JP2003226510A - 炭素材料及びその製造方法並びにその用途 - Google Patents
炭素材料及びその製造方法並びにその用途Info
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Abstract
電池、該二次電池の負極材料、および負極材料に適した
炭素材料を提供すること。 【解決手段】 重合体を含む組成物を炭素質粒子の少な
くとも一部の表面に付着させる工程、該炭素質粒子に繊
維状炭素を混合する工程、次いで該炭素質粒子を熱処理
する工程を含む製造方法で得られる炭素材料、該炭素材
料を負極材料に用いた二次電池、リチウム二次電池。
Description
サイクル特性に優れた二次電池を構成することができ
る、二次電池の負極材として繊維状炭素を表面に具備し
ている炭素質粒子の炭素材料に関する。本発明はまた、
当該炭素材料の製造方法に関するものである。
はリチウム金属あるいはリチウム金属合金が使用されて
いたが、充放電反応を繰り返すとその結晶構造が崩壊
し、その結果電池としての早期劣化を招いていた。ま
た、充放電反応とともに負極材上に針状のリチウム金属
結晶が成長し、それがセパレーターを破り短絡が起きる
という問題点があった。現在、この問題点は負極材とし
て炭素材料を用いることで解決され、実用化に至ってお
り、黒鉛層間にリチウムイオンを挿入、脱離させること
で充放電反応を行うことで、安定したサイクル特性を得
られるようになった。
ないため、しばしば導電性付与剤が用いられてきた。具
体的にはカーボンブラック、ファーネスブラック、気相
成長炭素繊維が挙げられる。中でも、多方向に枝分かれ
している気相成長炭素繊維は、負極活物質を気相成長炭
素繊維で絡めることにより負極全体の電気伝導性が上が
る効果がある。また、電流の通り道が負極活物質の接触
点だけでなく、気相成長炭素繊維もその通り道になると
考えられ、大電流を流した時にも放電容量の低下を抑え
る効果がある。
の方法で、負極活物質と気相成長炭素繊維を混合、ある
いは混練しなくてはならないが、これまで乾式の単純な
混合(特開平5−174820号公報)や、高剪断性攪
拌機による混合(特開平10−162811号公報、特
開平6−333559号公報)などが行われてきたが、
その際に気相成長炭素繊維が毛玉状となり負極全体に分
散できない問題が多くあった。
長繊維または炭素ナノチューブを成長させたもの(特開
平2001−196064号公報)も提案されている
が、工程が複雑で大量に製造するのに経済性が問題であ
る。
となる炭素材料に導電性付与材を別途加えることなく、
大電流負荷特性、サイクル特性に優れた二次電池、特に
リチウムイオン二次電池を作成することができる、リチ
ウムイオン二次電池の負極材料に適した炭素材料、およ
び当該炭素材料を製造する方法を提供することである。
には、負極活物質となる粉体炭素材料の粒子表面に導電
性に優れた繊維状炭素(炭素繊維)を具備させることで
ある。
素材料を製造するには、炭素質に接着性を有する重合体
を炭素質粒子の少なくとも一部の表面に付着し、その後
に繊維状炭素、例えば気相法炭素繊維を添加、混合し
て、次いで加熱処理を行う。
フルフリルアルコール樹脂等の熱硬化性樹脂を炭化した
ガラス状炭素は、不透過性に優れている事が知られてい
る。従って、電解液との反応性が高い表面部分を被覆す
るには適した材料であると言える。また、ピッチなどに
比べて取り扱いも容易である。
材もしくは母材炭素材料という)において、例えば重合
体として皮膜用炭素材料原料である桐油、アマニ油等の
乾性油またはその脂肪酸を含むフェノール樹脂を、黒鉛
化前あるいは黒鉛化後の炭素質粒子の表面に付着し、繊
維状炭素を混合させた後、熱処理(加熱硬化、焼成、黒
鉛化など)する。
部の表面に付着させる工程、該炭素質粒子に繊維状炭素
を混合する工程、次いで該炭素質粒子を熱処理する工程
を含む炭素材料の製造方法、 2) 重合体が、炭素に接着性を有する重合体を含む重
合体であることを特徴とする上記1に記載の炭素材料の
製造方法、 3) 重合体が、フェノール樹脂、ポリビニルアルコー
ル樹脂、フラン樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン樹
脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂からなる群から選択
される少なくとも1種を含む重合体であることを特徴と
する上記1または2に記載の炭素材料の製造方法、 4) 熱処理する工程が、ホウ素化合物を添加して非酸
化性雰囲気下で熱処理することを特徴とする上記1乃至
3のいずれかひとつに記載の炭素材料の製造方法、 5) 熱処理する工程が、2000℃以上の温度で行う
焼成工程である上記1乃至4のいずれかひとつに記載の
炭素材料の製造方法、 6) 炭素質粒子が黒鉛粒子であって、繊維状炭素がX
線回折法による(002)面の面間隔d002が0.33
95nm以下の炭素からなるものであり、熱処理する工
程が50℃以上2000℃未満の温度で行うことを特徴
とする上記1乃至4のいずれかひとつに記載の炭素材料
の製造方法、 7) 繊維状炭素が、内部に中空構造を有し、外径2〜
1000nm、アスペクト比10〜15000である気
相成長炭素繊維であることを特徴とする上記1乃至6の
いずれかひとつに記載の炭素材料の製造方法、 8) 気相成長炭素繊維が、分岐状繊維であり、かつ分
岐部分の中空構造が連通している上記7に記載の炭素材
料の製造方法、 9) 気相成長炭素繊維を炭素質粉体に対して0.1〜
20質量%混合することを特徴とする上記7または8に
記載の炭素材料の製造方法、 10) 上記1乃至9のいずれかひとつに記載の炭素材
料の製造方法によって得られた炭素材料、 11) 炭素質粉体の平均粒径が、5〜70μmである
上記10に記載の炭素材料、 12) 炭素質粉体の平均粒径が、3μm以下及び/ま
たは85μm以上の粒子を実質的に含まない上記11に
記載の炭素材料、 13) 上記10乃至12のいずれかひとつに記載の炭
素材料と、バインダーを含む電極ペースト、 14) 上記13に記載の電極ペーストを導電性基材に
施用して得られた電極、 15) 上記13に記載の電極ペーストを導電性基材に
塗布して得られた電極、 16) 上記14または15に記載の電極を構成要素と
する二次電池、及び 17) 非水電解液及び電解質を用いた二次電池におい
て、該非水電解液がエチレンカーボネート、ジエチルカ
ーボネート及びプロピレンカーボネートからなる群から
選ばれた少なくとも1種である上記16に記載の二次電
池。
子の集合体であり、各構成固体粒子間に適度の相互作用
力が働いている状態」である。炭素質粉体の形状として
は、塊状、鱗片状、球状、繊維状等の粒子形状を有する
ものでよく、有機化合物、または天然有機化合物を焼成
したもの、メソカーボン小球体焼成品、樹脂焼成品、石
油系コークス、石炭系コークス、天然黒鉛、人造黒鉛等
の一種類もしくは二種類以上が利用できる。
粒度分布測定器による中心粒径D50が0.1〜100
μm程度であることが好ましい、より好ましくは5〜7
0μmであり、3μm以下及び/または85μm以上の
粒子を実質的に含まない粒度分布がよい。
り、充放電反応に伴う副反応の割合が大きくなり、充放
電効率が著しく低減するからである。反対に粒子が大き
いと粒子間にできる間隙が大きくなり、そのために充填
密度が下がる。また、粒子と粒子の接触箇所が減少する
ことにより電流の通り道が減少し、大電流負荷特性、サ
イクル特性が著しく低減する。さらに、限られた体積中
に負極電極を納めなくてはならないことから、電極の厚
さが制限される場合、粒子が大きいとその制限を越えて
しまう恐れがある。
法、分級方法を利用することができる。粉砕装置として
は、具体的にはハンマーミル、ジョークラッシャー、衝
突式粉砕器等が挙げられる。また、分級方法には気流分
級、篩による分級が可能である。気流分級装置としては
例えばターボクライファイヤー、ターボプレックス等が
挙げられる。負極活物質となる粉体炭素材料は放電容量
が大きく、充放電効率の高いものが必要であるが、これ
は2000℃以上の加熱を行うことによって、解決され
る。さらに放電容量、充放電効率を向上させるために、
加熱処理前に黒鉛化を促進させる働きのあるホウ素など
を加えて、高結晶化を行うことも有効である。
に接着性を有する重合体であることが好ましい。接着性
を有する重合体は、炭素質粒子と繊維状炭素を離れない
ように接触させた状態に着けるためにその両物体の間に
介在することで共有結合、ファンデルワールス力、水素
結合等の化学接着、類似物質(炭素質)の拡散による物
理的接着を生じて両物体を一体化した状態にするもので
ある。混合、攪拌、溶媒除去、熱処理等の処理におい
て、繊維状炭素の剥離、脱落が実質的に起きない程度に
圧縮、曲げ、剥離、衝撃、引っ張り、引き裂き等の力に
対して抵抗力を示すものであれば接着性を有する重合体
として適用できる。
脂、ポリビニルアルコール樹脂、フラン樹脂、セルロー
ス樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ
樹脂からなる群から選択される少なくとも1種がよい。
好ましくは、フェノール樹脂、ポリビニルアルコール樹
脂で、さらに好ましくはフェノール樹脂である。
脂肪酸を混合したフェノール樹脂を用いると緻密な炭素
材が得られる。これは、フェノール樹脂と乾性油中の不
飽和脂結合の部分が化学反応を起こして、いわゆる乾性
油変性フェノール樹脂となるが、これが熱処理(または
焼成)過程において分解を和らげ、発泡を防ぐことが推
測される。また、乾性油は単に二重結合があると言うだ
けではなく、かなり長いアルキル基とエステル結合を有
しており、これらも焼成過程におけるガスの抜け易さ等
の面で関与していることが考えられる。
ド類との反応によりつくられ、ノボラック、レゾール等
の未変性フェノール樹脂や一部変性されたフェノール樹
脂が使用できる。また、必要に応じてニトリルゴム等の
ゴムをフェノール樹脂に混合して使用できる。例えば、
フェノール類としては、フェノール、クレゾール、キシ
レノール、C20以下のアルキル基を有するアルキルフ
ェノールが挙げられる。
たフェノール樹脂には、先にフェノール類と乾性油とを
強酸触媒存在下に付加反応させ、その後に塩基性触媒を
加えて系を塩基性にして、ホルマリン付加反応させたも
の、またはフェノール類とホルマリンを反応させ、その
後に乾性油を加えたものでよい。
水ヒマシ油、大豆油、カシューナッツ油等であり、これ
らはその脂肪酸であってもよく、薄膜にして空気中に放
置すると比較的短時間に固化乾燥する性質を有する植物
油である。
脂肪酸の割合は、例えば(フェノールとホルマリンの縮
合物)100質量部に対し、(乾性油またはその脂肪
酸)5〜50質量部が適する。50質量部より多くなる
と、接着性が下がり繊維状炭素の密度が下がる。5質量
部より少なくなると緻密な炭素材が得られない。
場合、重合体をアセトン、エタノール、トルエン等で希
釈して粘度を調整すると付着しやすい。
一部、好ましくは全面に均一、不均一によらず実質的に
付着していればよい。
下)、加圧下、減圧下のいずれであっても良いが、減圧
下で付着させる場合には、炭素質粉体と重合体の親和性
が向上するので好ましい。
えばフェノール樹脂添加量は、好ましくは2質量%〜3
0質量%、さらに好ましくは4質量%〜25質量%、さ
らに好ましくは6質量%〜18質量%である。
付着した炭素質粒子と、繊維状炭素を混合し、攪拌処理
させることができる。攪拌方法としては特に限定されな
いが、例えば、リボンミキサー、スクリュー型ニーダ
ー、スパルタンリューザー、レディゲミキサー、プラネ
タリーミキサー、万能ミキサー等の装置を使用すること
ができる。
及び重合体の成分及び粘度等に応じて適宜選択される
が、通常0℃〜50℃程度、好ましくは10℃〜30℃
程度の範囲とする。あるいは混合物の粘度が混合温度下
で500Pa・s以下になるように混合時間及び組成物
の溶媒希釈を行う。この場合、溶媒としては重合体、繊
維状炭素との親和性が良好なものであれば使用できる
が、アルコール類、ケトン類、芳香族炭化水素、エステ
ル類等が挙げられる。好ましくはメタノール、エタノー
ル、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、トル
エン、酢酸エチル、酢酸ブチル等がよい。
体が付着し、繊維状炭素が炭素質粒子に接着した状態が
得られるのであれば、炭素質粉体、重合体を含む組成
物、繊維状炭素を共に混合してもよい。繊維状炭素、例
えば、気相成長炭素繊維の添加量は炭素質粉体に対して
0.1〜20質量%、好ましくは1〜15質量%、さら
に好ましくは2〜10質量%である。
全部を除去することが好ましい。除去方法は、熱風乾
燥、真空乾燥等公知の方法が使用できる。
気圧等によるが、具体的には50℃以上、好ましくは1
00℃以上1000℃以下、さらに好ましくは150℃
以上500℃以下である。
使用できる。しかし、製造プロセスとしては連続処理が
可能なロータリーキルンやベルト式連続炉などが生産性
の点で好ましい。
ーカレーションによる充放電容量を高めるには炭素材料
の結晶性を向上させることが望ましい。炭素の結晶性は
一般的に最高熱履歴(熱処理温度が最も高い時の温度を
示す)と共に向上するため、電池性能的には熱処理温度
は高い方が好ましい。2000℃以上での熱処理がよい
が、好ましくは2500℃以上、さらに好ましくは28
00℃以上、特に好ましくは3000℃以上である。
いが、被加熱物が微粒子であることから、粒子の中心部
まで熱が伝われば基本的には十分に性能を発揮する。ま
た、保持時間が短い方がコスト的にも好ましい。例え
ば、平均粒径20μm程度の炭素質粉体では中心部まで
最高温度に到達してから30分以上、好ましくは10分
以上、さらに好ましくは5分以上保持すればよい。
人造黒鉛等のすでに炭素の結晶が発達した炭素質粉体
(母材)に重合体を含む組成物を付着する場合について
は、付着後の付着材自身にもある程度の熱処理が必要
で、50〜2000℃好ましくは80〜1500℃、更
に好ましくは100〜1200℃である。母材が十分に
炭素の結晶が発達していない場合は、50〜2000℃
で付着材の熱処理を行うこともできるが、母材の炭素の
結晶を発達させる目的で2000℃以上、好ましくは2
400℃以上、さらに好ましくは2700℃以上、特に
好ましくは2900℃以上の熱処理を行うことも可能で
ある。この場合には、中心部までに最高温度が到達して
いなくてもよく、実質的に皮膜の炭素材料表面への接着
性、皮膜の強度等が実用に達していればよい。
装置における最速昇温速度及び最低昇温速度の範囲内で
は特に性能に大きく影響しない。しかし、粉体であるた
め、成形材等のようにひび割れの問題などがほとんどな
いため、コスト的な観点からも昇温速度は早いほうがよ
い。常温から最高到達温度までの到達時間は好ましくは
12時間以下、さらに好ましくは6時間以下、特に好ま
しくは2時間以下である。
炉など公知の装置が利用できる。また、これらの装置は
コスト的にも有利である。しかし、窒素ガスの存在が粉
体の抵抗を低下させたり、酸素による酸化によって炭素
材料の強度が低下することがあるため、好ましくは炉内
雰囲気をアルゴン、ヘリウムなどの不活性ガスに保持で
きるような構造の炉が好ましい。例えば容器自体を真空
引き後ガス置換可能なバッチ炉や、管状炉で炉内雰囲気
をコントロール可能なバッチ炉あるいは連続炉などであ
る。
て、必要に応じて公知のホウ素、ベリリウム、アルミニ
ウム、ケイ素、その他の黒鉛化触媒を使用することがで
きる。
子と置換して入ることが可能であり、その際、炭素炭素
結合が一度切断され、再度結合するというような結晶構
造の再構築が起こると考えられる。従って、黒鉛結晶が
やや乱れた部分についても、結晶構造の再構成により、
高い結晶性の粒子にすることが可能となると考えられ
る。炭素皮膜層にホウ素(ホウ素元素)が含まれると
は、ホウ素が一部固溶して、炭素表面、炭素六角網面の
積層体層間に存在したり、炭素原子とホウ素原子が一部
置換した状態をいう。
を生成する物質であればよく、ホウ素、炭化ホウ素、ホ
ウ素酸化物、有機ホウ素酸化物等の固体、液体、さらに
は気体でもよい、例えば、B単体、ホウ酸(H3B
O3)、ホウ酸塩、酸化ホウ素(B 2O3)、炭化ホウ素
(B4C)、BN等使用できる。
合物の化学的特性、物理的特性に依存するために限定さ
れないが、例えば炭化ホウ素(B4C)を使用した場合
には、熱処理する炭素粉体に対して0.05〜10質量
%、好ましくは0.1〜5質量%の範囲がよい。
素質粉体の粒度を調整する場合は、熱処理後に特に調整
する必要はないが、融着、凝集している場合には弱く解
砕した後、気流分級などを実施することができる。分級
は好ましくはメッシュによる篩を行うのが操作上簡便で
よい。
均粒径で5〜70μmが好ましいが、好ましくは8〜3
0μm、さらに好ましくは10〜25μmである。この
平均粒径はレーザー回折散乱法で求めることができる。
平均粒径が5μmより小さいとアスペクト比が大きくな
りやすく、比表面積が大きくなりやすい。また、例え
ば、電池の電極を作製する場合、一般に炭素材料をバイ
ンダーによりペーストとし、それを塗布する方法が採ら
れている。炭素材料の平均粒径が5μm未満の場合だ
と、5μmより小さい微粉がかなり含まれていることに
なり、ペーストの粘度が上がり塗布性も悪くなる。
きな粒子が混入していると電極表面に凹凸が多くなり、
電池に使用されるセパレータを傷つける原因ともなる。
例えば、3μm以下の粒子及び85μm以上の粒子を実
質的に含まない(5質量%以下)粉体は平均粒径は8〜
30μmとなる。
素は導電性に優れていて、結晶化度の高いものが望まし
い。また、当該粉体炭素材料を電極材料として用い、リ
チウムイオン二次電池に組み込んだ場合、負極全体に素
早く電流を流すためには、繊維状炭素繊維の結晶成長方
向は繊維軸に平行であり、繊維が枝分かれ(分岐状)を
していることが好ましい。
れば、繊維の相互連結やもつれにより、微細な空間、通
路を形成することによって電解液浸透を容易にしたり隣
接した炭素質粒子間のネットワークを形成することによ
り電導度が向上する。この繊維状炭素としてピッチ系炭
素繊維、気相成長炭素繊維などを用いることができる
が、本発明を達成するためには、繊維軸方向に結晶が成
長し、繊維が枝分かれをしている気相成長炭素繊維が適
している。気相成長炭素繊維は、例えば、高温雰囲気下
に触媒となる遷移金属と共にガス化された有機化合物を
吹き込むことで製造することができる。
も、例えば800〜1500℃で熱処理したものでも、
例えば2000〜3000℃で黒鉛化処理がされたもの
でもいずれも使用可能であるが、生成されたままのもの
あるいは1500℃程度で熱処理されたものがより好適
である。
い形態として、分岐状繊維があるが、分岐部分はその部
分を含めて繊維全体が互いに連通した中空構造を有して
いる。そのため繊維の円筒部分を構成している炭素層が
連続している。中空構造とは炭素層が円筒状に巻いてい
る構造であって、完全な円筒でないもの、部分的な切断
箇所を有するもの、積層した2層の炭素層が1層に結合
したもの、などを含む。また、円筒の断面は完全な円に
限らず楕円や多角化のものを含む。なお、炭素層の結晶
性について炭素層の面間隔d002は限定されない。因み
に、好ましいものはX線回折法によるd002が0.33
95nm以下、より好ましくは0.338nm以下であ
って、結晶のC軸方向の厚さLcが40nm以下のもの
である。本発明の気相成長炭素繊維は、繊維外径2〜1
000nm及びアスペクト比10〜15000の炭素繊
維であって、好ましくは繊維外径50〜500nm、繊
維長1〜100μm(アスペクト比2〜2000)、あ
るいは繊維外径2〜50nmであって繊維長0.5〜5
0μm(アスペクト比10〜25000)のものであ
る。
処理を行うことでさらに結晶化度を上げることができ、
導電性を増すことができる。また、この場合に於いて
も、前述の結晶化度を促進させる働きのあるホウ素など
を熱処理前に添加しておくことが有効である。また、製
造において二回以上の熱処理工程を行うことはコスト的
に不利であるので、粉砕、分級した粉体炭素材料原料、
及び未黒鉛化の気相成長炭素繊維とを重合体を介して接
着させた後、2000℃以上の熱を加えることによって
も、本発明の粉体炭素材料を完成させることができる。
いてリチウム二次電池を作製する場合には公知の方法が
使用できる。
積は小さい方がよい。本発明の炭素材料の比表面積(B
ET法)は3m2/g以下である。比表面積が3m2/g
を超えると炭素材料の表面活性が高くなり、電解液の分
解等によって、クーロン効率が低下する。さらに、電池
の容量を高めるためには炭素材料の充填密度を上げるこ
とが重要である。そのためにもできるだけ球状に近いも
のが好ましい。この粒子の形状をアスペクト比(長軸の
長さ/短軸の長さ)で表すとアスペクト比は6以下、好
ましくは5以下である。アスペクト比は顕微鏡写真等か
ら求めることができるが、レーザー回折散乱法で算出し
た平均粒子径Aと電気的検検知法(コールタ・カウンタ
法)により算出した平均粒子径Bから粒子を円板と仮定
し、この円板の底面直径をA、体積を4/3×(B/
2)3π=Cとした場合、円板の厚みT=C/(A/
2)2πで算出できる。従ってアスペクト比はA/Tで
得られる。
がよい、嵩密度が高い方が単位体積当たりの放電容量は
高くなる。本発明の炭素材料はタッピング嵩密度が0.
8g/cm3以上、好ましくは0.9g/cm3以上であ
る。タッピング嵩密度の測定は、一定量の炭素材料
(6.0g)を15mmφの測定用セルに入れ、タッピ
ング装置にセットする。落下高さを46mm、タッピン
グ速度を2秒/回とし、400回自由落下させた後、そ
の体積を測定する。そして質量と体積の関係から嵩密度
を算出する。
は特に制約はなく、公知の作製方法で構わない。電極の
製造方法としては、本発明の炭素材料を含み、有機系の
バインダー(結着材)とその溶媒、好ましくは電子導電
性付与剤(導電性物質)の粉末とともに混練されてペー
スト状の合剤となり、この電極ペーストを導電性基材に
施用して、例えば、噴霧、スピン−コーティング(spin
-coating)、ブレード−コーティング(blade-coatin
g)、静電吹き付け、スクリーン印刷、塗装等によって
行うことができる。中でも、スピン−コーティング(sp
in-coating)、ブレード−コーティング(blade-coatin
g)、スクリーン印刷、塗装による塗布が好適である。
と相性がよいものであれば特に限定はされないが、ポリ
フッ化ビニリデンやポリテトラフルオロエチレン等のフ
ッ素系ポリマーや、SBR(スチレンブタジエンラバ
ー)等のゴム系等公知のものが使用できる。
く、バインダーと相溶性のよいものであれば公知のも
の、バインダーが、例えばフッ素系ポリマーならトルエ
ン、N−メチルピロリドン等、SBRなら水等、公知の
ものが使用できる。
0質量部とした場合、1〜30質量部が適当であるが、
特に3〜20質量部程度が好ましい。
サー、スクリュー型ニーダー、スパルタンリューザー、
レディゲミキサー、プラネタリーミキサー、万能ミキサ
ー等、公知の装置が使用できる。
分を列挙したが、本発明の目的を損なわない限り、他の
成分を添加することも可能である。例えば、各種無機微
粒子を添加することにより、粘度制御/溶媒保持性/熱
安定性が改善され、耐久性、安全性、信頼性が改善され
る。また、場合によっては、無機微粒子と電解質塩、重
合体との相互作用により、逆にイオン伝導度、移動度を
増加することもある。
性、電気化学的に安定なものが選ばれる。またイオン伝
導性で有ればさらに好ましい。具体的にはα、β、γ−
アルミナ、シリカ等のイオン伝導性または非電導性セラ
ミックス微粒子が挙げられる。
場合の強度の観点から、無機微粒子は一次粒子が凝集し
た二次粒子構造をもつものが好ましい。このような構造
を持つ無機微粒子の具体例としてはアエロジル(日本ア
エロジル(株)製)のようなシリカ超微粒子、アルミナ
超微粒子が挙げられ、安定性、複合効率からアルミナ超
微粒子がさらに好ましい。無機微粒子の比表面積はでき
るだけ大きいことが好ましく、BET法で5m2/g以
上が好ましく、50m2/g以上がさらに好ましい。こ
のような無機微粒子のサイズとしては、平均粒径として
は0.01μm〜100μmが好ましく、0.01μm〜20μ
mがさらに好ましい。無機微粒子の添加量は多すぎると
電極の抵抗増、粘度増大、強度低下等の問題を生じる。
従って好ましい添加量としては、バインダーに対して3
0質量%程度以下が好ましく、0.1から20質量%程
度の範囲が好ましい。
ス、ニッケル及びそれらの合金など公知の材料が使用で
きる。
が、電極間に必要に応じて介在させるセパレータとして
は、イオンを透過する多孔質セパレータであればよく、
微孔性ポリエチレンフィルム、微孔性ポリプロピレンフ
ィルム、ポリエチレン不織布、ポリプロピレン不織布、
ガラス繊維混抄不織布、ガラスマットフィルタ等が好ま
しく使用できる。特にポリエチレンやポリプロピレン性
の不織布が好ましい。
電解液及び電解質は公知の有機電解液、無機固体電解
質、高分子固体電解質が使用できる。好ましくは、電気
伝導性の観点から有機電解液がよい。
ジブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエー
テル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレ
ングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコー
ルモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテ
ル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレン
グリコールフェニルエーテル等のエーテル;ホルムアミ
ド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルム
アミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホ
ルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチ
ルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジ
エチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミ
ド、ヘキサメチルホスホリルアミド等のアミド;ジメチ
ルスルホキシド、スルホラン等の含硫黄化合物;メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン等のジアルキル
ケトン;エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テト
ラヒドロフラン、2−メトキシテトラヒドロフラン、
1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジオキソラン等の
環状エーテル;エチレンカーボネート、プロピレンカー
ボネート等のカーボネート;γ−ブチロラクトン;N−
メチルピロリドン;アセトニトリル、ニトロメタン等の
有機溶媒の溶液が好ましい。さらに、好ましくはエチレ
ンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカー
ボネート、ジメチルカーボネート、プロピレンカーボネ
ート、ビニレンカーボネート、γ-ブチロラクトン等の
エステル類、ジオキソラン、ジエチルエーテル、ジエト
キシエタン等のエーテル類、ジメチルスルホキシド、ア
セトニトリル、テトラヒドロフラン等が上げられ、特に
好ましくはエチレンカーボネート、プロピレンカーボネ
ート等のカーボネート系非水溶媒を用いることができ
る。これらの溶媒は、1種または2種以上の混合を行っ
て使用することができる。
ウム塩が使用される。一般的に知られているリチウム塩
にはLiClO4、LiBF4、LiPF6、LiAlC
l4、LiSbF6、LiSCN、LiCl、LiCF3
SO3、LiCF3CO2、LiN(CF3SO2)2等があ
る。
オキサイド誘導体及び該誘導体を含む重合体、ポリプロ
ピレンオキサイド誘導体及び該誘導体を含む重合体、リ
ン酸エステル重合体、ポリカーボネート誘導体及び該誘
導体を含む重合体等が挙げられる。
ム二次電池において、正極活物質にリチウム含有遷移金
属酸化物(化学式LiXMO2、ただし、MはCo、N
i、Mn、Feから選ばれる1種以上の遷移金属、Xは
0≦X≦1.2の範囲)を用いることにより安全性や高
率充放電特性に優れるリチウム二次電池を得ることがで
きる。正極活物質は特にLiXCoO2、LiXNiO2、
LiXMn2O4、及びそれらのCo、Ni、Mnの一部
を他の遷移金属などの元素で置換したものが好適であ
る。
ついては何ら制約を受けるものではない。
らに具体的に説明する。なお、これらは説明のための単
なる例示であって、本発明はこれらに何等制限されるも
のではない。
には桐油で一部変性したフェノール樹脂を用いた。桐油
100質量部とフェノール150質量部、ノニルフェノ
ール150質量部を混合して50℃に保持する。これに
0.5質量部の硫酸を加えて攪拌し、徐々に昇温して1
20℃で1時間保持し、桐油とフェノール類との付加反
応を行った。その後温度を60℃以下に下げ。ヘキサメ
チレンテトラミンを6質量部と37質量%ホルマリン1
00質量部を加え、90℃で約2時間反応し、その後真
空脱水した後、メタノール100質量部、アセトン10
0質量部を加えて希釈し、粘度20mPa・s(20
℃)のワニスを得た。以下、本ワニスをワニスAとい
う。
(フッ化ビニリデン樹脂PVDFを12質量%含有した
N−メチルピロリドン(NMP)溶液品)0.1質量部
を加え、プラネタリーミキサーにて混練し主剤原液とし
た。
箔上でドクターブレードを用いて250μm厚に塗布し
た。これを120℃、1hr真空乾燥し、18mmφに
打ち抜いた。さらに、打ち抜いた電極を超鋼製プレス板
で挟み、プレス圧が電極に対して1×103〜3×103
kg/cm2となるようにプレスした。その後、真空乾
燥器で120℃12hr乾燥後し、評価用電極とした。
露点−80℃以下の乾燥アルゴン雰囲気下で実施した。
セル(内径約18mm)内において、上記(2)で作製
の銅箔付き炭素電極(正極)と金属リチウム泊(負極)
をセパレーター(ポリプロピレン製マイクロポーラスフ
ィルム(セルガード2400))で挟み込んで積層し
た。さらにリファレンス用の金属リチウムを同様に積層
した。これに電解液を加えて試験用セルとした。
びDEC(ジエチルカーボネート)12質量部の混合品
で、電解質としてLiPF6を1モル/リットル溶解し
た。
低電圧充放電試験を行った。
ポテンシャルから0.002Vまで0.2mA/cm2
でCC(コンスタントカレント:定電流)充電を行っ
た。次に0.002VでCV(コンスタントボルト:定
電圧)充電に切り替え、電流値が25.4μAに低下し
た時点で停止させた。
m2(0.1C相当)でCC放電を行い、電圧1.5V
でカットオフした。
して、平均粒径(D50=20μm)に調整した炭素質
粉体(19.8g)に炭化ホウ素(0.2g)を添加し
混合した。その後、ワニスAの樹脂固形分換算で5.4
質量部にエタノール12.6質量部を加えて攪拌し、十
分に溶解させた溶液を変成フェノール樹脂固形分が1.
3質量%となるように加え、プラネタリーミキサーにて
30分間混練した。さらに、2800℃で黒鉛化した気
相成長炭素繊維(平均径150nm、平均繊維長20μ
m)を10質量%加えて混練した。混錬物を真空乾燥機
にて80℃で2時間乾燥し、エタノールを除去した。次
にこの混練物を加熱炉にて、この内部を真空置換してア
ルゴン雰囲気下とした後、アルゴンガスを流しつつ昇温
した。2900℃で10分間保持してその後冷却した。
室温まで冷却後、得られた熱処理品を目開き63μmの
篩により篩い分けし、その通過物(篩下品)に本発明の
粉体炭素材料を得た。得られた炭素材料の電子顕微鏡観
察(SEM)を行ったところ、図1に示すように繊維状
炭素(気相成長炭素繊維)が炭素質粉体表面に付着して
いる状態が観察できた。これを単セル式の電池評価装置
にかけ、電池評価電解液はEC系を使用した。大電流負
荷(0.1C及び1.0C)時の電池特性を調べた。結
果を表1に示す。
して、平均粒径(D50=20μm)に調整した炭素質
粉体(19.8g)に炭化ホウ素(0.2g)を添加し
混合した。その後、ワニスAの樹脂固形分換算で5.4
質量部にエタノール12.6質量部を加えて攪拌し、十
分に溶解させた溶液を変成フェノール樹脂固形分が1.
3質量%となるように加え、プラネタリーミキサーにて
30分間混練した。さらに、1000℃で熱処理した気
相成長炭素繊維(未黒鉛品)を10質量%加えて混練し
た。次にこの混練物を加熱炉にて、内部を真空置換して
アルゴン雰囲気下とした後、アルゴンガスを流しつつ昇
温した。2900℃で10分間保持してその後冷却し
た。室温まで冷却後、得られた熱処理品を目開き63μ
mの篩により篩い分けし、その通過物(篩下品)に本発
明の粉体炭素材料を得た。これを単セル式の電池評価装
置にかけ、電池評価電解液はEC系を使用した。大電流
負荷(0.1C及び1.0C)時の電池特性を調べた。
結果を表1に示す。
して、平均粒径(D50=20μm)に調整した粉体
(19.8g)に、炭化ホウ素(0.2g)を添加し混
合した。この混合物を加熱炉にて2900℃の熱処理を
行った。こうして得た熱処理品を目開き63μmの篩に
より篩い分けし、その篩下に粉体炭素材料を得た。これ
を単セル式の電池評価装置にかけ、電池評価電解液はE
C系を使用した。大電流負荷(0.1C及び1.0C)
時の電池特性を調べた。結果を表1に示す。
して、平均粒径(D50=20μm)に調整した粉体
(19.8g)に、炭化ホウ素(0.2g)を添加し混
合した。この混合物を加熱炉にて2900℃の熱処理を
行った。こうして得た熱処理品を目開き63μmの篩に
より篩い分けし、その篩下に炭素材料を粉末の状態で得
た。当該炭素材料に、気相成長炭素繊維(炭化ホウ素を
4質量%添加し2900℃の熱処理を行い、黒鉛化した
もの)1質量%を乾式により混合を行った。これを単セ
ル式の電池評価装置にかけ、電池評価電解液はEC系を
使用した。大電流負荷(0.1C及び1.0C)時の電
池特性を調べた。結果を表1に示す。
=25μm))に、ワニスAの樹脂固形分換算で5.4
質量部にエタノール12.6質量部を加えて攪拌し十分
に溶解させた溶液を変成フェノール樹脂固形分が16質
量%となるように加え、万能ミキサーにて30分間混練
した。さらに、1200℃で焼成した気相成長炭素繊維
を3質量%加えて混練した。混錬物を真空乾燥機にて8
0℃で2時間乾燥し、エタノールを除去した。次にこの
混練物を300℃で熱処理を行った後に、加熱炉にてこ
の内部を真空置換してアルゴン雰囲気下とした後、アル
ゴンガスを流しつつ昇温した。2900℃で30分間保
持してその後冷却した。室温まで冷却後、得られた熱処
理品を目開き45μmの篩により篩い分けし、その通過
物(篩下品)に本発明の粉体炭素材料を得た。
池評価電解液はEC(エチレンカーボネート)/DMC
(ジメチルカーボネート)=19/31の混合品で、電
解質としてLiPF6を1モル/リットル溶解したもの
を使用した。
ついては充放電は共に0.2C、5〜50サイクルにつ
いては充放電は共に1.0C(ただし充電はCCCV方
式(CC(定電流)で1.5Vから2mVまで1Cで充
電、その後、CV(定電圧)に切り替えて25μAにな
るまで充電)で行った。得られたサイクル特性の結果を
表2に示す。
=25μm))を単セル式の電池評価装置にかけ、電池
評価電解液はEC(エチレンカーボネート)/DMC
(ジメチルカーボネート)=19/31の混合品で、電
解質としてLiPF6を1モル/リットル溶解したもの
を使用した。
ついては充放電は共に0.2C、5〜50サイクルにつ
いては充放電は共に1.0C(ただし充電はCCCV方
式(CC(定電流)で1.5Vから2mVまで1Cで充
電、その後、CV(定電圧)に切り替えて25μAにな
るまで充電)で行った。得られたサイクル特性の結果を
表2に示す。
=25μm))に、ワニスAの樹脂固形分換算で5.4
質量部にエタノール12.6質量部を加えて攪拌し十分
に溶解させた溶液を変成フェノール樹脂固形分が16質
量%となるように加え、万能ミキサーにて30分間混練
した。混錬物を真空乾燥機にて80℃で2時間乾燥し、
エタノールを除去した。次にこの混練物を300℃で熱
処理を行った後に、加熱炉にてこの内部を真空置換して
アルゴン雰囲気下とした後、アルゴンガスを流しつつ昇
温した。2900℃で30分間保持してその後冷却し
た。室温まで冷却後、得られた熱処理品を目開き45μ
mの篩により篩い分けし、その通過物(篩下品)に本発
明の粉体炭素材料を得た。
池評価電解液はEC(エチレンカーボネート)/DMC
(ジメチルカーボネート)=19/31の混合品で、電
解質としてLiPF6を1モル/リットル溶解したもの
を使用した。
ついては充放電は共に0.2C、5〜50サイクルにつ
いては充放電は共に1.0C(ただし充電はCCCV方
式(CC(定電流)で1.5Vから2mVまで1Cで充
電、その後、CV(定電圧)に切り替えて25μAにな
るまで充電)で行った。得られたサイクル特性の結果を
表2に示す。
3)は50サイクル時(かつ電流負荷(1.0C)のか
かっている条件下で)の容量保持率が、比較例3、4に
比べて高く、サイクル特性が向上していることが判っ
た。
粉体に接着性を有する重合体を介して繊維状炭素を付着
することで容易に導電性に優れた導電性材料を得ること
ができる。
維を表面に具備している本発明の炭素材料を電極材料
(負極活物質)として作製した負極電極は、大電流負荷
特性、サイクル特性に優れた二次電池、リチウムイオン
二次電池を提供することができる。
(倍率5,000倍)
Claims (17)
- 【請求項1】 重合体を含む組成物を炭素質粒子の少な
くとも一部の表面に付着させる工程、該炭素質粒子に繊
維状炭素を混合する工程、次いで該炭素質粒子を熱処理
する工程を含む炭素材料の製造方法。 - 【請求項2】 重合体が、炭素に接着性を有する重合体
を含む重合体であることを特徴とする請求項1に記載の
炭素材料の製造方法。 - 【請求項3】 重合体が、フェノール樹脂、ポリビニル
アルコール樹脂、フラン樹脂、セルロース樹脂、ポリス
チレン樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂からなる群
から選択される少なくとも1種を含む重合体であること
を特徴とする請求項1または2に記載の炭素材料の製造
方法。 - 【請求項4】 熱処理する工程が、ホウ素化合物を添加
して非酸化性雰囲気下で熱処理することを特徴とする請
求項1乃至3のいずれかひとつに記載の炭素材料の製造
方法。 - 【請求項5】 熱処理する工程が、2000℃以上の温
度で行う焼成工程である請求項1乃至4のいずれかひと
つに記載の炭素材料の製造方法。 - 【請求項6】 炭素質粒子が黒鉛粒子であって、繊維状
炭素がX線回折法による(002)面の面間隔d002が
0.3395nm以下の炭素からなるものであり、熱処
理する工程が50℃以上2000℃未満の温度で行うこ
とを特徴とする請求項1乃至4のいずれかひとつに記載
の炭素材料の製造方法。 - 【請求項7】 繊維状炭素が、内部に中空構造を有し、
外径2〜1000nm、アスペクト比10〜15000
である気相成長炭素繊維であることを特徴とする請求項
1乃至6のいずれかひとつに記載の炭素材料の製造方
法。 - 【請求項8】 気相成長炭素繊維が、分岐状繊維であ
り、かつ分岐部分の中空構造が連通している請求項7に
記載の炭素材料の製造方法。 - 【請求項9】 気相成長炭素繊維を炭素質粉体に対して
0.1〜20質量%混合することを特徴とする請求項7
または8に記載の炭素材料の製造方法。 - 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれかひとつに記
載の炭素材料の製造方法によって得られた炭素材料。 - 【請求項11】 炭素質粉体の平均粒径が、5〜70μ
mである請求項10に記載の炭素材料。 - 【請求項12】 炭素質粉体の平均粒径が、3μm以下
及び/または85μm以上の粒子を実質的に含まない請
求項11に記載の炭素材料。 - 【請求項13】 請求項10乃至12のいずれかひとつ
に記載の炭素材料と、バインダーを含む電極ペースト。 - 【請求項14】 請求項13に記載の電極ペーストを導
電性基材に施用して得られた電極。 - 【請求項15】 請求項13に記載の電極ペーストを導
電性基材に塗布して得られた電極。 - 【請求項16】 請求項14または15に記載の電極を
構成要素とする二次電池。 - 【請求項17】 非水電解液及び電解質を用いた二次電
池において、該非水電解液がエチレンカーボネート、ジ
エチルカーボネート及びプロピレンカーボネートからな
る群から選ばれた少なくとも1種である請求項16に記
載の二次電池。
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