以下、本明細書で開示する光センサの好ましい第1実施例を、図面を参照して説明する。但し、本発明の技術範囲はそれらの実施例に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
図1は、本明細書に開示する光センサの第1実施例を示す平面図である。図2は、図1のX−X線断面図である。
本実施例の光センサ10は、光の入射量に応じて光電流を発生するセンサである。
光センサ10は、第1波長に感度を有する第1光吸収層13a及び第2波長に感度を有する第2光吸収層13bを備える。第1光吸収層13a及び第2光吸収層13bそれぞれは、異なる波長に対する感度を有していても良いし、又は同じ波長に対する感度を有していても良い。例えば、第1光吸収層13aは7μmの波長の赤外線に感度を有し、第2光吸収層13bは9μmの波長の赤外線に感度を有する。光センサ10は、第1光吸収層13a及び第2光吸収層13bそれぞれの受光量を独立して検知できる。
以下に、光センサ10の構造を更に説明する。
図2に示すように、光センサ10は、支持層11を備える。光センサ10には、外部から支持層11を透過して光が入射する。支持層11上には、上述した第1光吸収層13a及び第2光吸収層13b等の層が配置される。支持層11は、少なくとも第1光吸収層13a及び第2光吸収層13bが検知する波長の光に対する透過性を有する。光センサ10は、支持層11上に素子分離層21により画定されたセンサ領域が形成される。
また、光センサ10は、支持層11上に配置された導電性の第1電極層12aを備える。上述した第1光吸収層13aは、第1電極層12a上に配置される。また、光センサ10は、第1光吸収層13a上に配置された導電性の第2電極層12bを備える。上述した第2光吸収層13bは、第2電極層12b上に配置される。
更に、光センサ10は、第2光吸収層13b上に配置された導電性の第3電極層12cを備える。第1電極層12a及び第2電極層12b及び第3電極層12cは、少なくとも第1光吸収層13a及び第2光吸収層13bが検知する波長の光に対する透過性を有する。
また、光センサ10は、第3電極層12c上に半導体層である整流層15を備える。整流層15は、後述する第1整流部及び第2整流部の一部を形成する。
また、光センサ10は、整流層15上に光結合層17を備える。光結合層17は、支持層11側から入射して層方向に垂直に進んだ光を支持層11側に乱反射する。光結合層17は、主に層方向に垂直でない方向に光を反射する。
光結合層17は、光を効率良く反射するために屈折率を調整する屈折率調整層17aと、回折構造を有し回折により反射角度を変えて光を反射する反射層17bと、を有する。
また、光センサ10は、第1光吸収層13a及び第2電極層12b及び第2光吸収層13b及び第3電極層12c及び整流層15及び光結合層17を電気的に絶縁して、第1領域R1及び第2領域R2の左右に分離する分離層14を備える。
図1に示すように、光センサ10では、矩形に形成された素子分離層21内の領域が、分離層14によって、第1領域R1及び第2領域R2に分離される。
第1領域R1の第1光吸収層13aの部分と、第2領域R2の第1光吸収層13aの部分とは、第1電極層12aを介して電気的に接続する。図2に示す例では、分離層14の先端は、第1電極層12aの途中の深さの部分まで延びているが、第1電極層12aの内部にまで延びていなくても良い。
各層を第1領域R1及び第2領域R2に電気的に絶縁する分離層14は、内部の層へ電力を供給する導電層を形成するためのコンタクトホールとは異なり、高アスペクト比の形状を有し得る。分離層14のアスペクト比は、例えば、分離層14における各層の積層方向の寸法と、分離層の上記積層方向と直交する方向の幅の平均値との比である。
コンタクトホールの場合には、光結合層17側の開口部の直径は、通常、3〜10μmの寸法を有する。一方、分離層14の場合には光結合層17側の開口部の幅は、0.5μm以下にすることができる。ここで分離層14の幅は、第1領域R1と第2領域R2との間の寸法である。分離層14の幅は、2つの領域間を電気的に絶縁する働きを有していれば、第1光吸収層13a又は第2光吸収層13bの受光面積の減少を出来るだけ抑えるように、小さいことが好ましい。具体的には、分離層14の幅の下限値は、分離層14を形成する溝の加工精度又は溝内への絶縁材料の埋め込み等の製造技術の観点から主に決定される。
第1領域R1の光結合層17には、分離層14に隣接して、第1コンタクトホール23が配置される。第1コンタクトホール23の底には、整流層15が露出している。同様に、第2領域R2の光結合層17にも、分離層14に隣接して、第1コンタクトホール23が配置される。
第1領域R1及び第2領域R2それぞれの第1コンタクトホール23は、底の部分を除いて、壁面上に絶縁層22が配置される。
また、第1領域R1には、光結合層17及び整流層15及び第3電極層12c及び第2光吸収層13bを貫通し、第2電極層12bの途中の深さまで延びる第2コンタクトホール24が配置される。第2コンタクトホール24は、第1コンタクトホール23に対して分離層14とは反対側に位置する。同様に、第2領域R2にも、第2コンタクトホール24が配置される。
第1領域R1の第2コンタクトホール24の底に露出した第2電極層12bの部分には、第2電極層12bとオーミック接触する第1コンタクト層19aが配置される。同様に、第2領域R2の第2コンタクトホール24の底に露出した第2電極層12bの部分には、第1コンタクト層19bが配置される。
図2に示すように、第1領域R1及び第2領域R2それぞれの第2コンタクトホール24は、底の部分を除いて、壁面上に絶縁層22が配置される。また、図1に示すように、絶縁層22は、第1領域R1の第2コンタクトホール24から第2領域R2の第2コンタクトホール24に亘って、第1領域R1及び第2領域R2の第1コンタクトホール23を含むように配置される。
また、光センサ10は、第1領域R1の第1コンタクト層19a上から、分離層14側に向かって第2コンタクトホール24の壁面に沿って上方に延び、光結合層17上に延出する第1導電層18aを備える。同様に、光センサ10は、第2領域R2の第1コンタクト層19b上から、分離層14側に向かって第2コンタクトホール24の壁面に沿って上方に延び、光結合層17上に延出する第2導電層18bを備える。
第1領域R1における第1導電層18aの光結合層17上の部分には、第1電極20aが配置される。第1電極20aと第1領域R1の第2電極層12bとは、第1導電層18aを介して電気的に接続する。
同様に、第2領域R2における第2導電層18bの光結合層17上の部分には、第2電極20bが配置される。第2電極20bと第2領域R2の第2電極層12bとは、第2導電層18bを介して電気的に接続する。
また、光センサ10は、第1領域R1の第1コンタクトホール23の底に露出した整流層15の部分から、分離層14側に向かって第1コンタクトホール23の壁面に沿って上方に延び、分離層14上に延出する第3導電層18cを備える。第3導電層18cは、更に、分離層14上の部分から第2領域R2の第1コンタクトホール23の壁面に沿って下方に延び、第1コンタクトホール23の底に露出した整流層15の部分に延出する。
第3導電層18cと、第1領域R1の第1コンタクトホール23の底に露出した整流層15の部分とは、ショットキー接合しており、第1整流部16aを形成する。同様に、第3導電層18cと、第2領域R2の第1コンタクトホール23の底に露出した整流層15の部分とはショットキー接合しており、第2整流部16bを形成する。
第3導電層18cの分離層14上の部分には、第3電極20cが配置される。第3電極18cは、第1領域R1の第2光吸収層13b及び第2領域R2の第2光吸収層13bと、それぞれの領域の第3電極層12cを介して電気的に接続する。
第1領域R1の第2光吸収層13bと第3電極20cとの間に配置される第1整流部16aは、電流が第3電極20cから第1領域R1の第2光吸収層13bの部分へ流れるように整流する。また、第2領域R2の第2光吸収層13bと第3電極20cとの間に配置される第2整流部16bは、電流が第3電極20cから第2領域R2の第2光吸収層13bの部分へ流れるように、第1整流部16aと同じ向きに電流を整流する。
上述した光結合層17の反射層17bは、第1領域R1及び第2領域R2それぞれにおいて、第2コンタクトホール24と素子分離層21との間に配置される。一方、屈折率調整層17aは、整流層15上の全体を覆って配置される。
図1に示すように、光センサ10では、矩形に形成された素子分離層21の内部に、第1電極20a及び第2電極20b及び第3電極20cが直線状に配置される。
次に、上述した第1光吸収層13a及び第2光吸収層13bについて、更に以下に詳述する。
第1光吸収層13a及び第2光吸収層13bそれぞれは、バンドギャップの異なる2つの半導体層を交互に積層して形成された多重量子井戸層又は多重量子ドット層を有している。量子井戸層又は量子ドット層は、離散化した量子準位間で光を吸収して、キャリアを生成する。量子井戸層又は量子ドット層は、量子準位間のエネルギー差に相当する波長の光を吸収するので、所定の波長に対する感度に優れている。多重量子井戸層又は多重量子ドット層の積層数は、所望の検知感度等によって決定され得る。
図3は、図1の第1光吸収層13aを示す拡大図である。なお、図3には、分離層14及び素子分離層21は示されていない。
本実施例では、第1光吸収層13aは、多重量子ドット層をする。第1電極層12a上に配置された第1光吸収層13aは、上下の両端に障壁層31を有する。また、第1光吸収層13aは、上下が障壁層31に挟み込まれた量子ドット層32を有する。量子ドット層32を形成する3次元形状の各量子ドットは、障壁層31によって埋め込まれている。
量子ドット層32は、層方向に平行及び垂直に入射した光に対して、共に光励起を起こす。
図4は、図1の第2光吸収層を示す拡大図である。なお、図4には、分離層14及び素子分離層21及び第2コンタクトホール24及び絶縁層22は示されていない。
本実施例では、第2光吸収層13bは、多重量子井戸層を有する。第2電極層12b上に配置された第2光吸収層13bは、上下の両端に障壁層33を有する。また、第2光吸収層13bは、上下が障壁層33に挟み込まれた量子井戸層34を有する。
量子井戸層34は、層方向に平行に入射した光に対して光励起を起こすが、層方向に垂直に入射した光に対しては、光励起が弱い。そこで、光センサ10では、光結合層17を用いて、層方向に垂直に入射した光を乱反射して、層の積層方向に平行に進行する光を形成する。
図5は、図1の光センサ10の等価回路を示す図である。
図5では、第1光吸収層13aが、第1領域R1の第1光吸収層13aの部分に対応する素子13a−1と、第2領域R2の第1光吸収層13aの部分に対応する素子13a−2として示される。また、第2光吸収層13bは、第1領域R1の第2光吸収層13bの部分に対応する素子13b−1と、第2領域R2の第2光吸収層13bの部分に対応する素子13b−2として示される。
素子13a−1と素子13a−2とは、第1電極層12aに対応する配線によって接続される。
素子13a−1と素子13b−1とは、第1領域R1の第2電極層12bの部分に対応する配線によって接続される。同様に、素子13a−2と素子13b−2とは、第2領域R2の第2電極層12bの部分に対応する配線によって接続される。
第1電極20aは、第1導電層18aに対応する配線によって、素子13a−1と素子13b−1との間の配線に接続する。第2電極20bは、第2導電層18bに対応する配線によって、素子13a−2と素子13b−2との間の配線に接続する。
また、図5では、第1領域R1の第1整流部16aが整流素子16aとして示されており、第2領域R2の第2整流部16bが整流素子16bとして示されている。ここでは、整流層15として、n型の半導体層を用いている。
整流素子16aと素子13b−1とは、第1領域R1の第3電極層12cの部分に対応する配線によって接続される。同様に、整流素子16bと素子13b−2とは、第2領域R2の第3電極層12cの部分に対応する配線によって接続される。
第3電極20cは、第3導電層18cに対応する配線によって、整流素子16a及び整流素子16bと接続する。
次に、光センサ10を駆動して、各光吸収層が受光した光量それぞれを独立に測定する方法を、図面を参照して、以下に説明する。
図6(A)は、第1光吸収層の駆動方法を説明する図であり、図6(B)は、第2光吸収層の駆動方法を説明する図である。図6(C)は、第1光吸収層及び第2光吸収層の駆動方法を説明する図である。
光センサ10は、例えば、駆動回路(図示せず)から各電極20a、20b、20cに駆動信号を供給することにより駆動される。駆動回路としては、例えば、公知の回路を用いることができる。
まず、第1光吸収層13aを駆動して、受光量を測定する方法を以下に説明する。
第1光吸収層13aの受光量を測定する場合には、まず、図5に示す第3電極20cを開放する。そして、図6(A)に示すように、検知期間D1に、第3電極20cを開放した状態で、第1電極20aと第2電極20bとの間に一定の電圧V1を加えることにより、直列に接続された素子13a−1及び素子13a−2に電圧が印加される。素子13a−1及び素子13a−2では、検知期間D1中に入射した光量に応じて光電流が増加する。そして、検知期間D1に続く読み出し期間E1に、第1電極20aと第2電極20bとの間に流れる電流を測定することにより、素子13a−1及び素子13a−2に流れる電流が測定される。このようにして、第1領域R1の第1光吸収層13aの部分及び第2領域R2の第1光吸収層13aの部分の受光量の和が読み取られる。
この際、第2光吸収層13bでも光励起が生じるが、整流素子16a及び整流素子16bの働きにより、素子13b−1及び素子13b−2には電流が流れない。従って、第1光吸収層13aの受光量のみを読み取ることができる。
なお、図6(A)に示す例では、読み出し期間E1にも、第1電極20aと第2電極20bとの間に電圧V1が加えられているが、読み出し期間E1では、第1電極20aと第2電極20bとの間に電圧を印加しなくても良い。
ここで、第1光吸収層13aの受光量を測定する場合には、図5中に矢印で示すように、直列に接続した素子13a−1及び素子13a−2に電流が流れる。従って、第1領域R1の第1光吸収層13aの部分を層の積層方向に流れる電流の向きは、第2領域R2の第1光吸収層13aの部分を層の積層方向に流れる電流の向きとは反対となる。また、第1領域R1の第1光吸収層13aの部分に印加される電圧の向きは、第2領域R2の第1光吸収層13aの部分に印加される電圧の向きとは反対となる。
次に、第2光吸収層13bを駆動して、受光量を測定する方法を以下に説明する。
また、第2光吸収層13bの受光量を測定する場合には、図6(B)に示すように、検知期間D2に、図5に示す第1電極20a及び第2電極20bを等電圧V2として、第1電極20a及び第2電極20bと第3電極20cとの間に電圧を印加する。このようにして、並列に接続された素子13b−1及び素子13b−2それぞれに等電圧V2が印加される。素子13b−1及び素子13b−2では、検知期間D2中に入射した光量に応じて光電流が増加する。そして、検知期間D2に続く読み出し期間E2に、第1電極20a及び第2電極20bと、第3電極20cとの間に流れる電流を測定することにより、素子13b−1及び素子13b−2に流れる電流が測定される。このようにして、第1領域R1の第2光吸収層13bの部分及び第2領域R2の第2光吸収層13bの部分の受光量の和が読み取られる。
この際、第1光吸収層13aでも光励起が生じるが、第1電極20a及び第2電極20bが等電圧とされているので、素子13a−1及び素子13a−2には電流が流れない。従って、第2光吸収層13bの受光量のみを読み取ることができる。
なお、図6(B)に示す例では、読み出し期間E2にも、第1電極20a及び第2電極20bに等電圧V2が加えられているが、読み出し期間E2では、第1電極20a及び第2電極20bに電圧を印加しなくても良い。
ここで、第2光吸収層13bの受光量を測定する場合には、図5中に矢印で示すように、並列に接続した素子13b−1及び素子13b−2それぞれに電流が流れる。従って、第1領域R1の第2光吸収層13bの部分を層の積層方向に流れる電流の向きは、第2領域R2の第2光吸収層13bの部分を層の積層方向に流れる電流の向きと同じになる。また、第1領域R1の第2光吸収層13bの部分に印加される電圧の向きは、第2領域R2の第2光吸収層13bの部分に印加される電圧の向きと同じとなる。
次に、第1光吸収層13a及び第2光吸収層13bそれぞれを独立に駆動して、第1光吸収層13a及び第2光吸収層13bの受光量を測定する方法を以下に説明する。
図6(C)には、光センサ10が、第1光吸収層13aの受光量を測定した後、続けて第2光吸収層13bの受光量を測定することが示されている。光センサ10では、他の順番を用いて、第1光吸収層13a及び第2光吸収層13bの受光量を測定しても良い。例えば、第1光吸収層13aの受光量を複数回続けて測定した後に、第2光吸収層13bの受光量を測定するようにしても良いし、またその逆のようにしても良い。
上述した光センサ10の第1光吸収層13aは、非対称な電流電圧特性を有する場合がある。次に、第1光吸収層13aが非対称な電流電圧特性を有する場合に、分離層14を配置する位置を調整することにより、第1領域及び第2領域において対称な電流電圧特性が得られることについて、以下に説明する。
図7は、図1の第1光吸収層の電流電圧特性を説明する図である。
図7に示すように、第1光吸収層13aは、非対称な電流電圧特性を有する場合がある。図7では、横軸はバイアス電圧を示し、縦軸は電流密度を示す。図7に示す例では、正の電圧における電流密度のカーブ(鎖線)と、負の電圧における電流密度のカーブ(実線)とが、電圧ゼロを通る縦軸に対して非対称な関係にある。ここで、非対称な電流電圧特性は、正の電圧における電流特性のカーブと、負の電圧における電流特性のカーブとが、横軸の電圧ゼロの位置を通る縦軸に対して非対称な関係にあることをいう。
ここで、上述したように、光センサ10では、第1領域R1の第1光吸収層13aの部分に印加される電圧の向きが、第2領域R2の第1光吸収層13aの部分に印加される電圧の向きとは反対である。従って、印加される電圧の絶対値が同じでも、第1領域R1の第1光吸収層13aの電流密度の値と、第2領域R2の第1光吸収層13aの電流密度の値が異なることになる。このように、第1光吸収層13aが非対称な電流電圧特性を有すると、エネルギー準位が変動して、第1領域R1の第1光吸収層13aの吸収波長が、第2領域R2の第1光吸収層13aのものとずれる場合がある。従って、第1光吸収層13aは、第1領域及び第2領域において対称な電流電圧特性を有することが好ましい。ここで、対称な電流電圧特性は、正の電圧における電流特性のカーブと、負の電圧における電流特性のカーブとが、横軸の電圧ゼロの位置を通る縦軸に対して対称な関係にあることをいう。
そこで、光センサ10では、分離層14が、第1領域R1の第1光吸収層13aの部分及び第2領域R2の第1光吸収層13aの部分の電流電圧特性が対称になるように配置される。具体的には、第1領域R1の第1光吸収層13aの部分の面積と、第2領域R2の第1光吸収層13aの部分の面積との割合を調整して、第1領域及び第2領域において対称な電流電圧特性を得ている。
その結果、図2に示すように、分離層14により分離される第1領域R1の第1光吸収層13aの部分の面積は、第2領域R2の第1光吸収層13aの部分よりも大きくなっている。
このように分離層14が配置されることにより、図7に示すように、正の電圧における電流密度のカーブが実線で示されるカーブとなり、負の電圧における電流密度のカーブ(実線)に対して対称となる。
ここで、第2光吸収層13bも、分離層14により、第1光吸収層13aと同様に分離される。このように、第2光吸収層13bも、分離層14によって、第1領域R1及び第2領域R2の面積が非対称になるが、駆動される第2光吸収層13bに印加される電圧の向きは、第1領域R1及び第2領域R2で同じであるので、第2光吸収層13bが分離層14により分離されることによる影響はない。
以上が、分離層14を配置する位置を調整することにより、第1領域及び第2領域において対称な電流電圧特性を得ることの説明である。
また、光センサ10の第1光吸収層13aは、非対称な光感度特性を有する場合がある。次に、第1光吸収層13aが、非対称な光感度特性を有する場合に、分離層14を用いて、第1領域及び第2領域において対称な光感度特性が得られることについて、以下に説明する。
図8は、図1の第1光吸収層の光感度特性を説明する図である。
図8に示すように、第1光吸収層13aは、非対称な光感度特性を有する場合がある。図8では、横軸はバイアス電圧を示し、縦軸は光電流を示す。図8に示す例では、光電流のカーブP1(鎖線)は、正の電圧と、負の電圧とで非対称な関係にある(例えば、Shiang−Feng Tang, Shih−Yen Lin,and Si−Chen Lee,Appl.Phys.Lett.,Vol.78,No.17,pp2428−2430(2001)の図4参照)。ここで、非対称な光感度特性は、正の電圧における光電流特性のカーブと、負の電圧における光電流特性のカーブとが、横軸の電圧ゼロの位置を通る縦軸に対して非対称な関係にあることをいう。
ここで、上述したように、光センサ10では、第1領域R1の第1光吸収層13aの部分に印加される電圧の向きが、第2領域R2の第1光吸収層13aの部分に印加される電圧の向きとは反対である。従って、印加される電圧の絶対値が同じでも、第1領域R1の第1光吸収層13aに流れる光電流の値と、第2領域R2の第1光吸収層13aに流れる光電流の値が異なることになる。このように、第1光吸収層13aが非対称な光感度特性を有すると、第1領域R1の第1光吸収層13aの光感度が、第2領域R2の第1光吸収層13aのものとずれるため、第1光吸収層13a全体としての感度が不均一となる。従って、第1光吸収層13aは、第1領域及び第2領域において対称な光感度特性を有することが好ましい。ここで、対称な光感度特性は、正の電圧における光電流特性のカーブと、負の電圧における光電流特性のカーブとが、横軸の電圧ゼロの位置を通る縦軸に対して対称な関係にあることをいう。
そこで、光センサ10では、分離層14が、第1領域R1の第1光吸収層13aの部分及び第2領域R2の第1光吸収層13aの部分の光感度特性が対称になるように配置される。具体的には、第1領域R1の第1光吸収層13aの部分の面積と、第2領域R2の第1光吸収層13aの部分の面積との割合を調整して、第1領域及び第2領域において対称な光感度特性を得ている。
その結果、図2に示すように、分離層14により分離される第1領域R1の第1光吸収層13aの部分の面積は、第2領域R2の第1光吸収層13aの部分よりも大きくなっている。
このように分離層14が配置されることにより、図8に示すように、光電流のカーブP2(実線)は、正の電圧と負の電圧とで対称な関係になる。
ここで、第2光吸収層13bも、分離層14により、第1光吸収層13aと同様に分離される。このように、第2光吸収層13bも、分離層14によって、第1領域R1及び第2領域R2の面積が非対称になるが、駆動される第2光吸収層13bに印加される電圧の向きは第1領域R1及び第2領域R2で同じであるので、第2光吸収層13bが分離層14により分離されることによる影響はない。
このようにして、分離層14は、第1領域R1の電流電圧特性と、第2領域R2の光感度特性とが対称になるように配置されることが好ましい。
以上が、分離層14を配置する位置を調整することにより第1領域及び第2領域において対称な光感度特性を得ることの説明である。
このように、第1光吸収層13aが、非対称な電流電圧特性を有するか、又は光感度特性を有する場合には、光センサ10では、分離層14を配置する位置を調整することにより対称な特性を得ることができる。
上述した本実施例の光センサ10によれば、深いコンタクトホールが形成されないので、第1光吸収層13a及び第2光吸収層13bの受光面積が大きい。従って、光センサ10は、高い受光感度を有する。
また、本実施例の光センサ10によれば、深いコンタクトホールを形成することなく、第1光吸収層13a及び第2光吸収層13bの厚さを増すことができるので、受光感度を一層高めることができる。
次に、上述した第1実施例の光センサの変形例を、図面を参照して以下に説明する。
図9は、第1実施例の光センサの変形例1を示す平面図である。
変形例1の光センサ10は、第1電極20a及び第2電極20b等の位置が、上述した第1実施例とは異なっている。矩形に形成された素子分離層21の対角線状に、第1電極20a及び第2電極20b及び第3電極20cが配置される。変形例1では、第1電極20a及び第2電極20bの位置の変更に伴って、第1導電層18a及び第2導電層18b及び第2コンタクトホール24等の位置も変更される。
図10は、第1実施例の光センサの変形例2を示す平面図である。
変形例2の光センサ10は、第1電極20a及び第2電極20b等の位置が、上述した第1実施例とは異なっている。矩形の形成された素子分離層21内で、第1電極20a及び第2電極20b及び第3電極20cが三角形の各頂点の位置に配置される。変形例2では、各電極の位置の変更に伴って、各導電層及びコンタクトホールの位置も変更される。
図11は、図10に示す変形例2の光センサを複数配列した光センサアレイを示す平面図である。
図11に示すように、光センサアレイ100は、受光面積が大きい光吸収層を有する複数の光センサ10が配列されて形成される。各光センサ10は高い受光感度を有するので、光センサアレイ100は、高感度な撮像を行うことができる。光センサアレイ100は、例えば、公知の走査方法を用いて、各光センサ10が走査され得る。
次に、上述した光センサの他の実施例を、図12〜図13を参照しながら以下に説明する。他の実施例について特に説明しない点については、上述の第1実施例に関して詳述した説明が適宜適用される。また、同一の構成要素には同一の符号を付してある。
図12は、本明細書に開示する光センサの第2実施例を示す断面図である。
本実施例の光センサ10は、第1光吸収層13aが、上述した第1実施例とは異なっている。
本実施例の光センサ10では、第1光吸収層13aが、図4に示すような、多重量子井戸層を有している。そして、第1光吸収層13aは、対称な電流電圧特性及び対称な光感度特性を有する。
図12に示すように、分離層14は、第1領域R1の第1光吸収層13aの部分の面積と、第2領域R2の第1光吸収層13aの部分の面積とが等しくなるように、第1領域及び第2領域に分離している。
このように、第1光吸収層13aは、対称な電流電圧特性及び対称な光感度特性を有する場合には、上述した第1実施例のように、分離層14が配置される位置を調整する必要はない。
図13は、本明細書に開示する光センサの第3実施例を示す断面図である。
本実施例の光センサ10は、第1整流部16a及び第2整流部16bが、上述した第1実施例とは異なっている。
本実施例では、第3電極層12cは、n型の半導体層である。例えば、第3電極層12cの形成材料としては、n型ドーパントを1E18cm-3の濃度で含むGaAsを用いることができる。
また、整流層15は、p型の半導体層である。例えば、整流層15の形成材料としては、p型ドーパントを1E18cm-3の濃度で含むGaAsを用いることができる。
光センサ10は、整流層15と第3電極層12cとがpn接合して形成された第1整流部16a及び第2整流部16bを備える。
また、光センサ10は、第1領域R1の第1コンタクトホール23の底の整流層15の部分には、整流層15とオーミック接触する第2コンタクト層25aが配置される。同様に、第2領域R2の第1コンタクトホール23の底の整流層15の部分には、整流層15とオーミック接触する第2コンタクト層25bが配置される。
第3導電層18cは、第1領域R1の第1コンタクトホール23において、第2コンタクト層25aを介して、第1整流部16aと電気的に接続する。また、第3導電層18cは、第2領域R2の第1コンタクトホール23において、第2コンタクト層25bを介して、第2整流部16bと電気的に接続する。
次に、上述した第1実施例の光センサの製造方法の好ましい一実施例を、図面を参照しながら以下に説明する。
まず、図14(A)に示すように、支持層11上に、第1電極層12aと、第1光吸収層13aと、第2電極層12bと、第2光吸収層13bと、第3電極層12cと、整流層15と、屈折率調整層17aとが順番に形成される。各層は、例えば、分子線エピタキシー法を用いて形成される。
支持層11の形成材料としては、例えば、(100)面を有するGaAs基板を用いることができる。第1電極層12aの形成材料としては、例えば、n型ドーパントを1E18cm-3の濃度で含むn−GaAsを用いることができる。第1電極層12aの厚さとしては、例えば、1μmとすることができる。
第1光吸収層13aの障壁層31の形成材料としては、例えば、i−GaAsを用いることができる。障壁層31の厚さとしては、例えば、30nmとすることができる。第1光吸収層13aの量子ドット層32は、例えば自己組織化形成法を用いて形成することができる。量子ドット層32の形成材料としては、例えば、n型ドーパントを1E17cm-3の濃度で含むn−InAsを用いることができる。量子ドット層32の厚さは、例えば、3モノレイヤーとすることができる。障壁層31及び量子ドット層32の積層層は、例えば10層とすることができる。
第2電極層12bの形成材料としては、例えば、n型ドーパントを1E18cm-3の濃度で含むn−GaAsを用いることができる。第2電極層12bの厚さとしては、例えば、1μmとすることができる。
第2光吸収層13bの障壁層33の形成材料としては、例えば、i−Al0.24Ga0.7Asを用いることができる。障壁層33の厚さとしては、例えば、40nmとすることができる。第2光吸収層13bの量子井戸層34の形成材料としては、例えば、i−GaAsを用いることができる。量子井戸層34の厚さとしては、例えば、5nmとすることができる。障壁層33及び量子井戸層34の積層層は、例えば20層とすることができる。
第3電極層12cの形成材料としては、例えば、n型ドーパントを1E18cm-3の濃度で含むn−GaAsを用いることができる。第3電極層12cの厚さとしては、例えば、300nmとすることができる。
整流層15の形成材料としては、例えば、n型ドーパントを1E16cm-3の濃度で含むn−GaAsを用いることができる。第1電極層12aの厚さとしては、例えば、100nmとすることができる。
屈折率調整層17aの形成材料としては、例えば、i−GaAsを用いることができる。
次に、図14(B)に示すように、リソグラフィー技術及びエッチング技術を用いて、屈折率調整層17a上に反射層を形成するための回折溝40が所定の位置に形成される。回折溝40は、回折格子の形状を有している。
次に、図15(A)に示すように、リソグラフィー技術を用いて、回折溝40の位置に開口部を有するマスクパターン(図示しない)が屈折率調整層17a上に形成され、形成されたマスクパターン上に反射層を形成する材料による層が形成される。そして、リフトオフ技術を用いてマスクパターンが除去されて、回折溝40の位置に反射層17bが形成される。このようにして、屈折率調整層17a及び反射層17bを有する光結合層17が形成される。反射層17bの形成材料としては、例えば、Ti/Au膜を用いることができる。また、光結合層17上に、光結合層17を保護する保護層(図示せず)を形成しても良い。
次に、図15(B)に示すように、光結合層17上に、パターニングされた第1レジスト層41が形成される。そして、パターニングされた第1レジスト層41をマスクとして、光結合層17がドライエッチングされて、第1コンタクトホール23が所定の位置に形成される。第1コンタクトホール23の底には、整流層15が露出する。そして、第1レジスト層41が除去される。
次に、図16(A)に示すように、光結合層17上に、パターニングされた第2レジスト層42が形成される。そして、パターニングされた第2レジスト層42をマスクとして、光結合層17及び整流層15及び第3電極層12c及び第2光吸収層13b及び第2電極層12bがドライエッチングされて、第2コンタクトホール24が所定の位置に形成される。第2電極層12bは途中の深さまでエッチングされる。そして、第2レジスト層42が除去される。
次に、図16(B)に示すように、光結合層17上に、パターニングされた第3レジスト層43が形成される。そして、パターニングされた第3レジスト層43をマスクとして、光結合層17及び整流層15及び第3電極層12c及び第2光吸収層13b及び第2電極層12b及び第1光吸収層13a及び第1電極層12aがドライエッチングされる。第1電極層12aは途中の深さまでエッチングされる。このエッチングによって、分離溝44及び素子分離溝45が所定の位置に形成される。分離溝44により、光結合層17及び整流層15及び第3電極層12c及び第2光吸収層13b及び第2電極層12b及び第1光吸収層13aは電気的に絶縁されて、2つの領域に分離される。そして、第3レジスト層43が除去される。
次に、図17(A)に示すように、光結合層17上に、素子分離溝45の位置に開口部を有するパターニングされた第4レジスト層46が形成される。そして、パターニングされた第4レジスト層46をマスクとして、素子分離溝45が更にエッチングされて、素子分離溝45が支持層11の途中の深さまで延びる。そして、第4レジスト層46が除去される。
次に、図17(B)に示すように、リソグラフィー技術を用いて、電気絶縁性の材料により形成される絶縁層22が成膜されて、分離溝44内に絶縁層22が埋め込まれて分離層14が形成され、素子分離溝45内に絶縁層22が埋め込まれて素子分離層21が形成される。また、絶縁層22が、第1コンタクトホール23及び第2コンタクトホール24の内壁及び底に形成される。更に、絶縁層22は、第1コンタクトホール23と第2コンタクトホール24との間の屈折率調整層17a上の部分と、2つの第1コンタクトホール23の間に亘って分離層14の上の部分にも形成される。絶縁層22の形成材料としては、例えば、二酸化珪素又は酸窒化珪素を用いることができる。
次に、図18(A)に示すように、第1コンタクトホール23及び第2コンタクトホール24の底の部分に開口部を有するマスクパターン(図示せず)を用いて、第1コンタクトホール23及び第2コンタクトホール24の底の絶縁層22の部分がエッチングされる。このエッチングによって、第1コンタクトホール23の底に整流層15が露出し、また、第2コンタクトホール24の底に第2電極層12bが露出する。
次に、図18(B)に示すように、リソグラフィー技術を用いて、第2コンタクトホール24の底の部分に開口部を有するマスクパターン(図示しない)が形成され、形成されたマスクパターン上に第1コンタクト層を形成する材料による層が形成される。そして、リフトオフ技術を用いてマスクパターンが除去されて、第2コンタクトホール24の底の部分に第1コンタクト層19a、19bが形成される。第1コンタクト層19a、19bの形成材料としては、例えば、AuGe/Ni/Au膜を用いることができる。
次に、図19に示すように、リソグラフィー技術を用いて、第1導電層18a及び第2導電層18b及び第3導電層18cが形成される位置に開口部を有するマスクパターン(図示しない)が形成される。そして、形成されたマスクパターン上に導電層が形成される。そして、リフトオフ技術を用いてマスクパターンが除去されて、上記導電層の一部から、第1導電層18a及び第2導電層18b及び第3導電層18cが形成される。この際、第3導電層18cは、第1コンタクトホール23の底に露出する整流層15の部分とショットキー接合を形成して、第1整流部16a及び第2整流部16bが形成される。
次に、図2に示すように、第1領域R1の第2電極層12bと第1導電層18aを介して接続する第1電極20a、及び、第2領域R2の第2電極層12bと第2導電層18bを介して接続する第2電極30bが形成される。また、第1整流部16a及び第2整流部16bと第3導電層18cを介して接続する第3電極20cが形成されて、光センサ10が形成される。第1導電層18a及び第2導電層18b及び第3導電層18cの形成材料としては、例えば、Inを用いることができる。
本発明では、上述した実施例の光センサ、及びそのような光センサの製造方法、及びそのような光センサを用いた光センサアレイ、及びそのような光センサの駆動方法は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更が可能である。また、一の実施例が有する構成要件は、他の実施例にも適宜適用することができる。
例えば、上述した各実施例では、整流層と第2光吸収層との間に、第3電極層が配置されていたが、第3電極層を配置せずに、整流層を第2光吸収層上に直接配置しても良い。また、上述した各実施例では、第1整流部又は第2整流部は、ショットキー接合又はpn接合以外の整流構造を有していても良い。
また、上述した各実施例は、第1整流部又は第2整流部の内の何れか一方を有していなくても良い。また、上述した各実施例は、第1整流部及び第2整流部の両方を有していなくても良い。この場合、一方の光吸収層の受光量を読み取る際に、他方の光吸収層の影響を受ける場合もあるが、一方の光吸収層の受光量を読み取ることは可能である。
上述した各実施例では、第1光吸収層13a及び第2光吸収層13bが、量子井戸又は量子ドット層を有していたが、第1光吸収層13a及び第2光吸収層13bは、量子細線を有していても良い。
ここで述べられた全ての例及び条件付きの言葉は、読者が、発明者によって寄与された発明及び概念を技術を深めて理解することを助けるための教育的な目的を意図する。ここで述べられた全ての例及び条件付きの言葉は、そのような具体的に述べられた例及び条件に限定されることなく解釈されるべきである。また、明細書のそのような例示の機構は、本発明の優越性及び劣等性を示すこととは関係しない。本発明の実施例は詳細に説明されているが、その様々な変更、置き換え又は修正が本発明の精神及び範囲を逸脱しない限り行われ得ることが理解されるべきである。
以上の上述した各実施例に関し、更に以下の付記を開示する。付記の修正に合わせて請求項をご修正ください。
(付記1)
支持層と、
前記支持層上に配置された第1電極層と、
前記第1電極層上に配置された第1光吸収層と、
前記第1光吸収層上に配置された第2電極層と、
前記第2電極層上に配置された第2光吸収層と、
前記第1光吸収層及び前記第2電極層及び前記第2光吸収層を第1領域及び第2領域に分離する分離層と、
前記第1領域の前記第2電極層と接続する第1電極と、
前記第2領域の前記第2電極層と接続する第2電極と、
前記第1領域の前記第2光吸収層及び前記第2領域の前記第2光吸収層と接続する第3電極と、
を備える光センサ。
(付記2)
前記第1領域の前記第2光吸収層と前記第3電極との間に配置されて、前記第1領域の前記第2光吸収層と前記第3電極との間に流れる電流を整流する第1整流部と、
前記第2領域の前記第2光吸収層と前記第3電極との間に配置されて、前記第2領域の前記第2光吸収層と前記第3電極との間に流れる電流を前記第1整流部と同じ向きに整流する第2整流部と、を備える付記1に記載の光センサ。
(付記3)
前記第1整流部及び前記第2整流部は、ショットキー接合を有している付記2に記載の光センサ。
(付記4)
前記第1整流部及び前記第2整流部は、pn接合を有している付記2に記載の光センサ。
(付記5)
前記分離層は、前記第1領域の前記第1光吸収層及び前記第2領域の前記第1光吸収層の電流電圧特性が対称になるように配置される付記1〜4の何れか一項に記載に光センサ。
(付記6)
前記分離層は、前記第1領域の前記第1光吸収層及び前記第2領域の前記第1光吸収層の受光感度が対称になるように配置される付記1〜4の何れか一項に記載に光センサ。
(付記7)
前記第1電極層上に配置された前記第1光吸収層か、又は、前記第2電極層上に配置された第2光吸収層は、量子ドット層を有する付記1〜6の何れか一項に記載の光センサ。
(付記8)
前記第1電極層上に配置された前記第1光吸収層か、又は、前記第2電極層上に配置された第2光吸収層は、量子井戸層を有する付記1〜6の何れか一項に記載の光センサ。
(付記9)
支持層と、
前記支持層上に配置された第1電極層と、
前記第1電極層上に配置された第1光吸収層と、
前記第1光吸収層上に配置された第2電極層と、
前記第2電極層上に配置された第2光吸収層と、
前記第1光吸収層及び前記第2電極層及び前記第2光吸収層を第1領域及び第2領域に分離する分離層と、
前記第1領域の前記第2電極層と接続する第1電極と、
前記第2領域の前記第2電極層と接続する第2電極と、
前記第1領域の前記第2光吸収層及び前記第2領域の前記第2光吸収層と接続する第3電極と、
を備える光センサが複数配列された光センサアレイ。
(付記10)
支持層上に第1電極層を形成し、
前記第1電極層上に第1光吸収層を形成し、
前記第1光吸収層上に第2電極層を形成し、
前記第2電極層上に第2光吸収層を形成し、
前記第1光吸収層及び前記第2電極層及び前記第2光吸収層を第1領域及び第2領域に分離する分離層を形成する、光センサの製造方法。
(付記11)
光センサの駆動方法であって、
前記光センサは、
支持層と、
前記支持層上に配置された第1電極層と、
前記第1電極層上に配置された第1光吸収層と、
前記第1光吸収層上に配置された第2電極層と、
前記第2電極層上に配置された第2光吸収層と、
前記第1光吸収層及び前記第2電極層及び前記第2光吸収層を第1領域及び第2領域に分離する分離層と、
前記第1領域の前記第2電極層と接続する第1電極と、
前記第2領域の前記第2電極層と接続する第2電極と、
前記第1領域の前記第2光吸収層及び前記第2領域の前記第2光吸収層と接続する第3電極と、を備えており、
前記第3電極を開放し、且つ前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を加えて、前記第1電極と前記第2電極との間に流れる電流を測定することにより、前記第1領域の前記第1光吸収層及び前記第2領域の前記第1光吸収層の受光量を読み取り、
前記第1電極及び前記第2電極を等電圧とし、且つ前記第1電極及び前記第2電極と、前記第3電極との間に流れる電流を測定することにより、前記第1領域の前記第2光吸収層及び前記第2領域の前記第2光吸収層の受光量を読み取る、光センサの駆動方法。