JP4841417B2 - カップゼリーの異物検出装置 - Google Patents
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Description
これらの装置のように、被検査体に所定の方向から照明を照射し、該被検査体の光学像を取得して、得られた画像データを解析処理することにより、食品中に混入した様々な種類の異物を確実に検出することが可能である。
また、一般的にゼリー商品には、果肉や繊維などの具材を混ぜていることが多く、単に撮像しただけでは大小様々な形状、色を有する具材を異物として誤認識してしまう惧れがある。また具材を認識できた場合であっても、具材に重なって撮像された異物を検出することは難しかった。
また、特許文献2は、照明手段と反射手段の2方向から照明を照射する構成としており、比較的明瞭な画像が得られるが、カップゼリーのように具材を含む場合はこれを異物と誤認識する可能性が高く、また具材に重なって撮像された異物を検出することは困難であるため、この装置をカップゼリーに適用するには問題が残る。
従って、本発明は上記従来の技術の問題点に鑑み、ゼリーを撮像する際の不具合を解消でき明瞭な画像が得られるとともに、ゼリー内に混ぜられた果肉や繊維等の具材を異物と誤認識することなく確実に異物のみを検出できるカップゼリーの異物検出装置を提供することを目的とする。
前記撮像カメラが前記カップゼリーの側方に配置されるとともに、前記カップゼリーの上方から可視光を照射する第1の照明装置と、前記カップゼリーの下方から赤外光若しくは白色光を照射する第2の照明装置と、前記撮像カメラに対して前記カップゼリーを挟んで対向する位置に設置され白色光を照射するバックライトと、を備え、
前記第1の照明装置が、赤色LEDと緑色LEDと青色LEDとから構成されるとともに、前記バックライトの照度を前記第1の照明装置及び前記第2の照明装置より小さくしたことを特徴とする。
これにより、様々な具材が入っているゼリーに対しても夫々に適した照明とすることができ、ゼリーの種類に応じて確実な異物検出が可能となる。
このように、白色光か赤外光かを選択するように構成するとともに、選択された照明の照度を調整することにより、容器や載置台、コンベアなどにより生じるゼリーの陰影を極力無くすことができ、明瞭な撮像画像を得ることができる。また、カップゼリーの容器を密封するシールには商品名や図柄等が印字されることが多い。そこで可視光ではこのシールを透過しにくい場合、赤外光が好適に用いられる。また、赤外光を用いると、検査員が眩しくなく負担が少ないという利点も有する。
前記制御装置は、前記回転調整手段により前記カップゼリーを所定角度だけ回転させた後に停止させ、停止時に前記撮像カメラ、前記第1の照明装置、前記第2の照明装置、及び前記バックライトを作動させるようにし、
前記カップゼリーを複数方向から撮像して異物検出を行うようにしたことを特徴とする。
本発明によれば、円筒状容器のような径の大きい容器に充填されたカップゼリーや、ゼリーの色味が濃く、異物を検出し難いカップゼリーにおいても、異なる複数の方向から異物検出を行う構成とすることにより確実に異物を検出することが可能となり、信頼性の高い装置とすることができる。尚、本発明において回転速度調整手段は、回転/停止についても調整できるものである。
また、前記ターンテーブルの上面には、カップゼリーの容器形状、大きさに応じた多角形状の滑り防止用溝が形成されていることが好ましい。
このように、ターンテーブルに溝を設けることにより、カップゼリーを回転させたときの回転応力による位置ずれを防止でき、撮像カメラの視野にカップゼリーを確実に合わせることができる。さらに、この溝は、カップゼリーの容器を密封するシールの厚さと略同一の深さとすることが好ましく、これにより側面からカップゼリーを撮像した場合に、シール部分は溝に埋め込まれる状態となるため撮像画像にシールを写さないようにすることができる。
前記撮像カメラは、前記搬送コンベアの搬送方向に対して異なる位置に複数設置されるとともに夫々が異なる方向から搬送コンベア上のカップゼリーを撮像するように設置され、該撮像カメラに対して前記第1の照明装置と前記第2の照明装置と前記バックライトとが夫々設けられ、
前記搬送コンベア上を搬送されるカップゼリーを複数の撮像カメラにより異なる方向から撮像して異物検出を行うようにしたことを特徴とする。
本発明では、搬送コンベアによりカップゼリーを搬送しながら、複数方向から撮像するようにしたため、連続的に異物検出を行うことができ短時間で多くの製品を検査することが可能となる。
図1は本発明の実施例1に係る異物検出装置の基本構成を示す側面図、図2は本実施例の画像処理装置にて得られた2値画像を示す図、図3はカップゼリーを回転する際に用いるターンテーブルを示し、(a)は分解立体図、(b)は斜視図、図4は本実施例2に係る異物検出装置の構成を示す側面図である。
本実施例に係るカップゼリーの異物検出装置1は、被検査体であるカップゼリー30が載置されるターンテーブル20と、カップゼリー30を撮像する撮像カメラ2と、該カップゼリー30に照明光を照射する第1の照明装置3、第2の照明装置4、バックライト5と、画像処理や照明の照度調整、ターンテーブル2の回転制御等を行う制御装置10とを主要構成とする。
カップゼリー30の密封シール面を上面とすると、カップゼリー30はターンテーブル20に対して上面が接地するように上下逆さ方向に載置される。
ターンテーブル20上に載置されたカップゼリー30に対して、撮像カメラ2は側方に位置する。バックライト5は、撮像カメラ2に対してカップゼリー30を挟んで対向する側に位置する。
第1の照明装置3はカップゼリー30の上方に位置し、第2の照明装置4はカップゼリーの下方、即ちターンテーブル20の下方に位置する。
前記第1の照明装置3は可視光を照射する装置であり、赤色(R)LEDと緑色(G)LEDと青色(B)LEDとからなるLEDモジュールを少なくとも一つ備えている。赤色LEDと緑色LEDと青色LEDはそれぞれ照射される光の照射角度は一定であって、制御装置10の上部照明発光強度調整部11により3種類のLEDの発光強度が夫々調整される。各LEDの発光強度の調整としては、一例としてLEDに流す電流を調整することにより行う。尚、この第1の照明装置3は、隣接して一台以上設けるようにしてもよく、この場合カップゼリーの直上に一台と、この一台に隣接するごとく撮像カメラ2側にもう一台設けることが好ましい。
第1の照明装置では、主としてゼリー内部に存在する果肉や繊維等の固形物の特徴を消す若しくは目立たなくするような色となるように、RGBの発光強度を調整する。これにより、果肉や繊維等の固形物と、髪の毛等の異物とを明瞭に識別できるようになる。
また、カップゼリー30の容器を密封するシールには、商品名や図柄等が印字されることが多い。可視光ではこのシールを透過しにくい場合、赤外光が好適に用いられる。また、赤外光を用いると、検査員が眩しくなく負担が少ないという利点も有する。
図6(a)は実施例1−1の照明装置を用いてカップゼリーを撮像した画像で、(b)は実施例1−2の照明装置を用いて撮像した画像で、(c)は比較例1の照明装置を用いて撮像した画像である。
その結果、実施例1−2が最も異物を的確に検出でき、実施例1−1でも殆どの異物を検出することができた。これに対して、比較例1は、ぶどうとナタデココが異物と同様に浮き出てしまい、これと異物を判別することが困難であったため、不適切と判断された。
これらの結果から、下部照明(第2の照明装置)には、赤外光若しくは白色光が適しており、バックライトには白色光が適していることがわかる。
画像処理部11は、撮像カメラ2にて撮像したカップゼリー30の画像に基づき、2値化処理を含む画像処理を行い異物の有無を判定する機能を有する。画像処理部11における具体的な画像処理方法の一例を以下に示す。
まず、撮像画像を黒白の2値化処理し、撮像画像の全画素に関して周りより黒色の強い1画素を検出し、これをまず基点とする。尚、前記黒色の強い1画素は異物の一部である。そして、基点の周りに関して同じ黒色の異常性を持つ画素を検索する。このとき、予め閾値を設定しておき、該閾値を超えた値を示す画素を異常画素41とする(図2参照)。背景の画素40は前記閾値内にある。そして、基点に一番近い異常画素41を認識し、その画素を新しく基準画素として次の異常画素41を検索する。この解析を順次行い、異常画素41が連続して線状(図2(a))若しくは面積状(図2(b))となるように存在する場合を、異物として認識する。
また、操作部18は指令信号を入力するためのタッチパネルや操作キー等であり、表示部19は撮像カメラ12により撮像した食品の表面像等が表示される液晶モニタ等である。
各照明装置が調整された後、カップゼリーの撮像が開始される。ターンテーブル20は停止した状態で、撮像カメラ2によりカップゼリー20が撮像される。得られた撮像画像は制御装置10の画像処理部11にて画像処理され、異物の有無が判断される。次いで、制御装置10の回転調整部15によりターンテーブル20が90度回転制御され、撮像カメラ2に対して異なる容器面が対向するような配置となる。この回転動作を行っている間は、各照明装置は消灯していてもよい。
カップゼリー20が90度回転した後、再度停止させて上記と同様に撮像カメラ2によりカップゼリー20の撮像を行い、撮像画像を画像処理部11にて画像処理して異物の有無が判断される。
上記したような操作を90度ずつ回転させて合計4回の撮像し、異物検出を行う。
尚、本実施例では、低速で回転させながら撮像を行うようにしてもよい。
テーブル体23の上面に案内板22が設置され、開口21aが案内板22に一致するようにカバー21が設置される。さらに、テーブル体23の下面にはラバー24が設けられ、カバー21、案内板22、テーブル体23、ラバー24が一体的に動作するように固定される。ラバー24の周面にはベアリング25が接しており、一体的に構成されるテーブル体等の回転を支持するようになっている。また、案内板22の溝22aは、カップゼリーの容器の形状、大きさにより設定されている。好適には四角形とするが、三角形以外の多角形であれば何れでもよい。
ステッピングモータ28は、制御装置10に接続されており、該制御装置10の回転調整部15により回転/停止、回転速度の設定が行われる。
本実施例2は、カップゼリー30を搬送しながら連続的に異物検出を行う構成となっている。図4に示されるようにカップゼリー30を搬送する搬送コンベア40は、直線状部位と、該直線状部位に対して約90度曲折する曲折部位とが連結した構成となっており、その側方に固定された複数の撮像カメラ2A〜2Dによりコンベア上を搬送されるカップゼリー30を複数の方向から撮像できるようになっている。複数の撮像カメラ2A〜2Dには、夫々実施例1と同様の配置構成を有する各種照明装置が具備されている。
前記撮像カメラ2B、2Cを有する直線状部位の搬送方向下流側には、搬送コンベア40が右方向に90度曲折する曲折部位が設けられ、該曲折部位より下流側にはさらに直線状部位が設けられている。この直線状部位には、撮像カメラ2Aとは異なる側のコンベア側方に撮像カメラ2Dが設けられている。撮像カメラ2Dには、撮像カメラ2Aと同様の配置構成を有する各種照明装置が具備されている。
2、2A〜2D 撮像カメラ
3、3A〜3D 第1の照明装置(上部照明装置)
4、4A〜4D 第2の照明装置(下部照明装置)
5、5A〜5D バックライト
10 制御装置
11 画像処理部
12 上部照明発光強度調整部
13 下部照明選択・調整部
14 バックライト照度調整部
15 回転調整部
20 ターンテーブル
30 カップゼリー
40 搬送コンベア
Claims (6)
- 透明若しくは半透明容器にゼリー状食品(以下、ゼリーと呼称する)が充填され密封されたカップゼリーの内部に混入した異物を検出する装置であって、前記カップゼリーを撮像する撮像カメラと、撮像画像を画像処理して異物の有無を判定する画像処理手段を備えた制御装置と、を備えたカップゼリーの異物検出装置において、
前記撮像カメラが前記カップゼリーの側方に配置されるとともに、前記カップゼリーの上方から可視光を照射する第1の照明装置と、前記カップゼリーの下方から赤外光若しくは白色光を照射する第2の照明装置と、前記撮像カメラに対して前記カップゼリーを挟んで対向する位置に設置され白色光を照射するバックライトと、を備え、
前記第1の照明装置が、赤色LEDと緑色LEDと青色LEDとから構成されるとともに、前記バックライトの照度を前記第1の照明装置及び前記第2の照明装置より小さくしたことを特徴とするカップゼリーの異物検出装置。 - 前記制御装置は、前記第1の照明装置の赤色LEDと緑色LEDと青色LEDの各発光強度を、ゼリー内に存在する内容固形物の色に基づいて夫々調整する発光強度調整手段を備えることを特徴とする請求項1記載のカップゼリーの異物検出装置。
- 前記制御装置は、前記第2の照明装置に用いる照明として、ゼリーの色及び光透過率に基づいて白色光か赤外光かを選択するとともに、該選択した照明の照度を調整する照明選択・調整手段を備えることを特徴とする請求項1記載のカップゼリーの異物検出装置。
- 一台の前記撮像カメラと、前記カップゼリーが載置され回転自在なターンテーブルとを備えるとともに、前記制御装置が、前記ターンテーブルの回転を調整する回転調整手段を備えており、
前記制御装置は、前記回転調整手段により前記カップゼリーを所定角度だけ回転させた後に停止させ、停止時に前記撮像カメラ、前記第1の照明装置、前記第2の照明装置、及び前記バックライトを作動させるようにし、
前記カップゼリーを複数方向から撮像して異物検出を行うようにしたことを特徴とする請求項1記載のカップゼリーの異物検出装置。 - 前記ターンテーブルの上面には、カップゼリーの容器形状、大きさに応じた多角形状の滑り防止用溝が形成されていることを特徴とする請求項4記載のカップゼリーの異物検出装置。
- 前記カップゼリーを搬送する搬送コンベアが設けられ、該搬送コンベアは、下方からの赤外光若しくは白色光を透過する光透過手段を備えており、
前記撮像カメラは、前記搬送コンベアの搬送方向に対して異なる位置に複数設置されるとともに夫々が異なる方向から搬送コンベア上のカップゼリーを撮像するように設置され、該撮像カメラに対して前記第1の照明装置と前記第2の照明装置と前記バックライトとが夫々設けられ、
前記搬送コンベア上を搬送されるカップゼリーを複数の撮像カメラにより異なる方向から撮像して異物検出を行うようにしたことを特徴とする請求項1記載のカップゼリーの異物検出装置。
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