JP5655803B2 - 非水電解質二次電池の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、非水電解質二次電池の製造方法の技術に関し、より詳しくは、非水電解質二次電池の高容量化を図るための技術に関する。
近年、ハイブリッド自動車や電気自動車等の普及に伴って、これらに使用する非水電解質二次電池(特にリチウムイオン二次電池)のさらなる高容量化を図るための技術に対するニーズが高まっている。
そして、非水電解質二次電池の高容量化を図るためには、非水電解質二次電池を構成する正極における活物質層(以下、合材層と呼ぶ)の高密度化を図ることが有効であることが知られている。
また、合材層の密度を高めた正極を有する非水電解質二次電池では、非水電解質二次電池の高容量化に伴って、過充電を確実に防止する必要性が高まることから、過充電を防止するための機構である電流遮断機構(CID:Current Interrupt Deviceとも呼ばれる)を備える構成が一般的に採用されている。
そして、このような電流遮断機構を備える非水電解質二次電池では、二次電池に封入される電解液や電極の合材層に、電流遮断機構を作動させるためのガス発生源となる物質(以下、過充電添加剤と呼ぶ)を添加する。過充電添加剤としては、BP(ビフェニル)、CHB(フェニルシクロヘキサン)等が一般的に使用されている。
そして、電流遮断機構を備え、かつ、電解液や電極の合材層に過充電添加剤が添加された非水電解質二次電池に係る技術としては、例えば、以下の特許文献1に示す技術が公知となっている。
特許文献1に係る従来技術では、非水電解質二次電池の一例であるリチウムイオン二次電池が過充電となったときに、過充電添加剤の分解反応を起点としてガスを発生させ、電池内部の圧力を上昇させることにより、電流遮断機構(封口板)を作動(破断)させて、電流を遮断する構成としている。尚以下では、このように、二次電池内部の圧力上昇により作動するタイプの電流遮断機構を「圧力型」の電流遮断機構と呼ぶものとする。
特開2006−324235号公報
過充電添加剤により発生させるガスを作動源とする圧力型の電流遮断機構を備えた非水電解質二次電池では、電流遮断機構の作動圧(機械的特性)に応じた所定のガス発生量を確保する必要がある。
そして、所定のガス発生量を確保する方法としては、例えば、作動圧の低い電流遮断機構を採用したり、あるいは、電池内部の空隙量を小さくしたりする等、より少ないガス発生量で電流遮断機構を作動させる構成とする方法がある。
このような方法では、合材層における電解液の保持量(即ち、合材層の空孔率)を下げることができるため、合材層の高密度化を図ることができ、さらには、過充電添加剤の添加量を減らすこともできる。
しかしながらこのような方法では、電池の温度上昇に伴う内圧上昇により、電流遮断機構の誤作動を引き起こしやすくなるという別の課題が生じる。
また、所定のガス発生量を確保するその他の方法としては、過充電添加剤の添加量を増大させて、あるいは、合材層の空孔率を上げて(即ち、合材層の密度を下げて)、過充電添加剤の反応性を高めることによって、ガス発生量を増大させる方法がある。
しかしながら、合材層の空孔率を上げることは、合材層の密度を下げることに直結するため、非水電解質二次電池の高容量化に反することとなる。
また、過充電添加剤の添加量を増大させたとしても、合材層における空孔率が小さく、過充電添加剤の反応性が低いような状態では、短時間に所定のガス発生量を確保することができないため、電流遮断機構としての機能(過充電時に短時間で電流を遮断する)を確保することができない。
即ち、合材層の高密度化と、ガス発生量の増大という各課題はトレードオフの関係にあることから、従来、非水電解質二次電池の高容量化を図ることが困難であった。
このため、非水電解質二次電池の高容量化を図るべく、過充電添加剤の添加量を極力抑えながら、必要なガス発生量を確保することができる技術の開発が望まれている状況であった。
本発明は、斯かる現状の課題を鑑みてなされたものであり、過充電添加剤の添加量を抑えつつ必要なガス発生量を確保して、合材層の高密度化を図り、高容量化を達成できる非水電解質二次電池の製造方法を提供することを目的としている。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、請求項1においては、圧力型の電流遮断機構と、過充電時に55mL/Ah以上のガス発生量を確保し得る所定量の過充電添加剤を備え、正極における合材層の密度を、2.6g/cm3以上とし前記合材層の透気抵抗度を、250sec/100mL以下とし、かつ、前記合材層の水平電子抵抗を、8.5Ω・cm以下とした非水電解質二次電池の製造方法であって、前記正極を構成する部材の製造工程における前記合材層をプレスする工程において、前記合材層の圧縮率を37.5%以下とし、かつ、前記合材層を複数回プレスして、前記合材層の密度を、2.6g/cm3以上とするものである。
請求項2においては、圧力型の電流遮断機構と、過充電時に55mL/Ah以上のガス発生量を確保し得る所定量の過充電添加剤を備え、正極における合材層の密度を、2.6g/cm3以上とし前記合材層の透気抵抗度を、250sec/100mL以下とし、かつ、前記合材層の水平電子抵抗を、8.5Ω・cm以下とした非水電解質二次電池の製造方法であって、前記正極を構成する部材の製造工程における前記合材層を生成するためのペーストの製造工程において、前記ペーストの混練時における粘度を、せん断速度0.2sec-1の領域において、15000mPa・sec以上とするものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、透気抵抗度の低い正極用材料を、確実に製造することができる。
請求項2においては、透気抵抗度の低い正極用材料を、確実に製造することができる。
フリーフィルムに対する透気抵抗度の測定方法を示す斜視模式図。 合材層に対する水平電子抵抗の測定方法を示す斜視模式図。 合材層の密度が2.8g/cm3である正極用材料における透過抵抗度と過充電時のガス発生量との関係を示す図。 正極用材料の製造工程の流れを示すフロー図。 合材層の密度が2.9g/cm3である正極用材料において、プレス条件を変更した場合の透過抵抗度、水平電子抵抗、ガス発生量の測定結果を示す図。 合材層の密度が2.8g/cm3である正極用材料における、透過抵抗度とマイグレーション指数との関係を示す図。 正極用材料におけるマイグレーション指数と正極用材料を生成するためのペーストの粘度(せん断速度0.2sec-1の領域)との関係を示す図。
次に、発明の実施の形態を説明する。
本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池(例えば、リチウムイオン二次電池)は、高密度な合材層を有する正極と、電流遮断機構を備える構成としている。
尚、本実施形態において「高密度」な合材層と呼ぶものは、密度が2.6g/cm3以上のものに限定している。
これは、合材層の密度が2.6g/cm3未満である正極を有する非水電解質二次電池においては、A)正極における合材層の高密度化と、B)正極における過充電添加剤による発生ガス量の確保、を両立させるという課題が生じず、また、電流遮断機構(CID)を備える必然性が乏しい、と考えられるためである。
そして、本実施形態で示す非水電解質二次電池では、トレードオフの関係にある、A)正極における合材層の高密度化と、B)正極における過充電添加剤による発生ガス量の確保、の両立を図って、非水電解質二次電池における電気容量の高容量化を図ることが可能になっている。
より具体的には、本実施形態で示す非水電解質二次電池では、正極を構成する部材(以下、正極用部材と呼ぶ)に特徴を有しており、1)正極における合材層の透過抵抗度と、2)正極における合材層の水平電子抵抗が、それぞれ所定の閾値以下となるように管理している点に特徴を有している。
ここで、1)正極における合材層の透過抵抗度の測定方法について、図1および図2を用いて説明をする。
正極における合材層の透過抵抗度を測定するためには、まず正極用材料10(図2参照)から集電箔11を除去した態様の(即ち、合材層12のみとした)部材15(以下、フリーフィルム15と呼ぶ)を生成しておく。
そして、このようなフリーフィルム15は、通気性がある多孔質素材となっているため、透過抵抗度の測定を行うことができる。
フリーフィルム15の透過抵抗度の測定は、JISP8117の規格(ガーレー法)に従って、所定の測定機器(所謂デンソメータ)を用いて行う。
より詳しくは、図1に示すように、軸心を鉛直方向に向けて配置される内径28.6mmの筒部20の下端をフリーフィルム15で塞ぐ状態としておき、この状態で筒部20の内径に隙間なく接触する、重量が567gであるおもり21を、上端側から自由落下させる。そして、フリーフィルム15における直径28.6mmの円の範囲で、おもり21により圧縮されるエアーを通過させて、100mLのエアーが通過するのに要する時間(sec)を測定する。
そして、このようにして測定された時間を、透過抵抗度(sec/100mL)として規定している。
次に、2)正極における合材層の水平電子抵抗の測定方法について、図2を用いて説明をする。
正極における合材層の水平電子抵抗の測定では、正極用材料10を構成する合材層12に粘着テープを貼り付けて凝集力を与えた後、集電箔11を10mm幅で除去して、図2に示すような態様のテストサンプル13をまず作成しておく。
そして、このようなテストサンプル13において、集電箔11を除去した部位の両側に残った集電箔11A・11Bを端子として、テスター14により、合材層12の抵抗値を測定する。
このようにして測定された抵抗値を、水平電子抵抗(Ω・cm)として規定している。
本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池は、当該非水電解質二次電池を構成する正極について、前述した透過抵抗度と水平電子抵抗が、それぞれ所定の閾値以下となるように管理して製造されており、これにより、非水電解質二次電池の高容量化を実現する構成としている。
以下、正極における透過抵抗度と水平電子抵抗の具体的な管理方法について、説明をしていく。
次に、非水電解質二次電池を構成する正極用材料10の管理方法について、図3を用いて説明をする。
本実施形態では、密度が2.8g/cm3である合材層12を有する正極用材料10を用いて非水電解質二次電池を製造する場合に、必要な過充電時のガス発生量が55mL/Ah以上であることを前提条件としている。
ここでは、種々の製造方法により製造された、合材層12の密度が2.8g/cm3である正極用材料10・10・・・を比較した実験結果を示す。
より詳しくは、各正極用材料10・10・・・から得た各フリーフィルム15・15・・・について、それぞれ透過抵抗度を測定し、比較している。
また、本実験において正極用材料10の合材層12を浸潰させる電解液には、55mL/Ah以上のガスを発生し得る所定量の過充電添加剤が添加されている。
尚、本実施形態では、本発明に係る非水電解質二次電池として、電解液に過充電添加剤が添加されている構成を例示しているが、本発明に係る非水電解質二次電池は、例えば、合材層(正極用材料)に過充電添加剤が添加されている構成であってもよい。
そして、このような実験における測定結果を図3に示している。
図3からは、種々の製造方法により製造された各正極材料10・10・・・より得た各フリーフィルム15・15・・・では、密度が一定(2.8g/cm3)であっても、透過抵抗度は、ばらついていることが分かる。
即ち、合材層12における透過抵抗度は、正極用材料10の製造方法の如何により、変化することが分かる。
また、図3からは、透過抵抗度と過充電時におけるガス発生量との間には相関があることが分かる。
即ち、密度が一定の各フリーフィルム15・15・・・においては、透過抵抗度が小さいものほど、過充電時におけるガス発生量が多くなる傾向が認められる。これは、透過抵抗度が異なると、合材層12への電解液の浸透度合が変化するため、合材層12(正極)と過充電添加剤との接触頻度に差異が生じるためと考えられる。
また、図3からは、水平電子抵抗が8.5Ω・cm以下の合材層12のほうが、水平電子抵抗が8.5Ω・cmを超える合材層12に比して、ガス発生量が多くなっていることが分かり、また、透過抵抗度が略同じフリーフィルム15・15であっても、水平電子抵抗が異なっていれば、ガス発生量が相違していることが分かる。
即ち、密度が一定の各フリーフィルム15・15・・・においては、水平電子抵抗が小さいほうが、過充電時におけるガス発生量が多くなる傾向が認められる。これは、水平電子抵抗が小さいほど、合材層12における組織分布がより均質(即ち、バインダーによるパッキングレイヤーの生成が少ない)であるため、合材層12(正極)と過充電添加剤との接触頻度が多くなるためと考えられる。
そして、このような測定結果から、前提条件(即ち、密度2.8g/cm3の合材層12を有する正極用材料10を用いて非水電解質二次電池を製造するときに、過充電時のガス発生量として55mL/Ahを確保する)を満足するように正極用材料10を管理するためには、フリーフィルム15の透過抵抗度のみ、あるいは、合材層12の水平電子抵抗のみを指標として管理するのではなく、透過抵抗度と水平電子抵抗の各指標を併用して管理するのが適当であることが分かる。
これは、透過抵抗度が小さく、かつ、水平電子抵抗が小さい合材層12ほど、電解液の浸透性がよく、少ない過充電添加剤で効率よくガスを発生させることが可能であると考えられるためである。
即ち、正極用材料10の管理においては、所望する合材層12の密度に応じて、フリーフィルム15に対する透過抵抗度についての閾値と、水平電子抵抗についての閾値を設定し、フリーフィルム15に対する透過抵抗度の測定結果が閾値以下であって、かつ、フリーフィルム15に対する水平電子抵抗の測定結果が閾値以下である正極用材料10を、良品として評価するようにしている。
具体的には、図3に示すように、合材層12の密度を2.8g/cm3とし、55mL/Ahのガス発生量を確保することを前提条件とする非水電解質二次電池を製造する場合には、透過抵抗度の閾値を250sec/100mL以下とし、かつ、水平電子抵抗の閾値を8.5Ω・cm以下として、正極用材料10を管理するのが妥当である。
また換言すれば、図3によれば、合材層12の密度を2.8g/cm3とする、55mL/Ahのガス発生量を確保した非水電解質二次電池を製造したければ、透過抵抗度が250sec/100mL以下で、かつ、水平電子抵抗が8.5Ω・cm以下の正極用材料10を使用すればよいことが分かる。
即ち、本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池は、圧力型の電流遮断機構と、過充電添加剤を備え、正極における合材層12の密度を、2.6g/cm3以上とするものであって、合材層12の透気抵抗度を、250sec/100mL以下とし、かつ、合材層12の水平電子抵抗を、8.5Ω・cm以下とするものである。
このような構成により、高密度(密度が2.6g/cm3以上)な正極を有する非水電解質二次電池において、電流遮断機構を作動させるのに必要なガス発生量を確保することができ、また、過充電添加剤の添加量を抑えることができる。
また、正極における合材層12の高密度化を図ることができ、ひいては、非水電解質二次電池の高容量化を図ることができる。
次に、合材層12の密度が2.6g/cm3以上であって、透過抵抗度が250sec/100mL以下で、かつ、水平電子抵抗が8.5Ω・cm以下となる非水電解質二次電池用の正極用材料10(以下、条件を満たす正極用材料と呼ぶ)を、製造するための方法について、図4を用いて説明をする。
非水電解質二次電池を構成するための正極用材料10は、図4に示す如く、ペーストを製造する工程(以下、ペースト製造工程(STEP−1)と呼ぶ)、製造したペーストを集電箔に塗工する工程(以下、塗工工程(STEP−2)と呼ぶ)、塗工したペーストを乾燥させる工程(以下、乾燥工程(STEP−3)と呼ぶ)、ペーストが乾燥済みである合材層と集電箔からなる部材をプレスする工程(以下プレス工程(STEP−4)と呼ぶ)等を経て製造される。
そして、これらの各工程(STEP−1)〜(STEP−4)のうち、例えば、プレス工程(STEP−4)において、所定のプレス方法を採用することにより、確実に、前記前提条件を満たす正極用材料10を製造することが可能になる。
ここで、上記条件を満たす正極用材料10を製造するためのプレス方法について、図5を用いて説明をする。
本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池の製造方法では、該非水電解質二次電池の正極を構成するための正極用部材の製造工程におけるプレス工程において、所定のプレス条件を選択することで、非水電解質二次電池の高容量化を実現している。
尚ここでは、合材層12の密度が2.9g/cm3である正極用材料10を製造する場合を例示する。
図5には、3種類のプレス条件で製造した正極用材料10についての、透気抵抗度、水平電子抵抗、ガス発生量の各測定結果を示している。
図5に示す如く、第一のプレス条件では、合材層12の圧縮率を50%とし、プレス回数を1回として、正極用材料10を製造した。
この場合、合材層12(フリーフィルム15)の透気抵抗度が390sec/100mLであり、合材層12の水平電子抵抗が3.3Ω・cmである正極用材料10が生成された。
また、第二のプレス条件では、合材層12の圧縮率を47%とし、プレス回数を10回として、正極用材料10を製造した。
この場合、合材層12(フリーフィルム15)の透気抵抗度が292sec/100mLであり、合材層12の水平電子抵抗が3.9Ω・cmである正極用材料10が生成された。
さらに、第三の条件では、合材層12の圧縮率を37.5%とし、プレス回数を20回として、正極用材料10を製造した。
この場合、合材層12(フリーフィルム15)の透気抵抗度が237sec/100mLであり、合材層12の水平電子抵抗が4.2Ω・cmの正極用材料10が生成された。
先に求めた管理基準では、合材層12の密度が2.6g/cm3以上であって、かつ、55mL/Ah以上のガス発生量を確保できる正極用材料10を製造したいときには、合材層12(フリーフィルム15)の透過抵抗度を250sec/100mL以下とし、かつ、合材層12の水平電子抵抗を8.5Ω・cm以下とすれば良いことが分かった。
この管理基準を、これらの第一から第三のプレス条件に基づき製造した各正極用材料10・10・10に当てはめてみると、第三のプレス条件で製造した正極用材料10のみが、管理基準に適合しており、第一および第二のプレス条件で製造した各正極用材料10・10は、管理基準に適合していない。
また、これらの第一から第三のプレス条件に基づき製造した各正極用材料10・10・10について、実験により実際の過充電時におけるガス発生量を測定した結果、第一のプレス条件では38mL/Ah、第二のプレス条件では45mL/Ah、第三のプレス条件では57mL/Ahとなった。
即ち、実際のガス発生量の測定結果においても、第三のプレス条件の場合のみ、55mL/Ah以上のガス発生量を確保することができており、上記管理基準に基づいて、実際に所定のガス発生量を確保できることが確認できた。
またこの確認結果から、ペースト製造工程(STEP−1)〜乾燥工程(STEP−3)までの製造条件が同じであっても、プレス工程(STEP−4)におけるプレス条件の差異によって、ガス発生量に差異が生じることが確認できた。
そして、合材層12の圧縮率を37.5%以下として、複数回プレスを行うことで、合材層12の透気抵抗度を小さくすることができ、これにより、非水電解質二次電池の高容量化を達成するための管理基準を満たす正極用材料10を製造可能であることが確認できた。
即ち、本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池の製造方法では、正極を構成する部材(即ち、正極用材料10)の製造工程における合材層12をプレスする工程(即ち、プレス工程(STEP−4))において、合材層12の圧縮率を37.5%以下とし、かつ、合材層12を複数回(本実施形態では20回)プレスして、合材層12の密度を、2.6g/cm3以上とするものである。
このような構成により、透気抵抗度の低い正極用材料10を、確実に製造することができ、ひいては、非水電解質二次電池の高容量化を図ることができる。
また、各工程(STEP−1)〜(STEP−4)のうち、例えば、ペースト製造工程(STEP−1)におけるペーストのレオロジーについて、所定の基準を設定することによっても、確実に、上記条件を満たす正極用材料10を製造することが可能になる。
ここで、上記条件を満たす正極用材料10を製造するためのペーストの設定条件について、図6および図7を用いて説明をする。
図6では、合材層12の密度が2.8g/cm3である正極用材料10における、透過抵抗度とマイグレーション指数との関係を表している。
尚、ここで言う、「マイグレーション指数」とは、ペーストにおけるバインダーの偏在度合を示す指数であり、電極断面のEPMA(電子線マイクロアナライザ)分析により、バインダーの分布を定量的に読み取り、合材層上半分のバインダー量を合材層下半分のバインダー量で割った値である。そして、マイグレーション指数が1に近いほどバインダーが均等に分布していることを表す。
また、図6の作成に際し使用した正極用材料10は、従来通りの所定の方法で製造されたものである。
そして、図6からは、正極用材料10における透過抵抗度と、その正極用材料10を製造するためのペーストにおけるマイグレーション指数との間には相関があることが分かる。
また、図6からは、透気抵抗度を250sec/100mL以下にするためには、合材層12を生成するためのペーストのマイグレーション指数を1.7以下にすればよいことが分かる。
また、図7では、せん断速度が0.2sec-1の領域におけるペーストの粘度とマイグレーション指数との関係を表している。
そして、図7からは、ペーストにおけるマイグレーション指数は、当該ペーストの粘度と相関があることが分かる。
また、図7からは、ペーストのマイグレーション指数を1.7以下にするためには、せん断速度が0.2sec-1の領域におけるペーストの粘度を15000mPa・sec以上にすればよいことが分かる。
そして、ペースト製造工程(STEP−1)において、せん断速度0.2sec-1の領域における粘度が15000mPa・sec以上としたペーストを使用して、正極用材料10を製造すれば、以後の各工程(STEP−2)〜(STEP−4)が従来通りであっても、透気抵抗度を小さくすることができ、これにより、非水電解質二次電池の高容量化を達成するための管理基準を満たす正極用材料10を確実に製造できることが確認できた。
また、この結果からは、塗工工程(STEP−2)からプレス工程(STEP−4)までが従来通りの製造条件であっても、ペースト製造工程(STEP−1)におけるペーストのレオロジーを調整することによって、ガス発生量に差異が生じることが分かった。
即ち、本発明の一実施形態に係る非水電解質二次電池の製造方法では、正極を構成する部材(即ち、正極用材料10)の製造工程における合材層12を生成するためのペーストの製造工程(即ち、ペースト製造工程(STEP−1))において、ペーストの混練時における粘度を、せん断速度0.2sec-1の領域において、15000mPa・sec以上とするものである。
このような構成により、透気抵抗度の低い正極用材料10を、確実に製造することができ、ひいては、非水電解質二次電池の高容量化を図ることができる。
尚、本実施形態では、ペースト製造工程(STEP−1)における合材層12の素となるペーストのレオロジーを調整し、あるいは、プレス工程(STEP−4)における合材層12のプレス方法の工夫することにより、透気抵抗度の改善を図った非水電解質二次電池の製造方法を例示したが、その他にも、乾燥工程(STEP−3)における乾燥時間を長くしたり、あるいは、塗工工程(STEP−2)における塗工方法を工夫したりすることによっても、透気抵抗度を改善することが可能であると考えられる。
10 正極用材料
12 合材層
15 フリーフィルム

Claims (2)

  1. 圧力型の電流遮断機構と、
    過充電時に55mL/Ah以上のガス発生量を確保し得る所定量の過充電添加剤を備え、
    正極における合材層の密度を、2.6g/cm3以上とし
    前記合材層の透気抵抗度を、250sec/100mL以下とし、かつ、
    前記合材層の水平電子抵抗を、8.5Ω・cm以下とした非水電解質二次電池の製造方法であって、
    前記正極を構成する部材の製造工程における前記合材層をプレスする工程において、
    前記合材層の圧縮率を37.5%以下とし、
    かつ、前記合材層を複数回プレスして、
    前記合材層の密度を、2.6g/cm3以上とする、
    ことを特徴とする非水電解質二次電池の製造方法。
  2. 圧力型の電流遮断機構と、
    過充電時に55mL/Ah以上のガス発生量を確保し得る所定量の過充電添加剤を備え、
    正極における合材層の密度を、2.6g/cm3以上とし
    前記合材層の透気抵抗度を、250sec/100mL以下とし、かつ、
    前記合材層の水平電子抵抗を、8.5Ω・cm以下とした非水電解質二次電池の製造方法であって、
    前記正極を構成する部材の製造工程における前記合材層を生成するためのペーストの製造工程において、
    前記ペーストの混練時における粘度を、
    せん断速度0.2sec-1の領域において、15000mPa・sec以上とする、
    ことを特徴とする非水電解質二次電池の製造方法。
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