JP5655133B2 - 空間情報検出装置 - Google Patents
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Description
本発明は、空間情報検出装置に関し、特に、検出対象となる空間に投光するとともに空間から受光することにより、当該空間に存在する物体までの距離、当該空間に存在する物体の反射率あるいは吸収率、当該空間における媒質の反射率あるいは吸収率、当該空間における物体の存否のような空間情報を検出するアクティブ型の空間情報検出装置に関するものである。
従来から、検出対象の空間に投光するとともに空間から受光することにより、空間情報を検出するアクティブ型の空間情報検出装置が提案されている。この種の空間情報検出装置は、空間に存在する物体までの距離、空間に存在する物体の反射率、空間における媒質の透過率、空間における物体の存否のような空間情報を検出する。また、検出する空間情報の種類に応じてそれぞれ構成されている。
空間に存在する物体までの距離を空間情報として検出する空間情報検出装置には、投光された光が物体で反射された後に受光されるまでの時間を計測する飛行時間法(タイムオブフライト法)の原理を用いた構成が知られている。計測した時間は、物体までの距離に換算される。
この種の空間情報検出装置は、たとえば、正弦波形のように一定周期で強度が変化する変調波形を有した強度変調光(以下、「信号光」という)を投光し、信号光の投光時点と受光時点とにおける変調波形の位相差を計測する。変調波形の周期は一定であるから、位相差から物体までの距離が求められる。(たとえば、文献1[日本国公開特許公報第2004−45304号]参照)。
すなわち、信号光に同期した複数のタイミングで受光量に相当する電荷を求め、各タイミングごとの電荷の関係を用いることによって位相差を算出している。この位相差は、投光した信号光が物体で反射された後に受光されるまでの時間差に相当するから、信号光の周期をT〔s〕、光速をc〔m/s〕、変調波形の位相差をψ〔ラジアン〕とすると、投光から受光までの時間差rは、r=T(ψ/2π)になる。また、物体までの距離Lは、L=(1/2)c・r=(1/2)c・T(ψ/2π)として求めることができる。たとえば、信号光の周波数を20MHzとすれば、周期Tは50〔ns〕であるから、測定可能な最大距離(以下、「測定最大距離」という)は7.5〔m〕になる。すなわち、一定周期で強度が変化する信号光を用いているから、測定可能範囲の上限は信号光の半周期に対応した距離(半波長の距離)になる。
また、物体の反射率や吸収率、媒質の反射率や吸収率、物体の存否などの空間情報を検出する空間情報検出装置として、空間に信号光を投光する投光期間と、空間に信号光を投光しない非投光期間とを設ける構成が知られている。この構成では、投光期間と非投光期間とにおける受光量の相違を用いることによって、環境光ないし周囲光(以下、「環境光」と記載する)の影響を除去し、空間に投光した信号光に対応する反射光の成分のみを検出する(たとえば、文献2[日本国公開特許公報第2006−121617号]参照)。
すなわち、非投光期間の受光量は環境光のみに対応した受光量になるが、投光期間の受光量は環境光と投光した信号光とに対応した受光量になるから、空間情報検出装置では、投光期間の受光量と非投光期間の受光量とに基づいて環境光に相当する成分を除去し、信号光の反射光に相当する成分を抽出している。言い換えると、信号光の反射光の強度に相当する空間情報を検出していることになる。
前記文献1、前記文献2では、空間からの受光に撮像素子を用いており、距離を求める場合には各画素値を距離値とした距離画像を生成し、反射光の強度を求める場合には各画素値を強度値とした濃淡画像を生成する。
上述したように、前記文献1、前記文献2に記載された技術では、空間に投光した信号光の反射光によって空間情報を検出している。したがって、空間情報を検出しようとする空間と空間情報検出装置との間に光を透過させるガラスのような透明物体が存在していると、空間情報の検出対象となる空間からの光と、透明物体からの反射光との両方が受光されることがある。この場合、空間からの光に透明物体からの反射光が重畳され、受光量に空間以外の成分が含まれることになって、空間情報を正確に検出することができないという問題が生じる。
また、透明物体に限らず、空間情報検出装置の近傍に物体が存在していると、物体による反射光(主として拡散反射光)が空間情報検出装置に入射し、空間からの光に物体からの反射光が重畳され、空間情報を正確に検出することができない場合がある。ここに、空間情報検出装置の近傍とは、実質的に、空間情報の検出対象となる空間と空間情報検出装置との間の領域を意味している。
上述のように、空間情報検出装置と空間との間に、空間情報を検出する対象ではない物体(以下、「非対象物体」という)が存在していると、非対象物体からの反射光が空間からの光に重畳されて空間情報検出装置に入射する。その結果、空間情報検出装置は、空間情報を正確に検出することができないという問題が生じる。
本発明は、空間情報の検出対象となる空間との間に非対象物体が存在している場合であっても、非対象物体の影響を除去することによって空間情報の検出精度を向上させる空間情報検出装置を提供することを目的とする。
本発明に係る第1の形態の空間情報検出装置は、所定の対象区域を含む空間に信号光を放射する投光部と、前記空間からの光を受ける受光部と、変調信号を生成して前記投光部に出力する変調信号生成部と、復調信号を生成して前記受光部に出力する復調信号生成部と、前記対象区域に関する空間情報を生成する演算部と、補正情報提供部と、を備える。前記変調信号は、ハイレベルである期間とロウレベルである期間との長さが所定の単位期間の整数倍の長さから乱数的に決定された方形波信号である。前記投光部は、前記変調信号を受け取ると前記変調信号で光を変調して前記信号光を生成するように構成される。前記復調信号は、前記変調信号または反転された前記変調信号と同じ波形を有する信号である。前記受光部は、前記復調信号がハイレベルである第1期間とロウレベルである第2期間とのいずれか一方の期間で定義される集積期間の間に前記空間から受け取った光の強度に応じた電荷を生成し、前記集積期間の間に生成された電荷を前記集積期間よりも長い所定の蓄積期間に亘って蓄積して信号電荷を生成するように構成される。前記補正情報提供部は、前記投光部および前記受光部と前記対象区域との間の非対象区域からの光に起因して前記受光部で生成される電荷に関する補正情報を生成するように構成される。前記演算部は、前記補正情報を利用して前記信号電荷の量を前記対象区域からの光に起因して前記受光部で生成される電荷に対応する対象電荷の量に補正し、前記対象電荷の量に基づいて前記空間情報を生成するように構成される。
本発明に係る第2の形態の空間情報検出装置は、第1の形態において、探索信号を生成して前記受光部に出力する探索信号生成部を備える。前記探索信号は、前記変調信号に対して所定の時間差を有する信号である。前記補正情報提供部は、位相可変部と、補正情報算出部と、を備える。前記受光部は、前記探索信号がハイレベルである第1期間とロウレベルである第2期間とのいずれか一方の期間で定義される第2集積期間の間に前記空間から受け取った光の強度に応じた電荷を生成し、前記第2集積期間の間に生成された電荷を前記第2集積期間よりも長い所定の第2蓄積期間に亘って蓄積して補正電荷を生成するように構成される。前記位相可変部は、前記時間差が異なる複数の前記探索信号を前記探索信号生成部が生成するように、所定の時間範囲内において前記時間差を前記単位期間より小さい変化幅で変化させるように構成される。前記補正情報算出部は、前記時間差が異なる前記探索信号毎に前記受光部から前記補正電荷を取得し、前記時間差と前記補正電荷の量との関係に基づいて前記補正情報を生成するように構成される。
本発明に係る第3の形態の空間情報検出装置では、第2の形態において、前記空間情報は、前記対象区域に存在する対象物までの距離である。前記演算部は、前記信号光が前記投光部から放射されてから前記対象物で反射された前記信号光を前記受光部が受け取るまでにかかる飛行時間を前記対象電荷の量から算出し、前記飛行時間に基づいて前記距離を求めるように構成される。前記補正情報は、非対象成分と、非対象飛行時間とを含む。前記非対象成分は、前記非対象区域からの光に起因して前記受光部で生成された電荷に対応する非対象電荷の量である。前記非対象飛行時間は、前記信号光が前記投光部から放射されてから前記非対象区域に存在する非対象物体で反射された前記信号光を前記受光部が受け取るまでにかかる時間である。前記補正情報算出部は、前記時間差に対する前記補正電荷の量の変化率を算出するように構成される。前記補正情報算出部は、前記時間差に対して前記補正電荷の量が直線的に変化する範囲における前記変化率と、前記単位期間と、の積を前記非対象成分として求めるように構成される。前記補正情報算出部は、前記変化率が0に変わるときの前記時間差を前記非対象飛行時間として求めるように構成される。前記演算部は、前記非対象成分および前記非対象飛行時間を用いて前記信号電荷の量を前記対象電荷の量に換算する換算式を、予め記憶するように構成される。前記演算部は、前記補正情報提供部から得た前記非対象成分および前記非対象飛行時間と、前記換算式とを用いて、前記信号電荷の量を前記対象電荷の量に補正するように構成される。
本発明に係る第4の形態の空間情報検出装置では、第3の形態において、前記復調信号生成部は、複数の前記復調信号を生成するように構成される。前記複数の復調信号は、前記変調信号と同じ波形を有する第1の復調信号と、前記第1の復調信号を反転させた信号である第2の復調信号と、前記第1の復調信号から前記単位期間遅延する第3の復調信号と、前記第3の復調信号を反転させた信号である第4の復調信号とのうち2つを含む。
本発明に係る第5の形態の空間情報検出装置では、第2の形態において、前記空間情報は、前記対象区域における前記信号光の反射強度である。前記補正情報は、非対象成分を含む。前記非対象成分は、前記非対象区域からの光に起因して前記受光部で生成された電荷に対応する非対象電荷の量である。前記補正情報算出部は、前記時間差に対する前記補正電荷の量の変化率を求めるように構成される。前記補正情報算出部は、前記時間差に対して前記補正電荷の量が直線的に変化する範囲における前記変化率と、前記単位期間との積を前記非対象成分として求めるように構成される。前記演算部は、前記非対象成分を用いて前記信号電荷の量を前記対象電荷の量に換算する換算式を、予め記憶するように構成される。前記演算部は、前記補正情報提供部から得た前記非対象成分と、前記換算式とを用いて、前記信号電荷の量を前記対象電荷の量に補正するように構成される。
本発明に係る第6の形態の空間情報検出装置では、第5の形態において、前記投光部は、投光期間に前記信号光を放射し、非投光期間に前記信号光を放射しないように構成される。前記演算部は、前記投光期間に対応する前記対象電荷の量と前記非投光期間に対応する前記対象電荷の量との差に基づいて前記反射強度を求めるように構成される。
本発明に係る第7の形態の空間情報検出装置では、第2〜第6のうちいずれか1つの形態において、前記補正情報提供部は、前記対象電荷を含まない前記補正電荷が前記受光部から得られる前記時間差の有効範囲を指定する範囲設定部を備える。前記補正情報算出部は、前記範囲設定部で指定された前記有効範囲内の前記時間差と前記補正電荷の量との関係に基づいて前記補正情報を生成するように構成される。
本発明に係る第8の形態の空間情報検出装置では、第7の形態において、前記補正情報提供部は、前記所定の時間範囲内の前記時間差と前記補正電荷の量との関係に基づいて前記有効範囲を決定する補正情報取得部を備える。前記範囲設定部は、前記補正情報取得部で決定された前記有効範囲を指定するように構成される。
本発明に係る第9の形態の空間情報検出装置では、第1〜第8のうちいずれか1つの形態において、前記補正情報提供部は、所定の更新条件が満たされたかどうかを判定し、前記更新条件が満たされたと判定すると前記補正情報を更新するように構成される。
以下に説明する実施形態では、空間情報検出装置の例として、検出対象となる空間に存在する物体までの距離を計測する距離測定装置と、検出対象となる空間に存在する物体での反射光の強度を検出する強度検出装置とを例示する。また、空間から受光する受光部において撮像素子を用い、距離を計測する場合は画素値が距離値である距離画像を生成し、反射光の強度を検出する場合は画素値が濃淡値である濃淡画像を生成する例を示す。ただし、受光部において単一の受光領域(光電変換部)を備えた受光素子を用いて距離の計測や反射光の強度の計測を行う構成を採用してもよい。以下では、距離測定装置と強度検出装置との基本的な構成をそれぞれ説明する。
(距離測定装置)
距離測定装置は、図1に示すように、検出対象となる空間に投光する投光部11と、当該空間から受光する受光部12とを備える。空間に物体(対象物)1が存在していると、投光部11から投光された光(以下、「信号光」という)は物体1で反射され、受光部12に物体1からの反射光が入射する。したがって、信号光を投光部11から投光してから受光部12で受光されるまでの時間(飛行時間)に相当する物理量を計測することにより、物体1までの距離が計測される。すなわち、図示する距離測定装置は、飛行時間法(タイムオブフライト法)の原理を用いて距離を測定する。
距離測定装置は、図1に示すように、検出対象となる空間に投光する投光部11と、当該空間から受光する受光部12とを備える。空間に物体(対象物)1が存在していると、投光部11から投光された光(以下、「信号光」という)は物体1で反射され、受光部12に物体1からの反射光が入射する。したがって、信号光を投光部11から投光してから受光部12で受光されるまでの時間(飛行時間)に相当する物理量を計測することにより、物体1までの距離が計測される。すなわち、図示する距離測定装置は、飛行時間法(タイムオブフライト法)の原理を用いて距離を測定する。
投光部11は、所定の対象区域を含む空間に信号光を放射するように構成される。対象区域は、例えば、物体1が存在する空間である。投光部11は、発光ダイオードやレーザダイオードのような発光素子からなる発光源111と、発光源111から出射された信号光の投光範囲を調節する投光光学系112とを備える。
受光部12は、空間からの光を受けるように構成される。受光部12は、CCDエリアイメージセンサやCMOSエリアイメージセンサのような撮像素子121と、撮像素子121の視野を調節する受光光学系122とを備える。
発光源111に用いる発光素子は光出力を高周波(たとえば、10MHz)で変調し、撮像素子121は発光源111の光出力が変化する時間と同程度の時間の受光強度の変化を検出する。発光源111は、1個の発光素子のみを備えていてもよいが、光出力を大きくして信号光を遠方まで到達させるために複数個の発光素子を組み合わせることが好ましい。投光光学系112と受光光学系122とには、通常はレンズを用いるが、ミラーを用いてもよく、レンズとミラーとを組み合わせて用いてもよい。
撮像素子121は、電子シャッタの原理を用いることにより、光電変換により得られた電荷を集積する集積期間が制御され、光電変換を行う受光領域(光電変換部)ごとに多数回(たとえば、10000回)ずつ集積した電荷を蓄積する。以下では、電荷を蓄積する期間を「蓄積期間」という。蓄積期間は、受光強度を一定とみなしてよい程度の短時間とする。撮像素子121は、受光量に相当する電荷を生成する受光部12の機能を備えるだけではなく、受光部12が指定された集積期間に生成した電荷を集積期間よりも十分に長い所定の蓄積期間に亘って蓄積する電荷蓄積部123としての機能も備える。なお、受光部12として、撮像素子を用いずに、単一の受光領域を備えたフォトダイオードのような受光素子を用いる場合は、通常、受光素子とは別に電荷蓄積部を設けることになる。
このように、受光部12は、光電変換部と、電荷蓄積部123と、を備える。光電変換部は、復調信号がハイレベルである期間で定義される集積期間の間に空間から受け取った光の強度に応じた電荷を生成するように構成される。電荷蓄積部123は、集積期間の間に生成された電荷を集積期間よりも長い所定の蓄積期間に亘って蓄積し、蓄積された電荷を信号電荷として演算部30に出力するように構成される。
なお、集積期間は、復調信号がロウレベルである期間で定義されてもよい。すなわち、受光部12は、復調信号がハイレベルである第1期間とロウレベルである第2期間とのいずれか一方の期間で定義される集積期間の間に空間から受け取った光の強度に応じた電荷を生成してもよい。
撮像素子121が、FT型のCCDイメージセンサであれば、受光領域(光電変換部)は撮像領域の各画素に相当し、電荷蓄積部123は蓄積領域に相当する。また、IT型のCCDイメージセンサであれば、受光領域は各撮像領域の画素に相当し、電荷蓄積部123は垂直転送部に相当する。なお、撮像素子121に設けた転送部は、電荷を取り出す電荷取出部として機能する。
上述のように、受光量に応じた電荷を蓄積することにより、受光領域ごとの電荷量を増加させて信号レベルを高めることができるとともに、ショットノイズの影響を低減することができる。発光源111の光出力を10MHz程度の周波数で変調している場合には、10000回程度の蓄積回数でも撮像素子121から電荷を外部に取り出す回数を1秒間に30回以上とすることができる。つまり、画素値を距離値とする距離画像について滑らかな動きの動画像を得ることが可能である。
ところで、物体1までの距離は、発光源111から投光する信号光の強度を変調する変調信号の信号パターン(信号波形)と、この信号パターンに応じた撮像素子121での集積期間との関係を用いて算出している。
変調信号は、図4(a)に示すように、Hレベル(ハイレベル)とLレベル(ロウレベル)との2値の各信号値の計測期間を乱数的に変化させた矩形波信号であり、HレベルとLレベルとが周期性を持たずに発生し、かつHレベルとLレベルとの発生確率が等しくなるように生成される。すなわち、変調信号は、ハイレベルである期間とロウレベルである期間との長さが所定の単位期間の整数倍の長さから乱数的に決定された方形波信号である。図4において、「1」はHレベルを示し、「0」はLレベルを示す。
このような変調信号は、スペクトル拡散の技術で用いられるPN(Pseudorandom Noise)符合を発生する技術(たとえば、Gold符合発生回路)を用いて生成された基準信号から生成される。基準信号は、PN符合と同様に、HレベルとLレベルとの各期間が単位期間の整数倍の長さを有するように生成される。以下では、PN符合にならってこの単位期間をチップ長と呼ぶ。チップ長は適宜に設定することができる。チップ長は、たとえば、100〔ns〕に設定される。
基準信号を生成するためにコード発生器31が設けられ、コード発生器31から出力される基準信号は変調信号生成部32に入力される。変調信号生成部32は、基準信号から変調信号を生成する。変調信号生成部32が生成した変調信号は発光源111に与えられる。発光源111は、変調信号がHレベルである期間に点灯し、変調信号がLレベルである期間に消灯する。発光源111は変調信号の信号値に応じて点灯と消灯とを行い、強度が矩形波状に変化する信号光を空間に投光する。すなわち、投光部11は、変調信号を受け取ると変調信号で光を変調して信号光を生成するように構成される。
コード発生器31から出力される基準信号は、復調信号生成部33にも入力される。復調信号生成部33は、撮像素子121の各受光部12において電荷を集積する集積期間を指定する復調信号を生成する。復調信号生成部33は、復調信号を生成して受光部12に出力するように構成される。復調信号は、変調信号または反転された変調信号と同じ波形を有する信号である。
本実施形態の復調信号生成部33は、1枚の距離画像を生成するために異なる4種類の復調信号を生成する。撮像素子121で蓄積した電荷を外部に取り出すタイミングや後述する演算部30の動作タイミングを制御するタイミング信号はコード生成部31とは別に図示しないタイミング信号生成部により生成される。演算部30はマイコンを主構成として備え、適宜のプログラムをマイコンで実行することにより以下に説明する演算部30の機能を実現する。
以下の説明では、変調信号生成部32から出力される変調信号が、コード発生器31で生成された基準信号の位相と一致している場合を例として説明する。ただし、コード発生器31が生成した基準信号を復調信号の1つに用い、変調信号の位相を基準信号に対して偏移させてもよい。
図4には、変調信号と各復調信号との関係を示している。図4(a)は変調信号(信号光の強度)を示し、図4(b)は撮像素子121が受光した光の強度を示している。復調信号は、図4(c)〜(f)に示すように、変調信号と以下の関係となるように生成される。
4種類の復調信号のうちの2種類は、図4(c)のように変調信号の非反転信号である第1の復調信号と、図4(d)のように変調信号とはHレベルとLレベルとを反転させた反転信号である第2の復調信号とになる。残りの2種類の復調信号は、図4(e)のように変調信号の非反転信号を1チップ長Tcだけ遅延させた第3の復調信号と、図4(f)のように変調信号の反転信号を1チップ長Tcだけ遅延させるとともにHレベルとLレベルとを反転させた第4の復調信号とになる。言い換えると、各復調信号は、変調信号と規定の関係として生成していることになる。このように、本実施形態の復調信号生成部33は、複数(4つ)の復調信号を生成するように構成される。複数の復調信号は、変調信号と同じ波形を有する第1の復調信号と、第1の復調信号を反転させた信号である第2の復調信号と、第1の復調信号から単位期間(1チップ長)Tc遅延する第3の復調信号と、第3の復調信号を反転させた信号である第4の復調信号とを含む。
発光源111から投光された信号光が物体1で反射された反射光が撮像素子121で受光されるまでの時間(飛行時間)は、物体1までの距離に応じて変化し、図4(b)のように受光強度が変化する。したがって、撮像素子121の集積期間を、上述した4種類のいずれかの復調信号で指定すると、信号光に対応して撮像素子121で集積する電荷量は、図4(c)〜(f)に斜線部で示す部位の面積に相当する量になる。
したがって、4種類の復調信号から選択した各1種類の復調信号により撮像素子121の集積期間を制御し、集積期間の種類毎に撮像素子121から電荷を取り出すと、4種類の復調信号で指定した集積期間ごとの電荷量が得られることになる。以下では、各復調信号に対応して得られる電荷量を、それぞれA0、A2、A1、A3とする。
つまり、図4(c)のように変調信号に一致する復調信号(第1の復調信号)で指定される集積期間に集積した電荷を蓄積期間に亘って蓄積した電荷量(第1の復調信号に対応する信号電荷の量)をA0とする。また、図4(d)のように第1の復調信号を反転させた復調信号(第2の復調信号)で指定される集積期間に集積した電荷を蓄積期間に亘って蓄積した電荷量(第2の復調信号に対応する信号電荷の量)をA2とする。同様に、図4(e)のように変調信号とは1チップ長Tcだけ偏移した復調信号(第3の復調信号)で指定される集積期間に集積した電荷を蓄積期間に亘って蓄積した電荷量(第3の復調信号に対応する信号電荷の量)をA1とする。さらに、図4(f)のように第3の復調信号を反転させた復調信号(第4の復調信号)で指定される集積期間に集積した電荷を蓄積期間に亘って蓄積した電荷量(第4の復調信号に対応する信号電荷の量)をA3とする。
上述したように、撮像素子121では、電荷の集積を多数回行ってから(1チップ長Tcの多数倍の時間に亘って電荷を蓄積した後に)電荷を取り出すから、撮像素子121から取り出される電荷量は、変調信号の乱数性によって、投光から受光までの時間差(すなわち飛行時間)τの一次関数で表される値に収束する。
したがって、図5に示すように、時間差τが0≦τ≦Tcの範囲では、電荷量A0,A3は時間差τの増加に伴って減少し、電荷量A1,A2は時間差τの増加に伴って増加する。また、時間差τがTc<τ≦2Tcの範囲では、電荷量A0,A2は一定になり、電荷量A1は時間差τの増加に伴って減少し、電荷量A3は時間差τの増加に伴って増加する。時間差τが2Tc<τの範囲では、すべての電荷量A0〜A3は一定になる。なお、時間差τが負の領域は、現実には存在しないが、原理上では、時間差τが−Tc≦τ<0の範囲では、電荷量A1,A3は一定になり、電荷量A0は時間差τの絶対値の増加に伴って減少し、電荷量A2は時間差τの絶対値の増加に伴って増加する。
電荷量A0〜A3は、理想的には、A0+A2=A1+A3=一定という関係を有している。さらに、時間差τが0であるときの電荷量A0は、蓄積期間の全期間に亘って受光した場合の電荷量の2分の1の電荷量になる。同様に、時間差τが1チップ長Tcであるときの電荷量A1は、蓄積期間の全期間に亘って受光した場合の電荷量の2分の1の電荷量になる。
したがって、各復調信号で指定される集積期間における受光量に対応した電荷量A0〜A3は、信号光の成分をAとし、環境光の成分をBとすると、0≦τ≦Tcの範囲において、以下の式(1)〜(4)のように表すことができる。
また、成分A,Bの値は、環境光ないし周囲光(以下、「環境光」という)の強度と、発光源111から空間に投光された信号光が撮像素子121に受光されるまでの経路における光の減衰率に依存する。この減衰率には、物体1による反射率、光が通過する媒質の透過率をパラメータに含んでいる。したがって、(A/Tc)も環境光の強度と反射率と透過率とをパラメータに含んでいる。通常、媒質の透過率は一定とみなしてよいから、(A/Tc)は物体1の反射率に依存するということができる。
ところで、上式から時間差τ〔s〕を求めると、以下の式(5)ようになる。
また、物体1までの距離をL〔m〕とし、光速をc〔m/s〕とすれば、距離Lは、時間差τを用いて、L=c・τ/2と表すことができる。
たとえば、1チップ長Tcを100〔ns〕とすれば、0≦τ≦100〔ns〕であるから、0≦L≦15〔m〕になり、15〔m〕を測定可能範囲の上限として物体1の距離の測定が可能になる。すなわち、空間情報検出部としての演算部30では、復調信号生成部32が生成した復調信号により指定される集積期間に生成された電荷を用いて上述した演算を行うことにより物体1までの距離を求める。
また、時間差τを求める式から明らかなように、電荷量A0,A2の差分と、電荷量A1,A3の差分とを用いているから、成分Bは除去され、さらに、電荷量同士の除算を行うことにより、成分Aも除去される。つまり、時間差τを上式で求めることによって、環境光の成分と、投受光の経路における光の減衰率とに影響されることなく、時間差τを求めることができる。
なお、上式から明らかなように、4種類の電荷量A0〜A4のうちの3種類を用いるだけでも環境光の成分および光の減衰率に影響されることなく時間差τ〔s〕を求めることができる。たとえば、A1−A2=Aであり、A1−A3=2(A/Tc)・τであるから、時間差τは次式(6)で表される。
あるいはまた、環境光が存在しないという条件下においてA=Bであることを利用し、既知の距離(既知の時間差τ)での電荷量A0〜A3のいずれか2種類を求めると、(A/Tc)、A、Bを決定することができる。つまり、4種類の電荷量A0〜A4のうちの2種類の電荷量を組み合わせることで、時間差τ〔s〕を求めることができる。
さらに、環境光が存在しないという条件下ではA=Bになり、物体1の反射率が一定(不変)であれば(A/Tc)=一定であるから、既知の距離(既知の時間差τ)で電荷量A0〜A3のいずれかを求めると、定数(A/Tc)、A、B(実際には、いずれか1つの定数)を決定することができる。すなわち、1種類の電荷量A0を求めることによって、τ=2{1−(A0/A)}Tcなどとして時間差τ〔s〕を算出することができる。時間差τ〔s〕は、電荷量A0からだけではなく、他の電荷量A1、A2、A3のうちの1種類から算出してもよい。
上述のように4種類の復調信号に対応する電荷量A0〜A3を撮像素子121によって得るには、復調信号を1種類ずつ用いて集積期間を指定して電荷を蓄積し、各復調信号に対応する電荷量A0、A1、A2、A3をそれぞれ取り出せばよい。この場合、復調信号ごとに電荷量A0、A1、A2、A3を取り出すことになり、距離画像を生成するために電荷量A0、A1、A2、A3の取出を4回行うことになる。
上述の動作は、1個の受光領域が1画素に対応する通常の撮像素子121を想定しているが、複数個の受光領域を1画素に対応付けた専用の撮像素子121を用いてもよい。距離画像を生成するための専用の撮像素子121には、隣接する4個(1列4個でも2列2個ずつでもよい)の受光領域をグループとし、グループに含まれる各1個の受光領域で各1種類の復調信号に応じた集積期間の電荷を集積してもよい。この構成の撮像素子121では、4個の受光領域を用いて1個の距離値を得るから、1個の受光領域を1個の距離値に対応付ける場合と受光領域の面積が等しい場合は解像度が低下する。ただし、4種類の電荷量A0〜A3を撮像素子121から1回で取り出すので、1画面の距離画像を生成するための電荷の読出回数を低減することで1画面の距離画像を得るのに要する時間が短縮される。すなわち、距離画像について滑らかな動画像を生成することが可能になる。
ところで、電荷量A0〜A3のうち電荷量A0,A3は、時間差τについて0≦τ≦Tcの範囲で負の傾きを持つ一次関数であるが、時間差τが1チップ長Tcを超えると一定値Bになる。また、電荷量A1,A2は、時間差τについて0≦τ≦Tcの範囲で正の傾きを持つ一次関数であり、かつTc<τ≦2Tcの範囲で負の傾きを持つ一次関数であるが、時間差τが2チップ長Tcを超えると一定値Bになる。
すなわち、0≦τ≦Tcでは、A0−A2=−2(A/Tc)・τ+2Aであるから、A0−A2=2(A/Tc)(Tc−τ)>0であるのに対して、Tc<τでは、A0−A2=0になるから、物体1までの距離は計測することができない。言い換えると、τ=Tcに対応する距離が測定可能範囲の上限になる。
(強度検出装置)
次に、物体1での反射光の強度を検出する強度検出装置について説明する。強度検出装置では、発光源111から空間に信号光を投光する投光期間と、発光源111から空間に信号光を投光しない非投光期間とを設け、投光期間に受光した光から非投光期間に検出される環境光の成分を除去することにより、反射光の強度を検出する。
次に、物体1での反射光の強度を検出する強度検出装置について説明する。強度検出装置では、発光源111から空間に信号光を投光する投光期間と、発光源111から空間に信号光を投光しない非投光期間とを設け、投光期間に受光した光から非投光期間に検出される環境光の成分を除去することにより、反射光の強度を検出する。
図1に示した距離測定装置では変調信号により変調した信号光を発光源111から連続的に出力しているのに対して、強度検出装置は、発光源111から信号光を出力する投光期間と信号光を出力しない非投光期間とを設けている点が相違する。すなわち、投光部11は、投光期間に信号光を放射し、非投光期間に信号光を放射しないように構成される。また、強度検出装置は、図1に示した距離測定装置に対して、演算部30において距離値を求めるのではなく濃淡値を求める点が相違する。
投光部11から信号光を投光する投光期間および信号光を停止する非投光期間は、1チップ長Tcに対して十分に長く設定される。演算部30では、発光源111から投光した信号光が物体1により反射した反射光の強度を画素値に持つ濃淡画像を生成する。すなわち、発光源111が空間に信号光を投光している投光期間に撮像素子121が受光する光は、信号光の成分と環境光の成分とを含み、発光源111が空間に信号光を投光していない非投光期間に撮像素子121が受光する光は、外光成分(環境光の成分)のみである。したがって、投光期間と非投光期間とを合わせた時間内で環境光の強度に変化が生じないとすれば、理想的には、投光期間に撮像素子121で蓄積された電荷量と、非投光期間に撮像素子121で蓄積された電荷量との差分は、信号光の成分のみを含むことになる。
いま、電荷量A0、A1に着目すると、投光期間においては、電荷量A0、A1はそれぞれ次式(7),(8)のようになる。なお、投光期間における電荷量には接尾辞「L」を付加し、非投光期間における電荷量には接尾辞「D」を付加する。
また、投光期間と非投光期間との長さが一対一であれば、非投光期間においては、電荷量A0(A0D)、A1(A1D)は、A0D=A1D=Bになる。
したがって、投光期間と非投光期間との電荷量の差分は、電荷量A0については、ΔA0=A0L−A0D=(A/Tc)(Tc−τ)になり、電荷量A1については、ΔA1=A1L−A1D=(A/Tc)τになる。両者の和を求めると、次式(9)のようになり、結果的に信号光の成分Aを求めることができる。
このようにして得られた濃淡画像の画素値は、信号光の反射光に関する濃淡画像であって、環境光の成分が除去ないし低減されているから、環境光の成分を含んでいる通常の濃度値と区別するために、以下では「反射強度値」という。また、反射強度値を画素値に持つ画像を、通常の濃淡画像と区別するために、以下では「反射強度画像」という。すなわち、演算部30で得られる画像は、信号光の投受光によって得られた反射強度値を画素値に持つ反射強度画像になる。したがって、強度検出装置は、発光源111から投光した信号光に対応した反射強度値を画素に持つ反射強度画像を生成するアクティブ型の撮像装置ということができる。
このような反射強度画像は、環境光の成分が除去ないし低減されているから、一定の照明条件の下での物体1の濃淡画像ということができ、たとえば画像に基づく顔認証を行う場合のように、物体1の特徴量を画像から抽出する用途において利便性が高くなる。
上述の動作では、投光期間と非投光期間との長さが一対一である場合を想定して説明したが、投光期間と非投光期間との長さは一対一でなくてもよい。すなわち、投光期間と非投光期間との長さを適宜の比率とし、比率に応じた係数を電荷量に乗じて差分を算出してもよい。この場合、投光期間に対して非投光期間を短く設定すれば、投光期間と非投光期間とを一対一にする場合と比較すると、投光期間と非投光期間との合計時間を短縮することが可能になり、結果的に反射強度画像の生成に要する時間を短縮することができる。
上述した動作から明らかなように、反射光の強度を検出するにあたっては、投光期間と非投光期間とを規定するための1種類の復調信号があればよい。すなわち、投光期間と非投光期間との受光量の差分を用いて信号成分のみを抽出しているから、1種類の復調信号を用いるだけで、外光成分の影響を受けずに反射光の強度を検出することができる。
上述した動作例では、反射強度値を求めるために、電荷量A0と電荷量A1との組み合わせを用いたが、電荷量A0、A2のいずれかと、電荷量A1、A3のいずれかとの組み合わせであれば、どの組み合わせを用いてもよい。
さらに、距離測定装置のように4種類の電荷量A0、A1、A2、A3が得られる場合であれば、2種類の電荷量の差分(A0−A2)、(A1−A3)を用いてもよい。電荷量の差分(A0−A2)、(A1−A3)は、以下の式(10),(11)ようになる。
したがって、両者を足し合わせると、以下の式(12)に示す関係が得られる。
この手順であれば、電荷量の差分(A0−A2)、(A1−A3)を求める段階までは、距離測定装置と共通になるから、電荷量A0、A1、A2、A3を用いて、距離測定装置と強度検出装置との両方を行うことが可能になる。
(非対象物体による誤検出を防止する技術)
以下では、図2に示すように、空間情報検出装置3と検出対象となる空間(対象区域)との間に、非対象物体としてガラス板のような透明物体2が存在している場合に、空間情報の誤検出を防止する技術について説明する。透明物体2は、発光源111から投光する信号光が透過する物体を意味し、可視光は必ずしも透過しなくてもよい。また、空間情報検出装置3が、距離画像を生成する距離測定装置である場合を例にして説明するが、濃淡画像を生成する強度検出装置である場合も同様の技術を採用可能である。さらに、受光部12として単一の受光領域を備えた受光素子を用いる場合も同様の技術を採用可能である。また、透明物体2ではなくとも、図3のように、空間情報の検出対象である空間(対象区域)と空間情報検出装置3との間となる領域(非対象区域)に、非対象物体である物体4が存在する場合にも、以下の技術により空間情報の誤検出を防止することができる。要するに、空間情報の検出対象である空間(対象区域)と空間情報検出装置3との間となる領域(非対象区域)に、透明物体2や物体4のような非対象物体が存在することによって、非対象物体からの反射光が空間情報検出装置3に入射する場合には、以下の技術により誤検出を防止できる。
以下では、図2に示すように、空間情報検出装置3と検出対象となる空間(対象区域)との間に、非対象物体としてガラス板のような透明物体2が存在している場合に、空間情報の誤検出を防止する技術について説明する。透明物体2は、発光源111から投光する信号光が透過する物体を意味し、可視光は必ずしも透過しなくてもよい。また、空間情報検出装置3が、距離画像を生成する距離測定装置である場合を例にして説明するが、濃淡画像を生成する強度検出装置である場合も同様の技術を採用可能である。さらに、受光部12として単一の受光領域を備えた受光素子を用いる場合も同様の技術を採用可能である。また、透明物体2ではなくとも、図3のように、空間情報の検出対象である空間(対象区域)と空間情報検出装置3との間となる領域(非対象区域)に、非対象物体である物体4が存在する場合にも、以下の技術により空間情報の誤検出を防止することができる。要するに、空間情報の検出対象である空間(対象区域)と空間情報検出装置3との間となる領域(非対象区域)に、透明物体2や物体4のような非対象物体が存在することによって、非対象物体からの反射光が空間情報検出装置3に入射する場合には、以下の技術により誤検出を防止できる。
(原理)
距離測定装置3(空間情報検出装置)の誤検出の原因になる透明物体2は、窓板や仕切板を想定しており、距離測定装置の使用時において距離測定装置と透明物体との相対位置が変化しないとみなしてよい。したがって、距離測定装置3に対して透明物体2の存在位置が既知であって、距離測定装置3において生成する電荷から透明物体2に相当する成分を除去することができれば、透明物体2の影響を除去することができると考えられる。
距離測定装置3(空間情報検出装置)の誤検出の原因になる透明物体2は、窓板や仕切板を想定しており、距離測定装置の使用時において距離測定装置と透明物体との相対位置が変化しないとみなしてよい。したがって、距離測定装置3に対して透明物体2の存在位置が既知であって、距離測定装置3において生成する電荷から透明物体2に相当する成分を除去することができれば、透明物体2の影響を除去することができると考えられる。
この知見に基づいて、以下では、透明物体2が存在する空間領域(非対象区域)に関する情報から補正情報を生成し、演算部30に補正情報を与えることにより、補正情報で補正した距離値を算出させる技術について説明する。すなわち、補正情報は、投光部11および受光部12(すなわち空間情報検出装置)と対象区域との間の非対象区域からの光に起因して受光部12で生成される電荷に関する情報である。
検出対象の空間に存在する物体1と距離測定装置3との間に透明物体2が存在しない場合には、上述したように、電荷量A0は以下の式(13)で定義される関係で表される。
一方、検出対象の空間と距離測定装置3との間に透明物体2が存在し、しかも当該空間に物体1が存在していなければ、電荷量A0に対応する電荷量gA0は、以下の式(14)で定義される関係で表される。
ここに、gは透明物体2が存在していることを表すために接頭辞として付加する。したがって、gAは透明物体2からの反射による信号光の成分(信号光のうち非対象区域からの光に起因する成分)を意味し、gBは透明物体2のみが存在する場合の環境光の成分を意味し、gτは透明物体2からの反射による時間差(透明物体2に関する飛行時間)を意味する。すなわち、成分(非対象成分)gAは、非対象空間からの光に起因して受光部12で生成された電荷に対応する非対象電荷の量である。時間差gτは、信号光が投光部11から放射されてから非対象区域に存在する非対象物体(透明物体)2で反射された信号光を受光部12が受け取るまでにかかる飛行時間(非対象飛行時間)である。非対象物体は、非対象区域からの光の原因となる物体である。以下の説明においても同様に、透明物体2が存在していることを示す場合に、接頭辞gを付加する。
検出対象の空間(対象区域)に物体1が存在し、かつ当該空間と距離測定装置3との間(すなわち非対象区域)に透明物体2が存在している場合には、電荷量A0に対応する電荷量bA0は、両者(A0,gA0)の加算値になり、以下の式(15)で定義される関係で表される。
同様にして、電荷量A1〜A3に対応する電荷量bA1、bA2、bA3は、それぞれ以下の式(16),(17),(18)で定義される関係で表される。
これらの関係を用いると、真の距離を求めるために必要になる(A0−A2)、(A1−A3)は、以下の式(19),(20)で表される。
これらの関係式において、(bA0−bA2)と(bA1−bA3)とは距離測定装置3において受光量に基づいて求められるから、未知の値は、透明物体2の反射光に含まれる信号光の成分gAと、透明物体2による反射光の時間差gτとである。言い換えると、透明物体2に関して、信号光の成分gAと時間差gτとを求めることができれば、物体1と透明物体2との反射光が混在している状態で得られた電荷量bA0、bA1、bA2、bA3に基づいて、(A0−A2)、(A1−A3)を算出することができる。
すなわち、透明物体2について得られる信号光の成分gAと時間差gτとが補正情報になる。また、上式は距離測定装置3の電荷蓄積部が蓄積した電荷(受光量bA0、bA1、bA2、bA3)から透明物体2の存在により生じた電荷を除くことによって、物体1での反射により生じた電荷(受光量A0、A1、A2、A3)を求めていることになる。透明物体2の存在により生じる電荷は、主として透明物体2で反射することにより増加する電荷を想定しているが、透明物体2を透過することにより減衰する電荷を含んでいてもよい。
以下では、補正情報である信号光の成分gAと時間差gτとを求める技術について説明する。上述したように、信号光を変調する変調信号として、2値の信号値を持つ矩形波信号を用い、しかも、矩形波信号の各信号値の継続期間が、1チップ長(単位期間)Tcの整数倍であって乱数的に変化する。そのため、上述のように、電荷量A0〜A3から求められる物体1までの測定可能範囲に上限がある。たとえば、1チップ長Tcを100[ns]とした場合、第1の復調信号の位相が変調信号と一致していれば、測定可能範囲は0〜15[m]になる。この場合の第1、第2、第3、第4の各復調信号を、以下では、それぞれ第1、第2、第3、第4の基準復調信号と呼ぶ。
各基準復調信号の互いの時間関係を維持した状態で、各基準復調信号をそれぞれ時間軸方向に偏移させて復調信号に用いると、偏移させた時間に相当する距離だけ測定可能範囲も偏移する。すなわち、基準復調信号を復調信号に用いると、電荷量A0は、τ=0で最大になり、τ=Tcで最小になるが、復調信号を基準復調信号に対してシフト時間tdだけ偏移させると、電荷量A0は、τ=tdで最大になり、τ=Tc+tdで最小になる。したがって、測定可能範囲は、Ld=c・td/2だけ変化することになる。
このように復調信号を基準復調信号に対してシフト時間tdだけ偏移させたときに電荷量A0(他の電荷量A1、A2、A3でもよい)に変化が生じることを利用すれば、以下に説明するように、透明物体2の影響による電荷量の変化を求めることができる。すなわち、基準復調信号に対して復調信号を偏移させるシフト時間tdを種々設定し、各シフト時間tdに対する電荷量を求めると、透明物体2の影響を除去するための補正情報を求めことができる。以下では、基準復調信号に対してシフト時間tdだけ時間軸方向に偏移させた復調信号を探索復調信号(探索信号)と呼ぶ。以下の説明において、シフト時間tdが正であることは、探索信号が基準復調信号に対してシフト時間tdだけ遅れていることを示す。また、シフト時間tdが負であることは、探索信号が基準復調信号に対してシフト時間tdだけ進んでいることを示す。
なお、上述の説明では、変調信号を基準にして基準復調信号を生成しており、基準復調信号に対して探索復調信号を時間軸方向に偏移させているが、基準復調信号を探索復調信号に用いるとともに変調信号を時間軸方向に偏移させる場合と等価である。すなわち、第1の基準復調信号を基準信号に一致させて第2、第3、第4の基準復調信号を生成し、第1の基準復調信号に対して変調信号を時間軸方向に偏移させてもよい。ただし、基準復調信号を偏移させる場合と変調信号を偏移させる場合とでは、時間軸に対する偏移の向きが逆向きになる。
距離測定装置の距離測定範囲において透明物体2のみが存在する場合において、シフト時間tdが0、−ta、−(Tc−gτ)、−tbであるときに、電荷量gA0[0]、gA0[−ta]、gA0[−(Tc−gτ)]、gA0[−tb]は、それぞれ以下の式(21),(22),(23),(24)で表される。ただし、gA0[td]は、シフト時間tdごとの電荷量gA0を意味する。また、−ta>−(Tc−gτ)>−tbである。
図6(a)(b)(c)(d)に、それぞれシフト時間tdが0、−ta、−(Tc−gτ)、tbの場合について、各電荷量gA0[0]、gA0[−ta]、gA0[−(Tc−gτ)]、gA0[tb]の関係を図示する。図6(a)(b)(c)(d)において、左側は電荷量gA0と透明物体2までの距離との関係を示しており、右側は透明物体2からの反射光が得られる時間差τがgτである場合の電荷量gA0とシフト時間tdとの関係を示している。
図6を見ればわかるように、シフト時間tdが−(Tc−gτ)以下になると、電荷量gA0は環境光の成分gBのみなり一定値になる。このことから、シフト時間tdを変化させるとともに、シフト時間tdに対応する電荷量gA0を求めると、電荷量gA0に変化が生じなくなったときのシフト時間tdから時間差gτを求めることができる。つまり、透明物体2までの距離が計測されることになる。また、シフト時間tdに対して電荷量gA0が変化する範囲(−(Tc−gτ)≦td≦0)において、複数のシフト時間tdについて電荷量gA0を求めると、シフト時間tdに対する電荷量gA0の変化率(=gA/Tc)を算出できる。この変化率と既知の情報(単位時間Tc)とから信号光の成分gAが算出される。すなわち、透明物体2の存在に対する補正情報としての信号光の成分gAと時間差gτとが求められる。
補正情報gA、gτが求められると、上述のように、距離測定装置において物体1までの距離を計測する際に得られる電荷量bA0、bA1、bA2、bA3に対して補正情報gA、gτを適用することにより、透明物体2の影響を除去することができる。つまり、下記の式(25),(26)で定義される関係を用い、距離測定装置で得られた電荷量(bA0−bA2)、(bA1−bA3)から、透明物体2の影響を除去して(A0−A2)、(A1−A3)の値を求めることができる。
この技術を適用した場合の測定例を図7,8に示す。図8は補正情報(gA、gτ)を適用した場合を示し、図8は補正情報(gA、gτ)を適用しない場合の比較例を示している。また、図7,8において、abは透明物体2が存在しない場合において算出された物体1までの距離、exは透明物体2が存在する場合において算出された物体1までの距離を示している。図8では、透明物体2の有無に応じて計測した距離に大きな差が生じているのに対して、図7からは、計測した距離が透明物体2の有無による影響を受けていないことがわかる。
上述の説明では、非対象物体として透明物体2について説明したが、図3に示したように、透明物体2ではない物体4が距離測定装置3(空間情報検出装置)の近傍(非対象区域)に存在する場合にも同様の原理で物体4の有無による影響を除去することができる。つまり、非対象物体である物体4が距離測定装置3の近隣に存在していると、透明物体2が存在する場合と同様に、物体4の表面で散乱した反射光(二次反射成分)が距離測定装置3に入射し、物体4の非存在時よりも受光量(電荷量)が増加する場合がある。二次反射成分の影響は、距離測定装置3から物体4までの距離が近いほど大きくなる。物体4による二次反射成分は、透明物体2による反射光の成分とは距離測定装置3に入射する経路が異なるが、いずれの成分も物体1からの反射光の成分に加算されるから、物体4の有無による影響は、透明物体2による反射光の成分と同様に扱うことができる。したがって、上述の原理を用いることにより、物体4の有無による影響を除去することができる。
(実施形態1)
本実施形態の空間情報検出装置は、図1に示すように、投光部11と、受光部12と、演算部30と、コード発生器31と、変調信号生成部32と、復調信号発生部33と、補正情報提供部34と、を備える。すなわち、本実施形態は、距離画像を生成する基本の構成に対し、補正情報提供部34を付加している。
本実施形態の空間情報検出装置は、図1に示すように、投光部11と、受光部12と、演算部30と、コード発生器31と、変調信号生成部32と、復調信号発生部33と、補正情報提供部34と、を備える。すなわち、本実施形態は、距離画像を生成する基本の構成に対し、補正情報提供部34を付加している。
補正情報提供部34は、距離値(空間情報)の算出の際に用いる補正情報gA、gτを演算部30に提供する。補正情報提供部34は、演算部30に補正情報gA、gτを提供するだけではなく補正情報gA、gτを求める機能も備える。すなわち、補正情報提供部34は、投光部11および受光部12と対象区域との間の非対象区域からの光に起因して受光部12で生成される電荷に関する補正情報を生成し、補正情報を演算部30に出力するように構成される。
演算部30は、補正情報提供部34から補正情報gA、gτが与えられることにより、原理として説明したように、電荷量(bA0−bA2)、(bA1−bA3)から透明物体2の影響を除去して(A0−A2)、(A1−A3)の値を求める。つまり、演算部30は、補正情報gA、gτを用いることにより、電荷蓄積部が蓄積した電荷から透明物体2による反射で生じた電荷を除いて空間情報を算出する。換言すれば、演算部30は、補正情報を利用して信号電荷の量(bA0−bA2,bA1−bA3)を対象区域からの光に起因して受光部12で生成される電荷に対応する対象電荷の量(A0−A2,A1−A3)に補正し、対象電荷の量に基づいて空間情報(距離L)を生成するように構成される。
補正情報を求めるには、上述した原理から明らかなように、変調信号と探索復調信号との相対的な位相(シフト時間td)を様々に変更し、シフト時間tdと電荷量bA0との関係を求める必要がある。ここに、シフト時間tdは1チップ長Tcよりも短い単位で変化させる。また、補正情報gA、gτは、物体1までの距離を計測する前に、あらかじめ算出しておく必要がある。したがって、物体1までの距離を計測する動作とは別に、透明物体2に関する補正情報gA、gτを求める動作を行う必要がある。
補正情報提供部34は、補正情報gA、gτを求める動作を適宜のタイミングで行う。たとえば、補正情報提供部34は、あらかじめ定めたタイミングで定期的に補正情報gA、gτを取得すればよい。また、空間情報の検出対象となる空間(対象区域)における物体1の存否を検出し、物体1が存在しないと判断したときに補正情報gA、gτを取得するようにしてもよい。物体1の存否を判断するには、たとえば、物体1が存在しない状態で得られる空間情報(画像など)を記憶させておき、空間情報の取得毎に記憶している空間情報と比較すればよい。すなわち、補正情報提供部34は、空間情報の取得毎に、空間情報に実質的に差が生じないときに物体1が存在しないと判断する。
シフト時間tdは、変調信号と探索復調信号との相対的な位相(シフト時間td)に対応する。補正情報提供部34は、この位相(シフト時間td)を変化させて補正情報gA、gτを求めるために、位相可変部341を備える。
本実施形態では、復調信号生成部33は、探索信号(探索復調信号)を生成して受光部12に出力する探索信号生成部として機能する。探索信号は、変調信号に対して所定の時間差(シフト時間td)を有する信号である。
受光部(光電変換部)12は、探索信号がハイレベルである期間で定義される集積期間(第2集積期間)の間に空間から受け取った光の強度に応じた電荷を生成するように構成される。受光部(電荷蓄積部)12は、集積期間(第2集積期間)の間に生成された電荷を集積期間(第2集積期間)よりも長い所定の蓄積期間(第2蓄積期間)に亘って蓄積し、蓄積された電荷を補正電荷として補正情報提供部34に出力するように構成される。
なお、第2集積期間は、探索信号がロウレベルである期間で定義されてもよい。すなわち、受光部12は、探索信号がハイレベルである第1期間とロウレベルである第2期間とのいずれか一方の期間で定義される第2集積期間の間に空間から受け取った光の強度に応じた電荷を生成してもよい。
位相可変部341は、時間差(シフト時間td)が異なる複数の探索信号を復調信号生成部(探索信号生成部)33が生成するように、所定の時間範囲(探索範囲)内において時間差(シフト時間td)を単位期間(1チップ長Tc)より小さい変化幅で変化させるように構成される。
すなわち、位相可変部341は、コード発生器31が生成した基準信号を時間軸方向に偏移させる(つまり、位相を偏移させる)機能を有している。ただし、上述のように、シフト時間tdは、1チップ長Tcを単位とするのではなく、1チップ長Tcよりも短い単位で変化させる。
位相可変部341によってシフト時間tdを変化させる範囲(探索範囲)は、範囲設定部343により設定される。すなわち、範囲設定部343は、シフト時間tdを変化させる範囲を、透明物体2に関する補正情報を取得する範囲に設定する機能を備える。換言すれば、本実施形態の範囲設定部343は、位相可変部341の探索範囲を指定する。
範囲設定部343には、手動で範囲を設定する構成と、後述するように自動的に範囲を設定する構成とがある。手動で範囲を設定する場合には、距離測定装置3の設置時に、透明物体2との距離を計測あるいは目視によって取得し、取得した距離を範囲設定部343に設定すればよい。範囲設定部343では、設定された距離から、その距離の前後において透明物体2に関する補正情報を検出するように、シフト時間tdを位相可変部341に指示する。すなわち、範囲設定部343は、設定された距離に基づいて時間範囲(探索範囲)を決定する。
補正情報提供部34は、補正情報gA、gτを算出する補正情報算出部342を備えている。補正情報算出部342は、時間差(シフト時間td)が異なる探索信号毎に受光部12から補正電荷を取得し、時間差(シフト時間td)と補正電荷の量との関係に基づいて補正情報を生成するように構成される。
すなわち、補正情報算出部342は、原理として説明したように、電荷蓄積部123が蓄積した電荷量(補正電荷の量)gA0(他の電荷量gA1、gA2、gA3を用いてもよい)とシフト時間tdとの関係を用いて補正情報gA、gτを算出する。言い換えると、補正情報提供部34における補正情報算出部342は、位相可変部341が変化させた位相(シフト時間td)と位相ごとの電荷量(補正電荷の量)gA0との関係を用いて透明物体2に関する補正情報gA、gτを算出する。
補正情報提供部34は、補正情報算出部342が算出した補正情報gA、gτを記憶する補正情報保持部344を備える。物体1に関する距離画像を演算部30において生成する際には、補正情報算出部342によりあらかじめ算出されて補正情報保持部344に記憶されている補正情報gA、gτを採用し、原理として説明した関係式に補正情報gA、gτを適用して距離を求める。すなわち、演算部30は、補正情報保持部344に記憶された補正情報gA,gτを用いて空間情報を算出する。このように距離画像を生成する際に、補正情報gA、gτを適用するから、透明物体2の影響を除去した距離画像を生成することができる。
ところで、補正情報gA、gτは、透明物体2に付着した汚れ、透明物体2の傷、温度変化などによって変化することがある。したがって、補正情報は適時に更新することが望ましい。そのため、補正情報提供部34は、あらかじめ定めた更新条件が満たされたときに補正情報保持部344に記憶されている補正情報gA、gτの更新を(補正情報算出部342に)指示する更新判断部345を備える。すなわち、補正情報提供部34は、所定の更新条件が満たされたかどうかを判定し、更新条件が満たされたと判定すると補正情報を更新するように構成される。
更新判断部345が判断する更新条件には、たとえば、あらかじめ定めた更新時間を用いる。すなわち、一定時間ごとに補正情報gA、gτを更新するか、補正情報gA、gτを更新する時刻をあらかじめ指定すればよい。また、上述した反射強度画像を用いて媒質の透過率に相当する空間情報を取得し、透過率が初期値に対して規定値を超えて低下することを更新条件として補正情報gA、gτを更新してもよい。
次に、本実施形態の空間情報検出装置の動作について説明する。
本実施形態の空間情報検出装置は、空間情報を生成する処理(空間情報作成処理)と、補正情報を生成する処理(補正情報生成処理)とを行う。補正情報生成処理は、空間情報生成処理の前に実行される。
補正情報生成処理では、範囲設定部343が探索範囲を設定する。たとえば、探索範囲は、−tb≦td≦0に設定される。
位相可変部341は、範囲設定部343で設定された探索範囲内において時間差(シフト時間td)を選択する。たとえば、位相可変部341は、シフト時間tdとして0を選択する。
探索信号生成部(復調信号生成部)33は、位相可変部341で指定されたシフト時間tdを有する探索信号を生成して、受光部12に出力する。たとえば、探索信号は、第1の復調信号を基準として生成される。
したがって、変調信号生成部32は変調信号を投光部11に出力し、探索信号生成部33は探索信号を受光部12に出力する。
投光部11は、変調信号を受け取ると、受け取った変調信号によって変調された光である信号光を、対象区域を含む空間に放射する。
受光部12は、探索信号を受け取ると、受け取った探索信号がハイレベルである期間を集積期間(第2集積期間)として用いて、蓄積期間(第2蓄積期間)に亘って空間からの電荷を蓄積する。受光部12は、受け取った探索信号に応じて蓄積した電荷を補正電荷として補正情報算出部342に出力する。
探索信号について補正電荷が得られると、位相可変部341は、探索範囲内において時間差(シフト時間td)を単位期間(1チップ長Tc)より小さい変化幅で変化させる。たとえば、位相可変部341はシフト時間tdとしてtaを選択する。
位相可変部341がシフト時間tdを選択する毎に、位相可変部341で選択されたシフト時間tdを有する探索信号に対応する補正電荷が得られる。
補正情報算出部342は、シフト時間tdが異なる探索信号毎の補正電荷の量(本例では、電荷量gA0に対応する)に基づいて補正情報(gA、gτ)を求める。たとえば、補正情報算出部342は、シフト時間tdと補正電荷の量gA0との関係を調べる(図6参照)。
補正情報算出部342は、シフト時間tdに対する補正電荷の量gA0の変化率が0に変わるときのシフト時間tdを求める。シフト時間tdに対する補正電荷の量gA0の変化率が0に変わるときのシフト時間tdが時間差gτとなる。なお、変化率は厳密に0ではなく、0である(すなわち、補正電荷の量gA0が一定である)とみなせる値であればよい。
補正情報算出部342は、シフト時間tdに対して補正電荷の量gA0が変化する範囲(−(Tc−gτ)≦td≦0)において、シフト時間tdに対する電荷量gA0の変化率(=gA/Tc)を求める。補正情報算出部342は、求めた変化率(gA/Tc)と単位期間(Tc)との積を求める。この積が非対象区域からの光に対応する非対象電荷の量gAとなる。
補正情報算出部342は、補正情報gA,gτを補正情報保持部344に記憶させる。
このように、本実施形態の空間情報検出装置は、補正情報生成処理を実行して、補正情報(gA,gτ)を生成する。
次に、本実施形態の空間情報検出装置は、空間情報生成処理を実行する。
空間情報生成処理では、復調信号生成部33は、探索信号ではなく、第1〜第4の復調信号を生成する(図4(c)〜(f)参照)。
したがって、変調信号生成部32は変調信号を投光部11に出力し、復調信号生成部33は第1〜第4の復調信号を受光部12に出力する。
投光部11は、変調信号を受け取ると、受け取った変調信号によって変調された光である信号光を、対象区域を含む空間に放射する。
受光部12は、復調信号を受け取ると、受け取った復調信号がハイレベルである期間を集積期間として用いて、蓄積期間に亘って空間からの電荷を蓄積する。受光部12は、受け取った復調信号に応じて蓄積した電荷を信号電荷として演算部30に出力する。
その結果、演算部30は、第1〜第4の復調信号に個別に対応する信号電荷(信号電荷の量bA0,bA1,bA2,bA3)を得る。また、演算部30は、補正情報保持部344より補正情報(gA,gτ)を取得する。演算部30は、信号電荷の量bA0,bA1,bA2,bA3、補正情報gA,gτ、1チップ長Tcを次式(27)に代入して飛行時間τを求める。そして、演算部30は、飛行時間τから距離Lを求める(上式(5)参照)。
これによって、非対象区域からの影響が除去された距離Lを得ることができる。つまり、演算部30は、補正情報(gA,gτ)を利用して信号電荷の量(電荷量bA0,bA1,bA2,bA3)を、対象区域からの光に起因して受光部12で生成される電荷に対応する対象電荷の量(A0,A1,A2,A3)に補正する。演算部30は、対象電荷の量に基づいて空間情報(距離L)を生成する。
なお、演算部30で用いられる式は、上記(27)に限定されない。この式は、復調信号生成部33で生成される復調信号の種類や数に応じて適宜変更される。
以上述べたように本実施形態の空間情報検出装置は、投光部11と、受光部12と、電荷蓄積部123と、変調信号生成部32と、復調信号生成部33と、演算部30と、補正情報提供部34とを備える。投光部11は、検出対象となる空間(対象区域)に投光するように構成される。受光部12は、空間から受光し受光量に相当する電荷を生成するように構成される。電荷蓄積部123は、受光部12が指定された集積期間に生成した電荷を集積期間よりも長い所定の蓄積期間に亘って蓄積するように構成される。変調信号生成部32は、変調信号を生成し投光部11の光出力を変調信号により変調して信号光を投光させるように構成される。変調信号は、2値の各信号値の継続期間がそれぞれ単位期間の整数倍でありかつ蓄積期間において継続期間が乱数的に変化する矩形波信号である。復調信号生成部33は、変調信号に対して所定の位相を有する復調信号を生成し復調信号を用いて集積期間を指定するように構成される。演算部30は、電荷蓄積部123が蓄積した電荷から空間に関する空間情報を算出するように構成される。補正情報提供部34は、投光部11および受光部12と空間との間の領域に非対象物体が存在し受光部12に非対象物体からの反射光が入射する場合に、非対象物体の存在により生じた電荷に関する補正情報を演算部30に与えて電荷蓄積部123が蓄積した電荷から非対象物体の存在により生じた電荷による影響を除いて空間情報を算出させるように構成される。
換言すれば、本実施形態の空間情報検出装置は、投光部11と、受光部12と、変調信号生成部32と、復調信号生成部33と、演算部30と、補正情報手胸部34と、を備える。変調信号生成部32は、変調信号を生成して投光部11に出力するように構成される。変調信号は、ハイレベルである期間とロウレベルである期間との長さが所定の単位期間の整数倍の長さから乱数的に決定された方形波信号である。投光部11は、所定の対象区域を含む空間に信号光を放射するように構成される。投光部11は、変調信号を受け取ると変調信号で光を変調して信号光を生成するように構成される。復調信号生成部33は、復調信号を生成して受光部12に出力するように構成される。復調信号は、変調信号または反転された変調信号と同じ波形を有する信号である。受光部12は、空間からの光を受けるように構成される。受光部12は、復調信号がハイレベルである第1期間とロウレベルである第2期間とのいずれか一方の期間で定義される集積期間の間に前記空間から受け取った光の強度に応じた電荷を生成するように構成される。受光部12は、集積期間の間に生成された電荷を集積期間よりも長い所定の蓄積期間に亘って蓄積して信号電荷を生成するように構成される。補正情報提供部34は、投光部11および受光部12と対象区域との間の非対象区域からの光に起因して受光部12で生成される電荷に関する補正情報を生成するように構成される。演算部30は、対象区域に関する空間情報を生成するように構成される。演算部30は、補正情報(gA,gτ)を利用して信号電荷(信号電荷の量bA0,bA1,bA2,bA3)を補正して対象区域からの光に起因して受光部12で生成される電荷に対応する対象電荷の量(A0,A1,A2,A3)を求めるように構成される。演算部30は、対象電荷の量(A0,A1,A2,A3)に基づいて空間情報(距離L)を生成するように構成される。
また、本実施形態の空間情報検出装置では、補正情報提供部34は、変調信号と復調信号との位相を単位期間(1チップ長Tc)よりも短い単位で相対的に変化させる位相可変部341と、位相可変部341が変化させた位相と位相ごとの電荷蓄積部123が蓄積した電荷との関係を用いて非対象物体に関する補正情報を算出する補正情報算出部342とを備える。
換言すれば、本実施形態の空間情報検出装置は、探索信号生成部(復調信号生成部)33を備える。探索信号生成部33は、探索信号を生成して受光部12に出力するように構成される。探索信号は、変調信号に対して所定の時間差を有する信号である。補正情報提供部34は、位相可変部341と、補正情報算出部342と、を備える。受光部12は、探索信号がハイレベルである第1期間とロウレベルである第2期間とのいずれか一方の期間で定義される第2集積期間の間に空間から受け取った光の強度に応じた電荷を生成するように構成される。受光部12は、第2集積期間の間に生成された電荷を第2集積期間よりも長い所定の第2蓄積期間に亘って蓄積して補正電荷を生成するように構成される。位相可変部341は、時間差(シフト時間td)が異なる複数の探索信号を探索信号生成部(復調信号生成部)33が生成するように、所定の時間範囲(探索範囲)内において時間差(シフト時間td)を単位期間(1チップ長Tc)より小さい変化幅で変化させるように構成される。補正情報算出部342は、時間差(シフト時間td)が異なる探索信号毎に受光部12から補正電荷を取得し、時間差(シフト時間td)と補正電荷の量との関係に基づいて補正情報を生成するように構成される。
また、本実施形態の空間情報検出装置では、補正情報提供部34は、補正情報を記憶する補正情報保持部344と、あらかじめ定めた更新条件が満たされたときに補正情報保持部344に記憶された補正情報の更新を指示する更新判断部345を備える。換言すれば、補正情報提供部34は、所定の更新条件が満たされたかどうかを判定し、更新条件が満たされたと判定すると補正情報を更新するように構成される。
以上述べた本実施形態の空間情報検出装置によれば、空間情報の検出対象となる空間(対象区域)との間に非対象物体が存在している場合であっても、非対象物体に関する補正情報を用いて空間情報を補正するから、非対象物体の影響が除去され、空間情報の検出精度が向上するという利点がある。
特に、本実施形態では、補正情報提供部34は、補正情報として、成分gAと、時間差gτとを算出する。成分gAは、非対象空間からの光に起因して受光部12で生成された電荷に対応する非対象電荷の量である。時間差gτは、信号光が投光部11から放射されてから非対象物体(非対象区域からの光の原因となる物体)で反射された信号光を受光部12が受け取るまでにかかる時間(すなわち非対象物体に関する飛行時間)である。
補正情報提供部34は、シフト時間tdと補正電荷の量gA0との関係に基づいて、成分gAと時間差gτを求める。
成分gAは、シフト時間tdに対して補正電荷の量gA0が直線的に変化する範囲(−(Tc−gτ)≦td≦0)におけるシフト時間tdに対する電荷量gA0の変化率(=gA/Tc)と単位期間(Tc)との積である。よって、補正情報算出部342は、シフト時間tdに対して補正電荷の量gA0が直線的に変化する範囲(−(Tc−gτ)≦td≦0)において、シフト時間tdに対する電荷量gA0の変化率(=gA/Tc)を求める。補正情報算出部342は、求めた変化率(gA/Tc)と単位期間(Tc)との積を成分(非対象電荷の量)gAとして求める。
時間差gτは、シフト時間tdに対する補正電荷の量gA0の変化率が0に変わるときのシフト時間tdと定義される。よって、補正情報提供部34は、シフト時間tdに対する補正電荷の量gA0の変化率が0に変わるときのシフト時間tdを時間差gτとして求める。
演算部30は、成分gAおよび時間差gτを用いて信号電荷の量(bA0,bA1,bA2,bA3)を対象電荷の量(A0,A1,A2,A3)に換算する換算式(上式(15)〜(20),(25)〜(27)参照)を予め記憶する。演算部30は、補正情報提供部34から得た成分gAと時間差gτと換算式を用いて、信号電荷の量を対象電荷の量に補正する。
なお、補正情報提供部34は、非対象区域に非対象物体(たとえば、透明物体2)が存在するか否かを判定してもよい。すなわち、補正情報提供部34は、非対象物体が存在しないと判断すると補正情報を算出しない。この場合、演算部30は、信号電荷の量から空間情報を求める。一方、補正情報提供部34は、非対象物体が存在すると判断すると補正情報を算出する。この場合、演算部30は、補正情報を用いて信号電荷の量を対象電荷の量に補正し、対象電荷の量から空間情報を求める。
このように、本実施形態の空間情報検出装置では、空間情報は、対象区域に存在する対象物(物体)1までの距離(L)である。演算部30は、信号光が投光部11から放射されてから対象物(物体)1で反射された信号光を受光部12が受け取るまでにかかる飛行時間τを対象電荷の量(たとえば、電荷量A0,A1,A2,A3)から算出する。演算部30は、飛行時間τに基づいて距離Lを求めるように構成される。
補正情報は、非対象成分gAと、非対象飛行時間gτとを含む。非対象成分gAは、非対象区域からの光に起因して受光部12で生成された電荷に対応する非対象電荷の量である。非対象飛行時間gτは、信号光が投光部11から放射されてから非対象区域に存在する非対象物体で反射された信号光を受光部12が受け取るまでにかかる時間である。補正情報算出部342は、時間差(シフト時間)tdに対する補正電荷の量gA0の変化率を算出するように構成される。補正情報算出部342は、時間差(シフト時間)tdに対して補正電荷の量gA0が直線的に変化する範囲における変化率(gA/Tc)と、単位期間(Tc)と、の積を非対象成分gAとして求めるように構成される。補正情報算出部342は、変化率が0に変わるときの時間差(シフト時間)tdを非対象飛行時間gτとして求めるように構成される。演算部30は、非対象成分gAおよび非対象飛行時間gτを用いて信号電荷の量(bA0,bA1,bA2,bA3)を対象電荷の量(A0,A1,A2,A3)に換算する換算式(たとえば(15)〜(20),(25)〜(27))を、予め記憶するように構成される。演算部30は、補正情報提供部34から得た非対象成分gAおよび非対象飛行時間gτと、換算式とを用いて、信号電荷の量を対象電荷の量に補正するように構成される。
なお、本実施形態の空間情報検出装置では、演算部30は、非対象成分gAと非対象飛行時間gτと信号電荷の量(bA0,bA1,bA2,bA3)とから飛行時間τを直接求める換算式(たとえば上式(27))を記憶している。
また、本実施形態の空間情報検出装置では、復調信号生成部33は、複数の復調信号を生成するように構成される。複数の復調信号は、変調信号と同じ波形を有する第1の復調信号と、第1の復調信号を反転させた信号である第2の復調信号と、第1の復調信号から単位期間(1チップ長Tc)遅延する第3の復調信号と、第3の復調信号を反転させた信号である第4の復調信号とのうち2つを含む。
このように、本実施形態の空間情報検出装置では、復調信号生成部33は、変調信号と2値の関係が等しい第1の復調信号と、第1の復調信号の2値を反転させた第2の復調信号と、変調信号を単位期間分だけ遅延させた第3の復調信号と、第3の復調信号の2値を反転させた第4の復調信号とのうちの少なくとも2種類の復調信号を生成する。演算部30は、復調信号生成部33で生成された各復調信号でそれぞれ指定した集積期間において生成され蓄積期間に蓄積した電荷の電荷量に補正情報を適用することによって算出される投光から受光までの時間差(飛行時間τ)を用いて空間に存在する物体までの距離Lを空間情報として求める。
(実施形態2)
実施形態1では、透明物体2のみが存在する範囲において補正情報gA、gτを算出する技術を説明したが、補正情報gA、gτを算出する際に透明物体2のみが存在する状態とするのが困難な場合がある。そこで、距離測定装置に対して、距離の測定を行う空間よりも透明物体2との距離のほうが小さいことを利用して、透明物体2に関する補正情報gA、gτを取得する技術について説明する。
実施形態1では、透明物体2のみが存在する範囲において補正情報gA、gτを算出する技術を説明したが、補正情報gA、gτを算出する際に透明物体2のみが存在する状態とするのが困難な場合がある。そこで、距離測定装置に対して、距離の測定を行う空間よりも透明物体2との距離のほうが小さいことを利用して、透明物体2に関する補正情報gA、gτを取得する技術について説明する。
すなわち、透明物体2が物体1より近距離に位置していると、物体1からの反射光に対応する電荷量A0と、透明物体2からの反射光に対応する電荷量gA0とは、シフト時間tdの変化に対して図9(a)のように変化する。図中、obは物体1に対応し、fnは透明物体2に対応している。すなわち、シフト時間tdの変化に応じて変化する範囲を比較すると、物体1からの反射光に対応した電荷量A0に対応する範囲(有効範囲)は、透明物体2からの反射光に対応した電荷量gA0に対応する範囲よりも狭くなる。
なお、図9(a)では説明を簡単にするために、電荷量A0と電荷量gA0との信号光の成分の最大値および環境光の成分を等しくして表しているが、実際には異なっていることが多い。ただし、着目する情報はシフト時間tdの変化に応じて変化する領域と変化が生じなくなる領域との境界点であるから、成分の大きさはとくに考慮しなくてもよい。
距離測定装置で検出する反射光では、物体1からの反射光と透明物体2からの反射光とが合成されているから、実際に検出される電荷量bA0は、図9(b)のように、シフト時間tdの変化に対して複数の屈曲点Pb1、Pb2、…を含む。透明物体2は物体1よりも距離測装置からの距離が小さいから、電荷量bA0がシフト時間tdの変化によらず一定になる領域と、電荷量bA0がシフト時間tdの変化に応じて変化する領域との境界点Pb1は、透明物体2により生じていると考えられる。すなわち、図9(b)において、左から1つめの屈曲点Pb1と2つ目の屈曲点Pb2との間の領域は、透明物体2からのみの反射光で得られた受光量gA0の変化であると判断できる。
上述の知見を用いると、以下の手順で透明物体2に関する補正情報gA、gτを求めることができる。まず、シフト時間tdの変化に応じた電荷量bA0の変化を求めた後、シフト時間tdの変化によらず電荷量bA0が一定になる境界点のシフト時間を求める。この境界点が1つめの屈曲点Pb1になる。次に、境界点のシフト時間よりも短い側で、シフト時間tdに対する電荷量bA0の変化率を求め、変化率が規定値以上に変化する点を求める。この点が2つ目の屈曲点Pb2になる。
以上のようにして2個の屈曲点Pb1、Pb2を求めることができれば、両屈曲点Pb1、Pb2の間の領域における変化率を、透明物体2からの反射光のみによって得られた電荷量gA0の変化率とみなすことができる。したがって、この領域に基づいてシフト時間tdを変化させる範囲を設定すれば、透明物体2に関する補正情報gA、gτを求めるのに必要な情報を得ることができる。すなわち、屈曲点Pb1、Pb2に対応するシフト時間tdを範囲設定部343に与えることによって、補正情報gA、gτを算出するのに必要なシフト時間tdの変化範囲が自動的に決定される。
本実施形態では、上述したように、補正情報gA、gτを求めるのに必要なシフト時間tdの範囲を自動的に検出する。したがって、図10に示すように、図1に示した補正情報提供部34に補正情報取得部346を付加している。補正情報取得部346は、屈曲点Pb1、Pb2を自動的に求める探索モードと、探索モードで求めた屈曲点Pb1、Pb2とからシフト時間tdを変化させる範囲を自動的に決定する設定モードとを備える。
探索モードでは、補正情報取得部346は、位相可変部341に複数種類の位相をそれぞれ設定することによって、上述した屈曲点Pb1、Pb2を求める。
たとえば、補正情報取得部346は、時間差(シフト時間td)と補正電荷の量(bA0)の関係に基づいて、シフト時間tdの変化によらず電荷量bA0が一定になる境界点のシフト時間tdを求める。境界点は、補正情報取得部346は、シフト時間tdに対する電荷量bA0の変化率が0になる点である。たとえば、補正情報取得部346は、時間差(シフト時間td)に対する補正電荷の量の変化率を求める。補正情報取得部346は、変化率(gA/td)と時間差(td)との関係に基づいて、境界点を検出する。境界点は、たとえば、図9(b)における屈曲点Pb1である。屈曲点Pb1は有効範囲の下限を定める。
補正情報取得部346は、シフト時間tdが境界点に相当するシフト時間tdよりも大きい範囲で、シフト時間tdに対する電荷量bA0の変化率が規定値以上に変化する変化点を求める。変化点は、たとえば、図9(b)における屈曲点Pb2である。屈曲点Pb2は有効範囲の上限を定める。たとえば、規定値は、変化率が規定値未満であれば有効範囲において変化率が一定(傾きが一定)であるとみなせるような大きさに設定される。
補正情報取得部36は、このようにして2つの屈曲点Pb1,Pb2で定義される有効範囲を求める。
また、設定モードでは、探索モードにおいて求めた屈曲点Pb1,Pb2に対応するシフト時間td(位相)に基づいて自動的に決定した情報を範囲設定部343に与える。範囲設定部343に与える情報は、手動で範囲設定部343に情報を与える場合と同様である。この動作により範囲設定部343は、補正情報gA、gτを算出するのに必要な範囲でシフト時間tdを変化させ、補正情報gA、gτを算出する。
また、本実施形態の空間情報検出装置では、補正情報提供部34は、位相可変部341が位相を変化させる範囲(探索範囲)を電荷蓄積部123に蓄積される電荷が、空間からの光により生成される電荷を含む範囲(図9(b)における屈曲点Pb2より右側の範囲)と空間からの光により生成される電荷を含まない範囲(図9(b)における屈曲点Pb2より左側の範囲)との境界点(屈曲点Pb2)に対応する位相(シフト時間td)よりも小さい範囲に制限して設定する範囲設定部343を備える)。
換言すれば、補正情報提供部34は、対象電荷(A0,A1,A2,A4)を含まない補正電荷が受光部12から得られる時間差(シフト時間td)の有効範囲を指定する範囲設定部343を備える。補正情報算出部342は、範囲設定部343で指定された有効範囲内の時間差(シフト時間td)と補正電荷の量(gA0,gA1,gA2,gA3)との関係に基づいて補正情報を生成するように構成される。
また、本実施形態では、範囲設定部343は、時間経過に伴って位相可変部341に位相(シフト時間td)を変化させ、変化させた位相と位相ごとの受光部12での受光量との関係を用いて非対象物体のみによる反射で電荷を生じる位相の範囲(有効範囲)を自動的に求める。
換言すれば、補正情報提供部34は、所定の時間範囲(探索範囲)内の時間差(シフト時間td)と補正電荷の量(gA0,gA1,gA2,gA3)との関係に基づいて有効範囲を決定する補正情報取得部346を備える。範囲設定部343は、補正情報取得部346で決定された有効範囲を指定するように構成される。
ところで、透明物体2に関する補正情報gA、gτを求めるにあたって、1種類の電荷量(上述した例では、第1の復調信号で指定した集積期間に対応する電荷量)を用いている。したがって、電荷量の最小値と最大値の差は電荷量gAであり、しかも透明物体2からの反射光に対する電荷量gAであるから、シフト時間tdの変化に対する電荷量gAの変化は比較的小さくなる。一方、第1の復調信号で指定した集積期間に対応する電荷量A0と、第3の復調信号で指定した集積期間に対応する電荷量A2とは、相反する関係であり、シフト時間tdの変化に対して一方が増加する向きに変化する場合には、他方は減少する向きに変化する関係になっている。すなわち、両電荷量gA0、gA2の差分(gA0−gA2)を用いると、シフト時間tdに対する電荷量(gA0−gA2)の変化が2倍になる。
このことを利用し、補正情報提供部34において、電荷量gA0を用いる代わりに、電荷量(gA0−gA2)を用いることにより、透明物体2での反射による信号光の成分(非対象空間からの光に起因して受光部12で生成された電荷に対応する非対象電荷の量)gAと時間差gτとを補正情報gA、gτとして求めるのが好ましい。補正情報gA、gτを電荷量(gA0−gA2)から求めることにより、電荷量gA0から補正情報gA、gτを求める場合よりも、補正情報gA、gτの精度を高めることができる。
(実施形態3)
上述した各実施形態では、距離測定装置について透明物体2の存在下における動作を説明したが、強度検出装置を用いる場合でも、補正情報gA、gτを用いることにより、透明物体2の存在により生じた電荷を除いて空間情報を算出することができる。すなわち、本実施形態の空間情報検出装置は、強度検出装置として用いられる。
上述した各実施形態では、距離測定装置について透明物体2の存在下における動作を説明したが、強度検出装置を用いる場合でも、補正情報gA、gτを用いることにより、透明物体2の存在により生じた電荷を除いて空間情報を算出することができる。すなわち、本実施形態の空間情報検出装置は、強度検出装置として用いられる。
すなわち、透明物体2が存在しない場合、時間差τが0≦τ≦Tcとなる範囲に存在する物体1に対して、投光期間に次式(28)が成立する。なお、投光期間における電荷量には接尾辞「L」を付加し、非投光期間における電荷量には接尾辞「D」を付加する。
説明を簡単にするために、投光期間と非投光期間との長さが一対一であるとすれば、非投光期間の受光量A0(A0D)は、A0(A0D)=Bになる。すなわち、反射強度値は、投光期間と非投光期間との電荷量の差分(A0L−A0D)であり、次式(29)で表される。
一方、透明物体2が存在している場合、投光期間における受光量bA0(bA0L)は、下式(30)で表される。
また、非投光期間の受光量bA0(bA0D)は、bA0D=B+gBになる。
したがって、反射強度値は、投光期間と非投光期間との電荷量の差分ΔbA0(=bA0L−bA0D)は次式(31)で表される。
同様にして、受光量bA1から反射強度値ΔbA1(=bA1L−bA1D)を求めると、次式(32)のようになる。
したがって、次式(33)が得られる。
上式において、補正情報gAが既知であるから、電荷量bA0、bA1を用いて信号光の成分A(すなわち、反射強度値)が求められる。なお、同様の動作は、電荷量bA0、bA1の組み合わせではなく、電荷量bA0、bA2のいずれかと、電荷量bA1、bA3のいずれかとの組み合わせによっても行うことができる。
すなわち、本実施形態では、補正情報提供部34は、補正情報として非対象区域からの光(非対象物体からの反射光)に起因する電荷の量gAを求める。
復調信号生成部33は、変調信号との時間差が異なる2つの復調信号(以下、「第1のタイミング信号」および「第2のタイミング信号」という)を生成して受光部12に出力する。
演算部30は、投光期間における第1のタイミング信号に対応する電荷量(第1電荷量、たとえば、bA0L)と、非投光期間における第1のタイミング信号に対応する電荷量(第2電荷量、たとえば、bA0D)とを取得し、第1電荷量と第2電荷量との差分値(第1差分値、たとえば、bA0L−bA0D)を求める。
また、演算部30は、投光期間における第2のタイミング信号に対応する電荷量(第3電荷量、たとえば、bA1L)と、非投光期間における第4のタイミング信号に対応する電荷量(第4電荷量、たとえば、bA1D)とを取得し、第3電荷量と第4電荷量との差分値(第2差分値、たとえば、bA1L−bA1D)を求める。
演算部30は、第1差分値と第2差分値との合計から補正情報(gA)を差し引いて、反射強度値(A)を求める。このように、演算部30は、投光期間に対応する対象電荷の量と非投光期間に対応する対象電荷の量との差に基づいて反射強度(反射強度値A)を求める。
このように、本実施形態の空間情報検出装置では、空間情報は、対象区域における信号光の反射強度である。
補正情報は、非対象成分gAを含む。非対象成分gAは、非対象区域からの光に起因して受光部12で生成された電荷に対応する非対象電荷の量である。補正情報算出部342は、時間差(シフト時間)tdに対する補正電荷の量gA0の変化率を算出するように構成される。補正情報算出部342は、時間差(シフト時間)tdに対して補正電荷の量gA0が直線的に変化する範囲における変化率(gA/Tc)と、単位期間(Tc)と、の積を非対象成分gAとして求めるように構成される。演算部30は、非対象成分gAを用いて信号電荷の量(bA0,bA1,bA2,bA3)を対象電荷の量(A0,A1,A2,A3)に換算する換算式(たとえば上式(33))を、予め記憶するように構成される。演算部30は、補正情報提供部34から得た非対象成分gAと、換算式とを用いて、信号電荷の量を対象電荷の量に補正するように構成される。
また、本実施形態の空間情報検出装置では、投光部11は、投光期間に信号光を放射し、非投光期間に信号光を放射しないように構成される。演算部30は、投光期間に対応する対象電荷の量と非投光期間に対応する対象電荷の量との差に基づいて反射強度を求めるように構成される。
以上述べたように、本実施形態の空間情報検出装置は強度検出装置として用いられる。すなわち、変調信号生成部32は、投光部11から空間に信号光を投光する投光期間と、投光部11から空間への信号光を停止する非投光期間とを設ける。演算部30は、投光期間において電荷蓄積部123が蓄積した電荷(信号電荷)と、非投光期間において電荷蓄積部123が蓄積した電荷(信号電荷)とを用いて、受光部12が投光期間に受光した電荷の電荷量から、受光部12が非投光期間に受光した環境光に相当する電荷の電荷量を除去するとともに、補正情報を適用することによって、信号光の反射強度を空間情報として求める。
さらに、2種類の電荷量の差分(bA0−bA2)、(bA1−bA3)を用いて反射強度値を求めることも可能である。すなわち、下式(34),(35)が成立する。
両者を足し合わせると、次式(36)が成立する。
よって、反射強度値(A)は次式(37)で表される。
以上述べたように、本変形例では、復調信号生成部33は、上述したように、第1の復調信号と、第2の復調信号と、第3の復調信号と、第4の復調信号と、を生成する。演算部30は、第1の復調信号に対応する電荷量bA0と、第2の復調信号に対応する電荷量bA1と、第3の復調信号に対応する電荷量bA2と、第4の復調信号に対応する電荷量bA3と、補正情報(gA)と、上式(37)に代入して、反射強度値(A)を求める。
上式(37)の関係を用いることによって、透明物体2からの反射の影響を含む電荷量bA0、bA1、bA2、bA3に補正情報gAを適用して、信号光の成分A(すなわち、反射強度値)を求めることができる。すなわち、演算部30では、上式(37)を用いた演算を行うことにより、反射強度値における透明物体2の影響を除去することができる。
Claims (9)
- 所定の対象区域を含む空間に信号光を放射する投光部と、
前記空間からの光を受ける受光部と、
変調信号を生成して前記投光部に出力する変調信号生成部と、
復調信号を生成して前記受光部に出力する復調信号生成部と、
前記対象区域に関する空間情報を生成する演算部と、
補正情報提供部と、
を備え、
前記変調信号は、ハイレベルである期間とロウレベルである期間との長さが所定の単位期間の整数倍の長さから乱数的に決定された方形波信号であり、
前記投光部は、前記変調信号を受け取ると前記変調信号で光を変調して前記信号光を生成するように構成され、
前記復調信号は、前記変調信号または反転された前記変調信号と同じ波形を有する信号であり、
前記受光部は、前記復調信号がハイレベルである第1期間とロウレベルである第2期間とのいずれか一方の期間で定義される集積期間の間に前記空間から受け取った光の強度に応じた電荷を生成し、前記集積期間の間に生成された電荷を前記集積期間よりも長い所定の蓄積期間に亘って蓄積して信号電荷を生成するように構成され、
前記補正情報提供部は、前記投光部および前記受光部と前記対象区域との間の非対象区域からの光に起因して前記受光部で生成される電荷に関する補正情報を生成するように構成され、
前記演算部は、前記補正情報を利用して前記信号電荷の量を前記対象区域からの光に起因して前記受光部で生成される電荷に対応する対象電荷の量に補正し、前記対象電荷の量に基づいて前記空間情報を生成するように構成される
ことを特徴とする空間情報検出装置。 - 探索信号を生成して前記受光部に出力する探索信号生成部を備え、
前記探索信号は、前記変調信号に対して所定の時間差を有する信号であり、
前記補正情報提供部は、位相可変部と、補正情報算出部と、を備え、
前記受光部は、前記探索信号がハイレベルである第1期間とロウレベルである第2期間とのいずれか一方の期間で定義される第2集積期間の間に前記空間から受け取った光の強度に応じた電荷を生成し、前記第2集積期間の間に生成された電荷を前記第2集積期間よりも長い所定の第2蓄積期間に亘って蓄積して補正電荷を生成するように構成され、
前記位相可変部は、前記時間差が異なる複数の前記探索信号を前記探索信号生成部が生成するように、所定の時間範囲内において前記時間差を前記単位期間より小さい変化幅で変化させるように構成され、
前記補正情報算出部は、前記時間差が異なる前記探索信号毎に前記受光部から前記補正電荷を取得し、前記時間差と前記補正電荷の量との関係に基づいて前記補正情報を生成するように構成される
ことを特徴とする請求項1記載の空間情報検出装置。 - 前記空間情報は、前記対象区域に存在する対象物までの距離であり、
前記演算部は、前記信号光が前記投光部から放射されてから前記対象物で反射された前記信号光を前記受光部が受け取るまでにかかる飛行時間を前記対象電荷の量から算出し、前記飛行時間に基づいて前記距離を求めるように構成され、
前記補正情報は、非対象成分と、非対象飛行時間とを含み、
前記非対象成分は、前記非対象区域からの光に起因して前記受光部で生成された電荷に対応する非対象電荷の量であり、
前記非対象飛行時間は、前記信号光が前記投光部から放射されてから前記非対象区域に存在する非対象物体で反射された前記信号光を前記受光部が受け取るまでにかかる時間であり、
前記補正情報算出部は、前記時間差に対する前記補正電荷の量の変化率を算出するように構成され、
前記補正情報算出部は、前記時間差に対して前記補正電荷の量が直線的に変化する範囲における前記変化率と、前記単位期間と、の積を前記非対象成分として求めるように構成され、
前記補正情報算出部は、前記変化率が0に変わるときの前記時間差を前記非対象飛行時間として求めるように構成され、
前記演算部は、前記非対象成分および前記非対象飛行時間を用いて前記信号電荷の量を前記対象電荷の量に換算する換算式を、予め記憶するように構成され、
前記演算部は、前記補正情報提供部から得た前記非対象成分および前記非対象飛行時間と、前記換算式とを用いて、前記信号電荷の量を前記対象電荷の量に補正するように構成される
ことを特徴とする請求項2記載の空間情報検出装置。 - 前記復調信号生成部は、複数の前記復調信号を生成するように構成され、
前記複数の復調信号は、前記変調信号と同じ波形を有する第1の復調信号と、前記第1の復調信号を反転させた信号である第2の復調信号と、前記第1の復調信号から前記単位期間遅延する第3の復調信号と、前記第3の復調信号を反転させた信号である第4の復調信号とのうち2つを含む
ことを特徴とする請求項3記載の空間情報検出装置。 - 前記空間情報は、前記対象区域における前記信号光の反射強度であり、
前記補正情報は、非対象成分を含み、
前記非対象成分は、前記非対象区域からの光に起因して前記受光部で生成された電荷に対応する非対象電荷の量であり、
前記補正情報算出部は、前記時間差に対する前記補正電荷の量の変化率を求めるように構成され、
前記補正情報算出部は、前記時間差に対して前記補正電荷の量が直線的に変化する範囲における前記変化率と、前記単位期間との積を前記非対象成分として求めるように構成され、
前記演算部は、前記非対象成分を用いて前記信号電荷の量を前記対象電荷の量に換算する換算式を、予め記憶するように構成され、
前記演算部は、前記補正情報提供部から得た前記非対象成分と、前記換算式とを用いて、前記信号電荷の量を前記対象電荷の量に補正するように構成される
ことを特徴とする請求項2記載の空間情報検出装置。 - 前記投光部は、投光期間に前記信号光を放射し、非投光期間に前記信号光を放射しないように構成され、
前記演算部は、前記投光期間に対応する前記対象電荷の量と前記非投光期間に対応する前記対象電荷の量との差に基づいて前記反射強度を求めるように構成される
ことを特徴とする請求項5項記載の空間情報検出装置。 - 前記補正情報提供部は、前記対象電荷を含まない前記補正電荷が前記受光部から得られる前記時間差の有効範囲を指定する範囲設定部を備え、
前記補正情報算出部は、前記範囲設定部で指定された前記有効範囲内の前記時間差と前記補正電荷の量との関係に基づいて前記補正情報を生成するように構成される
ことを特徴とする請求項2〜6のうちいずれか1項記載の空間情報検出装置。 - 前記補正情報提供部は、前記所定の時間範囲内の前記時間差と前記補正電荷の量との関係に基づいて前記有効範囲を決定する補正情報取得部を備え、
前記範囲設定部は、前記補正情報取得部で決定された前記有効範囲を指定するように構成される
ことを特徴とする請求項7記載の空間情報検出装置。 - 前記補正情報提供部は、所定の更新条件が満たされたかどうかを判定し、前記更新条件が満たされたと判定すると前記補正情報を更新するように構成される
ことを特徴とする請求項1〜8のうちいずれか1項記載の空間情報検出装置。
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