JP2010091530A - 異物検査方法および異物検査装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】透明な液体が充填された透明な容器に混入した不透明な異物を検査する際、照射光の屈折や反射による異物の誤検出や非検出を低減する異物検査方法および異物検査装置を提供する。
【解決手段】液体が充填された容器を撮像し、得られた画像から前記液体に混入した異物を検査する方法において、前記容器を、前記容器の領域が検出できる所定の光量Lxで撮像し、所定の輝度レベルの容器探索画像を生成するステップと、前記容器の内部に存在する異物が検出できる所定の光量Ly(Lx<Ly)に相当する所定の輝度レベルの異物検出画像を生成するステップとを有し、前記容器探索画像と前記異物探索画像とから画像処理により前記容器内の異物を検査する。
【選択図】図23
【解決手段】液体が充填された容器を撮像し、得られた画像から前記液体に混入した異物を検査する方法において、前記容器を、前記容器の領域が検出できる所定の光量Lxで撮像し、所定の輝度レベルの容器探索画像を生成するステップと、前記容器の内部に存在する異物が検出できる所定の光量Ly(Lx<Ly)に相当する所定の輝度レベルの異物検出画像を生成するステップとを有し、前記容器探索画像と前記異物探索画像とから画像処理により前記容器内の異物を検査する。
【選択図】図23
Description
本発明は、異物検査方法および異物検査装置に関し、特に、飲料や液剤などの液体が封入された容器内部に混入した異物を検査する方法、および検査する装置に関する。
従来より、液状の製品(飲料や液剤など)を生産する製造/加工工場では、飲料や液剤などをペットボトルや瓶などの容器に充填した後は、光の透過性や反射性を利用して最終的な検査を実施している。例えば、液剤や飲料等の液体を封入した透明の容器が被検査体の場合には、照明手段により照射された被検査体をCCD(Charge Coupled Device)カメラ等で撮像し、デジタル化した画像データを画像処理装置によって処理することで、容器内部の液体に混入した異物の有無、容器のキズ等の有無などを検査し、最終製品の良否を自動的に判定するようにしている。
透明な液体が封入された透明容器内の不透明異物を正確に識別、検出する手法としては、様々な方法が提案されている。ここで、「透明」とはその液体が懸濁せず、透き通った状態であることを指し、液体が着色されていても構わない。即ち、検査に使用する光が液体を透過すれば良い。
一般に、透明容器内の液体が透明な場合、その容器自体がレンズやプリズムのような働きをするので、照明手段が照射した光は、容器を通過する過程で屈折することがある。また一部の光は容器内部で反射する。容器を撮像した画像においては、この屈折や反射現象による複雑な輝度変化が生じ、異物検査における大きな障害になっていた。
そこで、この余計な輝度変化を緩和し、軽減する様々な方法が提案されてきた。それらは照明手段やフィルタ等に関するハードウェア的手法と、画像処理によるソフトウェア的手法に大別される。
カメラによる容器の撮像方向に対して、垂直な方向から光を容器に照射した場合、液体が透明であるが故に、光はそのまま通り抜けてしまい、容器内部は暗くて何も見えない状態になる。また、カメラによる撮像方向と同方向から光を照射すると、容器表面で正反射した光が画像に映ってしまい、やはり容器内部は見えない状態となる。そこで一般的には、容器を挟んで、カメラの反対側に照明手段を配置することになる。
しかし、特定の方向だけから光を当てると、屈折や反射現象により、容器内部に光が集中する部分と、光が当たらない部分とを生じ、これが容器の画像に反射の偏りや影となって現れてしまう。そのため、容器に対して様々な方向から光を照射することによって、反射の偏りや影を緩和するための照明方法や照明手段が提案されている(特許文献1参照)。つまり、屈折や反射の影響を緩和するには、容器上方の様々な角度から光を照射すれば、容器底部の各部分に様々な角度から光が当ることになり、容器底部の画像に屈折や反射の影響による輝度変化が生じ難くなる筈である。
また、被検査容器と撮像カメラの間に、入射光を拡散する光学フィルタを設け、画像をぼかして乱反射や影をカットする方法も提案されている(特許文献2参照)。それにより、屈折や反射の影響が画像に表れにくくなる。一方、画像処理においては、前記光学フィルタの代わりに、スムージング効果のある画像処理フィルタにより、輝度変化を緩和する方法なども用いられている。
ここで、従来の一般的な異物検査装置の撮像部の形態について、図面を参照して説明する。検査対象となる液体を充填する容器は、具体的にはペットボトルやガラス製の瓶などである。カメラが容器を検査するときの撮像方向は、沈殿異物を検出する場合は、容器の底面側からであり、液中に浮遊する異物を検出する場合は、容器の側面からとなる。容器上部には不透明のキャップが装着してあり、キャップが検査の妨げになるため、通常は容器の上方から撮像することはない。
図25−1に、従来の沈殿異物検査装置の要部構成の一例を示す。図25−1に示すように、容器2を搬送するためのグリップコンベア200に、スポンジ製で鋸歯状のグリッパ201が一体的に形成されている。容器2の底部を撮像するための撮像手段として、グリップコンベア200で構成する搬送経路の下方に、例えば、CCDからなるカメラ10を上向きで設けてある。
図示しない装置架台上には、例えば、白色のハロゲンランプを持つ照明光源(図示せず)を設置してある。照明光源からの光が、ライトガイド101内に設けた複数の光ファイバ(図示せず)を経由して、照明手段100に達し、容器2に対して上方から照射している。
ライトガイド101内の光ファイバの先端は、照明手段100において直下を向け、容器2の真上でリング状に固定してある。光ファイバの先端では、光が所定の広がり角度を持つ。このため、照明手段100から発せられた光は、照明手段100との距離が大きくなるに従い、リング状から広がり、徐々に円状の透過照明光110となる。
このとき、照明手段100では、光ファイバの先端がリング状配置であることから、不透明な材料であるキャップ3の影を、容器の底側に投影することはない。したがって、キャップ3は異物検出における障害とはならない。
容器2の下方に設置したカメラ10は、容器2を透過した透過照明光110を下側から撮像する。容器2がグリッパ201に挟まれながら搬送され、カメラ10の真上の位置に到達すると、カメラ10が容器2を撮像する。そして、異物検出のための画像処理が実行される。図26に、容器2を取り除いて照明手段100を直接撮像した画像を示す。リング状に白く写っている部分150が光ファイバの発光部分である。
図25−2に示すように、液体が透明である場合、照射された透過照明光110はほとんど減衰せずに容器内部を直進通過する。通過の際、容器外部と容器内部の境界面で屈折が起こる。また、入射角度によっては容器内部の側面で反射する場合もある。容器2に指向性の強い光を特定の方向から照射すると、屈折や反射により、光が集中する部分と集中しない部分とを生じる。そのため、容器2の底面をカメラ10で撮像すると、輝度の高い部分と低い部分が複雑に変化した画像になる。そのような画像の例を図27、図28に示す。
図27−1(a)は、無色透明の飲料を充填した、断面が八角形のペットボトルである容器2Aをその底面側から撮像した画像である。容器2Aには直径0.5mmの球形の黒色異物4を2個投入してあり、その異物4(図27−1(b)に示す。)が黒い円形の影となって見える。図27−1(b)は、光が集中する場所にある異物の拡大画像であり、図27−1(c)は、光が集中しない場所にある異物の拡大画像である。この容器2Aの場合、屈折と反射の影響により、光が当る部分と当らない部分がはっきり分かれている。なお、図27−1、図27−2、図27−3は、それぞれの順に照明を強くしていきながら撮像した場合を示している。これらの図を見ると、光の当る部分図27−1(b)、図27−2(b)、図27−3(b)にある異物4の影は、図から明らかなように照明を強くし過ぎると消えてしまう。一方、光の当らない部分図27−1(c)、図27−2(c)、図27−3(c)に有る異物4は、照明が弱すぎると、背景画像と区別がつき難くなる。どちらの異物もある程度見える画像は図27−2(a)であるが、画像内に容器2Aの影が残っており、画像処理でこれらを異物と区別するのは困難である。したがって従来は、図27−3(a)よりさらに照明を強くして不要な影を消し、図27−3(c)の異物4のみを検出していた。
図28には、容器2Bとして、透明な飲料を充填した、断面が略円形のペットボトルを、その底面側から撮像した画像を示す。この容器2Bの場合、明暗の変化がより複雑であり、補強リブの縁周辺が特に屈折が強く、輝度変化が大きくなっている。図28−1、図28−2、図28−3の順に照明を強くしていくと、容器2Bの凸凹による影が徐々に減っていくものの、異物4の影も徐々に薄くなってしまう。図28−3では、容器2Bの縁の影だけが残り、異物像は2つとも消えてしまうので、異物検出が不可能になる。
特許文献1に示したような従来技術では、容器に対して様々な方向から光を当てる場合、その光の集中する箇所が狭い領域に限定されると、検査装置の容器搬送手段によっては、容器のハンドリングや撮像タイミングなどにばらつきがあるため、撮像の瞬間に光が集中する本来の位置や姿勢から容器が外れることがあり、そのとき光の当て方にむらが生じ、輝度変化を緩和する効果が充分に得られない。或いは、かえって輝度変化を強めてしまい逆効果になる場合がある。
特許文献2の光拡散フィルタにより画像をぼかす方法は、照射光の屈折による輝度変化を緩和するが、目的とする異物の像もぼけてしまう。より小さな異物を見つけようとすると、このぼかしにより、小さな異物の像は、周辺との輝度差が小さくなってしまうため、検出が困難あるいは不可能になってしまう。
上記のように、透明液が満たされた透明容器に対し、複数の特定の方向から光を当てる従来の照明方法では、屈折や反射の影響が極端に現れ、異物検査の大きな障害になる。
本発明は上記課題に着目してなされたものであり、本発明の目的は、液体容器内に含まれる異物を精度良く検出できる異物検査方法および異物検査装置を提供することである。
本発明の他の目的は、液体容器と液体容器内に含まれる異物を精度良く検出できる異物検査方法および異物検査装置を提供することである。
本発明の更に他の目的は、透明な液体で満たされた透明容器において、撮像時に容器の位置、傾きなどに多少のばらつきがあっても、光の屈折による輝度変化を安定的に緩和し、かつ検出分解能を落とさずに微細な異物を検出できる異物検査方法および異物検査装置を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明は、液体が充填された容器を撮像し、得られた画像から前記液体に混入した異物を検査する方法において、
前記容器を、前記容器の領域が検出できる所定の光量Lxで撮像し、所定の輝度レベルの容器探索画像を生成するステップと、
前記容器の内部に存在する異物が検出できる所定の光量Ly(Lx<Ly)に相当する所定の輝度レベルの異物検出画像を生成するステップとを有し、
前記容器探索画像と前記異物探索画像とから画像処理により前記容器内の異物を検査することを特徴とする。
前記容器を、前記容器の領域が検出できる所定の光量Lxで撮像し、所定の輝度レベルの容器探索画像を生成するステップと、
前記容器の内部に存在する異物が検出できる所定の光量Ly(Lx<Ly)に相当する所定の輝度レベルの異物検出画像を生成するステップとを有し、
前記容器探索画像と前記異物探索画像とから画像処理により前記容器内の異物を検査することを特徴とする。
また、上記の異物検査方法において、前記容器の内部に存在する異物が検出できる所定の光量Ly(Lx<Ly)に相当する所定の輝度レベルの異物検出画像を生成するステップは、前記容器を、前記容器の輪郭は消えるが、前記容器内の異物が検出できる所定の光量Lyで撮像するステップと、前記撮像して得られた画像から所定の輝度レベルの異物検出画像を生成するステップとからなることを特徴とする。
また、上記の異物検査方法において、前記容器の内部に存在する異物が検出できる所定の光量Ly(Lx<Ly)に相当する所定の輝度レベルの異物検出画像を生成するステップは、前記所定の輝度レベルの容器探索画像における各画素の輝度値に対して前もって定められた所定の特性曲線に基づいて数値演算を行ない、前記所定の輝度レベルの異物検出画像における各画素の輝度値を得るステップであることを特徴とする異物検査方法。
また、上記の異物検査方法において、前記容器の内部に存在する異物が検出できる所定の光量Ly(Lx<Ly)に相当する所定の輝度レベルの異物検出画像を生成するステップは、前記所定の輝度レベルの容器探索画像における各画素の輝度値に対し、前もって定められた所定の数値変換テーブルを用いて、前記所定の輝度レベルの異物検出画像における各画素の輝度値を得るステップであることを特徴とする。
さらに、本発明は、液体が封入された容器を搬送する搬送手段と、前記容器が搬送される経路の途中に設けられた照明手段と、該照明手段の光量を制御する光量制御手段と、該照明手段からの照明光を前記容器に照射し、透過した光を撮像する撮像手段と、該撮像手段から得られる画像信号の画像処理によって前記液体に混入した異物を検出する画像処理部とを有し、
前記画像処理部は、前記撮像手段で前記容器を、前記容器の領域が検出できる所定の光量Lxで撮像して得られる所定の輝度レベルの容器探索画像と、前記容器の内部に存在する異物が検出できる所定の光量Ly(Lx<Ly)に相当する所定の輝度レベルの異物検出画像とから画像処理により前記容器内の異物を検査することを特徴とする。
前記画像処理部は、前記撮像手段で前記容器を、前記容器の領域が検出できる所定の光量Lxで撮像して得られる所定の輝度レベルの容器探索画像と、前記容器の内部に存在する異物が検出できる所定の光量Ly(Lx<Ly)に相当する所定の輝度レベルの異物検出画像とから画像処理により前記容器内の異物を検査することを特徴とする。
また、上記の異物検査装置において、更に、記憶部を有し、該記憶部には、前記所定の輝度レベルの容器探索画像における各画素の輝度値と、前記所定の輝度レベルの異物検出画像における各画素の輝度値を算出するための所定の特性曲線に基づく数値が記憶され、前記画像処理部は、前記所定の輝度レベルの容器探索画像における各画素の輝度値が入力されると、前記数値に基づいて前記所定の輝度レベルの異物検出画像における各画素の輝度値を出力し、前記容器探索画像と前記出力された前記異物検出画像とから前記容器内の異物を検査することを特徴とする。
また、上記の異物検査装置において、更に、記憶部を有し、該記憶部には、前記所定の輝度レベルの容器探索画像における各画素の輝度値と、前記所定の輝度レベルの異物検出画像における各画素の輝度値を変換するための数値変換テーブルが記憶され、前記画像処理部は、前記所定の輝度レベルの容器探索画像における各画素の輝度値が入力されると、前記数値変換テーブルに基づいて前記所定の輝度レベルの異物検出画像における各画素の輝度値を出力し、前記容器探索画像と前記出力された前記異物検出画像とから前記容器内の異物を検査することを特徴とする。
上記の得られた画像から、各画素の輝度値の乗除算、加減算に代表される数値演算により、輝度値の異なる画像を生成、または、輝度値の数値変換テーブル(ルックアップテーブル)により輝度値の異なる画像を生成し、容器の領域の判定と容器内の異物の有無判定それぞれにおいて、輝度変化分を低減、消去することにより、異物の誤検出あるいは異物の見逃しを減らし、確実で安定な異物検査を実現できる。
本発明によれば、液体容器内に含まれる異物を精度良く検出することのできる異物検査方法および異物検査装置を実現できる。また、液体容器と液体容器内に含まれる異物を区別して精度良く検出することができる。更に、透明な液体が充填された透明容器の光の屈折による乱反射などの輝度変化を、連続検査時に容器の位置や姿勢にばらつきが生じても、安定に容器内の輝度の不均一を除去または低減させ、容器画像における容器の領域判定、つまり異物を探索すべき範囲の特定とその範囲内の異物像の抽出をより確実に実行でき、異物の誤検出や異物の見逃しを減らすことが可能になり、検出精度を向上することができるという特徴がある。
以下、本発明による異物検査方法および異物検査装置の好適な実施の形態について、図面を参照して説明する。
本発明の実施例による異物検査装置の照明手段を図1〜図5および図9に示す。図1〜図5は沈殿異物の検査を想定した場合、図9は容器内に浮遊する異物の検査を想定した場合の、様々な角度から照射可能な照明手段である。なお、照明手段以外の構成は、図25−1に示した従来例と同様であるので、ここではその説明は省略する。
沈殿異物の検査において、容器上方から様々な角度で照射する装置として、理想的な形態は、図1に示すような半球型の照明手段である。図1(a)は、半球型の照明手段20、ペットボトル等の容器2、カメラ10を示す概略斜視図であり、図1(b)は、図1(a)のカメラを除いた断面図である。見易くするため、図1(a)の照明手段20は透明に描いてある。半球型の照明手段20の内壁側の全面が発光面になっている。具体的には、内壁に有機ELのようなシート状の発光体が貼り付けられている。あるいは、LEDや電球のような複数の発光体を、一定密度でマトリックス状に埋め込むことにより、発光面を形成してもよい。しかし、LEDや電球のような発光体を使うと、撮像した画像に発光体の輝点がそのまま映り込み、検査の障害になる場合もある。そのために、発光体の内側を、薄い乳白色アクリルや擦りガラスのような光拡散効果のあるプレートやフィルムで覆い、内壁面の発光強度を均一化することもできる。
容器2の真上付近から照射したときに影が出来る部分(従来例の図27参照)に光が当るようにするには、所定の角度を有する斜め方向からも照射する必要がある。そのために、照明手段20は、図1に示すように、発光面が容器2の上部から側面まで覆うような凹面形状になっている。それにより、屈折や反射による容器内の影を消すことができる。
実際の異物検査装置においては、搬送される容器2を連続して検査しなければならない。撮像部では、図示しないベルトコンベア等によって、容器2は水平方向に搬入、搬出される。よって、図1に示すような凹面形状、例えば、半球型の照明手段20では、容器2の上部が半球型の照明手段20の壁面に当接してしまい、容器2の移動ができない。そこで、半球型の照明手段20において、容器2が通過する壁面部を除去して形成する方法もあるが、そうすると照明手段20の形状が複雑になり、加工が難しく、コストが上がってしまうという問題点がある。
そこで容器2の搬入と搬出を考慮して、搬送経路上で障害となる部分をなくし、連続検査を可能にした照明手段が、図2に示す円筒面状、例えば、半円筒面型の照明手段22である。図2(a)のように、照明手段22はトンネル状の形をしており、容器2を直線経路で水平方向に搬送しても、照明手段22の内壁と衝突はしない。図2(b)は搬送経路と直角方向の断面図であり、この方向から見ると、半円筒形の照射パターンが形成される。搬送経路方向の発光面は、照明手段22の長手方向に伸びた形となり、斜め方向から容器2に入射する光量は、凹面形状に比べると減少する。しかし、図2(a)に示すように、照明手段22の長さを左右長手方向に充分にとり、さらに発光面に拡散板や拡散フィルム等を貼り付けることにより、斜め方向からの照射光を確保すれば、照明光の屈折や反射を緩和する効果は充分に得られる。
しかしながら、照明手段22の場合も発光面が曲面であるため、平面の場合に比べると加工が難しく、コストが高くなるという問題点がある。そこで、フラットパネル型の照明板を複数枚組み合わせて、擬似的に半円筒面型に近い発光面を形成する方法を採用することができる。
照明手段を長方形の発光パネル3枚で形成した例を図3に、発光パネル2枚で形成した例を図4に示す。勿論、より円筒面型に近づけるためにパネルをより細分化し、構成枚数を4枚以上に増やしても構わない。図3および図4の照明手段24、26では、入手容易なフラットな発光パネル型が使え、コスト面で有利である。さらに、拡散板や拡散フィルムを使用して光拡散性を高めれば、実用上は図2の半円筒面型の照明手段22と同等の効果が得られる。
図5は、さらに照明手段の簡素化を図った例であり、単純な1枚のフラットパネル型の照明手段28を容器2の上方に配置したものである。この場合、容器2の斜め方向から光を当てるために、パネルの広さを充分大きくして、かつなるべく容器2に近づけることが必要である。また、斜め方向からの入射光は、容器2の真上付近からの入射光に比べ、発光面から容器までの距離が長くなる分、光量が減衰する。これは入射角によらず均一な光量を得る条件からみてやや不利になる。この弱点をカバーする為に、照明手段28の発光面の前面に、特に光拡散性の良い拡散板29を設け、光照射パターン30の照射角を極力広げるようにする。フラットパネル1枚の単純な照明であっても、容器2の上方肩の部分と容器2の底部の凹凸形状が比較的小さい容器の場合は、輝度変化の緩和に充分に効果がある。また、後述の本発明による画像処理方法と組み合わせれば、上記照明で消しきれない屈折や反射による影をさらに低減することが可能である。
図2から図5に示した照明手段は、何れも搬送方向に十分な長さを有し、照射範囲が広い。さらに拡散板や拡散フィルムを使用すれば、照射角も広くなる。その上、発光面全体において均一な輝度を有しているため、撮像の際、容器2の位置が多少移動しても、あるいは容器2の姿勢が多少傾いても、照明に偏りが生じることは無い。つまり撮像時の容器2の位置や姿勢がばらついても、本発明による異物検査装置の照明状態は影響を受けることはない。
また、照射する光の色(波長)は特に限定されない。すなわち、水のような透過性のある液体の場合は、照射する光は波長の短い順に、紫外線から青、緑、黄、赤、さらに赤外線までいずれも使える。液体が着色されている場合は、その色近辺の波長の光が液体を透過する。つまり液体は透明であるので、基本的に液体の色に近い光を照射すれば良い。例えば、液体がアセロラジュース、ぶどうジュース、ウーロン茶等の場合は、赤か近赤外の光が適している。
次に、本発明の一実施例である異物検査装置60について、図6を参照して説明する。
図示しない異物検査部での容器検知センサ43における容器2の位置検知結果は、I/Oインタフェース61を介して主演算部62(または画像処理部とも称する)で把握し、シャッタ信号制御部63およびカメラコントローラ64により、カメラ10のシャッタ信号のトリガとなる。
図示しない異物検査部での容器検知センサ43における容器2の位置検知結果は、I/Oインタフェース61を介して主演算部62(または画像処理部とも称する)で把握し、シャッタ信号制御部63およびカメラコントローラ64により、カメラ10のシャッタ信号のトリガとなる。
このシャッタ信号に基づいて、カメラ10で容器2の画像を撮像し、カメラコントローラ64からカメラインタフェース65を介して、画像処理を行なう画像データ記憶部66に一旦蓄積し、主演算部62(または画像処理部とも称する)の画像処理プログラムに基づいて異物を抽出する画像処理を行なう。カメラコントローラ64は、AD変換回路やメモリへのデータの書き込みと読み出しを行なうメモリ回路を備えている。
主演算部62は、画像処理プログラムのほかに、容器検知センサ43からの容器検知結果にしたがって、カメラ10で撮像した画像のデータを得る撮像処理プログラムなどを備えている。画像処理プログラムは良く知られた公知の技術によるものであり、撮像処理プログラムは以下説明するようにシーケンス制御によるものであるから、両プログラムについての詳細な説明は省略する。
照明光源73は、先に図1〜図5および図9で説明した照明手段20、22、24、26、28等のような形状を持ち、検査すべき容器2を照明する。照明光源制御部72は、照明光源73の光量を制御するものである。これについては後述する。
撮像画像や、撮像画像に対して既に処理を施した画像は、画像モニタ67に表示する。また、装置の起動、停止、エラーは操作スイッチ68や表示ランプ69で管理し、これらの管理や画像処理を含めた装置全体の稼動状況の管理を、主演算部62と主記憶部70で担っている。この装置全体の稼動状況はモニタ71に表示し、操作者が管理できるようにしている。
次に、断面が八角形および略円形のペットボトルに対し、図5のフラットパネル型の照明手段28(光源:赤色、LEDおよび拡散板付き、300mm角サイズ)を用いて撮像した画像を、図7、図8に示す。(a)が容器全体を撮像した画像であり、異物周辺の拡大画像が(b)、(c)である。図7−1、7−2、7−3(図8−1、8−2、8−3)の順に光量を上げながら撮像した。例えば、照明光源制御部72を制御して、照明光源73の光量を5000Lux(ルックス)〜10000Lux(ルックス)の範囲で変化させ、撮影した。図7は、図27の場合と同様に、断面が八角形のペットボトル2Aの画像であり、図8は、図28の場合と同様に、断面が略円形のペットボトル2Bの画像を示す。
図7(a)、図8(a)において、フラットパネル型の照明手段28による照明が弱めの場合、例えば、5000Luxの場合、容器の内部に薄い影が見えるが、フラットパネル型の照明手段28は上方の様々な角度から光を照射しているため、従来のリング型照明による画像、図27、図28の影ほど暗くない。つまり明るい部分と暗く影に見える部分の輝度差は、リング型照明の場合程大きくはない。一方、異物4の影は輝度値が充分低いので、図7−1、7−2、7−3の順に照明を徐々に強く、例えば、5000Lux、7000Lux,10000Luxのように段々光量を強くしていくと、屈折や反射による容器の影は薄くなるが、異物4の影は、沈殿している場所に寄らず確実に残る(写る)。リング型照明では不要な影の消去がさらに難しい丸型ペットボトルでも、図8のように異物4の影は確実に残り、屈折や反射による容器2Bの影は消えていく。
したがって、透明液を検査するときに生じる屈折や反射による容器の影の除去は、特定の方向だけから光を照射する従来例のような照明では困難だったが、様々な角度から照射するフラットパネル型の照明手段28を用いると容易になることがわかる。また、説明は省略するが、図1〜図4に示した照明手段を使えば、不要な影の除去において、図5のフラットパネル型の照明手段28と同等以上の効果を得ることができる。
上記の照明手段の効果は、浮遊異物検査の場合においても同様に得ることができる。図9−1、図9−2、図9−3に示すように、容器2の側面の一方に照明手段22、24、28を、容器2を挟んで反対側にカメラ10を配置すれば、容器側面に対し様々な角度から光が照射されるため、光が容器2を通過するときに起こる屈折や反射による容器画像への影響が緩和される。
図7、図8において、異物4を見落とすことが無く、また誤って検出することも無く、正確に検出するだけの目的であれば、照明を明るめに、例えば、10000Luxに調整した図7−3や図8−3が最適の画像である。しかし、これらの画像は容器の輪郭まで消えてしまっているので、この画像からは、容器内部の領域が何処なのか、さらに容器がこの画像の中に確かに存在するのかどうかを判断することが難しい。
従って、本発明では、容器の領域を判別するために、照明を暗めに調整した図7−1や図8−1、あるいはさらに照明を暗めにした画像の方が、容器の輪郭や内部が黒い影となって確実に検出できるので好ましい画像といえる。即ち、本発明では、照明光源制御部72を制御して照明光源73の光量を5000Luxあるいはそれ以下の範囲で撮像すると、図7−1(a)や図8−1(a)のように容器の領域を確実に検出できる。しかしながら、図7−1(b)、図7−1(c)や図8−1(b)、図8−1(c)の拡大図で示すように、容器の影と異物4が映像として検出されるので、目視の場合には判断が可能であるが、画像処理により容器の影と異物4を区別することは、不可能である。
一方、照明光源73の光量が10000Luxあるいはそれ以上になると、図7−3(b)(c)、あるいは図8−3(b)(c)のように容器の影は消え、異物4のみが検出され、画像処理により異物を検出することができる。即ち、本発明では、容器2の形状を撮影するために、照明光源制御部72を制御して照明光源73の光量を所定の光量Lx、例えば、5000Luxにして容器2を撮像する。次に、照明光源制御部72を制御して、照明光源73の光量を所定の光量Ly、例えば、10000Luxに変更して、容器2を撮像する。それによって異物4が撮影されるので、この2画面から画像処理によって容器2内の異物4を検出することが可能となる。
以上のように本発明では、図1から図5までに示した照明手段で、透明液が充填された容器2を検査する場合、基本的に、容器2の範囲の判定と、異物の検出のためには、それぞれ相応しい輝度値を有する画像を、2種類光量を変えて撮像することで実現できる。また、上述の照明光源制御部72を制御して照明光源73の光量を所定の光量Lxおよび光量Lyに設定するには、前もって主記憶部70に記憶することで、容易に実現できる。ここで、Lx<Lyとする。なお、上記実施例では、Lx:5000Lux、Ly:10000Luxとして説明したが、装置構成、容器の種類等により種々の光量が用いられることは勿論である。それらは前もって実験的に定めるのが良い。
また、上記のように光量を変化させる以外に、2種類の撮像装置を設け、それぞれの撮像装置で同じ容器を撮像する方法、または、カメラ視野内を容器2が通過する間に、カメラ10のゲインを素早く切替えて、容器2を2回撮像する等の方法が考えられる。
また、上記のように光量を変化させる以外に、2種類の撮像装置を設け、それぞれの撮像装置で同じ容器を撮像する方法、または、カメラ視野内を容器2が通過する間に、カメラ10のゲインを素早く切替えて、容器2を2回撮像する等の方法が考えられる。
次に、本発明の他の一実施例について以下説明する。本実施例は、1回の撮像で得た原画像から、画像処理により所望の輝度値を有する画像を生成する方法について説明する。
図10−1(a)、10−2(a)、10−3(a)は、例えば、照明の光量を5000Lux、7000Lux、10000Luxにそれぞれ変えて撮像した画像を示す。また、図10−1(b)、10−2(b)、10−3(b)は、図10−1(a)、10−2(a)、10−3(a)の走査線5に沿って計測した輝度レベルを示す。なお、7は、輝度レベルLL(例えば、0レベル)を示し、6は、飽和レベルLHを示す。この輝度レベルは、例えば、カメラ10で撮像した映像の走査線5上の輝度レベルを主演算部62で検出することで得られる。図10−1(b)、10−2(b)、10−3(b)のそれぞれの輝度レベルを比較すると、次のことが分かる。即ち、照明を明るくする。例えば、5000Lux、7000Lux、10000Luxと、輝度レベルが上昇するとともに、輝度の山谷の振幅(矢印で示す。)が拡大することが判る。すなわち、照明を明るくするときの輝度値の変化は、画像の輝度値に、ある係数を乗じて輝度値を上げることで模擬できると考えられる。
このことから照明光源73の光量を実質的に変化させずに、例えば、5000Luxで撮像した原画像の輝度を画像処理により調整することで、例えば、7000Luxあるいは10000Luxで撮像したと同様の輝度値を得ることが可能である。このような輝度値を得る方法としては、数値演算による方法と、ルックアップテーブル(LUT)と呼ばれる輝度変換テーブル(数値変換テーブル)を使う方法がある。
まず、数値演算による方法について説明する。図11は、原画像と変換後の画像の輝度が同一となる場合の輝度変換直線である。8ビット階調の画像の場合、輝度値は0から255の範囲の値となる。従って、例えば、照明の光量を2倍に上げたとき、例えば、5000Luxから10000Luxに上げた時の画像の輝度変化は、図12の輝度変換直線で模擬することが出来る。図12は、画像の各画素の輝度値を変換する関数の特性直線であって、入力輝度の下半分を2倍に変換し、入力輝度の上半分は最高輝度255に固定する、いわゆる白飛び画像を生成する特性直線である。図12を数式で表現すれば、
Lo=Li×2 (0≦Li≦127)・・・・・・・・・・・・・(1)
Lo=255 (128≦Li≦255)・・・・・・・・・・・(2)
(Li:原画像の画素の輝度値、Lo:輝度変換した画素の輝度値)
であり、この演算を原画像の各画素の輝度値に対して行なえば、輝度変換画像が得られる。即ち、例えば、図10−1(b)で得られる輝度レベルLi(計測された5000Luxの輝度レベル)に対して式(1)(2)に基づいて輝度レベルLo(10000Lux相当の輝度レベル)を求める。この演算は、主演算部62で行うことができる。このようにすることによって先の実施例で説明した照明光源制御部72を制御して照明光源73の光量を所定の光量Lxおよび光量Lyに変更する場合と同等の効果を得ることが分かる。なお、図11、図12の特性直線は、システム構成等により特性曲線とすることもできる。
Lo=Li×2 (0≦Li≦127)・・・・・・・・・・・・・(1)
Lo=255 (128≦Li≦255)・・・・・・・・・・・(2)
(Li:原画像の画素の輝度値、Lo:輝度変換した画素の輝度値)
であり、この演算を原画像の各画素の輝度値に対して行なえば、輝度変換画像が得られる。即ち、例えば、図10−1(b)で得られる輝度レベルLi(計測された5000Luxの輝度レベル)に対して式(1)(2)に基づいて輝度レベルLo(10000Lux相当の輝度レベル)を求める。この演算は、主演算部62で行うことができる。このようにすることによって先の実施例で説明した照明光源制御部72を制御して照明光源73の光量を所定の光量Lxおよび光量Lyに変更する場合と同等の効果を得ることが分かる。なお、図11、図12の特性直線は、システム構成等により特性曲線とすることもできる。
次に、ルックアップテーブル(LUT)を用いる方法について説明する。図13は、LUTを用いる方法を説明している。入力輝度が0から127のとき、出力輝度の欄にはその2倍の値が格納されている。入力輝度が128から255のとき、出力輝度の欄はすべて255が格納されている。上述と同様に、原画像の画素の輝度値、即ち、図10−1(b)で得られる輝度レベルLiに対応する輝度レベルLoを得るには、LUTの入力輝度値Liから該当する出力輝度値Loで原画像の画素の輝度値を置き変える。この方法により5000Luxの輝度レベルから10000Lux相当の輝度変換画像が得られる。このような変換処理を画像処理装置内部の主演算部62で実行する。また、図13のようなLUTは、予め主記憶部70に記憶させておき、輝度変換を行なえば良い。なお、図11および図12の特性図および図13のLUTは、一実施例であり、システム構成、検出対象の容器の種類等で種々変更されることは言うまでもない。また、このようにすることによって先の実施例で説明した照明光源制御部72を制御して照明光源73の光量を所定の光量Lxおよび光量Lyに変更する場合と同等の効果を得ることが分かる。
次に、これらの方法で変換した画像の一実施例を以下に説明する。図14は、図12に示した輝度変換直線で、図10−2(a)の画像(光量7000Luxの場合)の輝度値を1.35倍に変換した画像を示す。図14(a)が画像全体を示す図、図14(d)が走査線5に沿った輝度レベルである。図14(a)の輝度変換画像および図14(b)の輝度レベルは、照明を強くして撮像した画像(光量10000Lux)である図10−3(a)(b)に非常に似ており、照明を強めた画像が、数値演算により正確に模擬できていることがわかる。
また、図10−2(a)の画像の輝度値を2.5倍に変換した画像を図15(a)に示す。図15(a)が画像全体、図15(b)、図15(c)は投入した異物周辺の拡大画像である。それにより、実際に照明を強くして異物以外の影を消した図7−3(a)の画像と同様の画像が得られる。
また、照明の光量を1/2に下げるときの輝度変換直線を図16に、そのLUTを図17に示す。図16の変換直線により、図10−2(a)の画像の輝度値を下げた画像を図20(a)に示す。実際に照明を弱めた図10−1(a)の画像と比べると、元の画像で輝度が飽和している部分は本来の輝度情報が失われている為、変換しても図10−1(a)とは異なる画像になる。また、元の画像の輝度変化が1/2に圧縮される。輝度変換後、容器の領域判定のためにパターンマッチングやエッジ抽出、あるいは二値化などを実施することになるが、何れの手法においても、画像の輝度変化が小さくなるのは好ましくない。
従って、画像の暗い部分の輝度を下げ、なおかつ輝度変化も2倍に拡大するには、例えば、図18の輝度変換直線、あるいはそれに相当する図19のLUTを使えば良い。図18は、画像の各画素の輝度値を変換する関数の特性直線であって、入力輝度の下半分は最低輝度0に固定し、入力輝度の上半分を2倍に変換する、いわゆる黒潰れ画像を生成する場合の特性直線である。図18の変換直線により図10−2(a)の画像輝度を変換した結果を図21(a)に示す。この場合、容器輪郭の暗い部分の輝度が十分低くなり、他の明るい部分との輝度差が2倍に拡大されるので、元の画像よりも容器の領域判定がより確実になる。なお、図16から図19は、直線で近似しているが、場合によっては、重み付を変え、曲線とすることもできる。
以上の手法により、撮像して得た原画像から輝度値を変換し、異物の検出や容器の領域の判定にとって、より好ましい画像を自由に生成することが出来る。なお、以上の説明では、輝度変換に直線を用いたが、それに限定されず、適宜、曲線を用いても、また直線と曲線を組み合わせてもよいことは言うまでもない。
以上述べた本発明の実施例に掛かる照明手段と画像輝度の変換方法を用い、異物を検出する画像処理の手順を、図23および図24に示す。また、比較のために、従来の異物検出手順を図22に示す。
まず、図22に示した従来の手順では、撮像して得た原画像から直接、容器の領域判定と二値化による異物の抽出を行なう。すなわち、検査する容器の画像を撮像し(処理S1)、検査領域を容器内部に限定し(処理S2)、輝度しきい値により原画像から二値画像を得る(処理S3)。そして、得られた二値画像から黒点連結部分を抽出し(処理S4)、抽出部の個数・面積・大きさなどを算出する(処理S5)。
上記の従来例に対して本発明では、図23に示すように、検査する容器を撮像することにより原画像を得て(処理S1)、撮像して得た原画像から輝度値を変換して、異物検出に適した異物探索画像を生成し(処理S2)、輝度しきい値により異物探索画像から二値画像を得る(処理S3)。また、撮像して得た原画像から輝度値を変換して、容器領域判定に適した容器探索画像を生成し(処理S4)、容器探索画像から容器の領域を判定する(処理S5)。
一般に、容器探索画像を得るには、容器の輪郭や内部領域が明確になるように、原画像の輝度を下げる変換を行う。また、異物検索画像を得るには、異物以外の光の屈折や反射による薄い影が消えるように、原画像の輝度を上げる変換を行う。
容器検索画像は、パターンマッチングやエッジ検出、或いは二値化などの手法を用いて容器の存在する領域を判定する。一方、異物探索画像は、異物を抽出するのに適当なしきい値で二値化して、画像中の暗い部分を抽出する。次に、二値化した異物探索画像の以後の画像処理領域を、容器の内部領域に限定する(処理S6a)。具体的にはパターンマッチングやエッジ検出で得た容器の位置情報と、予め記憶しておいた容器の形状や大きさの情報により画像処理を行う範囲を制限する。または、二値化で得た画像から生成するマスク画像を用いて、容器の外側の部分をマスキング(除外)する。
その後、領域を制限した二値画像から黒点連結部分を分離抽出する(処理S7)。抽出された連結部の各々が異物と考えられる。最後に、大きさや面積、個数などの異物の情報を算出して(処理S8)、異物検出が完了する。
さらに、図23の処理を高速化した手順を図24に示す。図24の手順では、検査する容器を撮像することにより原画像を得て、(処理S1)、数値処理により原画像の輝度値を調整し容器探索画像を生成し(処理S4)、容器探索画像から容器の領域を判定し(処理S5)、画像処理を行なう領域を容器内部に限定する(処理S6b)。そして、数値処理により原画像の輝度値を調整して異物探索画像を生成し(処理S2)、輝度しきい値により異物探索画像から二値画像を得て(処理S3)、二値画像から黒点連結部分を抽出し(処理S7)、抽出部の個数・面積・大きさなどを算出する(処理S8)。
すなわち、先に容器探索画像から容器の領域を判定し、原画像の画像処理範囲を容器内部の領域に限定した後に、原画像の輝度値を変換して異物探索画像を得る。この手順により、画像の輝度変換と二値化が容器の範囲内に限定されるため、画像全体を処理する図23の方法よりも処理時間が短縮できる。
上記において、図23、図24で、容器の領域判定と異物の検出に、原画像を直接使わず、輝度変換した画像をそれぞれ使う方法を説明した。しかし、照明をやや弱めに調節し、原画像の輝度を、例えば図10−1(a)に示すように低めにすると、原画像そのままで容易に容器の領域判定ができる。したがって、原画像は、そのまま容器探索画像として使うことができ、図23、図24における処理S4は省略することもできる。
以上、本発明による異物検査方法および異物検査装置を、好適な実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明は上記実施の形態によって限定的に解釈されるものではない。すなわち、本発明はその趣旨、主要な特徴から逸脱しない範囲において、種々の変更および様々な形態での実施が可能である。
2、2A、2B…容器(ペットボトル)、3…キャップ、4…異物、5…走査線、6…画像輝度上限値、7…画像輝度下限値、10…カメラ、11…画像輝度中央値、20…照明手段、22…照明手段、24…照明手段、26…照明手段、28…照明手段、29…拡散板、43…容器検知センサ、60…異物検査装置、62…主演算部、72…照明光源制御部、73…照明光源、100…リング型照明手段、101…ライトガイド、110…透過照明光、150…リング型照明の発光部分の画像、200…グリップコンベア、201…グリッパ。
Claims (7)
- 液体が充填された容器を撮像し、得られた画像から前記液体に混入した異物を検査する方法において、
前記容器を、前記容器の領域が検出できる所定の光量Lxで撮像し、所定の輝度レベルの容器探索画像を生成するステップと、
前記容器の内部に存在する異物が検出できる所定の光量Ly(Lx<Ly)に相当する所定の輝度レベルの異物検出画像を生成するステップとを有し、
前記容器探索画像と前記異物探索画像とから画像処理により前記容器内の異物を検査することを特徴とする異物検査方法。 - 請求項1記載の異物検査方法において、前記容器の内部に存在する異物が検出できる所定の光量Ly(Lx<Ly)に相当する所定の輝度レベルの異物検出画像を生成するステップは、前記容器を、前記容器の輪郭は消えるが、前記容器内の異物が検出できる所定の光量Lyで撮像するステップと、前記撮像して得られた画像から所定の輝度レベルの異物検出画像を生成するステップとからなることを特徴とする異物検査方法。
- 請求項1記載の異物検査方法において、前記容器の内部に存在する異物が検出できる所定の光量Ly(Lx<Ly)に相当する所定の輝度レベルの異物検出画像を生成するステップは、前記所定の輝度レベルの容器探索画像における各画素の輝度値に対して前もって定められた所定の特性曲線に基づいて数値演算を行ない、前記所定の輝度レベルの異物検出画像における各画素の輝度値を得るステップであることを特徴とする異物検査方法。
- 請求項1記載の異物検査方法において、前記容器の内部に存在する異物が検出できる所定の光量Ly(Lx<Ly)に相当する所定の輝度レベルの異物検出画像を生成するステップは、前記所定の輝度レベルの容器探索画像における各画素の輝度値に対し、前もって定められた所定の数値変換テーブルを用いて、前記所定の輝度レベルの異物検出画像における各画素の輝度値を得るステップであることを特徴とする異物検査方法。
- 液体が封入された容器を搬送する搬送手段と、前記容器が搬送される経路の途中に設けられた照明手段と、該照明手段の光量を制御する光量制御手段と、該照明手段からの照明光を前記容器に照射し、透過した光を撮像する撮像手段と、該撮像手段から得られる画像信号の画像処理によって前記液体に混入した異物を検出する画像処理部とを有し、
前記画像処理部は、前記撮像手段で前記容器を、前記容器の領域が検出できる所定の光量Lxで撮像して得られる所定の輝度レベルの容器探索画像と、前記容器の内部に存在する異物が検出できる所定の光量Ly(Lx<Ly)に相当する所定の輝度レベルの異物検出画像とから画像処理により前記容器内の異物を検査することを特徴とする異物検査装置。 - 請求項5記載の異物検査装置において、更に、記憶部を有し、該記憶部には、前記所定の輝度レベルの容器探索画像における各画素の輝度値と、前記所定の輝度レベルの異物検出画像における各画素の輝度値を算出するための所定の特性曲線に基づく数値が記憶され、前記画像処理部は、前記所定の輝度レベルの容器探索画像における各画素の輝度値が入力されると、前記数値に基づいて前記所定の輝度レベルの異物検出画像における各画素の輝度値を出力し、前記容器探索画像と前記出力された前記異物検出画像とから前記容器内の異物を検査することを特徴とする異物検査装置。
- 請求項5記載の異物検査装置において、更に、記憶部を有し、該記憶部には、前記所定の輝度レベルの容器探索画像における各画素の輝度値と、前記所定の輝度レベルの異物検出画像における各画素の輝度値を変換するための数値変換テーブルが記憶され、前記画像処理部は、前記所定の輝度レベルの容器探索画像における各画素の輝度値が入力されると、前記ルックアップテーブルに基づいて前記所定の輝度レベルの異物検出画像における各画素の輝度値を出力し、前記容器探索画像と前記出力された前記異物検出画像とから前記容器内の異物を検査することを特徴とする異物検査装置。
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