JP7305059B2 - 導波管マイクロストリップ線路変換器 - Google Patents

導波管マイクロストリップ線路変換器 Download PDF

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Description

本開示は、導波管を伝搬する電力とマイクロストリップ線路を伝搬する電力とを相互に変換可能な導波管マイクロストリップ線路変換器に関する。
従来、導波管を伝搬する電力とマイクロストリップ線路を伝搬する電力とを相互に変換可能な導波管マイクロストリップ線路変換器が知られている。導波管マイクロストリップ線路変換器は、マイクロ波帯あるいはミリ波帯の高周波信号を伝送させるアンテナ装置において広く用いられている。
特許文献1には、誘電体基板のうち1面に地導体が設けられ、誘電体基板のうち地導体が設けられた面とは逆側を向く面に線路導体が設けられた導波管マイクロストリップ線路変換器が開示されている。地導体には、導波管の開口端が接続される。地導体のうち開口端の端面により囲まれた領域内には、スロットが設けられている。線路導体は、線路導体と導波管との間における電力変換を行う変換部と、変換部と間隔を空けて設けられたマイクロストリップ線路と、変換部とマイクロストリップ線路との間に設けられて変換部とマイクロストリップ線路との間におけるインピーダンス整合を行うインピーダンス変成器とを有する。
国際公開第2019/138468号
特許文献1に開示された導波管マイクロストリップ線路変換器では、変換部の線路幅を広くするほど、スロットからの不要な電磁波放射を低減できる。一方、変換部の線路幅を広くするほど、変換部の線路幅とマイクロストリップ線路の線路幅との差が大きくなり、変換部の特性インピーダンスとマイクロストリップ線路の特性インピーダンスとの差が大きくなる。その結果、インピーダンス変成器で急峻なインピーダンス変化に対する整合が必要となるため、使用可能な高周波信号の周波数帯域が狭くなるという問題がある。
本開示は、上記に鑑みてなされたものであって、スロットからの不要な電磁波放射の低減と導波管マイクロストリップ線路変換器の広帯域化とを両立できる導波管マイクロストリップ線路変換器を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器は、開口端を有する導波管と、開口端を向く第1の面と第1の面とは逆側を向く第2の面とを有する誘電体基板と、第1の面に設けられて開口端が接続されるとともに、開口端の端面により囲まれた領域内にスロットが設けられた地導体と、第2の面に設けられた線路導体と、を備えている。線路導体は、線路導体と導波管との間における電力変換を行う変換部と、第1の方向に変換部と間隔を空けて設けられたマイクロストリップ線路と、変換部とマイクロストリップ線路との間に設けられて、変換部とマイクロストリップ線路との間におけるインピーダンス整合を行うインピーダンス変成器と、を有している。変換部には、孔が形成されている。
本開示にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器は、スロットからの不要な電磁波放射の低減と導波管マイクロストリップ線路変換器の広帯域化とを両立できるという効果を奏する。
実施の形態1にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器の外観構成を示す平面図 図1に示されるII-II線に沿った断面図 実施の形態1における導波管の外観構成を示す斜視図 実施の形態1における地導体の平面図 スロットの変形例を示す平面図 実施の形態1における線路導体の平面図 実施の形態2にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器の外観構成を示す平面図 実施の形態2における線路導体の平面図 実施の形態3にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器の外観構成を示す平面図 実施の形態3における線路導体の平面図 実施の形態3の変形例における線路導体の平面図 実施の形態4にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器の外観構成を示す平面図 実施の形態4における線路導体の平面図
以下に、実施の形態にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器を図面に基づいて詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器10の外観構成を示す平面図である。図1では、導波管マイクロストリップ線路変換器10のうち実線で示された構成より紙面奥側に設けられている構成を破線で示している。図2は、図1に示されるII-II線に沿った断面図である。各図に示されるX軸、Y軸およびZ軸は、互いに垂直な3軸とする。X軸に平行な方向を第1の方向であるX軸方向、Y軸に平行な方向を第2の方向であるY軸方向、Z軸に平行な方向を第3の方向であるZ軸方向とする。
導波管マイクロストリップ線路変換器10は、導波管14と、誘電体基板11と、地導体12と、マイクロストリップ線路33を含む線路導体13とを備える。導波管マイクロストリップ線路変換器10は、導波管14を伝搬する電力とマイクロストリップ線路33を伝搬する電力とを相互に変換可能である。導波管14とマイクロストリップ線路33とは、高周波信号が伝わる伝送路である。
図3は、実施の形態1における導波管14の外観構成を示す斜視図である。導波管14は、四角筒状の金属管である。導波管14のXY断面形状は、Y軸方向に平行な長辺とX軸方向に平行な短辺とを備える矩形である。導波管14では、金属製の管壁19で囲まれた内部空間を電磁波が伝搬する。導波管14の管軸方向は、Z軸方向と平行である。管軸は、導波管14の中心線である。導波管14は、開口端16を有する。開口端16は、導波管14のうち管軸方向における1つの端部であって、導波管14のXY断面形状と同じ形状の端面18を備える。端面18は、図2に示される地導体12に接続される短絡面となる。導波管14のうち管軸方向における他方の端部は、導波管14へ伝送させる高周波信号が入力され、あるいは導波管14を伝送した高周波信号が出力される入出力端17となる。なお、図2に示すように、端面18と地導体12とは、本実施の形態では直接接触して接続されているが、非接触で接続されてもよい。例えば、端面18と地導体12との間にチョーク構造が設けられて、端面18と地導体12とが互いに非接触で接続されてもよい。
導波管14の構成は、適宜変更してよい。例えば、導波管14は、筒状の管壁19を備えた金属管に代えて、多数のスルーホールが形成された誘電体基板を備えた構成にしてもよい。また、導波管14は、管壁19で囲まれた内部空間が誘電体材料により充填された構成でもよい。また、導波管14は、例えば、XY断面における角部に曲率を持たせた形状の導波管、リッジ型導波管でもよい。
図2に示すように、誘電体基板11は、樹脂材料で形成された平板状の部材である。誘電体基板11は、開口端16を向く第1の面S1と、第1の面S1とは逆側を向く第2の面S2とを有する。第1の面S1および第2の面S2は、いずれもX軸方向およびY軸方向に平行である。
地導体12は、誘電体基板11の第1の面S1に設けられている。地導体12は、例えば、導電性金属箔である銅箔を第1の面S1に圧着することにより形成される。なお、地導体12は、あらかじめ成形されてから誘電体基板11に取り付けられた金属板でもよい。地導体12には、開口端16が接続されている。地導体12のうち開口端16の端面18により囲まれた領域内には、スロット15が設けられている。地導体12のうち開口端16の端面18で囲まれるXY領域内の導体を除去することにより、スロット15が形成されている。スロット15は、地導体12の一部を除去して形成された開口部である。スロット15は、例えば、第1の面S1に圧着された銅箔をパターニングすることにより形成される。図4は、実施の形態1における地導体12の平面図である。スロット15の形状は、Y軸に平行な長辺とX軸に平行な短辺とを備える矩形である。
スロット15の形状は、電磁波を放射可能であれば、特に制限されない。図5は、スロット15の変形例を示す平面図である。スロット15の形状は、例えば、Y軸方向における両端部のX軸方向の幅がY軸方向における中央部のX軸方向の幅よりも広いI字形状でもよい。このような形状にすると、スロット15の中央部の電界が強められ、図2に示される導波管14の開口端16と線路導体13との間の電磁結合が強められる。これにより、導波管14と線路導体13との間において効率良く電力を変換することができる。
線路導体13は、誘電体基板11の第2の面S2に設けられている。線路導体13は、誘電体基板11の第2の面S2において、導波管14の開口端16の直上を通過するように設けられている。線路導体13は、例えば、第2の面S2に圧着された銅箔をパターニングすることにより形成される。なお、線路導体13は、あらかじめ成形されてから誘電体基板11に取り付けられた金属板でもよい。
図6は、実施の形態1における線路導体13の平面図である。図6では、参考として、スロット15を破線で図示している。線路導体13は、線路導体13と導波管14との間における電力変換を行う変換部31と、図6に示される変換部31とX軸方向に間隔を空けて設けられたマイクロストリップ線路33と、変換部31とマイクロストリップ線路33との間に設けられて変換部31とマイクロストリップ線路33との間におけるインピーダンス整合を行うインピーダンス変成器32とを有する。変換部31は、図2に示される誘電体基板11を挟んでスロット15と反対側に位置している。変換部31は、導波管14の管軸方向でスロット15と重なる位置に設けられている。変換部31は、本実施の形態ではスロット15の直上に位置している。以下、線路長とは、電磁波の伝搬方向に沿う伝送路の長さを意味し、線路幅とは、線路長と垂直な方向に沿う伝送路の幅を意味する。
図6に示される変換部31、インピーダンス変成器32およびマイクロストリップ線路33は、一体に形成された金属部材であり、金属箔あるいは金属板により形成されている。隣り合う変換部31とインピーダンス変成器32とは、互いに線路幅が異なるように形成されている。隣り合うインピーダンス変成器32とマイクロストリップ線路33とは、互いに線路幅が異なるように形成されている。
マイクロストリップ線路33は、X軸方向において変換部31を挟んだ両側に1つずつ、合計2つ設けられている。マイクロストリップ線路33は、X軸方向に亘って一定の線路幅Wを有する四角形状の部分である。マイクロストリップ線路33は、線路導体13のうちX軸方向における端部に位置している。マイクロストリップ線路33の線路長は、図示した例に限定されず、適宜変更してよい。
変換部31は、X軸方向に亘って一定の線路幅Wを有する四角形状の部分である。変換部31は、線路導体13のうちX軸方向における中心に位置している。変換部31の線路幅Wは、マイクロストリップ線路33の線路幅Wよりも広い。つまり、W>Wの関係が成り立つ。線路導体13を伝送する高周波信号の波長がλとすると、変換部31の線路長は、λ/2に相当する長さである。
変換部31には、孔31aが形成されている。孔31aの位置は、特に制限されないが、本実施の形態では変換部31の中心にある。孔31aの形状は、特に制限されないが、本実施の形態では四角形である。孔31aのX軸方向の長さをL、Y軸方向の長さをWとすると、L<λ/2、W<Wの関係が成り立つように変換部31および孔31aが形成されている。変換部31には、孔31aの周囲を囲む2つの幅広部31bおよび2つの幅狭部31cが設けられている。幅広部31bは、X軸方向において孔31aを挟んだ両側に1つずつ設けられており、Y軸方向に延びている。幅狭部31cは、Y軸方向において孔31aを挟んだ両側に1つずつ設けられており、X軸方向に延びている。幅広部31bは、X軸方向に亘って一定の線路幅Wを有する四角形状の部分である。線路幅Wと線路幅Wとは、等しい。つまり、W=Wの関係が成り立つ。幅狭部31cは、X軸方向に亘って一定の線路幅Wを有する四角形状の部分である。線路幅Wは、線路幅Wよりも狭い。本実施の形態では、W=(W-W)/2の関係が成り立つように変換部31および孔31aが形成されている。
インピーダンス変成器32は、X軸方向に亘って一定の線路幅Wを有する四角形状の部分である。インピーダンス変成器32は、X軸方向において変換部31の両隣に1つずつ設けられている。インピーダンス変成器32の線路幅Wは、マイクロストリップ線路33の線路幅Wよりも広い。つまり、W>Wの関係が成り立つ。変換部31の線路幅Wとインピーダンス変成器32の線路幅Wとの関係は、図6ではW>Wとなっているが、特に制限されず、適宜変更してよい。インピーダンス変成器32の線路長は、λ/4に相当する長さである。
次に、図2および図6を参照して、本実施の形態にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器10の動作について説明する。ここでは、導波管14からマイクロストリップ線路33へ高周波信号を伝送させる場合を例示する。
図2に示すように、導波管14の内部を伝搬した電磁波は、地導体12に到達する。地導体12に到達した電磁波は、スロット15を通って変換部31へ伝搬する。なお、変換部31へ電磁波が伝搬するとは、地導体12と変換部31との間に電磁波のエネルギーが生じることを含むものとする。図6に示すように、変換部31へ伝搬した電磁波は、2つのマイクロストリップ線路33へ向かって伝搬する。導波管マイクロストリップ線路変換器10は、2つのマイクロストリップ線路33からX軸方向へ伝送する高周波信号を出力する。双方から出力される高周波信号の位相は互いに逆となる。
次に、本実施の形態にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器10の効果について説明する。
図6に示される変換部31の線路幅Wを広くするほど、スロット15からの不要な電磁波放射を低減でき、また、変換部31の線路幅Wを調整することで変換部31とインピーダンス変成器32との不連続部からの不要な電磁波放射を調整できる。これにより、導波管マイクロストリップ線路変換器10全体における不要な電磁波放射を制御できる。一方、変換部31とインピーダンス変成器32とマイクロストリップ線路33とは、それぞれの線路幅に対応する特性インピーダンスを持ち、変換部31の線路幅Wを広くするほど、変換部31の線路幅Wとマイクロストリップ線路33の線路幅Wとの差、すなわち変換部31の特性インピーダンスとマイクロストリップ線路33の特性インピーダンスとの差が大きくなる。これにより、インピーダンス変成器32で急峻なインピーダンス変化に対する整合が必要となることから、使用可能な高周波信号の周波数範囲が狭くなる。本実施の形態では、変換部31に孔31aが形成されることにより、変換部31には、線路幅Wを有する幅広部31bと線路幅Wを有する幅狭部31cとが形成される。ここで、変換部31において、線路幅Wに対応する特性インピーダンスをZとする。変換部31のうちスロット15の直上に位置する部位には、線路幅Wを有する2つの幅狭部31cが並列で存在するため、スロット15の直上における変換部31の特性インピーダンスは、Z/2となる。一方、変換部31に孔31aが無い場合には、スロット15の直上における変換部31の特性インピーダンスは、線路幅Wに対応するZとなる。特性インピーダンスZ/2が特性インピーダンスZよりも小さいため、Z/2<Zの関係が成り立つ。そのため、変換部31の線路幅Wを広くした場合でも、幅狭部31cにより変換部31とマイクロストリップ線路33との特性インピーダンスの差を小さくできる。これにより、インピーダンス変成器32で急峻なインピーダンス変化に対する整合が不要となり、使用可能な高周波信号の周波数帯域が広くなる。つまり、本実施の形態では、スロット15からの不要な電磁波放射の低減と導波管マイクロストリップ線路変換器10の広帯域化とを両立できる。なお、孔31aの大きさはλに対して小さいため、孔31aがスロット15からの不要な電磁波放射の低減に与える影響はほとんどない。
図6に示される変換部31の線路幅Wは、導波管14の長辺よりも小さく、かつスロット15のY軸方向の長さよりも小さい。導波管14から変換部31への電力の変換は、物理的な寸法には必ずしも支配されず、電磁的に十分に結合していれば効率的な変換が可能である。
図6に示されるマイクロストリップ線路33において、線路幅Wに対応する特性インピーダンスをZとする。変換部31とマイクロストリップ線路33とでは線路幅の違いが比較的大きいことから、仮にマイクロストリップ線路33を変換部31に直接隣り合わせた場合には、変換部31の特性インピーダンスZとマイクロストリップ線路33の特性インピーダンスZとの不整合に起因して、電力損失が大きくなる。この点、本実施の形態では、変換部31とマイクロストリップ線路33との間には、マイクロストリップ線路33よりも広い線路幅であって変換部31よりも狭い線路幅を有するインピーダンス変成器32が設けられることにより、変換部31とマイクロストリップ線路33との間のインピーダンス整合を図ることができるため、電力損失を低減できる。これにより、図2に示される誘電体基板11にスルーホールが設けられなくても、高い電気性能を得ることができる。
本実施の形態では、図2に示される誘電体基板11にスルーホールが不要となるため、スルーホールの加工の省略による製造工程の簡易化および製造コストの低減が可能となる。また、本実施の形態では、スルーホールの破断による電気性能の劣化という事態を回避できることで、信頼性を向上できるとともに、安定した電気性能を得ることができる。図示しないアンテナ装置の給電回路に導波管マイクロストリップ線路変換器10が使用される場合には、アンテナ装置は、安定した送信電力および受信電力を得ることができる。
従来、図6に示される変換部31に相当する部分の導体に微細な間隙を設けて線路を分断し、電磁結合によって高周波信号を伝送させる構成が知られている。かかる間隙の加工不良が生じた場合に、線路長に誤差が生じ得る。一方、本実施の形態の線路導体13では、一体の金属部材で変換部31からマイクロストリップ線路33までの各部位が分断することなく連続して形成されている。本実施の形態では、線路導体13における間隙の形成が不要であるため、間隙の加工不良の問題を回避でき、かつ線路導体13を容易に加工することができる。
なお、図1に示される導波管マイクロストリップ線路変換器10では、スロット15から、あるいは線路導体13のうち線路幅が不連続な部分から、不要な電磁波放射が生じ得る。スロット15および線路導体13の各部位の寸法を調整することにより、放射される電磁波の振幅、位相の調整が可能である。放射される電磁波の振幅、位相の調整により、導波管マイクロストリップ線路変換器10からZ軸の+側等の特定方向への不要な電磁波放射を低減させてもよいし、いずれの方向にも大きい電力が放射されないように不要な電磁波放射を全方向へ均等に拡散させてもよい。このようにしても、導波管マイクロストリップ線路変換器10は、高い電気性能を得ることができる。
本実施の形態では、導波管14からマイクロストリップ線路33へ高周波信号が伝送される場合を例示したが、マイクロストリップ線路33から導波管14へ高周波信号が伝送されてもよい。この場合には、2つのマイクロストリップ線路33に互いに逆の位相を持つ高周波信号が入力される。このようにしても、導波管マイクロストリップ線路変換器10における電力損失を低減できる。また、孔31aの形状は、本実施の形態では四角形であるが、円形、台形、三角形などの四角形以外の形状でもよい。また、孔31aの中心は、本実施の形態では変換部31の中心と一致しているが、X軸方向およびY軸方向のうち少なくとも一方に変換部31の中心からずれてもよい。また、変換部31は、本実施の形態ではスロット15の直上に位置しているが、変換部31とスロット15との位置関係を限定する趣旨ではない。すなわち、導波管14の管軸方向を上下方向だけでなくあらゆる方向に向けて導波管マイクロストリップ線路変換器10を配置することが可能であり、変換部31とスロット15とは、導波管14の管軸方向で互いに重なる位置にあればよい。
実施の形態2.
図7は、実施の形態2にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器51の外観構成を示す平面図である。図8は、実施の形態2における線路導体52の平面図である。図8では、参考として、スロット15を破線で示している。上記した実施の形態1と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。実施の形態2では、実施の形態1の線路導体13に代えて、線路導体52が設けられている。
図7に示すように、線路導体52は、誘電体基板11を挟んでスロット15と反対側に位置し線路導体52と導波管14との間における電力変換を行う変換部31と、変換部31とX軸方向に間隔を空けて設けられたマイクロストリップ線路33と、変換部31とマイクロストリップ線路33との間に設けられて変換部31とマイクロストリップ線路33との間におけるインピーダンス整合を行うインピーダンス変成器32とを有する。
インピーダンス変成器32は、第1のインピーダンス変成部32aと、第1のインピーダンス変成部32aとX軸方向に間隔を空けて設けられた第2のインピーダンス変成部32bと、第1のインピーダンス変成部32aと第2のインピーダンス変成部32bとの間に設けられて第1のインピーダンス変成部32aの線路幅と第2のインピーダンス変成部32bの線路幅とのいずれよりも小さい線路幅の第3のインピーダンス変成部32cとを含む。
変換部31からマイクロストリップ線路33に向かって、第1のインピーダンス変成部32a、第3のインピーダンス変成部32c、第2のインピーダンス変成部32bの順に配置されている。図8に示すように、第1のインピーダンス変成部32aは、X軸方向に亘って一定の線路幅Wを有する。第2のインピーダンス変成部32bは、X軸方向に亘って一定の線路幅Wを有する。第3のインピーダンス変成部32cは、X軸方向に亘って一定の線路幅Wを有する。第3のインピーダンス変成部32cの線路幅Wは、第1のインピーダンス変成部32aの線路幅Wよりも狭い。つまり、W<Wの関係が成り立つ。
第2のインピーダンス変成部32bは、第3のインピーダンス変成部32cとマイクロストリップ線路33との間に位置している。第2のインピーダンス変成部32bの線路幅Wは、第3のインピーダンス変成部32cの線路幅Wおよびマイクロストリップ線路33の線路幅Wのいずれよりも広い。つまり、W>WおよびW>Wの関係が成り立つ。第2のインピーダンス変成部32bおよび第3のインピーダンス変成部32cの線路長は、いずれもλ/4に相当する長さである。
第1のインピーダンス変成部32a、第2のインピーダンス変成部32bおよび第3のインピーダンス変成部32cは、それぞれの線路幅に対応する特性インピーダンスを持つ。ここでは、第1のインピーダンス変成部32aの特性インピーダンスを、線路幅Wに対応するZとする。第2のインピーダンス変成部32bの特性インピーダンスを、線路幅Wに対応するZとする。第3のインピーダンス変成部32cの特性インピーダンスを、線路幅Wに対応するZとする。特性インピーダンスZは、特性インピーダンスZよりも大きい。つまり、Z>Zの関係が成り立つ。特性インピーダンスZは、特性インピーダンスZおよび特性インピーダンスZのいずれよりも小さい。つまり、Z<ZおよびZ<Zの関係が成り立つ。
本実施の形態では、図7に示すように、導波管マイクロストリップ線路変換器51には、マイクロストリップ線路33よりも広い線路幅を持つ第1のインピーダンス変成部32aおよび第2のインピーダンス変成部32bが設けられることにより、変換部31とマイクロストリップ線路33との間のインピーダンス整合を図ることができる。これにより、電力損失を低減できる。
本実施の形態では、図8に示すように、第3のインピーダンス変成部32cおよび第2のインピーダンス変成部32bは、第1のインピーダンス変成部32aとマイクロストリップ線路33との線路幅の違いによるインピーダンスの不整合を低減させる機能を果たす。線路導体52は、線路幅を段階的に異ならせた部位である第1のインピーダンス変成部32a、第2のインピーダンス変成部32bおよび第3のインピーダンス変成部32cを含むことにより、電磁波の伝搬におけるインピーダンスの急峻な変化を緩和できる。これにより、電力損失を効果的に低減できる。なお、高周波信号は、導波管14から入力されマイクロストリップ線路33から出力されてもよいし、マイクロストリップ線路33から入力され導波管14から出力されてもよい。
実施の形態3.
図9は、実施の形態3にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器53の外観構成を示す平面図である。図10は、実施の形態3における線路導体54の平面図である。図10では、参考として、スロット15を破線で示している。上記した実施の形態2と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。本実施の形態では、実施の形態2の線路導体52に代えて、線路導体54が設けられている。本実施の形態では、マイクロストリップ線路33の延伸方向が実施の形態2と相違する。
図9に示すように、マイクロストリップ線路33は、本実施の形態では第2のインピーダンス変成部32bからX軸方向と垂直なY軸方向に延びている。すなわち、マイクロストリップ線路33の延伸方向は、Y軸方向と平行である。マイクロストリップ線路33では、Y軸方向に高周波信号が伝搬される。図10に示すように、第2のインピーダンス変成部32bのうちX軸方向における端36とマイクロストリップ線路33のうちX軸方向における端37とがY軸方向に沿う1つの直線となるように、第2のインピーダンス変成部32bおよびマイクロストリップ線路33が配置されている。このような構成により、第2のインピーダンス変成部32bとマイクロストリップ線路33との間の折り曲げ箇所における不要な電磁波放射を抑制しつつ、マイクロストリップ線路33をY軸方向に延伸できる。
第2のインピーダンス変成部32bとマイクロストリップ線路33との間では、第2のインピーダンス変成部32bとマイクロストリップ線路33との間の線路幅が不連続である部分と伝送路の折り曲げ箇所とが一体である。仮に、一定の線路幅のマイクロストリップ線路33に、X軸方向へ延ばされた部分とY軸方向へ延ばされた部分との折り曲げ箇所が含まれる場合には、第2のインピーダンス変成部32bとマイクロストリップ線路33との間の線路幅が不連続な部分とマイクロストリップ線路33における折り曲げ箇所との2箇所において不要な電磁波放射が生じ得ることになる。本実施の形態では、線路幅が不連続である部分と伝送路の折り曲げ箇所とが一体とされたことにより、不要な電磁波放射が生じ得る箇所を1箇所にすることができる。これにより、互いに垂直な方向に延びる部分同士の間で高周波信号を伝送する導波管マイクロストリップ線路変換器53において、不要な電磁波放射による電力損失を低減できる。なお、高周波信号は、導波管14から入力されマイクロストリップ線路33から出力されてもよいし、マイクロストリップ線路33から入力され導波管14から出力されてもよい。
次に、実施の形態3にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器53の変形例について示す。図11は、実施の形態3の変形例における線路導体55の平面図である。図11では、参考として、スロット15を破線で示している。本変形例では、第2のインピーダンス変成部32bおよび第3のインピーダンス変成部32cの延伸方向が斜め方向である点、および、スタブ34が追加された点が前記した線路導体54と相違する。
第1のインピーダンス変成部32aは、X軸方向に延びている。第2のインピーダンス変成部32bおよび第3のインピーダンス変成部32cは、X軸方向およびY軸方向と斜交する方向に延びている。第2のインピーダンス変成部32bおよび第3のインピーダンス変成部32cは、第1のインピーダンス変成部32aからマイクロストリップ線路33に近づくほどY軸の+側へ傾斜している。これにより、マイクロストリップ線路33の線路長を短縮できる。誘電体基板11の材料の性質に起因する電力の損失と、線路導体55の導電率に起因する電力の損失とは、線路導体55全体の線路長と概ね比例する。このため、マイクロストリップ線路33の長さを短縮できることにより、高周波信号の伝送による電力損失を低減できる。
第2のインピーダンス変成部32bおよび第3のインピーダンス変成部32cの延伸方向をX軸方向あるいはY軸方向に近づけるように、第2のインピーダンス変成部32bおよび第3のインピーダンス変成部32cの位置が調整されてもよい。このように第2のインピーダンス変成部32bおよび第3のインピーダンス変成部32cの位置を調整することにより、線路導体55の不連続部の位置、および不連続部から放射される電磁波の振幅と位相とを調整できるため、線路導体55から放射される不要な電磁波の低減を図ることができる。
線路導体55は、変換部31から分岐された分岐部である2つのスタブ34を含む。2つのスタブ34は、X軸方向における変換部31の中心位置に設けられている。一方のスタブ34は、変換部31のうちY軸の+側の端からY軸の+側に延びている。他方のスタブ34は、変換部31のうちY軸の-側の端からY軸の-側に延びている。各スタブ34のうち変換部31とは逆側を向く端35は、開放端である。
図11において、X軸方向におけるスタブ34の中心位置は、X軸方向におけるスロット15の中心位置と一致している。この場合、スロット15の中心に対する対称性を線路導体55が持つことにより、2つのスタブ34への電力の伝搬は生じない。ただし、線路導体55の製造誤差等により、X軸方向における線路導体55の中心位置とX軸方向におけるスロット15の中心位置とのずれが生じてしまい、X軸方向におけるスタブ34の中心位置とX軸方向におけるスロット15の中心位置とにずれが生じることがある。
線路導体55の中心位置とスロット15の中心位置とのずれに伴って、スタブ34に電界が生じる。スタブ34の端35が開放端とされているため、スタブ34と変換部31との接続部にて電界がゼロとなる境界条件が成り立つ。これにより、線路導体55における電気的対称性が確保されることで、2つのマイクロストリップ線路33から出力される高周波信号の位相が互いに逆位相となる。このようにスタブ34が設けられていることにより、線路導体55の中心位置とスロット15の位置とのずれが高周波信号へ与える影響を少なくすることができる。つまり、2つのスタブ34を用いた電気的対称性の確保により、マイクロストリップ線路33における高周波信号の位相の変動を低減できる。なお、線路導体55に設けられるスタブ34は、1つでもよい。スタブ34を1つにする場合には、スタブ34は、変換部31のうちY軸の+側の端とY軸の-側の端とのどちらに設けられてもよい。
なお、本変形例では、第2のインピーダンス変成部32bおよび第3のインピーダンス変成部32cの延伸方向を斜め方向にすることと、スタブ34を追加することとの両方を採用したが、いずれか一方のみを採用してもよい。すなわち、図10に示される実施の形態3の線路導体54において第2のインピーダンス変成部32bおよび第3のインピーダンス変成部32cの延伸方向を図11に示される斜め方向にして、図11に示されるスタブ34を追加しない構成にしてもよい。あるいは、図10に示される実施の形態3の線路導体54において第2のインピーダンス変成部32bおよび第3のインピーダンス変成部32cの延伸方向を変えずに、図11に示されるスタブ34を追加してもよい。
実施の形態4.
図12は、実施の形態4にかかる導波管マイクロストリップ線路変換器56の外観構成を示す平面図である。図13は、実施の形態4における線路導体57の平面図である。図13では、参考として、スロット15を破線で示している。上記した実施の形態3と同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。本実施の形態では、実施の形態3の変形例の線路導体55に代えて、線路導体57が設けられている。本実施の形態では、図13に示される2つの第1のマイクロストリップ線路33a、第2のマイクロストリップ線路71、第3のマイクロストリップ線路81、第4のマイクロストリップ線路83および第4のインピーダンス変成部82を備える点で、前記した実施の形態3の変形例と相違する。以下、2つの第1のマイクロストリップ線路33aを区別する場合には、X軸の+側に位置する一方を第1のマイクロストリップ線路33b、X軸の-側に位置する他方を第1のマイクロストリップ線路33cと称する。第1のマイクロストリップ線路33b,33cの構成は、前記した実施の形態1から実施の形態3のマイクロストリップ線路33の構成と同様である。
図13に示すように、第2のマイクロストリップ線路71は、第1のマイクロストリップ線路33cに繋がっている。第2のマイクロストリップ線路71は、第1のマイクロストリップ線路33cのうちY軸の+側の端からY軸の+側に延びる第1の範囲72と、第1の範囲72のうちY軸の+側の端からX軸の+側に向かうにつれてY軸の+側に位置するように斜め方向に延びる第2の範囲73と、第2の範囲73のうち第1の範囲72とは逆側を向く端からX軸の+側に延びる第3の範囲74とを含む。
第1の範囲72と第2の範囲73との間には、第1の折り曲げ部75が設けられている。第2の範囲73と第3の範囲74との間には、鈍角を成す第2の折り曲げ部76が設けられている。第2のマイクロストリップ線路71の線路幅Wは、第1のマイクロストリップ線路33aの線路幅Wと等しい。つまり、W=Wの関係が成り立つ。
第3のマイクロストリップ線路81は、第1のマイクロストリップ線路33bのうちY軸の+側の端からY軸の+側に延びている。第3のマイクロストリップ線路81の線路幅W10は、第1のマイクロストリップ線路33aの線路幅Wと等しい。つまり、W10=Wの関係が成り立つ。
第4のインピーダンス変成部82は、第2のマイクロストリップ線路71の第3の範囲74および第3のマイクロストリップ線路81と、第4のマイクロストリップ線路83との間に位置している。第4のインピーダンス変成部82は、第2のマイクロストリップ線路71および第3のマイクロストリップ線路81と、第4のマイクロストリップ線路83との間のインピーダンス整合を行う。第4のインピーダンス変成部82の線路長は、λ/4に相当する長さである。
第4のマイクロストリップ線路83は、第4のインピーダンス変成部82のうちX軸の+側の端からX軸の+側に延びている。第4のマイクロストリップ線路83は、線路導体57のうちX軸方向の端部に位置している。第4のマイクロストリップ線路83の線路幅および線路長は、特に制限されず、適宜変更してよい。
前記した実施の形態1から実施の形態3では、2つのマイクロストリップ線路33がそれぞれ独立した入出力端となり、入出力端となるマイクロストリップ線路33の数が2つであった。一方、本実施の形態では、2つの第1のマイクロストリップ線路33b,33cが第2のマイクロストリップ線路71、第3のマイクロストリップ線路81および第4のインピーダンス変成部82を介して、1つの第4のマイクロストリップ線路83に繋がっており、第4のマイクロストリップ線路83が入出力端となり、入出力端となる第4のマイクロストリップ線路83の数が1つである。入出力端となるマイクロストリップ線路33および第4のマイクロストリップ線路83の先には、図示しないアンテナが接続される場合がある。この場合、前記した実施の形態1から実施の形態3では、入出力端となるマイクロストリップ線路33の数が2つであるため、導波管マイクロストリップ線路変換器10,51,53のそれぞれには、2つのアンテナが接続される。一方、本実施の形態では、入出力端となる第4のマイクロストリップ線路83の数が1つであるため、導波管マイクロストリップ線路変換器56には、1つのアンテナが接続される。このため、本実施の形態では、接続するアンテナの数が1つの場合に有効である。
次に、図12および図13を参照して、導波管マイクロストリップ線路変換器56の動作を説明する。ここでは、導波管14から第4のマイクロストリップ線路83へ高周波信号を伝送する場合を例示する。
図12に示される導波管14の内部を伝搬した電磁波は、変換部31などを経由して、2つの第1のマイクロストリップ線路33b,33cのそれぞれに伝搬する。図13に示すように、第1のマイクロストリップ線路33cと第2のマイクロストリップ線路71との境界77における高周波信号の位相と、第1のマイクロストリップ線路33bと第3のマイクロストリップ線路81との境界78における高周波信号の位相とは、互いに逆となる。
境界77を通過した高周波信号は、第2のマイクロストリップ線路71と第4のインピーダンス変成部82とを経由して、第4のマイクロストリップ線路83へ伝搬する。境界78を通過した高周波信号は、第3のマイクロストリップ線路81と第4のインピーダンス変成部82とを経由して、第4のマイクロストリップ線路83へ伝搬する。図12に示される導波管マイクロストリップ線路変換器56は、第4のマイクロストリップ線路83からX軸の+側へ伝送される高周波信号を出力する。本実施の形態では、第2のマイクロストリップ線路71と第3のマイクロストリップ線路81とが繋がる第4のインピーダンス変成部82において、第2のマイクロストリップ線路71を経由した高周波信号の位相と第3のマイクロストリップ線路81を経由した高周波信号の位相とが同じとなるように、第2のマイクロストリップ線路71の線路長が設定されている。
ここで、図13に示される第1のマイクロストリップ線路33cの線路長と第2のマイクロストリップ線路71の第1の範囲72の線路長とを合計した線路長をLとする。線路長Lは、極力短い方が好ましい。線路長Lは、例えば、λ/4以下の長さであることが好ましく、λ/4より短い方がより好ましい。線路長Lを短くするほど、第1の折り曲げ部75が第2のインピーダンス変成部32bに近づく。これにより、ループ状の伝送路のうち、X軸の-側に位置する第2のインピーダンス変成部32bと第1のマイクロストリップ線路33cとの間と、第1のマイクロストリップ線路33cと第2のマイクロストリップ線路71との間に形成される折り曲げ箇所が集約される。伝送路の折り曲げ箇所が集約されたことで、不要な電磁波放射が生じ得る箇所を少なくすることができる。これにより、ループ状の伝送路を含む線路導体57において、不要な電磁波放射による電力損失を低減できる。
第2の折り曲げ部76の曲がり具合は、第1の折り曲げ部75の曲がり具合と比較して小さいため、第2の折り曲げ部76が設けられることによる不要な電磁波放射を抑制することができる。なお、第2のマイクロストリップ線路71から第2の折り曲げ部76を省略してもよい。すなわち、第2のマイクロストリップ線路71の第2の範囲73は、第1の折り曲げ部75からX軸方向へ延ばされて第4のインピーダンス変成部82に繋げられてもよいし、第1の折り曲げ部75から第4のインピーダンス変成部82まで斜め方向へ延ばされてもよい。
本実施の形態では、実施の形態1から実施の形態3と同様の効果を奏することができる。また、本実施の形態では、線路長Lをλ/4以下の長さとすることにより、ループ状の伝送路での不要な電磁波放射による電力損失を低減できる。これにより、安定かつ高い電気性能が得られ、信頼性の向上が可能となる。
なお、高周波信号が導波管14から入力され第4のマイクロストリップ線路83から出力されてもよいし、高周波信号が第4のマイクロストリップ線路83から入力され導波管14から出力されてもよい。また、第4のインピーダンス変成部82を省略して、第2のマイクロストリップ線路71および第3のマイクロストリップ線路81のそれぞれと第4のマイクロストリップ線路83とを直接繋ぐとともに、第2のマイクロストリップ線路71および第3のマイクロストリップ線路81のそれぞれの途中に図示しないインピーダンス変成部を設けてもよい。また、第4のインピーダンス変成部82および第4のマイクロストリップ線路83のそれぞれの延伸方向は、X軸方向以外の方向でもよい。
以上の実施の形態に示した構成は、一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、実施の形態同士を組み合わせることも可能であるし、要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
10,51,53,56 導波管マイクロストリップ線路変換器、11 誘電体基板、12 地導体、13,52,54,55,57 線路導体、14 導波管、15 スロット、16 開口端、17 入出力端、18 端面、19 管壁、31 変換部、31a 孔、31b 幅広部、31c 幅狭部、32 インピーダンス変成器、32a 第1のインピーダンス変成部、32b 第2のインピーダンス変成部、32c 第3のインピーダンス変成部、33 マイクロストリップ線路、33a,33b,33c 第1のマイクロストリップ線路、34 スタブ、35,36,37 端、71 第2のマイクロストリップ線路、72 第1の範囲、73 第2の範囲、74 第3の範囲、75 第1の折り曲げ部、76 第2の折り曲げ部、77,78 境界、81 第3のマイクロストリップ線路、82 第4のインピーダンス変成部、83 第4のマイクロストリップ線路、S1 第1の面、S2 第2の面。

Claims (4)

  1. 開口端を有する導波管と、
    前記開口端を向く第1の面と前記第1の面とは逆側を向く第2の面とを有する誘電体基板と、
    前記第1の面に設けられて前記開口端が接続されるとともに、前記開口端の端面により囲まれた領域内にスロットが設けられた地導体と、
    前記第2の面に設けられた線路導体と、を備えており、
    前記線路導体は、
    前記線路導体と前記導波管との間における電力変換を行う変換部と、
    第1の方向に前記変換部と間隔を空けて設けられたマイクロストリップ線路と、
    前記変換部と前記マイクロストリップ線路との間に設けられて、前記変換部と前記マイクロストリップ線路との間におけるインピーダンス整合を行うインピーダンス変成器と、を有しており、
    前記変換部には、孔が形成されていることを特徴とする導波管マイクロストリップ線路変換器。
  2. 前記インピーダンス変成器は、
    第1のインピーダンス変成部と、
    前記第1のインピーダンス変成部と間隔を空けて設けられた第2のインピーダンス変成部と、
    前記第1のインピーダンス変成部と前記第2のインピーダンス変成部との間に設けられて、前記第1のインピーダンス変成部の線路幅と前記第2のインピーダンス変成部の線路幅とのいずれよりも小さい線路幅の第3のインピーダンス変成部と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の導波管マイクロストリップ線路変換器。
  3. 前記マイクロストリップ線路は、前記インピーダンス変成器から前記第1の方向と垂直な第2の方向に延びており、
    前記マイクロストリップ線路のうち前記第1の方向における端と前記インピーダンス変成器のうち前記第1の方向における端とが、前記第2の方向の沿う1つの直線となるように、前記インピーダンス変成器および前記マイクロストリップ線路が配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の導波管マイクロストリップ線路変換器。
  4. 前記第1のインピーダンス変成部は、前記第1の方向に延びており、
    前記第2のインピーダンス変成部および前記第3のインピーダンス変成部は、前記第1の方向と斜交する方向に延びていることを特徴とする請求項2に記載の導波管マイクロストリップ線路変換器。
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