JP5656720B2 - 同軸導波管変換器 - Google Patents
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Description
エンドランチ形の同軸導波管変換器として、円形同軸線路の直近に矩形導波管と異なる矩形外導体を有する矩形同軸線路と矩形リッジ導波管を設け、その矩形同軸線路と矩形リッジ導波管でインピーダンス変成を行うとともに、矩形同軸線路において、外導体の一方の壁面を内導体に近接配置してモード変成を行うことで、良好な変換特性を実現する構成が知られている。
このような構成については、例えば、円形同軸線路を矩形のダブルリッジ導波管に変換する場合が以下の非特許文献1に開示されているが、矩形のダブルリッジ導波管ではなく、矩形導波管に変換する場合についても同様の効果が得られる。
一方、円形同軸線路を1種類の矩形導波管に直接変換する構成では、加工作業が容易であるが、良好な変換特性を実現することが困難である。また、円形同軸線路の直近の矩形同軸線路で、良好なモード変成を実現するには、円形同軸線路の中心と矩形導波管の中心を一致させる必要があるが、円形同軸線路の中心と矩形導波管の中心を一致させることが困難である。また、回転させた場合には、円形同軸線路と矩形導波管の軸がぶれないことが望ましいロータリージョイントなどへの適用も困難である課題があった。
図1はこの発明の実施の形態1による同軸導波管変換器を示す構成図である。
図1において、円形同軸線路1は円形の内導体2と、円形の外導体3とから構成されている同軸線路である。
矩形同軸線路4は円形同軸線路1の内導体2と接続される内導体5と、円形同軸線路1の外導体3と接続される矩形の外導体6とから構成されている同軸線路である。
矩形導波管10は矩形リッジ導波管7の外導体9と接続される矩形の外導体11から構成されている導波管である。
また、図4は図1の同軸導波管変換器のC−C’断面図であり、図5は図1の同軸導波管変換器のD−D’断面図である。
また、矩形リッジ導波管7の内導体8は、長さ方向にステップ状又はテーパ状に変化し、矩形導波管10の外導体11と接続されている。図1では、ステップ状に2段で変化している例を示している。
矩形リッジ導波管7の内導体8において、矩形の外導体9と接続されている部分では矩形リッジ導波管構成となり、外導体9と一体化している内導体部分がリッジ部となる。
このとき、矩形同軸線路4、矩形リッジ導波管7及び矩形導波管10の外導体は、すべて同一寸法で構成されており、円形同軸線路1の中心と矩形導波管10の中心が一致している。
また、矩形同軸線路4の内導体5において、矩形リッジ導波管7の中でリッジ部が施されている側の面(以降、「下面」とする)の幅Eが、リッジ部が施されていない側の面(以降、「上面」とする)の幅Fより短くなっている。
円形同軸線路1から入力された信号は、図6に示すように、軸対称なTEMモードで伝播する。図6では、電界の生じる向きを矢印で示している。
矩形同軸線路4では、図7に示すように、TEMモードが変化して、電界が上下左右方向に分布する。
このとき、矩形同軸線路4の内導体5は、下面の幅Eが上面の幅Fよりも短くされているため、上面への電界が強くなる。
矩形導波管10では、図9に示すように、上面への電界が分布するTE10モードで信号が伝播する。
同軸導波管変換器の長さ方向の電界分布は、図10に示すようになる。
また、矩形同軸線路4の内導体5は、外導体6に近接配置しなくても、良好なモード変成を行うことができるため、良好なインピーダンス変成を実現するための設計の自由度が上がるという効果も奏する。
ここで、図12は同一の外導体寸法を有する矩形同軸線路4において、同一の特性インピーダンスとなるように内導体5の形状を変えて電磁界計算したときの電界分布を示す説明図である。
内導体5が外導体6内の中心付近に配置され、その幅が上面と下面で同一である場合、電界分布はほぼ上下対称に分布するのに対し、内導体5の形状がT字形である場合、電界が上面に集中していることが確認される。
したがって、内導体5の形状がT字形である場合、従来と同様のインピーダンス変成ができるとともに、より良好なモード変成ができるという効果を奏する。
図13において、点線が矩形同軸線路4に矩形内導体を適用した場合の反射特性を示し、実線が矩形同軸線路4にT字形内導体を適用した場合の反射特性を示している。
内導体5の形状をT字形にすることにより、ほぼ同じ比帯域40%で反射が約2dB改善されている。
したがって、矩形同軸線路4にT字形内導体を適用することにより、より滑らかにモード変成を行うことができ、良好な変換特性を実現できることが確認される。
また、円形同軸線路1と矩形導波管10の中心が一致しているため、回転時に軸がぶれないという効果も奏する。
図14はこの発明の実施の形態2による同軸導波管変換器の矩形同軸線路4を示す断面図であり、図において、図1と同一符号は同一または相当部分を示すので説明を省略する。
この実施の形態2では、矩形同軸線路4における内導体5の下面側の形状が半円形状となっている。
さらに、半円形状を円形同軸線路1の内導体2の形状と同一にすることにより、円形同軸線路1と矩形同軸線路4の接続部における内導体形状の不連続が小さくなり、より良好な変換特性が得られるという効果も奏する。
Claims (2)
- 円形の内導体及び円形の外導体から構成されている円形同軸線路と、上記円形同軸線路の内導体と接続される内導体及び上記円形同軸線路の外導体と接続される矩形の外導体から構成されている矩形同軸線路と、上記矩形同軸線路の内導体と接続される内導体及び上記矩形同軸線路の外導体と接続される矩形の外導体から構成され、上記内導体と上記外導体が一体化されているリッジ部を有しているリッジ導波管と、上記リッジ導波管の外導体と接続される矩形の外導体から構成されている矩形導波管とを備え、
上記矩形同軸線路の外導体、上記リッジ導波管の外導体及び上記矩形導波管の外導体の寸法がすべて同一であり、上記円形同軸線路の中心と上記矩形導波管の中心が一致しており、上記矩形同軸線路の内導体において、上記リッジ導波管の中で上記リッジ部が施されている側の面の幅が、上記リッジ部が施されていない側の面の幅より短くなっていることを特徴とする同軸導波管変換器。 - 矩形同軸線路の内導体において、リッジ導波管の中でリッジ部が施されている側の形状が半円形状であることを特徴とする請求項1記載の同軸導波管変換器。
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