JP5655190B2 - 液面浮遊異物検査方法及び装置 - Google Patents
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まず、本発明者らは、特許文献1および2に開示されているように、液体を充填した容器を挟むように照明装置と撮像装置とを設置し、容器を静止した状態で透過照明により異物が浮遊した液面を撮像する実験を繰り返し行った。この実験の結果、液面付近に浮遊した異物を検査する際、液体の表面張力及び液体と容器壁面との付着力の影響で液面と容器内面が接触する部位で液面が急激に盛り上がり、この盛り上がった箇所が暗い画像になり、この盛り上がった箇所で容器内面に付着した異物をどうしても検出できないという現象を見出したものである。
容器1の側面から光を照射した場合には、図7に示すように、光はガラス製の容器壁面を通過し容器内に入射する。容器内に入射した光の一部は、ガラス壁面にせり上がった液体部分に入射し、液体及び液体に接触しているガラス壁面を通過し、容器壁面から空気中へ出る。容器内の空気中から液体に入射するときは入射角(θ1)が屈折角(θ2)より大きいため、光は図7に示すように下方に屈折する。液体及びガラス壁面の屈折率はわずかな差であるので液体及びガラス壁面中では光は直進に近い光路をとる。ガラス壁面から空気中に出るときには、ガラス壁面における入射角(θ3)より空気中に出るときの屈折角(θ4)の方が大きいため、容器1を出た光はさらに下方に進み、カメラ4には入射しない。この結果、液面付近に浮遊した異物を検査する際、液面と容器内面が接触する部位で液面が急激に盛り上がり、この盛り上がった箇所が暗い画像になり、この盛り上がった箇所で容器内面に付着した異物を検出することができない。
本発明の好ましい態様は、前記異物が遮光性異物である場合には、前記カメラにより得られた画像中では、反射光による画像部分が明るく、異物による画像部分が暗くなることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記異物が透過性異物である場合には、前記カメラにより得られた画像中では、反射光による画像部分と比べて、異物による画像部分が異物内部の屈折により暗くなるか、または集光効果により周囲よりさらに明るくなることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記照明から容器内に入射した光を、直接または容器内面で反射させて液面に集光させることを特徴とする。
したがって、容器内に充填された液体の液面を移動させることなく液面が静止した状態において、液面と容器内面が接触して盛り上がった箇所にある異物を検出することができる。
図1は、液面浮遊異物検査方法を実施する装置構成を示す正面図である。図1に示すように、容器1は、無色透明又は有色透明のガラス壜からなっており、飲料等の液体Lが充填されている。容器1の下方には、容器1内を容器底面側から照明する底面照明2が配置されている。底面照明2は、容器底面と同程度の面積をもった円板または平板であり、多数のLEDを配列することにより構成されている。底面照明2は、容器1に拡散光を投光し、投光された拡散光は容器1の底面を透過して容器1内を照明するようになっている。
まず、底面照明2のみを点灯し、側面照明3を消灯した場合について説明する。
底面照明2からの拡散光は、容器1の底面1aに入射し、底面1aを透過して容器1内に入射する。容器1内に入射した光の一部は、容器内面で反射を繰り返し、液面に集光される、また容器1内に入射した光の一部は、直接に液面に到達する。この場合、液体の表面張力および液体と容器壁面との付着力の影響で液面と容器内面が接触する部位で液面が急激に盛り上がるが、この盛り上がった箇所にも集光した光が到達し、到達した光の一部は円弧状の界面(液体と気体の境界の面)で反射し、反射光は容器1を透過してCCDカメラ4に入射する。すなわち、液面と容器内面が接触して盛り上がった箇所に底面照明2からの光が入射し、この盛り上がった箇所で反射した反射光がCCDカメラ4により撮影される。したがって、盛り上がった箇所がほぼ均一に明るい画像部分になる。
底面照明2からの光が容器1内の液面に集光し、この集光した光の一部が液面と容器内面が接触して盛り上がった箇所に入射し、この入射光が盛り上がった箇所で反射した反射光がCCDカメラ4に入射して撮像されることは、上述したとおりである。
一方、側面照明3からの拡散光は、容器1の側面1bを透過して容器1内に入射する。容器1内に入射した光は、所定の屈折率で、液面上の空気中及び液面中を通過し、容器の外に出る。このため底面照明2だけでは暗かった部分、すなわち液面と容器内面が接触して盛り上がった部分の下側も側面照明3により明るく照らされる。 以上のように、底面照明2と側面照明3を調光することで、液面と容器内面が接触して盛り上がった部分から、その下側の液中部分までを同じように明るくすることができるため、液面とその付近にある異物の画像処理も容易となる。
図4に示すように、底面照明2からの拡散光は、容器1の底面1aを透過して容器1内に入射する。容器1内の液体に入射した光は、容器内面(容器壁面)で反射を繰り返し、また直進して液面に集光される。
図5に示すように、液面と容器内面が接触する部位では液面が急激に盛り上がっているが、この盛り上がった箇所にも集光した光が到達し、その光の一部は円弧状の界面(液体と気体の境界の面)で反射し、反射光は容器1を透過してCCDカメラ4に入射する。すなわち、液面と容器内面が接触して盛り上がった箇所に底面照明2からの光が入射し、この盛り上がった箇所で反射した光がCCDカメラ4により撮影され、撮像画面上では、盛り上がった箇所が明るい画像部分になる。
また、図2および図5では、黒い遮光性異物を撮像する場合を例示したが、液面と容器内面が接触して盛り上がった箇所に透過性異物がある場合も撮像することができる、この場合、透過性異物は、盛り上がった箇所が明るくなった画像部分と比べて、異物内部の屈折により暗い画像部分として映るか、または集光効果によりさらに明るい画像部分として映る。
さらに、検出対象の異物によっては、カラーCCDカメラを用いてもよい。異物が薄い黄色などの場合には、コントラストの違いでの判別が困難であるため、白黒カメラよりもカラーカメラが有効である。また、照明の色、明るさを適宜調整することなども背景と異物の間にコントラストをつけるために有効である。
1a 容器の底面
1b 容器の側面
2 底面照明
3 側面照明
4 CCDカメラ
4x 光軸
L 液体
Le 液面
Claims (6)
- 容器内に充填された液体の液面又は液面付近に浮遊した異物を検出する検査方法において、
容器の下方に配置された照明のみによって容器内を容器底面側から照明し、
前記照明から容器内に入射した光を液面に集光させ、
前記液面に集光した光の一部を液面と容器内面が接触する部位で液面が盛り上がった箇所に入射させ、この入射光を前記盛り上がった箇所の液面と気体との界面で反射させ、
前記盛り上がった箇所に存在する異物を前記界面で反射した反射光とともに容器の側方に配置されたカメラにより撮像することを特徴とする液面浮遊異物検査方法。 - 前記照明から容器内に入射した光を、直接または容器内面で反射させて液面に集光させることを特徴とする請求項1記載の液面浮遊異物検査方法。
- 前記異物が遮光性異物である場合には、前記カメラにより得られた画像中では、反射光による画像部分が明るく、異物による画像部分が暗くなることを特徴とする請求項1または2記載の液面浮遊異物検査方法。
- 前記異物が透過性異物である場合には、前記カメラにより得られた画像中では、反射光による画像部分と比べて、異物による画像部分が異物内部の屈折により暗くなるか、または集光効果により周囲よりさらに明るくなることを特徴とする請求項1または2記載の液面浮遊異物検査方法。
- 容器内に充填された液体の液面又は液面付近に浮遊した異物を検出する検査装置において、
容器の下方に配置され、容器内を容器底面側から照明する照明と、
容器の側方に配置されたカメラとを備え、
前記照明のみによって容器内を容器底面側から照明し、
前記照明から容器内に入射した光を液面に集光させ、
前記液面に集光した光の一部を液面と容器内面が接触する部位で液面が盛り上がった箇所に入射させ、この入射光を前記盛り上がった箇所の液面と気体との界面で反射させ、
前記盛り上がった箇所に存在する異物を前記界面で反射した反射光とともに前記カメラにより撮像することを特徴とする液面浮遊異物検査装置。 - 前記照明から容器内に入射した光を、直接または容器内面で反射させて液面に集光させることを特徴とする請求項5記載の液面浮遊異物検査装置。
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