JP5656931B2 - ミキサ車 - Google Patents

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Description

本発明は、ミキサ車に関するものである。
従来から、生コンクリートを搭載可能なミキサドラムを備えるミキサ車が用いられている。ミキサ車では、セメント,骨材,水,などをミキサドラム内に投入し、ミキサドラムを回転駆動して練り混ぜることによって、生コンクリートを生成している。
特許文献1は、運搬した生コンクリートを荷卸しする際に品質検査を行うための検査器具を備えるミキサ車を提案している。このミキサ車では、生コンクリートの品質検査として、生コンクリートの流動性を測定するスランプ試験を行っている。スランプ試験は、生コンクリートの流動性を示す数値であるスランプを測定するものである。生コンクリートの流動性は、測定されたスランプが大きいほど高い。
特開2005−022640号公報
しかしながら、従来のミキサ車では、運転者の経験則によって生コンクリートのスランプを調整していたため、荷卸しする際における生コンクリートのスランプにばらつきが生じ、生コンクリートの品質を管理することが困難であった。
本発明の目的は、生コンクリートの品質を管理可能なミキサ車を提供することである。
本発明は、生コンクリートを搭載可能なミキサドラムを備えるミキサ車において、エンジンの回転によって駆動され、作動流体の流体圧によって前記ミキサドラムを回転駆動する駆動装置と、前記駆動装置における作動流体の圧力を検出する圧力検出器と、前記ミキサドラム内に生コンクリートを生成する材料が投入されたことを判定する材料投入判定部と前記ミキサドラム内に前記材料が投入された後、前記圧力検出器が検出した作動流体の圧力が、生コンクリートの搭載量と流動性とに対応して予め設定された設定圧力まで低下したかを判定する圧力判定部と前記圧力判定部による判定に基づいて、前記駆動装置における作動流体の圧力が前記設定圧力まで低下したことを運転者に報知する報知装置と、を備えることを特徴とする。
本発明では、ミキサドラムを回転駆動するための駆動装置における作動流体の圧力を圧力検出器で検出し、検出した圧力が設定圧力まで低下した場合に報知装置から運転者に報知する。よって、流体圧ポンプにおける吐出圧が設定圧力まで低下したことを運転者に報知することで、ミキサドラム内の生コンクリートが所定の流動性に調整されたことを運転者に知らせることができる。したがって、生コンクリートの流動性のばらつきを抑制し、生コンクリートの品質を管理可能である。
本発明の実施の形態によるミキサ車の平面図である。 本発明の実施の形態によるミキサ車の制御ブロック図である。 本発明の実施の形態によるミキサ車における生コンクリートのスランプ調整ルーチンを示すフローチャート図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態によるミキサ車100について説明する。
まず、図1及び図2を参照して、ミキサ車100の全体構成について説明する。
図1に示すように、ミキサ車100は、運転室11と架台1とを備える車両である。ミキサ車100は、架台1に搭載されて生コンクリートを搭載可能なミキサドラム2と、ミキサドラム2を回転駆動する駆動装置4と、ミキサドラム2の回転を制御するコントローラ10と、を備える。ミキサ車100は、ミキサドラム2内に生コンクリートを搭載して運搬するものである。
ミキサ車100では、セメント,骨材,水,などの材料をミキサドラム2内に投入し、ミキサドラム2を回転駆動して練り混ぜることによって、生コンクリートを生成可能である。
ミキサドラム2は、架台1に回転可能に搭載される有底円筒形の容器である。ミキサドラム2は、回転軸が車両の前後方向を向くように搭載される。ミキサドラム2は、車両の後部に向かって徐々に高くなるように、前後に傾斜して搭載される。
ミキサドラム2は、その後端に開口部が形成され、開口部から生コンクリートの投入と排出とが可能である。ミキサドラム2は、ミキサ車100に搭載された走行用のエンジン3を動力源として回転駆動される。
駆動装置4は、エンジン3の回転によって駆動され、作動流体の流体圧によってミキサドラム2を回転駆動するものである。エンジン3におけるクランクシャフトの回転運動は、エンジン3から動力を常時取り出すための動力取り出し機構9(PTO:Power take−off)と、動力取り出し機構9と駆動装置4とを連結するドライブシャフト8(図2参照)と、によって駆動装置4に伝達される。
図2に示すように、動力取り出し機構9には、回転数を検出し、検出した回転数に応じた回転数信号をコントローラ10に送信する回転センサ9aが設けられる。回転センサ9aを用いて、ドライブシャフト8の回転数を検出する構成としてもよい。
駆動装置4では、作動流体として作動油が用いられる。作動油ではなく、他の非圧縮性流体を作動流体として用いてもよい。図1に示すように、駆動装置4は、エンジン3によって駆動されて作動流体を吐出する流体圧ポンプとしての油圧ポンプ5と、油圧ポンプ5によって駆動されてミキサドラム2を回転駆動する流体圧モータとしての油圧モータ6と、を備える。駆動装置4は、ミキサドラム2を正逆転及び増減速させることが可能である。
油圧ポンプ5は、動力取り出し機構9を介してエンジン3から常時取り出される動力によって回転駆動される。そのため、油圧ポンプ5の回転数は、車両の走行状態に伴うエンジン3の回転数の変化に、大きく影響を受ける。そこで、ミキサ車100では、エンジン3の回転速度に応じてミキサドラム2が目標回転状態となるように、コントローラ10によって油圧ポンプ5と油圧モータ6との動作を制御している。
油圧ポンプ5は、容量が可変な斜板型アキシャルピストンポンプである。油圧ポンプ5は、コントローラ10からの指令信号を受信してポンプの傾転角を正転方向又は逆転方向に切り換える。油圧ポンプ5は、その傾転角を調整するための電磁弁を備える。油圧ポンプ5は、電磁弁が切り換えられることによって吐出方向と吐出容量が調整される。
油圧ポンプ5から吐出された作動油は油圧モータ6に供給され、油圧モータ6が回転する。油圧モータ6には、減速機7を介してミキサドラム2が連結される。これにより、ミキサドラム2が、油圧モータ6の回転に伴って回転する。
油圧ポンプ5によってミキサドラム2が正転運転されるときには、ミキサドラム2内の生コンクリートが攪拌される。一方、油圧ポンプ5によってミキサドラム2が逆転運転されるときには、ミキサドラム2内の生コンクリートが後端の開口部から外部へと排出される。
油圧ポンプ5から吐出される作動油の油圧は、ミキサドラム2内に搭載される生コンクリートの搭載量とスランプとに応じて変化する。油圧ポンプ5には、吐出される作動油の圧力を検出する圧力検出器としての圧力センサ5a(図2参照)が設けられる。
スランプとは、生コンクリートの流動性を示す数値である。生コンクリートの流動性は、スランプの数値が大きくなるほど高い。即ち、スランプの数値が大きいほど、生コンクリートは軟らかく、スランプの数値が小さいほど、生コンクリートは固い。生コンクリートは、荷卸しの際に適正なスランプとなるように、ミキサドラム2を回転駆動して行われる混練によって調整される。
図2に示すように、圧力センサ5aは、検出した作動油の圧力に応じて、コントローラ10に負荷圧力信号を送信する。圧力センサ5aを油圧ポンプ5に設けるのではなく、油圧モータ6に設け、油圧モータ6における作動油の圧力を検出するようにしてもよい。即ち、圧力センサ5aは、駆動装置4における作動油の圧力を検出するものである。
油圧モータ6は、容量が可変な斜板型アキシャルピストンモータである。油圧モータ6は、油圧ポンプ5から吐出された作動油の供給を受けて回転駆動される。油圧モータ6は、コントローラ10からの指令信号を受信してモータの傾転角を調整する電磁弁を備える。油圧モータ6は、電磁弁が切り換えられることによって、高速回転用の小容量と通常回転用の大容量との二段階に容量が切り換えられる。
コントローラ10は、駆動装置4の制御を行うものである。コントローラ10は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、及びI/Oインターフェース(入出力インターフェース)を備えたマイクロコンピュータである。RAMは、CPUの処理におけるデータを記憶する。ROMは、CPUの制御プログラム等を予め記憶する。I/Oインターフェースは、接続された機器との情報の入出力に使用される。CPUやRAMなどを、ROMに格納されたプログラムに従って動作させることによって、駆動装置4の制御が実現される。
図2に示すように、コントローラ10には、運転者が運転室11内のイグニッションスイッチを操作することによってエンジン3が始動すると、イグニッション電源が入力される。これにより、電源リレー21が切り換えられ、メインバッテリ23からのメイン電源がコントローラ10に供給されることによって、コントローラ10が起動する。
また、ミキサ車100は、水が溜められる水タンク12と、水タンク12内の水を吸い込んで吐出する水圧ポンプ13と、水圧ポンプ13とミキサドラム2との間に設けられる開閉弁14と、を備える。
水圧ポンプ13と開閉弁14とは、水タンク12からミキサドラム2内に水を供給する供給通路に設けられる。水圧ポンプ13は、コントローラ10からの起動信号によって起動する。開閉弁14は、コントローラ10からの開閉信号によって開閉する。
水タンク12内の水は、水圧ポンプ13が起動するとともに、開閉弁14が開状態に切り換えられることによって、ミキサドラム2内に供給される。水タンク12には、プラントなどにて外部の水道から水を補給可能である。
次に、図2を参照して、ミキサ車100における制御について説明する。
コントローラ10は、演算したエンジン3の回転数に応じて、ミキサドラム2の回転方向と回転数とが目標回転状態となるように、油圧ポンプ5と油圧モータ6との動作を制御する。具体的には、コントローラ10は、ミキサドラム2の回転方向と回転数とが目標回転状態となるように、油圧ポンプ5の吐出方向と吐出容量を演算する。これとともに、コントローラ10は、油圧モータ6の容量を演算して、油圧ポンプ5に制御信号を出力し、油圧モータ6に二速切換信号を出力する。
コントローラ10には、油圧ポンプ5から圧力センサ5aを通じて負荷圧力信号が入力されるとともに、油圧モータ6からセンサを通じて回転方向信号と回転数信号が入力される。コントローラ10は、これらの入力信号に基づいて、油圧ポンプ5と油圧モータ6との動作を制御する。
コントローラ10は、ミキサドラム2内に生コンクリートを生成する材料が投入されたことを判定する材料投入判定部15と、圧力センサ5aが検出した作動油の圧力が予め設定された設定圧力まで低下したか否かを判定する圧力判定部16と、を備える。
材料投入判定部15は、圧力センサ5aからの負荷圧力信号に基づいて、ミキサドラム2内に生コンクリートを生成する材料が投入されたか否かを判定する。ミキサドラム2内に材料が投入されると、材料の投入前と比較して、ミキサドラム2の回転に大きな力が必要である。そのため、油圧ポンプ5における吐出圧が上昇する。
材料投入判定部15は、この吐出圧の上昇を検出して材料が投入されたことを判定する。具体的には、材料投入判定部15は、油圧ポンプ5の吐出圧の上昇幅が、予め設定された所定の上昇幅を超えた場合に、材料が投入されたと判定する。
定常時においては、ミキサドラム2は、駆動装置4の駆動によって、ミキサドラム2内の生コンクリートの品質を維持可能な回転速度である撹拌回転にて回転している。材料投入判定部15がミキサドラム2内に材料が投入されたと判定すると、ミキサドラム2は、撹拌回転と比較して高速な混練回転に切り換えられる。これにより、ミキサドラム2内の材料を混練して生コンクリートを生成することが可能となる。
圧力判定部16は、圧力センサ5aからの負荷圧力信号に基づいて、ミキサドラム2内の生コンクリートが適正なスランプとなったことを判定する。圧力判定部16は、ミキサドラム2内に生コンクリートの材料が投入されてから設定時間が経過した後に、圧力センサ5aからの信号に基づいて、油圧ポンプ5の吐出圧が設定圧力まで低下したか否かを判定する。
ミキサドラム2内の生コンクリートが混練されると、生コンクリートは徐々に軟らかくなってくるため、ミキサドラム2の回転に必要な力が徐々に小さくなる。そのため、油圧ポンプ5における吐出圧は徐々に下降する。圧力判定部16は、油圧ポンプ5の吐出圧が予め設定された設定圧力を下回った場合に、生コンクリートが適正なスランプになったと判定する。
設定圧力は、ミキサドラム2内の生コンクリートが適正なスランプとなった場合における作動油の圧力として、ミキサドラム2内の生コンクリートの搭載量に対応して予め設定される。
設定圧力を設定するには、まず、搭載された生コンクリートを含むミキサドラム2全体の重量を重量センサを用いて測定する。そして、測定された重量からミキサドラム2の重量を減じて、生コンクリートの搭載量を演算する。
次に、ミキサドラム2を高速の混練回転にて回転させて生コンクリートを混練した後、ミキサドラム2を低速の計測回転に切り換える。計測回転とは、ミキサドラム2の回転に伴う作動油の圧力変動が抑制される回転速度による回転である。
次に、ミキサドラム2内から生コンクリートの一部を取り出し、スランプ試験を行って生コンクリートのスランプを測定する。測定されたスランプが適正な数値となった場合に、ミキサドラム2が計測回転にて回転している状態で、油圧ポンプ5の吐出圧を測定する。このときの油圧ポンプ5の吐出圧が、ミキサドラム2内の生コンクリートの搭載量に対応する設定圧力である。
なお、生コンクリートの搭載量とスランプとに基づいて設定圧力を予め運転者が計算し、操作装置32に設けられた入力部から設定圧力を入力可能なように構成してもよい。
運転室11内には、パーキングブレーキ31と、ミキサドラム2を操作するための操作装置32と、運転者に対する報知装置35と、が配置される。
パーキングブレーキ31には、パーキングブレーキ31のレバー位置を検出する検出器が設けられる。パーキングブレーキ31がかけられている場合には、検出器から停車信号がコントローラ10へと出力される。
操作装置32には、ミキサドラム2の回転方向及び回転数を切り換えるためのつまみ型の操作スイッチ32aと、ミキサドラム2の回転を非常停止させるための停止スイッチ32bと、ミキサドラム2を自動的に攪拌回転させるための自動攪拌スイッチ32cと、が設けられる。また、操作装置32には、生コンクリートの材料をミキサドラム2内に投入可能な投入モードに切り換える投入モードスイッチ32dと、ミキサドラム2内の生コンクリートのスランプを再調整するスランプ再調整スイッチ32eと、ミキサドラム2内の生コンクリートを所定時間だけ混練する混練スイッチ32fと、が設けられる。
運転者が各スイッチ32a〜32fを操作することに基づいて、操作装置32からコントローラ10に対して指令信号が出力される。コントローラ10は、その指令信号に基づいて、ミキサドラム2の目標回転状態、具体的には回転方向と回転数を決定する。
ここで、ミキサドラム2の回転動作について説明する。自動攪拌スイッチ32cがオンである場合において、パーキングブレーキ31からの停車信号がなく、車速が所定速度以上である場合には、コントローラ10は、車両が走行中であると判定する。これにより、コントローラ10は、生コンクリートの排出を防止するとともに生コンクリートの品質を保つため、ミキサドラム2を自動的に攪拌回転させる。
これに対して、自動攪拌スイッチ32cがオフである場合には、コントローラ10は、車両が走行中であっても、ミキサドラム2内の生コンクリートを外部へと排出できるように、操作装置32を操作してミキサドラム2を逆回転させることを可能とする。また、パーキングブレーキ31から停車信号が出力されている場合も、コントローラ10は、ミキサドラム2内の生コンクリートを外部へと排出できるように、操作装置32を操作してミキサドラム2を逆回転させることを可能とする。
報知装置35は、圧力判定部16による判定に基づいて、作動油の圧力が設定圧力まで低下したことを運転者に報知するものである。報知装置35は、音によって運転者に報知するブザーや、運転者に視認可能なように報知するランプなどである。
ミキサ車100の後部には、ミキサ車100の外部にてミキサドラム2の操作を可能とするための後部操作装置38が配置される。後部操作装置38には、操作装置32と同様に、ミキサドラム2の回転方向及び回転数を切り換えるためのつまみ型の操作スイッチ38aと、ミキサドラム2の回転を非常停止させるための停止スイッチ38bと、が設けられる。運転者が後部操作装置38を操作することに基づいて、後部操作装置38からコントローラ10に対して指令信号が出力される。
また、ミキサ車100には、ミキサ車100の外部にてミキサドラム2内部の自動洗浄、及び生コンクリートの混練操作を可能とするための自動洗浄・混練操作装置39が配置される。
次に、図3を参照して、ミキサ車100においてコントローラ10が実行する生コンクリートのスランプ調整ルーチンについて説明する。コントローラ10は、このルーチンをエンジン3の運転中に例えば10ミリ秒ごとの一定時間隔で繰り返し実行する。
運転者は、ミキサ車100を運転し、プラントにおける材料投入位置まで予め移動させて停車させておく。ミキサ車100が材料投入位置に停車した状態で、材料投入の準備が整ったら、運転者は投入モードスイッチ32dを操作する。
ステップ1では、投入モードスイッチ32dが操作されたか否かを判定する。ステップ1にて、投入モードスイッチ32dが操作されたと判定された場合には、材料投入モードに切り換わり、ステップ2に移行する。ステップ1にて、投入モードスイッチ32dが操作されていないと判定された場合には、ステップ11に移行する。
ステップ2では、ミキサドラム2の撹拌回転を開始する。
ステップ3では、ミキサドラム2内に生コンクリートの材料が投入されたか否かを判定する。ステップ3にて、生コンクリートの材料が投入されたと判定された場合には、ステップ4に移行する。一方、ステップ3にて、生コンクリートの材料が投入されていないと判定された場合には、ステップ11に移行する。
ステップ4では、ミキサドラム2を高速の混練運転に切り換える。これにより、ミキサドラム2内に投入された生コンクリートの材料が混練される。
ステップ5では、ミキサドラム2が混練運転を開始してから所定の時間が経過したか否かを判定する。ステップ5にて、所定の時間が経過したと判定された場合には、ステップ6に移行する。この所定の時間は、ミキサドラム2内への材料の投入から、ミキサドラム2の回転による混練によって、生コンクリートが生成されるまでに必要な時間に設定される。
ステップ6では、ミキサドラム2を低速の計測回転に切り換える。計測回転におけるミキサドラム2の回転速度は、撹拌回転と同一の回転速度であってもよい。
ステップ7では、油圧ポンプ5の吐出圧が設定圧力まで下がったか否かを判定する。ステップ7にて、油圧ポンプ5の吐出圧が設定圧力まで下がっていないと判定された場合には、ステップ10に移行する。
ステップ10では、水圧ポンプ13を起動するとともに、開閉弁14を設定時間だけ開状態に切り換える。これにより、水タンク12に溜められた水が、所定量だけミキサドラム2内に供給される。このとき、ミキサドラム2内の生コンクリートは、未だ適正なスランプとなるまで混練されていない。そこで、所定量の水をミキサドラム2内に供給して、ミキサドラム2内の生コンクリートを適正なスランプに近付けるようにする。
ステップ10にてミキサドラム2内に所定量の水が供給された後、ステップ4に移行する。これにより、ミキサドラム2内の生コンクリートが更に混練され、生コンクリートのスランプが調整される。
一方、ステップ7にて、油圧ポンプ5の吐出圧が設定圧力まで下がったと判定された場合には、ミキサドラム2内の生コンクリートが適正なスランプとなったため、ステップ8に移行する。
ステップ8では、報知装置35をオンにする。駆動装置4における作動油の圧力が設定圧力以下であることを運転者に報知することで、ミキサドラム内の生コンクリートが所定のスランプに調整されたことを運転者に知らせることができる。
これにより、従来のミキサ車では運転者の経験則によって生コンクリートのスランプを調整していたのに対して、ミキサ車100では、自動的に生コンクリートを適正なスランプに調整することができる。したがって、荷卸しする際における生コンクリートのスランプのばらつきを抑制し、生コンクリートの品質を管理することができる。
ステップ9では、ミキサドラム2を撹拌回転に切り換える。ステップ9にてミキサドラム2が撹拌回転に切り換えられたら、生コンクリートのスランプ調整が完了し、ステップ11に移行する。
ステップ11では、スランプ再調整スイッチ32eが操作されたか否かを判定する。例えば、生コンクリートを排出する前などに、運転者がスランプ再調整スイッチ32eを操作することによって、生コンクリートのスランプを再び調整することが可能である。これにより、荷卸しの直前に生コンクリートの品質を確認することが可能である。
ステップ11にて、スランプ再調整スイッチ32eが操作されたと判定された場合には、ステップ6に移行して、ミキサドラム2を計測回転に切り換え、ステップ7に移行して、油圧ポンプ5の吐出圧が設定圧力まで下がったか否かを再び判定する。一方、ステップ11にて、スランプ再調整スイッチ32eが操作されていないと判定された場合には、リターンする。
なお、生コンクリートの排出前に、運転者が混練スイッチ32fを操作すれば、所定時間だけミキサドラム2を高速の混練回転に切り換えて、生コンクリートを再混練することが可能である。
以上の実施の形態によれば、以下に示す効果を奏する。
ミキサドラム2を回転駆動するための油圧ポンプ5における吐出圧を圧力センサ5aで検出し、検出した圧力が設定圧力まで低下した場合に報知装置35から運転者に報知する。油圧ポンプ5における吐出圧は、ミキサドラム2内の生コンクリートの搭載量とスランプとによって変化する。設定圧力は、生コンクリートの搭載量とスランプとに対応して予め設定される。
よって、油圧ポンプ5における吐出圧が設定圧力まで低下したことを運転者に報知することで、ミキサドラム内の生コンクリートが所定のスランプに調整されたことを運転者に知らせることができる。したがって、荷卸しする際における生コンクリートのスランプのばらつきを抑制し、生コンクリートの品質を管理可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば、上述した実施の形態では、ミキサドラム2内に材料が投入されて、ミキサドラム2が混練回転に切り換えられてから所定の時間が経過した後に、ミキサドラム2を計測回転に切り換える。そして、油圧ポンプ5の吐出圧が設定圧力まで低下したかを、圧力判定部16が判定している。
これに限らず、ミキサドラム2内に材料が投入されて、ミキサドラム2が混練回転に切り換えられてから、油圧ポンプ5の吐出圧が設定圧力まで低下したかを、ミキサドラム2を混練回転にて回転させたまま、圧力判定部16が連続して判定し続けてもよい。
この構成では、圧力判定部16が、油圧ポンプ5の吐出圧が設定圧力まで低下したと判定した後、ミキサドラム2を混練回転から撹拌回転に切り換える。また、この構成では、上述したステップ10におけるミキサドラム2内への所定量の水の供給は、ミキサドラム2が混練回転に切り換えられてから所定の時間が経過したときに、油圧ポンプ5の吐出圧が設定圧力まで低下していないと圧力判定部16が判定した場合に実行される。
100 ミキサ車
2 ミキサドラム
3 エンジン
4 駆動装置
5 油圧ポンプ(流体圧ポンプ)
5a 圧力センサ(圧力検出器)
6 油圧モータ(流体圧モータ)
10 コントローラ
12 水タンク
13 水圧ポンプ
14 開閉弁
15 材料投入判定部
16 圧力判定部
35 報知装置

Claims (7)

  1. 生コンクリートを搭載可能なミキサドラムを備えるミキサ車において、
    エンジンの回転によって駆動され、作動流体の流体圧によって前記ミキサドラムを回転駆動する駆動装置と、
    前記駆動装置における作動流体の圧力を検出する圧力検出器と、
    前記ミキサドラム内に生コンクリートを生成する材料が投入されたことを判定する材料投入判定部と
    前記ミキサドラム内に前記材料が投入された後、前記圧力検出器が検出した作動流体の圧力が、生コンクリートの搭載量と流動性とに対応して予め設定された設定圧力まで低下したかを判定する圧力判定部と
    前記圧力判定部による判定に基づいて、前記駆動装置における作動流体の圧力が前記設定圧力まで低下したことを運転者に報知する報知装置と、を備えることを特徴とするミキサ車。
  2. 前記設定圧力は、前記ミキサドラム内の生コンクリートの流動性を示す数値であるスランプが適正な数値となった場合における作動流体の圧力として、前記ミキサドラム内の生コンクリートの搭載量に対応して予め設定されることを特徴とする請求項1に記載のミキサ車。
  3. 前記材料投入判定部を有するコントローラを備え、
    前記駆動装置は、定常時においては、前記ミキサドラム内の生コンクリートの品質を維持可能な回転速度である撹拌回転にて前記ミキサドラムを回転させ、
    前記材料投入判定部は、前記圧力検出器が検出した作動流体の圧力に基づいて、前記ミキサドラム内への前記材料の投入を判定し、
    前記コントローラは、前記材料が前記ミキサドラム内に投入されたと前記材料投入判定部が判定した場合に、前記ミキサドラムを前記撹拌回転と比較して高速な混練回転に切り換えることを特徴とする請求項1又は2に記載のミキサ車。
  4. 前記コントローラは、前記圧力判定部を更に備えるとともに、前記駆動装置における作動流体の圧力が前記設定圧力まで低下したと前記圧力判定部が判定した場合に、前記ミキサドラムの回転を前記撹拌回転に切り換えることを特徴とする請求項3に記載のミキサ車。
  5. 前記コントローラは、前記圧力判定部を更に備えるとともに、前記駆動装置における作動流体の圧力が前記設定圧力まで低下したかを前記圧力判定部が判定する際に、前記ミキサドラムの回転に伴う作動流体の圧力変動が抑制される回転速度である計測回転に、前記ミキサドラムの回転を切り換えることを特徴とする請求項3又は4に記載のミキサ車。
  6. 水が溜められる水タンクと、
    前記水タンクから前記ミキサドラム内に水を供給する供給通路に設けられる開閉弁と、
    を更に備え、
    前記圧力判定部は、前記ミキサドラム内に前記材料が投入されてから設定時間経過した後に、前記駆動装置における作動流体の圧力が前記設定圧力まで低下したか否かを判定し、
    前記コントローラは、前記圧力判定部を更に備えるとともに、前記駆動装置における作動流体の圧力が前記設定圧力まで低下していないと前記圧力判定部が判定した場合に、前記開閉弁を設定時間だけ開状態に切り換えることを特徴とする請求項3から5のいずれか一つに記載のミキサ車。
  7. 前記駆動装置は、
    前記エンジンの回転によって駆動され、作動流体を吐出する流体圧ポンプと、
    前記流体圧ポンプが吐出した作動流体によって駆動され、前記ミキサドラムを回転駆動する流体圧モータと、を備え、
    前記圧力検出器は、前記流体圧ポンプの吐出圧を検出することを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載のミキサ車。
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