JP3872800B2 - 軸シール機構、軸シール機構の組み付け構造、及び大型流体機械 - Google Patents

軸シール機構、軸シール機構の組み付け構造、及び大型流体機械 Download PDF

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Description

本発明は、ガスタービン、蒸気タービン、圧縮機、水車、冷凍機、ポンプなどの大型流体機械の回転軸等に用いて好適な軸シール機構、及び、その軸シール機構の組み付け構造、及び、これらを用いた大型流体機械に関する。
一般に、ガスタービンや蒸気タービンの回転軸の周りには、高圧側から低圧側に流れる作動流体の漏れ量を低減するための軸シール機構が設けられている。この軸シール機構の一例としては、例えば下記特許文献1に示されるリーフシールが知られている。
この種の従来のリーフシールの一例を図9に示す。同図に示すリーフシール1は、回転軸2の軸方向に所定の板幅寸法を有する平板状の薄板3を、回転軸2の周方向に微小間隔をあけて多層に配列して、環状の薄板群9を構成したものである。これら薄板3は、その外周基端側がろう付け部4を介してリーフシールリング5に固定され、また内周先端側が、回転軸2の周面に対し周方向の傾きをもって所定の予圧で鋭角に摺接している。なお、リーフシールリング5は、一対の分割シールリング5a,5bを組み合わせて構成されている。また、各薄板3は、対向視した場合にT字形をなしており、前記外周基端側の幅寸法w1の方が前記内周先端側の幅寸法w2よりも幅広となっている。
そして、これら薄板3は、回転軸2の外周をシールすることによって、回転軸2の周囲の環状空間を、高圧側領域と低圧側領域とに分けている。また、リーフシールリング5には、各薄板3を間に挟んで高圧側領域に対向する側に高圧側側板7が、また低圧側領域に対向する側に低圧側側板8が、それぞれ圧力作用方向のガイド板として配置されている。
このように構成されたリーフシール1は、ステータ側に形成されたT字形の凹溝10内に挿入されており、回転軸2の回転によって生じる動圧効果で、各薄板3の先端を回転軸2の周面から浮上させ、各薄板3の先端と回転軸2との接触を回避させることができるようになっている。これにより、各薄板3の摩耗が防止され、シール寿命を長くすることを可能としている。
特開2002−13647公報
ところで、従来の軸シール機構(リーフシール1)は、下記(1)〜(3)の問題に起因して、所望のシール性能を安定して得ることができない虞があるという共通の課題を有している。
(1)軸シール機構(リーフシール1)は、これが装備される装置の小型化の要求から、その厚み寸法を小さくするなどして全体寸法の小型化が進められている。しかしながら、この小型化された軸シール機構を実際にステータに組み込むことを考えると、製作上の難点より、採用が困難となっていた。
すなわち、軸シール機構の小型化に際しては、リーフシールリング5側を薄肉にすることが考えられるが、この場合、最適化されたリーフシールリング5の形状としては、各薄板3の形状に合わせて、半径方向に細長く、かつ外周側が内周側よりも膨らんだ断面T字形状となる。このように断面が細長く、しかも奥側(外周側)で膨らむような形状の凹溝をステータ側に加工することは、一般的に困難であり、場合によっては、せっかく小型化した軸シール機構を開発しても採用できない虞がある。すなわち、回転軸の軸線を含む断面で見た場合に、半径方向に細長く、かつ内周先端側よりも外周基端側が幅広な軸シール機構をステータ側に容易に組み付けることができる構造が望まれることになる。このような組み付け構造が不可能となると、今度は各薄板3側を現状寸法よりも小さくするしかない。しかしながら、各薄板3を現状よりも小さくしてしまうと、今度は、所望のシール性能を安定して得ることができなくなる虞があるという問題を生じることとなる。
(2)また、タービン起動時のリーフシール1には、その自重により、自らを下方に沈み込ませようとする力が作用する。このような力による中心の偏りが生じると、環状配置された各薄板3の先端と回転軸2の周面との間において、周方向の局部(上部)において他所より強く接触してしまう虞がある。このような局所的に強い接触状態のまま回転軸2を回転させると、薄板3及び回転軸2に損傷を与える虞があるので、ステータ側にバネ材を固定して、これらによりリーフシール1をその周囲から浮上状態に支持することが考えられている(図示略。)。このようにしてリーフシール1を浮かせた場合、上述した問題を回避することができる。
しかしながら、リーフシール1は、図9に示す断面で見た場合に、通常運転時では、高圧側領域から定圧側領域に向かう流体力を受けるが、タービン起動時では、タービン内を真空引きするために通常運転時と逆方向の流体力を受ける。このように、リーフシール1は、起動状態から定常状態に切り替わる際に、その中心線に沿った一方向及び他方向に力の作用方向が逆転するため、ステータに対する嵌め合い代分だけ、中心線方向に沿ってスライド動作することとなる。
一方、前記バネ材は、前記ステータ側に固定されているため、スライド動作するリーフシール1が、その外周面において前記バネ材を前記中心線方向(軸線方向)に曲げるような力を発生させる。このような曲げを受ける前記バネ材は、場合によっては、その曲げ方向に傾斜したままリーフシール1の外周面に噛み込んでしまい、正常な付勢機能を発揮できなくなる。すると、リーフシール1に対して偏った付勢力を与えてしまい、そのシール性能に悪影響を及ぼす虞がある。すなわち、付勢部材の噛み込みによる拘束を受けず、シール性能を安定して得ることができる手段が望まれている。
(3)また、従来のリーフシール1は、各薄板3を、分割リーフシールリング5a,5b間に挟み込んだ後、これら分割リーフシールリング5a,5b間の接合箇所を溶接またはボルト固定して製造されるものであるが、各薄板3及び低圧側側板8間に形成される隙間量が、リーフシール1のシール性能に対して影響を及ぼすものであるので、この隙間量を設計通りに管理することが望まれていた。しかしながら、この製作時に生じる溶接歪みや、過大なボルト締めトルク、または分割リーフシールリング5a,5bの加工精度などを原因として、各薄板3及び低圧側側板8間に形成される隙間量を、設計通りに管理するのが困難であるのが実情となっている。すなわち、所望のシール性能を安定して得ることができる手段が望まれている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、所望のシール性能を安定して得るための手段の提供を目的とする。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、本発明の請求項1に記載の軸シール機構の組み付け構造は、ロータとステータとの間の環状空間に複数の薄板を配列させて環状の薄板群を配設し、これら薄板の外周基端側を前記ステータ側に固定するとともに、これら薄板の内周先端側は前記ロータの周面に対して非固定とすることで、前記環状の薄板群で前記ロータと前記ステータとの間の環状空間を高圧側領域及び低圧側領域に分ける軸シール機構を、前記ステータに対して組み付ける構造であり、前記ステータ側に設けられ、前記ロータの軸線を含む断面で見た場合に、少なくとも前記各薄板の板幅の最小寸法よりも幅広の最小溝幅寸法を有する凹溝と、前記断面で見た場合に、前記凹溝内に前記各薄板を組み込んだ状態で、これら凹溝と各薄板との間に形成される隙間に嵌め込まれる嵌合部材とを備えることを特徴とする。
上記請求項1に記載の軸シール機構の組み付け構造によれば、軸シール機構を組み込んだ際に形成される隙間を嵌合部材で埋め込むことができるので、ステータ側に形成する凹溝の最小溝幅寸法を、軸シール機構の外形よりも広めに加工することができる。
請求項2に記載の軸シール機構の組み付け構造は、請求項1に記載の軸シール機構の組み付け構造において、前記嵌合部材が、前記断面で見た場合に、前記環状の薄板群の下流側に配置され、なおかつ、この環状の薄板群とともに前記環状空間を前記高圧側領域及び前記低圧側領域に分ける他のシール機構を備えることを特徴とする。
上記請求項2に記載の軸シール機構の組み付け構造によれば、他のシール機構が、環状の薄板群からなる軸シール機構とともに多重のシール構造を構成する。
請求項3に記載の軸シール機構は、請求項1に記載の軸シール機構の組み付け構造を備えた軸シール機構において、前記環状の薄板群側に、これら環状の薄板群を前記ロータと同軸をなすよう浮上状態に支持する付勢部材が一体に設けられていることを特徴とする。
上記請求項3に記載の軸シール機構によれば、請求項1の発明の作用に加え、次の作用を得ることができる。環状の薄板群を、その中心線を含む断面で見た場合に、環状の薄板群には、起動状態から定常状態に切り替わる際に、その中心線に沿った一方向及び他方向に力の作用方向が逆転するため、前記中心線方向に沿ってスライド動作を生じる。しかし、この環状の薄板群を浮上させる付勢部材は、環状の薄板群とともに移動するものであるため、環状の薄板群の周囲に対して摺接・噛み込みを生じることがない。
請求項4に記載の軸シール機構は、請求項3に記載の軸シール機構において、前記付勢部材が、前記環状の薄板群を収容するリーフシール保持部材の外周面に対して固定された板バネからなることを特徴とする。
上記請求項4に記載の軸シール機構によれば、その環状の薄板群がスライド移動する際に、板バネも一体となってスライド移動する。しかも、この板バネは、リーフシール保持部材の外周面に対して固定されているので、前記外周面に対して摺接・噛み込みを生じることがない。
請求項5に記載の軸シール機構は、請求項3又は請求項4に記載の軸シール機構において、前記付勢部材が、前記環状の薄板群を収容するリーフシール保持部材の外周面に対して固定された湾曲状の板バネからなり、この湾曲状の板バネが、前記外周面に対して固定された固定端と、前記外周面に対し、前記ロータの軸線方向への相対動作が規制されるとともに前記軸線回りの相対動作が許容されるように保持された自由端と、これら固定端及び自由端間に配置されて前記外周面から離れた凸板形状の付勢部とを備えることを特徴とする。
上記請求項5に記載の軸シール機構によれば、その環状の薄板群がスライド移動する際に、付勢部材も一体となってスライド移動する。しかも、この板バネの両端は、リーフシール保持部材の外周面に対して、スライド移動方向への相対動作が規制されているので、前記外周面に対して摺接・噛み込みを生じることがない。
請求項6に記載の軸シール機構の組み付け構造は、ロータとステータとの間の環状空間に複数の薄板を配列させて環状の薄板群を配設し、これら薄板の外周基端側を前記ステータ側の凹溝内に固定するとともに、これら薄板の内周先端側は前記ロータの周面に対して非固定とすることで、前記環状の薄板群で前記ロータと前記ステータとの間の環状空間を高圧側領域及び低圧側領域に分ける軸シール機構を、前記ステータに対して組み付ける構造であり、前記各薄板の外周基端側が、前記凹溝内に対して、前記ロータの軸線方向に相対移動可能とされ、前記凹溝内に設けられ、前記軸線を含む断面で見て、前記高圧側領域から前記低圧側領域に向かって前記環状の薄板群に流体力が作用した場合に、この流体力を受ける受圧面と、前記各薄板の、前記低圧側領域に面した各側縁及び前記受圧面間に挟み込まれ、これら側縁及び受圧面間に所定の隙間寸法を形成するための隙間形成部材とを備えることを特徴とする。
上記請求項6に記載の軸シール機構の組み付け構造によれば、運転時における環状の薄板群には、高圧側領域から低圧側領域に向かって流体力が作用する。すると、この流体力を受けて各薄板が高圧側領域から低圧側領域に向かって移動するが、これら薄板は、その低圧側領域に面した側の側縁が、隙間形成部材を介して受圧面に当たって停止する。このとき、前記側縁と受圧面との間に形成される隙間寸法は、隙間形成部材の厚み寸法と同一になるように確保される。
請求項7に記載の軸シール機構の組み付け構造は、請求項6に記載の軸シール機構の組み付け構造において、前記隙間形成部材の、前記断面で見た場合の長さ寸法が、前記各薄板の前記高圧側領域に面する各側縁側に配置された高圧側プレートよりも短いことを特徴とする。
上記請求項7に記載の軸シール機構の組み付け構造によれば、隙間形成部材の長さ寸法を高圧側プレートの長さ寸法よりも短くすることにより、運転時における各薄板の内周先端側を浮上させるのに要する隙間(すなわち、受圧面及び各薄板の側縁間の隙間)を確実に確保できると同時に、各薄板に作用する流体圧を隙間形成部材で確実に支持することができる。
請求項8に記載の大型流体機械は、ロータとステータとを備え、高温高圧の流体の熱エネルギーを機械的な回転エネルギーに変換して動力を発生する大型流体機械であって、前記ロータに沿った作動流体の漏れを低減する軸シール機構を備えてなり、前記軸シール機構が、前記ロータと前記ステータとの間の環状空間に複数の薄板を配列させて環状の薄板群を配設し、これら薄板の外周基端側を前記ステータ側に固定するとともに、これら薄板の内周先端側は前記ロータの周面に対して非固定とすることで、前記環状の薄板群で前記ロータと前記ステータとの間の環状空間を高圧側領域及び低圧側領域に分ける大型流体機械において、前記ステータ側に設けられ、前記ロータの軸線を含む断面で見た場合に、少なくとも前記各薄板の板幅の最小寸法よりも幅広の最小溝幅寸法を有する凹溝と、前記断面で見た場合に、前記凹溝内に前記各薄板を組み込んだ状態で、これら凹溝と各薄板との間に形成される隙間に嵌め込まれる嵌合部材とを有する軸シール機構の組み付け構造を備えていることを特徴とする。
上記請求項8に記載の大型流体機械によれば、上記請求項1に記載の軸シール機構の組み付け構造と同様の作用を得ることができる。
請求項9に記載の大型流体機械は、請求項8に記載の大型流体機械において、前記嵌合部材が、前記断面で見た場合に、前記環状の薄板群の下流側に配置され、なおかつ、この環状の薄板群とともに前記環状空間を前記高圧側領域及び前記低圧側領域に分ける他のシール機構を備えることを特徴とする。
上記請求項9に記載の大型流体機械によれば、上記請求項2に記載の軸シール機構の組み付け構造と同様の作用を得ることができる。
請求項10に記載の大型流体機械は、請求項8に記載の大型流体機械において、前記環状の薄板群側に、これら環状の薄板群を前記ロータと同軸をなすよう浮上状態に支持する付勢部材が一体に設けられていることを特徴とする。
上記請求項10に記載の大型流体機械によれば、上記請求項3に記載の軸シール機構と同様の作用を得ることができる。
請求項11に記載の大型流体機械は、請求項10に記載の大型流体機械において、前記付勢部材が、前記環状の薄板群を収容するリーフシール保持部材の外周面に対して固定された板バネからなることを特徴とする。
上記請求項11に記載の大型流体機械によれば、上記請求項4に記載の軸シール機構と同様の作用を得ることができる。
請求項12に記載の大型流体機械は、請求項10又は請求項11に記載の大型流体機械において、前記付勢部材が、前記環状の薄板群を収容するリーフシール保持部材の外周面に対して固定された湾曲状の板バネからなり、この湾曲状の板バネが、前記外周面に対して固定された固定端と、前記外周面に対し、前記ロータの軸線方向への相対動作が規制されるとともに前記軸線回りの相対動作が許容されるように保持された自由端と、これら固定端及び自由端間に配置されて前記外周面から離れた凸板形状の付勢部とを備えることを特徴とする。
上記請求項12に記載の大型流体機械によれば、上記請求項5に記載の軸シール機構と同様の作用を得ることができる。
請求項13に記載の大型流体機械は、ロータとステータとを備え、高温高圧の流体の熱エネルギーを機械的な回転エネルギーに変換して動力を発生する大型流体機械であって、前記ロータに沿った作動流体の漏れを低減する軸シール機構を備えてなり、前記軸シール機構が、前記ロータと前記ステータとの間の環状空間に複数の薄板を配列させて環状の薄板群を配設し、これら薄板の外周基端側を前記ステータ側に固定するとともに、これら薄板の内周先端側は前記ロータの周面に対して非固定とすることで、前記環状の薄板群で前記ロータと前記ステータとの間の環状空間を高圧側領域及び低圧側領域に分ける大型流体機械において、前記各薄板の外周基端側が、前記凹溝内に対して、前記ロータの軸線方向に相対移動可能とされ、前記凹溝内に設けられ、前記軸線を含む断面で見て、前記高圧側
領域から前記低圧側領域に向かって前記環状の薄板群に流体力が作用した場合に、この流体力を受ける受圧面と、前記各薄板の、前記低圧側領域に面した各側縁及び前記受圧面間に挟み込まれ、これら側縁及び受圧面間に所定の隙間寸法を形成するための隙間形成部材とを備えることを特徴とする。
上記請求項13に記載の大型流体機械によれば、上記請求項6に記載の軸シール機構の組み付け構造と同様の作用を得ることができる。
請求項14に記載の大型流体機械は、請求項13に記載の大型流体機械において、前記隙間形成部材の、前記断面で見た場合の長さ寸法が、前記各薄板の前記高圧側領域に面する各側縁側に配置された高圧側プレートよりも短いことを特徴とする。
上記請求項14に記載の大型流体機械によれば、上記請求項7に記載の軸シール機構の組み付け構造と同様の作用を得ることができる。
またさらに、請求項15に記載の軸シール機構の組み付け構造は、ロータとステータとの間の環状空間に複数の薄板を配列させて環状の薄板群を配設し、これら薄板の外周基端側を前記ステータ側に固定するとともに、これら薄板の内周先端側は前記ロータの周面に対して非固定とすることで、前記環状の薄板群で前記ロータと前記ステータとの間の環状空間を高圧側領域及び低圧側領域に分けるリーフシールをなす軸シール機構を、前記ステータに対して組み付ける構造であり、前記ステータ側に設けられ、前記ロータの軸線を含む断面で見た場合に、少なくとも前記各薄板の板幅の最小寸法よりも幅広の最小溝幅寸法を有する凹溝と、前記断面で見た場合に、前記凹溝内に前記各薄板を組み込んだ状態で、これら凹溝と各薄板との間に形成される隙間に嵌め込まれる嵌合部材とを備えることを特徴とする。
請求項16に記載する大型流体機械は、ロータとステータとを備え、高温高圧の流体の熱エネルギーを機械的な回転エネルギーに変換して動力を発生する大型流体機械であって、前記ロータに沿った作動流体の漏れを低減する軸シール機構を備えてなり、前記軸シール機構が、前記ロータと前記ステータとの間の環状空間に複数の薄板を配列させて環状の薄板群を配設し、これら薄板の外周基端側を前記ステータ側に固定するとともに、これら薄板の内周先端側は前記ロータの周面に対して非固定とすることで、前記環状の薄板群で前記ロータと前記ステータとの間の環状空間を高圧側領域及び低圧側領域に分けるリーフシールをなす大型流体機械において、前記ステータ側に設けられ、前記ロータの軸線を含む断面で見た場合に、少なくとも前記各薄板の板幅の最小寸法よりも幅広の最小溝幅寸法を有する凹溝と、前記断面で見た場合に、前記凹溝内に前記各薄板を組み込んだ状態で、これら凹溝と各薄板との間に形成される隙間に嵌め込まれる嵌合部材とを有する軸シール機構の組み付け構造を備えていることを特徴とする。
本発明の請求項1に記載の軸シール機構の組み付け構造は、ステータ側に設けられ、少なくとも各薄板の板幅の最小寸法よりも幅広の凹溝と、この凹溝内に各薄板を組み込んだ状態で、同凹溝と各薄板との間の隙間に嵌め込まれる嵌合部材とを備える構成を採用した。この構成によれば、軸シール機構の外形寸法にかかわらず、加工容易な広めの凹溝を加工することができるので、半径方向に細長く、かつ内周先端側よりも外周基端側が幅広な軸シール機構をステータ側に容易に組み付けることが可能となる。したがって、軸シール機構小型化のために各薄板を小さくせずに済むので、所望のシール性能を安定して得ることが可能となる。
本発明の請求項2に記載の軸シール機構の組み付け構造は、前記嵌合部材が、環状の薄板群の下流側に配置され、なおかつ、他のシール機構を備える構成を採用している。この構成によれば、他のシール機構が、環状の薄板群からなる軸シール機構とともに多重のシール構造を構成するので、高圧側領域から低圧側領域への作動流体の漏れ量を、他のシール機構を用いない従来構造に比較して、より低減させることが可能となる。
本発明の請求項3に記載の軸シール機構は、請求項1に記載の軸シール機構の組み付け構造を備え、その環状の薄板群に、これらをロータと同軸をなすよう浮上状態に支持する付勢部材を一体に設ける構成を採用した。この構成によれば、請求項1の発明の効果に加え、付勢部材が、環状の薄板群の周囲に対して摺接や噛み込みをしないので、常に軸シール機構の中心線をロータの軸線に対して一致させることができる。したがって、付勢部材の噛み込みによる拘束を受けないので、所望のシール性能を安定して得ることが可能となる。
本発明の請求項4に記載の軸シール機構は、上記請求項3に記載の軸シール機構と同様の効果を得ることが可能である。さらに、この請求項4に記載の軸シール機構では、前記付勢部材が、リーフシール保持部材の外周面に対して固定された板バネである構成を採用している。この構成によれば、ステータに対する軸シール機構のスライド動作を許容しながらも、環状の薄板群を浮上支持するための付勢力を確実に保つことが可能となる。
本発明の請求項5に記載の軸シール機構は、上記請求項3に記載の軸シール機構と同様の効果を得ることが可能である。さらに、この請求項5に記載の軸シール機構では、前記付勢部材が、リーフシール保持部材の外周面に対して固定された板バネからなり、なおかつ、固定端と自由端と付勢部とを備える構成を採用した。この構成によれば、ステータに対する軸シール機構のスライド動作を許容しながらも、環状の薄板群を浮上支持するための付勢力を確実に保つことが可能となる。
本発明の請求項6に記載の軸シール機構の組み付け構造は、各薄板の外周基端側が、凹溝内に対して相対移動可能とされ、なおかつ、ステータ側の凹溝内に設けられた受圧面と、各薄板の側縁、及び受圧面間に挟み込まれてこれらの間に所定の隙間寸法を形成する隙間形成部材とを備える構成を採用した。この構成によれば、隙間形成部材の厚み寸法を調整するだけで、各薄板と凹溝の受圧面間に形成される低圧側の隙間量を、設計通りに精度よく管理することができるようになる。したがって、所望のシール性能を安定して得ることが可能となる。しかも、隙間形成部材の厚みを調整するだけで隙間量を調整できるものであるので、従来に比較して容易に調整することが可能となる。
本発明の請求項7に記載の軸シール機構の組み付け構造によれば、隙間形成部材の長さ寸法を高圧側プレートの長さ寸法よりも短くすることにより、運転時における各薄板の内周先端側の浮上と、各薄板に作用する流体圧の支持とを両立させることが可能となる。
本発明の請求項8に記載の大型流体機械によれば、その軸シール機構の組み付け構造が、上記請求項1に記載のものと同様の効果を得ることができる。したがって、半径方向に細長く、かつ内周先端側よりも外周基端側が幅広な軸シール機構をステータ側に対して容易に組み付けることができるので、小型化された軸シール機構の採用が可能となり、装置全体としての小型化を達成することも可能となる。
本発明の請求項9に記載の大型流体機械によれば、請求項8に記載の大型流体機械と同様の効果を得ることが可能となる。さらに、この請求項9に記載の大型流体機械によれば、他のシール機構が、環状の薄板群からなる軸シール機構とともに多重のシール構造を構成するので、高圧側領域から低圧側領域への作動流体の漏れ量を、他のシール機構を用いない従来構造に比較して、より低減させることが可能となる。
本発明の請求項10に記載の大型流体機械によれば、請求項3に記載の軸シール機構と同様の効果を得ることが可能となる。さらに、この請求項10に記載の大型流体機械によれば、その軸シール機構が、付勢部材の噛み込みによる拘束を受けず、シール性能を維持できるものであるため、軸シール機構のメンテナンスに要する時間・手間を削減することが可能となる。
本発明の請求項11に記載の大型流体機械によれば、請求項3に記載の軸シール機構と同様の効果を得ることが可能となる。さらに、この請求項11に記載の大型流体機械によれば、その軸シール機構が、付勢部材の噛み込みによる拘束を受けず、シール性能を維持できるものであるため、軸シール機構のメンテナンスに要する時間・手間を削減することが可能となる。
本発明の請求項12に記載の大型流体機械によれば、請求項10に記載の大型流体機械と同様の効果を得ることが可能となる。さらに、この請求項12に記載の大型流体機械によれば、ステータに対する軸シール機構のスライド動作を許容しながらも、環状の薄板群を浮上支持するための付勢力を確実に保つことが可能となる。
本発明の請求項13に記載の大型流体機械によれば、上記請求項6に記載の軸シール機構の組み付け構造と同様の効果を得ることが可能となる。したがって、軸シール機構の組み付け構造が、従来よりも高いシール性能を確保できるものであるので、大型流体機械のさらなる高効率化が可能となる。
本発明の請求項14に記載の大型流体機械によれば、隙間形成部材の長さ寸法を高圧側プレートの長さ寸法よりも短くすることにより、上記請求項7に記載の軸シール機構の組み付け構造と同様の効果を得ることが可能となる。
本発明の請求項15に記載の軸シール機構の組み付け構造、請求項16に記載の大型流体機械によれば、それぞれ上記の各請求項の発明と同様に実施形態で説明するような効果を得ることが可能となる。
本発明の軸シール機構、及びその組み付け構造、及びこれらを用いた大型流体機械の一実施形態を、図面を参照しながら以下に説明するが、本発明がこれのみに限定解釈されるものでないことは、もちろんである。また、本実施形態では、本発明が適用される大型流体機械が、ガスタービンのタービンである場合を例として説明するが、蒸気タービン、圧縮機、水車、冷凍機、ポンプ、航空機用ガスタービンエンジンなど、その他の大型流体機械の回転軸等にも適用可能である。
まず、図1に、ガスタービンの概略構成を示す。同図において、符号20は圧縮機、符号21は燃焼器、符号22はタービンである。圧縮機20は、多量の空気をその内部に取り入れて圧縮するものである。通常、ガスタービンでは、後述する回転軸23で得られる動力の一部が、圧縮機の動力として利用されている。燃焼器21は、圧縮機20で圧縮された空気に燃料を混合して燃焼させるものである。タービン22は、燃焼器21で発生させた燃焼ガスをその内部に導入して膨張させ、回転軸23に設けられた動翼23eに吹き付けることで燃焼ガスの熱エネルギーを機械的な回転エネルギーに変換して動力を発生させるものである。
タービン22には、回転軸23側に配置された複数の動翼23eの他に、ステータ24側に配置された複数の静翼24aが設けられており、これら動翼23eと静翼24aとが回転軸23の軸線方向に交互に配列されている。各動翼23eは回転軸23の軸線方向に流れる燃焼ガスの圧力を受けて回転軸23を回転させ、回転軸23に与えられた回転エネルギーが軸端から取り出されて利用されるようになっている。各静翼24aと回転軸23との間には、高圧側から低圧側に漏れる燃焼ガスの漏れ量を低減するための軸シール機構として、リーフシール25が設けられている。
図2に、このリーフシール25の拡大断面図を示す。なお、同図は、リーフシール25を、回転軸23の軸線を含む断面で見ている。以下の説明においては、リーフシール25の基本構成及び基本動作について先に説明し、その後、この特徴点について引き続き説明を行うものとする。
まず、リーフシール25の基本構成・動作の説明を行う。図2に示すように、このリーフシール25は、回転軸23とステータ24との間の環状空間に、回転軸23の軸線方向に各板幅方向を揃え且つ、この回転軸23の周方向に互いに微小間隔をあけて多数の薄板29を多重に配列させた環状の薄板群29Aを備えている。
各薄板29は、その外周基端側においてステータ24に固定され、また、その内周先端側において回転軸23の周面23aに対して周方向の傾きをもって鋭角に摺接している。このようにして、各薄板29からなる環状の薄板群29Aは、回転軸23とステータ24との間の環状空間を高圧側領域及び低圧側領域に分けている。
そして、この構成を有するリーフシール25によれば、図3(a)に示すように、高圧側領域から低圧側領域に向かうガス圧が各薄板29に加わった場合に、各薄板29の上面29a及び下面29bに対して、内周先端側でかつ高圧側領域に対向する側に位置する角部r1で最もガス圧が高く、かつ対角の角部r2に向かって徐々にガス圧が弱まるガス圧分布30aが形成される。なお、実際の薄板29は、図2で示したように対向視してT字形を有するものであるが、図3(a)では、説明のために、撓みを生じる長方形部分のみを図示している。
ところで、本実施形態では、各薄板29が、対向視した場合に板幅の変わるT字形である場合を例として説明するが、これに限らず、板幅一定の長方形形状のものを代わりに採用しても良い。その場合においても、各リーフシールリテーナ51,52で挟み込む関係上、やはり、断面外形がT字形をなすものとなっている。
同図に示すようなガス圧分布30aを形成することにより、図3(b)に示すように、各薄板29をその幅方向に垂直な仮想平面で断面視して、これら薄板29の回転軸23に面した面を下面29b、その裏側を上面29aとし、各薄板29に対して高圧側領域から低圧側領域に向かうガス圧が加わった場合に、各薄板29の前記断面に沿った任意位置における上面29aに加わるガス圧よりも、下面29bに加わるガス圧の方を高くするようにガス圧を調整することが可能となっている。
すなわち、高圧側領域から低圧側領域に向かって流れるガスgは、回転軸23の周面23aと各薄板29の先端との間、ならびに、各薄板29の上面29a及び下面29bに沿って流れる。このとき、各薄板29の上面29a及び下面29bに沿って流れるガスgは、図3(a)に示すように、高圧側側板27と回転軸23の周面23aとの間から流入し、r1からr2の方向へ放射状に流れ、外周基端側に低圧の領域が広がる。これにより、各薄板29の上面29a及び下面29bに垂直に加わるガス圧分布30b,30cは、図3(b)に示すように内周先端側に近いほど大きく、かつ外周基端側に向かうほど小さくなる三角分布形状となる。
この上面29a及び下面29bそれぞれにおけるガス圧力分布30b,30cの形状は互いに略同じものとなるが、各薄板29が回転軸23の周面23aに対して鋭角をなすように斜めに配置されているので、これら上面29a及び下面29bにおける各ガス圧分布30b,30cの相対位置が寸法s1だけずれており、薄板29の外周基端側から先端側に向かう任意点Pにおける上面29a及び下面29bのガス圧を比較した場合、両者で差が生じることとなる。
つまり、薄板29の長さ方向における任意点Pにおいて、下面29bに加わるガス圧(これをFbとする)の方が上面29aに加わるガス圧(これをFaとする)よりも高くなるので、薄板29を回転軸23より浮かせるように変形させる方向に作用する。このとき、各薄板29の先端近傍部分では逆となり、上面29aにのみガス圧のみが加わる(薄板29の最先端部分は、周面23aに対して面接触するように斜めに切り取られて切断面29cが設けられているので、下面29bに相当する部分がなくなる。)が、この力は、周面23aと薄板29の先端との間を流れるガスのガス圧が、薄板29の先端を周面23aから浮かせる方向に作用(これをFcとする)して打ち消すので、薄板29の先端を回転軸23に対して押さえ込もうとする力を生じさせない。したがって、各薄板29に加わる
ガス圧による圧力荷重は、(Fb+Fc)>Faとなるので、各薄板29を周面23aより浮かせるように変形させることが可能となる。
したがって、各薄板29の上面29a及び下面29b間に圧力差を生じせしめて、これら薄板29が周面23aより浮くように変形させて非接触状態を形成することができる。
以上の説明では、高圧側領域から加圧された際の差圧を利用して、各薄板29を回転軸23に対して非接触状態にするメカニズムについて説明したが、これ以外にも、回転軸23の回転による動圧効果の作用も同時に受けて各薄板29が浮上する。
すなわち、各薄板29は、板厚で決まる所定の剛性を回転軸23の軸線方向に持つように設計されている。また、各薄板29は、前述したように回転軸23の回転方向に対して回転軸23の周面23aとなす角が鋭角となるようにステータ24に取付けられており、回転軸23の停止時には、各薄板29の先端が所定の予圧で回転軸23に接触しているが、回転軸23の回転時には回転軸23が回転することで生じる動圧効果によって各薄板29の先端が浮上するため、薄板29と回転軸23とが非接触状態となる。
続いて、上記の基本構成・動作を有するリーフシール25及びその組み付け構造の特徴点につき、図2を参照しながら以下に説明を行う。
同図に示すように、本実施形態のリーフシール25は、板幅が、前記内周先端側よりも前記外周基端側の方が幅広である略T字形をなし、多重に重ね合わされる複数の薄板29と、これら薄板29を環状状態に挟持する一対のリーフシールリテーナ51,52(薄板保持リング)と、各薄板29の、高圧側領域に対向する一側縁と一方のリーフシールリテーナ51との間に挟み込まれて前記各一側縁に当接する環状の高圧側プレート53と、各薄板29の、低圧側領域に対向する他側縁と他方の薄板保持リング52との間に挟み込まれて前記各他側縁に当接する環状の低圧側プレート54(隙間形成部材)と、各リーフシールリテーナ51,52間に挟持されてこれらに対する各薄板29のがたつきを減らすスペーサ55と、環状の薄板群29Aを回転軸23と同軸をなすよう浮上状態に支持する複
数の板バネ56(付勢部材)とを備えて構成されている。
各薄板29は、可撓性を有する略T字形の薄い鋼板であり、その両側縁に切り欠き29aが形成されている。そして、これら薄板29は、その外周基端側において互いに溶接固定されており(溶接箇所については、図7の説明において後述する。)、全体として可撓性を有する薄板群をなしている。
高圧側プレート53は、環状の薄板であり、回転軸23の軸線を含む断面で見た場合に、その一側面側が段付きとなるように、内周部分よりも一段肉厚な外周部分を備えている。同様に、低圧側プレート54も、環状の薄板であり、前記断面で見た場合に、その一側面側が段付きとなるように、内周部分よりも一段肉厚な外周部分を備えている。そして、これら高圧側プレート53及び低圧側プレート54を、これらの段付きの部分において前記各切り欠き29aに嵌め込むようにして各薄板29の両側面に重ね合わせた後、さらに、各リーフシールリテーナ51,52間に挟み込むことで固定することが可能となっている。
なお、低圧側プレート54は、回転軸23の軸線を含む断面で見た場合の長さ寸法が、高圧側プレート53よりも短いものとなっている。このような相対寸法差を採用することで、運転時における各薄板29の内周先端側の浮上と、各薄板29に作用する流体圧の支持とを両立させることが可能となっている。
すなわち、各薄板29を回転軸23から浮上させるためには、図3(a)に示すような圧力分布が必要であり、これを実現させるためには、低圧側プレート54を環状の薄板群29Aから離してこれらの間に隙間を形成することが理想的である。しかしながら、環状の薄板群29Aは、高圧側領域からスラスト方向に押圧されている(即ち、図3(a)で言えば、環状の薄板29Aには常に紙面右方向に向かう力が掛かっている)ことから、低圧側プレート54を環状の薄板群29Aから離して設置すると、押圧力に対して各薄板29を支える存在がないため、各薄板29が強度上不安定となる。一方、本願発明の発明者による実験では、図3(a)の角部r2に近い部分に、高圧側プレート53よりも短めのプレートを設けた場合でも、各薄板29を浮上させるための圧力分布(図3(a)の圧力分布)の形成にさほど影響を与えないことが確認されている。そこで、各薄板29に対するスラスト力の影響と、各薄板29を浮上させるための圧力分布に対する影響との両立を図るため、高圧側プレート53よりも短い低圧側プレート54を設ける構成を採用したものである。
リーフシールリテーナ51,52は、回転軸23の軸線を含む断面で見た場合に概ね「コ」字形状をなす、可撓性備えた金属部品であり、互いに重ね合わせた際に形成される凹部51a,52aに、各薄板29の幅広部分とスペーサ55とを嵌め込むようになっている。また、これらリーフシールリテーナ51,52の外周面には、板バネ56を嵌め込むための凹溝51b,52bが形成されている。
スペーサ55は、図4に示すように、加圧された場合に、弾性変形することによって付勢力を発生させる複数の凸部55aが形成された板バネであり、図2に示すように、凹部51a,52a内において環状の薄板群29Aががたつきを生じることのないよう、これら凹溝51a,52aに対して環状の薄板群29Aをその外周側から押さえ込む付勢力を働かせている。そして、このスペーサ55の上面と各リーフシールリテーナ51,52との間を、溶接箇所y4において溶接することで、これらの間の相対位置を固定することが可能となっている。
各板バネ56は、図5(a),(b)に示すように、各リーフシールリテーナ51,52の外周面沿って並ぶように、各凹溝51b,52b内に取り付けられている。そして、この板バネ56は、前記外周面に対して固定された固定端56aと、前記外周面に対し、回転軸23の軸線方向への相対動作が規制されるとともに前記軸線回りの相対動作が許容されるように保持された自由端56bと、これら固定端56a及び自由端56b間に配置されて前記外周面から離れた凸板形状の付勢部56cとを備えている。すなわち、固定端56aは、各凹溝51b,52b内に嵌め込まれた状態で、その上方から固定部材56eで押さえ込まれることにより相対移動不可に固定されている。また、自由端56bは、各凹溝51b,52b内に嵌め込まれた状態で、その上方からガイド部材56eで押さえ込まれることにより、回転軸23の軸線方向への相対動作が規制されるとともに前記軸線回りの相対動作が許容されるように保持されている。このようにして、各板バネ56は、各リーフシールリテーナ51,52を介して環状の薄板群29Aと一体をなすようになっている。
以上説明の構成を有するリーフシール25は、取り付けピース61(嵌合部材)と共に、ステータ24側に形成された凹溝71内に嵌め込まれている。凹溝71は、図2に示す断面で見た場合に、各薄板29の板幅の最小寸法w3よりも幅広の最小溝幅寸法w4を有している。そして、この凹溝71には、リーフシールリテーナ51の内周面が摺接する第1摺接面71aと、この第1摺接面71aに対向し、各板バネ56の外周面が摺接する第2摺接面71bとが形成されている。また、この凹溝71は、リーフシール25を組み込んだ際に形成される隙間を取り付けピース61で埋め込むことを前提に加工されているため、ステータ24側に凹溝71を形成する際に、この凹溝71の最小溝幅寸法w4を、リーフシール25の厚み寸法よりも広めに加工することができるものとなっている。したがって、従来構造の軸シール機構の取り付け溝に比較して、幅広となっている。
取り付けピース61は、同図の断面で見た場合に、凹溝71内に、各薄板29を、リーフシールリテーナ51,52を介して組み込んだ状態(すなわち、リーフシール25を組み込んだ状態)で、これら凹溝71とリーフシール25の一側面(低圧側領域に向いた側面)との間に形成される隙間に嵌め込まれる環状部品である。この取り付けピース61の前記一側面には、リーフシールリテーナ52の内周面が摺接する第3摺接面61aと、低圧側プレート54が当接する受圧面61bとが形成されている。
この取り付けピース61を嵌め込んだ凹溝71内に、さらにリーフシール25を嵌め込むと、その外周側部分(すなわち、薄板29の外周基端側を間に挟むリーフシールリテーナ51,52)が、凹溝71内に対して、前記軸線方向に相対移動可能に取り付けられる。これにより、高圧側領域から低圧側領域に向かって環状の薄板群29Aにガス圧(流体力)が作用した場合に、リーフシール25全体が移動して低圧側プレート54が受圧面61bに当たるため、前記ガス圧を受圧面61bで受けることができるようになっている。
この時、図6に示すように、各薄板29の低圧側領域に面した各側縁と、受圧面61bとの間に形成される隙間寸法は、これらの間に挟み込まれる低圧側プレート54の厚み寸法tと同寸法に設定される。したがって、低圧側プレート54の厚み寸法tを、予め設計で求めた最適な隙間寸法と同一寸法にすることで、設計通りの隙間寸法を高い再現性を持って得ることが可能となっている。
また、取り付けピース61は、図2に示す断面で見た場合に、環状の薄板群29Aの下流側(リーフシール25よりも低圧側領域寄り)に配置され、なおかつ、その内周には、環状の薄板群29Aと共に前記環状空間を高圧側領域及び低圧側領域に分けるラビリンスシール61d(他のシール機構)が一体に形成されている。このラビリンスシール61dが、環状の薄板群29Aとともに多重のシール構造を構成するので、高圧側領域から低圧側領域への作動流体の漏れ量をより低減させることが可能となっている。
なお、本実施形態では、取り付けピース61にラビリンスシール61dを一体に備える場合を例に説明するが、本発明がこれに限定されるものではない。すなわち、取り付けピース61の本来の機能は、凹溝71の加工容易性を目的とするものであり、必ずしもラビリンスシール61dが必須であることを示すものではない。
以上説明の構成を有するリーフシール25の製造からステータ24への組み付けまで、図7及び図8を参照しながら以下に説明を行う。このリーフシール25の製造から組み付けまでは、薄板溶接工程と、曲げ工程と、リング取り付け工程と、板バネ取り付け工程と、取り付けピース挿入工程と、軸シール部材挿入工程とを経て行われる。
まず、薄板溶接工程では、図7(a)に示すように、鋼板をT字形に打ち抜いた各薄板29を多重かつ斜めに重ね合わせた後、これらの外周基端側を溶接する。すなわち、図7(b)に示すように、各外周基端側の外周端と両側端とにおいて、各薄板29同士を互いに溶接する(符号y1〜y3)。
続く曲げ工程では、互いに溶接された各薄板29と、各リーフシールリテーナ51,52との両方に、次の軸シール機構挿入工程前に大まかな曲げを予め与える。図7(c)に、曲げ工程後の各薄板29を示す。
続くリング取り付け工程では、図8に示すように、溶接された各薄板29の外周基端側と高圧側プレート53と低圧側プレート54とスペーサ55とを、各リーフシールリテーナ51,52間に挟み込み、その後、これらリーフシールリテーナ51,52間を固定する。
すなわち、各薄板29の、高圧側領域に対向する一側縁と一方のリーフシールリテーナ51との間に、前記各一側縁に当接する環状の高圧側プレート53を挟み込んで固定する。同様に、各薄板29の、低圧側領域に対向する他側縁と他方のリーフシールリテーナ52との間に、前記各他側縁に当接する環状の低圧側プレート54を挟み込んで固定する。さらに、各薄板29の外周基端側と、各リーフシールリテーナ51,52との間に、これらに対する各薄板29の相対動作を規制するスペーサ55を挟み込んで固定する。
このようにして各部品を挟み込んだ後の各リーフシールリテーナ51,52を、スペーサ55に対して、各溶接箇所y4(図2参照)において溶接固定する。これにより、各リーフシールリテーナ51,52間の固定が行われる。
続く板バネ取り付け工程では、図8に示すように、各凹溝51b,52b内に沿わせるようにして板バネ56を取り付けた後、その固定端56aを固定部材56eにより固定するとともに、自由端56bをガイド部材56dで押さえ込んで取り付ける。ただし、取り付け後の自由端56b側は、回転軸23の軸線方向への相対動作が規制されているものの、前記軸線回りの相対動作が許容されたものとなっている。したがって、板バネ56は、付勢部56cの凸型形状が押しつぶされるような圧縮を受けた場合に、その長手方向に沿って(各リーフシールリテーナ51,52の外周面に沿って)伸展することが可能となっている。なお、固定端56aの固定に際しては、固定部材56eを用いずに、直接溶接固定するものとしても良い。
続く取り付けピース挿入工程では、凹溝71の曲率に沿って、取り付けピース61を挿入して取り付ける。この時、取り付けピース61の低圧側領域に面した側面と、凹溝71との間に隙間が生じないように注意する。
続く軸シール部材挿入工程では、組み上げられた軸シール部材(リーフシール25)を、凹溝71内に、その曲率に沿わせて曲げながら挿入する。なお、この軸シール部材挿入工程と取り付けピース挿入工程は、同時に行っても良い。
以上説明のリーフシール25の製造方法及びステータ24への組み付け方法によれば、リーフシール25の曲率を、その設置場所に応じて自由に変えることができるものであるため、従来のような専用治具を個別に用意せずに済むものとなっている。これにより、製造コストの削減を可能としている。
そして、このようにして製造・組み付けされたリーフシール25によれば、図6の紙面左図に示すように、運転時の環状の薄板群29Aには、高圧側領域から低圧側領域に向かって流体力Fが作用する。すると、図6の紙面右図に示すように、この流体力Fを各薄板29が受けてリーフシール25全体が高圧側領域から低圧側領域に向かって移動するが、これら薄板29は、その低圧側領域に面した側の側縁が、低圧側プレート54を介して受圧面61bに当たって停止する。このとき、前記側縁と受圧面61bとの間に形成される隙間寸法は、低圧側プレート54の厚み寸法tと同一になるように確保される。
また、この環状の薄板群29Aには、その中心線を含む断面で見た場合に、起動状態から定常状態に切り替わる際に、前記中心線に沿った一方向及び他方向に力の作用方向が逆転するため、前記中心線方向に沿ってスライド動作を生じる。しかし、この環状の薄板群29Aを浮上させる各板バネ56が、環状の薄板群29Aとともに移動するものであるため、斜めに摺接したり噛み込みを生じたりすることがない。
以上説明の本実施形態のリーフシール25によれば、以下の効果を得ることが可能となる。すなわち、本実施形態のリーフシール組み付け構造は、各薄板29の板幅の最小寸法w3よりも幅広の凹溝71と、この凹溝71内に各薄板29を組み込んだ状態で、同凹溝71と各薄板29との間の隙間に嵌め込まれる取り付けピース61とを備える構成を採用した。この構成によれば、リーフシール25の幅寸法にかかわらず、加工容易な広めの凹溝71を加工することができるので、半径方向に細長く、かつ内周先端側よりも外周基端側が幅広なリーフシール25をステータ24側に容易に組み付けることが可能となっている。
そして、この組み付け構造を有するガスタービンのタービン22によれば、半径方向に細長く、かつ内周先端側よりも外周基端側が幅広なリーフシール25をステータ24側に対して容易に組み付けることができるので、小型化されたリーフシール25の採用が可能となり、装置全体としての小型化を達成することも可能となっている。
また、本実施形態のリーフシール組み付け構造は、取り付けピース61を、リーフシール25の下流側に配置し、なおかつ、ラビリンスシール61dを備える構成を採用した。この構成によれば、ラビリンスシール61dが、環状の薄板群29Aからなるリーフシール25とともに多重のシール構造を構成するので、高圧側領域から低圧側領域への作動流体の漏れ量を、より低減させることが可能となっている。
また、本実施形態のリーフシール25は、その外周面に板バネ56を一体に固定する構成を採用した。この構成によれば、板バネ56が、各リーフシールリテーナ51,52の周囲に対して斜めに摺接したり噛み込みしたりしないので、常にリーフシール25の中心線を回転軸23の軸線に対して一致させることができる。したがって、板バネ56の噛み込みによる拘束を受けず、シール性能を確実に維持することが可能となる。
また、本実施形態のリーフシール組み付け構造は、リーフシール25の全体が、凹溝71内に対して相対移動可能とされ、なおかつ、ステータ24側の凹溝71内に、取り付けピース61を介して設けられた受圧面61bと、各薄板29の側縁、及び受圧面61b間に挟み込まれてこれらの間に所定の隙間寸法を形成する低圧側プレート54とを備える構成を採用した。この構成によれば、低圧側プレート54の厚み寸法tを調整するだけで、各薄板29及び受圧面61b間に形成される低圧側の隙間量を、設計通りに精度よく管理することができるようになる。したがって、所望のシール性能を安定して得ることが可能となる。しかも、低圧側プレート54の厚みを調整するだけで隙間量を調整できるものであるので、従来に比較して容易に調整することが可能となっている。
また、本実施形態のリーフシール製造から組み付けにおいては、薄板溶接工程と、曲げ工程と、リング取り付け工程と、板バネ取り付け工程と、取り付けピース挿入工程と、軸シール部材挿入工程とを有する方法を採用した。この方法によれば、リーフシール25の曲率を、その設置場所に応じて自由に変えることができるものであるため、従来のような専用治具を個別に用意せずに済む。これにより、リーフシール25の製造コストを削減することが可能となっている。
また、本実施形態のリーフシール製造方法は、前記リング取り付け工程で、各薄板29の一側縁と一方の薄板保持リング51との間に高圧側プレート53を挟み込んで固定する方法を採用した。この方法によれば、高圧側プレート53の取り付けを容易に行うことができるので、さらなる製造コストの削減が可能となる。
また、本実施形態のリーフシール製造方法は、前記リング取り付け工程で、各薄板29の他側縁と薄板保持リング52との間に低圧側プレート54を挟み込んで固定する方法を採用した。この方法によれば、低圧側プレート54の取り付けを容易に行うことができるので、さらなる製造コストの削減が可能となる。
本発明に係るリーフシール(軸シール機構)を備えたガスタービンの一実施形態を示す概略構成断面図である。 同リーフシールの、ステータに対する組み込み構造を示す図であって、回転軸の軸線を含む断面より見た断面図である。 同リーフシールの動作を説明するための図であって、(a)は回転軸の軸線を含む断面より見た断面図であり、(b)は(a)をA−A線より見た断面図である。 同リーフシールに備えられているスペーサを示す斜視図である。 同リーフシールを示す図であって、(a)はその周囲から見た場合の部分平面図であり、(b)は(a)のB−B断面図である。 同リーフシールの要部を示す図であって、図2のC部拡大図である。 同リーフシールの製造方法を示す図であって、(a)及び(b)は薄板溶接工程後の薄板を示す図であり、また(c)は曲げ工程後の薄板を示す図である。 同リーフシールの製造方法の続きを示す図であって、リング取り付け工程と板バネ取り付け工程と取り付けピース挿入工程とを説明するための組み立て図である。 従来の軸シール機構の一例を示す図であって、回転軸の軸線を含む断面より見た断面図である。
符号の説明
23・・・回転軸(ロータ)
23e・・・動翼
24・・・ステータ
25・・・リーフシール(軸シール機構)
29・・・薄板
29A・・・環状の薄板群
51,52・・・薄板保持リング(リーフシール保持部材)
54・・・低圧側プレート(隙間形成部材)
56・・・板バネ(付勢部材)
56a・・・固定端
56b・・・自由端
56c・・・付勢部
61・・・取り付けピース(嵌合部材)
61b・・・受圧面
61d・・・ラビリンスシール(他のシール機構)
71・・・凹溝
w3・・・各薄板の板幅の最小寸法
w4・・・幅広の最小溝幅寸法

Claims (16)

  1. ロータとステータとの間の環状空間に複数の薄板を配列させて環状の薄板群を配設し、これら薄板の外周基端側を前記ステータ側に固定するとともに、これら薄板の内周先端側は前記ロータの周面に対して非固定とすることで、前記環状の薄板群で前記ロータと前記ステータとの間の環状空間を高圧側領域及び低圧側領域に分ける軸シール機構を、前記ステータに対して組み付ける構造であり、前記ステータ側に設けられ、前記ロータの軸線を含む断面で見た場合に、少なくとも前記各薄板の板幅の最小寸法よりも幅広の最小溝幅寸法を有する凹溝と、前記断面で見た場合に、前記凹溝内に前記各薄板を組み込んだ状態で、これら凹溝と各薄板との間に形成される隙間に嵌め込まれる嵌合部材とを備えることを特徴とする軸シール機構の組み付け構造。
  2. 前記嵌合部材が、前記断面で見た場合に、前記環状の薄板群の下流側に配置され、なおかつ、この環状の薄板群とともに前記環状空間を前記高圧側領域及び前記低圧側領域に分ける他のシール機構を備えることを特徴とする請求項1に記載の軸シール機構の組み付け構造。
  3. 請求項1に記載の軸シール機構の組み付け構造を備えた軸シール機構において、前記環状の薄板群側に、これら環状の薄板群を前記ロータと同軸をなすよう浮上状態に支持する付勢部材が一体に設けられていることを特徴とする軸シール機構。
  4. 前記付勢部材が、前記環状の薄板群を収容するリーフシール保持部材の外周面に対して固定された板バネからなることを特徴とする請求項3に記載の軸シール機構。
  5. 前記付勢部材が、前記環状の薄板群を収容するリーフシール保持部材の外周面に対して固定された湾曲状の板バネからなり、この湾曲状の板バネが、前記外周面に対して固定された固定端と、前記外周面に対し、前記ロータの軸線方向への相対動作が規制されるとともに前記軸線回りの相対動作が許容されるように保持された自由端と、これら固定端及び自由端間に配置されて前記外周面から離れた凸板形状の付勢部とを備えることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の軸シール機構。
  6. ロータとステータとの間の環状空間に複数の薄板を配列させて環状の薄板群を配設し、これら薄板の外周基端側を前記ステータ側の凹溝内に固定するとともに、これら薄板の内周先端側は前記ロータの周面に対して非固定とすることで、前記環状の薄板群で前記ロータと前記ステータとの間の環状空間を高圧側領域及び低圧側領域に分ける軸シール機構を、前記ステータに対して組み付ける構造であり、前記各薄板の外周基端側が、前記凹溝内に対して、前記ロータの軸線方向に相対移動可能とされ、前記凹溝内に設けられ、前記軸線を含む断面で見て、前記高圧側領域から前記低圧側領域に向かって前記環状の薄板群に流体力が作用した場合に、この流体力を受ける受圧面と、前記各薄板の、前記低圧側領域に面した各側縁及び前記受圧面間に挟み込まれ、これら側縁及び受圧面間に所定の隙間寸法を形成するための隙間形成部材とを備えることを特徴とする軸シール機構の組み付け構造。
  7. 前記隙間形成部材の、前記断面で見た場合の長さ寸法が、前記各薄板の前記高圧側領域に面する各側縁側に配置された高圧側プレートよりも短いことを特徴とする請求項6に記載の軸シール機構の組み付け構造。
  8. ロータとステータとを備え、高温高圧の流体の熱エネルギーを機械的な回転エネルギーに変換して動力を発生する大型流体機械であって、前記ロータに沿った作動流体の漏れを低減する軸シール機構を備えてなり、前記軸シール機構が、前記ロータと前記ステータとの間の環状空間に複数の薄板を配列させて環状の薄板群を配設し、これら薄板の外周基端側を前記ステータ側に固定するとともに、これら薄板の内周先端側は前記ロータの周面に対して非固定とすることで、前記環状の薄板群で前記ロータと前記ステータとの間の環状空間を高圧側領域及び低圧側領域に分ける大型流体機械において、前記ステータ側に設けられ、前記ロータの軸線を含む断面で見た場合に、少なくとも前記各薄板の板幅の最小寸法よりも幅広の最小溝幅寸法を有する凹溝と、前記断面で見た場合に、前記凹溝内に前記各薄板を組み込んだ状態で、これら凹溝と各薄板との間に形成される隙間に嵌め込まれる嵌合部材とを有する軸シール機構の組み付け構造を備えていることを特徴とする大型流体機械。
  9. 前記嵌合部材が、前記断面で見た場合に、前記環状の薄板群の下流側に配置され、なおかつ、この環状の薄板群とともに前記環状空間を前記高圧側領域及び前記低圧側領域に分ける他のシール機構を備えることを特徴とする請求項8に記載の大型流体機械。
  10. 記環状の薄板群側に、これら環状の薄板群を前記ロータと同軸をなすよう浮上状態に支持する付勢部材が一体に設けられていることを特徴とする請求項8に記載の大型流体機械。
  11. 前記付勢部材が、前記環状の薄板群を収容するリーフシール保持部材の外周面に対して固定された板バネからなることを特徴とする請求項10に記載の大型流体機械。
  12. 前記付勢部材が、前記環状の薄板群を収容するリーフシール保持部材の外周面に対して固定された湾曲状の板バネからなり、この湾曲状の板バネが、前記外周面に対して固定された固定端と、前記外周面に対し、前記ロータの軸線方向への相対動作が規制されるとともに前記軸線回りの相対動作が許容されるように保持された自由端と、これら固定端及び自由端間に配置されて前記外周面から離れた凸板形状の付勢部とを備えることを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の大型流体機械。
  13. ロータとステータとを備え、高温高圧の流体の熱エネルギーを機械的な回転エネルギーに変換して動力を発生する大型流体機械であって、前記ロータに沿った作動流体の漏れを低減する軸シール機構を備えてなり、前記軸シール機構が、前記ロータと前記ステータとの間の環状空間に複数の薄板を配列させて環状の薄板群を配設し、これら薄板の外周基端側を前記ステータ側に固定するとともに、これら薄板の内周先端側は前記ロータの周面に対して非固定とすることで、前記環状の薄板群で前記ロータと前記ステータとの間の環状
    空間を高圧側領域及び低圧側領域に分ける大型流体機械において、前記各薄板の外周基端側が、前記凹溝内に対して、前記ロータの軸線方向に相対移動可能とされ、前記凹溝内に設けられ、前記軸線を含む断面で見て、前記高圧側領域から前記低圧側領域に向かって前記環状の薄板群に流体力が作用した場合に、この流体力を受ける受圧面と、前記各薄板の、前記低圧側領域に面した各側縁及び前記受圧面間に挟み込まれ、これら側縁及び受圧面間に所定の隙間寸法を形成するための隙間形成部材とを備えることを特徴とする大型流体機械。
  14. 前記隙間形成部材の、前記断面で見た場合の長さ寸法が、前記各薄板の前記高圧側領域に面する各側縁側に配置された高圧側プレートよりも短いことを特徴とする請求項13に記載の大型流体機械。
  15. ロータとステータとの間の環状空間に複数の薄板を配列させて環状の薄板群を配設し、これら薄板の外周基端側を前記ステータ側に固定するとともに、これら薄板の内周先端側は前記ロータの周面に対して非固定とすることで、前記環状の薄板群で前記ロータと前記ステータとの間の環状空間を高圧側領域及び低圧側領域に分けるリーフシールをなす軸シール機構を、前記ステータに対して組み付ける構造であり、前記ステータ側に設けられ、前記ロータの軸線を含む断面で見た場合に、少なくとも前記各薄板の板幅の最小寸法よりも幅広の最小溝幅寸法を有する凹溝と、前記断面で見た場合に、前記凹溝内に前記各薄板を組み込んだ状態で、これら凹溝と各薄板との間に形成される隙間に嵌め込まれる嵌合部材とを備えることを特徴とする軸シール機構の組み付け構造。
  16. ロータとステータとを備え、高温高圧の流体の熱エネルギーを機械的な回転エネルギーに変換して動力を発生する大型流体機械であって、前記ロータに沿った作動流体の漏れを低減する軸シール機構を備えてなり、前記軸シール機構が、前記ロータと前記ステータとの間の環状空間に複数の薄板を配列させて環状の薄板群を配設し、これら薄板の外周基端側を前記ステータ側に固定するとともに、これら薄板の内周先端側は前記ロータの周面に対して非固定とすることで、前記環状の薄板群で前記ロータと前記ステータとの間の環状空間を高圧側領域及び低圧側領域に分けるリーフシールをなす大型流体機械において、前記ステータ側に設けられ、前記ロータの軸線を含む断面で見た場合に、少なくとも前記各薄板の板幅の最小寸法よりも幅広の最小溝幅寸法を有する凹溝と、前記断面で見た場合に、前記凹溝内に前記各薄板を組み込んだ状態で、これら凹溝と各薄板との間に形成される隙間に嵌め込まれる嵌合部材とを有する軸シール機構の組み付け構造を備えていることを特徴とする大型流体機械。
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