発明に係る軸シール装置を用いた回転機械の一例である軸流タービンの断面図。 本発明に係る軸シール装置の第1実施形態を示す外観図。 図2の軸シール装置のIII−III間の断面図。 第1実施形態における軸シール装置および回転軸を軸方向から示す図。 図3の軸シール装置をシール面側から示す部分拡大図。 図5の軸シール装置のVI−VI間の断面図。 軸シール装置の第1実施形態の変形例を示す図。 (A)は第2実施形態における軸シール装置のシールフィンをシール面側から示す外観図、(B)はシールフィンをシール面裏面側から示す外観図。 第2実施形態における軸シール装置の隣接する2枚のシールフィンをシール面裏面側から示す図。 第2実施形態における軸シール装置の一部を軸方向から示す図。 第3実施形態における軸シール装置のシールフィンを示す外観図。 第3実施形態における軸シール装置の一部を軸方向から示す図。 図12の軸シール装置のXIII−XIII間の断面図。 第3実施形態における軸シール装置の第1の変形例であり、軸シール装置の一部を軸方向から示す図。 図14の軸シール装置のXIV−XIV間の断面図。 第3実施形態における軸シール装置の第2の変形例であり、軸シール装置の一部を軸方向から示す図。
[第1実施形態]
本発明に係る軸シール装置の第1実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る軸シール装置を用いた回転機械の一例である軸流タービンの断面図である。
軸流タービン1は、回転軸2を作動流体Fで回転させ、運動エネルギを出力軸端3から得る。
圧力容器4は、圧力隔壁5により高圧領域としての高圧室6と、高圧室6より圧力が低い領域である低圧室7とに分割される。回転軸2は、圧力容器4および圧力隔壁5を貫通して配置される。
軸シール装置10は、回転軸2の軸方向に隣接して配置された高圧領域と低圧領域とをシールする。具体的には、圧力隔壁5により形成された圧力容器4の内部の高圧室6と低圧室7や、圧力容器4により形成された圧力容器4の内部の低圧室7と外気とをシールする。
図2は、本発明に係る軸シール装置の第1実施形態を示す外観図である。
図3は、図2の軸シール装置10のIII−III間の断面図である。
図4は、第1実施形態における軸シール装置10および回転軸2を軸方向から示す図である。
軸シール装置10は、円環状のケース部材12に複数のシールフィン11が配置されて構成される。軸シール装置10は、図1に示す圧力隔壁5や圧力容器4に取り付けられる。なお、本実施形態においては、軸シール装置10を圧力隔壁5などに取り付け可能な形状のものとして説明するが、圧力隔壁5や圧力容器4と一体の構成としてもよい。
図2および図3に示すように、ケース部材12は、回転軸2が貫通する貫通孔を有し、貫通孔に沿った円環内面にはシールフィン固定面12aを有する。シールフィン固定面12aは、円環の軸方向と直交する断面が多角形状となっている。この多角形状は、例えば軸流タービン1の作動時において必要なシールフィン11と回転軸2とのすきまの値に応じて幾何学的に決定される。例えば、n枚のシールフィン11が配置される場合には、シールフィン固定面12aの断面はほぼ正n角形で形成される。
図2〜図4に示すように、シールフィン11は、シールフィン固定面12aの一辺の長さにほぼ等しい幅(短辺長さ)を有する。シールフィン11は、シールフィン固定面12aの多角形状に合わせて、精度よく等間隔に配置される。また、シールフィン11は、回転軸2の軸方向に沿ってシール面を形成するように回転軸2の表面と接触状態または一定の初期隙間を確保した非接触状態で配置される(図4においては非接触状態で示されている。)。
図5は、図3の軸シール装置10をシール面側から示した部分拡大図である。
図6は、図5の軸シール装置10のVI−VI間の断面図である。
シールフィン11は短冊状に形成された一枚の薄板状の、例えば金属製の部材である。シールフィン11は、固定端部11a、自由端部11bおよびシール面11cを有する。
固定端部11aは、シールフィン11の長手方向の一端部分であり、ケース部材12のシールフィン固定面12aに対して固定された部分である。固定端部11aは、例えば電子ビーム溶接やTIG溶接やアーク溶接や接着などの各種固定方法でシールフィン固定面12aに固定される。
自由端部11bは、固定端部11aがケース部材12に固定されているのに対して、軸シール装置10(すなわちケース部材12の貫通孔)の径方向に自由に振動する。自由端部11bは、固定端部11a以外の自由にたわむことができる領域を含むものとする。
シールフィン11の回転軸2の表面に対向する面には、回転軸2の軸方向に沿うシール面11cが形成される。シール面11cは、他の領域より厚みが小さくされた凹部11dを有する。例えば、シールフィン11が0.1mm〜0.5mm程度の厚みを有する場合には、凹部11dの深さは数μmから数十μmになっている。凹部11dの外形は、例えばシールフィン11の幅方向の一方向に開口した略コ字型となっている。凹部11dの開口の向きは、回転軸2の回転方向に沿って流れる作動流体Fが凹部11dの幅方向の境界となる壁面11eで淀むように(行き止まりとなって流れ速度が圧力すなわち動圧に替わるように)、回転軸2の回転方向に応じて決定される。
ケース部材12とケース部材12に固定されたシールフィン11とは、高圧領域側(図6では高圧室6側)に開口する空間室13を形成する。空間室13は、ケース部材12の内周壁12bと、シールフィン11のシール面11cの裏面であるシール面裏面11fとで形成される。
ケース部材12には、略円形に配置されたシールフィン11の自由端部11bのシール面裏面11f側から接触または一定の隙間を確保した非接触状態でシール部あるいは回転軸2の円周方向に延在する弾性部材21が配置される。弾性部材21は、ケース部材12に配置されたシールフィン11で形成された略円形に合わせて略円形に成型され、断面矩形または円形を有する。弾性部材21は、一端がケース部材12に固定された固定端21aである。固定端21a以外の部分は周囲の構造に固定されず、シールフィン11のシール面裏面11f側のシール部の軸長手方向に延在する自由端となっている。固定端21aは、自由端である円形部分から径方向外側に折り曲げられ、ケース部材12の内周壁12bに各種溶接やねじ締結方法などで固定される。
なお、図6に示す回転軸2のシール面11cと対向する位置には、予定されたシール効果を得るために径方向外側に所定量突出した突出部2aが設けられた例が示されている。
次に、本実施形態における軸シール装置10の作用を説明する。回転軸2が回転を始めると、ケース部材12とシールフィン11とで形成された空間室13に作動流体Fが流れ込む。シールフィン11は、シール面裏面11fに作動流体Fが持つ圧力による力を受け、回転軸2の表面へ近接しようとする。
同時に回転軸2の表面付近の雰囲気すなわち作動流体Fは、その粘性特性により回転軸2の回転に巻き込まれてシールフィン11と回転軸2の表面との間に流入する。流入した作動流体Fは、シールフィン11のシール面11cに設けられた凹部11dにも流入する。凹部11dは、壁面11eで回転方向(回転軸2の円周方向)に行き止まりとなっている。このため、凹部11dの内部の圧力が高くなる。シールフィン11は凹部11dに生じる圧力による力を受け、回転軸2の表面から離れようとする。
シールフィン11は、固定端部11aがケース部材12に固定されているのみで、一端が自由端部11bとなっている。このため、シールフィン11は、空間室13内の圧力によるシール面裏面11fに受ける力と、シール面11cの凹部11dに生ずる圧力によるシール面11cに受ける力とがつりあう位置までたわむ。これにより回転軸2とシールフィン11との接触を生じることなく、作動流体Fの漏洩を防止することができる。
シールフィン11は、回転軸2が回転している間は自由端部11bが初期設定位置より回転軸2表面から離れる方向に変位する。軸流タービン1の運用状態の変化により作動流体Fの流量、圧力などが変化すると、シールフィン11の周囲の作動流体Fの流量や圧力などの状態も変化する。これらの変化に応じて、空間室13内の圧力によりシール面裏面11fに受ける力と、シール面11cの凹部11dに生ずる圧力によるシール面11cに受ける力とのつり合いにも変化が生じる。場合によっては周期的な変化となり、シールフィン11も周期的にたわみが変化することから、自由端部11bも周期的に変位する。すなわち、自由端部11bが振動を起こす。
このとき、シールフィン11の外周側に定置した弾性部材21は、シール面裏面11fの一部に接触または近接している。このため、シールフィン11の自由端部11bは、半径方向外側、すなわち弾性部材21に近づく方向へ変位することで弾性部材21に接触する場合がある。弾性部材21は、シールフィン11との接触により円周方向に摺動しながら径を大きくする。
シールフィン11は、付加された各方向の合力と弾性部材21の復元力(弾性力)とがつり合う位置に周期的に変位する。弾性部材21とシールフィン11との接触部の摺動は摩擦となり、各部材の変位を拘束しながら、繰り返しの運動エネルギを吸収する。すなわち、本実施形態においては、弾性部材21が振動抑制部材として作用している。
このように第1実施形態における軸シール装置10によれば、回転機械の運用状態の変化で生ずるシールフィン11の自由端部11bの振動変位を振動抑制部材である弾性部材21により抑制することができる。これにより、振動が発生した場合にシールフィン11の固定端部11a付近に生ずる振動応力を低減することができる。
また、振動応力によるシールフィン11の繰り返し疲労を低減し、繰り返し疲労によるシールフィン11の亀裂あるいは破断などの損傷防止することができ、軸流タービン1の運用状態に係わらず安定したシール効果を得ることができる。さらに、シールフィン11の自由端部11bを弾性部材21で支持することにより、半径方向外側への過大な変位あるいは変形を防止することができる。
なお、第1実施形態においては、円形に配置されたシールフィン11のシール面裏面11fを一の弾性部材21で支持する例を説明した。しかし、弾性部材21は、シールフィン11のシール面裏面11fを支持できれば複数に分割された円弧状の弾性部材21を適用してもよい。
図7は、軸シール装置の第1実施形態の変形例を示す図である。図7は、図4(軸シール装置10および回転軸2を軸方向から示す図)に対応する図である。
ケース部材32は、半円弧状に2分割されている。同様に、弾性部材41は、自由端が半円弧状を形成するように2分割されている。弾性部材41は、それぞれ分割されたケース部材32毎に設けられ、それぞれの固定端41aがケース部材32に固定される。図7においては、弾性部材41が半円弧状に2分割された例を示したが、2以上に分割してもよい。
弾性部材41を複数に分割してそれぞれのケース部材32に固定することにより、軸シール装置30を円周方向に複数に分割することができる。例えばケース部材32および弾性部材41を2分割した場合には、回転軸2を取り囲むケース部材32の下側半分を残し、上側半分のみを取り外すことができ、軸流タービン1のごとき定期的に内部点検のための分解および組立を要する横置き型の円筒形状の回転機械などにも適用が可能となる。
なお、第1実施形態においては、ケース部材12の内周面に形成されたシールフィン固定面12aを円環軸方向に直交する断面形状が多角形となるように構成した。しかし、シールフィン固定面12aを断面円形状に構成してもよい。シールフィン11の枚数が多く、断面形状が実質的に円に近づく場合などに好適である。この場合、シールフィン11の幅方向(円周方向)の形状をシールフィン固定面12aに合わせるように変形させて固定するか、あるいは電子ビーム溶接やアーク溶接などの溶接部によりシールフィン固定面12aとシールフィン11の間を塞ぐように固定すればよい。
また、凹部11dはシール面11cのみならず、シール面11cと対向する回転軸2(突出部2a)側に設けてもよい。また、シールフィンの固定端部11aを低圧室7側、自由端部11bを高圧室6側に設けた例を説明したが、これとは逆に固定端部11aを高圧室6側、自由端部11bを低圧室7側に設けた構成を有する軸シール装置に本実施形態における軸シール装置10を適用することができる。上述した変形例および以下の各実施形態においても同様である。
[第2実施形態]
本発明に係る軸シール装置の第2実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図8(A)は、第2実施形態における軸シール装置50のシールフィン51をシール面51c側から示す外観図、(B)は、シールフィン51をシール面裏面51f側から示す外観図である。
図9は、第2実施形態における軸シール装置50の隣接する2枚のシールフィン51をシール面裏面51f側から示す図である。
図10は、第2実施形態における軸シール装置50の一部を軸方向から示す図である。
第2実施形態における軸シール装置50が第1実施形態における軸シール装置と異なる点は、シールフィン51が突出部53を有する点である。第2実施形態における軸シール装置50および軸流タービンが第1実施形態における軸シール装置10および軸流タービン1と対応する構成および部分については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
突出部53は、シールフィン51の自由端部51bの先端部に設けられる。突出部53は、接触片53aと接触片切欠き部53bを有する。
接触片53aは、シールフィン51の長手方向の一方の側面、すなわち一方で隣接するシールフィン51と接触する面側から隣接するシールフィン51と接触する方向(シールフィン51の幅方向)に伸びた部分である。接触片53aは、シール面51c側の面が先端部に向けて厚みが小さくなるように傾斜している。接触片切欠き部53bは、接触片53aが設けられた長手方向の側面とは異なる側面、すなわち他方で隣接するシールフィン51と接触する面側に設けられた切欠き部である。接触片切欠き部53bは、接触片53aの傾斜角度にほぼ対応してシール面裏面51f側が傾斜している。
図9および図10に示すように、隣接するシールフィン51にそれぞれ設けられた接触片53aと接触片切欠き部53bとは、互いに嵌め合い関係となるようにケース部材12に配置される。また、接触片53aは、接触片切欠き部53bから弾性部材21方向に突出する。これにより、シールフィン51と弾性部材21は、接触片53a先端部において接触または近接することになる。
第2実施形態における軸シール装置50によれば、隣接するシールフィン51が突出部53の接触片53aおよび接触片切欠き部53bで互いに嵌り合うため、自由端部51b側においても隣接するシールフィン51と隙間なく円周方向に整列することができる。
また、弾性部材21とシールフィン51との接触を、シール面裏面51fから突出した接触片53aで行うことにより、著しい摺動摩擦によるシールフィン51の磨耗でシールフィン51の平坦面を損なうことなく接触片53a付近のみを磨耗させることが可能となる。
よってシールフィン51の振動を抑制しつつ、シールフィン51に磨耗による損傷を与えず、より長い期間にわたって、シール性能を確保することが可能となる。
[第3実施形態]
本発明に係る軸シール装置の第3実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図11は、第3実施形態における軸シール装置60のシールフィン61を示す外観図である。
図12は、第3実施形態における軸シール装置60の一部を軸方向から示す図である。
図13は、図12の軸シール装置のXIII−XIII間の断面図である。
第3施形態における軸シール装置60が第1実施形態における軸シール装置と異なる点は、シールフィン61に接触棚62を設けた点である。第3実施形態における軸シール装置60および軸流タービンが第1実施形態における軸シール装置および軸流タービン1と対応する構成および部分については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
シールフィン61の接触棚62は、シールフィン61の自由端部61b先端部における長手方向の一辺、すなわち一方で隣接するシールフィン61と接触する辺からシール面裏面61fと垂直な面を成すように所定量突出した部分である。なお、接触棚62の位置は上述した位置に限らない。接触棚62には、貫通孔62aが形成される。貫通孔62aは、ほぼ円形状に配置されたシールフィン61のシール面裏面61f側に延在する弾性部材71を貫通させるための孔である。
弾性部材71は、固定端71aを介してケース部材12に固定される。弾性部材71は隣接する貫通孔62aを順次貫通する。弾性部材71は、接触棚62に対して固定されず、貫通孔62a内の範囲を超えることなく定置される。
第3実施形態における軸シール装置60によれば、部分的な数枚のシールフィン61に大変位を伴う振動が生じた場合においても、弾性部材71との接触を保つことができる。このため、振動の抑制効果がより確実になり、シールフィン61の損傷を防止し、シール性能を確保することが可能となる。
なお、第3実施形態においては、弾性部材71は固定端71aを介してケース部材12に固定される例を示した。しかし、以下の第1および第2の変形例に示すように弾性部材71を接触棚62による支持のみで定置してもよい。
図14は、第3実施形態における軸シール装置の第1の変形例であり、軸シール装置80の一部を軸方向から示す図である。
図15は、図14の軸シール装置のXIV−XIV間の断面図である。
弾性部材81は、ケース部材12に配置されたシールフィン61が形成する円形状にほぼ対応する円弧状に形成された一または複数の部材からなる。弾性部材81は、複数の部材によって不連続的に略円形状を形成して、シールフィン61のシール面裏面61f側に延在する。これらの弾性部材81は、隣接する所定数(図14においては3枚)のシールフィン61の接触棚62の貫通孔62aを順次貫通する。弾性部材71の両端部は、半径方向外側に折り曲げられることにより形成された抜け止め81aおよび81bを有する。弾性部材81は、この抜け止め81a、81bによって貫通孔62aから抜け出ることなく接触棚62に定置される。
第3実施形態における第1の変形例における軸シール装置80によれば、弾性部材81はシールフィン61の変形に対してケース部材12のようなシールフィン61以外の部材に拘束されることがないため、シールフィン61の変位に対する弾性部材81の追従性を向上させることができる。また、部分的な枚数のシールフィン61に大変位を伴う振動が生じた場合であっても、弾性部材81とシールフィン61との摺動摩擦による振動の抑制効果を確実に得ることができる。
図16は、第3実施形態における軸シール装置100の第2の変形例であり、軸シール装置100の一部を軸方向から示す図である。
シールフィン101の接触棚102は、シール面101cの自由端部101b先端部における長手方向の両辺、すなわち隣接する2枚のシールフィン101と接触する面側からそれぞれシール面裏面101fに向かって垂直に所定量突出した部分である。すなわち、接触棚102は、1枚のシールフィン101が隣接する2枚のシールフィン101と接触する辺からシール面裏面61fと垂直な面を成すように所定量突出した部分である。接触棚102には、ほぼ円形状に配置されたシールフィン101のシール面裏面101f側に延在する弾性部材81を貫通させるための貫通孔102aがそれぞれ設けられる。
弾性部材81は、上述した第1の変形例と同様に円弧状に形成された一または複数の部材からなる。これらの弾性部材81は、隣接する所定数のシールフィン101にそれぞれ2つずつ設けられた接触棚102の貫通孔102aを順次貫通する。弾性部材81の両端部は、半径方向外側に折り曲げられることにより形成された抜け止め81aおよび81bを有する。弾性部材81は、この抜け止め81a、81bによって接触棚102に定置される。
隣接するシールフィン101の隣接する接触棚102は、互いに固定することなく接触している。これにより、シールフィン101の自由端部101b側に振動が生じた場合、隣接するシールフィン101の接触棚102同士が擦れあい、摺動摩擦を生じさせる。
第3実施形態における第2の変形例としての軸シール装置100によれば、上述した第1の変形例により奏する効果に加え、シールフィン101に大変位を伴う振動が生じた場合においても摺動摩擦による振動の抑制効果がより確実になり、シールフィン101の破損を防止することができる。この結果、軸シール装置100のシール性能を確保することが可能となる。
なお、第3実施形態における第1および第2の変形例で説明した抜け止め81a、81bに代えて、例えば弾性部材81の端部に別の部材を溶接などで固定することにより抜け止めとしてもよい。また、一つの弾性部材81が固定されるシールフィン101の枚数は特に限定するものではなく、2枚以上であれば何枚でもよい。すなわち、弾性部材81の分割数は、特に限定するものではない。
なお、上記第1から第3実施形態は各々特徴点を示したものであり、必要に応じて上記第1から第3実施形態の各々を組み合わせて実施することができる。また、図1に示した第1実施形態においては、軸シール装置10を軸流タービンに適用する場合を例にとって説明したが、これに限らず、第1から第3実施形態で説明したシール装置はいずれも、ターボ圧縮機やタービンポンプ、あるいはその他の回転機械に適用可能である。
1 軸流タービン
2 回転軸
6 高圧室
7 低圧室
10、30、50、60、80、100 軸シール装置
11、51、61、101 シールフィン
11a 固定端部
11b、51b、61b、101b 自由端部
11c、51c、101c シール面
11d 凹部
11e 壁面
11f、51f、61f、101f シール面裏面
12、32 ケース部材
12a シールフィン固定面
12b 内周壁
13 空間室
21、41、71、81 弾性部材
21a、32a、71a 固定端
53 突出部
53a 接触片
53b 接触片切欠き部
62、102 接触棚
62a、102a 貫通孔

Claims (8)

  1. 回転軸の軸方向に隣接されて配置された高圧領域と低圧領域とをシールする軸シール装置において、
    前記回転軸が貫通する貫通孔を有するケース部材と、
    前記低圧領域に設けられ、前記ケース部材の前記貫通孔に沿って固定された固定端部と、前記高圧領域に向けて延びて前記貫通孔の径方向に自由に振動する自由端部と、前記回転軸の軸方向に沿って形成されたシール面と、を有する複数のシールフィンと、
    前記自由端部の前記シール面の裏面側から接触または一定の隙間を確保した非接触状態で前記シールフィンの振動を抑制する振動抑制部材とを備え、
    前記振動抑制部材は、前記回転軸の円周方向に延在する弾性部材であり、
    前記弾性部材は、前記ケース部材に固定された固定端と、複数の前記シールフィンの前記シール面の裏面側に延在する自由端とを有する軸シール装置。
  2. 前記ケース部材は、前記貫通孔の周方向に複数に分割されており、
    前記弾性部材は、分割された前記ケース部材毎に設けられた請求項記載の軸シール装置。
  3. 回転軸の軸方向に隣接されて配置された高圧領域と低圧領域とをシールする軸シール装置において、
    前記回転軸が貫通する貫通孔を有するケース部材と、
    前記低圧領域に設けられ、前記ケース部材の前記貫通孔に沿って固定された固定端部と、前記高圧領域に向けて延びて前記貫通孔の径方向に自由に振動する自由端部と、前記回転軸の軸方向に沿って形成されたシール面と、を有する複数のシールフィンと、
    前記自由端部の前記シール面の裏面側から接触または一定の隙間を確保した非接触状態で前記シールフィンの振動を抑制する振動抑制部材とを備え、
    前記振動抑制部材は、前記回転軸の円周方向に延在する弾性部材であり、
    各前記シールフィンは、一方で隣接する前記シールフィンと接触する面側から接触方向に突出した接触片と、他方で隣接する前記シールフィンと接触する面側における前記シール面の裏面側に設けられた切欠き部とを有する突出部を前記自由端部に有し、
    隣接する前記シールフィンの前記接触片と前記切欠き部とは、嵌め合い関係を成す軸シール装置。
  4. 前記接触片は、先端部が前記切欠き部より突出し、前記弾性部材と接触または近接する請求項記載の軸シール装置。
  5. 各前記シールフィンは、前記シール面の裏面と垂直な面を成して突出し、前記面に孔部が形成された接触棚をさらに備え、
    前記弾性部材の自由端部は、隣接する前記シールフィンの前記孔部を順次貫通した請求項記載の軸シール装置。
  6. 回転軸の軸方向に隣接されて配置された高圧領域と低圧領域とをシールする軸シール装置において、
    前記回転軸が貫通する貫通孔を有するケース部材と、
    前記低圧領域に設けられ、前記ケース部材の前記貫通孔に沿って固定された固定端部と、前記高圧領域に向けて延びて前記貫通孔の径方向に自由に振動する自由端部と、前記回転軸の軸方向に沿って形成されたシール面と、を有する複数のシールフィンと、
    前記自由端部の前記シール面の裏面側から接触または一定の隙間を確保した非接触状態で前記シールフィンの振動を抑制する振動抑制部材とを備え、
    前記振動抑制部材は、前記回転軸の円周方向に延在する弾性部材であり、
    各前記シールフィンは、前記シール面の裏面と垂直な面を成して突出し、前記面上に孔部が形成された接触棚をさらに備え、
    前記弾性部材は、前記ケース部材に配置された前記シールフィンが形成する形状にほぼ対応する円弧状に形成された一または複数の部材であり、
    各前記弾性部材は、隣接する所定数の前記シールフィンの前記孔部を順次貫通した後前記接触棚に固定されるための抜け止め部を両端に有する軸シール装置。
  7. 前記接触棚は、各前記シールフィンが一方で隣接する前記シールフィンと接触する辺に形成された請求項または記載の軸シール装置。
  8. 前記接触棚は、各前記シールフィンが隣接する2枚の前記シールフィンと接触する辺にそれぞれ形成された請求項または記載の軸シール装置。
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