JP5655546B2 - トナー、及び現像剤、並びに定着方法、画像形成方法及び画像形成装置 - Google Patents
トナー、及び現像剤、並びに定着方法、画像形成方法及び画像形成装置 Download PDFInfo
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また、特許文献2には、トナーの樹脂を溶解又は膨潤させる可塑剤を含有した泡状定着液を調合し、泡状定着液を均一塗布することでトナー画像を乱すことなく非加熱定着させる方法が提案されている。
この定着方式では、熱定着方式のように、トナーを溶融させるための加熱処理が不要であることから、消費電力が低く、省エネルギー対策として優れた定着方式である。
しかし、この提案においては、トナーへの可塑剤の浸透がトナー表面近傍に偏り、定着に寄与するトナーの軟化部分がトナーの表面近傍のみとなるため定着強度が低下し、特に強い定着強度が求められるトナーが単独で定着するようなハーフトーン画像において、定着したトナーが擦れにより剥がれてしまうという問題がある。
また、可塑剤のトナーへの浸透は、該可塑剤とトナーが接触するトナー粒子の表面から始まるため、トナーと定着液の接触によって短時間のうちにトナーを軟化させるにあたり、トナー粒子の表面近傍では軟化が速く、トナー粒子の中心近傍では軟化が遅くなる。そのため、短時間での定着直後においては、軟化が進行している部分がトナー粒子表面近傍のみであり、トナー粒子の記録媒体に対する定着強度が不充分となり、擦りによる剥がれが発生するものと考えられる。
そこで、本発明の画像形成方法及び画像形成装置においては、トナーの少なくとも一部を軟化乃至膨潤させる可塑剤を含有する定着液を用いてトナーを定着するので、定着液中の可塑剤がトナーに浸透することで軟化が達成され、その後加圧ローラで記録媒体に押し付けることにより、記録媒体へのトナーの良好な定着が達成できることを知見した。
<1> 希釈剤と、トナーの少なくとも一部を軟化乃至膨潤させる可塑剤とを含有する定着液を記録媒体上のトナーに付与して該トナーを記録媒体に定着させるのに用いられるトナーであって、
少なくとも結着樹脂と、着色剤と、下記一般式(I)で表されるポリアルキレングリコールとを含有することを特徴とするトナーである。
<2> ポリアルキレングリコールの重量平均分子量が2,000〜18,000である前記<1>に記載のトナーである。
<3> ポリアルキレングリコールの融点が50℃以上である前記<1>から<2>のいずれかに記載のトナーである。
<4> ポリアルキレングリコールの含有量が、結着樹脂100質量部に対し1質量部〜15質量部である前記<1>から<3>のいずれかに記載のトナーである。
<5> ポリアルキレングリコールが、ポリエチレングリコールである前記<1>から<4>のいずれかに記載のトナーである。
<6> 前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーと、キャリアとを含んでなり、
前記キャリアが少なくとも芯材と、該芯材表面に微粒子を含む被覆層を有し、前記微粒子の平均粒子径(D)と、前記被覆層の平均厚み(h)とが、次式、1<[D/h]<10、を満たし、
前記微粒子の総含有量が被覆層組成全体の40質量%〜95質量%であることを特徴とする現像剤である。
<7> キャリアの被覆層が、少なくともシリコーン樹脂を含有する前記<6>に記載の現像剤である。
<8> キャリアの被覆層における微粒子が、アルミナ粒子、及び表面処理したアルミナ粒子の少なくともいずれかである前記<6>から<7>のいずれかに記載の現像剤である。
<9> 前記<6>から<8>のいずれかに記載の現像剤を用いて記録媒体上に形成されたトナー像を定着する定着方法であって、
水を含む希釈剤と、起泡剤と、可塑剤とを含有する定着液を泡状化して、泡状定着液を生成する泡状定着液生成工程と、
前記泡状定着液を泡状定着液付与手段の接触面上に所望の厚みに形成する膜厚調整工程と、
前記所望の厚みに形成された泡状定着液を記録媒体上のトナー層に付与する泡状定着液付与工程と、
を含むことを特徴とする定着方法である。
<10> 可塑剤が脂肪族ジカルボン酸ジエトキシエトキシエチルである前記<9>に記載の定着方法である。
<11> 可塑剤が下記一般式で表される化合物である前記<9>に記載の定着方法。
R8(COO−(R9−O)n−R10)2
ただし、前記一般式中、nは1以上3以下であり、R8は炭素数が2以上8以下のアルキレン基であり、R9は炭素数が1以上3以下のアルキレン基であり、R10は炭素数が1以上4以下のアルキル基である。
<12> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
前記静電潜像を、トナーを含む現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像工程と、
前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、
前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程と、
を含む画像形成方法であって、
前記定着工程が、前記<9>から<11>のいずれかに記載の定着方法により行われることを特徴とする画像形成方法。
<13> 静電潜像担持体と、
前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像担持体に供給する現像剤を表面に担持する現像剤担持体と、現像剤を現像剤担持体表面に供給する現像剤供給部材と、トナーを含む現像剤を収納する現像剤収納器とを備え、前記静電潜像をトナーを含む現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段と、
前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と、
を有する画像形成装置であって、
前記定着手段が、定着液を記録媒体上のトナー層に付与する定着液付与手段とを有する定着手段であって、
前記トナーが前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置である。
<14> 静電潜像担持体と、
前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像担持体に供給するトナーを含む現像剤を表面に担持する現像剤担持体と、前記現像剤を現像剤担持体表面に供給する現像剤供給部材と、トナーを含む現像剤を収納する現像剤収納器とを備え、前記静電潜像をトナーを含む現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段と、
前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と、
を有する画像形成装置であって、
前記定着手段が、水を含む希釈剤と、起泡剤と、可塑剤とを含有する定着液を泡状化して、泡状定着液を生成する泡状定着液生成手段と、
前記泡状定着液を泡状定着液付与手段の接触面上に所望の厚みに形成する膜厚調整手段と、
前記所望の厚みに形成された泡状定着液を記録媒体上のトナー層に付与する泡状定着液付与手段とを有し、
前記トナーが前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーであることを特徴とする画像形成装置である。
<15> 静電潜像担持体と、
前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像担持体に供給する現像剤を表面に担持する現像剤担持体と、現像剤を現像剤担持体表面に供給する現像剤供給部材と、現像剤を収納する現像剤収納器とを備え、前記静電潜像を前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段と、
前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と、
を有する画像形成装置であって、
前記定着手段が、定着液を記録媒体上のトナー層に付与する定着液付与手段とを有する定着手段であって、
前記現像剤が前記<6>から<8>のいずれかに記載の現像剤であることを特徴とする画像形成装置である。
<16> 静電潜像担持体と、
前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像担持体に供給する現像剤を表面に担持する現像剤担持体と、
前記現像剤を現像剤担持体表面に供給する現像剤供給部材と、現像剤を収納する現像剤収納器とを備え、前記静電潜像を現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段と、
前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と、
を有する画像形成装置であって、
前記定着手段が、水を含む希釈剤と、起泡剤と、可塑剤とを含有する定着液を泡状化して、泡状定着液を生成する泡状定着液生成手段と、
前記泡状定着液を泡状定着液付与手段の接触面上に所望の厚みに形成する膜厚調整手段と、
前記所望の厚みに形成された泡状定着液を記録媒体上のトナー層に付与する泡状定着液付与手段とを有し、
前記現像剤が前記<6>から<8>のいずれかに記載の現像剤であることを特徴とする画像形成装置である。
本発明のトナーは、希釈剤と、トナーの少なくとも一部を軟化乃至膨潤させる可塑剤とを含有する定着液を記録媒体上のトナーに付与して該トナーを記録媒体に定着させるのに用いられ、
少なくとも結着樹脂と、着色剤と、ポリアルキレングリコールとを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
前記ポリアルキレングリコールとしては、下記一般式(I)で表されるものが用いられる。
前記アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などが挙げられる。
nは2以上の整数を表し、28〜408が好ましい。mは2以上4以下の整数を表す。
ここで、前記ポリアルキレングリコールの重量平均分子量は、例えばゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定装置により測定することができる。
ここで、前記融点は、例えば示差走査熱量計により測定することができる。
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えばポリスチレン、ポリp−スチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン又はその置換体の単重合体、スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸共重合体、スチレン−メタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタアクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタアクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプロピル共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリチメルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン樹脂、変性ロジン樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は芳香族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、定着される記録媒体との親和性から、ポリエステル樹脂を使用することが特に好ましい。
2価のアルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−へキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、又は、ビスフェノールAにエチレンオキシド、プロピレンオキシド等の環状エーテルが重合して得られるジオール、などが挙げられる。ポリエステル樹脂を架橋させるためには、3価以上のアルコールを併用することが好ましい。
前記3価以上の多価アルコールとしては、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、例えば、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、などが挙げられる。
また、3価以上の多価カルボン酸成分としては、例えばトリメリット酸、ピロメット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシ−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシ)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、又はこれらの無水物、部分低級アルキルエステル、などが挙げられる。
前記結着樹脂としては、活性水素基含有化合物と反応可能な変性ポリエステル(以下、ポリエステルプレポリマーと称することがある)を含有してもよい。活性水素基含有化合物は、トナー製造過程において、前記活性水素基含有化合物と反応可能なポリエステルが伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。該ポリエステルプレポリマーが伸張反応して高分子量化することにより、トナーの耐熱保存性や、定着後の画像のべたつきを効果的に低減させることができる。この場合、ポリエステルプレポリマーとしては、活性水素基含有化合物と反応可能であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばイソシアネート基、エポキシ基、カルボン酸、酸クロリド基、などを有する変性ポリエステルが挙げられる。これらの中でも、イソシアネート基を含有した変性ポリエステルが特に好ましい。
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料及び顔料の中から目的に応じて適宜選択することができ、例えばカーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして使用してもよい。該樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、スチレン又はその置換体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリブチルメタクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、感光体に帯電される電荷の正負に応じて、正又は負の荷電制御剤を適宜選択して用いることができる。
−負の帯電制御剤−
前記負の帯電制御剤としては、例えば、電子供与性の官能基を持つ樹脂又は化合物、アゾ染料、有機酸の金属錯体などを用いることができる。
具体的には、ボントロン(品番:S−31、S−32、S−34、S−36、S−37、S−39、S−40、S−44、E−81、E−82、E−84、E−86、E−88、A、1−A、2−A、3−A)(いずれも、オリエント化学工業株式会社製);カヤチャージ(品番:N−1、N−2)、カヤセットブラック(品番:T−2、004)(いずれも、日本化薬株式会社製);アイゼンスピロンブラック(T−37、T−77、T−95、TRH、TNS−2)(いずれも、保土谷化学工業株式会社製);FCA−1001−N、FCA−1001−NB、FCA−1001−NZ(いずれも、藤倉化成株式会社製)、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記正の帯電制御剤としては、例えば、ニグロシン染料等の塩基性化合物;4級アンモニウム塩等のカチオン性化合物;高級脂肪酸の金属塩などを用いることができる。
具体的には、ボントロン(品番:N−01、N−02、N−03、N−04、N−05、N−07、N−09、N−10、N−11、N−13、P−51、P−52、AFP−B)(いずれも、オリエント化学工業株式会社製);TP−302、TP−415、TP−4040(いずれも、保土谷化学工業株式会社製);コピーブルーPR、コピーチャージ(品番:PX−VP−435、NX−VP−434)(いずれも、ヘキスト社製);FCA(品番:201、201−B−1、201−B−2、201−B−3、201−PB、201−PZ、301)(いずれも、藤倉化成株式会社製);PLZ(品番:1001、2001、6001、7001)(いずれも、四国化成工業株式会社製)、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機微粒子、流動性向上剤、離型剤、磁性体などが挙げられる。
前記無機微粒子としては、例えばシリカ、チタニア、アルミナ、酸化セリウム、チタン酸ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム等を用いることができ、シリコーンオイルやヘキサメチルジシラザンなどで疎水化処理されたシリカ微粒子や、特定の表面処理を施した酸化チタンを用いることがより好ましい。
前記シリカ微粒子としては、例えばアエロジル(品番:130、200V、200CF、300、300CF、380、OX50、TT600、MOX80、MOX170、COK84、RX200、RY200、R972、R974、R976、R805、R811、R812、T805、R202、VT222、RX170、RXC、RA200、RA200H、RA200HS、RM50、RY200、REA200)(いずれも、日本アエロジル株式会社製);HDK(品番:H20、H2000、H3004、H2000/4、H2050EP、H2015EP、H3050EP、KHD50)、HVK2150(いずれも、ワッカーケミカル社製);カボジル(品番:L−90、LM−130、LM−150、M−5、PTG、MS−55、H−5、HS−5、EH−5、LM−150D、M−7D、MS−75D、TS−720、TS−610、TS−530)(いずれも、キャボット社製)などを用いることができる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記無機微粒子の添加量としては、トナー母体粒子100質量部に対し、0.1質量部〜5.0質量部が好ましく、0.8質量部〜3.2質量部がより好ましい。
前記離型剤としては、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素、等を用いてもよいが、離型剤を用いない方が好ましい。従来の加熱加圧定着方式で用いられるトナーには、定着時のホットオフセット等を防止することを目的に、トナー材料として、離型剤とよばれる、熱ローラ定着を行う際に溶融し、ローラと被定着材上のトナーとの付着を防止する効果を有する物質(低分子量ポリオレフィン・ワックス等)が用いられてきた。しかし、これら離型剤はトナーのバインダー樹脂中への均一分散は困難であり、離型剤がトナー表面などに多く存在する場合には、耐ブロッキング性の低下、感光体、キャリア等へのフィルミング、スペント化、経時での部材汚染等の問題を生ずる原因ともなりうる。
トナーを軟化させる可塑剤を含む定着液を用いて記録媒体にトナーを定着させる方法に用いられるトナーは、非加熱の定着方法に用いられるものであるから、熱ローラ定着を行う際に溶融し、ローラと被定着材上のトナーとの付着を防止する効果を有する物質を有する必要がなく、離型剤を用いなくてもよい。
前記磁性体としては、例えば、(1)マグネタイト、マグヘマイト、フェライトの如き磁性酸化鉄、又は他の金属酸化物を含む酸化鉄、(2)鉄、コバルト、ニッケル等の金属、又は、これらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、錫、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウム等の金属との合金、(3)又はこれらの混合物、などが用いられる。
前記磁性体の使用量としては、前記結着樹脂100質量部に対し10質量部〜200質量部が好ましく、20質量部〜150質量部がより好ましい。前記磁性体の個数平均粒径としては、0.1μm〜2μmが好ましく、0.1μm〜0.5μmがより好ましい。
前記磁性体の個数平均粒径は、例えば透過電子顕微鏡により拡大撮影した写真をデジタイザー等で測定することにより求めることができる。
なお、前記磁性体は、着色剤としても使用することができる。
前記トナーを構成するトナー母体粒子の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粉砕法、特定の重合性単量体を含有する単量体組成物を水相中で直接的に重合する重合法(懸濁重合法、乳化重合法)、水系媒体中に特定の結着樹脂溶解液を乳化乃至分散させる方法、溶剤で溶解し脱溶剤して粉砕する方法、溶融スプレー法などが挙げられる。これらの中でも、ポリアルキレングリコールが比較的親水性が大きな材料であるため、水系媒体を用いないという点で粉砕法が特に好ましい。
前記粉砕法は、例えば、トナー材料を溶融し、混練した後、粉砕し、分級等することにより、前記トナーの母体粒子を得る方法である。
前記粉砕法の場合、前記トナーの平均円形度を高くする目的で、得られたトナーの母体粒子に対し、機械的衝撃力を与えて形状を制御してもよい。この場合、前記機械的衝撃力は、例えば、ハイブリタイザー、メカノフュージョンなどの装置を用いて前記トナーの母体粒子に付与することができる。
前記トナー材料を混合し、該混合物を溶融混練機に仕込んで溶融混練する。該溶融混練機としては、例えば、一軸の連続混練機、二軸の連続混練機、ロールミルによるバッチ式混練機を用いることができる。例えば、株式会社神戸製鋼所製KTK型二軸押出機、東芝機械株式会社製TEM型押出機、有限会社ケイシーケイ製二軸押出機、株式会社池貝鉄工所製PCM型二軸押出機、ブス社製コニーダー等が好適に用いられる。この溶融混練は、バインダー樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが好ましい。具体的には、溶融混練温度は、バインダー樹脂の軟化点を参考にして行われ、該軟化点より高温過ぎると切断が激しく、低温すぎると分散が進まないことがある。
前記分級は、前記粉砕で得られた粉砕物を分級して所定粒径の粒子に調整する。前記分級は、例えば、サイクロン、デカンター、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことにより行うことができる。
前記粉砕及び分級が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中に分級し、所定の粒径のトナーを製造する。
前記懸濁重合法は、油溶性重合開始剤、重合性単量体中に着色剤、離型剤などを分散し、界面活性剤、その他固体分散剤などが含まれる水系媒体中で、後述する乳化法によって乳化分散する。その後重合反応を行い粒子化した後に、本発明におけるトナー粒子表面に無機微粒子を付着させる湿式処理を行えばよい。その際、余剰にある界面活性剤等を洗浄除去したトナー粒子に処理を施すことが好ましい。
前記重合性単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸又は無水マレイン酸などの酸類、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどのアミノ基を有するアクリレート、メタクリレートなどを一部用いることによってトナー粒子表面に官能基を導入できる。
また、使用する分散剤として酸基や塩基性基を有するものを選ぶことよって粒子表面に分散剤を吸着残存させ、官能基を導入することができる。
前記乳化重合法としては、水溶性重合開始剤、重合性単量体を水中で界面活性剤を用いて乳化し、通常の乳化重合の手法によりラテックスを合成する。別途着色剤、離型剤等を水系媒体中分散した分散体を用意し、混合の後にトナーサイズまで凝集させ、加熱融着させることによりトナーを得る。その後、後述する無機微粒子の湿式処理を行えばよい。ラテックスとして懸濁重合法に使用される単量体と同様なものを用いればトナー粒子表面に官能基を導入できる。
前記水系媒体中に特定の結着樹脂溶解液を乳化乃至分散させる方法としては、少なくとも結着樹脂を有するトナー材料の溶解液乃至分散液を水系媒体中に乳化乃至分散させ、乳化液乃至分散液を調製した後、トナーを造粒(水系造粒)する方式である。この方式としては、例えば以下の工程〔1〕〜〔4〕からなる。
前記トナー材料の溶解液乃至分散液は、着色剤、結着樹脂等のトナー材料を有機溶剤に溶解乃至分散させることにより調製される。なお、前記有機溶剤は、トナーの造粒時乃至造粒後に除去される。
前記水系媒体としては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば水、該水と混和可能なアルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類、低級ケトン類等の溶剤、又はこれらの混合物などが挙げられる。これらの中でも、水が特に好ましい。
前記水系媒体の調製は、例えば、樹脂微粒子のような分散安定化剤を前記水系媒体に分散させることにより行うことができる。樹脂微粒子の水系媒体中への添加量としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.5質量%〜10質量%が好ましい。
前記樹脂微粒子としては、水系媒体中で水性分散液を形成し得る樹脂であれば特に制限はなく、公知の樹脂の中から目的に応じて適宜選択することができ、熱可塑性樹脂であってもよいし、熱硬化性樹脂でもよく、例えば、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも微細な球状の樹脂微粒子の水性分散液が得られ易い点で、ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂及びポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種で形成されているのが好ましい。
また、前記水系媒体においては、必要に応じて、後述の乳化乃至分散時における、前記溶解液乃至分散液の油滴を安定化させ、所望の形状を得つつ粒度分布をシャープにする観点から、分散剤を用いることが好ましい。分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイド等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、界面活性剤が特に好ましい。
前記トナー材料を含む溶解液乃至分散液を前記水系媒体中で乳化乃至分散させる際、トナー材料を含む溶解液乃至分散液を前記水系媒体中で攪拌しながら分散させるのが好ましい。分散の方法としては、特に限定されるものではないが、ホモジナイザー(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)等のバッチ式乳化機、エバラマイルダー(在原製作所製)、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)、コロイドミル(神鋼パンテック株式会社製)、スラッシャー、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機株式会社製)、キャピトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工株式会社製)等の連続式乳化機、マイクロフルイダイザー(みずほ工業株式会社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社製)、APVガウリン(ガウリン社製)等の高圧乳化機、膜乳化機(冷化工業株式会社製)等の膜乳化機、バイブロミキサー(冷化工業株式会社製)等の振動式乳化機、超音波ホモジナイザー(ブランソン社製)等の超音波乳化機、などが挙げられる。これらの中でも、粒径の均一化の観点から、APVガウリン、ホモジナイザー、TKオートホモミキサー、エバラマイルダー、TKフィルミックス、TKパイプラインホモミキサーが特に好ましい。
なお、前記溶解液乃至分散液に含まれる結着樹脂として活性水素基含有化合物と反応可能な変性ポリエステル(プレポリマー)を含む場合においては、乳化乃至分散時に反応が進行する。反応条件としては特に制限はなく、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と前記活性水素基含有化合物との組合せに応じて適宜選択することができるが、反応時間としては、10分間〜40時間が好ましく、2時間〜24時間がより好ましい。
次に、前記乳化乃至分散により得られた乳化スラリーから有機溶剤を除去する。有機溶剤の除去は、(1)反応系全体を徐々に昇温させて、油滴中の有機溶剤を完全に蒸発除去する方法、(2)乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、油滴中の非水溶性有機溶剤を完全に除去してトナー微粒子を形成し、併せて水系分散剤を蒸発除去する方法等が挙げられる。
また、トナーの流動性や保存性、現像性、転写性を高めるために、以上のようにして製造されたトナー母体粒子に、更に疎水性シリカ微粉末等の無機微粒子を添加混合してもよい。
前記無機微粒子の混合は、一般の粉体の混合機が用いられるがジャケット等を装備して、内部の温度を調節できることが好ましい。なお、添加剤に与える負荷の履歴を変えるには、途中又は漸次添加剤を加えていけばよい。この場合、混合機の回転数、転動速度、時間、温度などを変化させてもよい。まず、はじめに強い負荷を、次に、比較的弱い負荷を与えてもよいし、その逆でもよい。使用できる混合設備としては、例えば、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。次いで、250メッシュ以上の篩を通過させ、粗大粒子、凝集粒子を除去し、トナーが得られる。
前記トナーは、その形状、大きさ等については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、以下のような、平均円形度、体積平均粒径、体積平均粒径と個数平均粒径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)などを有していることが好ましい。
前記平均円形度が、0.9未満であると、満足できる転写性やチリのない高画質画像が得られないことがあり、0.98を超えると、ブレードクリーニングなどを採用している画像形成システムでは、感光体上及び転写ベルトなどのクリーニング不良が発生し、画像上の汚れ、例えば、写真画像等の画像面積率の高い画像形成の場合において、給紙不良等で未転写の画像を形成したトナーが感光体上に転写残トナーとなって蓄積した画像の地汚れが発生してしまうことがあり、あるいは、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまうことがある。
前記平均円形度は、フロー式粒子像分析装置(「FPIA−2100」、シスメックス株式会社製)を用いて計測し、解析ソフト(FPIA−2100 Data Processing Program for FPIA version00−10)を用いて解析を行った。
具体的には、ガラス製100mLビーカーに10質量%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩、ネオゲンSC−A、第一工業製薬株式会社製)を0.1mL〜0.5mL添加し、各トナー0.1g〜0.5gを添加し、ミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mLを添加する。得られた分散液を超音波分散器(本多電子株式会社製)で3分間分散処理する。前記分散液を、前記FPIA−2100を用いて、濃度5,000個/μL〜15,000個/μLが得られるまでトナーの形状及び分布を測定する。本測定法は平均円形度の測定再現性の点から前記分散液濃度が5,000個/μL〜15,000個/μLにすることが重要である。
前記分散液濃度を得るために、前記分散液の条件、即ち添加する界面活性剤量、トナー量を変更する必要がある。
前記界面活性剤量は前述したトナー粒径の測定と同様に、トナーの疎水性により必要量が異なり、多く添加すると、泡によるノイズが発生し、少ないと、トナーを十分に濡らすことができないため、分散が不十分となる。またトナー添加量は、粒径により異なり、小粒径の場合は少なく、また大粒径の場合は多くする必要があり、トナーの体積平均粒径が3μm〜10μmの場合、トナー量を0.1g〜0.5g添加することにより、分散液濃度を5,000個/μL〜15,000個/μLに合わせることが可能となる。
前記トナーにおける体積平均粒径と、個数平均粒径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)としては、1.00〜1.25が好ましく、1.10〜1.25がより好ましい。
前記体積平均粒径、及び前記体積平均粒子径と個数平均粒子径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)は、粒度測定器(「マルチサイザーIII」、ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman Coulter Mutlisizer 3 Version3.51)にて解析を行うことができる。
具体的には、ガラス製100mLビーカーに10質量%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩、ネオゲンSC−A、第一工業製薬株式会社製)を0.5mL添加し、各トナー0.5gを添加し、ミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mLを添加する。得られた分散液を超音波分散器(W−113MK−II、本多電子株式会社製)で10分間分散処理する。前記分散液を、前記マルチサイザーIIIを用い、測定用溶液としてアイソトンIII(ベックマンコールター社製)を用いて測定を行う。測定は、装置が示す濃度が8%±2%となるように、前記トナーサンプル分散液を滴下する。本測定法は粒径の測定再現性の点から前記濃度を8%±2%にすることが重要である。この濃度範囲であれば粒径に誤差は生じない。
本発明の現像剤は、本発明の前記トナーと、キャリアとを含んでなる。
前記キャリアは、芯材と、該芯材表面に、結着樹脂と微粒子を少なくとも含む被覆層を有してなり、更に必要に応じてその他の層を有してなる。
前記芯材としては、特に制限はなく、電子写真用二成分キャリアとして公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェライト、マグネタイト、鉄、ニッケル、などが挙げられる。また、近年著しく進む環境面への配慮をし、フェライトであれば、従来の銅−亜鉛系フェライトではなく、例えば、Mn系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Mn−Mg−Srフェライト、銅−亜鉛フェライト、リチウム系フェライト等を用いることが好適である。また、芯材抵抗を制御する目的及び製造安定性を高める目的などから、その他の芯材の組成成分として、例えばLi、Na、K、Ca、Ba、Y、Ti、Zr、V、Ag、Ni、Cu、Zn、Al、Sn、Sb、Bi等の組成成分元素1種以上配合させてもよい。これらの配合量としては、総金属元素量の5原子%以下であることが好ましく、3原子%以下であることがより好ましい。
前記芯材は、静電潜像担持体へのキャリア付着(飛散)防止の点から、体積平均粒径が20μmm以上の大きさのものが好ましく、キャリアスジ等の発生防止等画質低下防止の点から100μm以下のものが好ましく、特に、近年の高画質化に対しては、体積平均粒径が20μm〜50μmがより好ましい。
ここで、前記芯材の体積平均粒径は、例えば、「マイクロトラック粒度分析計SRA」、日機装株式会社製を使用し、0.7μm〜125μmのレンジ設定で測定することができる。
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリオレフィン(例えばポリエチレン、ポリプロピレン等)又はその変性品、スチレン、アクリル樹脂、アクリロニトリル、ビニルアセテート、ビニルアルコール、塩化ビニル、ビニルカルバゾール、ビニルエーテル等を含む架橋性共重合物;オルガノシロキサン結合からなるシリコーン樹脂又はその変性品(例えばアルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリイミド等による変性品);ポリアミド;ポリエステル;ポリウレタン;ポリカーボネート;ユリア樹脂;メラミン樹脂;ベンゾグアナミン樹脂;エポキシ樹脂;アイオノマー樹脂;ポリイミド樹脂、又はこれらの誘導体などが挙げられる。また、これらはモノマー類、マクロモノマー類、反応基を有するポリマーとして芯材表面に付着した後、加熱、又は架橋剤、重合開始剤等によってラジカル重合及び縮重合反応を引き起こし、被覆層として所望の特性を有する結着樹脂を形成する、結着樹脂前駆体であってもよい。
これらの中でも、結着樹脂として少なくともシリコーン樹脂が好適であり、キャリア表面の表面エネルギー自体を低くすることができ、トナーがキャリアと長時間にわたって混合攪拌される際の、トナー成分のキャリア表面への融着の発生を抑制することができるため、キャリア特性をより長期に亘って維持することができる。
また、前記結着樹脂として、シリコーン樹脂以外の樹脂を1種類以上含有してもよい。なかでもアクリル樹脂は、芯材及び被覆層に含有される微粒子との密着性が強く脆性が低いので、被覆層の剥離に対して非常に優れた性質を持つので好ましい。
前記微粒子は、被覆層の厚みに対して、適切な含有量、粒子径を選択することにより、被覆層の強度を著しく向上させることができる。
前記キャリアの被覆層においては、前記微粒子の平均粒子径(D)と、被覆層の平均厚み(h)が1<[D/h]<10、が好ましい。これは、1<[D/h]<10であることで、被覆層に比べて微粒子の方が凸となるので、現像剤を摩擦帯電させるための攪拌により、トナーとの摩擦あるいはキャリア同士の摩擦で、結着樹脂への強い衝撃を伴う接触を緩和することができる。これにより、キャリアへのトナーのスペントを防止することが可能となるとともに、帯電発生箇所である被覆層の膜削れも抑制することが可能となる。前記[D/h]が1以下の場合、微粒子は結着樹脂中に埋もれてしまうため、効果が著しく低下し好ましくない。一方、前記[D/h]が10以上の場合、微粒子と結着樹脂との接触面積が少ないため充分な拘束力が得られず、該微粒子が容易に脱離してしまうため好ましくない。
更に、本発明においては、前記キャリアがトナーに対して、長期に渡って安定して帯電を付与するために、被覆層中にアミノシランカップリング剤を含有させることが可能である。前記被覆層における含有量は、0.001質量%〜30質量%が好ましく、0.001質量%〜10質量%がより好ましい。前記含有量が、0.001質量%未満であると、帯電性が環境の影響を受け易く、また製品収率が低下しやすくなることがあり、30質量%を超えると、被覆層が脆くなりやすく、被覆層の耐摩耗性が低下することがある。
前記被覆層の重合反応を促進させる等を目的に、被覆層が形成されたキャリアを加熱処理してもよい。前記加熱は、被覆層形成後、引き続き、被覆層形成装置内で行ってもよく、或いは、被覆層形成後、通常の電気炉、焼成キルン等の別の加熱手段によって行ってもよい。また、加熱温度としては、使用する被覆層用樹脂によって異なるため、一概に決められるものではないが、120℃〜350℃が好ましく、被覆層用樹脂の分解温度以下の温度が好ましく、220℃程度までの上限温度がより好ましく、加熱時間としては、5分間〜120分間が好ましい。
前記定着液は、トナーの少なくとも一部を軟化乃至膨潤させる可塑剤と、希釈剤とを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。前記定着液を泡状定着液として用いる場合には、前記定着液を泡状にして使用する。前記泡状定着液は、希釈剤と、定着液を泡状とする起泡剤と、トナーの少なくとも一部を軟化乃至膨潤させる可塑剤とを含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。本発明の定着方法においては、この泡状定着液を用いることが好ましい。
前記可塑剤としては、液体可塑剤、固体可塑剤などが挙げられる。
前記固体可塑剤は、常温で固体であり、かつ、後述の希釈剤に可溶であって、この希釈剤に溶解している状態でトナーを軟化させ得る限り、特に制限はない。ここで、「常温」とは、熱したり冷やしたりせずに達成される温度のことをいい、例えば、JIS Z8703にて定義されている、5℃〜35℃が好ましい。この常温の範囲内であると、固体可塑剤は固体状態となる。即ち、泡状態の定着液においては水を含むために固体可塑剤は溶融している状態にあるが、未定着のトナーに付与され、該トナーに浸透し、更にトナーに浸透した定着液の水分が気化などにより量が低下した場合には、前記固体可塑剤は固体の状態に変化する。本発明では、このように、固体可塑剤が固体の状態に変化する点に注目し、この特性を利用することで定着液付与後のトナー固さを高め、タックに関する課題を解決している。また、常温における適当な条件下で固体可塑剤がトナーに対する可塑能力を発揮するとともに、可塑能力を失い固体の状態となると、それ自体が硬化し、タックの防止に寄与することとなる点で、好ましい。
エチレンオキサイド基を有する部剤:ポリエチレングリコールのうち、ピーク分子量が1,000〜2,000のもの
(2)希釈剤に溶解されても可塑能力は発揮されないが後述の液体可塑剤が少量存在すると可塑能力が発揮されるもの
エチレンオキサイド基を有する部剤:ポリエチレングリコールのうち、ピーク分子量が2,000〜10,000のもの
(3)希釈剤に溶解されても可塑能力は発揮されないが若干の加温(例えば、50℃〜100℃程度)により可塑能力が発揮されるもの
エチレンオキサイド基を有する部剤:ポリエチレングリコールのうち、ピーク分子量が2,000〜10,000
ポリオキシエチレンモノアルキルエーテル類:ポリオキシエチレンモノラウリルエーテル、ポリオキシエチレンモノセチルエーテルなど
前記定着液は、可塑剤として液体可塑剤を含有してもよい。前記液体可塑剤は、後述の希釈剤に可溶であって、一定の条件下で可塑能力を発揮するものであれば、特に制限はなく、例えば、単独で可塑能力を発揮してトナーの少なくとも一部を溶解乃至膨潤させることでトナーを軟化させるものであってもよいが、上記の固体可塑剤と組み合わせることで可塑能力を発揮するものであってもよい。液体可塑剤の例としては、一定の条件下で溶解性乃至膨潤性に優れている点で、エステル化合物が挙げられる。このエステル化合物のなかでも、樹脂の軟化能力が優れている点、又は後述する希釈剤による起泡性の阻害の程度が低い点で、脂肪族エステル又は炭酸エステルが、より好ましい。
前記の脂肪族エステルとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、飽和脂肪族エステル、脂肪族モノカルボン酸エステル、脂肪族ジカルボン酸エステル及び脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルであってもよい。
前記の脂肪族エステルが飽和脂肪族エステルである場合には、液体可塑剤の保存安定性(酸化、加水分解等に対する耐性)を向上させることができる。また、前記の飽和脂肪族エステルは、人体に対する安全性が高く、多くの飽和脂肪族エステルは、トナーに含まれる樹脂を1秒以内等の短時間で溶解乃至膨潤させることができる。更に、飽和脂肪族エステルは、記録媒体に提供されたトナーの粘着感を低下させることができる。これは、飽和脂肪族エステルが、溶解乃至膨潤したトナーの表面に油膜を形成するためであると考えられる。
前記の脂肪族モノカルボン酸エステルとしては、例えばラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、トリデシル酸エチル、トリデシル酸イソプロピル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル等が挙げられる。なお、これらの脂肪族モノカルボン酸エステルの多くは、油性溶媒に溶解するが、水には溶解しない。このことから、脂肪族モノカルボン酸エステルを用いて水性溶媒からなる定着液とする場合、後述の溶解助剤としてグリコール類を定着液に含有させ、溶解又はマイクロエマルジョンの形態としてもよい。
前記の脂肪族エステルは、脂肪族ジカルボン酸エステルであってもよい。前記の脂肪族エステルが脂肪族ジカルボン酸エステルである場合には、より短い時間でトナーを溶解乃至膨潤させることができる。例えば、60ppm程度の高速印字では、記録媒体における未定着のトナーに定着液を付与し、トナーが記録媒体に定着するまでの時間は、1秒以内であることが好ましい。前記の脂肪族エステルが脂肪族ジカルボン酸エステルである場合には、記録媒体における未定着のトナー等に定着液を付与し、トナーが記録媒体に定着するのに要する時間を、0.1秒以内にすることが可能となる。更に、より少量の液体可塑剤を添加することによって、トナーを溶解乃至膨潤させることができるため、定着液に含まれる液体可塑剤の含有量を低減することができる。
本発明による定着液において、前記脂肪族エステルは、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルであることが好ましい。前記脂肪族エステルが脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルである場合には、記録媒体に対するトナーの定着性を向上させることができる。
更に、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルの類似構造として、下記一般式(5)で表される化合物は、エーテル基の分子内での割合が高くなるため、希釈剤である水に対する溶解性が非常に高くなり、高濃度の液体可塑剤を含有した定着液とすることができる。
R8(COO−(R9−O)n−R10)2 一般式(5)
ただし、前記一般式(5)中、nは1以上3以下であり、R8は炭素数が2以上8以下のアルキレン基であり、R9は炭素数が1以上3以下のアルキレン基であり、R10は炭素数が1以上4以下のアルキル基である。
前記一般式(5)で表される化合物としては、例えばコハク酸ジエトキシエトキシエチル、アジピン酸ジエトキシエトキシエチル、コハク酸ジメトキシエトキシエチル、コハク酸ジメトキシメトキシプロピル等が挙げられる。
液体可塑剤の一例である炭酸エステルとしては、例えば炭酸エチレン、炭酸プロピレン(プロピレンカーボネート)などの環状エステル類、グリセロール1,2−カルボナート、4−メトキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン等が挙げられる。
本発明による定着液に含まれる起泡剤としては、定着液の泡状化するものであれば、特に制限はなく、優れた起泡性と泡沫安定性を実現することができる。起泡剤としては、飽和若しくは不飽和の脂肪酸塩、モノアルキル硫酸塩、アルキルポリオキシエチレン硫酸塩、アルキルポリオキシエチレン硫酸塩若しくはアルキルベンゼンスルホン酸塩等のスルホン酸塩、又はモノアルキルリン酸塩等のリン酸塩等のアニオン系界面活性剤が挙げられる。
前記起泡剤のなかでも、脂肪酸塩は、最も泡沫安定性に優れ、定着液の起泡剤として最も適する。
本発明による定着液に含まれる希釈剤としては、水を含む限り特に制限はなく、例えば、水、水にアルコール類等を添加した水性溶媒、等が好ましい。水としては、例えばイオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。
本発明において、前記記録媒体としては、トナーを定着させ得るものであれば、特に制限はない。なかでも、前記記録媒体としては、定着液に対して浸透性を有するものであることが好ましく、媒体基板が液浸透性を持たない場合は、基板上に液浸透層を有する媒体が好ましい。前記記録媒体の形態としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、シート状の他、平面及び曲面を有する立体物でも構わない。例えば、紙等の媒体に透明トナーを均一に定着させ紙面を保護したもの(いわゆる、ニスコート)であってもよい。記録媒体の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、紙、布等を構成する一般的な繊維、液体透過層を有するOHP用シートのようなプラスチックフィルム、金属、樹脂、セラミックスが挙げられる。
<<溶解助剤>>
本発明による定着液は、定着液中の液体可塑剤を溶解する目的で、溶解助剤を含有してもよい。溶解助剤としては、液体可塑剤を溶解させ得るものであれば、特に制限はなく、多価のアルコール類が挙げられる。この多価のアルコール類としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリンが挙げられる。これらの中でも、液体可塑剤が高濃度でも溶解可能でありかつ起泡剤の起泡性を劣化させない点で、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールであることが好ましい。前記多価のアルコール類の含有量は、定着液の質量に対して、1質量%〜30質量%が好ましい。前記含有量が、30質量%を超えると、起泡性がむしろ劣化するため適さず、1質量%未満であると、定着液中の液体可塑剤濃度が高くなると希釈溶液である水に液体可塑剤が溶解しにくくなる場合がある。
本発明による定着液は、泡状化されて、後述の泡状定着液として、トナーの定着に用いられるところ、塗布接触ニップ部にてトナー層に泡状定着液を押し込みながら浸透させる際に泡が破泡すると浸透阻害となる。そこで、本発明による定着液は、このような現象を抑え泡沫安定性を向上させる目的で、増泡剤を更に有してもよい。増泡剤としては、特に制限はないが、脂肪酸アルカノールアミドであることが好ましく、泡沫安定性の点で、脂肪酸アルカノールアミド(1:1)型であることがより好ましい。前記増泡剤の含有量としては、前記定着液の質量に対して、0.01質量%〜3質量%が好ましい。
本発明の定着方法は、泡状定着液生成工程と、膜厚調整工程と、泡状定着液付与工程とを含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
本発明で用いられる定着装置は、泡状定着液生成手段と、泡状定着液付与手段と、膜厚調整手段とを有してなり、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
泡状定着液生成工程は、定着液を泡状化して、泡状定着液を生成する工程であり、泡状定着液生成手段により実施される。
本発明による定着方法における膜厚調整工程は、泡状定着液を泡状定着液付与手段の接触面上に所望の厚みに形成する工程であり、膜厚調整手段により実施される。
本発明による定着方法における泡状定着液付与工程は、所望の厚みに形成された泡状定着液を媒体上のトナー層に付与する工程であり、泡状定着液付与手段により実施される。
前記スポンジ素材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド等の樹脂の多孔質体が挙げられる。また、スポンジを覆う可撓性フィルムとしては、可撓性を有する限り、特に制限はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、四フッ化エチレン・パーフロロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)などが挙げられる。
<<加温工程及び加温手段>>
本発明による定着方法及び定着装置は、泡状定着液が付与されたトナー層を加温する加温工程及び加温手段を更に有してもよい。加温工程及び加温手段における加温の温度としては、十分な定着特性の得られる範囲であれば、特に制限はないが、例えば、50℃〜100℃が好ましい。前記加温の温度が、50℃未満であると、定着が不十分である場合があり、100℃を超えると、エネルギー消費の点で、不経済である。
本発明の画像形成方法は、潜像担持体表面に均一に帯電を施す帯電工程と、帯電した潜像担持体の表面に画像データに基づいて露光し、静電潜像を書き込む露光工程と、現像剤担持体上に現像剤層規制部材により所定層厚の現像剤層を形成し、現像剤層を介して潜像担持体表面に形成された静電潜像を現像し、可視像化する現像工程と、潜像担持体表面の可視像を被転写体に転写する転写工程と、被転写体上の可視像を定着させる定着工程とを含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
前記定着工程は、本発明の定着方法により行われる。
前記現像による可視像の形成は、現像剤担持体としての現像ローラ上にトナー層を形成し、現像ローラ上のトナー層を潜像担持体である感光体ドラムと接触させるように搬送することにより、感光体ドラム上の静電潜像を現像することでなされる。トナーは、撹拌手段により攪拌され、機械的に現像剤供給部材へ供給される。現像剤供給部材から供給され、現像剤担持体に堆積したトナーは現像剤担持体の表面に当接するよう設けられた現像剤層規制部材を通過することで均一な薄層に形成されるとともに、更に帯電される。潜像担持体上に形成された静電潜像は、現像領域において、前記現像手段により帯電したトナーを付着させることで現像され、トナー像となる。
転写された可視像の定着は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いてなされ、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
図9は、本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示す概略図である。ここでは、電子写真方式の画像形成装置に適用した一実施形態について説明する。画像形成装置は、イエロー(以下、「Y」と記す。)、シアン(以下、「C」と記す。)、マゼンタ(以下、「M」と記す。)、ブラック(以下、「K」と記す。)の4色のトナーから、カラー画像を形成するものである。
この画像形成装置は、潜像担持体として4つの感光体1Y、1C、1M、1Kを備えている。なお、ここではドラム状の感光体を例に挙げているが、ベルト状の感光体を採用することもできる。各感光体1Y、1C、1M、1Kは、それぞれ表面移動部材である中間転写ベルト10に接触しながら、図9中矢印の方向に回転駆動する。各感光体1Y、1C、1M、1Kは、それぞれ中間転写ベルト10に接触しながら、図9中矢印の方向に回転駆動する。各感光体1Y、1C、1M、1Kは、比較的薄い円筒状の導電性基体上に感光層を形成し、更にその感光層の上に保護層を形成したものであり、また、感光層と保護層との間に中間層を設けてもよい。
[定着方法及び定着装置]
図11には、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又はそれらの複合機などの画像形成装置の要部構成を示す。図示のものは、電子写真方式のタンデム型カラー画像形成装置であって、中間転写体を用いずに、像担持体上のトナー像を記録材である用紙に直接画像転写する直接転写方式のものである。
図13から判るとおり、噴霧手段33は、筐体37で区画された噴霧室38内に向けて設置されており、不図示の定着液貯留部に貯留されるトナー定着液が、最頻値の滴径が15μm以下の定着液滴として噴霧されて、噴霧室38が定着液滴で満たされる。
[定着方法及び定着装置]
図14に示すものは、電子写真方式のタンデム型カラー画像形成装置であって、中間転写体を用いて、像担持体上のトナー像をいったん中間転写体に一次転写した後、その中間転写体上のトナー像を記録材に二次転写する中間接転写方式のものである。
−結着樹脂の合成−
冷却管、攪拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器内に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物34,090質量部、フマル酸5,800質量部、及びジブチルチンオキサイド15質量部を仕込み、常圧下、230℃で5時間反応させた。次いで、10〜15mmHgの減圧下で6時間反応させ、「結着樹脂1」を合成した。
得られた「結着樹脂1」のガラス転移温度(Tg)は63℃であり、重量平均分子量(Mw)は12,000であり、酸価は22mgKOH/gであった。
ポリアルキレングリコールの重量平均分子量(Mw)は、以下に示す方法で測定した。
・ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)測定装置:GPC−8220GPC(東ソー株式会社製)
・カラム:TSKgel SuperHZM−H 15cm 3連(東ソー株式会社製)
・温度:40℃
・溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
・流速:0.35ml/min
・試料:0.15質量%の試料を0.4ml注入
・試料の前処理:トナーをテトラヒドロフラン(THF;和光純薬株式会社製)に0.15質量%溶解後、0.2μmフィルターで濾過した濾液を試料溶液として用いた。
前記試料溶液を100μL注入して測定した。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した(即ち、ポリスチレン換算分子量で算出した)。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、昭和電工株式会社製Showdex STANDARDのStd.No.S−7300、S−210、S−390、S−875、S−1980、S−10.9、S−629、S−3.0、S−0.580を用いた。検出器にはRI(屈折率)検出器を用いた。
示差走査熱量計(「DSC−60」、島津製作所製)を用いて下記方法により測定した。
まず、各材料(試料)約5mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットした。次いで、20℃から昇温速度10℃/minにて150℃まで加熱し、示差走査熱量計(「DSC−60」、島津製作所製)によりDSC曲線を計測した。得られたDSC曲線から、「DSC−60」システム中の解析システムを用いて、ベースラインに対する吸熱カーブの頂点から融点(融点ピーク温度)を算出した。
*ポリアルキレングリコール2(PEG#4000、日油株式会社製)
*ポリアルキレングリコール3(PEG#6000、日油株式会社製)
*ポリアルキレングリコール4(PEG#11000、日油株式会社製)
*ポリアルキレングリコール5(PEG#20000、日油株式会社製)
*ポリアルキレングリコール6(PEG#1540、日油株式会社製)
*ポリアルキレングリコール7(PEG#1000、日油株式会社製)
*表1中、Rxm、Rym、m、及びnは、下記一般式(I)で定義される。
−トナー1の作製−
前記「結着樹脂1」100質量部、表1に記載の「ポリアルキレングリコール1(PEG#2000、日油株式会社製)」5質量部、カーボンブラック(Printex60、デグサ社製)5質量部、及び下記構造式(B)で表される含クロムアゾ染料2質量部を、熱ロールを用いて120℃で混練し、冷却して固化した後、粉砕し、分級して、トナー母体粒子を作製した。
−トナー2の作製−
実施例1において、「ポリアルキレングリコール1」5質量部を、「ポリアルキレングリコール1」15質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、「トナー2」を作製した。
−トナー3の作製−
実施例1において、「ポリアルキレングリコール1」5質量部を、「ポリアルキレングリコール1」2質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、「トナー3」を作製した。
−トナー4の作製−
実施例1において、「ポリアルキレングリコール1」を、表1に記載の「ポリアルキレングリコール2(PEG#4000、日油株式会社製)」に代えた以外は、実施例1と同様にして、「トナー4」を作製した。
−トナー5の作製−
実施例1において、「ポリアルキレングリコール1」を、表1に記載の「ポリアルキレングリコール3(PEG#6000、日油株式会社製)」に代えた以外は、実施例1と同様にして、「トナー5」を作製した。
−トナー6の作製−
実施例1において、「ポリアルキレングリコール1」を、表1に記載の「ポリアルキレングリコール4(PEG#11000、日油株式会社製)」に代えた以外は、実施例1と同様にして、「トナー6」を作製した。
−トナー7の作製−
実施例1において、「ポリアルキレングリコール1」を、表1に記載の「ポリアルキレングリコール5(PEG#20000、日油株式会社製)」に代えた以外は、実施例1と同様にして、「トナー7」を作製した。
−トナー8の作製−
実施例1において、「ポリアルキレングリコール1」を、表1に記載の「ポリアルキレングリコール6(PEG#1540、日油株式会社製)」に変えた以外は、実施例1と同様にして、「トナー8」を作製した。
−トナー9の作製−
実施例1において、「ポリアルキレングリコール1」を、表1に記載の「ポリアルキレングリコール7(PEG#1000、日油株式会社製)」に代えた以外は、実施例1と同様にして、「トナー9」を作製した。
−トナー10の作製−
実施例1において、「ポリアルキレングリコール1」5質量部を、「ポリアルキレングリコール1」0.5質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、「トナー10」を作製した。
−トナー11の作製−
実施例1において、「ポリアルキレングリコール1」5質量部を、「ポリアルキレングリコール1」18質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、「トナー11」を作製した。
−トナー12の作製−
実施例1において、「ポリアルキレングリコール1」5質量部を、「ポリアルキレングリコール1」10質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、「トナー12」を作製した。
−トナー13の作製−
実施例1において、「ポリアルキレングリコール1」を添加しなかった以外は、実施例1と同様にして、「トナー13」を作製した。
前記体積平均粒径(Dv)、及び前記体積平均粒子径(Dv)と個数平均粒子径(Dn)との比(Dv/Dn)は、粒度測定器(「マルチサイザーIII」、ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman Coulter Mutlisizer 3 Version3.51)にて解析を行うことで求めた。
具体的には、ガラス製100mLビーカーに10質量%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩、ネオゲンSC−A、第一工業製薬株式会社製)を0.5mL添加し、各トナー0.5gを添加し、ミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mLを添加した。得られた分散液を超音波分散器(W−113MK−II、本多電子株式会社製)で10分間分散処理した。前記分散液を、前記マルチサイザーIIIを用い、測定用溶液としてアイソトンIII(ベックマンコールター社製)を用いて測定を行った。測定は、装置が示す濃度が8%±2%となるように、前記トナーサンプル分散液を滴下した。本測定法は粒径の測定再現性の点から前記濃度を8%±2%にすることが重要である。この濃度範囲であれば粒径に誤差は生じない。
前記平均円形度は、フロー式粒子像分析装置(「FPIA−2100」、シスメックス株式会社製)を用いて計測し、解析ソフト(FPIA−2100 Data Processing Program for FPIA version00−10)を用いて解析を行った。
具体的には、ガラス製100mLビーカーに10質量%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩、ネオゲンSC−A、第一工業製薬株式会社製)を0.1mL〜0.5mL添加し、各トナー0.1g〜0.5gを添加し、ミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mLを添加した。得られた分散液を超音波分散器(本多電子株式会社製)で3分間分散処理した。前記分散液を、前記FPIA−2100を用いて、濃度5,000個/μL〜15,000個/μLが得られるまでトナーの形状及び分布を測定した。本測定法は、平均円形度の測定再現性の点から前記分散液濃度が5,000個/μL〜15,000個/μLにすることが重要である。
ステンレス容器に、アクリル樹脂溶液(日立化成工業株式会社製、ヒタロイド3018固形分50質量%)60質量部、グアナミン溶液(三井サイテック株式会社製、マイコート106、固形分77質量%)20質量部、シリコーン樹脂溶液(東レ・ダウコーニング株式会社製、SR2405、固形分50質量%)120質量部、アミノシランカップリング剤(東レ・ダウコーニング株式会社製、SH6020、固形分100質量%)1.5質量部、粒子径0.4μm球径アルミナ微粒子50質量部を入れ、固形分濃度が15質量%となるようにトルエンで希釈し、次いでホモミキサーで10分間分散して、[被覆層液1]を調製した。
次に、芯材としてフェライト粉(1kガウスでの飽和磁気モーメント65emu/g)3,000質量部を用い、前記[被覆層液1]を転動流動式コーティング装置を用いて塗布し、乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、120℃で60分間放置して焼成し、冷却後フェライト粉バルクを目開き90μmの篩を用いて解砕し、[キャリア1]を得た。
得られた[キャリア1]の粒度分布をマイクロトラック粒度分布計(モデルHRA9320−X100)で測定したところ、重量平均粒子径(Dw)が39μm、個数平均粒子径(Dn)が33μm、Dw/Dnが1.17であった。また、微粒子をFIB(集束イオンビーム)で切断し、微粒子断面を作製後、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型透過電子顕微鏡(STEM)を用いて、被覆層の厚み(h)と微粒子の粒子径(D)、及びD/hを、50点以上の微粒子断面を観察して求めた平均値として算出したところ、平均厚み(h)が0.43μm、平均粒子径(D)が0.39μm、D/hは0.91であった。
ステンレス容器に、アクリル樹脂溶液(日立化成工業株式会社製、ヒタロイド3018固形分50質量%)30質量部、グアナミン溶液(三井サイテック株式会社製、マイコート106、固形分77質量%)10質量部、シリコーン樹脂溶液(東レ・ダウコーニング株式会社製、SR2405、固形分50質量%)60質量部、アミノシランカップリング剤(東レ・ダウコーニング株式会社製、SH6020、固形分100質量%)1質量部、粒子径0.5μm球径アルミナ微粒子80質量部を入れ、固形分濃度が15質量%となるようにトルエンで希釈し、次いでホモミキサーで10分間分散して、[被覆層液2]を調製した。
次に、芯材としてフェライト粉(1kガウスでの飽和磁気モーメント65emu/g)3,000質量部を用い、前記[被覆層液2]を転動流動式コーティング装置を用いて塗布し、乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、120℃で60分間放置して焼成し、冷却後フェライト粉バルクを目開き90μmの篩を用いて解砕し、[キャリア2]を得た。
得られた[キャリア2]の粒度分布をマイクロトラック粒度分布計(モデルHRA9320−X100)で測定したところ、重量平均粒子径(Dw)が41μm、個数平均粒子径(Dn)が35μm、Dw/Dnが1.17であった。また、微粒子をFIB(集束イオンビーム)で切断し、微粒子断面を作製後、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型透過電子顕微鏡(STEM)を用いて、被覆層の厚み(h)と微粒子の粒子径(D)、及びD/hを、50点以上の微粒子断面を観察して求めた平均値として算出したところ、被覆層の平均厚み(h)が0.22μm、平均粒子径(D)が0.51μm、D/hは2.32であった。
2Lステンレス容器に、表2に示すように、トナー1〜13を7質量部、キャリア1を100質量部加え、容器が転動して攪拌される型式のターブラーミキサー(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製)を用いて48rpmで5分間均一混合し、実施例1〜12及び比較例1の二成分現像剤を作製した。
表2に示すようにトナー4とキャリア2を用いた以外は、前記現像剤の作製と同様にして、実施例13の二成分現像剤を作製した。
表2に示すようにトナー5とキャリア2を用いた以外は、前記現像剤の作製と同様にして、実施例14の二成分現像剤を作製した。
−可塑剤を含有する液体−
・希釈溶媒としてのイオン交換水・・・53質量%
・液体可塑剤としてのコハク酸ジエトキシエトキシエチル(高級アルコール工業株式会社)・・・10質量%
・液体可塑剤としての炭酸プロピレン・・・20質量%
・増粘剤としてのプロピレングリコール・・・10質量%
・増泡剤としてのヤシ脂肪酸ジエタノールアミド(1:1)型(松本油脂製薬株式会社製、マーポンMM)・・・0.5質量%
・起泡剤としてのパルミチン酸アミン・・・2.5質量%
・起泡剤としてのミリスチン酸アミン・・・1.5質量%
・起泡剤としてのステアリン酸アミン・・・0.5質量%
・分散剤:POE(20)ラウリルソルビタン(花王株式会社製、レオドールTW−S120V)・・・1質量%
・分散剤としてのポリエチレングリコールモノステアレート(花王株式会社製、エマノーン3199)・・・1質量%
なお、分散剤は、可塑剤の希釈溶媒への溶解性を助長するために用いた。脂肪酸アミンは、脂肪酸とトリエタノールアミンにより脂肪酸アミンを合成した。
−大きな泡生成部−
図6を基に作製した。
・上記の液状定着液保存容器:ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂からなるボトル
・液搬送ポンプ:チューブポンプ(チューブ内径2mm、チューブ材質:シリコーンゴム)
・搬送流路:内径2mmのシリコーンゴムチューブ
・大きな泡を作るための微小孔シート:#400のステンレススチール製メッシュシート(開口部約40μm)
図6を基に作製した。
・2重円筒の内側円筒は、回転軸に固定され、図示していない回転駆動モーターにより回転する。2重円筒の材質は、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂とした。
・外側円筒の内径:10mm、外側円筒の長さ:120mm
・内側円筒の外径:8mm、内側円筒の長さ:100mm
・回転数は、1,000rpm〜2,000rpmの範囲で可変とした。
図6を基に作製した。上記の微小な泡を生成する微小な泡生成部を用い、泡状の定着液を作製し、液膜厚制御用ブレードに供給する構成とした。液膜厚制御用ブレードと塗布ローラとのギャップは25μmと40μmの2通り実施した。
・塗布ローラ:PFA樹脂を焼付け塗装したステンレススチール(SUS)製ローラ(直径30mm)
・膜厚制御用ブレード:アルミニウム合金製支持板に厚み1mmの並板ガラスを接着し、ガラス面を塗布ローラ側に向け、10μm〜100μmの範囲で塗布ローラとガラス面の隙間を制御できるようにした。
・紙搬送速度:150mm/s
50mLのガラス容器に、各トナーを充填し、50℃の恒温槽に24時間放置した後、24℃に冷却し、針入度試験(JIS K2235−1991)により、針入度(mm)を測定し、下記基準で耐熱保存性を評価した。なお、針入度が大きいほど、耐熱保存性が優れていることを意味し、針入度が5mm未満であるものは、使用上、問題が発生する可能性が高い。
〔評価基準〕
◎:針入度が25mm以上
○:針入度が15mm以上25mm未満
△:針入度が5mm以上15mm未満
×:針入度が5mm未満
定着装置を除去した電子写真方式のプリンタ(株式会社リコー製、IpsioColorCX8800)に、各現像剤を装填して、ハーフトーン(定着後のID=0.25となる設定)の未定着トナー画像が形成されたPPC用紙に、図6に示す定着装置を用いてローラ塗布し、定着液の処方例で得られた定着液を搭載した塗布装置からなる定着装置にてスポンジの加圧ローラと塗布ローラとの軸間距離を15mm(ニップ時間100ms)にて定着を行った。このときの紙搬送速度は150mm/sであった。
定着5秒間後及び1時間後に、画像の表面を直径1cmの綿布で擦り、綿布の汚れを反射濃度計(X−Rite939、X−Rite社製)にて測定し、下記基準で定着性を評価した。
〔評価基準〕
◎:反射濃度が0.20未満
○:反射濃度が0.20以上0.30未満
△:反射濃度が0.30以上0.40未満
×:反射濃度が0.40以上
定着装置を除去した電子写真方式のプリンタ(株式会社リコー製、IpsioColorCX8800)に、各現像剤を装填して、ハーフトーン(定着後のID=0.25となる設定)の未定着トナー画像が形成されたPPC用紙に、図6に示す定着装置を用いて液搬送ポンプを駆動し、定着液容器から定着液の処方例で得られた液状定着液をくみ上げ、液流路を通過させながら、大きな泡を生成する大きな泡生成部と泡を微小にする微小な泡生成部に定着液を通過させ、液排出口から1秒間後に泡径5μm〜30μmの微小な泡を有する定着液をローラ塗布し、搭載した塗布装置からなる定着装置にてスポンジの加圧ローラと塗布ローラとの軸間距離を15mm(ニップ時間100ms)にて定着を行った。このときの紙搬送速度は150mm/sである。
次いで、出力したPPC用紙の画像部が接触するように2枚の出力画像を重ね合わせ、上部から1kg重の分銅で加圧して、気温25℃、湿度30%RHの雰囲気下で30分間放置した。放置後の重ね合わせた紙を引き離す際の、定着画像同士の接着性を測定し、以下の基準でコピーブロッキング性を評価した。
〔評価基準〕
◎:用紙同士が問題なく1枚1枚引き離せる状態
○:用紙同士が部分的に接着しているが、力を加えると引き離せる状態
△:用紙同士が部分的に接着している状態
×:用紙同士が完全に接着している状態
定着装置を除去した電子写真方式のプリンタ(株式会社リコー製、IpsioColorCX8800)に各現像剤を入れて、20%画像面積の画像チャートをPPC用紙に画像濃度1.4±0.2となるようにトナー濃度を制御しながら、15万枚ランニング出力した後の現像剤を抜き取り、現像剤を目開き32μmのメッシュが張られたゲージ内に適量入れ、エアブローを行い、トナーとキャリアを分離した。得られたキャリア1.0gを50mlガラス瓶に入れ、クロロホルム10mlを加えて、50回手振りして、10分間静置させた。その後、上澄みのクロロホルム溶液をガラスセルに入れ、濁度計を用いてクロロホルム溶液の透過率を測定し、下記基準により評価した。
なお、キャリア汚染性が良好なものから、透過率が95%以上である場合は◎で、90〜94%である場合○で、80〜89%である場合は△で、及び、79%以下である場合は×で表示した。
〔評価基準〕
◎:透過率が95%以上
○:透過率が90%以上94%以下
△:透過率が80%以上89%以下
×:透過率が79%以下
各評価項目の◎を3点、○を2点、△を1点、×を0点とし、下記の基準で評価した。
〔評価基準〕
◎:各評価項目に×がなく、全評価項目点数の合計が15点
○:各評価項目に×がなく、全評価項目点数の合計が12点以上15点未満
△:各評価項目に×がなく、全評価項目点数の合計が7点以上12点未満
×:各評価項目のいずれかに×の数が1つ以上ある
また、実施例4及び5のように、ポリアルキレングリコールの物性が適切な範囲の場合には、耐熱保存性を確保でき、かつ定着性、及びコピーブロッキング性が良好な画像が得られることが分かった。
また、比較例1のように、ポリアルキレングリコールを含有しないトナーを用いた場合は、定着直後に充分な定着性が得られなかった。
2 作像形成部
3 帯電装置(帯電ローラ)
4 露光装置
5 現像装置
5a 現像ローラ
5b 現像剤供給ローラ
5c 規制ブレード
6 転写装置
7 クリーニング装置
10 中間転写ベルト
11、12、13 支持ローラ
14 一次転写ローラ
16 二次転写ローラ
T トナー(現像剤)
15K、15M、15C、15Y 作像手段
17 用紙(記録媒体)
18 定着装置
23 転写手段
33 噴霧手段
34 液滴帯電手段
35 媒体搬送手段
36 記録材帯電手段
38 噴霧室
40 ローラ
41 搬送ベルト
42 未定着トナー
44 電極
45 電源
50 印加手段
53 定着液滴
64 中間転写体
67 二次転写手段
69 一次転写手段
101 静電潜像担持体
102 帯電手段
103 露光手段
104 現像手段
105 記録媒体
107 クリーニング手段
108 転写手段
111 塗布ローラ
112 記録媒体
113 トナー層
114 泡状定着液
115 ベルトクリーニング装置
120 泡状定着液
121 液膜境界
122 気泡
130 泡状定着液生成手段
131 定着液容器
132 液状定着液
133 搬送ポンプ
134 液搬送パイプ
135 気体・液体混合部
136 空気口
137 微小孔シート
138 泡生成部
140 定着装置
141 塗布ローラ
142 膜厚調整用ブレード
143 加圧ローラ
144 加圧ベルト
145 加温手段
146 加圧ローラ
147 赤外線ヒータ
148 加圧ローラ
Claims (16)
- トナー及びキャリアとを含む現像剤を用いて記録媒体上に形成されたトナー像を定着する定着方法であって、
前記トナーは、少なくとも結着樹脂と、着色剤と、下記一般式(I)で表されるポリアルキレングリコールとを含有し、
希釈剤と、起泡剤と、前記トナーの少なくとも一部を軟化乃至膨潤させる可塑剤とを含有する定着液を、前記記録媒体上の前記トナーに付与して前記トナーを前記記録媒体に定着させることを特徴とする定着方法。 - 前記定着方法が、
希釈剤と、起泡剤と、可塑剤とを含有する定着液を泡状化して、泡状定着液を生成する泡状定着液生成工程と、
前記泡状定着液を泡状定着液付与手段の接触面上に所望の厚みに形成する膜厚調整工程と、
前記所望の厚みに形成された泡状定着液を前記記録媒体上のトナー層に付与する泡状定着液付与工程とを含む請求項1に記載の定着方法。 - 前記可塑剤が、脂肪族ジカルボン酸ジエトキシエトキシエチルである請求項1から2のいずれかに記載の定着方法。
- 前記可塑剤が、下記一般式で表される化合物である請求項1から3のいずれかに記載の定着方法。
R 8 (COO−(R 9 −O) n −R 10 ) 2
(ただし、前記一般式中、nは1以上3以下であり、R 8 は炭素数が2以上8以下のアルキレン基であり、R 9 は炭素数が1以上3以下のアルキレン基であり、R 10 は炭素数が1以上4以下のアルキル基である。) - 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
前記静電潜像を、トナー及びキャリアとを含む現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像工程と、
前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、
前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程と、
を含む画像形成方法であって、
前記定着工程が、請求項1から4のいずれかに記載の定着方法により行われることを特徴とする画像形成方法。 - 静電潜像担持体と、
前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像担持体に供給する現像剤を表面に担持する現像剤担持体と、現像剤を現像剤担持体表面に供給する現像剤供給部材と、トナー及びキャリアとを含む現像剤を収納する現像剤収納器とを備え、前記静電潜像をトナー及びキャリアとを含む現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段と、
前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段と、
を有する画像形成装置であって、
前記トナーは、少なくとも結着樹脂と、着色剤と、下記一般式(I)で表されるポリアルキレングリコールとを含有し、
前記定着手段が、希釈剤と、起泡剤と、前記トナーの少なくとも一部を軟化乃至膨潤させる可塑剤とを含有する定着液を、前記記録媒体上の前記トナーに付与して前記トナーを前記記録媒体に定着させる定着手段であることを特徴とする画像形成装置。 - 前記ポリアルキレングリコールの重量平均分子量が、2,000〜18,000である請求項6に記載の画像形成装置。
- 前記ポリアルキレングリコールの融点が、50℃以上である請求項6から7のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記ポリアルキレングリコールの含有量が、結着樹脂100質量部に対し1質量部〜15質量部である請求項6から8のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記ポリアルキレングリコールが、ポリエチレングリコールである請求項6から9のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記キャリアが、少なくとも芯材と、前記芯材表面に微粒子を含む被覆層を有し、前記微粒子の平均粒子径(D)と、前記被覆層の平均厚み(h)とが、次式、1<[D/h]<10、を満たし、
前記微粒子の総含有量が、前記被覆層の組成全体の40質量%〜95質量%である請求項6から10のいずれかに記載の画像形成装置。 - 前記キャリアの被覆層が、少なくともシリコーン樹脂を含有する請求項6から11に記載の画像形成装置。
- 前記キャリアの被覆層における微粒子が、アルミナ粒子、及び表面処理したアルミナ粒子の少なくともいずれかである請求項6から12のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記可塑剤が、下記一般式で表される化合物である請求項6から13のいずれかに記載の画像形成装置。
R 8 (COO−(R 9 −O) n −R 10 ) 2
(ただし、前記一般式中、nは1以上3以下であり、R 8 は炭素数が2以上8以下のアルキレン基であり、R 9 は炭素数が1以上3以下のアルキレン基であり、R 10 は炭素数が1以上4以下のアルキル基である。) - 前記起泡剤が、飽和脂肪酸塩、不飽和の脂肪酸塩、モノアルキル硫酸塩、アルキルポリオキシエチレン硫酸塩、スルホン酸塩、及びリン酸塩の少なくともいずれかである請求項6から14のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記定着手段が、
希釈剤と、起泡剤と、可塑剤とを含有する定着液を泡状化して、泡状定着液を生成する泡状定着液生成手段と、
前記泡状定着液を泡状定着液付与手段の接触面上に所望の厚みに形成する膜厚調整手段と、
前記所望の厚みに形成された泡状定着液を前記記録媒体上のトナー層に付与する泡状定着液付与手段とを有する請求項6から15のいずれかに記載の画像形成装置。
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