JP5654247B2 - ガイド部材、磁気テープ駆動装置、磁気テープ - Google Patents

ガイド部材、磁気テープ駆動装置、磁気テープ Download PDF

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Description

本発明は、ガイド部材、磁気テープ駆動装置、磁気テープに関する。
磁気記録媒体の一種である磁気テープは、オーディオテープ、ビデオテープ、コンピュータテープなど様々な用途がある。特に、コンピューター用のデータバックアップテープの分野では、バックアップの対象となるハードディスクの大容量化に伴い、1巻当たり数百GBの記憶容量のものが商品化されている。今後、ハードディスクのさらなる大容量化に対応するため、バックアップテープの高容量化は不可欠である。
上記のようなバックアップテープは、表面に潤滑剤層を備えた塗布型の磁気テープが用いられていることが多い。特許文献1は、表面に潤滑剤層を備えた磁気テープを開示している。
特開2004−039102号公報
バックアップテープとして使用される磁気テープは、さらなる記録容量の増大に伴って記録波長が短波長化され、スペーシングによる記録再生特性の劣化を抑えるために、表面の平滑化が進んでいる。
表面の平滑化による摩擦係数の上昇を抑えるため、磁気テープを構成する磁性層や下塗り層に潤滑剤を含有させる。しかしこの潤滑剤は磁性層や下塗り層の内部に存在するだけでは潤滑効果を得ることができず摩擦係数が上昇し、繰り返し走行させると潤滑剤が枯渇してしまうことがある。潤滑剤が枯渇した状態で磁気テープを磁気テープ駆動装置で繰り返し走行させると、磁気テープの表面が急速に摩耗する。磁気テープの摩耗により生じた摩耗粉が磁気ヘッドの表面(磁気テープが摺動する面)に付着すると、記録再生特性が低下してしまう。
このような問題点を克服し、磁性層や下塗り層に含まれる潤滑剤を磁気テープ表面と磁気ヘッドやガイドロールなどの摺接面との界面に滲み出させ、潤滑効果を維持する必要がある。
本願のガイド部材は、リニア記録可能な磁気テープ駆動装置に設けられ、潤滑剤が添加された下層と前記下層の上部に積層形成された磁性層とを有する磁気テープの前記磁性層に当接してその走行を案内するガイド部材であって、円筒面上に先端が略球面状の複数の突起部が形成され、前記突起部は、先端の曲率半径が0.02〜1μmで、かつ、前記円筒面から前記先端までの高さが30〜500nmであり、前記円筒面に、単位面積100μm2あたり10〜500個備わり、前記突起部が、当接走行する前記磁気テープの前記磁性層の表面に前記潤滑剤を滲み出させるものである。
本願の磁気テープ駆動装置は、磁気テープを移送可能な、リニア記録可能な磁気テープ駆動装置であって、前記磁気テープに摺接して情報を記録または再生可能な磁気ヘッドと、前記磁気テープを移送するテープ移送手段と、前記磁気テープの走行を案内するガイド部材とを備え、前記磁気テープは、潤滑剤が添加された下層と前記下層の上部に積層形成された磁性層とを有し、前記ガイド部材は、円筒面上に先端が略球面状の複数の突起部が形成され、前記突起部は、先端の曲率半径が0.02〜1μmで、かつ、前記円筒面から前記先端までの高さが30〜500nmであり、前記円筒面に、単位面積100μm2あたり10〜500個備わり、前記突起部が、走行する前記磁気テープの前記磁性層に当接してその表面に前記潤滑剤を滲み出させるものである。
本願の磁気テープは、リニア記録可能な磁気テープ駆動装置に備わるガイド部材に走行案内される磁気テープであって、潤滑剤が添加された下層と、前記下層の上部に配されている磁性層とを備え、先端の曲率半径が0.02〜1μmでかつ高さが30〜500nmの先端が略球面状の突起部が単位面積100μm2あたり10〜500個備わる前記ガイド部材に前記磁性層が当接走行した際、前記突起部によって前記潤滑剤が滲み出され、前記磁性層の表面に厚さ2〜5nmの潤滑剤層が形成される。
本発明によれば、磁気テープを繰り返し走行させた際の磁気テープ表面の潤滑剤の枯渇を抑え、その潤滑効果によって磁気テープ表面の摩耗が抑制され、磁気ヘッド表面への摩耗粉付着などによって記録再生特性が損なわれるのを防止できる。
磁気ヘッド及び磁気テープの断面図 本実施の形態にかかる磁気テープ駆動装置のブロック図 磁気テープの断面図 本実施の形態にかかるテープガイドの平面図 本実施の形態にかかるテープガイドの側面図 本実施の形態にかかるテープガイドの要部側面図 図5AにおけるZ−Z部の断面図 テープガイド及び磁気テープの模式図 テープガイドの変形例を示す要部側面図 図7AにおけるZ−Z部の断面図
(実施の形態)
〔1.磁気テープの構成〕
図1は、磁気テープ100及び磁気ヘッド1の断面図を示す。磁気テープ100は、下層101の上に磁性層102を備えた、塗布型の重層磁気テープである。塗布型の重層磁気テープは、下層101に潤滑剤が添加されていることが多い。下層101は、多数の空孔を有する。また、磁性層102には、アルミナなどで形成されたフィラー103が添加されている。
図1に示す磁気テープ100を例えば矢印Aに示す方向へ移送させて磁気ヘッド1に摺接させると、磁気テープ100には磁気ヘッド1との摺接部分に荷重がかかる。ここで、磁気テープ100における磁気ヘッド1との摺接部分にフィラー103が存在すると、フィラー103が下層101側へ押圧され、フィラー103が下層101の空孔を押し潰す。それにより下層101に添加されている潤滑剤は、磁性層102の空孔を通って、磁性層102の表面に染み出る。図1に示す潤滑剤104は、磁性層102の表面に染み出た潤滑剤である。
このように、磁性層102の表面に潤滑剤104を染み出させることにより、磁気ヘッド1と磁気テープ100との界面における摩擦を低下させることができ、スムーズに磁気テープ100を例えば矢印Aに示す方向へ移送させることができる。
〔2.磁気テープ駆動装置の構成〕
図2は、本実施の形態にかかる磁気テープ駆動装置のブロック図である。なお、本実施の形態にかかる磁気テープ駆動装置は、コンピュータテープに対してデータのリニア記録が可能な装置である。
図2に示すように、本実施の形態にかかる磁気テープ駆動装置は、磁気ヘッド1、テープガイド2及び3、第1のリール4、操作部11、制御部12、記録再生制御部13、モータ21及び22を備えている。第2のリール5、磁気テープ6は、磁気テープ駆動装置に着脱可能である。
磁気ヘッド1は、磁気テープ6に対して各種情報を記録したり、磁気テープ6に記録されている各種情報を再生したりすることができる。磁気ヘッド1は、磁気テープ6が本装置内の所定の位置にローディングされている状態において、MR素子を組み込んだMRヘッドが配されている摺動面が磁気テープ6に接触している。なお、本実施の形態では磁気ヘッド1は、MR素子(磁気抵抗効果素子)を備えたMRヘッドで実現したが、これに限定されるものではない。
テープガイド2及び3は、磁気ヘッド1の第1のリール4側及び第2のリール5側にそれぞれ配され、磁気ヘッド1に対する磁気テープ6の巻き付け角や、磁気テープ6の幅方向の位置を規制している。テープガイド2及び3は、磁気テープ6が摺接可能である。
第1のリール4は、第2のリール5(後述)から引き出された磁気テープ6を巻き回すことができる。第1のリール4は、予め磁気テープ駆動装置内に配されている。第1のリール4は、制御部12によって駆動制御されるモータ21によって矢印EまたはGに示す方向へ回転駆動される。
第2のリール5は、磁気テープ駆動装置に着脱可能なカートリッジ(不図示)内に配されている。第2のリール5は、カートリッジ(不図示)を装置内に装着した際に、装置内に配されているリール台(不図示)に装着される。リール台は、制御部12によって駆動制御されるモータ22によって矢印FまたはHに示す方向へ回転駆動される。第1のリール4が矢印Eに示す方向へ回転し、第2のリール5が矢印Fに示す方向へ回転することにより、磁気テープ6を矢印Aに示す方向(第1の方向、フォワード方向)へ移送させることができる。また、第1のリール4が矢印Gに示す方向へ回転し、第2のリール5が矢印Hに示す方向へ回転することにより、磁気テープ6を矢印Bに示す方向(第2の方向、リバース方向)へ移送させることができる。
磁気テープ6は、データ記録用の磁気テープである。第2のリール5から引き出された磁気テープ6は、テープガイド3、磁気ヘッド1、テープガイド2の順に接触され、第1のリール4に巻回される。磁気テープ6は、本実施の形態ではLTO規格に準拠した磁気テープで実現したが、これに限定されるものではない。磁気テープ6は、例えば図3に示すように厚さ5μmのベースフィルムの一方の面に厚さ1.0μmの下層と厚さ0.1μmの上層とを備え、ベースフィルムの他方の面に厚さ0.5μmのバックコート層を備えている。上層の上部には厚さ4nmの表面潤滑剤層を備えている。上層と磁気ヘッドとのスペーシングは18nmとしている。磁気テープ6は、図1に示す塗布型の重層磁気テープ100と同様の構成である。
操作部11は、ユーザによる記録命令や停止命令などの各種操作を受け付ける。操作部11は、ユーザによる各種操作を受け付けると、制御信号を制御部12に送る。
制御部12は、操作部11から制御信号が送られると、その制御信号の内容に応じて、記録再生制御部13、モータ21及び22を制御する。具体的には、制御部12は、記録再生制御部13に対して、磁気テープ6に情報を記録するための命令信号、および磁気テープ6に記録されている情報を読み出すための命令信号を出力する。制御部12は、モータ21及び22に対して、動作開始または動作停止させるための命令を送る。
記録再生制御部13は、制御部12からの制御指令により、磁気ヘッド1を記録動作あるいは再生動作させる。具体的には、記録再生制御部13は、磁気ヘッド1に所定の電流を流すよう制御して、磁気ヘッド1における磁気テープ6との摺接部近傍に磁界を発生させる。
図2に示す磁気テープ駆動装置において、操作部11がユーザーによる記録開始操作を受けると、操作部11は、命令信号を制御部12に送る。制御部12は、操作部11から送られる命令信号に基づき、モータ21及び22に対して磁気テープ6を矢印Aに示す方向へ移送させる制御信号を送る。モータ21は、制御部12から送られる制御信号に基づき駆動し、リール4を矢印Eに示す方向へ回転させる。モータ22は、制御部12から送られる制御信号に基づき駆動し、リール5を矢印Fに示す方向へ回転させる。これにより、磁気テープ6は、磁気ヘッド1に摺接し、テープガイド2及び3に当接しながら、矢印Aに示す方向へ移送される。なお、テープガイド2及び3は、磁気テープ6の移送に伴って回転する。また、制御部12は、記録再生制御部13に対して、データの記録を開始する制御信号を送る。記録再生制御部13は、制御部12から送られる制御信号に基づき、磁気ヘッド1を動作させて磁気テープ6にデータを記録する。
また、操作部11がユーザーによる再生開始操作を受けると、操作部11は、命令信号を制御部12に送る。制御部12は、操作部11から送られる命令信号に基づき、モータ21及び22に対して磁気テープ6を矢印Aに示す方向へ移送させる制御信号を送る。モータ21は、制御部12から送られる制御信号に基づき駆動し、リール4を矢印Eに示す方向へ回転させる。モータ22は、制御部12から送られる制御信号に基づき駆動し、リール5を矢印Fに示す方向へ回転させる。これにより、磁気テープ6は、磁気ヘッド1に摺接し、テープガイド2及び3に当接しながら、矢印Aに示す方向へ移送される。なお、テープガイド2及び3は、磁気テープ6の移送に伴って回転する。また、制御部12は、記録再生制御部13に対して、データの読み出しを開始する制御信号を送る。記録再生制御部13は、制御部12から送られる制御信号に基づき、磁気ヘッド1を動作させて磁気テープ6に記録されているデータを読み出す。
詳しい説明は省略するが、磁気テープ6を矢印Bに示す方向へ移送させながら、データの記録または再生も可能である。
〔3.テープガイドの構成〕
図4Aは、テープガイド3の上面図である。図4Bは、テープガイド3の側面図である。図5Aは、テープガイド3の要部拡大図である。図5Bは、図5AにおけるZ−Z部の断面図である。なお、本実施の形態では、テープガイド2及び3のうち一方のテープガイド3について図示及び説明するが、他方のテープガイド2についてもテープガイド3と同様の構成を備えてもよい。
図4A及び図4Bに示すように、テープガイド3は、円筒形状である。テープガイド3は、矢印MまたはNに示す方向へ回転可能に磁気テープ駆動装置に備わる。テープガイド3は、例えば磁気テープ駆動装置のシャーシに備わるピン(不図示)に回転可能に支持されている構成とすることで、矢印MまたはNに示す方向へ回転可能な構成とすることができる。テープガイド3は、磁気テープ6の少なくとも移送時に、その円筒面が磁気テープ6に当接し、磁気テープ6の移送に伴って矢印MまたはNに示す方向へ回転する。テープガイド3は、磁気テープ6が当接する面に複数の突起部31を備えている。
突起部31は、図4A及び図4Bに示すように略等間隔に配置されている。突起部31は、本実施の形態ではテープガイド3の円筒面全域に配置したが、少なくとも磁気テープ6が当接する領域に配置されていればよい。なお、突起部31の配置は、図3Bに示すようにマトリクス状配置に限らず、千鳥状配置であってもよい。また、突起部31の配置は、等間隔に限らず、例えば円筒軸方向の中央部分を密配置とし、円筒軸方向の端部分を疎配置としてもよい。このようにすることで、磁気テープ6側から染み出す潤滑剤の量を、テープガイド3の円筒軸方向の中央部分で多く、円筒軸方向の端部で少なくすることができる。
突起部31は、本実施の形態では略半球状としたが、この形状に限定されない。突起部31の形状は、例えば円錐形状であってもよい。突起部31において少なくとも磁気テープ6に接する部分は、球面等のように接圧が極端に集中しにくい形状とすることにより、磁気テープ6に損傷を与えにくいため好ましい。
突起部31は、直径R1(図5A参照)を例えば0.4μmとしているが、この寸法は一例である。突起部31は、隣り合う他の突起部とのピッチP1(図5A参照)を例えば0.9μmとしているが、この寸法は一例である。突起部31は、テープガイド3の円筒面からの平均高さH1(図5B参照)を例えば0.05μmとしているが、この寸法は一例である。突起部31は、曲率半径を例えば0.2μmとしているが、この寸法は一例である。突起部31は、テープガイド31の円筒面の単位面積(例えば100μm2)における個数を120個としているが、この個数は一例である。本実施の形態の突起部31は、先端の曲率半径が0.02〜1.0μm、平均高さH1が30〜500nm、テープガイド3の単位面積(100μm2)における個数が10〜500個とすることが好ましい。
図6は、本実施の形態のテープガイド3と磁気テープ6と接触状態を示す断面図である。図6に示すように、テープガイド3は、磁気テープ6に対して所定の接圧を伴って当接する。テープガイド3は、磁気テープ6が当接する面に複数の突起部31を備えたことにより、磁気テープ6に対する接圧が局部的に集中する。これにより、磁性層62は、下層61側へ押圧される。下層61は、磁性層62側より押圧されることにより局部変形して、空孔が押し潰される。それにより下層61に添加されている潤滑剤は、磁性層62の空孔を通って、磁性層62の表面に染み出る。図6に示す潤滑剤64は、磁性層62の表面に染み出た潤滑剤である。
図6に示すように、テープガイド3に突起部31を設けて、磁気テープ6に対する接圧を局部的に集中させることにより、潤滑剤を適度に磁性層62の表面に染み出させることができる。したがって、磁気ヘッド1と磁気テープ6との界面における潤滑剤の枯渇を軽減することができる。
ここで、潤滑剤64は、磁性層62の表面に染み出る量が少なすぎると、磁気ヘッド1と磁気テープ6との界面における摩擦が大きくなり,磁気テープ6が摩耗しやすくなる。また、潤滑剤64は、磁性層62の表面に染み出る量が多すぎると、磁気テープ6が磁気ヘッド1に貼り付きやすくなる。具体的には、磁性層62の表面に染み出る潤滑剤64の量が多すぎると、磁気ヘッド1と磁気テープ6との間にメニスカス部(磁気ヘッド1と磁気テープとに物理的に接した潤滑剤)が生じ、磁気ヘッド1と磁気テープ6とを引き寄せ合う力が生じて、磁気テープ6が磁気ヘッド1に貼り付いてしまうことがある。
上記のように、磁性層62の表面に染み出る潤滑剤64は、適正な量としなければならない。潤滑剤64の量を適正な量とするためには、テープガイド3における磁気テープ6が当接する面に突起部31を備え、さらに突起部31の形状、大きさ、個数等を最適化することが好ましい。
本発明者らは、突起部31の仕様と、磁性層62の表面に染み出る潤滑剤とを最適な関係にするために、様々な実験を行った。実験内容は、日立マクセル社製のLTO(Linear Tape Open)規格に準拠した磁気テープと、ヒューレット・パッカード社製LTOドライブとを用いて、テープガイドにおける突起部の仕様を変えて実験した。(表1)は、突起部の仕様を好ましい数値範囲としたときの実験結果である(実施例)。(表2)は、磁気ヘッドと磁気テープとの間に何等かの問題が生じた実験結果である(比較例)。また、本実験は、磁性層62の表面に形成される潤滑剤層の厚さの適正値を例えば2〜5nmとしている。また、本実験は、厚さが2nm(初期値)の潤滑剤層を備えた磁気テープ6を、LTOドライブにおいて10000パス移送させ、10000パス移送後の潤滑剤層の厚さを測定した。また、磁気ヘッド1と磁気テープ6とのスペーシングは、20nmとした。
Figure 0005654247
まず、(表1)の実施例1に示すように、突起部31の先端の曲率半径を0.2μm、突起部31の平均高さH1を50nm、単位面積(100μm2)当たりの突起部31の個数を120個としたとき、潤滑剤層の厚さは2nmから3nmに変化した。厚さ3nmの潤滑剤層は、適正値の範囲内である。
次に、実施例2及び3に示すように、突起部31の単位面積当たりの個数を変化させて、潤滑剤層の厚さを測定した。突起部31を10個(実施例2)とすると潤滑剤層の厚さは2nmまま変化が見られなかったが、突起部31を500個(実施例3)とすると潤滑剤層の厚さは2nmから5nmへ増加した。潤滑剤層の厚さ2nm、5nmは、いずれも適正値の範囲内である。したがって、突起部31の単位面積当たりの個数は、10〜500個の範囲とすることが好ましい。
次に、実施例4及び5に示すように、突起部31の先端の曲率半径を変化させて、潤滑剤層の厚さを測定した。突起部31の曲率半径を0.02μm(実施例4)としても、曲率半径を1.0μm(実施例5)としても、潤滑剤層の厚さは初期値(2nm)から変化しなかった。したがって、突起部31の先端の曲率半径は、0.02〜1.0μmとすることが好ましい。
次に、実施例6及び7に示すように、突起部31の平均高さを変化させて、潤滑剤層の厚さを測定した。突起部31の平均高さを30nmとすると、潤滑剤層の厚さは2nmのまま変化は見られなかった。突起部31の平均高さを500nmとすると、潤滑剤層の厚さは2nmから5nmに増加した。2nm、5nmの潤滑剤層の厚さは、いずれも適正値の範囲内である。したがって、突起部31の高さは、30〜500nmの範囲とすることが好ましい。なお、突起部31の高さの下限値は、磁気ヘッド1と磁気テープ6とのスペーシング(本実施の形態では20nm)よりも高くすることが好ましく、これにより突起部31が磁気テープ6に確実に接触する。
Figure 0005654247
次に、(表2)に示すように、突起部31の仕様を実施例1〜7に示す範囲外に設定して実験を行った。
まず、比較例1に示すように、突起部31を備えてないテープガイド3の場合、磁気テープ6に対する接圧が低すぎるため、潤滑剤層の厚さは適正値よりも低い0nmとなった。次に、比較例2に示すように、突起部31の個数を、本実施の形態における好ましい範囲(10〜500個)よりも多く備えた場合(531個)、磁気テープ6に対する接圧が高すぎるため、潤滑剤層の厚さは適正値を超えて6nmとなった。
次に、比較例3に示すように、突起部31の先端の曲率半径を、本実施の形態における好ましい範囲(0.02〜1.0μm)よりも小さくした場合(0.01μm)、潤滑剤層の厚さは適正値よりも低い0nmとなった。次に、比較例4に示すように、突起部31の先端の曲率半径を、本実施の形態における好ましい範囲(0.02〜1.0μm)よりも大きくした場合(1.3μm)、潤滑剤層の厚さは適正値よりも低い1nmとなった。
次に、比較例5に示すように、突起部31の平均高さを、本実施の形態における好ましい範囲(30〜500nm)よりも低くした場合(20nm)、磁気テープ6に対する接圧が低すぎるため、潤滑剤層の厚さは適正値よりも低い1nmとなった。次に、比較例6に示すように、突起部31の平均高さを、本実施の形態における好ましい範囲(30〜500nm)よりも高くした場合(570nm)、磁気テープ6に対する接圧が高すぎるため、潤滑剤層の厚さは適正値よりも高い7nmとなった。
以上のように、突起部31は、先端の曲率半径を0.02〜1.0μmの範囲とし、平均高さを30〜500nmとし、かつ単位面積当たりの個数を10〜500個とすることにより、磁性層62の表面に染み出る潤滑剤64の量(潤滑剤層の厚さ)を適正にすることができる。
なお、突起部31は、様々な方法で形成することができる。例えば、アルミナなどのフィラーを混入させた樹脂を円筒状に成型し、その外周円筒面にクロム鍍金を施す方法がある。この製法の場合、フィラーが突起部31となる。また、アルミナなどのフィラーを混入させた樹脂フィルムをロールに巻き付けて円筒状に成型し、その外周円筒面にクロム鍍金を施す方法がある。また、円筒状の樹脂製のロールの外周円筒面において突起部を形成する部分以外の部分をマスキングし、外周円筒面にクロム鍍金を行い、マスク部材を除去する。マスク部材を除去することで、マスキングされていなかった部分にクロムによる突起部が残る。また、樹脂製のロールを、エッチング処理または放電処理して突起部31を形成する方法がある。また、突起部に対応する凹部を有する金型に、溶融した樹脂を流し込んでロールを鋳造する方法がある。なお、上記製法は、いずれも一例である。
〔4.実施の形態の効果、他〕
本実施の形態によれば、テープガイド3における磁気テープ6の当接面に複数の突起部31を備えたことにより、磁気テープ6の表面に染み出る潤滑剤の量を適量とすることができる。したがって、磁気ヘッド1と磁気テープ6との界面における摩擦を適度とすることができ、磁気テープ6をスムーズに移送させることができる。また、潤滑剤が多量に染み出すことによる磁気テープ6が磁気ヘッド1に貼り付く現象や、磁性層表面に染み出る潤滑剤が枯渇することによる磁気ヘッド1と磁気テープ6との界面における摩擦増加を、防止することができる。
なお、本実施の形態では、テープガイド3に突起部31を備える構成について説明したが、テープガイド2にも突起部31と同様の突起部を備えてもよい。
また、本実施の形態では、突起部31の形状は略半球状としたが、図7A及び図7Bに示すように略円錐状であってもよい。図7Aは、テープガイド3の変形例を示す要部側面図である。図7Bは、図7AにおけるZ−Z部の断面図である。図7A及び図7Bに示す突起部32は、先端に球面を有する略円錐状である。突起部32の直径R2、ピッチP2、および高さH2は、それぞれ本実施の形態における直径R1、ピッチP1、および高さH1と同等とすることができる。
また、本実施の形態におけるテープガイド2、3は、本発明のガイド部材の一例である。本実施の形態における突起部31、32は、本発明の突起部の一例である。本実施の形態における磁気ヘッド1は、本発明の磁気ヘッドの一例である。本実施の形態におけるモータ21、22。リール台(不図示)は、テープ移送手段の一例である。
本発明の磁気テープ駆動装置は、磁気テープを情報媒体として使用する装置に有用である。特に、コンピュータテープに対してデータのリニア記録が可能な磁気テープ駆動装置に有用である。
2、3 テープガイド
31、32 突起部

Claims (3)

  1. リニア記録可能な磁気テープ駆動装置に設けられ、潤滑剤が添加された下層と前記下層の上部に積層形成された磁性層とを有する磁気テープの前記磁性層に当接してその走行を案内するガイド部材であって、
    円筒面上に先端が略球面状の複数の突起部が形成され、
    前記突起部は、
    先端の曲率半径が0.02〜1μmで、かつ、前記円筒面から前記先端までの高さが30〜500nmであり、前記円筒面に、単位面積100μm2あたり10〜500個備わり、
    前記突起部が、当接走行する前記磁気テープの前記磁性層の表面に前記潤滑剤を滲み出させる、ガイド部材。
  2. 磁気テープを移送可能な、リニア記録可能な磁気テープ駆動装置であって、
    前記磁気テープに摺接して情報を記録または再生可能な磁気ヘッドと、
    前記磁気テープを移送するテープ移送手段と、
    前記磁気テープの走行を案内するガイド部材とを備え、
    前記磁気テープは、潤滑剤が添加された下層と前記下層の上部に積層形成された磁性層とを有し、
    前記ガイド部材は、円筒面上に先端が略球面状の複数の突起部が形成され、
    前記突起部は、
    先端の曲率半径が0.02〜1μmで、かつ、前記円筒面から前記先端までの高さが30〜500nmであり、前記円筒面に、単位面積100μm2あたり10〜500個備わり、
    前記突起部が、走行する前記磁気テープの前記磁性層に当接してその表面に前記潤滑剤を滲み出させる、磁気テープ駆動装置。
  3. リニア記録可能な磁気テープ駆動装置に備わるガイド部材に走行案内される磁気テープであって、
    潤滑剤が添加された下層と、前記下層の上部に配されている磁性層とを備え、
    先端の曲率半径が0.02〜1μmでかつ高さが30〜500nmの先端が略球面状の突起部が単位面積100μm2あたり10〜500個備わる前記ガイド部材に前記磁性層が当接走行した際、
    前記突起部によって前記潤滑剤が滲み出され、前記磁性層の表面に厚さ2〜5nmの潤滑剤層が形成される、磁気テープ。
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