JP4643228B2 - 軸シール - Google Patents

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Description

本発明は、回転軸とこれに対峙する固定部との間に配置され、回転軸に沿って流れる流体を阻止する軸シールに関する。
従来、蒸気タービン、ガスタービン、コンプレッサなどのターボ機械に用いられるシール隙間自動調整装置は、可動シールリングの外周側背圧と可動シールリングを保持しているシールリングホルダーの内周面の間に圧力差を作り、ここにシール部の高圧側の流体を引き込むことにより、流体の圧力で可動シールリングを半径方向内周側に押し出し、シールリングの内周側に固定されているシールフィン先端と回転軸表面の隙間が変更され、狭くなり、シール部の漏洩量を減少できるようにしたものが実用されている(特許文献1,2参照)。
ここで、可動シールリングの動力となる高圧側の流体の圧力は、ターボ機械の負荷が高くなるに従って機械内部の作動流体の量が増加し、高くなる。そこで、可動シールリングの初期位置をバネなどでシールリングホルダー内の可動範囲の最も外周側に固定しておく。
ターボ機械の負荷が低く、熱的に過渡状態で、回転速度変化中の回転軸の触れ回りの大きい起動・停止操作時に、シールリングは、バネ力によって外周側へ押し付けられているため、回転軸とシールフィンとの隙間は大きく、経年的なターボ機械の効率低下につながるシールフィンの接触および摩耗を防止することができる。
一方、ターボ機械の負荷が高く、熱的に安定し回転軸の回転状態が安定した呈上負荷運転時では、シールリングの外周部の背面に引き込んだシール部高圧側の流体圧力が高くなり、シールリングが半径方向内周側に押し出され、自動的に回転軸との隙間が小さくなり、シール効果が高くなる。
特開2000−97350号公報 特開2000−154877号公報
しかしながら、このような従来装置では、ラビリンスシールフィンをそれぞれが固定されているシールリングのセグメントごとに半径方向に移動し、シール部隙間を小さく変更する構造であるため、シールリングの外周側の背面にシールセグメントを移動させるためのピストンとシリンダのような機構となり、機構が複雑になる。最も簡単な構造を有するものは、作動のための動力源にシール部の前後差圧力を利用する方法であるが、かかる方法の場合でも、シール部の高圧側の流体をシールセグメントの背面まで引き込む通路を造らなくてはならず、簡素な構造で実現することは困難であった。また、各シールセグメントの初期位置を固定するために、専用のバネを設置する必要があり、機構を構成する部品数が増えるという問題もあった。
また、各シールリングセグメントは、ケーシングに固定されているシールリングホルダーの内側などに嵌め込まれており、シール部の前後差圧力を高圧室側から受け、シールリングホルダーの低圧室側に押し付けられるため、接触面を持つ。したがって、シール隙間を変更するために、シールリングセグメントがシール部の高圧室側の圧力をセグメントの外周側背圧に受け、半径方向の内周側へ移動するとき、シールリングセグメントとシールリングホルダーの接触面には、シール部前後差圧力に比例する摩擦力が生じ、その結果、シールリングセグメントの移動を妨げるという問題を生じる。
さらに、接触面の状態によっては、摩擦力が一定とはならず、シールセグメントの摺動時に傾きが発生し、半径方向の内周側への移動が円滑に行えず、予定したシール部の隙間の減少が確保できず、漏洩量を減少させる効果が得られないという事態を生じることもある。
本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、構造が簡単で、常に確実な隙間調整作用を得ることができ、適切に流体の漏洩損失を低減することができる軸シールを提供すること目的とする。
本発明は、回転軸とこれに対峙する固定部との間に配置され、回転軸に沿って流れる流体を阻止する軸シールにおいて、可撓性材質からなる薄板部材を上記回転軸に対峙する固定部に前記回転軸を取り囲むように配設するとともに、上記薄板部材の端部を高圧室側へ、前記回転軸の長手方向に突出する自由端に形成し、かつ、上記薄板部材は曲げ剛性を有して当該薄板部材の前後の差圧力によりたわみ変形を生じ、前記薄板部材の端部が対向する前記回転軸に接近したときに、前記回転軸の表面と互いに向き合うような円筒状の面が形成されるものである。
また、前記薄板部材は、複数の切り込みにより周方向に分割されるものである。
また、前記薄板部材は、周方向に分割された複数の分割片を、それぞれの分割片が所定寸法重なり合う態様に配設したものである。
また、前記分割片は、重なり合う部分が段付に形成され、隣接した分割片の重なり合う部分が表面より突出しないようにされたものである。
また、前記薄板部材は、中央部が低圧室方向へ突出する態様に、その断面形状が略U字状に形成されているものである。
また、前記薄板部材よりも低圧室側に設けられ、上記薄板部材を支持する高剛性材質からなる支持部材をさらに備えたものである。
また、前記薄板部材よりも低圧室側に複数設けられ、上記薄板部材を支持する高剛性材質からなる支持棒部材をさらに備えたものである。
また、前記薄板部材の端部がたわみ変形により対向する前記回転軸に接近したときに、前記回転軸の表面と前記薄板部材の面との隙間が保たれるものである。
また、前記薄板部材よりも高圧室側へ設けられたラビリンスフィンをさらに備えたものである。
したがって、本発明によれば、負荷が低い過渡運転時には薄板部材と対向部材との隙間を大きく保ち、薄板部材の接触摩耗を防止する一方、高負荷運転時には、薄板部材が変形して隙間を小さく保つので、シール部分の隙間の自動調整を確実に行うことができるとともに、高負荷運転時における流体の漏洩損失を低減することができ、効率の良い運転を行うことができるという効果を得る。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1(a),(b)は、それぞれ本発明の一実施例にかかる軸シールを軸方向にみた状態の側面図および軸シールの一部断面図である。また、図2(a),(b)は、それぞれシールフィンの撓みの様子を示す概略図、および、タービン負荷と各圧力室内の圧力の関係を示したグラフ図である。
同図において、タービン等の回転軸1の周囲には、ケーシング2が配置されており、円環状の薄板部材からなるシールフィン3は、その基部がケーシング2に固定され、その先端の断面形状は、ベルマウス(縮流管)状に形成されており、高圧室4側へ突出している。
また、シールフィン3の半径方向幅の断面曲線の長さは、回転軸1とケーシング2との半径方向隙間寸法よりも長く設定されている。
したがって、シールフィン3を境界にして、回転軸1とケーシング2との間の空間は、高圧室4と低圧室5とに区切られている。
そして、図2(b)に示すように、タービン負荷の上昇に伴って、高圧室4の圧力が直線L1のように変化し、低圧室5の圧力が直線L2のように変化する。この場合、タービン負荷が低負荷の場合の高圧室4と低圧室5との圧力差(差圧力)P1は、タービン負荷が高負荷の場合の高圧室4と低圧室5との差圧力P2はよりも小さい値となっている。
したがって、タービンが低負荷で運転している状態では、シールフィン3は、高圧室4と低圧室5との圧力差に応じた差圧力P1を、高圧室4側から受け、それにより、シールフィン3は低圧室5側へ撓む状態となる。
この状態では、図1(a)に示したように、シールフィン3の先端と回転軸1との距離(以下、「シール部隙間」という)は、寸法C1とやや広い距離となっており、それにより、過渡運転状態での回転軸1の変位によるシールフィン3の破損を防止することができる。
そして、タービン負荷が上昇すると、高圧室4と低圧室5の圧力差が大きくなり、定常負荷状態では、差圧力P2となる。この状態では、図2(b)に示すように、シールフィン3の先端のベルマウス状部分は、円周方向に弾性的に圧縮変形しながら、低圧室5側へ撓み、それにより、シール部隙間は、寸法C2と狭くなり、したがって、シールフィン3により流体漏洩が大幅に抑制されることとなる。
ここで、シールフィン3の曲げ剛性は、あらかじめタービンの運転負荷毎に作用する差圧力の大きさに応じた値に設定しておくことで、タービンの定常運転時においてシールフィン3の先端と回転軸1との距離を所望の値に設定することができ、必要なシール性能を得ることができる。
このようにして、本実施例では、タービン負荷が低い過渡運転時にはシール部隙間を大きく保ち、シールフィン3の接触摩耗を防止するとともに、高負荷運転時にはシール部隙間を小さく保ち、必要なシール性能を発揮することができる。また、タービン負荷に応じてシール部隙間を自動調整する機構を、シールフィン3のみで実現することができるので、構造が簡単で安価な軸シール機構を実現することができる。
図3は、本発明の他の実施例にかかる軸シールを軸方向にみた状態の側面図の一例を示している。なお、同図において、図1と同一部分および相当する部分には同一符号を付してその説明を省略する。
同図において、シールフィン3には、所定角度間隔で、放射状に、先端から細い寸法の切り込み7が多数形成されている。
したがって、シールフィン3は、差圧力を受けて、その先端部が円周方向に弾性的に圧縮変形しながら低圧室5側へ撓む際、先端部に形成された多数の切り込み7により、先端部の圧縮方向の剛性が弱くなり、その結果、シールフィン3の先端の変形がより円滑になる。
このようにして、本実施例では、シールフィン3の先端部に多数の切り込み7を形成したので、高圧室4の圧力が低い場合でもシールフィン3の先端が低圧室5側へ撓みやすくなり、したがって、ターボ機械の負荷が低い範囲でも、シール部隙間を小さくすることができ、その結果、シール部隙間の自動調整を実現することができる。また、切り込み7をシールフィン3の半径方向のおのおのの幅の位置で止め、外周側の片を切断しないことで、切り込み7を備えたシールフィン3を1つの部材で構成することができ、組み立ておよび分解の作業性が向上するとともに、初期シール隙間などの組み立て精度を向上することができる。
図4(a),(b)は、本発明のさらに他の実施例にかかる軸シールを軸方向にみた状態の側面図の一例、および、軸シールの配設態様を例示した部分斜視図を示している。なお、同図において、図1と同一部分および相当する部分には、同一符号を付している。
図において、円環状の薄板部材を放射状に分割してなるシールフィン片9が多数、隣接するものと一部が互いに重なり合う態様に、ケーシング2に固定されている。そして、シールフィン片9は、全体として、ケーシング2と回転軸1との隙間を仕切る態様に配設され、また、その先端の断面形状は、ベルマウス(縮流管)状に形成されており、高圧室4側へ突出しているとともに、シールフィン片9の半径方向幅の断面曲線の長さは、回転軸1とケーシング2との半径方向隙間寸法よりも長く設定されている。
したがって、シールフィン片9は、シール位置において高圧室4と低圧室5との差圧力を受けると、低圧室5側へ撓む。このとき、先端は、ベルマウス状に突き出た湾曲形状にされているので、円周方向に弾性的に圧縮変形する。シールフィン片9は、円周方向の寸法が小さいので、先端側の円周方向への圧縮剛性が弱くなり、そのため、低圧室5側へ撓みやすくなる。
また、隣接するシールフィン片9が重なり合っているので、シールフィン片9の隙間から流体が漏洩するような事態を抑制することができる。
このようにして、本実施例では、多数のシールフィン片9を互いに重なり合う態様に配置して、円環状のシールフィンを形成しているので、高圧室4の圧力が低い場合でもシールフィン片9の先端が低圧室5側へ撓みやすくなり、したがって、ターボ機械の負荷が低い範囲でも、シール部隙間を小さくすることができ、その結果、シール部隙間の自動調整を実現することができる。
図5(a),(b)は、本発明のまたさらに他の実施例にかかる軸シールの配設態様を例示した部分斜視図、および、断面略図を示している。なお、同図において、図1および図4と同一部分および相当する部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
この実施例では、シールフィン片9の一方の側端部9aと他方の側端部9bに、それぞれ裏面と表面を基準に厚み方向に段差を設け、隣接する一方のシールフィン片9の一方の側端部9aが、他方のシールフィン片9の側端部9bと重なった際に、シールフィン片9の側端部の面が突出することがないようにしている。
したがって、多数のシールフィン片9が形成する円環状のシールフィンには、その表面に凹凸があらわれるようなことがなく、一様な曲面を構成することができるので、漏洩量を低減することができ、各円周方向位置でのシール部隙間を一定にすることができ、シール部漏洩損失を低減することができるようになる。
図6(a),(b)は、本発明の別の実施例にかかる軸シールの圧力P1が作用した際の形状を示した概略図、および、圧力P2が作用した際の形状を示した概略図を示している。なお、同図において、図1〜5と同一部分および相当には、同一符号を付してその説明を省略する。
同図において、シールフィン3は、その基部から低圧室5側へ大きく湾曲した断面形状を備えている。また、先端部の延長長さが長く設定されている。
したがって、この場合、高圧室4と低圧室5との差圧力が大きくなったときに、シールフィン3が低圧室5側へ撓もうとするときのシールフィン3の円周方向の圧縮剛性が大きくなり、その結果、低圧室5側へのたわみ強度が大きくなる。
また、シールフィン3の各円周方向位置における断面形状を軸長手方向に引き回し、シールフィン3の固定位置からシールフィン3の先端位置までの長さを長く伸ばしたことで、シールフィン3の固定位置における低圧室5側へのわずかな撓みでも、シールフィン3先端の半径方向位置を大きく移動することが可能となり、シール部隙間を狭くすることが可能となる。
このようにして、本実施例では、シール部における差圧力に対する低圧室側への曲げ強度を大きく取ることができ、大きな差圧が生じる部分においてもシール部隙間の自動調整機能を確保することができ、シール部における漏洩損失を低減することができ、ターボ機械の運用負荷に応じた信頼性、効率のよい運転が可能となる。
図7(a),(b)は、本発明のさらに別な実施例にかかる軸シールを軸方向にみた状態の側面図、および、シールフィンの変形態様を示した概略図を示している。なお、同図において、図1〜6と同一部分および相当部分には、同一符号を付している。
本実施例では、図6の実施例に、シールフィン3の変形を受ける高剛性材質からなる支持部材10を追加したものである。この支持部材10は、湾曲した支持腕10aを持ち、基部がケーシング2に固定され、円周方向に延在する態様に配設されている。
したがって、シールフィン3の低圧室5側への撓み変形が制限位置まで達すると、シールフィン3が支持部材10の支持腕10aに係合し、それにより、シールフィン3は、それ以上変形することが抑制される。
それにより、シールフィン3の先端が、設定された寸法C2よりも回転軸1へ近づくことが禁止され、シールフィン3が回転軸1に接触してシールフィン3の先端が摩耗するような事態を回避することができる。
図8(a),(b)は、本発明のさらに別な実施例にかかる軸シールを軸方向にみた状態の側面図、および、シールフィンの変形態様一例を示している。なお、同図において、図1〜6と同一部分および相当部分には、同一符号を付している。
本実施例では、図6の実施例に、シールフィン3の変形を受ける高剛性材質からなる支持棒部材11を追加したものである。この支持棒部材11は、湾曲した支持腕11aを持ち、基部がケーシング2に固定され、円周方向に所定間隔で多数配設されている。
したがって、シールフィン3の低圧室5側への撓み変形が制限位置まで達すると、シールフィン3が支持棒部材11の支持腕11aに係合し、それにより、シールフィン3は、それ以上変形することが抑制される。
それにより、シールフィン3の先端が、設定された寸法C2よりも回転軸1へ近づくことが禁止され、シールフィン3が回転軸1に接触してシールフィン3の先端が摩耗するような事態を回避することができる。
図9は、本発明のさらに別な実施例にかかる軸シールの変形態様を説明するための概略図を示している。なお、同図において、図1〜6と同一部分および相当部分には、同一符号を付している。
本実施例では、シールフィン3よりも高圧室4側へ、ラビリンスフィン12を円周方向へ延在させ、ケーシング2の内周面に固定したものである。
したがって、高圧室4の圧力PAの流体は、ラビリンスフィン12と回転軸1との狭い隙間を通り抜けるときに、絞り効果により、その圧力が低下し、圧力PBの流体としてシールフィン3へと至る。
したがって、シールフィン3の前後における差圧力が低下するので、差圧力が非常に大きなターボ機械についても、本実施例にかかる軸シールを適用することができることとなる。
図10(a),(b)は、本発明のさらに別な実施例にかかる軸シールの軸シールの圧力P1が作用した際の形状を示した概略図、および、圧力P2が作用した際の形状を示した概略図を一例を示している。また、図11(a),(b)は、本実施例にかかる軸シールに発生する動圧の発生態様を示す図、および、タービン負荷とシール部の平均間隙の一例を示したグラフ図である。なお、図において、図1〜6と同一部分および相当部分には、同一符号を付している。
本実施例では、シールフィン片9の断面形状を図6の実施例のように低圧室5側へ深く湾曲させた形状とするとともに、シールフィン片9の先端を高圧室4側へ回転軸1に対して軸長手方向に突き出し、さらに、高圧室4側へ広がり、回転軸1を取り囲むような円錐台状の初期形状を持たせる。
シールフィン片9が高圧室4側から差圧力P2を受けると、低圧室5側へ撓み、シール部隙間が小さくなると同時に、シールフィン片9の先端は、円周方向へ圧縮変形し、すぼまり、回転軸1の表面とシールフィン片9の先端部の円錐台面が互いに向き合った面で隙間が同一となり、円筒状の平行面14を形成する。
また、円周方向におのおの隣接するシールフィン片9は、円周方向の端片で重なり合っているので、回転軸1の表面とシールフィン片9の平行面14の円周方向の回転上流側のシール部隙間CAが、回転下流側のシール部隙間CBより狭くなるように、おのおののシールフィン片9が形成されている。
したがって、回転軸1が回転すると、シールフィン片9の平行面14と回転軸1との間の流体は、回転軸1の表面との剪断摩擦力により、回転軸1の回転運動に伴って旋回しており、回転軸1の表面とシールフィン片9の平行面14で構成されるシール部隙間は、流体の運動方向に狭まっているために、シール部隙間内部には、図11(a)に示したような態様の動圧Pdが生じ、この動圧Pdの作用により、シールフィン片9の先端部の平行面14が回転軸1へ近接することが抑制され、シールフィン片9の先端部と回転軸1とのシール部隙間は、規定の寸法C2に保たれる。この様子を図11(b)に示す。ここで、区間AAは、シール部の差圧力によりシール部隙間が減少する区間を示し、区間BBは、シール部の動圧の発生によりシール部隙間の減少が制限される区間を示す。
したがって、シール部の差圧が増加して、シール部隙間が減少しても、シールフィン片9の平行面14に生じる動圧によって、シールフィン片9の先端と回転軸1との隙間が確保され、シールフィン9の先端が摩耗するような事態を回避することができ、その結果、高圧室4から低圧室5への流体の漏洩量を低減することができ、ターボ機械の運用負荷に応じて、信頼性が高く、かつ、効率がよい運転が可能となる。
ところで、上述した各実施例では、ケーシング2にシールフィン3またはシールフィン片9を固定しているが、回転軸1とのシール部隙間にシールフィン3またはシールフィン片9を固定することもできる。その場合の、構成例を図12(a),(b)に示す。図12(a),(b)は、シールフィンの変形態様を示した概略図である。なお、同図において、図1,2と同一部分および相当する部分には、同一符号を付している。
本発明の一実施例にかかる軸シールの一例を示した概略断面図。 本発明の一実施例にかかる軸シールの一例を示した概略断面図およびタービン負荷と各圧力室内の圧力の関係を例示したグラフ図。 本発明の他の実施例にかかる軸シールの一例を示した概略断面図。 本発明のさらに他の実施例にかかる軸シールの一例を示した概略断面図。 本発明のまたさらに他の実施例にかかる軸シールの一例を示した概略断面図。 本発明の別の実施例にかかる軸シールを示した概略断面図。 本発明のさらに別な実施例にかかる軸シールの一例を示した概略断面図。 本発明のさらに別な実施例にかかる軸シールの一例を示した概略断面図。 本発明のさらに別な実施例にかかる軸シールの一例を示した概略断面図。 本発明のさらに別な実施例にかかる軸シールの一例を示した概略断面図。 動圧発生を説明するための概略部分図、および、シール部隙間の変化の様子を説明するためのグラフ図。 本発明のまたさらに別な実施例にかかる軸シールの一例を示した概略断面図。
符号の説明
1 回転軸
2 ケーシング
3 シールフィン
4 高圧室
5 低圧室
9 シールフィン片
10 支持部材
11 支持棒部材
12 ラビリンスフィン
14 平行面

Claims (9)

  1. 回転軸とこれに対峙する固定部との間に配置され、回転軸に沿って流れる流体を阻止する軸シールにおいて、
    撓性材質からなる薄板部材を上記回転軸に対峙する固定部に前記回転軸を取り囲むように配設するとともに、
    記薄板部材の端部を高圧室側へ、前記回転軸の長手方向に突出する自由端に形成し、かつ、
    上記薄板部材は曲げ剛性を有して当該薄板部材の前後の差圧力によりたわみ変形を生じ、前記薄板部材の端部が対向する前記回転軸に接近したときに、前記回転軸の表面と互いに向き合うような円筒状の面が形成されることを特徴とする軸シール。
  2. 前記薄板部材は、複数の切り込みにより周方向に分割されることを特徴とする請求項1記載の軸シール。
  3. 前記薄板部材は、周方向に分割された複数の分割片を、それぞれの分割片が所定寸法重なり合う態様に配設してなることを特徴とする請求項1記載の軸シール。
  4. 前記分割片は、重なり合う部分が段付に形成され、隣接した分割片の重なり合う部分が表面より突出しないようにされたことを特徴とする請求項3記載の軸シール。
  5. 前記薄板部材は、中央部が低圧室方向へ突出する態様に、その断面形状が略U字状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の軸シール。
  6. 前記薄板部材よりも低圧室側に設けられ、上記薄板部材を支持する高剛性材質からなる支持部材をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の軸シール。
  7. 前記薄板部材よりも低圧室側に複数設けられ、上記薄板部材を支持する高剛性材質からなる支持棒部材をさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の軸シール。
  8. 前記薄板部材の端部がたわみ変形により対向する前記回転軸に接近したときに、前記回転軸の表面と前記薄板部材の面との隙間が保たれることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載の軸シール。
  9. 前記薄板部材よりも高圧室側へ設けられたラビリンスフィンをさらに備えたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載の軸シール。
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