JP5656707B2 - シートパッド及び同製造方法 - Google Patents
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Description
本発明では布材を着座部側面近傍にのみ設けたので、車両の運転中に急な旋回をする必要のある場合があるが、急な旋回をした際に、着座面に着座している乗員に対して、着座部側面に向かって移動させる力が加わり、乗員の視点、姿勢を一定に保つために、乗員の移動は最小限に抑えられることが望ましいが、本発明では、布材を着座部側面近傍に設けることで、表面の軟らかさと、全体の適度の剛性との、両立を図ることができる。また、着座面の近傍には布材を埋設させないことで、高い快適性を得ることができる。
本発明に係るシートパッド(図2、符号シートパッド21)は、シートクッション20及びシートバック14の心材として用いられる。以下、シートクッション20に用いた場合を例に説明する。
シートパッド21は、乗員が着座する着座面31と、この着座面31から両側方に向かって上り形状に形成されている着座部側面32,32と、これらの着座部側面32,32の端部から下方に向かって下りる壁面33,33と、これらの壁面33,33の下端からさらに下げられ湾曲状に形成されている湾曲面34,34と、これらの湾曲面34,34間に延びている底面35と、着座面31から内部に向かって凹まされる着座部凹部36と、着座部側面32,32から内部に向かって凹まされる側部凹部37,37と、これらの側部凹部37の底面37aに沿って埋設されている布材38,38と、これらの布材38に向かって湾曲面34,34から開けられている位置決め孔39とからなる。
布材38には、例えば不織布を用いることができる。
加えて、シートパッド21には補強用の布材38が埋設されている。この布材38は、多数の側部凹部37の底に近接し(隣接を含む。)且つ多数の側部凹部37に沿って位置している。このため、シートパッド21のなかで、多数の側部凹部37が形成されることにより柔らかくなっている部位の、全体の剛性(面剛性)を確保することができる。つまり、シートパッド21は、表面に多数の側部凹部37を有している範囲が、極く局部的な弾性変形をしないように、布材38によって抑制される。このように、シートパッド21に必要とされる、表面の軟らかさと、全体の適度の剛性との、両立を図ることができる。
このようなシートパッド21の製造方法について次図以降において説明する。
金型50は、地面に載置される下型51と、この下型51に臨み下型51に向かって昇降する上型52とからなる。
上型52には、下型51に向かって延び下型51の凸部54の先端面54aとの間で布材38を挟持する押さえ金型56が形成されている。
図5(b)は、キャビティ形成工程を説明する図であり、上型52を下降させることで、下型51の端部51aに上型52の端部52aが接触する。接触することで、下型51と上型52との間に隙間が形成される。この隙間がキャビティ58である。
布材38は、図5(a)、(b)で明示されているように、下型51と上型52とで形成されるキャビティ58の両側部に載置する。
即ち、成形されるシートパッド21における着座部の左右の側部の近傍のみに配置される。
図6(b)はポリウレタン発泡工程を説明する図であり、発泡させることで、キャビティ58内でシートパッド21が形成される。
このようなシートバックの別実施例について次図で説明する。
図7に示されるように、シートパッド70は、布材71が着座部側面32から側部凹部37の底面37aに沿って延びると共に、底面35まで延びている。即ち、着座面31の下部では、略鉛直方向にわたって布材71が埋設されている。
また、着座面31の下部で、略鉛直方向にわたって布材71が埋設されていることで、乗員が着座する部分では、鉛直方向の剛性が高められる。鉛直方向への剛性を高めることで、シートパッド70が潰れようとする作用に対しての反発力を大きくすることができる。反発力を大きくすることで、乗員へのシートパッド70の密着性を高めることができる。
Claims (5)
- 車両用シート(10)の心材となるポリウレタン発泡体製のシートパッド(21)において、
前記シートパッド(21)は、前記車両用シート(10)の着座する方の表面の少なくとも一部に多数の凹部(37)が形成されるとともに、この多数の凹部(37)の底に近接し且つ前記多数の凹部(37)に沿って位置する補強用の布材(38)が埋設され、
前記補強用の布材(38)は、前記シートパッド(21)の着座面(31)の左右の着座部側面(32,32)の近傍のみに設けた、
ことを特徴とするシートパッド。 - 前記布材(38)は、未発泡のポリウレタンが通過可能であることを特徴とする請求項1記載のシートパッド。
- 前記シートパッド(21)は、成形時に前記シートパッド(21)に対する前記布材(38)の位置決めをするための位置決め孔(39)を有していることを特徴とする請求項1又は2記載のシートパッド。
- 請求項1記載のシートパッド(21)を製造するためのシートパッドの製造方法であって、
前記シートパッド(21)を成形するためのキャビティ(58)の所定の領域に、前記多数の凹部を形成するための多数の凸部(54)が形成されている金型を準備する工程と、
前記多数の凸部(54)の各々の先端面(54a)であって、前記金型の前記シートパッド(21)の着座面を構成する左右の側面部分の近傍のみに前記布材(38)を載置する工程と、
前記キャビティ(58)に未発泡のポリウレタン(61)を供給する工程と、
この未発泡のポリウレタン(61)を発泡させる工程とを、
有していることを特徴とするシートパッドの製造方法。 - 前記キャビティ(58)に未発泡のポリウレタン(61)を供給する工程では、前記多数の凸部(54)の各々の先端面(54a)と押さえ金型(56)とによって、前記布材(38)を挟み込んでいる状態で、前記キャビティ(58)に未発泡のポリウレタンを供給することを特徴とする請求項4記載のシートパッドの製造方法。
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