JP5656562B2 - 非水系二次電池用負極活物質および非水系二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は非水系二次電池用負極活物質、および、非水系二次電池に関するものである。
非水系二次電池としては、非水系電解液を用い、リチウムイオンを充放電反応に用いるリチウムイオン二次電池が実用化されている。リチウムイオン二次電池はニッケル水素電池などと比べエネルギー密度が大きく、携帯電子機器電源用二次電池として用いられている。しかし、近年の携帯電子機器の高性能化,小型化に伴い、電源であるリチウムイオン二次電池のさらなる高容量化,小型化が求められている。これを実現するためには、負極に用いる負極活物質の高容量化が不可欠である。
現在、負極活物質には炭素系材料が用いられており、リチウムイオンをグラフェン層間にインターカレーション/デインターカレーションすることによりリチウムイオンを吸蔵/放出し、その理論容量は372Ah/kgである。しかし、炭素系材料は理論容量に近い実容量が実現されており飛躍的な高容量化は期待できない。そのため、炭素系材料の代替材料の探索が盛んに行われており、高容量が期待できる、xLi++M+xe-⇔LixM(Mは金属)の式に示されるような合金化/脱合金化反応により充放電反応を行う合金負極(あるいは金属負極)に高い関心が寄せられている。例えばシリコンの理論容量は4200Ah/kg、スズの理論容量は990Ah/kgと炭素系材料の理論容量の数倍〜10倍の理論容量を有している。
しかし、この合金負極は充放電に伴う体積変化が炭素材料よりも大きく、リチウムイオン挿入時にシリコンでは420%、スズでは360%に膨張することが知られており、このような充放電に伴う大きな体積変化により生じる応力により電極構造を維持することができず、炭素系材料に比べサイクル特性が悪く、改善する必要がある。
そこで、特許文献1などにリチウムイオンと反応しないマトリックス成分との合金化により構造を維持しサイクル特性を向上させることが提案されているが、サイクル特性が悪く実用に供することができなかった。
特許文献2では導電性粒子の周囲に空隙が生じるように導電性粒子間が結合してなる導電性層を集電体上に備え、前記空隙に活物質を存在させることで活物質を効率よく分散させる方法が提案されている。また、特許文献3では活物質粒子と金属酸化物層を備え、粒子表面を金属材料で被覆し、被覆された粒子同士の間に空隙を有することにより体積変化を緩和し、構造崩壊を抑制する方法が提案されている。さらに、特許文献4では弾性を有するカーボンナノファイバが活物質核の表面に付着されており、活物質核間にカーボンナノファイバを介在させていることで導電性を高く保つ負極が提案されている。しかし、いずれの方法においても負極活物質一次粒子内に空孔を有さないため、負極活物質一次粒子自体の体積膨張を抑制することができず充放電により微粉化しサイクル特性が悪化する恐れがある。
特開2009−32644号公報 特開2007−194024号公報 特開2009−277509号公報 特開2007−188864号公報
本発明が解決しようとする課題は、非水系二次電池用負極活物質、および、非水系二次電池において、負極活物質一次粒子自体の体積変化を抑制し、体積変化により生じる応力により発生する負極活物質一次粒子の亀裂の伸展を阻止し、かつ、体積変化により負極活物質一次粒子構造の一部が崩壊しても導電性ネットワークを維持し、これによってサイクル寿命の長寿命化を図るという点である。
本発明の非水系二次電池用負極は、負極活物質がシリコンないしスズのいずれかと、リチウムと反応しない元素から選ばれた少なくとも1種の元素とからなり、かつ、一次粒子内部の内核部と外周部のいずれにも空孔を有し、かつ、前記活物質の表面及び前記空孔内部に炭素からなる導電性材料が存在することを特徴とする。図1に示すように、内核部と外周部のいずれもが、シリコンないしスズのいずれかと、リチウムと反応しない元素から選ばれた少なくとも1種の元素とからなり、リチウムと反応しない元素が構造維持を担う成分として機能し構造崩壊を防止できる。また、一次粒子内部の内核部と外周部のいずれにも空孔を有することにより、充放電反応による体積変化を空孔が吸収して一次粒子全体で緩和することができ、かつ、空孔が亀裂伸展を阻止し構造崩壊を防止する。さらに、活物質の表面及び空孔に炭素導電性材料が存在することにより、構造の一部が崩壊しても、導電性材料が崩壊により分離された部分同士を繋ぐことにより導電性ネットワークを維持することができ、抵抗の上昇を抑制できる。これらによりサイクル特性が向上する。
また、本発明は、前記導電性材料がカーボンナノチューブ,カーボンナノファイバ,カーボンナノホーンのいずれかであることを特徴とする。導電性材料がカーボンナノチューブ,カーボンナノファイバ,カーボンナノホーンのいずれかであることにより、導電性材料が繊維状となるため広範囲の導電性ネットワークを形成することができる。
また、本発明は、前記空孔の重心間距離の標準偏差を前記空孔の重心間距離の平均で割った値である分散度が1以下であることを特徴とする。亀裂伸展を阻止する空孔が負極活物質内に均一に配置されるため、構造崩壊を抑制できる。また、空孔の分布が均一であることにより応力の偏在を回避できる。
また、本発明は、前記負極活物質の平均粒子径が50μm以下であることを特徴とする。平均粒子径を50μm以下とすることにより、体積変化の絶対量を抑制することができる。また、1μm以上であると比表面積が過大になり過ぎず、電解液との反応を抑制できるので好ましい。
また、本発明は、前記空孔の平均空孔径が1μm以下であることを特徴とする。平均空孔径を1μm以下とすることにより亀裂伸展を阻止する空孔数を増やすことができる。0.1μm以上ないと導電性材料の導入が困難になり好ましくない。
また、本発明は、前記空孔の空孔率が5%以上であることを特徴とする。空孔率が5%より小さいと体積変化を抑制することができない。また、80%を超えると体積変化以上となり、効果が変わらず、逆に容量が低下する。
また、本発明は、負極活物質のシリコンおよびスズの平均結晶子径が5μm以下であることを特徴とする。空孔径と同等の結晶子径とすることにより、結晶子の膨張を空孔で吸収することができ、体積膨張をより抑制でき好ましい。
また、本発明は、負極活物質の平均空孔間距離が3μm以下であることを特徴とする。
平均空孔間距離を3μm以下とすることで亀裂伸展を阻止でき好ましい。また、0.01μm以下となると、シリコンないしスズのいずれかと、リチウムと反応しない元素から選ばれた少なくとも1種の元素とからなる部分が空孔と比較し細くなり過ぎ、負極活物質一次粒子の強度が低下し好ましくない。
また、本発明は、図1に示すように、導電性材料の平均長さが負極活物質の平均空孔間距離以上であることを特徴とする。空孔は活物質の亀裂進展の端点となるため、平均空孔間距離は亀裂の最小距離の目安となり、導電性材料の平均長さがこれ以上となることで亀裂発生後も導電性が保たれ好ましい。
また、本発明は、図1に示すように、導電性材料の平均直径が負極活物質の空孔の平均直径未満であることを特徴とする。これにより、亀裂進展の端点となる空孔に導電性材料が侵入する確率が高まり、亀裂発生後も導電性が保たれ好ましい。
また、本発明は、負極活物質に含まれるシリコンまたはスズが10重量%以上含まれることを特徴とする。シリコンまたはスズの含有量が10重量%より少なくなると容量が低くなり好ましくない。また、95重量%以上となると、構造維持に寄与する成分が低下する。
また、本発明は、前記リチウムと反応しない元素がバナジウム,クロム,マンガン,鉄,コバルト,ニッケル,銅,亜鉛,銀,金,インジウム,チタン,ジルコニウムのいずれかの元素であることを特徴とする。特に、鉄,ニッケル,銅,コバルト,マンガン,銀,金を用いることにより負極活物質が良導電性となり好ましい。
また、本発明は、一次粒子内部の内核部と外周部のいずれにも空孔を有する粒子を溶湯急冷法により作製し、前記一次粒子の空孔に導電性材料を導入することにより作製したことを特徴とする。溶湯急冷法を用い作製することにより空孔が形成される。また、結晶子径が微細化し好ましい。
また、本発明は、前記一次粒子内部の内核部と外周部のいずれにも空孔を有する粒子を単ロール法で作製したことを特徴とする。単ロール法を用いることにより超急冷することができ、結晶子径および空孔径が微細化し好ましい。
また、本発明の非水系二次電池は、前記の非水系二次電池用負極活物質を用いることを特徴とする。本発明の非水系二次電池用負極活物質を用いることにより、高容量かつ長寿命な二次電池が提供できる。
本発明の非水系二次電池用負極は、負極活物質一次粒子内部に空孔を有するので、充放電によりシリコンないしスズの体積が大きく変化しても、空孔により体積変化を吸収でき、かつ、内核部と外周部のいずれにも空孔を有するため、体積変化が局在化することを回避でき構造崩壊を抑制できる。また、空孔が亀裂伸展を阻止することにより構造崩壊を抑制できる。さらに、活物質表面及び空孔内部に炭素導電性材料が導入されていることにより、構造の一部が崩壊した際に端点となる空孔付近での導電性ネットワークを維持することができ、サイクル特性を向上する効果が得られる。
本発明の負極活物質の概念図である。 本発明の実施例1の断面走査型電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例1の断面走査型電子顕微鏡写真である。 本発明の実施例1の断面の模式図である。 本発明の効果の概念図である。 本発明の効果の概念図である。 本発明の非水系二次電池の模式図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(負極活物質)
負極活物質はシリコンないしスズのいずれかと、リチウムと反応しない元素から選ばれた少なくとも1種の元素とからなる。シリコンとスズの両方を含んでいても構わない。シリコンまたはスズを含めば構わないが、高容量が得られるため、シリコンであれば10重量%以上、スズであれば50重量%以上含まれることが好ましい。シリコンとスズの両方を含んでいる時は、シリコンとスズの合計の重量が10重量%以上であることが好ましい。また、リチウムイオンの拡散速度が速く、導電性も高いスズを用いることが好ましい。
リチウムと反応しない元素とは、全くリチウムと反応しない元素を用いることができるのは勿論のこと、シリコンおよびスズと比較しリチウムとの反応性が劣る元素であれば構わない。リチウムと反応しない元素は良電性であることが好ましく、遷移金属元素であることが好ましい。例えば、バナジウム,クロム,マンガン,鉄,コバルト,ニッケル,銅,亜鉛,銀,金,インジウム,チタン,ジルコニウムが挙げられる。特に、鉄,ニッケル,銅,コバルト,マンガン,銀,金、は導電性が高く好ましい。
負極活物質一次粒子の平均粒子径は50μm以下であることが好ましい。50μmより大きいと充放電による体積変化の絶対量が大きくなり好ましくない。ここで一次粒子とは連続する固体であり、例えば、金属結合により結合している多結晶体であり、単に粉体粒子がファンデルワールス力によって凝集したものは二次粒子として定義する。なお、平均粒子径は、超音波を印加することにより凝集を解いた状態でレーザ回折型粒子径分布測定器により測定したメジアン径D50値である。
シリコンおよびスズの結晶子径は5μm以下であることが好ましい。5μm以下であることにより充放電時の体積変化により生じる応力の局在化を回避でき好ましい。さらに応力が均一化し、最大応力を抑制できることから1μm以下であることがさらに好ましい。
結晶子径は走査型電子顕微鏡や、透過型電子顕微鏡で観察して平均結晶子径を測定する。
試料の電子顕微鏡写真を撮影し、写真内で任意の面積内に観察された結晶子の粒子径を測定し、その平均値を結晶子径として求める。測定結晶子の数が少なくとも20個以上になるようにして、平均値を得ることが望ましい。また、断面が円形でない場合には最大長さと最小長さの平均値をその結晶子の粒子径と見なす。
負極活物質一次粒子内部の内核部と外周部のいずれにも空孔を有する。空孔の形状は特に限定しないが、球状,円柱状,円錐状,立方体状,長方体状などの形状が挙げられる。
なお、内核部とは一次粒子の重心を中心とし、一次粒子の粒子径の50%の長さの直径を有する球の内部であり、外周部とはその外側である。一次粒子内部の内核部と外周部のいずれにも空孔を有することにより、負極活物質の体積変化を均一に抑制できる。また、空孔の重心間距離の平均偏差を空孔の重心間距離の平均で割った値である分散度が1以下であることが好ましい。空孔が一次粒子内部で均一に分散していることにより、亀裂伸展を抑制できる。空孔の重心間距離の平均値および空孔の重心間距離の平均偏差は例えば負極活物質断面の電子顕微鏡写真を撮影し、画像解析により求めることができる。
空孔径の平均値は1μm以下であると、空孔の数が増え空孔が粒子内に偏りなく存在することができる。また、亀裂伸展を阻止する空孔の数が増え構造崩壊を抑制でき好ましい。0.5μm以下であると空孔の数がさらに増え空孔の偏りがさらになくなり、また、亀裂伸展を阻止する空孔の数がさらに増え、サイクル寿命が向上しより好ましい。空孔径の平均値は負極活物質の断面の電子顕微鏡写真を撮影し画像解析により求めた平均円相当径の値である。
平均空孔間距離は、3μm以下であると、亀裂伸展をさらに阻止でき構造崩壊を抑制でき好ましい。平均空孔間距離は、空孔の平均重心間距離から平均空孔径を引いた値である。
空孔率は5%以上であることが好ましい。空孔率を5%以上とすることにより充放電に伴う体積変化を緩和することができる。空孔率は負極活物質の電子顕微鏡写真を撮影し、写真内の空孔が占める面積の割合である。
導電性材料の平均長さが負極活物質の平均空孔間距離以上であることが好ましい。空孔は活物質の亀裂進展の端点となるため、平均空孔間距離は亀裂の最小距離の目安となり、導電性材料の平均長さがこれ以上となることで亀裂発生後も導電性が保たれる。
導電性材料の平均直径が負極活物質の空孔の平均直径未満であることが好ましい。これにより、亀裂進展の端点となる空孔に導電性材料が侵入する確率が高まり、亀裂発生後も導電性が保たれる。
負極活物質一次粒子は、表面を導電性材料が被覆されており、かつ、空孔の内部に導電性材料が導入されている。導電性材料は表面全てを被覆していても構わないし、一部分を被覆していても構わない。また、一次粒子の空孔の内部に導電性材料を導入することにより、体積膨張により活物質構造の一部が崩壊しても導電性ネットワークが維持できる。導入とは、空孔内部に導電性材料が存在すればどのような形体でも構わない。また、空孔全てに導電性材料が導入されていても構わないし、空孔の一部に導電性材料が導入されていても構わない。
一次粒子の製造方法には、溶湯急冷法を用いることができる。溶湯急冷法を用いることにより結晶子径を微細化できる。溶湯急冷法として、例えば、単ロール法,双ロール法,遠心法(縦型),遠心法(横型),遊星ロール付単ロール法,ガン法,ピストン・アンビル法,トーション・カタパルト法,水流中紡糸法,回転液中紡糸法,ガラス被覆紡糸法,ガスアトマイズ法,水アトマイズ法がある。また、急冷速度が速い単ロール法を用いると結晶子径が微細化しより好ましく、冷却基板と接触する面と、接触しない面とで急冷速度が異なり、冷却中に温度勾配が発生するため空孔が形成するという観点でも好ましい。
一次粒子への導電性材料の導入方法は、スラリー混錬により行うことができる。導電性材料は負極活物質とバインダとともに、溶媒を加えた上で混錬される。これは一般的な非水系二次電池の製造工程であり、特別な追加設備やコストを必要とせず製造が可能である。
スラリー混錬後にスラリーを加圧すると、圧力により一次粒子の空孔内へ多量の導電性材料が導入されるため好ましい。加圧方法としては、加圧容器内にスラリーを入れ、プレスにより一軸圧又は静水圧を印加する方法が挙げられる。他の加圧方法としては、密閉容器内にスラリーを入れ、容器内に不活性ガスを導入することにより加圧しても良い。また、スラリー混錬後にスラリーを減圧下に置くと、一次粒子の空孔内の気体が排出され、導電性材料が導入されやすくなるため好ましい。減圧方法としては、減圧容器内にスラリーを入れ減圧装置により減圧しても良い。減圧装置としては真空ポンプなどが挙げられる。
さらに、一度スラリーを減圧下に置いてから加圧すると、一次粒子の空孔内の気体が排出されて導電性材料が導入されやすくなった状態で、圧力により一次粒子の空孔内へ多量の導電性材料が導入されるためより好ましい。なお、これらのプロセスを行った後に再びスラリーを混錬しても良い。
(負極)
本発明の非水系二次電池用負極活物質を用いることにより、長寿命の非水系二次電池用負極を作製することができる。
(二次電池)
本発明の非水系二次電池用負極を用いることにより、長寿命の非水系二次電池を作製することができる。
以下、本発明に係る実施例を詳細に説明する。ただし、これら実施例によって必ずしも本発明が限定されるわけではない。
〔実施例〕
(実施例1)
スズを80重量部とコバルトを20重量部混合し、アルゴン雰囲気下でアーク溶解法により溶解し冷却することにより合金を得た。
得た合金を5mm〜10mm角の大きさに粉砕し、アルゴン雰囲気下で高周波加熱法により溶解し、単ロール法により急冷することにより、リボン状の急冷合金を得た。このリボン状の急冷合金を乳鉢により粉砕し、目開き45μmの篩いを通過させることにより分級し一次粒子を得た。
一次粒子断面の平均結晶子径を走査型電子顕微鏡写真より測定したところ0.5μmであった。
また、一次粒子断面の走査型電子顕微鏡写真を画像解析ソフト(A像くん、旭化成エンジニアリング株式会社製)により解析し空孔率,平均空孔径,分散度および平均重心間距離を求めた。その結果、空孔率が12.4%、平均空孔径(円相当径)は0.38μm、分散度は0.62、平均重心間距離は1.87μmであった。
得られた一次粒子を負極活物質とし、導電剤として導電性材料であるカーボンナノファイバ(以下CNFと呼称する)と、結着剤としてポリフッ化ビニリデンをN−メチルピロリドンに溶解した溶液を混錬しスラリーを作製した。CNFの直径は15〜20nm、長さは0.1〜10μmであった。負極活物質と導電剤と結着剤の重量比は70:5:25とした。スラリー中の固形分重量を、溶液を含むスラリー全重量で割った値である全固形分濃度は26重量部であった。得られたスラリーを銅箔上に塗布機を用いて均一に塗布した後、大気中にて乾燥後、加圧した。その後、真空中にて乾燥させた。これを負極として用いた。
実施例2
導電剤をアセチレンブラック(以下ABと呼称する)とした以外は実施例1と同様の方法で負極を作製した。ABの一次粒子の平均粒径は48nmであった。
比較例1
スズを80重量部とコバルトを20重量部混合し、アルゴン雰囲気下でアーク溶解法により溶解し冷却することにより合金を得た。
得た合金をハンマーで粉砕した後、乳鉢により細かく粉砕し、目開き45μmの篩いを通過させることにより分級し一次粒子を得た。
一次粒子断面の平均結晶子径を走査型電子顕微鏡写真より測定したところ4.85μmであった。また、一次粒子断面の走査型電子顕微鏡写真から、この一次粒子は内部および表面に空孔を有さないことが分かった。
得られた一次粒子を負極活物質とし、導電剤として導電性材料であるCNFと、結着剤としてポリフッ化ビニリデンをN−メチルピロリドンに溶解した溶液を混錬しスラリーを作製した。CNFの直径は15〜20nm、長さは0.1〜10μmであった。負極活物質と導電剤と結着剤の重量比は70:5:25とした。スラリー中の固形分重量を、溶液を含むスラリー全重量で割った値である全固形分濃度は26重量部であった。得られたスラリーを銅箔上に塗布機を用いて均一に塗布した後、大気中にて乾燥後、加圧した。その後、真空中にて乾燥させた。これを負極として用いた。
比較例2
導電剤をABとした以外は比較例1と同様の方法で負極を作製した。ABの一次粒子の平均粒径は48nmであった。
実施例3
負極活物質と導電剤と結着剤の重量比を66:17:17とした以外は実施例2と同様の方法で負極を作製した。
比較例3
負極活物質と導電剤と結着剤の重量比を66:17:17とした以外は比較例2と同様の方法で負極を作製した。
以上の実施例及び比較例の合剤の重量比を表1に示す。
(組織観察)
実施例1の負極の断面を走査型電子顕微鏡により観察した。その結果を図2,図3に示す。
図2に示すように、実施例1の負極活物質は、一次粒子内部の内核部および外周部のいずれにも空孔を有していることがわかる。さらに、図3に示すように、実施例1の負極活物質では一次粒子の表面及び空孔内部に導電性材料が存在していることがわかる。模式図を図4に示す。
(電極特性評価方法)
実施例1〜3及び比較例1〜3の負極の特性評価を行った。電解液にはエチレンカーボネート,ジメチルカーボネート,エチルメチルカーボネートの混合溶媒にビニレンカーボネートを添加した溶媒に、1MLiPF6を添加した溶液を用いた。対極にはリチウム金属を用いた。
充放電試験は、0.01V(vs.Li/Li+)となるまで定電流定電圧充電とし、放電は2V(vs.Li/Li+)となるまで定電流放電とした。評価は、10サイクル目の放電容量を1サイクル目の放電容量で割った値である容量維持率について、図5に示すように各々の実施例と比較例の比を取り、各実施例及び比較例の条件の違いに起因する効果を評価した。
図5に示すように、活物質に空孔が有る場合に導電剤をABからCNFに変更した際の容量維持率の比をαとし、活物質に空孔が無い場合に導電剤をABからCNFに変更した際の容量維持率の比をAとすると、α/A=3.2となった。すなわち、導電剤をABからCNFに変更する際に、活物質に空孔が開いていることで容量維持率がさらに向上する相乗効果があることが示された。
また、図5に示すように、導電剤がCNFの場合に活物質を空孔無しの物から空孔有りの物に変更した際の容量維持率の比をβとし、導電剤がABの場合に活物質を空孔無しの物から空孔有りの物に変更した際の容量維持率の比をBとすると、β/B=3.2となった。すなわち、活物質を空孔無しから空孔有りに変更する際に、導電剤がCNFであることで容量維持率がさらに向上するという相乗効果があることが示された。
次に、図6に示すように、比較対象を実施例2に代えて実施例3比較例2に代えて比較例3として同様に評価した。活物質に空孔が有る場合に導電剤をABからCNFに変更した際の容量維持率の比をα′とし、活物質に空孔が無い場合に導電剤をABからCNFに変更した際の容量維持率の比をA′とすると、α′/A′=1.7となった。すなわち、導電剤をABからCNFに変更する際に、活物質に空孔が開いていることで容量維持率がさらに向上する相乗効果があることが示された。
また、図6に示すように、導電剤がCNFの場合に活物質を空孔無しの物から空孔有りの物に変更した際の容量維持率の変化率をβ′とし、導電剤がABの場合に活物質を空孔無しの物から空孔有りの物に変更した際の容量維持率の変化率をB′とすると、β′/B′=1.7となった。すなわち、活物質を空孔無しから空孔有りに変更する際に、導電剤がCNFであることで容量維持率がさらに向上するという相乗効果があることが示された。
以上の結果は、一次粒子内部の内核部と外周部のいずれにも空孔を有する活物質を用い、かつ前記活物質の表面及び空孔内部に炭素導電性材料が導入されていることにより、活物質の構造の一部が崩壊した際に亀裂進展の端点となる空孔付近での導電性ネットワークが維持され、サイクル特性を向上する相乗効果が得られたことを示している。
本発明で得られた非水系二次電池用負極活物質は、容量に優れた大型リチウムイオン二次電池を必要とされる移動体や定置型電力貯蔵の電源への適用が期待できる。
1 負極活物質
2 導電剤
3 結着剤
4 集電体
5 空孔
6 導電性材料
7 内核部
8 外周部
9 内核部の空孔
10 外周部の空孔
11 正極板
12 負極板
13 セパレータ
14 正極リード
15 負極リード
16 電池缶
17 パッキン
18 絶縁板
19 密閉蓋部

Claims (15)

  1. シリコンないしスズのいずれかと、リチウムと反応しない元素から選ばれた少なくとも1種の元素とからなり、かつ、一次粒子内部の内核部と外周部のいずれにも空孔を有し、かつ、前記一次粒子の表面の少なくとも一部が導電性材料に被覆されており、かつ、前記空孔の少なくとも1つの内部に前記導電性材料が導入されており、かつ、前記導電性材料が炭素であることを特徴とする非水系二次電池用負極活物質。
  2. 請求項1に記載の非水系二次電池用負極活物質において、前記導電性材料がカーボンナノチューブ,カーボンナノファイバ,カーボンナノホーンのいずれかであることを特徴とする非水系二次電池用負極活物質。
  3. 請求項1または請求項2に記載の非水系二次電池用負極活物質において、前記空孔の重心間距離の平均偏差を前記空孔の重心間距離の平均で割った値である分散度が1以下であることを特徴とする非水系二次電池用負極活物質。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の非水系二次電池用負極活物質において、前記一次粒子の平均粒子径が50μm以下であることを特徴とする非水系二次電池用負極活物質。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の非水系二次電池用負極活物質において、前記空孔の平均空孔径が1μm以下であることを特徴とする非水系二次電池用負極活物質。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の非水系二次電池用負極活物質において、前記空孔の空孔率が5%以上であることを特徴とする非水系二次電池用負極活物質。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の非水系二次電池用負極活物質において、前記シリコンまたはスズの平均結晶子径が5μm以下であることを特徴とする非水系二次電池用負極活物質。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の非水系二次電池用負極活物質において、前記空孔の平均空孔間距離が3μm以下であることを特徴とする非水系二次電池用負極活物質。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の非水系二次電池用負極活物質において、前記導電性材料の平均長さが前記活物質の平均空孔間距離以上であることを特徴とする非水系二次電池用負極活物質。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれかに記載の非水系二次電池用負極活物質において、前記導電性材料の平均直径が前記活物質の空孔の平均直径未満であることを特徴とする非水系二次電池用負極活物質。
  11. 請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の非水系二次電池用負極活物質において、シリコンまたはスズが10重量%以上含まれることを特徴とする非水系二次電池用負極活物質。
  12. 請求項1ないし請求項11のいずれかに記載の非水系二次電池用負極活物質において、前記リチウムと反応しない元素がバナジウム,クロム,マンガン,鉄,コバルト,ニッケル,銅,亜鉛,銀,金,インジウム,チタン,ジルコニウムから選ばれた少なくとも1種の元素であることを特徴とする非水系二次電池用負極活物質。
  13. 請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の非水系二次電池用負極活物質において、一次粒子内部の内核部と外周部のいずれにも空孔を有する粒子を溶湯急冷法により作製し、前記粒子の空孔に導電性物質を導入することにより作製したことを特徴とする非水系二次電池用負極活物質。
  14. 請求項1ないし請求項13のいずれかに記載の非水系二次電池用負極活物質において、前記一次粒子内部の内核部と外周部のいずれにも空孔を有する粒子を単ロール法で作製したことを特徴とする非水系二次電池用負極活物質。
  15. 正極と負極とセパレータと電解液を含み、前記負極の負極活物質として請求項1ないし請求項14のいずれかに記載の非水系二次電池用負極活物質を用いることを特徴とする非水系二次電池。
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