JP5653675B2 - ウエハ加工用テープ - Google Patents
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図10に示すように、接着剤層103は、ウエハ101よりも大きいがリングフレーム102には接触しない大きさに、接着剤層側から接着剤層103と粘着テープ104の粘着剤層界面部分までが打ち抜かれている。ウエハ101とウエハ加工用テープ100を貼り合わせる際は、ウエハマウンターによりウエハ101とそれを支持するリングフレーム102にウエハ加工用テープ100が貼り合わせられ、リングフレーム102上で円形にカットされる。
ここで、プリカット加工とは、粘着テープ104の基材フィルム及び粘着剤層をリングフレーム102に貼り合わせることができ、リングフレーム102からはみ出さない大きさで予め円形に打ち抜き加工を施すことをいう。
ウエハマウンターによるウエハ101への貼合工程においては、図11に示すように、円形に打ち抜かれたウエハ加工用テープ100が剥離用くさび(ピールプレート)110によって剥離フィルム105からの剥離のきっかけを得た後、プレスローラー111によってウエハ101及びリングフレーム102への貼り合わせが行われる(例えば、特許文献1参照)。
このような作業工程を採用することにより、リングフレーム102上でのウエハ加工用テープ100をカットする工程を省くことができ、リングフレーム102の損傷をなくすこともできる。
上記の貼合工程の後はダイシング工程となり、半導体チップの切断が行われた後に粘着テープ104の基材フィルム側より放射線を照射するなどによって粘着テープ104の粘着剤層と接着剤層103間の剥離強度を十分に低下させてから、基材フィルムをエキスパンドさせて半導体チップのピックアップを行う(例えば、特許文献2参照)。
この理由として、粘着剤層と接着剤層103の剥離強度が非常に低いことが挙げられる。しかしながら、粘着剤層と接着剤層103の剥離強度を安易に上昇させることは、基材フィルムをエキスパンドさせての半導体チップのピックアップ工程でのピックアップミスを発生させる原因となる。実際に、最近では、1つの半導体パッケージ内にてより多くの半導体チップを積層する為に、半導体チップの薄肉化が進んでおり、そのような薄肉の半導体チップのピックアップをミスなく行うためには、粘着剤層と接着剤層103の剥離強度を低くすることが求められている。なお、粘着剤層と接着剤層103の剥離強度が0.5N/25mm以下の場合に、上記接着剤層103の先端部分の剥離の問題が顕著となる。
ところが、薄肉半導体チップのピックアップをミスなく行うためには、そもそも放射線照射前の粘着剤層と接着剤層103の剥離強度を低く保ち、放射線を照射するなどして粘着剤層と接着剤層103の剥離強度を更に低下させる方法をとるため、上記の問題を解決することはできない。
前記接着剤層は、前記粘着テープの粘着剤層の外縁とこの外縁から5mm内側を通る線とに挟まれた領域に存在する近接部の外縁の長さが前記粘着剤層の外縁の長さの6%以上20%以下となるように形成されていることを特徴とする。
前記粘着テープは、長手方向に沿ってロール状に巻きつけられており、
前記近接部は、前記粘着テープの引き出し方向の中央よりも引き出し方向上流側となる位置に存在することを特徴とする。
前記近接部は、前記接着剤層における前記粘着テープの引き出し方向の最も上流側となる位置に存在することを特徴とする。
前記粘着剤層と前記接着剤層のT形剥離試験での剥離強度が0.5N/25mm以下であることを特徴とする。
前記粘着剤層は放射線の照射により前記接着剤層との間の粘着力が低下する材料から形成され、放射線照射による粘着力低下前の前記粘着剤層と前記接着剤層のT形剥離試験での剥離強度が0.5N/25mm以下であることを特徴とする。
これにより、ウエハ加工用テープから剥離フィルムを剥離する際に、粘着剤層の先端部分と接着剤層の近接部が剥離用くさびを通過する時間差を少なくすることができ、粘着剤層から接着剤層が剥離することを抑制することができる。
図1は、ウエハ加工用テープの概要を示す図である。
図1に示すように、ウエハ加工用テープ1は、芯材となるコア10にロール状に巻かれている。ウエハ加工用テープ1は、剥離フィルム2と、接着剤層3と、粘着テープ4とを有している。なお、接着剤層3と粘着テープ4が積層されてダイシングダイボンドテープが構成される。
剥離フィルム2は、矩形の帯状に形成され、一方向が十分に長くなるように形成されている。剥離フィルム2は、製造時及び使用時にキャリアフィルムとしての役割を果たすものである。剥離フィルム2としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)系、ポリエチレン系、その他、離型処理がされたフィルム等周知のものを使用することができる。剥離フィルム2の厚さは、特に限定されるものではなく、適宜に設定してよいが、25〜50μmが好ましい。
接着剤層3は、剥離フィルム2の表面2a(図2の紙面の表側)上に形成されている。ここで、剥離フィルム2の表面2aとは、接着剤層3や粘着テープ4が形成される面のことをいい、図1において図示されている面である。接着剤層3は、半導体ウエハ等が貼り合わされてダイシングされた後、チップをピックアップする際に、チップの裏面に付着しており、チップを基板やリードフレームに固定する際の接着剤として使用される。
接着剤層3に用いられる材料としては、特に限定されるものでは無く、接着剤に使用される公知のポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエステルイミド樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコンオリゴマー系等を使用することができる。
接着剤層3の厚さは適宜設定してよいが、5〜25μm程度が好ましい。
粘着テープ4は、接着剤層3の上に設けられている。粘着テープ4は、基材フィルムと、この基材フィルムに設けられ、接着剤層3に接触する粘着剤層と、を有している。粘着テープ4は、接着剤層3を覆うと共に、接着剤層3の周囲で剥離フィルム2に接触し、ダイシング用のリングフレームの形状に対応するラベル部4aと、ラベル部4aの外周を囲むように形成された周辺部4bとを有する。このような粘着テープ4は、プリカット加工により、フィルム状粘着剤からラベル部4aの周辺領域を除去することで形成することができる。この場合、ダイシングダイボンドテープの使用時において、ウエハが貼合される部分には接着剤層3が有り、ダイシング用のリングフレームが貼合される部分には接着剤層3がなく、粘着テープ4のみがあり、リングフレームは接着テープ4に貼合されて使用される。一般に、接着剤層3は被着体と剥離しにくいため、リングフレーム等に糊残りを生じやすい。プリカットされた接着剤層3を使用することで、リングフレームは粘着テープ4に貼合することができ、使用後のテープ剥離時にリングフレームへの糊残りを生じにくいという効果が得られる。
接着剤層3の形状は、粘着テープ4の粘着剤層の外縁L1とこの外縁L1から5mm内側を通る線L2とに挟まれた領域Rに存在する近接部3aの外縁L3の長さが粘着剤層の外縁L1の長さの6%以上となるように形成されている。
近接部3aは、粘着テープ4の引き出し方向Aの中央よりも引き出し方向A上流側となる位置に存在する。より詳しくは、近接部3aは、接着剤層3における粘着テープ4の引き出し方向Aの最も上流側となる位置に存在する。図1、図2においては、接着剤層3は、平面視円形状の粘着剤層における粘着テープ4の引き出し方向の最上流の位置に存在する外縁(図2のP点)において、粘着剤層と近接部3aとを共通接線が通せるように配置されている。すなわち、接着剤層3は、ウエハ加工用テープ1の繰り出し方向先端部分において、接着剤層3の先端と粘着剤層の先端が揃うように配置されている。
なお、粘着テープ4をロール体から引き出す引き出し方向Aと剥離フィルム2の引き剥がし方向Bは逆方向の関係にあるが、剥離フィルム2は、引き出し方向Aに引き出された後、所定位置で折り返して引き剥がし方向Bに引っ張って粘着シート4および接着剤層3から引き剥がされるため(上述の図11,図12を参照)、近接部3aは、両方向A,Bにおいて最も上流側に位置することになる。
このような基材として選択し得るポリマーの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマーなどのα−オレフィンの単独重合体または共重合体あるいはこれらの混合物、ポリウレタン、スチレン−エチレン−ブテンもしくはペンテン系共重合体、ポリアミド−ポリオール共重合体等の熱可塑性エラストマー、およびこれらの混合物を列挙することができる。また、これらを複層にしたものを使用してもよい。
粘着剤層としては、放射線重合性成分及び熱重合性成分を含有してなるのが好ましい。粘着剤層は、放射線を照射することにより硬化して接着剤層3との粘着力が低下する、又は、加熱することにより硬化して接着剤層3との粘着力が低下するものであることが好ましい。
粘着剤層が放射線重合性成分を有する場合、放射線を照射して粘着剤層を硬化させる前の粘着剤層と接着剤層3とのT形剥離試験(JIS K6854)での剥離強度が0.5N/25mm以下であることが好ましい。
放射線重合性成分としては、放射線照射によって三次元網状化しうるものであれば特に制限は無く、例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、ペンテニルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、オリゴエステルアクリレート、スチレン、ジビニルベンゼン、4−ビニルトルエン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、1,3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、1,2−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、トリス(β−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのトリアクリレート、イソシアネート化合物、ウレタン(メタ)アクリレート化合物、ジアミン及びイソシアネート化合物、尿素メタクリレート化合物、側鎖にエチレン性不飽和基を有する放射線重合性共重合体が挙げられる。
他にも、ポリエステル型またはポリエーテル型などのポリオール化合物と多価イソシアナート化合物(例えば、2,4−トリレンジイソシアナート、2,6−トリレンジイソシアナート、1,3−キシリレンジイソシアナート、1,4−キシリレンジイソシアナート、ジフェニルメタン4,4−ジイソシアナートなど)を反応させて得られる末端イソシアナートウレタンプレポリマーに、ヒドロキシル基を有するアクリレートあるいはメタクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート、ポリエチレングリコールメタクリレートなど)を反応させて得られるウレタンアクリレート系オリゴマーが挙げられる。
これらの放射線重合性化合物は、単独で又は2種類以上を組み合わせても、使用することができる。
半導体ウエハをダイシングする際には、積層状態の接着剤層3及び粘着テープ4からなるラベル4aから剥離フィルム2を剥離し、接着剤層3上に半導体ウエハの裏面を貼り付け、粘着テープ4のラベル部4aの外周部にダイシング用リングフレームを粘着固定する(上述した図9と同様)。この状態で半導体ウエハをダイシングし、その後、粘着テープ4に放射線照射等の硬化処理を施して半導体チップをピックアップする。このとき、粘着テープ4の粘着剤層は、硬化処理によって粘着力が低下しているので、接着剤層3から容易に剥離し、半導体チップは裏面に接着剤層3が付着した状態でピックアップされる。半導体チップの裏面に付着した接着剤層3は、その後、半導体チップをリードフレームやパッケージ基板、あるいは他の半導体チップに接着する際に、ダイボンディングフィルムとして機能する。
以上のように、ウエハ加工用テープ1によれば、接着剤層3は、粘着テープ4の粘着剤層の外縁とこの外縁から5mm内側を通る線とに挟まれた領域Rに存在する近接部3aの外縁の長さが粘着剤層の外縁の長さの6%以上となるように形成されているため、粘着剤層の先端部分と接着剤層3の近接部3aとを互いに近づけた状態とすることができる。
これにより、ウエハ加工用テープ1から剥離フィルム2を剥離する際に、粘着剤層の先端部分と接着剤層3の近接部3aが剥離用くさびを通過する時間差を少なくすることができ、粘着剤層から接着剤層3が剥離することを抑制することができる。
また、接着剤層3の端部と粘着剤層の端部は、ウエハ加工用テープ1の引き出し方向の最も上流側で揃えることにより、粘着剤層からの接着剤層3の剥離をより抑制することができる。
(粘着テープX)
放射線重合性炭素−炭素二重結合を有するアクリル系ポリマー(分子量70万Mw、Tg=−65℃) 100部、ポリイソシアネート系硬化剤2部に、光重合開始剤(2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン)1部を配合し、ポリオレフィン系基材フィルム(厚さ100μm)上に乾燥膜厚が10μmとなるように塗布した後110℃で2分間乾燥し、粘着テープXを得た。
分子量が20万Mw、Tgが−20℃のアクリル系ポリマーを用いた以外は粘着テープXと同様にして、粘着テープYを作成した。
アクリル系共重合体100部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂100部、キシレンノボラック型フェノール樹脂10部に、エポキシ硬化剤として2−フェニルイミダゾール5部とキシレンジアミン0.5部を配合し、剥離フィルムであるPETフィルムに塗布後110℃で2分間乾燥し、接着フィルムを得た。
上記接着フィルムに、図3に示すように、接着剤層側から接着剤層に対して円形のプリカット加工を10個分施し、粘着テープXの粘着剤層と接着剤層とを合わせてラミネートした。その後、図3に示すように、粘着剤層の外延と接着剤層の外延とが、最上流で接するように、粘着剤層に基材フィルム側からPETフィルムに向けて円形のプリカットを施した。接着剤層31の近接部31aの外縁の長さは、粘着剤層41の外縁(粘着テープの外縁。以下の例についても同様)の長さの20%となっている。
上記接着フィルムに、図4に示すように、円形領域32aと外延が一部外側に延出されることによって形成された延出領域32bとを有する形状にプリカットを○○個分施し、粘着テープXの粘着剤層と接着剤層とを合わせてラミネートした。その後、図3に示すように、粘着剤層の外延と接着剤層の外延とが、最上流で接するように、粘着剤層に基材フィルム側からPETフィルムに向けて円形のプリカットを施した。なお、円形領域32aは、粘着剤層42と同心円状に形成されている。従って、円形領域32aは、粘着剤層42の中心に配置されている。領域32bは、帯状に形成され、一端が領域32aに接続され、他端が接着剤層32の外縁を形成するように円弧状に形成されている。すなわち、領域32bは、領域32aにおけるウエハ加工用テープ1の引き出し方向A上流側に設けられ、領域32aに連続するように形成されている。
接着剤層32の近接部32cの外縁の長さは、粘着剤層42の外縁の長さの6%となっている。
粘着テープXに替えて粘着テープYを用いた以外は、実施例1と同様に作成した。
図5に示すように、接着剤層34におけるウエハ加工用テープ1の引き出し方向Aの最上流側の外縁と粘着剤層44における同引き出し方向Aの最上流側の外縁との間隔が4mmとなるように、接着フィルムおよび粘着テープをプリカットした以外は、実施例1と同様に作成した。近接部34aの外縁の長さは、粘着剤層44の外縁の長さの13%となっている。
図6に示すように、接着剤層35の中心が粘着剤層45の中心と一致し、接着剤層35が、粘着剤層45の外縁から5mmの領域には存在しておらず、近接部が存在しない状態となるように、接着フィルムおよび粘着テープをプリカットした以外は、実施例1と同様に作成した。
粘着テープXに替えて粘着テープYを用いた以外は、比較例1と同様に作成した。
図7に示すように、接着剤層36におけるウエハ加工用テープ1の引き出し方向Aの最上流側の外縁と粘着剤層46における同引き出し方向Aの最上流側の外縁との間隔が6mmとなり、接着剤層36が、粘着剤層46の外縁から5mmの領域には存在しておらず、近接部が存在しない状態になるように、接着フィルムおよび粘着テープをプリカットした以外は、実施例1と同様に作成した。
図8に示すように、接着剤層37の近接部37cの外縁の長さが、粘着剤層47の外縁の長さの3%となるように、延出領域32bの幅を狭くした以外は、実施例2と同様に作成した。
このようにして作成された各ウエハ加工用テープについて特性の評価試験を行った。各特性は次のように試験評価した。
(1)剥離用くさび(ピールプレート)による剥離フィルム(セパレーター)からの剥離の評価
作製した半導体用ウエハ加工用テープが実際に剥離用くさび(ピールプレート)によって剥離フィルム(セパレーター)からの剥離及びウエハへの貼合を、粘着剤層から接着剤層先端部分が剥離することなく容易にできるか否かを、8インチセミオートウエハマウンター(型式RAD-2500m/8、LINTEC社製)を用い、5mm/s,10mm/sと速度を変化させて確認した。
(2)放射線照射前の接着剤層/粘着剤層間剥離強度
放射線照射を施す前の粘着剤層と接着剤層のT字の剥離強度測定は、以下に定める通りに行った。接着剤層と粘着剤層及び剥離フィルムが積層された幅25mm×長さ約100mmの試験片を採取し、接着剤層表面のPET離型紙を剥離した後、所定の粘着テープ(オージータック(株)製PPテープ400包装用)を2kgのゴムローラを3往復させて圧着し、1時間放置後、引張試験機を用いて接着剤層/粘着剤層間の剥離強度を測定した。測定は、T字方向の引き剥がし法によって、300mm/minの引張速さで行い、接着剤層/粘着剤層間の剥離時荷重を求めて、これを放射線照射前剥離強度とした。
図9に剥離強度試験の結果の比較を示す。
図9の結果から明らかなように、粘着剤層の外縁と、この外縁から5mm内側を通る線とに挟まれた領域に存在する近接部の外縁の長さが粘着剤層の外縁の長さの0%や3%(6%未満)であるような接着剤層の場合には、剥離した状態、剥離痕跡がある状態となり、マウントが良好に行われているとは言い難い。
従って、近接部の外縁の長さが粘着剤層の外縁の長さの6%以上となるように接着剤層を形成することが好ましいことが確認できる。
2 剥離フィルム
3 接着剤層
3a 近接部
4 粘着テープ
Claims (5)
- 剥離フィルムと、この剥離フィルムの上に設けられた接着剤層と、この接着剤層の上に設けられた粘着テープとを有するウエハ加工用テープであって、
前記接着剤層は、前記粘着テープの粘着剤層の外縁とこの外縁から5mm内側を通る線とに挟まれた領域に存在する近接部の外縁の長さが前記粘着剤層の外縁の長さの6%以上20%以下となるように形成されていることを特徴とするウエハ加工用テープ。 - 前記粘着テープは、長手方向に沿ってロール状に巻きつけられており、
前記近接部は、前記粘着テープの引き出し方向の中央よりも引き出し方向上流側となる位置に存在することを特徴とする請求項1に記載のウエハ加工用テープ。 - 前記近接部は、前記接着剤層における前記粘着テープの引き出し方向の最も上流側となる位置に存在することを特徴とする請求項2に記載のウエハ加工用テープ。
- 前記粘着剤層と前記接着剤層のT形剥離試験での剥離強度が0.5N/25mm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のウエハ加工用テープ。
- 前記粘着剤層は放射線の照射により前記接着剤層との間の粘着力が低下する材料から形成され、放射線照射による粘着力低下前の前記粘着剤層と前記接着剤層のT形剥離試験での剥離強度が0.5N/25mm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のウエハ加工用テープ。
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